JP2017212925A - 野菜洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】野菜に損傷を与えることなく洗浄液の使用量を低減でき、また、メンテナンス性やサニタリー性に優れた野菜洗浄装置を提供する。【解決手段】殺菌部20と、第1配管系と、洗浄部35と、第2配管系と、網目状のコンベア11と、基台50と、カバー部材60とを備える。第1配管系と第2配管系との少なくとも一方は、コンベアの外側に配置された外側管部と、外側管部に着脱自在に接続されコンベアと対向して幅方向に延び、殺菌ノズルまたは洗浄ノズルを有する対向管部とを有する。上方の殺菌ノズルおよび上方の洗浄ノズルの噴霧角度は、噴霧液が野菜の高さに応じた所定高さ以上の位置でカバー部材に当たる角度であり、カバー部材は、コンベアの搬送方向に沿って複数設けられ、それぞれが基台に対して水平方向に沿った第1方向の移動が拘束され、第1方向と交差する第2方向に移動したときに周囲の空間を開放可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、野菜洗浄装置に関するものである。
近年、喫食サイズにカットされ、袋詰めされて販売されるカット野菜の需要が伸びている。カット野菜は、消費者が洗うことなく食べられるという利便性をそなえさせるために、カット前に予め虫や泥等の異物を除去する洗浄処理が施されている。洗浄処理としては、例えば、野菜をホール状態(全球状)で、または半割りや4等分等にカットした状態でバブリング水槽内で大量に発生させた泡で洗浄し、野菜に付いていた異物は泡と一緒にオーバフローさせる一次洗浄装置と、バブリング水槽から受け渡された野菜をコンベアで搬送しつつ、上下方向から圧力水を噴射して洗浄する二次洗浄装置とを備えた洗浄機が開示されている(特許文献1参照)。
また、特許文献1に記載された洗浄機は、一次洗浄装置の洗浄水と、二次洗浄装置の洗浄水が別経路で循環する構成であり、例えば、一次洗浄装置では、次亜塩素酸ナトリウム水やオゾン水等の殺菌作用のある水を使用し、二次洗浄装置では清浄水を使用して仕上げ洗浄することを開示している。
しかしながら、特許文献1に記載された洗浄機においては、野菜を浸漬するために大量の洗浄液が必要になりコストの増加を生じさせる。また、特許文献1に記載された洗浄機においては、バブリング水槽で野菜が浮沈しつつ第1コンベアで搬送されるため野菜に損傷を与える虞がある。加えて、特許文献1に記載された洗浄機においては、コンベアやカバー体内部、配管等のメンテナンス性やサニタリー性が十分考慮されているとは言えない。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、野菜に損傷を与えることなく洗浄液の使用量を低減でき、また、メンテナンス性やサニタリー性に優れた野菜洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、薬剤を含む殺菌液を殺菌ノズルから野菜に噴霧する殺菌部と、前記殺菌液を前記殺菌ノズルに供給する第1配管系と、前記殺菌液が噴霧された前記野菜に対して洗浄ノズルから洗浄液を噴霧する洗浄部と、前記洗浄液を前記洗浄ノズルに供給する第2配管系と、前記殺菌液の噴霧領域および前記洗浄液の噴霧領域に順次前記野菜を搬送する網目状に形成されたコンベアと、前記コンベア、前記殺菌部および前記洗浄部を支持する基台と、前記基台に設置され前記コンベア、前記殺菌部および前記洗浄部の周囲の空間を覆うカバー部材とを備え、前記第1配管系と前記第2配管系との少なくとも一方は、前記コンベアの幅方向一方側の外側に配置された外側管部と、一端側が前記外側管部に着脱自在に接続され前記コンベアと対向して前記幅方向に延び、前記殺菌ノズルまたは前記洗浄ノズルを有するとともに、前記コンベアを挟んだ上方および下方にそれぞれ配置された対向管部とを有し、上方の前記殺菌ノズルおよび上方の前記洗浄ノズルの噴霧角度は、噴霧液が前記野菜の高さに応じた所定高さ以上の位置で前記カバー部材に当たる角度であり、前記カバー部材は、前記コンベアの搬送方向に沿って複数設けられ、それぞれが前記基台に対して水平方向に沿った第1方向の移動が拘束され、前記第1方向と交差する第2方向に移動したときに前記周囲の空間を開放可能であることを特徴とする野菜洗浄装置が提供される。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記対向管部は、前記外側管部に対して、前記殺菌ノズルまたは前記洗浄ノズルが前記コンベアと対向する第1位置と、当該対向管部の軸周り方向で前記第1位置とは異なる第2位置とに選択的に切換可能に接続されていることが好ましい。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記第2位置は、前記殺菌ノズルまたは前記洗浄ノズルが前記カバー部材の天板を向く位置であることが好ましい。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記外側管部との間で前記対向管部の他端側を挟持する挟持部材と、前記外側管部から前記幅方向に延出して前記挟持部材を貫通する軸状の雄ねじ部材と、前記雄ねじ部材に螺着して前記挟持部材を介して前記対向管部を前記外側管部に締結固定する蝶ナット部材とを備えることが好ましい。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記カバー部材は、前記コンベアの幅方向に前記基台に拘束され、前記基台に形成されたレール部に沿って前記搬送方向にスライド可能であることが好ましい。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記レール部における前記カバー部材との接触部には、摺動抵抗を緩和する抵抗緩和部が設けられていることが好ましい。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記基台は、前記幅方向の一方側に前記搬送方向に延びる回転中心部を有し、前記カバー部材は、回転中心部を中心にして回転可能であることが好ましい。
本発明の野菜洗浄装置においては、前記回転中心部は、前記幅方向の一方側および他方側のそれぞれに設けられ、前記カバー部材は、前記幅方向に二分割された形状の分割カバー部を有し、前記分割カバー部の一方は、前記幅方向の一方側の回転中心部を中心にして回転可能であり、他方は前記幅方向の他方側の回転中心部を中心にして回転可能であるとが好ましい。
本発明では、野菜に損傷を与えることなく洗浄液の使用量を低減でき、また、メンテナンス性やサニタリー性に優れた野菜洗浄装置を提供するを提供することができる。
以下、本発明の野菜洗浄装置の実施の形態を、図1ないし図20を参照して説明する。図1は、野菜Vを殺菌液を用いて殺菌するとともに、洗浄液を用いて洗浄する野菜洗浄装置1の概略的な正面図である。図2は、殺菌液および洗浄液の供給および回収に係る配管系の概略構成を模式的に示す図である。
野菜洗浄装置1は、搬送部10、殺菌部20、洗浄部35、基台50、カバー部材60、第1送液部70、第2送液部80、第3送液部90、殺菌液貯溜部100、洗浄液貯溜部110、薬剤貯溜部120、薬剤供給部130および制御部CONTを備えている。
搬送部10は、基台50に支持されたコンベア11を備えている。コンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間はカバー部材60によって覆われている。コンベア11は、開口部を有する網目状に形成されたネットコンベアであり、無端帯状に形成されている。図3(a)は、コンベヤ11の一部を示す平面図、図3(b)は、図3(a)の右側面図、図3(c)は、図3(a)の正面図である。
コンベア11は、コンベア本体13と、樹脂フレーム16とを有している。コンベア本体13は、コンベア11の幅方向(図3(a)、(b)における上下方向)の両端側にそれぞれ設けられたコンベアチェーン14と、幅方向に延在し、コンベア11の搬送方向(図3(a)、(c)における左右方向)に一定間隔をあけて設けられたシャフト15とを備えている。シャフト15は、コンベアチェーン14のピンと同軸に配置されている。
