JP2017214682A - ポリエステル太細糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染色布帛にしたとき、布帛上に現れる濃染部および淡染部の境界が不明瞭で、かつ濃淡境界での濃淡切り替わりが段階的に変化した色調グラデーションを有する杢調を表現できるポリエステル太細糸に関するものである。【解決手段】 マルチフィラメントの任意の横断面において、2種類以上の異なる断面形状を有するフィラメント群から構成される太細糸であって、マルチフィラメント濃染部の横断面において各フィラメント群の外接円直径の変動係数CV%が7〜14%、マルチフィラメント淡染部の横断面において、各フィラメント群の外接円直径の変動係数CV%が3〜8%、マルチフィラメントの濃淡ピッチ長が6〜30cmであり、またウースター波形の繊度変動率ベースラインからの繊度変動率幅が10%以上の繊度変動ピークを1〜19個/m、繊度変動率幅が20%以上の繊度変動ピークを1〜10個/mとするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチフィラメント長手方向に太細を有し、マルチフィラメントを構成するフィラメントの横断面形状が2種類以上であるポリエステル太細糸に関する。更に詳しくは糸長手方向のフィラメントの太細位相が各断面形状で異なることによって、染色布帛にしたとき、布帛上に現れる濃染部および淡染部の境界が不明瞭で、かつ濃淡境界での濃淡切り替わりが段階的に変化した色調グラデーションを有する杢調を表現できるポリエステル太細糸に関するものである。
ポリエステル高配向未延伸糸を不均一延伸して糸長手方向に太細のある糸とすることは公知の技術である。これにより得られた糸はその濃淡染色差による杢感と、太部と細部の収縮率の違いに起因する優れたスパン感を有するため、婦人・紳士用アウターやカジュアルウエアなど薄地織編物衣料用途に高評価を得ている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、太細糸の太細位相が均一となっていることから、濃淡染色差が大きな人工的な太細糸となり、自然な杢感のある素材は得られない。加えて、太部は配向度の小さい未延伸部が集中しているため、後工程、すなわち撚糸、サイジング、製編織、あるいは仮撚加工および仕上げ加工などで、糸切れ等のトラブルを引き起こす。
かかる問題点を改良する方法として太部および細部をフィラメント長手方向並びにフィラメント間で高度に分散させる方法が提案されており、例えば異繊度フィラメントを有するポリエステル高配向未延伸糸を用いる手法がある(例えば特許文献4参照)。
また、ポリエステル未延伸糸を該未延伸糸の結晶化温度以下の温度でかつ延伸後の伸度が70%以上になる自然延伸比以下の倍率で延伸し、ガラス転移温度以上、結晶化温度以下の温度で1.001〜1.040倍の緊張比で熱処理する方法も提案されている(例えば特許文献5参照)。しかし、上記方法によって製造される延伸糸を用いて製織および染色した布帛は未だ太部および細部の分散斑に由来する染色斑が目立つものであり、かつ分散斑に由来する太部の集中により布帛の強度も低下してしまうという欠点があった。
また、かかる欠点を解消すべく、不均一延伸前において交絡を付与して張力変動を与えることによって太細ピッチを微分散させ、製織した布帛の染色斑が極めて小さく、かつ生糸、薄地織編物用にしたときにソフトな風合いと自然な杢調を有する太細糸が得られる手法が報告された(例えば特許文献6参照)。
特公昭51−7202号公報 特開昭52−103523号公報 特開2001−64823号公報 特開昭59−76916号公報 特開昭60−39411号公報 特開2003−20519号公報
