JP2017215366A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017215366A
JP2017215366A JP2016107332A JP2016107332A JP2017215366A JP 2017215366 A JP2017215366 A JP 2017215366A JP 2016107332 A JP2016107332 A JP 2016107332A JP 2016107332 A JP2016107332 A JP 2016107332A JP 2017215366 A JP2017215366 A JP 2017215366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
polymerizable compound
irradiation step
light irradiation
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016107332A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6733315B2 (ja
Inventor
秋山 英也
Hideya Akiyama
英也 秋山
正臣 木村
Masaomi Kimura
正臣 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2016107332A priority Critical patent/JP6733315B2/ja
Publication of JP2017215366A publication Critical patent/JP2017215366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6733315B2 publication Critical patent/JP6733315B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、液晶分子の配向方向を定め、かつ安定なプレチルト角を形成することができる液晶表示素子の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、基板上に添着されたネマチック相−等方性液体間で相転移温度を有する重合性化合物含有液晶組成物に等方性液相状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第1の光照射工程、及び前記第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に電圧を印加した状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第2の光照射工程を含む、液晶表示素子の製造方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、有用な液晶表示素子の製造方法に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ、時計、広告表示板等に用いられている。液晶表示方式としては、その代表的なものとして、TN(ツイステッド・ネマチック)型、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型、TFT(薄膜トランジスタ)を用いたVA(バーチカル・アライメント;垂直配向)型やIPS(イン・プレーン・スイッチング)型、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)型、等が挙げられる。
これらVA型、IPS型またはFFS型の液晶表示素子(液晶ディスプレイ)には誘電率異方性(Δε)が正または負の液晶組成物が適宜用いられており、主な用途は液晶TVやスマートフォンである。この液晶組成物には、Δεの絶対値が大きく、粘度(η)が小さく、回転粘性(γ)が小さく、ネマチック相−等方性液体相転移温度(TNI)が高く、固体相−ネマチック相転移温度(TCN)が低いことが要求される。また、屈折率異方性Δnとセルギャップ(d)の積であるリタデーション(Δn×d)の設定から、液晶組成物のΔnをセルギャップに合わせて適切な範囲に調節する必要がある。その上で、水分、空気、熱、光などの外的要因に対して安定であること、すなわち、比抵抗が高い、VHR(電圧保持率)が高い、高信頼性の液晶組成物が求められている。これらの諸特性を調整するために、液晶組成物は数種類から数十種類の液晶化合物から構成される。
VA型液晶表示素子では、電圧無印加時に上記の液晶組成物を構成する液晶分子を基板に対して垂直に配向させる必要があり、IPS型またはFFS型の液晶表示素子では、電圧無印加時に上記の液晶組成物を構成する液晶分子を基板に対しては水平に配向させる必要がある。そのため、いずれの液晶表示方式であっても液晶分子の配向を制御する技術が必要となる。
かかる液晶分子の配向方向を制御する技術として、ポリイミドに代表される配向膜により電圧無印加時に液晶組成物を構成する液晶分子の配向方向を定める配向膜に関する技術や液晶組成物に重合性化合物を混合した重合性化合物含有液晶組成物を基板間に封入し、前記重合性化合物を重合して形成される重合体により、液晶分子の配向を制御する技術がある(例えば、特許文献1、2参照。)。
例えば、特許文献1では、重合性化合物含有液晶組成物を基板間に注入した後、100℃でアニールした状態で垂直配向化するまで紫外線を照射することが開示されている。また、特許文献2では、重合性化合物含有液晶組成物を空の液晶セルの基板間に注入した後、紫外線を照射した後、90℃でアニール処理を行い、さらに電圧を印加しながら313nm以下の波長成分が含まない紫外線を照射することが開示されている。
国際公開2013/047161号公報 特開2006/91545号公報
特許文献1では、液晶組成物のTniよりも30℃低い温度以上の温度で光照射工程を行うと相対的に少ない光照射量で垂直配向化が実現することや光照射工程の際に液晶層に対して閾値以上の電圧を印加した状態で光照射することにより、後で電圧無印加状態となっても液晶分子に対し初期プレチルト角を規定する構造を持つことが記載されている(段落「0106」、「0109」「0134」)。しかしながら、特許文献1のような液晶分子の配向化とプレチルトの形成とを一度の光照射で行う場合、電圧無印加状態では液晶分子が基板方向に対して垂直配向を示しているものの、液晶表示素子に対して電圧を印加するとプレチルト角が未形成または不十分であるためランダムに液晶分子が傾斜しないため透過率が低下するという問題やバックライトなどの光が常に液晶層に照射されているため経時的にプレチルトが変化するという問題が生じる。
また特許文献2では、1回目の光照射を行った後、90℃で30分間熱処理を行い、さらに電圧を印加した状態で2回目の光照射することにより、低コスト、広視野角、高速応答化を実現した旨が記載されている(段落「0051」〜「0061」、実施例1、4、5〜7)。しかしながら、特許文献2の方法では安定なプレチルト角が形成しにくいという問題が生じる。さらには、2回の光照射工程に加えて熱処理を行っているため工程数が多くなるという課題も生ずる。
そこで、本発明はこれらの問題を解決し、液晶分子の配向方向を定め、かつ安定なプレチルト角を形成することができる液晶表示素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の課題として、焼き付きや滴下痕などの表示不良が低減した液晶表示素子の製造方法を提供する
上記課題を解決するため、種々の製造条件を検討した結果、以下の方法により、前記課題を解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
本発明は、基板上に添着されたネマチック相−等方性液体間で相転移温度を有する重合性化合物含有液晶組成物に等方性液相状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第1の光照射工程、及び前記第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に電圧を印加した状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第2の光照射工程を含む、液晶表示素子の製造方法である。
すなわち、上記製造方法であれば、長期間に渡り均一かつ安定な液晶配向が得られる液晶表示素子を提供することができることを見出した。
本発明により、長期間に渡り均一かつ安定な液晶配向が得られる液晶表示素子を提供することができる。
本発明により、焼き付きや滴下痕などの表示不良が低減した液晶表示素子を提供することができる。
本発明により、優れたコントラストおよび応答速度を示す液晶表示素子を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい液晶表示素子に用いられる基板の平面図の一例である。
図2は、本発明の好ましい液晶表示素子の断面図の一例である。
本発明に係る製造方法の第1は、基板上に添着されたネマチック相−等方性液体間で相転移温度を有し、重合性化合物を含む重合性化合物含有液晶組成物が等方性液相状態で300〜380nm波長の紫外線を照射される第1の光照射工程の後、さらに前記第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物が電圧を印加された状態で300〜380nm波長の紫外線を照射される第2の光照射工程を含む。
これにより、液晶分子の配向方向を定め、かつ長期間に渡り安定な液晶配向が得られる。より詳細には、本発明の第1の光照射工程により重合性化合物が重合した重合体により液晶分子の電圧無印加状態での配向方向を定め、かつ本発明の第2の光照射工程により電圧を印加した状態で未重合の重合性化合物を重合した重合体により、液晶分子の配向方向を特定の方向へ固定化(安定なプレチルト角を形成)することができる。