なお、コンベア11は、開口部を有する網目状に形成されていれば樹脂フレーム16は必須の構成ではなく、例えば、腐食性を考慮してステンレス材等の金属材で構成されていてもよい。樹脂フレーム16を用いる場合には、野菜Vを支持する際の緩衝材として機能する点で好適である。以後については、樹脂フレーム16を用いる構成について説明する。
なお、コンベア11は、開口部を有する網目状に形成されていれば樹脂フレーム16は必須の構成ではなく、例えば、腐食性を考慮してステンレス材等の金属材で構成されていてもよい。樹脂フレーム16を用いる場合には、野菜Vを支持する際の緩衝材として機能する点で好適である。以後については、樹脂フレーム16を用いる構成について説明する。
図4は、樹脂フレーム16の平面図、図5は、同正面図である。樹脂フレーム16は、中心に開口部16aを有する平面視矩形のロ字状に形成されている。樹脂フレーム16は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリアセタール)、ABS等、殺菌液や洗浄液に耐性を有する樹脂材で形成されている。樹脂フレーム16の下面側には、上記搬送方向の両側に、壁部16d、嵌合孔16bおよび溝部16cが上記幅方向に延在してそれぞれ形成されている。壁部16dには、シャフト15に嵌合する嵌合孔16bと、嵌合孔16bの下側を開口させる溝部16cとが形成されている。溝部16cは、嵌合孔16bの直径よりも小さい幅で嵌合孔16bを開口させている。溝部16cの幅は、下方に向かうに従って拡がっている。
樹脂フレーム16は、上方から溝部16cを介して嵌合孔16bにシャフト15を嵌合させることによりシャフト15に装着される。また、樹脂フレーム16を上方に移動させることにより、嵌合孔16bから溝部16cを介してシャフト15が離脱する。従って、樹脂フレーム16は、シャフト15(コンベア本体13)に対して上方から着脱自在である。また、壁部16dは、上記幅方向の中央部に位置して、上記搬送方向に延びて形成された溝部16eによって切り欠かれた形状となっている。そのため、嵌合孔16bとシャフト15との嵌合は、溝部16eを挟んだ上記幅方向の両側で行われる。
樹脂フレーム16の上面側には、開口部16aを挟んだ上記幅方向の両側にリブ状に突出する支持壁16fが形成されている。支持壁16fは、正面視で略円弧形状に形成されている。支持壁16fの上記搬送方向の下流側(図4および図5における左側)には、当該下流側に向く支持面16gが形成されている。
コンベアチェーン14間の距離は、樹脂フレーム16が4つ(4列)装着可能な長さに設定されている。各樹脂フレーム16は、搬送方向で隣り合う二本のシャフト15に装着される。従って、各列においては、図3(a)に示されるように、樹脂フレーム16における開口部16aと、二つの樹脂フレーム16同士の隙間によって形成される開口部16hとが交互に配列されている。また、上記幅方向で隣り合う樹脂フレーム16の列では、開口部16aと開口部16hとの配置がずれるように、樹脂フレーム16は、シャフト15(コンベア本体13)に装着されている。
コンベア11は、コンベアチェーン14と噛合するスプロケット12の回転駆動によって、上面11aに載置された野菜Vを水平面に沿った方向(図1中、右側から左側に向かう方向)に搬送する。
なお、以下の説明においては、コンベア11の搬送方向(図1中、左右方向)を単に搬送方向と称し、搬送方向の上流側を単に上流側、搬送方向の下流側を単に下流側と称する。また、コンベア11の幅方向(図1中、紙面と直交する方向)を単に幅方向と適宜称する。
殺菌液貯溜部100は、薬剤を含む殺菌液を貯留する。殺菌液貯溜部100は、オーバーフローした殺菌液を排液するためのオーバーフロー管101を有している。第1送液部70は、送液ポンプ71を有している。第1送液部70は、殺菌液貯溜部100に貯留された殺菌液を送液ポンプ71の駆動により殺菌部20に送液する。
殺菌部20は、洗浄部35よりも上流側に配置されている。殺菌部20は、第1送液部70によって送液された薬剤を含む殺菌液を、コンベア11で搬送されている野菜Vに霧状に噴霧する。殺菌部20は、外側管部21と、一端が外側管部21に接続された幅方向に延びる対向管部22A、22Bと、対向管部22Aに設けられた殺菌ノズル23Aと、対向管部22Bに設けられた殺菌ノズル23Bとを有している。外側管部21および対向管部22A、22Bにより第1配管系が構成される。第1送液部70によって送液された薬剤を含む殺菌液は、外側管部21から対向管部22A、22Bに供給される。対向管部22Aに供給された殺菌液は、殺菌ノズル23Aに供給される。対向管部22Bに供給された殺菌液は、殺菌ノズル23Bに供給される。
図6は、殺菌部20、第1洗浄部30および第2洗浄部40における配管系の平面図、図7は、同配管系を上流側から視た側面図である。外側管部21は、コンベア11の幅方向の一方側(図6および図7では下流側に向かって観たときに右側、図1では紙面奥側)の外側に配置されている。外側管部21は、鉛直方向に延びる鉛直管部21aと、一端が鉛直管部21aに接続され搬送方向に沿って水平方向に延びる水平管部21b、21cとが接続されて形成されている。水平管部21bは、コンベア11の上面11aよりも高い位置に配置されている。水平管部21cは、コンベア11の上面11aよりも低く、コンベア11の戻り経路側の面11bよりも高い位置に配置されている。
対向管部22Aは、幅方向に延在しており、搬送方向に間隔をあけて複数列(図1および図6では4列)設けられている。各対向管部22Aの下面には、殺菌ノズル23Aが設けられている。殺菌ノズル23Aは、各対向管部22Aに複数(図7では二つ)設けられている。本実施形態における殺菌ノズル23Aは、コンベア11の幅方向中心に対して対称に配置されている。
殺菌ノズル23Aは、上方からコンベア11(上面11a)に向けて円錐状の噴霧領域45Aで殺菌液Lを霧状に噴霧する。殺菌ノズル23Aは、円錐内の全体に亘って霧状の殺菌液Lを噴霧する充円錐ノズルである。充円錐ノズルは、一例として、回転子もしくはスリットを用いてノズル内に形成した旋回液流を用いて円錐状に液滴を噴霧する。殺菌液Lは、断面が円形の面形状で殺菌ノズル23Aから噴霧される。殺菌ノズル23Aの噴霧角度θは、噴霧された殺菌液Lがカバー部材60の内側面60aに当たる最も高い位置が、野菜Vの高さとして設定される所定高さH以上の位置となる角度である。この角度で噴霧された殺菌液Lは、内側面60aに当たって跳ね返り、野菜Vを殺菌・洗浄することが可能になる。
具体的には、図8に示すように、カバー部材60の内側面60aと殺菌ノズル23Aとの幅方向の距離をW、殺菌ノズル23Aとコンベア11の上面11aとの距離をDとし、殺菌液Lが殺菌ノズル23Aから内側面60aまでの距離Wまで拡がったときの高さをhとすると、以下の式(1)が成り立つ。
h=W/tan(θ/2) …(1)
そして、高さhが野菜Vの高さとして設定される所定高さH以上の位置となるためには、式(1)から以下の式(2)を満足すればよい。
W/tan(θ/2)≦(D−H) …(2)
なお、殺菌ノズル23Aから噴霧された殺菌液Lが幅方向両側の内側面60aに当たり、且つ、殺菌液Lの噴霧領域45A同士が接するためには、幅方向両側の内側面60a間の距離は、4×Wであることが好ましい。
h=W/tan(θ/2) …(1)
そして、高さhが野菜Vの高さとして設定される所定高さH以上の位置となるためには、式(1)から以下の式(2)を満足すればよい。
W/tan(θ/2)≦(D−H) …(2)
なお、殺菌ノズル23Aから噴霧された殺菌液Lが幅方向両側の内側面60aに当たり、且つ、殺菌液Lの噴霧領域45A同士が接するためには、幅方向両側の内側面60a間の距離は、4×Wであることが好ましい。
殺菌ノズル23A、23Bから噴霧される殺菌液Lの噴霧圧力は、一例として、0.10MPa以上0.15MPa以下であることが好ましい。噴霧圧力が0.1MPa未満であると噴霧角度が小さくなり噴霧される殺菌液Lが野菜Vを濡らす範囲が狭くなるため、野菜Vの表面を液膜で十分に濡らすことができず、十分な殺菌効果と異物除去効果が得られなくなる。また、噴霧角度が小さくなることにより、野菜Vの表面を満遍なく濡らすためにはノズルの数を多く設けなければならずコスト増の一因になりかねない。一方、噴霧圧力が0.15MPaを超えると野菜Vの表面が水っぽくなり食感を損なってしまう。