従来技術、例えば特許文献6記載の方法にて得た杢調は濃淡染色差が小さく、布帛にしたとき杢調素材としての特徴が弱くなる。また、プロセス面についても交絡付与によって原糸工程での毛羽発生が懸念されるばかりでなく、圧空ラインおよび交絡ノズル導入のための設備改造が必要となり、制約が増加する問題点も有する。これらの課題に対して本発明は、杢調素材としての特徴を残しつつも自然な風合いや天然繊維調の杢感を有する織編物を与え得るポリエステル太細糸を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)マルチフィラメントの任意の横断面において、2種類以上の異なる断面形状を有するフィラメント群から構成される太細糸であって、下記の要件(a)〜(c)の特徴を有するポリエステル太細糸である。
(a)マルチフィラメント濃染部の横断面において、各フィラメント群の外接円直径の変動係数CV%が7〜14%である。
(b)マルチフィラメント淡染部の横断面において、各フィラメント群の外接円直径の変動係数CV%が3〜8%である。
(c)マルチフィラメントの濃淡ピッチ長が6〜30cmである。
(2)ウースター波形の繊度変動率ベースラインからの繊度変動率幅が10%以上の繊度変動ピークが1〜19個/mである。
(3)ウースター波形の繊度変動率ベースラインからの繊度変動率幅が20%以上の繊度変動ピークが1〜10個/mである。
本発明のポリエステル太細糸は、糸長手方向に太細ピッチを有し、かつ異なる断面形状を2種類以上有することによって、延伸および熱セット時にフィラメント間で太細ピッチに位相差が生じさせ、マルチフィラメントの太細境界部の繊度勾配が緩やかにせしめる。これより織編物などの布帛にして染色したとき、布帛上に現れる濃染部および淡染部の境界が不明瞭で、かつ濃淡境界での濃淡切り替わりが段階的に変化した色調グラデーションを有する杢調を表現できる。
本発明のポリエステル太細糸の一例を示す横断面概略図 本発明の高配向未延伸糸を得る方法の紡糸工程の一例を示す工程概略図 本発明の実施例で使用した延伸装置を模式的に示す説明図 定応力伸張領域伸度を説明するための荷重−伸長曲線(A:定応力伸張領域伸度、B:破断点伸度) ウースター斑の波形チャートと繊度変動ピーク(a:ウースター波形チャートのベースライン、b:ベースライン位置aから+10%位置、c:ベースライン位置aから+20%位置)
本発明でいう太細糸とは、糸長手方向で繊度変動率が10%以上ある糸であり、製編織後に染色すると霜降り調の染色パターンが生じるものをいう。
本発明のポリエステル太細糸の特徴は、2種類以上の異なる断面形状を有するマルチフィラメントであって、かつ各断面形状でフィラメント長手方向の太細位相が異なるものである。本発明の太細糸は、織編物としたときに断面形状によるふくらみを発揮し、かつ太細位相差によるフィラメント直径バラツキによって、濃淡が段階的に少しずつ変化した杢調を発現する。ここで言う異なる断面形状とは、形状を拡大および縮小しても一致しないものを表し、本発明の代表的な断面図を図1に示す。断面形状が1種類であると太細位相差が生じず、濃淡変化が急激な機械的な杢調となってしまう。
さらに、1つの断面形状の存在比率[(特定の断面形状のフィラメント数/全フィラメント数)×100]が20%以上80%以下であることが好ましく、太細の位相差が十分発現し、濃淡染色差が段階的に変化した杢調となる。より好ましくは40%以上60%以下である。また、異なる断面形状のフィラメント群同士の複合状態は、特定の断面形状のフィラメントが局在化せず、それぞれのフィラメントが断面形状に区別なく分散し混繊されていることが好ましい。
本発明では、マルチフィラメントの濃染部において、各断面形状のフィラメント群の横断面の外接円直径の変動係数CV%は7〜14%である。変動係数CV%が7%未満であると、マルチフィラメントのフィラメント直径バラツキが小さいため、フィラメント長手方向の太細位相差が生まれず、濃淡の変化が急激な杢調となってしまう。また、変動係数CV%が14%より大きいと原糸強度が実用に耐えないレベルとなり、延伸および製織工程での糸切れが頻発する。変動係数CV%が6〜11%が好ましい。