本願発明において、プレチルト角とは、電圧無印加状態において、液晶分子の分子長軸(液晶ダイレクタ)と、基板との間の平均角(90°未満)を表す。また、本発明において、「液晶分子が略垂直配向している」とは、垂直配向している液晶分子のダイレクターが垂直方向からやや倒れてプレチルト角が付与されている状態を意味する。液晶分子が完全に垂直配向している場合、基板面に対して完全に平行な方向と、液晶分子のダイレクターの方向と、のなす角度は90°であり、液晶分子が完全にホモジニアス配向(基板面に対して水平に配向)している場合、前記角度は0°であり、液晶分子が略垂直配向している場合、前記角度は好ましくは89.5〜85°、より好ましくは89〜87°である。
以下、工程毎に説明する。
「第1の光照射工程」
本発明の第1の光照射工程は、重合性化合物を含む重合性化合物含有液晶組成物がネマチック相−等方性液体間で相転移温度を有しており、かつ基板上に添着された前記重合性化合物含有液晶組成物が等方性液相状態で300〜380nm波長の紫外線で照射される工程を含む。
等方性液相状態の重合性化合物含有液晶組成物に対して所定の波長の紫外線を照射することで、重合性化合物の一部が重合した重合体により、重合性化合物含有液晶組成物を構成する液晶分子の特定の配向方向を定めることができる。当該特定の方向としては、液晶分子が基板に対して垂直な方向または基板に対して水平な方向が挙げられる。
したがって、所定の波長の紫外線を照射する際に、紫外線の照射対象の重合性化合物含有液晶組成物が等方性液相状態にする必要があり、常態がネマチック相である重合性化合物含有液晶組成物を等方性液相状態にする手順としては、重合性化合物含有液晶組成物を予め熱などの相転移手段により等方性液相状態に相転移して基板に添着して紫外線照射時まで等方性液相状態を温度制御手段により維持する方法、重合性化合物含有液晶組成物を基板に添着した後、基板とともに加熱して等方性液相状態に相転移させる方法のいずれでもあってもよい。
本発明に係る重合性化合物を含む重合性化合物含有液晶組成物を等方性液晶状態にする相転移手段は、特に制限されることはなく、加熱手段が好ましい。
本発明に係る製造方法において、重合性化合物含有液晶組成物を等方性液晶状態にする加熱手段または紫外線照射時の重合性化合物含有液晶組成物の温度を調整する温度制御手段としては、公知の加熱手段および/または温度制御手段が採用されうる。具体的には、熱風・冷風循環式恒温オーブン、マイクロ波または(遠)赤外線ヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール、金属ベルト、ホットプレート、ホットプレスなどが挙げられる。
上記加熱手段および/または温度制御手段により重合性化合物含有液晶組成物を等方性液晶状態にする場合の温度は、液晶組成物のネマチック相−等方性液体間で相転移温度に依存するが、例えば重合性化合物含有液晶組成物が等方性液晶状態になる場合の加熱手段および/または温度制御手段の温度の下限値は、70℃であることが好ましく、75℃であることがより好ましく、80℃であることがさらに好ましく、85℃であることがよりさらに好ましく、90℃であることが特に好ましい。重合性化合物含有液晶組成物の等方性液晶状態にする場合の加熱手段および/または温度制御手段の温度の上限値は、120℃であることが好ましく、115℃であることがより好ましく、110℃であることがさらに好ましく、105℃であることがよりさらに好ましく、100℃であることが特に好ましい。
また、基板上に重合性化合物含有液晶組成物を添着する方法は特に制限されることはなく、一対の基板をスペーサを介して貼りあわせたセルの内部に重合性化合物含有液晶組成物を注入することで、基板上に重合性化合物含有液晶組成物を添着する方法(真空注入法)、一対の基板の一方の基板および/または両方の基板上に重合性化合物含有液晶組成物を滴下する方法(ODF法)などが挙げられる。
本発明に係る重合性化合物含有液晶組成物を滴下する方法は特に限定されないが、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット、液滴吐出装置又はディスペンサー等で行う方法が一般的である。その他の方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナー等があり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
本発明に係る基板は、垂直電界駆動用または横電界駆動用の電極層を有することが好ましい。前記電極層として、液晶表示素子が透過型である場合、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)等の透明導電性材料などを挙げることができるが、これらに限定されない。また、反射型の液晶表示素子の場合、電極層として、アルミなどの光を反射する材料などを挙げることができるがこれらに限定されない。
本発明に係る基板に電極層を形成する方法は、従来公知の手法を用いることができる。実施の形態に係る液晶表示素子は、互いに対向する一対の透明基板を有しており、少なくとも一方の基板には上記電極層が形成されていることが好ましい。また、前記電極層は、所定のパターン(フィッシュボーン構造(例えば、図1の画素電極6を参照))にスリットが形成されていることが好ましく、当該電極層の上には、透明な絶縁膜や平坦化膜などが積層されていてもよい。さらに、前記絶縁膜上には、必要により垂直または水平配向膜がそれぞれ形成されていてもよい。当該配向膜は、ポリイミド膜、ナイロン膜、ポリビニルアルコール膜などの有機高分子膜が用いられることが好ましい。
本発明において、一対の基板のうちの少なくとも一方の基板として配向膜が形成されていない基板を用いることが好ましい。換言すると、本発明に係る基板上には配向膜が形成されていないことが好ましい。配向膜は、光配向膜またはラビング配向膜に関わらず液晶分子の配向方向を規制する性質を備えている。したがって、配向膜を形成した基板を有する液晶表示素子の方が、配向膜を備えていない基板を有する液晶表示素子より、容易に液晶分子の配向方向を規定し、かつ容易にプレチルト角を形成することができる。しかし、配向膜の膜厚ムラや配向膜中に含まれる異物の混入による液晶分子の配向への影響、配向膜の製膜にかかるコストなどの問題があり、近年配向膜自体を無くす技術が注目を浴びているが実用化には至っていない。そこで、本願発明の好ましい製造方法は、基板上には配向膜が形成されていない、いわゆる配向膜レスの技術に適用することで本発明の効果を最大限に発揮することができる。本発明の製造方法によれば、配向膜が基板上に形成されていなくても第1の光照射工程で液晶分子の配向を規定し、第2の光照射工程で安定したプレチルト角を形成することができる。
本発明に係る液晶表示素子は、対向に配置された第1の支持基板および第2の支持基板と、前記第1の支持基板または前記第2の支持基板に設けられる共通電極と、前記第1の支持基板または前記第2の支持基板に設けられ、薄膜トランジスタを有する画素電極と、前記第1の支持基板と第2の支持基板間に設けられる液晶組成物を含有する液晶層と、を有することが好ましい。必要により前記液晶層と当接するように第1の支持基板および/または第2の支持基板の少なくとも一つの支持基板の対向面側に、液晶分子の配向方向を制御する配向膜を設けてもよい。さらに、カラーフィルタを、第1の支持基板または第2の支持基板上に適宜設けてもよく、また前記画素電極や共通電極上にカラーフィルタを設けることができる。また、二枚の偏光板を前記第1の支持基板または第2の支持基版の外側に設けてもよい。
本発明に係る支持基板は、ガラス又はプラスチック(アクリル、ポリカーボネート等)の如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、反射型の液晶表示素子への適用を考慮し、シリコンウェハなどの不透明な材料でも良い。また、一対の基板は、周辺領域に配置されたエポキシ系熱硬化性組成物等のシール材及び封止材によって貼り合わされていて、その間には基板間距離を保持するために、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子等の粒状スペーサまたはフォトリソグラフィー法により形成された樹脂からなるスペーサ柱が配置されていてもよい。
本発明に係る液晶表示素子が垂直電界駆動の場合は、一対の基板の両方の基板上に電極層を備えていることが好ましい。より詳細には、図1および2を参照して説明すると、本発明に係る垂直電界駆動型の液晶表示素子(VA)は、対向に配置された第2の支持基板7’と、前記第2の支持基板7’に設けられる共通電極9と、前記第1の支持基板7に設けられ、薄膜トランジスタ1を有する画素電極6と、前記第1の支持基板と第2の支持基板間に設けられる液晶組成物を含有する液晶層8と、を有することが好ましい。
そのため、一方の基板10は、支持基板7と、薄膜トランジスタ(TFT)1と、画素電極6と、配線(ゲートライン3、データバスライン5、Cs電極4、コンタクトホール2など)とを有し、他方の基板10’は、支持基板7’と、共通電極9と、カラーフィルタ(図示せず)とを有していることが好ましい。また前記画素電極6や共通電極9上にカラーフィルタを設けてもよい(カラーフィルタオンアレイ)。
本発明に係る液晶表示素子が横電界駆動の場合は、一対の基板のうち一方の基板上のみに電極層が形成されていることが好ましく、より詳細には、前記一方の基板は、支持基板と、配線(ゲートライン、データバスライン、Cs電極、コンタクトホールなど)と、薄膜トランジスタ(TFT)と、共通電極と、画素電極とを有していることが好ましい。また、他方の基板は、支持基板と、必要によりカラーフィルタとを有していることが好ましい。
本発明に係る第1の光照射工程において、重合性化合物含有液晶組成物を添着する基板は、上記(第1または第2の)支持基板、透明基板、上記の一方の基板、上記の他方の基板のいずれであってもよい。
本発明に係る重合性化合物含有液晶組成物は、1種または2種以上の液晶化合物および必要により添加剤(酸化防止剤、重合開始剤など)を含む液晶組成物と、重合性化合物とを含むことが好ましい。本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、用途に応じて、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、紫外線吸収剤などを含有しても良い。
本発明に係る(重合性化合物含有)液晶組成物は、正の誘電率異方性を示すものであっても負の誘電率異方性を示すものであってもよいが、液晶表示素子の駆動形式の観点から負の誘電率異方性を示すことが好ましい。