噴霧される殺菌液Lの液滴径は直径100μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましい。前述の液滴径で噴霧された殺菌液Lは、野菜Vの表面を傷つけることなくその全面をまんべんなく濡らし、野菜V表面上に、殺菌したり異物を洗い流す流動液膜を形成することができる。ここで、殺菌液Lの液滴径が100μmより小さい場合、野菜V表面に適切な流動液膜が形成されず、殺菌効果と異物除去効果が著しく低下してしまう。また、殺菌液Lの液滴径が1000μmより大きい場合、野菜Vの表面に加わる殺菌液Lの流体エネルギーが大きくなり、野菜Vの表面が水っぽくなり、食感を損ねてしまう。噴霧される殺菌液Lの噴霧液量はノズル一つあたり5L/分以上20L/分以下が好ましい。この範囲で洗浄液Lを噴霧した場合、食感を損なうことなく十分な殺菌効果と異物除去効果を得ることができる。これら殺菌ノズル23A、23Bの噴霧特性は、後述する洗浄ノズル33A、33B、43A、43Bについても同様である。
対向管部22Bは、幅方向に延在しており、搬送方向に関して対向管部22Aと同一位置に複数列(図1および図6では4列)設けられている。各対向管部22Bの上面には、殺菌ノズル23Bが設けられている。殺菌ノズル23Bは、各対向管部22Bに複数(図7では三つ)設けられている。本実施形態における殺菌ノズル23Bは、コンベア11の幅方向中心位置と、この中心位置を挟んで幅方向の両側に対称配置されている。換言すると、殺菌ノズル23Aは、幅方向に関して、隣り合う殺菌ノズル23Bの間の位置に配置されている。
殺菌ノズル23Bは、下方から上方にコンベア11に向けて円錐状の噴霧領域45Bで殺菌液Lを霧状に噴霧する。殺菌ノズル23Bとコンベア11との距離は、殺菌ノズル23Aとコンベア11との距離よりも短い。殺菌ノズル23Bは、殺菌ノズル23Aと同様に、円錐内の全体に亘って霧状の殺菌液Lを噴霧する充円錐ノズルである。充円錐ノズルは、一例として、回転子もしくはスリットを用いてノズル内に形成した旋回液流を用いて円錐状に液滴を噴霧する。殺菌ノズル23Bから噴霧された殺菌液Lは、噴霧領域45Bがコンベア11上の洗浄処理面である上面11aにおいて円形の面形状でコンベア11の開口部を介して噴霧される。殺菌ノズル23Aの噴霧領域45Aは、殺菌部20における上面11aの全面を網羅するように配置されているとともに、噴霧角度が設定されている。
本実施形態における対向管部22A、22Bは、それぞれ外側管部21に着脱自在、且つ、殺菌ノズル23A、23Bがコンベア11と対向する第1位置と、各対向管部22A、22Bの軸周り方向で第1位置とは180°回転した第2位置とに選択的に切換可能に接続されている。なお、対向管部22A、22Bが外側管部21に接続される構造は同様であるため、以下では対向管部22Aについてのみ説明する。
図9は、外側管部21と対向管部22Aとの接続部の詳細を示す部分的な平面図である。図10(a)は、外側管部21における対向管部22Aとの接続部の詳細を示す正面図である。図10(b)は、図10(a)におけるA−A線視断面図である。図11(a)は、対向管部22Aにおける外側管部21との接続部の詳細を示す断面図である。図11(b)は、図11(a)における対向管部22Aの右側面図である。
図9に示すように、対向管部22Aは、一端がOリング25を介して外側管部21に接続され、他端がキャップ26を介して挟持部材24に接続されている。図10(a)に示すように、外側管部21には、管壁を貫通する孔部21aと、孔部21aの周囲に形成されOリング25が挿入されて水密に嵌合する正面視円形の凹部21bと、孔部21aの中心から上方および下方にそれぞれ延びる嵌合溝21cとが形成されている。二つの嵌合溝21cは、同一形状、同一幅、同一深さで形成されている。
図11(a)に示すように、対向管部22Aの一端側には、外周面においてOリング25と嵌合する円筒状の突出部22Aaが設けられている。突出部22Aaにおける周方向の上側および下側には、外側管部21の嵌合溝21cと嵌合する嵌合突部22Abがそれぞれ設けられている。二つの嵌合突部22Abは、同一形状、同一幅、同一高さに形成され二つの嵌合溝21cのいずれにも嵌合可能である。
対向管部22Aの他端側は、内周面にキャップ26が嵌合することにより水密に封止される。本実施形態では、二つのキャップ26が二本の対向管部22Aの配置ピッチに応じた距離で挟持部材24に設けられている。本実施形態における4本の対向管部22Aは、二つの挟持部材24によって外側管部21に締結固定されている。外側管部21における二本の対向管部22Aの間には、対向管部22Aと平行に軸状の雄ネジ部材27が延出している。雄ネジ部材27は、キャップ26が嵌合した状態の挟持部材24を貫通する長さを有している。挟持部材24を貫通した雄ネジ部材27には、蝶ナット部材28が螺着している。
対向管部22Aは、一端側において、嵌合突部22Abを外側管部21の嵌合溝21cに嵌合させつつ、外周面にOリング25が嵌合した突出部22Aaを外側管部21の凹部21bに挿入することにより、外側管部21に接続される。このとき、対向管部22Aの周方向の位置は、殺菌ノズル23Aが下方を向く位置(第1位置)に位置決めされる。対向管部22Aは、他端側においてキャップ26が内周面に嵌合した状態で、挟持部材24を貫通した雄ネジ部27に螺着する蝶ナット部材28が螺入することにより、外側管部21と挟持部材24との間で挟持されて締結固定される。
逆に、蝶ナット部材28を螺入側とは逆方向に回転させ、外側管部21と挟持部材24との間での対向管部22Aの締結固定を解除することにより、対向管部22Aを外側管部21から引き抜いて離脱させることができる。すなわち、蝶ナット部材28の操作により、工具を用いることなく、対向管部22Aを外側管部21に対して着脱することができる。また、周方向の向きについても、二つの嵌合突部22Abと二つの嵌合溝21cとが嵌合する組み合わせを選択的に切り換えることにより、殺菌ノズル23Aが下方を向く位置と、上方を向く位置(第2位置)とを選択的に切り換えることが可能である。
殺菌ノズル23A、23Bから噴霧された殺菌液Lは、殺菌液貯溜部100の上部開口の上方に設けられた殺菌液回収部102を介して殺菌液貯溜部100に回収される。殺菌液回収部102は、例えば、複数の開口部が形成されたパンチングメタル等によって形成されている。また、殺菌液回収部102の搬送方向の両側には、殺菌液回収部102に向かうに従って下方に向かう傾斜を有する傾斜部103がそれぞれ設けられている。殺菌ノズル23A、23Bから噴霧され殺菌液回収部102の搬送方向の外側に降下した殺菌液Lは、傾斜部103に沿って流動して殺菌液回収部102に導かれ、殺菌液貯溜部100に回収される。
洗浄部35は、殺菌部20で殺菌液Lを噴霧された野菜Vに対して第1洗浄液L1を噴霧して洗浄する第1洗浄部30と、第1洗浄部30で第1洗浄液L1を噴霧された野菜Vに対して第2洗浄液を噴霧して洗浄する第2洗浄部40とを備える。なお、本実施形態では、洗浄部35が第1洗浄部30と第2洗浄部40とを有する構成を例示するが、いずれか一つの洗浄部のみを有する構成であってもよい。
洗浄液貯溜部110は、第1洗浄部30から噴霧された第1洗浄液L1、および第2洗浄部40から噴霧された第2洗浄液L2を洗浄液として貯留する。洗浄液貯溜部110には上水供給部67が接続され、上水供給部67を介して上水(浄水)が供給される。洗浄液貯溜部110は、オーバーフローした洗浄液を排液するためのオーバーフロー管111を有している。第2送液部80は、送液ポンプ81を有している。第2送液部80は、洗浄液貯溜部110に貯留された洗浄液を送液ポンプ81の駆動により第1洗浄部30に第1洗浄液L1として送液する。
図1に戻り、第1洗浄部30は、殺菌部20の下流側に配置されている。第1洗浄部30は、第2送液部80によって送液された洗浄液を第1洗浄液L1として、コンベア11で搬送されている野菜Vに噴霧する。第1洗浄部30は、外側管部31と、一端が外側管部31に接続された幅方向に延びる対向管部32A、32B(図2参照)と、対向管部32Aに設けられた洗浄ノズル33Aと、対向管部32Bに設けられた洗浄ノズル33Bと、外側管部31に接続された上水供給部66とを有している。外側管部31および対向管部32A、32Bにより第2配管系の一部が構成される。第2送液部80によって送液された第1洗浄液L1は、外側管部31から対向管部32A、32Bに供給される。対向管部32Aに供給された第1洗浄液L1は、洗浄ノズル33Aに供給される。対向管部32Bに供給された第1洗浄液L1は、洗浄ノズル33Bに供給される。また、上水供給部66を介して供給された上水は、外側管部31から対向管部32A、32Bに供給可能である。