また、マルチフィラメントの淡染部において、各断面形状のフィラメント群の横断面の外接円直径の変動係数CV%は3〜8%である。変動係数CV%が3%未満であると、フィラメント直径バラツキが延伸糸レベルであるため濃淡染色差が発現しない。また、変動係数CV%が8%より大きいと太細糸の強度が実用に耐えないレベルとなる。変動係数CV%が4〜6%がさらに好ましい。
濃淡染色差の仕分け定義は、染色後のマルチフィラメントについてハンター色差計で表されるL値が60以上100以下の箇所を淡染部とし、0より大きく60未満の箇所を濃染部とする。濃淡染色差が段階的に変化する箇所はL値が30〜70の領域である。
さらに、本発明のポリエステル太細糸の濃淡ピッチ長は6〜30cmである。6cm未満であると濃淡染色差の切り替わりが頻繁であるため、濃淡染色差による色調グラデーションは表現できない。また、30cmより長いと太部が局在化するため、原糸の強度低下や染色時のシボ立ち発生が懸念される。濃淡ピッチ長は10〜20cmが好ましい。
さらに、糸長手方向の繊度変動率について、ウースター波形チャートにおける繊度変動率のベースラインからの繊度変動率幅が10%以上となる繊度変動ピーク個数が1〜19個/mであることが好ましく、5〜17個/mであることが更に好ましい。これによって濃淡染色差の変動を視認することができ、狙いとする杢調を際立たせることができる。
さらに、繊度変動率幅が20%以上となる繊度変動ピークが存在することで濃淡染色差の色調グラデーションが鮮明となり、杢調を強調することができる。繊度変動率幅20%以上の繊度変動ピーク個数は1〜10個/mであることが好ましく、1〜7個/mであると更に好ましい。
本発明のポリエステル太細糸を形成するポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン−2,6ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどのジオール化合物とから合成されるポリエステルであり、特に構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルが好ましい。
また、上記ポリエステル成分にポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトールメトキシポリアルキレングリコール、ビスフェノールA、スルホイソフタル酸などを添加あるいは共重合しても良い。
以下に代表的な本発明ポリエステル太細糸の製造方法を示す。本発明の太細糸は、ポリエステルを従来公知の溶融紡糸手法にて、溶融したポリマーを紡糸口金から吐出させて糸状とし、図2に記載の従来紡糸設備を使用して高配向未延伸糸を巻き取った後、後述式にて算出した所定の倍率条件下、熱ピンを用いて不均一延伸することによって得られる。紡糸工程に連続して不均一延伸することも可能であるが、紡糸直後の未延伸糸は定応力伸張領域が明瞭でなく、不均一延伸してもマルチフィラメント全体に実質的に太細を形成しにくいので、一旦巻き取った後、未延伸糸を不均一延伸することが好ましい。
図3は本発明の製造方法による好ましい製造装置の一実施態様である。高配向未延伸糸7は、フィードローラー8、11の間で熱ピン9、加熱延伸ローラー10を介して低倍率延伸を行い太細糸とし、ワインダー12に巻き取られる。熱ピン9の温度は50〜100℃であることが好ましい。
また、フィードローラー8と加熱延伸ローラー10の速度比で延伸倍率は決定されるが、延伸倍率は太細位相差を生じさせるために、延伸倍率を以下式に従って決定したとき、係数α<1.2である。好ましくは0.5≦α≦1.0である。なお、定応力伸張伸度は図4におけるA部分を指す。α≧1.2であると太部の発生頻度が低下し、染色布帛としたとき濃染部が点在もしくは消失してしまい、目的とする色調グラデーションを有する杢調が得られなくなる。
延伸倍率(倍)=(1+定応力伸長伸度(%)/100×α)