本発明に係る(重合性化合物を含む重合性化合物含有)液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体間で相転移温度を示すことから、前記重合性化合物含有液晶組成物はネマチック液晶相を有する液晶組成物であることが好ましい。
前記ネマチック相−等方性液体間で相転移温度は特に制限されることはないが、例えば、例えば、ネマチック相−等方性液体間で相転移温度の下限値は、50℃であることが好ましく、55℃であることがより好ましく、60℃であることがさらに好ましく、65℃であることがよりさらに好ましく、70℃であることが特に好ましい。ネマチック相−等方性液体間で相転移温度の上限値は、120℃であることが好ましく、110℃であることがより好ましく、100℃であることがさらに好ましく、90℃であることがよりさらに好ましく、80℃であることが特に好ましい。
本発明に係る(重合性化合物含有)液晶組成物の誘電率異方性Δεの値は正の誘電率異方性を有する場合、誘電率異方性の絶対値は2超であることが好ましい。誘電率異方性Δεの値の下限値は、25℃において、2.0であることが好ましく、3.0であることがより好ましく、3.5であることが特に好ましい。誘電率異方性Δεの値の上限値は、25℃において、16.0であることが好ましく、14.0であることがより好ましく、12.0であることが特に好ましい。更に詳述すると、応答速度を重視する場合には2.0から6.0であることが好ましく、駆動電圧を重視する場合には6.0から15.0であることが好ましい。
本発明に係る(重合性化合物含有)液晶組成物の誘電率異方性Δεの値は負の誘電率異方性を有する場合、誘電率異方性の絶対値は2以上であることが好ましい。誘電率異方性Δεの下限値は、25℃において、−6.0であることが好ましく、−5.0であることがより好ましく、−4.0であることが特に好ましい。誘電率異方性Δεの値の上限値は、25℃において、−2.5であることが好ましく、−2.6であることがより好ましく、−2.7であることが特に好ましい。駆動電圧を重視する場合には−2.8〜−4.0であることが好ましい。
本発明に係る(重合性化合物含有)液晶組成物の屈折率異方性Δnの値は、25℃において、0.08から0.13であることが好ましいが、0.09から0.12であることがより好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.12であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
本発明に係る(重合性化合物含有)液晶組成物の回転粘度(γ1)は150以下が好ましく、130以下がより好ましく、120以下が特に好ましい。
本発明に係る(重合性化合物含有)液晶組成物は、1012(Ω・m)以上の比抵抗を有することが必要であり、1013(Ω・m)が好ましく、1014(Ω・m)以上がより好ましい。
本発明に係る重合性化合物は、多官能性モノマーを含むことが好ましく、二官能性モノマーおよび三官能性モノマーからなる群から選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。前記重合性化合物は、1種〜5種含まれていることが好ましく、1種類〜3種類含まれていることがより好ましく、1種または2種含まれていることが特に好ましい。上記重合性化合物は、単官能モノマーと多官能性モノマーとを含むことが好ましい。単官能モノマーと多官能性モノマーとを含むと、滴下痕を低減することができる。
上記二官能性モノマーとしては、ジアクリレートモノマー、ジメタクリレートモノマー、アクリレート−メタクリレートモノマーなどが好ましい。
本発明に係る重合性化合物含有液晶組成物における重合性化合物の下限濃度は、重合性化合物含有液晶組成物を100質量%とすると、0.01質量%であることが好ましく、0.1質量%であることがより好ましく、0.2質量%であることがさらに好ましく、0.3質量%であることがよりさらに好ましく、0.4質量%であることがさらにより好ましく、0.5質量%であることが特に好ましい。前記重合性化合物の上限濃度は、重合性化合物含有液晶組成物を100質量%とすると、4質量%であることが好ましく、3.5質量%であることがより好ましく、3質量%であることがさらに好ましく、2.8質量%であることがよりさらに好ましく、2.6質量%であることがさらにより好ましく、2.5質量%であることが特に好ましい。
重合性化合物含有液晶組成物における重合性化合物の上限濃度が4質量%であると、液晶分子の配向方向を定める機能と、液晶分子のプレチルト角を形成するための機能とを同じ重合性化合物に持たせることができる。
本発明に係る第1の照射工程で用いられる紫外線は、305〜375nmのピーク波長域を有する紫外線であることが好ましく、325〜365nmのピーク波長域を有する紫外線であることがより好ましく、335〜355nmのピーク波長域を有する紫外線であることが特に好ましい。
使用する紫外線の波長のピークが305〜375nmの範囲にあると、反応効率の観点で好ましい。
本発明に係る第1の照射工程で照射する紫外線の積算光量が0.8〜30J/cmであることが好ましい。上記照射する紫外線の積算光量の下限値は、0.01J/cmであることがより好ましく、0.1J/cmであることがより好ましく、0.2J/cmであることがより好ましく、0.4J/cmであることがより好ましく、0.6J/cmであることがより好ましく、0.8J/cmであることがより好ましい。上記照射する紫外線の積算光量の上限値は、80J/cmであることがより好ましく、60J/cmであることがより好ましく、50J/cmであることがより好ましく、40J/cmであることがより好ましく、35J/cmであることがより好ましく、30J/cmであることがより好ましい。
使用する紫外線の積算光量が0.8〜30J/cmの範囲であると、第2の光照射工程で重合するための重合性化合物を残存させる観点で好ましい。
本発明に係る第1の照射工程における照射する紫外線の強度の下限値は、1mW/cmであることが好ましく、2mW/cmであることがより好ましく、4mW/cmがさらに好ましい。上記照射する紫外線の強度の上限値は、200mW/cmであることが好ましく、150mW/cmであることがより好ましく、100mW/cmがさらに好ましい。
使用する紫外線の強度の下限値が1mW/cmであると、第2の光照射工程で重合するための重合性化合物を残存させる観点で好ましい。使用する紫外線の強度の上限値が200mW/cmであると、第2の光照射工程で重合するための重合性化合物を残存させる観点で好ましい。
本発明に係る第1の照射工程における紫外線の照射時間は、1〜150分であることが好ましい。上記第1の照射工程における紫外線の照射時間の下限値は、1分であることがより好ましく、2分であることがさらに好ましく、3分であることが特に好ましい。上記紫外線の照射時間の上限値は、150分であることがより好ましく、120分であることがさらに好ましく、100分であることが特に好ましい。
重合させる工程において強い紫外線を長時間照射する場合、製造装置の大型化、製造効率の低下を招くことになるとともに、紫外線による液晶組成物の劣化等が生じてしまう。一方、紫外線の照射時間を短くすると、重合性化合物の重合速度が遅くなることに起因して重合性化合物の残留量が多くなり、残存した重合性化合物によって生じる表示不良のひとつである焼き付きの発生が避けられない。第1の光照射工程が上記の条件であれば、後述にも説明するが、第1の光照射工程後において、組成物全体における未反応の重合性化合物をあえて残存させて、第2の光照射工程において残存した未反応の重合性化合物を使用することができる。
なお、なお、本明細書の紫外線の波長領域は、200〜380nmとし、可視光の波長領域は、380〜780nmとする。
本発明に係る第1の照射工程は、紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良いが、無偏光の紫外線を照射することが好ましい。
第1の光照射における雰囲気条件は特に制限されることはなく、大気雰囲気であってもよく、また反応効率を上げるために酸素を遮断した窒素や希ガス雰囲気下であってもよい。なお、雰囲気中の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を減少させた雰囲気で光照射することが好ましい。好適な雰囲気ガス中の酸素濃度としては、1000ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、10ppm以下であることが最も好ましい。
本発明に係る第1の光照射工程で使用できる照射方式は特に制限されることはなく公知の照射方式を使用することができる。
本発明において、紫外線を発生させるランプとしては、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、蛍光UVランプ、超高圧水銀ランプ、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置等を用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整してもよく、必要に応じて、紫外線をカットして使用してもよい。
さらに、本発明に係る第1の光照射工程において照射する紫外線の波長としては、上記の300〜380nm波長の紫外線を含んでさえすればよく、重合性化合物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射してもよい。照射する紫外線などの活性エネルギー線は、複数のスペクトルを有するものが好ましく、複数のスペクトルを有する紫外線が好ましい。複数のスペクトルを有する活性エネルギー線の照射によって、重合性化合物は、その種類ごとに適したスペクトル(波長)の活性エネルギー線によって重合することが可能となり、この場合、液晶分子の配向方向を制御できる重合体がより効率的に形成される。
本発明の液晶組成物に含まれる重合性化合物を重合させて液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線とは別に、電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法であってもよい。