外側管部31は、コンベア11の幅方向に関して外側管部21と同じ側に配置されている。対向管部32Aは、幅方向に延在しており、対向管部22Aと同じ高さに配置されている。対向管部32Bは、幅方向に延在しており、対向管部22Bと同じ高さに配置されている。対向管部22Aの下面には、洗浄ノズル33Aが設けられている。対対向管部32Bの上面には、洗浄ノズル33Bが設けられている。
洗浄ノズル33Aは、対向管部32Aに複数(図6では三つ)設けられている。本実施形態における洗浄ノズル33Aは、コンベア11の幅方向に関して殺菌ノズル23Bと同一位置に配置されている。洗浄ノズル33Aは、上方からコンベア11(上面11a)に向けて円錐状の噴霧領域46Aで第1洗浄液L1を霧状に噴霧する。洗浄ノズル33Aは、殺菌ノズル23A、23Bと同様に、円錐内の全体に亘って霧状の第1洗浄液L1を噴霧する充円錐ノズルである。洗浄ノズル33Aから噴霧された第1洗浄液L1は、噴霧領域46Aがコンベア11上の洗浄処理面である上面11aにおいて円形の面形状で噴霧される。洗浄ノズル33Aの噴霧領域46Aは、洗浄部30における上面11aの全面を網羅するように配置されているとともに、噴霧角度が設定されている。洗浄ノズル33Aの噴霧角度θは、殺菌ノズル23Aと同様に、噴霧された洗浄液L1がカバー部材60の内側面60aに当たる最も高い位置が、野菜Vの高さとして設定される所定高さH以上の位置となる角度である。この角度で噴霧された洗浄液L1は、内側面60aに当たって跳ね返り、第1洗浄液L1を無駄にすることなく野菜Vを効率よく殺菌・洗浄することが可能になる。
洗浄ノズル33Bは、対向管部32Bに複数(図6では三つ)設けられている。本実施形態における洗浄ノズル33Bは、コンベア11の幅方向に関して洗浄ノズル33Aと同一位置に配置されている。洗浄ノズル33Bは、下方から上方にコンベア11に向けて円錐状の噴霧領域46Bで第1洗浄液L1を霧状に噴霧する。洗浄ノズル33Bは、洗浄ノズル33Aと同様に、円錐内の全体に亘って霧状の第1洗浄液L1を噴霧する充円錐ノズルである。洗浄ノズル33Bから噴霧された第1洗浄液L1は、噴霧領域46Bがコンベア11上の洗浄処理面である上面11aにおいて円形の面形状でコンベア11の開口部を介して噴霧される。洗浄ノズル33Bの噴霧領域46Bは、第1洗浄部30における上面11aの全面を網羅するように配置されているとともに、噴霧角度が設定されている。
殺菌部20と第1洗浄部30との間には、野菜Vの搬送経路における最も下流側に配置された殺菌ノズル23Aの噴霧領域45Aと、洗浄ノズル32Aの噴霧領域46Aとの間の空間を遮蔽する遮蔽部61が設けられている。遮蔽部61は、可撓性および撥水性を有する樹脂材で形成されている。遮蔽部61は、例えば、幅方向に複数の前記樹脂材が互いに一部が重ね合わされた状態で、殺菌部20、第1洗浄部30および第2洗浄部40の周囲を覆うカバー部材60の天井部から暖簾状に垂下されている。
第2洗浄部40は、第1洗浄部30の下流側に配置されている。第2洗浄部40は、上水供給部(浄水供給管)65によって送液された上水(浄水)を第2洗浄液L2として、コンベア11で搬送されている野菜Vに噴霧する。第2洗浄部40は、外側管部41と、一端が外側管部41に接続された幅方向に延びる対向管部42A、42B(図3参照)と、対向管部42Aに設けられた洗浄ノズル43Aと、対向管部42Bに設けられた洗浄ノズル43Bとを有している。外側管部41および対向管部42A、42Bにより第2配管系の一部が構成される。上水供給部65によって送液された第2洗浄液L2は、外側管部41から対向管部42A、42Bに供給される。対向管部42Aに供給された第2洗浄液L2は、洗浄ノズル43Aに供給される。対向管部42Bに供給された第2洗浄液L2は、洗浄ノズル43Bに供給される。
外側管部41は、コンベア11の幅方向に関して外側管部31と同じ側に配置されている。対向管部42Aは、幅方向に延在しており、対向管部32Aと同じ高さに配置されている。対向管部42Bは、幅方向に延在しており、対向管部32Bと同じ高さに配置されている。対向管部42Aの下面には、洗浄ノズル43Aが設けられている。対向管部42Bの上面には、洗浄ノズル43Bが設けられている。
洗浄ノズル43Aは、対向管部42Aに複数(図6では三つ)設けられている。本実施形態における洗浄ノズル43Aは、コンベア11の幅方向に関して洗浄ノズル33Aと同一位置に配置されている。洗浄ノズル43Aは、上方からコンベア11(上面11a)に向けて円錐状の噴霧領域47Aで第2洗浄液L2を霧状に噴霧する。洗浄ノズル43Aは、洗浄ノズル33Aと同様に、円錐内の全体に亘って霧状の第2洗浄液L2を噴霧する充円錐ノズルである。洗浄ノズル43Aから噴霧された第2洗浄液L2は、噴霧領域47Aがコンベア11上の洗浄処理面である上面11aにおいて円形の面形状で噴霧される。洗浄ノズル43Aの噴霧領域47Aは、洗浄部40における上面11aの全面を網羅するように配置されているとともに、噴霧角度が設定されている。洗浄ノズル43Aの噴霧角度θは、洗浄ノズル33Aと同様に、噴霧された洗浄液L2がカバー部材60の内側面60aに当たる最も高い位置が、野菜Vの高さとして設定される所定高さH以上の位置となる角度である。この角度で噴霧された洗浄液L2は、内側面60aに当たって跳ね返り、洗浄液L2を無駄にすることなく野菜Vを効率よく野菜Vを殺菌・洗浄することが可能になる。
洗浄ノズル43Bは、対向管部42Bに複数(図6では三つ)設けられている。本実施形態における洗浄ノズル43Bは、コンベア11の幅方向に関して洗浄ノズル43Aと同一位置に配置されている。洗浄ノズル43Bは、下方から上方にコンベア11に向けて円錐状の噴霧領域47Bで第2洗浄液L2を霧状に噴霧する。洗浄ノズル43Bは、洗浄ノズル43Aと同様に、円錐内の全体に亘って霧状の第2洗浄液L2を噴霧する充円錐ノズルである。洗浄ノズル43Bから噴霧された第2洗浄液L2は、噴霧領域47Bがコンベア11上の洗浄処理面である上面11aにおいて円形の面形状でコンベア11の開口部を介して噴霧される。洗浄ノズル43Bの噴霧領域47Bは、第2洗浄部40における上面11aの全面を網羅するように配置されているとともに、噴霧角度が設定されている。
洗浄ノズル33A、33Bから噴霧された第1洗浄液L1および洗浄ノズル43A、43Bから噴霧された第2洗浄液L2は、洗浄液貯溜部110の上部開口の上方に設けられた洗浄液回収部112を介して洗浄液貯溜部110に回収される。洗浄液回収部112は、例えば、複数の開口部が形成されたパンチングメタル等によって形成されている。また、洗浄液回収部112の搬送方向の両側には、洗浄液回収部112に向かうに従って下方に向かう傾斜を有する傾斜部113がそれぞれ設けられている。洗浄ノズル33A、33Bから噴霧され洗浄液回収部112の搬送方向の外側に降下した第1洗浄液L1および洗浄ノズル43A、43Bから噴霧され洗浄液回収部112の搬送方向の外側に降下した第2洗浄液L2は、傾斜部113に沿って流動して洗浄液回収部112に導かれ、洗浄液貯溜部110に回収される。
なお、野菜洗浄処理の初動時等において、第1洗浄液L1として第1洗浄部30に送液する洗浄液が洗浄液貯溜部110に十分に貯溜されていない場合には、予め上水供給部67から洗浄液貯溜部110に上水を供給するか、あるいは、上水供給部66から外側管部31に上水を供給すればよい。
なお、対向管部32A、32Bは、対向管部22A、22Bと同様の構成で一端側において外側管部31に着脱自在に接続される。また、対向管部42A、42Bは、対向管部22A、22Bと同様の構成で一端側において外側管部41に着脱自在に接続される。対向管部32A、32Bおよび対向管部42A、42Bの他端側の固定については、例えば、外側管部31と外側管部41とを対向管部32A、42Aと同一の高さで接続する梁部材を設け、当該梁部材から上記の雄ネジ部材27を延出して設け、さらに、対向管部32Aと対向管部42Aの他端側の内周面にキャップ26が嵌合し、雄ネジ部材27が貫通する挟持部材24を設け、雄ネジ部材27に螺着する蝶ナット部材28を操作することにより、対向管部32Aおよび対向管部42Aを、梁部材を介して外側管部31および外側管部41に締結固定すればよい。なお、対向管部32Bおよび対向管部42Bについても、対向管部32Aおよび対向管部42Aについてと同様の構成で外側管部31および外側管部41に締結固定すればよい。