(α:延伸倍率における係数)
さらにまた、延伸ローラー10は加熱型であることが好ましく、延伸と熱セットを連続的に実施することで各断面形状のフィラメント群での太細位相差を増大させることができ、濃淡の段階的な変化を発現させることができる。加熱延伸ローラーの温度は80〜130℃であることが好ましく、100〜120℃であるとさらに好ましい。
走行するマルチフィラメントが加熱延伸ローラーに接触する時間は、0.1〜0.2秒であることが好ましい。接触時間が0.1秒未満であると、太細位相差は小さくなり、濃淡の切り替わりが鮮明な機械的な杢調となってしまう。また、0.2秒より長いとフィラメント太部の熱結晶化が進行し、杢感が消失してしまう。接触時間は0.11〜0.16秒であると更に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
(1)ウースター波形チャートからカウントされる繊度変動ピークの1m当たり個数
後述するウースター糸むら試験機を用いて25秒間測定を実施し、得られたウースター波形チャート(糸長10m分相当)の繊度変動率最低値をベースラインとする。ベースラインから10%以上もしくは20%以上の領域にピークトップを有する繊度変動ピーク個数をカウントする。糸長10m中のピーク個数をカウントした後、1mあたりの個数を算出する(図5)。本測定を6回繰り返し、得られた値の平均値を繊度変動ピーク個数とする。
(2)各断面形状のフィラメント群の横断面の外接円直径の変動係数CV%
後述する染色条件で染色したポリエステル太細糸の濃染部(ハンター色差計の測定においてL値が0より大きく60未満の箇所)および淡染部(ハンター色差計の測定においてL値が60以上100未満の箇所)について、各5カ所の糸横断面写真を400倍で撮影、その写真をもとに各断面形状のフィラメント群のフィラメント外接円直径を測定し、その標準偏差を算出する。フィラメント横断面に外接する円の直径を測定、各5カ所の全フィラメントにつき測定し、直径の平均値および標準偏差から変動係数CV%を計算する。
(3)マルチフィラメントの濃淡ピッチ長
後述する染色条件で染色したポリエステル太細糸について、任意の淡染部Aの最も淡染である箇所を基点aとし、淡染部Aと濃染部を挟んだ隣にある淡染部Bの最も淡染である箇所を基点bとしたとき、基点a−基点b間の長さをマルチフィラメントの濃淡ピッチ長とする。6カ所について濃淡ピッチ長を測定し、その平均をとったものを濃淡ピッチ長とする。
[ウースター波形チャート]
zellweger社製USTER TESTER UT−4を用いて、糸のトータル繊度により使用する測定用スロットルを選択した後、糸速25m/分、撚り数5000T/mの条件にて1分間測定することにより得る。
[定応力伸長伸度]
インストロン型引張り試験機で得た図4に示すチャート上のAの伸度を読み取る。定応力伸長伸度については5カ所測定し、その平均値で表す。
[外観]
得られたポリエステル太細糸を下記条件で製織、染色し、染色布帛上に現れる濃染部および淡染部の境界が不明瞭で、かつ濃淡境界での濃淡切り替わりが段階的に変化した色調グラデーションを有する杢調について、10人の判定者に後述する比較例1のサンプルを標準試料として、目視および官能評価を、標準試料に対しての色調グラデーション度合を5点満点で採点してもらい、以下の4段階で評価して○、○○を合格とした。
○○:判定者の平均値が4点以上
○ :判定者の平均値が3点以上4点未満
△ :判定者の平均値が2点以上3点未満
× :判定者の平均値が2点未満 。
[製織条件]
縦糸 ; 84T−36Fのポリエステル生糸
緯糸 ; 実施例で得たポリエステル太細糸
経密度; 50本/inch(2.54cm) 。
[染色条件]
染料 ; DinanixNavy S−2G200% 0.3%o.w.f.
染色助剤 ; Tetrosin PEC 5.0%o.w.f.
SunSalt; 1.0%o.w.f.
