JP2017213938A - 空気導入装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2に記載のような空気導入装置は、前後方向に貫通する流路を含む開口部を閉じる状態にする閉鎖位置と、開口部が設けられていない箇所の後方となる開放位置との間で複数の可動フィンが前後方向に移動するように構成されている。可動フィンが前後方向に移動するため、大きなスペースが必要となる。
一方、空気導入装置は、車両の居住性を良くするため、限られたスペース内に搭載する必要があり、小型化が求められている。
空気導入装置は、フレーム(21)、空気導入部(20)、可動部材(40)、第1部材(60)および第2部材(70)を備える。
フレームは、外枠を形成する。
空気導入部は、フレームの内側に設けられ、車両の前側に開口し、車両の前後方向に連通する流路(241、242、243、244)を有する。
第1部材は、フレームに設けられ、基端部(61)がフレームに接続されており、可動部材が上下方向に移動したとき、基端部を中心に先端部(62)が回転する。
第2部材は、板状に形成されており、一端部(71)が先端部に連結され、他端部(72)が可動部材に連結されており、可動部材が車両の前方に対し上下方向に移動したとき、他端部が可動部材とともに上下方向に移動し、流路を開閉して、空気導入部から流れる空気を導入または遮断する。
可動部材および第2部材が上下移動するのみで流路を開閉できるため、車両の前後方向に必要な長さが短縮でき、可動部材および第2部材が前後方向に移動する必要がない。このため、空気導入装置の前後方向の距離を小さくでき、空気導入装置を小型化できる。
図1に示すように、車両1は、ボンネット7と、バンパー8と、ボディ10の側部と、でエンジンルーム11が区画形成されており、エンジンルーム11内に内燃機関であるエンジン12が搭載されている。
図2に示すように、空気導入装置51は、車両1の前部に設けられ、車両1のボンネット7とバンパー8との間であって、両ヘッドライト9の間に設けられている。車両1の前進方向を「前」とし、車両1の後退方向を「後」とする。また、ボンネット7側を「上」とし、車両1のタイヤ6側を「下」とし、上下方向は、車高高さと同一である。さらに、前進方向から見て右側を「右」とし、前進方向から見て左側を「左」とし、左右方向は、車幅方向と同一である。
また、図4および図5に示すように空気導入装置51は、可動部材40、複数の第1部材60および複数の第2部材70を備える。
フレーム下部延長部37は、段階的に折れ曲がっており、フレーム下部26の上端から後退方向に延びている。図4のような左右方向の断面において、煩雑さを避けるため、奥行き線を一部省略している。
複数の連結穴213は、フレーム21の側面に形成されており、左右方向に貫通している。
意匠部28、29、30は、車両1の前側に形成され、上下方向に延びている。ルーバー22、23、24のL字形状の断面は、意匠部28、29、30と突出部31、32、33とで形成される。
延長部34、35、36は、意匠部28、29、30の下端から突出部31、32、33と同一方向に延びており、突出部31、32、33よりも短く形成されている。
流路241−244は、フレーム上部25、フレーム下部26およびルーバー22、23、24によって複数に仕切られており、前側に開口し、前後方向に連通している。
流路243は、ルーバー23とルーバー24とによって区画形成され、流路244は、ルーバー24とフレーム下部26とによって区画形成されている。
4つの流路241、242、243、244は、開口面積A1、A2、A3、A4が同一となるように、すなわち、A1=A2=A3=A4 となるように形成されている。
空気導入部20は、外部から流路241−243を経由してエンジンルーム11に空気を導入する。導入された空気は、エンジンルーム11内を冷却するために用いられる。
ピニオン41は、複数の歯411を含む歯車であり、図示しないモータに接続されており、回転可能である。
ラック42は、複数の溝421、貫通穴422および複数の挿入穴423を含み、板状に形成されている。
また、複数の溝421は、歯411に対応して、ラック42とピニオン41とが組み合わさるように形成されている。図中、構成を明確にするために、ピニオン41、歯411および溝421を誇張して記載しており、各部の寸法、角度、寸法比および歯数は必ずしも正確ではない。