第3送液部90は、洗浄液貯溜部110に貯留された第1洗浄液L1および第2洗浄液L2を含む洗浄液の一部を殺菌液貯溜部100に送液する。本実施形態における第3送液部90は、送液管91と、送液管91の中途に設けられた流量計(計量部)93とを含む。送液管91は、第1洗浄部30の外側管部31から分岐して配管されている。流量計93は、送液管91によって殺菌液貯溜部100に送液される洗浄液の流量を測定する。流量計93が測定した洗浄液の流量は制御部CONTに出力される。
薬剤貯溜部120は、殺菌液Lに含まれる薬剤を貯溜している。薬剤としては、例えば、オゾンや次亜塩素酸塩が挙げられる。薬剤貯溜部120に貯溜されている薬剤は、薬剤供給部130の駆動により殺菌液貯溜部100に供給される。薬剤供給部130の駆動は、制御部CONTにより制御される。制御部CONTは、流量計93が計測した洗浄液の流量、すなわち、第3送液部90によって殺菌液貯溜部100に送液される洗浄液の量に応じて薬剤供給部130の駆動を制御する。
カバー部材60は、基台50に設置され、上記コンベア11、殺菌部20、および洗浄部35の周囲の空間を覆う。図12は、基台50およびカバー部材60の概略構成を示す外観斜視図である。図13は、同概略構成を示す正面図である。カバー部材60は、基台50の長さ方向に沿って複数(図12では3つ)設けられている。図13に示すように、各カバー部材60は、天板62、側板63、底板64を有する正面視矩形の枠状に形成されている。側板63は、天板62の幅方向両端から下側に延出している。底板64は、側板63の下端から幅方向の内側に向けて水平に延出している。各底板64は、内側の端部から下側に屈曲した係合部66を有している。
基台50は、カバー部材60の底板64とそれぞれ対向し搬送方向に延びる一対のレール部51を有している。レール部51の内側の面には、カバー部材60の係合部66が係合する。従って、係合部66がレール部51に係合することにより、カバー部材60は、幅方向の移動が拘束される。各カバー部材60は、底板64においてレール部51に沿って搬送方向にそれぞれが独立してスライド可能である。レール部51における底板64との接触部には、摺動抵抗を緩和する樹脂材(フッ素樹脂やアセタール樹脂)で形成された抵抗緩和部52が設けられている。
続いて、上記構成の野菜洗浄装置1を用いて野菜Vを洗浄する動作について説明する。
まず、野菜Vは、コンベア11の上面11aにおける搬入側(図1中、右側)に、連続的または間欠的あるいは断続的に載置される。コンベア11における樹脂フレーム16は、開口部16aの大きさおよび二つの樹脂フレーム16同士の隙間によって形成される開口部16hの大きさは、載置される野菜Vの大きさに応じて、例えば、野菜Vが開口部16aおよび開口部16hから落下しないものが選択されて予めシャフト15(コンベア本体13)に装着されている。スプロケット12の回転によるコンベア11の移動に伴い、野菜Vは、殺菌部20における噴霧領域45A、45Bを通過する。コンベア11で搬送される野菜Vは、樹脂フレーム16における支持面16gに当接して後方から支持されるため、キャベツやレタス等の球状の野菜Vであっても、搬送時の振動等によって転がる等の不具合が生じることなく円滑に搬送される。
まず、野菜Vは、コンベア11の上面11aにおける搬入側(図1中、右側)に、連続的または間欠的あるいは断続的に載置される。コンベア11における樹脂フレーム16は、開口部16aの大きさおよび二つの樹脂フレーム16同士の隙間によって形成される開口部16hの大きさは、載置される野菜Vの大きさに応じて、例えば、野菜Vが開口部16aおよび開口部16hから落下しないものが選択されて予めシャフト15(コンベア本体13)に装着されている。スプロケット12の回転によるコンベア11の移動に伴い、野菜Vは、殺菌部20における噴霧領域45A、45Bを通過する。コンベア11で搬送される野菜Vは、樹脂フレーム16における支持面16gに当接して後方から支持されるため、キャベツやレタス等の球状の野菜Vであっても、搬送時の振動等によって転がる等の不具合が生じることなく円滑に搬送される。
噴霧領域45A、45Bにおいては、第1送液部70によって殺菌液貯溜部100から送液された所定濃度に管理された薬剤を含む殺菌液Lが殺菌ノズル23A、23Bからそれぞれ霧状に噴霧される。野菜Vへの殺菌液Lの噴霧は面形状に行われるため、殺菌液Lの液滴は野菜Vの表面に全面的に付着する。また、殺菌液Lがカバー部材60の内側面60aに当たる最も高い位置が、野菜Vの高さとして設定される所定高さH以上の位置であるため、側板63の内側面60aに当たった殺菌液Lは、内側面60aで跳ね返って側方から野菜Vに噴霧される。そのため、殺菌液Lを無駄にすることなく野菜Vを効率的に殺菌・洗浄することができる。
なお、内側面60aと野菜Vの幅方向の距離が大きい場合には、内側面60aで跳ね返った殺菌液Lが野菜Vに到達しない可能性がある。例えば、殺菌液Lが内側面60aに当たる角度と跳ね返る角度が同一とすると、内側面60aで跳ね返った噴霧液がコンベア11上における野菜Vの端部まで距離x進んだときに、野菜の中心高さ(H/2)の位置に達するためには、以下の式(3)を満足すればよい。
x:(D−h−(H/2))=W:h …(3)
式(2)および式(3)から、以下の式(4)を満足することにより、内側面60aで跳ね返った噴霧液が野菜の中心高さ(H/2)の位置に達することになる。
tan(θ/2)=(x+W)/(D−(H/2)) …(4)
x:(D−h−(H/2))=W:h …(3)
式(2)および式(3)から、以下の式(4)を満足することにより、内側面60aで跳ね返った噴霧液が野菜の中心高さ(H/2)の位置に達することになる。
tan(θ/2)=(x+W)/(D−(H/2)) …(4)
上記の距離xは、内側面60aからコンベア11における幅方向で最も外側の樹脂フレーム16までの距離に相当すると考えられるため、内側面60aから樹脂フレーム16までの距離および野菜Vの高さHに応じて、噴霧角度θを設定すればよい。
そして、コンベア11による搬送時に野菜Vには、連続的に殺菌液Lの液滴が付着することから、付着した液滴が野菜Vの表面を流動液膜を形成しながら流れることになり、野菜Vの表面に付着した菌を効率的に殺菌したり、付着した異物を効率的に除去することが可能である。また、野菜Vに対しては、殺菌ノズル23Aおよび殺菌ノズル23Bにより上方および下方の両方から殺菌液Lが噴霧されるため、野菜Vの露出する表面が殺菌される。
野菜V(コンベア11)に向けて噴霧された殺菌液Lは、殺菌液回収部102に降下して殺菌液貯溜部100に回収される、或いは、傾斜部103に降下した後に、傾斜部103に沿って流動して殺菌液回収部102に導かれ、殺菌液貯溜部100に回収される。また、殺菌部20と第1洗浄部30との間に、野菜Vの搬送経路の空間を遮蔽する遮蔽部61が設けられているため、噴霧された殺菌液Lのうち、第1洗浄部30に向かう殺菌液Lは、遮蔽部61によって第1洗浄部30側への移動を阻止され、傾斜部103に垂れ落ちた後に殺菌液回収部102に導かれ、殺菌液貯溜部100に回収される。
野菜Vから除去された異物は、殺菌液Lとともに殺菌液貯溜部100に回収される。殺菌液貯溜部100において、殺菌液Lの液面または液面近傍に浮遊する異物は、オーバーフローした殺菌液Lとともに、オーバーフロー管101を介して排出される。
殺菌部20において殺菌液Lの噴霧が行われた野菜Vは、コンベア11の移動に伴い、遮蔽部61を撓ませながら第1洗浄部30に移動し、噴霧領域46A、46Bを通過する。第1洗浄部30の噴霧領域46A、46Bにおいて野菜Vは、第2送液部80によって洗浄液貯溜部110から送液された第1洗浄液L1が洗浄ノズル33A、33Bからそれぞれ霧状に噴霧される。