浴比 ; 1:100
染色 50℃×15分処理の後、1.6℃/分の速度で昇温し、98℃×20分処理する。
[操業性]
ポリエステル太細糸の操業性の評価方法について、延伸加工性は仕掛数に対する糸切れ数の割合を算出したとき、5%未満:○、5%以上10%未満:△、10%以上:×とした。
[実施例1]
25℃オルトクロロフェノール(濃度99.9%)中の固有粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートを丸孔24孔、6葉型孔24孔を配列した口金を用い、図2の工程にて紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、丸断面フィラメントが12フィラメントおよび6葉断面フィラメントが12フィラメントとなるよう2糸条取りしてドラムに巻き取り、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、引伸速度820m/分、熱ピン9の温度80℃、延伸倍率を(1)式の係数αを0.70として熱ピン延伸後、熱ピン直下の直径が101.5mmの加熱延伸ローラー10(温度100℃)にて熱セットし、フィードローラー11で引取、さらにワインダー12でボビンに巻き取って太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は9.4%、6葉断面は10.0%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は3.6%、6葉断面は5.6%であり、平均濃淡ピッチ長は17cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、17個/mおよび7個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は濃淡染色差が強調され、かつ狙い通りの濃淡が段階的に変化した色調グラデーションを有する杢調が発現した。
[実施例2]
25℃オルトクロロフェノール(濃度99.9%)中の固有粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートを丸孔96孔、3葉型孔48孔を配列した口金を用い、図2の工程にて紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、丸断面フィラメントが48フィラメントおよび3葉断面フィラメントが24フィラメントとなるよう2糸条取りしてドラムに巻き取り、総繊度が145dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、引伸速度820m/分、熱ピン9の温度80℃、延伸倍率を(1)式の係数αを0.70として熱ピン延伸後、熱ピン直下の直径が101.5mmの加熱延伸ローラー10(温度100℃)にて熱セットし、フィードローラー11で引取、さらにワインダー12でボビンに巻き取って太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は7.4%、3葉断面は7.5%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は3.8%、3葉断面は6.5%であり、平均濃淡ピッチ長は18cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、17個/mおよび5個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は3葉断面特有の光沢感を有し、かつ実施例1と類似の杢調が発現した。
[実施例3]
25℃オルトクロロフェノール(濃度99.9%)中の固有粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートを丸孔48孔、4葉型孔48孔を配列した口金を用い、図2の工程にて紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび4葉断面フィラメントが24フィラメントとなるよう2糸条取りしてドラムに巻き取り、総繊度が143dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、引伸速度820m/分、熱ピン9の温度80℃、延伸倍率を(1)式の係数αを0.70として熱ピン延伸後、熱ピン直下の直径が101.5mmの加熱延伸ローラー10(温度100℃)にて熱セットし、フィードローラー11で引取、さらにワインダー12でボビンに巻き取って太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は7.8%、4葉断面は9.8%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は4.2%、4葉断面は5.5%であり、平均濃淡ピッチ長は14cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、16個/mおよび4個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は実施例1に比べてふくらみ感があり、かつ実施例1に比べて太細ピッチの細かい杢調が発現した。
[実施例4]
25℃オルトクロロフェノール(濃度99.9%)中の固有粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートを3葉型孔48孔、6葉型孔48孔を配列した口金を用い、図2の工程にて紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、3葉断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメントとなるよう2糸条取りしてドラムに巻き取り、総繊度が143dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、引伸速度820m/分、熱ピン9の温度80℃、延伸倍率を(1)式の係数αを0.70として熱ピン延伸後、熱ピン直下の直径が101.5mmの加熱延伸ローラー10(温度100℃)にて熱セットし、フィードローラー11で引取、さらにワインダー12でボビンに巻き取って太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、3葉断面は8.8%、6葉断面は8.7%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、3葉断面は4.7%、6葉断面は3.9%であり、平均濃淡ピッチ長は18cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、15個/mおよび4個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は実施例1に比べて光沢感およびキシミ感があり、かつ実施例1に類似の杢調が発現した。