また、重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させた状態で紫外線を照射する場合(重合を行う)場合には、少なくとも照射面側の基板は紫外線に対して適当な透明性が与えられていることが好ましい。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に紫外線を照射して重合させるという手段を用いても良い。
本発明に係る第1の光照射工程による液晶分子の配向方向は、使用する基板のスリットのパターンや基板の種類によって、基板に対して垂直な方向(ホメオトロピック配向 )または基板に対して平行な方向(ホモジニアス配向)を定めることができるが、スリットパターンの観点から、前記第1の光照射工程による液晶分子の配向方向は、基板に対して垂直な方向に定めることが好ましい。
「第2の光照射工程」
本発明に係る第2の光照射工程は、第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して電圧を印加した状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する工程を含む。
第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して電圧を印加した状態でさらに所定の波長の紫外線を照射することで、残存した重合性化合物由来の重合体により液晶分子の安定したプレチルト角を形成することができる。より詳細に説明すると、上記第1の光照射工程において重合した重合体により重合性化合物含有液晶組成物を構成する液晶分子の配向方向を基板に対して特定の方向(例えば、基板に対して垂直方向)に配向させ、第2の光照射工程で重合した重合体により安定したプレチルト角を形成することで、液晶分子が略垂直配向で固定化することができる。これにより、例えば図2の電圧ON時における液晶分子は、図1のフィッシュボーン構造の外側から中心に向かう方向と、平行に配向するため、マルチドメインの液晶表示素子を製造することができる。
本発明に係る第2の光照射工程において紫外線を照射する際には、交流電圧または直流電圧を印加しながら紫外線を照射することが好ましく、交流電圧を印加しながら紫外線を照射することがより好ましい。
前記印加する交流電圧の周波数の下限値は、周波数10Hzであることが好ましく、周波数60Hzであることがより好ましい。また上記印加する交流電圧の周波数の上限値は、10kHzであることが好ましく、周波数1kHzがより好ましい。
本発明に係る第2の光照射工程において印加する電圧の大きさは、液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。上記第2の光照射工程において印加する電圧の大きさの下限値は、好ましくは0.1V、より好ましくは0.2V、さらに好ましくは0.5Vである。上記第2の光照射工程において印加する電圧の大きさの上限値は、好ましくは30V、より好ましくは20V、さらに好ましくは10Vである。
本発明に係る第2の光照射工程において電圧印加時の重合性化合物含有液晶組成物の温度は、第1の光照射工程において紫外線を照射する際の重合性化合物含有液晶組成物の温度未満であることが好ましく、室温に近い温度、15〜35℃で重合性化合物含有液晶組成物に電圧を印加することが好ましい。
本発明に係る第2の光照射工程において電圧印加時の重合性化合物含有液晶組成物は、ネマチック相状態であることが好ましい。
電圧を印加した状態で紫外線を照射するため、均一配向の観点で重合性化合物含有液晶組成物がネマチック相であることが好ましい。
本発明に係る第2の光照射工程において紫外線を照射する際の重合性化合物含有液晶組成物の温度は、特に制限されることはなく、室温に近い温度、15〜35℃で重合性化合物含有液晶組成物に紫外線を照射して未反応の重合性化合物を重合させることが好ましい。
本発明に係る第2の光照射工程において紫外線を照射する際の重合性化合物含有液晶組成物は、ネマチック相状態であることが好ましい。
本発明に係る第2の照射工程で用いられる紫外線は、305〜375nmのピーク波長域を有する紫外線であることが好ましく、325〜365nmのピーク波長域を有する紫外線であることがより好ましく、335〜355nmのピーク波長域を有する紫外線であることが特に好ましい。
使用する紫外線の波長のピークが305〜375nmの範囲にあると、反応効率の観点で好ましい。
本発明に係る第2の照射工程で照射する紫外線の積算光量が0.8〜30J/cmであることが好ましい。上記照射する紫外線の積算光量の下限値は、0.01J/cmであることがより好ましく、0.1J/cmであることがより好ましく、0.2J/cmであることがより好ましく、0.4J/cmであることがより好ましく、0.6J/cmであることがより好ましく、0.8J/cmであることがより好ましい。上記照射する紫外線の積算光量の上限値は、80J/cmであることがより好ましく、60J/cmであることがより好ましく、50J/cmであることがより好ましく、40J/cmであることがより好ましく、35J/cmであることがより好ましく、30J/cmであることがより好ましい。
使用する紫外線の積算光量が0.8〜30J/cmの範囲であると、安定したプレチルト角形成の観点で好ましい。
本発明に係る第2の照射工程における照射する紫外線の強度の下限値は、1mW/cmであることが好ましく、2mW/cmであることがより好ましく、4mW/cmがさらに好ましい。上記照射する紫外線の強度の上限値は、200mW/cmであることが好ましく、150mW/cmであることがより好ましく、100mW/cmがさらに好ましい。
使用する紫外線の強度の下限値が1mW/cmであると、重合性化合物の分子量増大の観点で好ましい。使用する紫外線の強度の上限値が200mW/cmであると、重合性化合物の分解防止の観点で好ましい。
本発明に係る第2の照射工程における紫外線の照射時間は、1〜150分であることが好ましい。上記第2の照射工程における紫外線の照射時間の下限値は、1分であることがより好ましく、2分であることがさらに好ましく、3分であることが特に好ましい。上記紫外線の照射時間の上限値は、150分であることがより好ましく、120分であることがさらに好ましく、100分であることが特に好ましい。
重合させる工程において強い紫外線を長時間照射する場合、製造装置の大型化、製造効率の低下を招くことになるとともに、紫外線による液晶組成物の劣化等が生じてしまう。一方、紫外線の照射時間を短くすると、重合性化合物の重合速度が遅くなることに起因して重合性化合物の残留量が多くなり、残存した重合性化合物によって生じる表示不良のひとつである焼き付きの発生が避けられない。第2の光照射工程が上記の条件であれば、第2の光照射工程後のモノマーの残存量を低減することができる。
本発明に係る第2の照射工程は、紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良いが、
本発明に係る第2の照射工程は、平行光が好ましい。照射対象の照度ムラを軽減することができる。
第2の光照射における雰囲気条件は特に制限されることはなく、大気雰囲気であってもよく、また反応効率を上げるために酸素を遮断した窒素や希ガス雰囲気下であってもよい。なお、雰囲気中の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を減少させた雰囲気で光照射することが好ましい。好適な雰囲気ガス中の酸素濃度としては、1000ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、10ppm以下であることが最も好ましい。
本発明に係る第2の光照射工程で使用できる照射方式は特に制限されることはなく公知の照射方式を使用することができ、上記の第1の光照射工程で使用可能な照射方式を使用することができるためここでは省略する。
本発明に係る第2の光照射工程において使用する紫外線を発生させるランプとしては、上記の第1の光照射工程で使用可能な照射方式を使用することができるためここでは省略する。
また、上記の第1の光照射工程と同様に第2の光照射工程でも必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
さらに、本発明に係る第2の光照射工程において照射する紫外線の波長としては、上記の300〜380nm波長の紫外線を含んでさえすればよく、重合性化合物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射してもよい。照射する紫外線などの活性エネルギー線は、複数のスペクトルを有するものが好ましく、複数のスペクトルを有する紫外線が好ましい。複数のスペクトルを有する活性エネルギー線の照射によって、重合性化合物は、その種類ごとに適したスペクトル(波長)の活性エネルギー線によって重合することが可能となり、この場合、プレチルト角を形成するための重合体がより効率的に形成される。
本発明の液晶組成物に含まれる重合性化合物を重合させて液晶の良好なプレチルト角を形成するためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線とは別に、電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法であってもよい。
また、重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させた状態で紫外線を照射する場合(すなわち重合を行う)場合には、少なくとも照射面側の基板は紫外線に対して適当な透明性が与えられていることが好ましい。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に紫外線を照射して重合させるという手段を用いても良い。
一般的に、PSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶表示装置の技術分野では、残存した重合性化合物は、表示不良の一つである焼き付きの発生原因であると考えられているため、極力工程ごとに液晶組成物における重合性化合物の残留量を低減することが求められる。しかし、本願発明の好適な製造方法は、第1の光照射工程により液晶分子の配向方向を定め、かつ第2の光照射工程により前記第1の光照射工程と同じ重合性化合物を使用して、組成物内に残存する重合性化合物でプレチルト角を形成する製造方法である。そのため、第1の光照射工程後において、組成物全体における未反応の重合性化合物をあえて残存させて、第2の光照射工程において残存した未反応の重合性化合物を使用することが好ましい。