野菜Vへの第1洗浄液L1の噴霧は面形状に行われ、第1洗浄液L1の液滴は野菜Vの表面に全面的に付着する。第1洗浄液L1の噴霧についても、上述した殺菌液Lと同様に、側板63の内側面60aに当たった洗浄液L1は、内側面60aで跳ね返って側方から野菜Vに噴霧されるため、洗浄液L1を無駄にすることなく野菜Vを効率的に洗浄することができる。また、内側面60aで跳ね返った噴霧液が野菜の中心高さ(H/2)の位置に達するためには、上記式(4)を満足するように、洗浄ノズル33Aの噴霧角度を設定すればよい。
そして、コンベア11による搬送時に野菜Vには、連続的に第1洗浄液L1の液滴が付着することから、付着した液滴が野菜Vの表面を流動液膜を形成しながら流れることになり、野菜Vの表面に付着した殺菌液Lを効率的に除去可能である。また、野菜Vに対しては、洗浄ノズル33A、33Bにより上方および下方の両方から第1洗浄液L1が噴霧されるため、野菜Vの露出する表面が洗浄される。これにより、野菜Vに残留していた殺菌液Lが洗浄されて除去される。
第1洗浄部30において第1洗浄液L1の噴霧が行われた野菜Vは、コンベア11の移動に伴い、第2洗浄部40における噴霧領域47A、47Bを通過する。噴霧領域47A、47Bにおいては、上水供給部65によって送液された上水が第2洗浄液L2として、洗浄ノズル43A、43Bからそれぞれ霧状に噴霧される。
野菜Vへの第2洗浄液L2の噴霧は面形状に行われ、第2洗浄液L2の液滴は野菜Vの表面に全面的に付着する。第2洗浄液L2の噴霧についても、上述した洗浄液L1と同様に、側板63の内側面60aに当たった洗浄液L2は、内側面60aで跳ね返って側方から野菜Vに噴霧されるため、洗浄液L2を無駄にすることなく野菜Vを効率的に洗浄することができる。また、内側面60aで跳ね返った噴霧液が野菜の中心高さ(H/2)の位置に達するためには、上記式(4)を満足するように、洗浄ノズル43Aの噴霧角度を設定すればよい。
そして、コンベア11による搬送時に野菜Vには、連続的に第2洗浄液L2の液滴が付着することから、付着した液滴が野菜Vの表面を流動液膜を形成しながら流れることになり、野菜Vの表面に付着した第1洗浄液L1および、第1洗浄液L1の噴霧で除去しきれなかった殺菌液Lを効率的に除去可能である。また、野菜Vに対しては、殺菌ノズル33Aおよび殺菌ノズル33Bにより上方および下方の両方から第2洗浄液L2が噴霧されるため、野菜Vの露出する表面が洗浄される。
野菜V(コンベア11)に向けて噴霧された第1洗浄液L1および第2洗浄液L2は、洗S浄液回収部112に降下して洗浄液貯溜部110に回収される、或いは、傾斜部113に降下した後に、傾斜部113に沿って流動して洗浄液回収部112に導かれ、洗浄液貯溜部110に回収される。
野菜Vから除去された殺菌液Lおよび殺菌部20における殺菌液Lの噴霧で除去しきれなかった異物は、第1洗浄液L1および第2洗浄液L2とともに洗浄液貯溜部110に回収される。回収された殺菌液Lおよび異物は、オーバーフローした洗浄液とともに、オーバーフロー管111を介して排出される。
洗浄液貯溜部110に貯溜された洗浄液においては、第1洗浄液L1の噴霧で野菜Vから除去された殺菌液Lが含まれるため、第2送液部80によって送液されて循環する第1洗浄液L1には僅かながら殺菌液Lが含まれているが、洗浄液貯溜部110には、上水である第2洗浄液L2も回収されているため、洗浄液貯溜部110に回収された洗浄液に含まれる殺菌液Lの量、すなわち薬剤濃度は大幅に低下した状態になる。そして、洗浄ノズル43A、43Bから噴霧された第2洗浄液L2は上水であるため、野菜Vに噴霧されて残留する僅かな殺菌液Lを含む第1洗浄液L1は、上水で洗浄されることにより、野菜Vから効率的に除去可能である。
洗浄液貯溜部110に貯溜された洗浄液の一部は、第3送液部90によって送液管91を介して殺菌液貯溜部100に送液される。殺菌液貯溜部100に送液される洗浄液の流量は、流量計93によって測定され制御部CONTに出力される。
殺菌部20において野菜Vに噴霧される殺菌液Lの薬剤濃度、第1洗浄部30において野菜Vに噴霧される第1洗浄液L1の噴霧量、第2洗浄部40において野菜Vに噴霧される第2洗浄液L2の噴霧量は管理されているため、洗浄液貯溜部110に貯溜された洗浄液における薬剤濃度は、シミュレーションや実験等により把握可能である。
そのため、制御部CONTは、殺菌液貯溜部100の容量、第3送液部90によって洗浄液貯溜部110から殺菌液貯溜部100に送液される洗浄液の量および薬剤濃度に基づいて薬剤供給部130を制御し、薬剤貯溜部120から殺菌液貯溜部100に供給される薬剤の量を調整する。具体的には、薬剤濃度が低い洗浄液が供給された殺菌液貯溜部100における殺菌液Lの薬剤濃度が所定濃度となる量の薬剤を供給させる。これにより、殺菌液貯溜部100に貯留された殺菌液Lは、所定の薬剤濃度に維持される。そのため、殺菌部20においては、薬剤濃度が管理された殺菌液Lが野菜Vに噴霧されることになる。
野菜Vの洗浄が完了して、コンベア11、殺菌部20、洗浄部35の清掃等のメンテナンス作業を実施する際には、まずカバー部材60を基台50から取り外して、コンベア11、殺菌部20、洗浄部35の周囲の空間を開放する。具体的には、カバー部材60を基台50のレール部51に沿って基台50の端部までスライドさせた後に、当該カバー部材60を取り外す。そして、他のカバー部材60についても、基台50の端部までのスライド移動と、基台50からの取り外しを順次行う。カバー部材60のスライド移動時には、レール部51に抵抗緩和部52が設けられているため、摺動抵抗が小さい状態でカバー部材60をスライドさせることができ作業性が向上する。
コンベア11に対する清掃は、樹脂フレーム16をシャフト15(コンベア本体13)から離脱させることにより、樹脂フレーム16およびシャフト15を容易に洗浄することが可能になる。また、次の野菜洗浄において、大きさの異なる野菜Vを洗浄する場合には、野菜Vに応じた大きさの開口部16aに交換してもよい。例えば、野菜Vがニンジンやトマト等の比較的小さな野菜であれば、開口部16aが小さな樹脂フレーム16をシャフト15(コンベア本体13)に装着すればよい。
また、殺菌部20に対する清掃、例えば、対向管部22A、22Bの清掃は、蝶ナット部材28を回転させ雄ネジ部材27から取り外し、外側管部21と挟持部材24との間での対向管部22A、22Bの締結固定を解除することにより、対向管部22A、22Bを外側管部21から引き抜いて容易に洗浄することができる。また、殺菌ノズル23A、23Bの交換や洗浄等も容易に実施することが可能になる。これは、洗浄部35における対向管部32A、32B、42A、42Bの清掃時も同様である。また、例えば、殺菌ノズル23Aが上方を向く位置で対向管部22Aを外側管部21に位置決めし、殺菌ノズル23Bが下方に向く位置で対向管部22Aを外側管部21に位置決めして固定するとともに、カバー部材60を基台50上に取り付けた後に殺菌液Lを噴霧することにより、カバー部材60の天板62における下面、および基台50の下部を洗浄することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の野菜洗浄装置1では、野菜Vに対して殺菌液および洗浄液を霧状に噴霧するため、シャワー洗浄を行った場合のように液滴が野菜Vの表面に集中せず、液膜を形成して表面を流れるように洗浄するため、野菜Vが水っぽくなって食感を損なうことを防止できるとともに、野菜Vを浸漬して洗浄する場合のように大量の殺菌液および洗浄液を使用する必要がなくなり、コスト増加を抑えることができる。
また、本実施形態の野菜洗浄装置1では、カバー部材60がコンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を覆っているため、噴霧された殺菌液Lおよび洗浄液L1、L2がカバー部材60に当たって跳ね返ることにより、薬剤や洗浄液を無駄にすることなく効率的に野菜Vを殺菌・洗浄することができる。さらに、本実施形態の野菜洗浄装置1では、コンベア本体13に着脱自在に設けられた樹脂フレーム16により野菜Vを支持するため、種々の幅・長さを有する野菜Vに対応した最適な大きさの開口部16を有する樹脂フレーム16を選択することができ、野菜Vに損傷を与えることなく安定的に搬送して殺菌・洗浄することが可能になる。