[実施例5]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、熱ピン直下の加熱延伸ローラー10を温度120℃にて熱セットした以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は11.2%、6葉断面は7.1%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は6.7%、6葉断面は3.3%であり、平均濃淡ピッチ長は18cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、6個/mおよび1個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は実施例1に比べて濃淡染色差が小さくなり、濃淡変化の少ない自然な杢調が得られた。
[実施例6]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、延伸倍率を(1)式の係数αを0.95として熱ピン延伸した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は7.7%、6葉断面は8.3%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は3.2%、6葉断面は3.4%であり、平均濃淡ピッチ長は16cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、9個/mおよび2個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は実施例1に比べて、濃染部は同等レベルの色調であり、かつ淡染部がより薄くなっており、濃淡の段階的な変化が大きい杢調が得られた。
[実施例7]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、糸速1040m/minとして加工した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は7.0%、6葉断面は7.3%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は3.2%、6葉断面は3.8%であり、平均濃淡ピッチ長は14cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、15個/mおよび5個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は実施例1に比べて、濃染部および淡染部が局在化しており、濃淡のコントラストが明瞭な杢調が得られた。
[実施例8]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、糸速710m/minとして加工した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は11.2%、6葉断面は12.0%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は4.8%、6葉断面は6.8%であり、平均濃淡ピッチ長は18cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、14個/mおよび2個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は、全体的に濃淡染色差が小さい杢調となった。
[比較例1]
実施例1において、単一のポリマー吐出孔のみを有する口金として、丸孔を72孔配列した口金を用い、紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、丸断面フィラメント糸を36フィラメントとなるよう2糸条取りしてドラムに巻き取り、総繊度が157dtexの高配向未延伸糸を得た。
上記手法にて得られた丸断面の高配向未延伸糸を、引伸速度840m/分、熱ピン9の温度80℃、延伸倍率を(1)式の係数αを0.70として熱ピン延伸後、熱ピン直下の直径が101.5mmの加熱延伸ローラー10(温度100℃)およびフィードローラー11で引取、さらにワインダー12でボビンに巻き取って比較例1の太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、丸断面フィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ9.5%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、丸断面フィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ2.8%であり、平均濃淡ピッチ長は10cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、15個/mおよび7個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は濃淡染色差が大きく、濃淡切り替わりが頻繁な杢調となり、実施例1とは異なるものであった。
[比較例2]
単一吐出孔として4葉型孔を72孔配列した口金を使用して、比較例1紡糸工程と同様の設備を用いて紡糸速度3000m/分で溶融紡糸し、4葉断面フィラメントを36フィラメントとなるよう2糸条取りしてドラムに巻き取り、総繊度148dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、引伸速度840m/分、熱ピン9の温度80℃、延伸倍率を(1)式の係数αを0.70として熱ピン延伸後、熱ピン直下の直径が101.5mmの加熱延伸ローラー10(温度100℃)およびフィードローラー11で引取、さらにワインダー12でボビンに巻き取って比較例2の太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、4葉断面フィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ9.8%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、丸断面フィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ5.1%であり、平均濃淡ピッチ長は8cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、18個/mおよび6個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は、比較例1に比べて濃淡ピッチ長は短くなったものの、実施例1と比較すると濃淡切り替わりが頻繁で、目的とする杢調が得られなかった。