本発明に係る第1の光照射工程で重合される組成物全体における重合性化合物の量は、本発明に係る第2の光照射工程で重合される組成物全体における重合性化合物の量より多いことが好ましい。
第1の光照射工程で重合される重合性化合物が第2の光照射工程で重合される重合性化合物より多いと、第1の光照射工程で配向ムラがないまたは無視できる程度の配向方向を定めて、かつ第2の光照射工程で安定したプレチルト角を形成することができ、さらには第2の光照射工程後の重合性化合物の残存量が、焼き付きの発生を無視できる量まで低減することができる。
第1の光照射工程後の組成物全体における重合性化合物の残存量は、液晶組成物と重合性化合物との混合時の含有量を100質量%とした場合、15〜49%残存することが好ましく、20〜45%残存することが好ましく、25〜40%残存することがより好ましい。
第1の光照射工程後の組成物全体における重合性化合物の残存量が、15〜49%残存していると、配向ムラがないまたは無視できる程度の配向方向を定めることができ、第2の光照射工程により安定したプレチルト角を形成することができ、かつ第2の光照射工程後の重合性化合物の残存量が、焼き付きの発生を無視できる量まで低減することができる。
また、第2の光照射工程後の組成物全体における重合性化合物の残存量は、極力重合性化合物の残存量を0に近づけることが好ましい。
本発明に係る第1の光照射工程後から第2の光照射工程までの間、重合性液晶組成物の温度は、当該重合性液晶組成物のネマチック相−等方性液相温度(Tni)未満であることが好ましい。すなわち、第1の光照射工程後から第2の光照射工程までの間、重合性化合物含有液晶組成物を加熱しないことが好ましく、第1の光照射工程後、室温に近い温度、例えば、15〜35℃まで重合性化合物含有液晶組成物の温度を下げることが好ましい。
第1の光照射工程後から第2の光照射工程までの間において、重合性液晶組成物の温度をTni未満であれば、未反応の重合性化合物が重合しづらい。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法は、上述したように、第1の光照射工程(基板上に添着されたネマチック相−等方性液体間で相転移温度を有し、重合性化合物を含む重合性化合物含有液晶組成物が等方性液相状態で300〜380nm波長の紫外線が照射される工程)の後、第2の光照射工程(前記第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物が電圧を印加された状態で300〜380nm波長の紫外線を照射される工程)を行うことである。
第1の光照射工程では、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物が重合された重合体により液晶分子が基板に対して垂直方向に配向し、第2の光照射工程では、第1の光照射工程で未反応の重合性化合物が重合した重合体によりプレチルト角が形成される。第1の光照射工程では、基板に添着した重合性化合物が重合されることから界面近傍に重合体が偏析されやすく、第1の光照射工程では液晶分子が基板に対して垂直方向に配向することが好ましい。換言すると、等方性液相状態の重合性化合物含有液晶組成物に紫外線を照射すると、液晶組成物を構成する液晶分子が基板に対して垂直方向に配列する。また、第2の光照射工程では、電圧が印加された状態(例えば、負の液晶組成物の場合は液晶分子の短軸方向が基板に対して垂直方向(または略垂直))で重合されることでプレチルト角が形成される。
必要により当該第2の光照射工程の後、さらに前記第2の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して300〜380nm波長の活性エネルギー線を照射する第3の光照射工程を備えてもよい。以下、第3の光照射工程について説明する。
「第3の光照射工程」
本発明に係る液晶表示素子の製造方法は、第2の光照射工程の後、前記第2の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して300〜380nm波長の活性エネルギー線を照射する第3の光照射工程を備えることが好ましい。
第2の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して所定の波長の紫外線を放射することで、残存した重合性化合物の量を低減することができるため、製造される液晶表示素子において表示不良の一つである焼き付きの発生を低減することができる。
本発明に係る第3の光照射工程において紫外線を照射する際の重合性化合物含有液晶組成物の温度は、特に制限されることはなく、室温に近い温度、15〜35℃で重合性化合物含有液晶組成物に紫外線を照射して未反応の重合性化合物を重合させることが好ましい。
本発明に係る第3の光照射工程において紫外線を照射する際の重合性化合物含有液晶組成物は、ネマチック相状態であることが好ましい。
本発明に係る第3の照射工程で用いられる活性エネルギー線は、305〜375nmのピーク波長域を有する活性エネルギー線であることが好ましく、325〜365nmのピーク波長域を有する活性エネルギー線であることがより好ましく、335〜355nmのピーク波長域を有する活性エネルギー線であることが特に好ましい。
使用する活性エネルギー線の波長のピークが305〜375nmの範囲にあると、反応効率の観点で好ましい。
本発明に係る第3の照射工程で照射する活性エネルギー線の積算光量の下限値は、0.01J/cmであることがより好ましく、0.1J/cmであることがより好ましく、0.2J/cmであることがより好ましく、0.4J/cmであることがより好ましく、0.6J/cmであることがより好ましく、0.8J/cmであることがより好ましい。上記照射する活性エネルギー線の積算光量の上限値は、80J/cmであることがより好ましく、60J/cmであることがより好ましく、50J/cmであることがより好ましく、40J/cmであることがより好ましく、35J/cmであることがより好ましく、30J/cmであることがより好ましい。
使用する活性エネルギー線の積算光量の下限値が、0.8J/cmであると、重合性化合物の分解防止の観点で好ましい。使用する活性エネルギー線の積算光量の上限値が、30J/cmであると、重合性化合物の重合反応促進の観点で好ましい。
本発明に係る第3の照射工程における照射する活性エネルギー線の強度の下限値は、1mW/cmであることが好ましく、2mW/cmであることがより好ましく、4mW/cmがさらに好ましい。上記照射する紫外線の強度の上限値は、200mW/cmであることが好ましく、150mW/cmであることがより好ましく、100mW/cmがさらに好ましい。
使用する紫外線の強度の下限値が4mW/cmであると、重合性化合物の重合反応促進の観点で好ましい。使用する紫外線の強度の上限値が100mW/cmであると、重合性化合物の分解防止の観点で好ましい。
本発明に係る第3の照射工程における活性エネルギー線の照射時間の下限値は、10分であることがより好ましく、20分であることがさらに好ましく、30分であることが特に好ましい。上記活性エネルギー線の照射時間の上限値は、180分であることがより好ましく、120分であることがさらに好ましく、60分であることが特に好ましい。
活性エネルギー線による液晶組成物の劣化等が生じることなく、重合性化合物の残存量を低減することができる。
本発明に係る第3の照射工程は、紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良いが、重合性化合物の反応促進のために大規模または高性能な光学素子を使用することなく簡便な照射装置構成の観点で無偏光の紫外線を照射することが好ましい。
第3の光照射における雰囲気条件は特に制限されることはなく、大気雰囲気であってもよく、また反応効率を上げるために酸素を遮断した窒素や希ガス雰囲気下であってもよい。
本発明に係る第3の光照射工程で使用できる照射方式は特に制限されることはなく公知の照射方式を使用することができ、上記の第1の光照射工程で使用可能な照射方式を使用することができるためここでは省略する。
本発明に係る第2の光照射工程において使用する紫外線を発生させるランプとしては、上記の第1の光照射工程で使用可能な照射方式を使用することができるためここでは省略する。
また、上記の第1の光照射工程と同様に第3の光照射工程でも必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法の好適な実施形態および液晶表示素子の製造方法を以下説明する。
本発明に係る液晶表示素子の好適な実施形態は、2枚の基板間を離間するように対向させ、前記基板間に液晶層を形成するための重合性化合物を含む重合性化合物含有液晶組成物を挟持する工程と、
加熱手段により等方性液相状態の前記重合性化合物含有液晶組成物に300〜380nm波長の紫外線を照射する第1の光照射工程と、
前記第1の光照射工程の後、前記重合性液晶組成物の温度を、前記重合性液晶組成物のネマチック相−等方性液相温度(Tni)未満にして、前記第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して電圧を印加した状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第2の光照射工程と、を有することが好ましい。
上記好適な実施形態を図1および図2を参照しながら具体的に説明すると、2枚の基板(第一の基板10及び第二の基板10’)のいずれか一方における、これらの対向面に対して、セルギャップを確保するためのスペーサ突起物、例えば、プラスチックビーズ等を散布すると共に、例えば、エポキシ接着剤等を用いてスクリーン印刷法により、シール部を印刷(形成)する。なお、第一の基板10の第二の基板10’に対向する面とは、共通電極9及びカラーフィルタを有する面であり、第二の基板10’の第一の基板10に対向する面とは、画素電極6を有する面であることが好ましい。したがって、好適な製造方法では垂直配向型の液晶表示素子を得ることができる。また、画素電極6の構造は、図1に示すようにフィッシュボーン構造が好ましい。本発明に係る製造方法により得られた液晶表示素子では、画素電極の延伸方向(図1のフィッシュボーン構造の外側から中心に向かう方向)に沿って液晶分子が傾斜するため、容易にマルチドメインを達成することができる。