また、本実施形態の野菜洗浄装置1では、一例として、対向管部22A、22Bが外側管部21に対して着脱自在に接続されているため、配管に対するメンテナンスを容易に実施することが可能である。また、本実施形態の野菜洗浄装置1では、対向管部22A、22Bの外側管部21に対する着脱を蝶ナット部材28の操作により実施可能としているため、工具を用いることなく短時間で容易に作業を行うことができる。さらに、本実施形態では、一例として、対向管部22A、22Bが外側管部21に対して周方向の複数の位置に選択的に切替可能に接続されているため、例えば、殺菌ノズル23A、23Bを野菜Vを洗浄する位置と、カバー部材60を洗浄する位置とに切り換えることができる。そのため、本実施形態の野菜洗浄装置1では、カバー部材60を洗浄するための機器を別途設置する必要がなくなり、装置の小型化・低価格化に寄与できる。
また、本実施形態の野菜洗浄装置1では、カバー部材51をレール部51に沿ってスライドさせるという簡単な作業により、コンベア11、殺菌部20、洗浄部35の周囲の空間を容易に開放することが可能であり、メンテナンス性およびサニタリー性に優れた装置を提供することができる。加えて、本実施形態の野菜洗浄装置1では、レール部51に抵抗緩和部52が設けられているため、摺動抵抗が小さい状態でカバー部材60をスライドさせることができ作業性が向上する。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、基台50に対してカバー部材60をスライドさせることにより、コンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を開放する構成を例示したが、この構成に限定されるものではない。図14は、変形例のカバー部材Aを示す外観斜視図であり、図15は、カバー部材60Aの変形例を示す正面図である。図14および図15に示すように、カバー部材60Aは、一方の側板(図15では右側)63と底板64との交差部に設けられたヒンジ67によって基台50に連結されている。ヒンジ67は、搬送方向に延びる回転中心部68を有している。カバー部材60Aは、ヒンジ67によって搬送方向の移動が拘束された状態で回転中心部68を中心として回転可能である。
上記構成のカバー部材60Aは、図15中、左側に位置する底板64がレール部51に支持されることにより、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を覆う。一方、回転中心部68を中心としてカバー部材60Aを図15中、時計回り方向に回転させることにより、図16に示すように、側板63が基台50のレール部51に係止した状態でコンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を開放することができる。本変形例のカバー部材60Aでは、上記実施形態で示したカバー部材60と同様の作用・効果が得られることに加えて、3つのカバー部材60Aが配列される搬送方向と交差する方向に回転移動可能であるため、カバー部材60Aのそれぞれが独立して移動可能であり、メンテナンス作業を実施したい箇所のカバー部材60Aのみを移動させて、コンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を開放することが可能である。
また、図17は、他の変形例のカバー部材60Bの正面図である。図17に示すように、カバー部材60Bは、幅方向に二分割された形状の分割カバー部72A、72Bを有している。分割カバー部72Aは、天板62A、側板63A、底板64Aを有している。分割カバー部72Aは、側板63Aと底板64Aとの交差部において、回転中心部68Aを有するヒンジ67Aで基台50のレール部51と連結されている。分割カバー部72Bは、天板62B、側板63B、底板64Bを有している。分割カバー部72Bは、側板63Bと底板64Bとの交差部において、回転中心部68Bを有するヒンジ67Bで基台50のレール部51と連結されている。天板62Aと天板62Bとは、幅方向の中央部で互いに係合する。天板62Aの天板62Bと対向する側の端部には、下方に屈曲して、天板62Bに下側から当接する当接部69Aが設けられている。
上記構成のカバー部材60Bは、分割カバー部72A、72Bがそれぞれ底板64A、64Bにおいて基台50のレール部51に支持され、天板62A、62Bが互いに係合しつつ、当接部69Aが天板62を下方から当接することにより、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を覆う。一方、分割カバー部72Aは、回転中心部68Aを中心として、図17中、時計回り方向に回転することにより、側板63Aが基台50のレール部51に係止した状態でコンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間の一部を開放することができる。また、分割カバー部72Bは、回転中心部68Bを中心として、図17中、反時計回り方向に回転することにより、側板63Bが基台50のレール部51に係止した状態でコンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間の一部を開放することができる。本変形例のカバー部材60Bでは、上記の変形例で示したカバー部材60Aと同様の作用・効果が得られることに加えて、分割カバー部72A、72Bを開いたときに必要なスペースを小さくすることができるとともに、メンテナンス作業を実施したい箇所の分割カバー部72A、72Bのみを移動させて、コンベア11、殺菌部20および洗浄部35の周囲の空間を開放することが可能である。
また、上記実施形態では、対向管部22A、22Bを外側管部21に対して、Oリング25を介して水密に、且つ、着脱自在に接続する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、図18に示すように、対向管部22Aに装着されたプラグ部141と、外側管部21に装着されたソケット部142とを有するカプラー構造の継手140を用いてもよい。継手140においては、ソケット部142のスリーブ143をソケット部142側に移動させると、ボール144が径方向外側に移動可能となり、プラグ部141とソケット部142とを、図18(a)に示す分離状態にできる。また、図18(b)に示すように、プラグ部141をソケット部142内に挿入することにより、ボール144をプラグ部141の嵌合凹部145に嵌合させ、スリーブ143がスプリング146の力で元の位置に移動することでボール144の位置がロックされてプラグ部141とソケット部142とを連結状態にできる。このように、継手140を用いることにより、工具を用いることなく、対向管部22A、22Bを外側管部21に容易に着脱可能となる。
また、対向管部22A、22Bを外側管部21に対して着脱自在に接続する構成としては、図19に示すように、ユニオン継手150を用いることも可能である。ユニオン継手150は、例えば、対向管部22A、22Bと外側管部21の一方に連結されたネジスリーブ151、対向管部22A、22Bと外側管部21の他方に連結されたネジライナ152、ネジライナ152に対して後方側から回転自在に係合するユニオンナット153、ネジスリーブ151とネジライナ152との間に介装されるガスケット154を備える。ユニオンナット153を回転させ、ネジスリーブ151の雄ネジ151aにユニオンナット153の雌ねじ153aを螺入することにより、ネジスリーブ151およびネジライナ152を回転させることなく、ネジスリーブ151とネジライナ152(対向管部22A、22Bと外側管部21)を着脱自在に接続することができる。
また、対向管部22A、22Bを外側管部21に対して着脱自在に接続する構成としては、図20(a)、(b)に示すように、例えば、対向管部22A、22Bと外側管部21の一方に連結されたフェルール161、対向管部22A、22Bと外側管部21の他方に連結されたフェルール162、フェルール161とフェルール162との間に介装されるパッキン163およびクランプバンド160を用いることも可能である。クランプバンド160は、一端同士が連結された略半円形のバンド片160aと、回動によりバンド片160aの他端同士を離間または接近させる操作部160bとを有している。バンド片160aの内周部には、フェルール161、162の外周にそれぞれ形成されたテーパ面161a、162aに外周側から嵌合する嵌合溝160bが形成されている。