[比較例3]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、熱ピン直下の加熱延伸ローラー10の温度を70℃にて熱セットした以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は1.1%、6葉断面は1.2%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は1.2%、6葉断面は1.1%であり、平均濃淡ピッチ長は6cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、10個/mおよび13個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は、実施例1に比べて濃淡切り替わり境界が明瞭で、濃淡染色差の大きい機械的な杢調となり、狙いとする杢調とは異なるものであった。
[比較例4]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、熱ピン直下の加熱延伸ローラー10の温度を140℃にて熱セットした以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は2.0%、6葉断面は2.0%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は1.4%、6葉断面は1.8%であり、平均濃淡ピッチ長は10cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、2個/mおよび0個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は濃淡染色差のない均一な色調なものとなり、杢調は消失した。また、加熱延伸ローラー10およびフィードローラー11上において、糸タルミによる糸切れが頻発し、延伸加工性にも劣る結果となった。
[比較例5]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、延伸倍率を(1)式の係数αを1.20として熱ピン延伸した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は4.9%、6葉断面は4.7%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は3.3%、6葉断面は3.7%であり、平均濃淡ピッチ長は18cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、4個/mおよび1個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛はわずかに杢調が確認できるものの、杢調素材としては特徴に乏しいものとなった。
[比較例6]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、熱ピン9を加熱延伸ローラー10と同径の加熱ロールとし、温度を80℃に設定して加工した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は1.6%、6葉断面は1.4%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は1.0%、6葉断面は0.9%であり、平均濃淡ピッチ長は32cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、0個/mおよび5個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は緯糸に沿って濃染部および淡染部がスジ状に局在化しており、実施例で示したような杢調は得られなかった。
[比較例7]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、糸速1270m/minとして加工した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は3.6%、6葉断面は4.8%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は1.4%、6葉断面は2.9%であり、平均濃淡ピッチ長は16cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、12個/mおよび9個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は、実施例1に比べて濃淡切り替わり境界がはっきりとした機械的な杢調となった。また、延伸加工中、走行糸条の糸揺れによる糸切れが散発し、加工性に劣る結果となった。
[比較例8]
実施例1と同様の方法を用いて、丸断面フィラメントが24フィラメントおよび6葉断面フィラメントが24フィラメント、総繊度が149dtexの高配向未延伸糸を得た。
次に、該未延伸糸を図3に示すような延伸機を使用し、糸速440m/minとして加工した以外は、実施例1と同様の方法にて太細糸を得た。
任意のマルチフィラメント濃染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は6.6%、6葉断面は7.1%であった。また、任意のマルチフィラメント淡染部の横断面写真を撮影し、断面形状ごとのフィラメント直径を測定して変動係数CV%を算出したところ、丸断面は4.4%、6葉断面は3.6%であり、平均濃淡ピッチ長は17cmであった。該太細糸のウースター波形を測定し、繊度変動率幅10%以上の繊度変動ピーク個数、および繊度変動率幅20%以上の各繊度変動ピークを測定したところ、7個/mおよび1個/mであった。
該太細糸を製織して染色後、杢調の官能試験を実施して4段階評価した。結果を表1に示す。得られた布帛は濃淡染色差が小さく、杢調素材としては特徴に乏しいものとなった。
1:口金
2:チムニー
3:給油ガイド
4:第1インターレースノズル
5:引取ローラー
6:第2インターレースノズル
7:高配向未延伸糸
8:フィードローラー
9:熱ピン
10:加熱延伸ローラー
11:フィードローラー
12:ワインダー
A:定応力伸張域の伸び
B:破断までの伸び
a:ウースター波形チャートのベースライン
b:ウースター波形チャートのベースラインから繊度変動率+10%を示す直線
c:ウースター波形チャートのベースラインから繊度変動率+20%を示す直線

Claims (3)

  1. マルチフィラメントの任意の横断面において、2種類以上の異なる断面形状を有するフィラメント群から構成される太細糸であって、下記の要件(a)〜(c)の特徴を有するポリエステル太細糸。
    (a)マルチフィラメント濃染部の横断面において、各フィラメント群の外接円直径の変動係数CV%が7〜14%
    (b)マルチフィラメント淡染部の横断面において、各フィラメント群の外接円直径の変動係数CV%が3〜8%
    (c)マルチフィラメントの濃淡ピッチ長が6〜30cm
  2. ウースター波形の繊度変動率ベースラインからの繊度変動率幅が10%以上の繊度変動ピーク個数が1〜19個/mであることを特徴とする前項1記載のポリエステル太細糸。
  3. ウースター波形の繊度変動率ベースラインからの繊度変動率幅が20%以上の繊度変動ピーク個数が1〜10個/mであることを特徴とする前項1および2記載のポリエステル太細糸。
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