次いで、第一の基板10と第二の基板10’とを対向させ、これらを、前記スペーサ突起物及びシール部を介して貼り合わせた後、形成されたスペースに重合性化合物を含む重合性化合物含有液晶組成物を注入する。または、第一の基板もしくは第二の基板の少なくとも一方に重合性化合物含有液晶組成物を滴下した後、これらを、前記スペーサ突起物及びシール部を介して貼り合わせる。そして、加熱等により、前記シール部を硬化させることにより、第一の基板10と第二の基板10’との間に液晶含有重合用組成物を挟持した液晶セルを製造する。
次いで、重合性化合物含有液晶組成物を挟持した液晶セルを、重合性化合物含有液晶組成物のTni以上の温度(例えば、前記重合性化合物含有液晶組成物のネマチック相−等方性液晶の相転移温度が76℃である場合、ホットプレートの温度は80(℃))に設定したホットプレート上に時間30(分)保持した後、ホットプレートの設定温度を変更することなく、325nm〜375nmの間でピーク波長域を有する蛍光形紫外線ランプL1、あるいは305nm〜355nmの間でピーク波長域を有する蛍光形紫外線ランプL2で、液晶セルに時間5〜16(分)紫外線を照射することで重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物を重合して液晶分子を垂直に配向させる(第1の光照射工程)。なお、偏光顕微鏡を用いて垂直配向性を確認することができる。また、前記重合性化合物含有液晶組成物のネマチック相−等方性液晶の相転移温度は、76℃である。前記紫外線照射後、液晶表示素子を室温まで徐冷してから、共通電極9と画素電極6との間に、電圧印加手段を用いて、電圧を印加する。このときの電圧は、例えば、5〜30Vとする。これにより、第一の基板10の重合性化合物含有液晶組成物との隣接面(重合性化合物含有液晶組成物と対向する面)、及び第二の基板10’の重合性化合物含有液晶組成物との隣接面(重合性化合物含有液晶組成物と対向する面)に対して、所定の角度をなす方向の電場が生じ、重合性化合物含有液晶組成物中の液晶分子が、第一の基板10と第二の基板10’の法線方向から所定方向に傾いて配向し、液晶分子にプレチルト角θが付与される。プレチルト角θの大きさは、電圧の大きさを適宜調節することにより制御できる。
次いで、電圧を印加した状態のまま、紫外線等の活性エネルギー線を、例えば、第一の基板の外側から重合性化合物含有液晶組成物に照射することにより、第1の光照射工程で系内に残存した重合性化合物を重合させる(第2の光照射工程)。なお、活性エネルギー線は、第二の基板10’の外側から照射してもよいし、第一の基板10の外側及び第二の基板10’の外側の双方から照射してもよい。
活性エネルギー線の照射により、重合性化合物含有液晶組成物中の前記重合性化合物が反応して、重合性化合物含有液晶組成物は所望の組成を有する液晶組成物となって液晶層8を構成し、同時に第一の基板10と液晶層8との境界面近傍、及び第二の基板10’と液晶層8との境界面近傍に、重合性化合物由来の重合体を含み、液晶分子の配向を制御する配向制御層が形成される。
形成された配向制御層は、電圧無印加状態において、液晶層中の、第一の基板の近傍及び第二の基板の近傍に位置する液晶分子にプレチルト角θを付与する。
また、必要により前記第2の光照射工程の後、さらに前記第2の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に対して300〜380nm波長の活性エネルギー線を照射する第3の光照射工程を行ってもよい。
具体的には、蛍光UVランプを用いて、中心波長325〜375nmの条件で測定した照度が2〜10mW/cmになるように調整し、積算光量20〜30J/cmの紫外線を液晶セルに更に照射する。これにより、未反応の液晶セル中の重合性化合物の残留量を低減させる。
紫外線などの活性エネルギー線の照射強度は、一定であってもよいし、一定でなくてもよく、照射強度を変化させる場合には、各々の照射強度での照射時間を任意に設定できるが、2段階以上の照射工程を採用する場合には、2段階目以降の照射工程の照射強度は、1段階目の照射工程の照射強度よりも弱いことが好ましく、2段階目以降の照射工程の総照射時間は1段階目の照射時間よりも長くかつ照射総エネルギー量が大きいことが好ましい。また、照射強度を不連続に変化させる場合には、全照射工程時間の前半部分の平均照射光強度が後半部分の平均照射強度よりも強いことが好ましく、照射開始直後の強度が最も強いことがより好ましく、照射時間の経過と共にある一定値まで常に照射強度が減少し続けることがさらに好ましい。
配向制御層は、前記重合性化合物の重合体により構成されるが、例えば、第一の基板と液晶層とを明確に区切ってこれらの間に形成されるとは限らず、第一の基板の近傍においては、第一の基板の液晶層との隣接面(液晶層と対向する面)から、液晶層の内部に入り込むようにして形成されることもあると推測される。第二の基板の近傍においても同様であり、配向制御層は、第二の基板と液晶層とを明確に区切ってこれらの間に形成されるとは限らず、第二の基板の近傍においては、第二の基板の液晶層との隣接面(液晶層と対向する面)から、液晶層の内部に入り込むようにして形成されることもあると推測される。ただし、配向制御層の構造を正確に示すことは困難である。
以下、例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
「垂直配向性の試験方法」
実施例1〜13においては、第1の光照射工程後の液晶セルおよび第2の光照射工程における電圧印加時の液晶セルについてそれぞれ偏光顕微鏡を用いて垂直配向性を以下の4段階で判定した。また、比較例1〜4においては、第1の光照射工程とアニール工程とを行った後の液晶セルおよび前記アニール工程後に電圧を印加して、第2の光照射工程を行った液晶セルについて偏光顕微鏡を用いて垂直配向性を以下の4段階で判定した。
また、実施例および比較例の電圧印加の方法は、液晶セル(液晶表示素子)に10Vp(100Hz)の矩形波を印加した。偏光顕微鏡を用いて矩形波を印加した状態の液晶セルの配向性を判定している。
レベルA:均一に垂直配向
レベルB:ごく僅かに配向欠陥が有るも許容できるレベル
レベルC:配向欠陥が有り許容できないレベル
レベルD:配向不良がかなり劣悪
「プレチルト角の試験方法」
実施例1〜13の液晶セル(または比較例1〜4の液晶セル)について20(℃)に設定した定温ステージ上にピーク電圧10Vで100Hzの矩形波を印加した状態の液晶セルを設置し、ウシオ電機製の紫外線照射装置ML−501C/Bで365nmにピーク波長を持つ平行光の紫外線を200(秒)照射した。ただし、比較例1と3においてのみ、液晶セルには矩形波を印加しなかった。紫外線の照度は、ウシオ電機製UVD−S365受光器で100.0mW/cmを示した。照射後、矩形波の印加を終了すると、液晶表示素子にはプレチルト角が発現する。プレチルト角は、シンテック製OPTIPRO−microを用いて測定した。
「プレチルト角の安定性試験方法」
実施例1〜13の液晶セル(または比較例1〜4の液晶セル)について垂直配向性の試験に用いた液晶表示素子の初期状態のプレチルト角を測定し、加熱(110℃、1時間)後のプレチルト角及びUV照射(100mW/cm×200秒)後のプレチルト角を測定した。プレチルト角は、シンテック製OPTIPRO−microを用いて測定した。
「焼付き評価」
実施例および比較例の液晶表示素子の表示エリア内に所定の固定パターンを500時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視観察にて、以下の4段階で判定した。
レベルA:残像無し
レベルB:残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
レベルC:残像有り許容できないレベル
レベルD:残像有りかなり劣悪
「滴下痕評価」
実施例および比較例の液晶表示素子を全面黒表示した場合における、白く浮かび上がる滴下痕を目視観察にて、以下の4段階で判定した。
レベルA:滴下痕無し
レベルB:滴下痕ごく僅かに有るも許容できるレベル
レベルC:滴下痕有り許容できないレベル
レベルD:滴下痕有りかなり劣悪
「重合性化合物の残存量」
実施例中、第1の光照射工程後の液晶セル内の重合性化合物の残存量について、以下の条件を測定した。
重合性化合物の残存量@1.2[J]:UVを1.2J照射した後の重合性化合物の残存量[%]
重合性化合物の残存量@3.6[J]:UVを3.6J照射した後の重合性化合物の残存量[%]
重合性化合物の残存量@7.2[J]:UVを7.2J照射した後の重合性化合物の残存量[%]
「実施例1」
ネマチック液晶相−等方相転移点(TNI)は76℃、Δnは0.11、Δεは−2.8、γ1は98mPa・sの負の誘電率異方性を示す液晶組成物100質量部に対して、多官能モノマーを1.5重量%添加した重合性化合物含有液晶組成物を(サンプル1)とした。
一対の透明電極基板のうち一方の配向膜を有さないスリットパターン入り透明電極基板に、サンプル1を滴下し、他方の配向膜を有さない透明電極基板と真空下で狭持した後、常圧でシール材を硬化させ、セルギャップ3.5μmの液晶セルを得た。この時点における液晶配向は、狭持したときに液晶滴下点から放射状に広がった状態を保った水平配向を示した。まず、サンプル1を含む液晶セルを、サンプル1が80℃で保持されるようホットプレート上に時間30(分)アニール処理した。次にホットプレートの温度80℃としたまま、液晶セルの基板に対して法線方向から、無偏光紫外光を3.6J/cm照射した(第1の光照射工程)。このとき光源として、325nm〜375nmに発光波長域がある東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプを用いた。紫外線の照度は、ウシオ電機製UVD−S313受光器で4.2mW/cmを示した。第1の照射工程の際、液晶セルには電圧を印加していない。光照射が済んだら、時間を置くことなく室温まで放冷した。液晶セルを観察したところ、NI点未満では垂直配向(プレチルト角は90°)を示すことが確認された。