複数の挿入穴423は、左右方向に貫通しており、左右方向の断面が円形形状に形成されている。
第1部材60は、可動部材40が上下方向に移動したとき、基端部61を中心に先端部62が回転する。
基端部61は、先端部62よりも下側に設けられ、丸棒状に形成されており、左右方向を軸として回転可能である。
先端部62は、左右方向に延びる2つの第1部材穴622が形成されている。
また、第2部材70は、可動部材40が上下方向に移動したとき、他端部72が上下方向に移動し、流路241−244を開閉して、空気導入部20から流れる空気をエンジンルーム11へ導入または遮断する。
他端部72は、挿入穴423を介してフレーム端部211から左右方向に突き出ており、可動部材40とともに上下方向に移動可能で、第1部材60と第2部材70とはリンク機構になっている。
図6において、第1部材60および第2部材70の所在が明確になるように、流路241−244が相当する範囲をドット柄で記載している。
図4、図5および図6に戻って、可動部材40が下方向に移動したとき、第2部材70が流路241−244を開き、空気導入部20からエンジンルーム11内に空気が導入される。
可動部材40、第1部材60および第2部材70は、閉塞角度θcが開放角度θoよりも大きくなるように、すなわち、θc>θoとなるように調整されている。
空気導入装置51の作用について、図10のタイムチャート、図11および図12を参照して説明する。
エンジン12が始動開始した時刻を始動開始時刻x0とし、エンジン12の始動開始時刻x0からの所定時間をPとする。
設定車速Vc_fは、車両1の車種、エンジン12、開口面積A1、A2、A3、A4または車両1が用いられる環境等により変化し、実験やシミュレーション等によって求めることができる。
流路241−244からエンジンルーム11内に導入される空気の量を空気導入量Mとする。
図11に示すように、始動開始時刻x0に、可動部材40は上方向に移動し、他端部72が上方向に移動し、第2部材70が流路241−244を閉じる。流路241−244からエンジンルーム11内に導入される空気が遮断され、空気導入量Mはゼロである。始動開始時刻x0から時刻x1まで、エンジンルーム11内の暖機が促進される。ここで、「ゼロ」は、常識的な誤差範囲を含む。以下、「ゼロ」は、同様に拡大解釈するものとする。
図12に示すように、時刻x1に、可動部材40は下方向に移動し、他端部72が下方向に移動し、第2部材70が流路241−244を開く。
時刻x1から時刻x2まで流路241−244からエンジンルーム11内に空気が導入され、空気導入量Mは、車速Vcの増加に伴い増加する。このとき、空気導入装置51はエンジンルーム11内の過熱を防止する。
時刻x4から車両1は減速し、時刻x5に車速Vcが設定車速Vc_fになる。
時刻3から時刻x5まで、空気導入装置51はエンジンルーム11内に導入される空気を遮断して、車両1の空気抵抗が低減され、車両1の燃費が向上する。
時刻x5以降では、流路241−244からエンジンルーム11内に空気が導入され、空気導入量Mは、時刻x5にゼロから増加し、車速Vcの減速に伴い、空気導入量Mは減少する。このとき、空気導入装置51は、エンジンルーム11内の過熱を防止する。
図20(a)、(b)に示すように、比較例1としての特許文献1に記載の構成のような空気導入装置58は、フレーム581に支持されている可動フィン582が回転することによって、流路583−585の開閉を行うように構成されている。可動フィン582が回転するため、車両1の前後方向の長さWfが必要であり、エンジンルーム11内に大きなスペースが必要となる。
複数の可動フィン592が前後方向に移動する距離Lfがあり、空気導入装置58と同様に、大きなスペースが必要となる。
そこで、本実施形態では、導入する空気量を制御し、小型化可能にするため、空気導入装置51は、可動部材40、第1部材60および第2部材70を備える。
(1)可動部材40が上下移動したとき、第2部材70が流路241−244を開閉することによって、導入する空気量を制御できる。
可動部材40および第2部材70が上下移動するのみで流路241−244を開閉できるため、車両1の前後方向に必要な長さを短縮でき、可動部材40および第2部材70が前後方向に移動する必要がない。このため、空気導入装置51の前後方向の距離Lを小さくでき、空気導入装置51を小型化でき、エンジンルーム11内の前後方向のスペースを大きくできる。
第2実施形態では、可動部材の上下移動と第2部材が行う流路の開閉との関係が異なる点を除き、第1実施形態と同様である。