上記構成では、クランプバンド160を回動してバンド片160aの他端同士を接近させることにより、バンド片160aの嵌合溝160b同士が接近しクサビ効果により、フェルール161とフェルール162とがパッキン163を介して接近して連結状態となる。一方、クランプバンド160を逆方向に回動してバンド片160aの他端同士を離間させることにより、バンド片160aの嵌合溝160b同士が離間してクサビ効果が解消される。そして、バンド片160a同士により形成される開口径がフェルール161、162の外径よりも大きくなると、フェルール161、162を分離することができる。このように、ェルール161、162およびクランプバンド160を用いることにより、工具を用いることなく、対向管部22A、22Bを外側管部21に容易に着脱可能となる。
また、上記実施形態では、洗浄部35が第1洗浄部30および第2洗浄部40を備える構成を例示したが、この構成に限られるものではなく、いずれか一方のみを有する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、殺菌ノズル23A、23B、洗浄ノズル33A、33B、43A、43Bが上面11aにおいて円形状の面形状で液滴を噴霧する構成を例示したが、これに限られるものではなく、多角形状の面形状で液滴を噴霧する構成としてもよい。殺菌ノズル23A、23B、洗浄ノズル33A、33B、43A、43Bとして、四角形状の噴霧領域に液滴を噴霧する充角錐ノズルを用いてもよい。この構成を採ることにより、複数の噴霧領域によって矩形の上面11aの全面を網羅するために設置するノズルの数を最小限に抑えることが可能となり装置のコストダウンに寄与できる。
また、殺菌・洗浄用のノズルを用いてカバー部材60や基台50の下部をメンテナンス(洗浄)する構成を例示したが、この構成に限られるものではなく、例えば、メンテナンス専用のノズルを対向管部に設ける構成としてもよい。この構成を採る場合、野菜Vの洗浄時にはメンテナンス用ノズルを閉塞しておき、メンテナンス時にノズルを開放して洗浄に用いればよい。
また、上記実施形態では、対向管部22A、32A、42Aと対向管部22B、32B、42Bとは、搬送方向に関して同一位置に配置される構成を例示したが、洗浄処理面の上面11aの全面を網羅するように配置されていれば、搬送方向に関して対向管部22A、32A、42Aと対向管部22B、32B、42Bとは必ずしも同一位置ではなくてもよい。
なお、野菜洗浄装置1による洗浄対象の野菜Vとしては、キャベツやレタス、ほうれん草等の葉物野菜、ニンジン等の根菜等に広く適用可能である。これら野菜の中でも、野菜表面が水っぽくなり易く傷み易い葉物野菜について好適に実施できる。
1…野菜洗浄装置、 10…搬送部、 20…殺菌部、 21…外側管部、 22A、22B…対向管部、 23A、23B…殺菌ノズル、 24…挟持部材、 27…雄ネジ部材、 28…蝶ナット部材、 30…第1洗浄部、 35…洗浄部、 40…第2洗浄部、 50…基台、 51…レール部、 52…抵抗緩和部、 60、60A、60B…カバー部材、 61…遮蔽部、 62…天板、 68…回転中心部、 72A、72B…分割カバー部、 80…第2送液部、 90…第3送液部、 93…流量計(計量部)、 100…殺菌液貯溜部、 110…洗浄液貯溜部、 120…薬剤貯溜部、130…薬剤供給部、 L…殺菌液、 L1…第1洗浄液、 L2…第2洗浄液、 V…野菜
Claims (8)
- 薬剤を含む殺菌液を殺菌ノズルから野菜に噴霧する殺菌部と、
前記殺菌液を前記殺菌ノズルに供給する第1配管系と、
前記殺菌液が噴霧された前記野菜に対して洗浄ノズルから洗浄液を噴霧する洗浄部と、
前記洗浄液を前記洗浄ノズルに供給する第2配管系と、
前記殺菌液の噴霧領域および前記洗浄液の噴霧領域に順次前記野菜を搬送する網目状に形成されたコンベアと、
前記コンベア、前記殺菌部および前記洗浄部を支持する基台と、
前記基台に設置され前記コンベア、前記殺菌部および前記洗浄部の周囲の空間を覆うカバー部材とを備え、
前記第1配管系と前記第2配管系との少なくとも一方は、前記コンベアの幅方向一方側の外側に配置された外側管部と、一端側が前記外側管部に着脱自在に接続され前記コンベアと対向して前記幅方向に延び、前記殺菌ノズルまたは前記洗浄ノズルを有するとともに、前記コンベアを挟んだ上方および下方にそれぞれ配置された対向管部とを有し、
上方の前記殺菌ノズルおよび上方の前記洗浄ノズルの噴霧角度は、噴霧液が前記野菜の高さに応じた所定高さ以上の位置で前記カバー部材に当たる角度であり、
前記カバー部材は、前記コンベアの搬送方向に沿って複数設けられ、それぞれが前記基台に対して水平方向に沿った第1方向の移動が拘束され、前記第1方向と交差する第2方向に移動したときに前記周囲の空間を開放可能であることを特徴とする野菜洗浄装置。 - 前記対向管部は、前記外側管部に対して、前記殺菌ノズルまたは前記洗浄ノズルが前記コンベアと対向する第1位置と、当該対向管部の軸周り方向で前記第1位置とは異なる第2位置とに選択的に切換可能に接続されていることを特徴とする請求項1記載の野菜洗浄装置。
- 前記第2位置は、前記殺菌ノズルまたは前記洗浄ノズルが前記カバー部材の天板を向く位置であることを特徴とする請求項2記載の野菜洗浄装置。
- 前記外側管部との間で前記対向管部の他端側を挟持する挟持部材と、
前記外側管部から前記幅方向に延出して前記挟持部材を貫通する軸状の雄ねじ部材と、
前記雄ねじ部材に螺着して前記挟持部材を介して前記対向管部を前記外側管部に締結固定する蝶ナット部材とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。 - 前記カバー部材は、前記コンベアの幅方向に前記基台に拘束され、前記基台に形成されたレール部に沿って前記搬送方向にスライド可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。
- 前記レール部における前記カバー部材との接触部には、摺動抵抗を緩和する抵抗緩和部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の野菜洗浄装置。
- 前記基台は、前記幅方向の一方側に前記搬送方向に延びる回転中心部を有し、
前記カバー部材は、回転中心部を中心にして回転可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。 - 前記回転中心部は、前記幅方向の一方側および他方側のそれぞれに設けられ、
前記カバー部材は、前記幅方向に二分割された形状の分割カバー部を有し、
前記分割カバー部の一方は、前記幅方向の一方側の回転中心部を中心にして回転可能であり、他方は前記幅方向の他方側の回転中心部を中心にして回転可能であることを特徴とする請求項7記載の野菜洗浄装置。
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JP2016109133A JP2017212925A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 野菜洗浄装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113940436A (zh) * | 2021-10-18 | 2022-01-18 | 江苏食品药品职业技术学院 | 一种用于食品加工的专用分离结构及其使用方法 |
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2016
- 2016-05-31 JP JP2016109133A patent/JP2017212925A/ja active Pending
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CN113940436A (zh) * | 2021-10-18 | 2022-01-18 | 江苏食品药品职业技术学院 | 一种用于食品加工的专用分离结构及其使用方法 |
CN113940436B (zh) * | 2021-10-18 | 2022-11-18 | 江苏食品药品职业技术学院 | 一种用于食品加工的专用分离结构的使用方法 |
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