続いて、室温において、液晶セルに100Hz、ピーク電圧10Vの矩形波を印加する。スリットパターンに沿って液晶分子が配向欠陥なく均一配向しているのを確認した後、ウシオ電機製の紫外線照射装置ML−501C/Bで365nmにピーク波長を持つ平行光の紫外線(L3)を20J/cm照射し、プレチルト角88°を付与することで液晶表示素子を得た。紫外線の照度は、ウシオ電機製UVD−S365受光器で100.0mW/cmを示した。紫外線照射後、液晶表示素子の表面は、クロスニコル配置になるよう直線偏光板を貼付した。
以上の工程を経て得られた液晶表示素子は、閾値電圧以下ではプレチルト角88°で一様に傾斜した垂直配向を示している一方、閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子はスリットパターンに沿って均一に倒れるので、使えるレベルであった。
UVを3.6[J]照射したとき、サンプル1は重合性化合物の残存量が36[%]であった。
「実施例2」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレート上の保持時間を30分から15分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例3」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレート上の保持時間を30分から5分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例4」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレート上の保持時間を30分から3分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例5」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレート上の保持時間を30分から1分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例6」
第1の光照射工程において紫外線を照射する時間を15分から5分に変更し、それにより紫外線照射量が3.6J/cmから1.2J/cmに低下した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。UVを1.2[J]照射したとき、サンプル1は重合性化合物の残存量が49[%]であった。
「実施例7」
第1の光照射工程において紫外線を照射する時間を15分から30分に変更し、それにより紫外線照射量が3.6J/cmから7.2J/cmに増加した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
UVを7.2[J]照射したとき、サンプル1は重合性化合物の残存量が16[%]であった。
「実施例8」
第1の光照射工程において紫外線を照射する時間を15分から90分に変更し、それにより紫外線照射量が3.6J/cmから21.6J/cmに増加した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例9」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレートの設定温度を80℃から78℃に変えて、ホットプレート上の保持時間を30分から10分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例10」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレート上の保持時間を30分から10分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例11」
第1の光照射工程において紫外線を照射する前のホットプレートの設定温度を80℃から100℃に変えて、ホットプレート上の保持時間を30分から10分に変更した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例12」
第1の光照射工程において紫外線を照射する際に使用する光源を、325nm〜375nm間でピーク波長域を有する東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプ(L1)を用いた代わりに、305nm〜355nmの間でピーク波長域を有する東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプ(L2)を用いて、紫外線を照射する時間を15分から5.7分に変更し、それにより紫外線照射量が3.6J/cmから1.44J/cmに低下した以外実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「実施例13」
ネマチック液晶相−等方相転移点(TNI)は76℃、Δnは0.11、Δεは−2.8、γ1は98mPa・sの負の誘電率異方性を示す液晶組成物100質量部に対して、多官能モノマーを1.5重量%、単官能モノマーを0.3質量%添加した重合性化合物含有液晶組成物を(サンプル2)とした点および第1の光照射工程において紫外線を照射する際に使用する光源を、325nm〜375nm間でピーク波長域を有する東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプ(L1)を用いた代わりに、305nm〜355nmの間でピーク波長域を有する東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプ(L2)を用いて、紫外線を照射する時間を15分から5.7分に変更し、それにより紫外線照射量が3.6J/cmから1.44J/cmに低下した点以外は、実施例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
滴下痕の評価結果は、Aであったが、他の実施例と比べると評価Aの中でも最も良い結果であった。
「比較例1」
一対の透明電極基板のうち一方の配向膜を有さないスリットパターン入り透明電極基板に、サンプル1を滴下し、他方の配向膜を有さない透明電極基板と真空下で狭持した後、常圧でシール材を硬化させ、セルギャップ3.5μmの液晶セルを得た。この時点における液晶配向は、狭持したときに液晶滴下点から放射状に広がった状態を保った水平配向を示した。まず、サンプル1を含む液晶セルを、サンプル1を100℃で保持されるようホットプレートで60(分)アニール処理した。次にホットプレートの温度100℃としたままの基板に対して法線方向から、無偏光紫外光を1.44J/cm照射した(光照射工程1回目)。光源として305nm〜355nmに発光波長域がある東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプ(L2)を用いた。紫外線の照度は、ウシオ電機製UVD−S313受光器で4.2mW/cmであり、前記光照射工程1回目の際、液晶セルには電圧を印加していない。その後、前記第1の光照射した液晶セルに対して、さらに100℃で1時間アニールを行った後、室温まで冷却して液晶表示素子を作製した。当該液晶表示素子の表面は、クロスニコル配置になるよう直線偏光板を貼付した。
以上の工程を経て得られた液晶表示素子は、閾値電圧以下では垂直配向を示しているものの、閾値以上の電圧を印加すると、配向欠陥が生じ、均一な配向状態ではなく、コントラストが取れなかったため表示素子としては使えるレベルに達していなかった。
「比較例2」
一対の透明電極基板のうち一方の配向膜を有さないスリットパターン入り透明電極基板に、サンプル1を滴下し、他方の配向膜を有さない透明電極基板と真空下で狭持した後、常圧でシール材を硬化させ、セルギャップ3.5μmの液晶セルを得た。この時点での液晶配向は、狭持したときに液晶滴下点から放射状に広がった状態を保った水平配向を示した。室温において、液晶セルの基板に対して法線方向から、無偏光紫外光を1.44J/cm照射した(光照射工程1回目)。光源として305nm〜355nmに発光波長域がある東芝ライテック社製蛍光形紫外線ランプ(L2)を用いた。紫外線の照度は、ウシオ電機製UVD−S313受光器で4.2mW/cmを示した。前記光照射工程1回目の際、液晶表示セルには電圧を印加していない。その後、前記光照射工程1回目で得られた液晶セルに対して、さらに90℃で30分アニールを行った後室温まで冷却した。冷却後、液晶セルを観察したところ、垂直配向にならず、水平配向のままであった。
液晶セルに100Hz、ピーク電圧4.5Vの矩形波を印加したまま、ウシオ電機製の紫外線照射装置ML−501C/Bで365nmにピーク波長を持つ平行光の紫外線(L3)を20J/cm照射して液晶表示素子を製造した。紫外線の照度は、ウシオ電機製UVD−S365受光器で100.0mW/cmを示した。液晶表示素子の表面は、クロスニコル配置になるよう直線偏光板を貼付した。
以上の工程を経て得られた液晶表示素子は、印加電圧によらず、シール材を硬化させた後の液晶分子長軸が放射状に広がった水平配向状態を保ったままであったため(プレチルト角測定不能)、および水平配向を保ったままのため、閾値以上の電圧を印加時の液晶配向性を評価できなかった。
「比較例3」
液晶組成物をサンプル1からサンプル2に変更した以外比較例1と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
「比較例4」
液晶組成物をサンプル1からサンプル2に変更した以外比較例2と同様の製造方法で液晶表示素子を作製した。
上記実施例1〜13および比較例1〜3で作製した液晶表示素子について、垂直配向性、電界印加時の水平配向性、紫外線照射により発現したプレチルト角、プレチルト角の安定性、焼付き評価および滴下痕評価の測定を行った。その結果を以下の表1および表2に示す。
Figure 2017215366
Figure 2017215366
(実施例1〜13)
以上のことから、実施例1〜13は、垂直配向性、電圧印加時の液晶配向性、プレチルト角の安定性、焼付き評価、滴下痕評価の全てにおいて、AおよびBと良好な評価結果で実用的なものであることが確認された。
(比較例1〜4)
比較例1と3で作製した液晶表示素子は電圧印加時の液晶配向性がDであって、また比較例2と4で作製した液晶表示素子は電圧印加時の液晶配向性が評価不能であって、いずれも配向不良がかなり劣悪であることが確認された。プレチルト角も測定不能であり、液晶表示素子としての機能を有していないことが確認され、電圧印加時の液晶配向性、プレチルト角の安定性、焼付き評価、滴下痕評価も評価不能であった。なお、表中では測定不能および評価不能と表現した。