図13および図14に戻って、可動部材140が上方向に移動したとき、第2部材170が流路241−244を開き、空気導入部20からエンジンルーム11内に空気が導入される。第2実施形態において、第1実施形態の効果(1)および(3)と同様の効果を奏する。
第3実施形態では、フレームおよび空気導入部の形態を除き、第1実施形態と同様である。
図17および18に示すように、空気導入装置53のフレーム121は、左右方向に延びている形状で、内部が複数の仕切り部材127−130によって仕切られ、網目状に形成されている。
流路124は、前後方向の断面において、角がR形状であるひし形形状に形成されている。
図19に示すように、可動部材40が上方向に移動したとき、第2部材70が流路124を閉じて、空気導入部20からエンジンルーム11内に導入される空気が遮断される。第3実施形態において、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(i)エンジンは、車両の前部に設けられるフロンドエンジン・フロントドライブ(FF)やフロンドエンジン・リアドライブ(FR)に限定されず、ミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)、リアエンジン・リアドライブ(RR)の車両に用いてもよい。
案内部は、フレーム下部に接続され、上下方向に延びており、上端部に図示しないモータおよびボールねじを含む。
摺動部は、案内部および第2部材に接続されており、モータが回転することによって、案内部に沿って第2部材とともに上下移動可能である。
摺動部が下方向に移動したとき、第2部材が流路を開き、空気導入部からエンジンルーム内に空気が導入される。可動部材が直動案内機構であっても第1実施形態の効果(1)および(2)と同様の効果を奏する。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
20 ・・・空気導入部、 241−244 ・・・流路
21 ・・・フレーム、
40 ・・・可動部材、
60 ・・・第1部材、 61 ・・・基端部、 62 ・・・先端部、
70 ・・・第2部材、 71 ・・・一端部、 72 ・・・他端部。
Claims (4)
- 車両(1)に用いられる空気導入装置であって、
外枠を形成するフレーム(21)と、
前記フレームの内側に設けられ、前記車両の前側に開口し、前記車両の前後方向に連通する流路(241、242、243、244)を有する空気導入部(20)と、
前記フレームに設けられ、前記車両の前方に対し、上下方向に移動可能な可動部材(40)と、
前記フレームに設けられ、基端部(61)が前記フレームに接続されており、前記可動部材が上下方向に移動したとき、前記基端部を中心に先端部(62)が回転する第1部材(60、160)と、
板状に形成されており、一端部(71)が前記先端部に連結され、他端部(72)が前記可動部材に連結されており、前記可動部材が前記車両の前方に対し上下方向に移動したとき、前記他端部が前記可動部材とともに上下方向に移動し、前記流路を開閉して、前記空気導入部から流れる空気を導入または遮断する第2部材(70、170)と、
を備える空気導入装置。 - 前記可動部材が前記車両の前方に対し上方向に移動したとき、前記第2部材(70)は前記流路を閉じて、前記空気導入部から導入される空気を遮断する請求項1に記載の空気導入装置。
- 前記第2部材が前記流路を開いたときの前記第1部材と前記第2部材とによって区画される前記車両の後側の角度を開放角度(θo)とし、
前記第2部材が前記流路を閉じたときの前記第1部材と前記第2部材とによって区画される前記車両の後側の角度を閉塞角度(θc)とすると、
前記閉塞角度は、前記開放角度よりも大きい請求項1または2に記載の空気導入装置。 - 前記可動部材は、複数の歯(411)を含む回転可能な歯車であるピニオン(41)および前記歯に対応する複数の溝(421)を含む棒状のラック(42)を有し、
前記他端部は前記ラックに連結されており、前記ピニオンが回転したとき、前記ラックが前記他端部とともに前記車両の前方に対し上下方向に移動し、前記他端部が前記流路を開閉して、前記空気導入部から流れる空気を導入または遮断する請求項1から3のいずれか一項に記載の空気導入装置。
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