Claims (10)

  1. 基板上に添着されたネマチック相−等方性液体間で相転移温度を有する重合性化合物含有液晶組成物に等方性液相状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第1の光照射工程、及び前記第1の光照射工程の後の重合性化合物含有液晶組成物に電圧を印加した状態で300〜380nm波長の紫外線を照射する第2の光照射工程を含む、液晶表示素子の製造方法。
  2. 前記第1の照射工程で照射する紫外線の積算光量が0.8〜30J/cmである請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. 前記第1の照射工程で照射する紫外線は、305〜375nmのピーク波長域を有する、請求項1または2のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  4. 前記第1の照射工程の紫外線照射時間は、1〜150分間である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  5. 前記第1の照射工程は、無偏光の紫外線を照射される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  6. 前記第2の照射工程で照射する紫外線の積算光量が0.8〜30J/cmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 前記第2の照射工程で照射する紫外線は、305〜375nmのピーク波長域を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  8. 前記第1の照射工程の紫外線照射時間は、1〜150分間である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  9. 一対の基板のうちの少なくとも一方の基板として配向膜が形成されていない基板を用いる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 前記重合性化合物として1種又は2種以上の多官能性重合性化合物を用いる請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示素子の製造方法。
JP2016107332A 2016-05-30 2016-05-30 液晶表示素子の製造方法 Active JP6733315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016107332A JP6733315B2 (ja) 2016-05-30 2016-05-30 液晶表示素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016107332A JP6733315B2 (ja) 2016-05-30 2016-05-30 液晶表示素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017215366A true JP2017215366A (ja) 2017-12-07
JP6733315B2 JP6733315B2 (ja) 2020-07-29

Family

ID=60575645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016107332A Active JP6733315B2 (ja) 2016-05-30 2016-05-30 液晶表示素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6733315B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110824780A (zh) * 2018-08-08 2020-02-21 夏普株式会社 具备光取向膜的基板的制造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005173439A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Fujitsu Display Technologies Corp 液晶表示装置およびその製造方法
WO2013047161A1 (ja) * 2011-09-27 2013-04-04 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法
WO2013069487A1 (ja) * 2011-11-08 2013-05-16 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005173439A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Fujitsu Display Technologies Corp 液晶表示装置およびその製造方法
WO2013047161A1 (ja) * 2011-09-27 2013-04-04 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法
WO2013069487A1 (ja) * 2011-11-08 2013-05-16 シャープ株式会社 液晶表示装置及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110824780A (zh) * 2018-08-08 2020-02-21 夏普株式会社 具备光取向膜的基板的制造方法
CN110824780B (zh) * 2018-08-08 2022-04-08 夏普株式会社 具备光取向膜的基板的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6733315B2 (ja) 2020-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4477421B2 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP6317582B2 (ja) 液晶ディスプレイおよびその製造方法
JP5333693B1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP5299595B1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP5165667B2 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
TWI559057B (zh) A liquid crystal display device, and a liquid crystal display device
JP5333694B1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP6011904B1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JPWO2015041285A1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
US20120242941A1 (en) Liquid crystal display device and method for manufacturing the same
JP5951936B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
WO2014045923A1 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
US20130342798A1 (en) Liquid crystal display panel, liquid crystal display apparatus, and liquid crystal display cell
WO2018117213A1 (ja) 液晶表示素子
JPWO2016093141A1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP6733315B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
US10031370B2 (en) Liquid crystal display device and method for manufacuring same
JP5459450B1 (ja) 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
JPWO2015087775A1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP2019152835A (ja) 配向膜付き基板の製造方法
JPWO2015198960A1 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
CN109031799A (zh) 显示面板及其制作方法
JP7156130B2 (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JP6255622B2 (ja) 液晶組成物及びそれを使用した液晶表示素子
WO2016017509A1 (ja) 液晶表示装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20180220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190315

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200622

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6733315

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154