以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載装置1(警告装置)を正面から見た図である。
車載装置1は、車両に搭載される装置であり、車両の現在地を検出する機能や、目的地までの経路を探索する機能、目的地までの経路を案内する機能等を備える。以下の説明では、車載装置1が搭載された車両を、単に、「車両」と表現する。
図1に示すように、車載装置1は、制御基板や、インターフェイスボード、電源部等を収納する筐体10を備える。筐体10の正面には、タッチパネル21が設けられる。筐体10の正面において、タッチパネル21の下方には、電源をオン/オフする電源スイッチ12や、音量等を変更するロータリースイッチ13、各種操作を受け付ける操作スイッチ14等が設けられた操作パネル15が設けられる。
図2は、車載装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車載装置1は、制御部20と、タッチパネル21と、操作部22と、音声処理部23と、GPSユニット24と、相対方位検出ユニット25と、車速取得部26と、記憶部27(地図情報記憶部)と、を備える。
制御部20は、CPUや、ROM、RAM、その他周辺回路等を備え、車載装置1の各部を制御する。制御部20は、例えば、CPUが、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により、車載装置1の各部を制御する。制御部20は、現在地検出部20aと、経路探索部20bと、経路案内部20cと、進入検出部20dと、警告部20eと、走行履歴管理部20fと、を備える。これら機能ブロックについては後述する。
タッチパネル21は、表示パネルと、タッチセンサとを備える。表示パネルは、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の表示装置であり、制御部20の制御で、各種情報を表示する。タッチセンサは、表示パネルの表示面に重ねて設けられ、ユーザによるタッチパネル21への接触操作を検出する。タッチセンサは、タッチパネル21がユーザにより接触操作された場合、接触操作された位置を示す信号を制御部20に出力する。制御部20は、タッチセンサから入力された信号に基づいて、ユーザによるタッチパネル21に対する操作に対応する処理を実行する。
操作部22は、車載装置1の筐体10の操作パネル15に設けられた各種スイッチに対する操作を検出し、検出した操作に対応する信号を制御部20に出力する。制御部20は、操作部22から入力された信号に基づいて、ユーザによるスイッチに対する操作に対応する処理を実行する。
音声処理部23は、D/Aコンバータや、ボリューム回路、アンプ回路、スピーカー等を備え、制御部20の制御で、制御部20から入力された音声信号をD/Aコンバータによりデジタル/アナログ変換し、ボリューム回路により音量レベルを調整し、アンプ回路により増幅して、図示しないスピーカーから音声として出力する。
GPSユニット24は、図示しないGPSアンテナを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在地と、車両の進行方向とを算出する。GPSユニット24は、算出した車両の現在地を示す情報、及び、算出した車両の進行方向を示す情報を制御部20に出力する。
相対方位検出ユニット25は、ジャイロセンサと、加速度センサとを備える。ジャイロセンサは、例えば振動ジャイロにより構成され、車両の相対的な方位(例えば、ヨー軸方向の旋回量)を検出する。加速度センサは、車両に作用する加速度(例えば、進行方向に対する車両の傾き)を検出する。相対方位検出ユニット25は、検出した車両の相対的な方位を示す情報、及び、検出した車両に作用する加速度を示す情報を制御部20に出力する。制御部20は、相対方位検出ユニット25からの入力に基づいて、車両の相対的な方位、及び、車両に作用する加速度を検出する。
車速取得部26は、車両の速度に応じたパルス信号を検出し、車両の速度を示す信号を制御部20に出力する。制御部20は、車速取得部26からの入力に基づいて、車両の速度を検出する。
記憶部27は、不揮発性メモリーを備え、各種データを記憶する。記憶部27は、地図データ271(地図情報)と、走行リンクテーブル272と、走行予測リンクテーブル273とを記憶する。
地図データ271は、道路の形状を地図に描画する際に用いる道路画像データや、地形等の背景を地図に描画する際に用いる背景画像データ、行政区画を示す文字列や、交差点名を示す文字列、道路名を示す文字列等の文字列を地図に描画する際に用いる文字列画像データ等の地図の表示に用いる画像データを備える。また、地図データ271は、地図上に存在する施設に関する施設情報を備える。施設情報は、施設ごとに、施設の位置を示す施設位置情報と、地図上に施設をアイコンとして表示するときに用いる画像データとを少なくも備える。
地図データ271は、リンクに係るリンク情報データベース271a、及び、ノードに係るノード情報データベース271bを有する。
ノードは、交差点、その他の道路網における結節点ごとに定義され、リンクは、ノードとノードとの間の道路区間ごとに定義される。周知のとおり、道路網は、ノードとリンクとの組み合わせによって表現される。
図3は、リンク情報データベース271aの各レコードが有するリンク情報J1に含まれる情報の一部を模式的に示す図である。
リンク情報データベース271aは、リンクごとにレコードが登録されたデータベースである。リンク情報データベース271aの各レコードは、リンク情報J1を有する。
図3に示すように、リンク情報J1は、リンク識別情報J1aと、道路種別情報J1bと、リンク種別情報J1cと、車線数情報J1dと、リンク長情報J1eと、第1対応ノード識別情報J1fと、第2対応ノード識別情報J1gと、リンク方位情報J1hと、路線番号情報J1iを少なくとも含む。
リンク識別情報J1aは、リンクを識別する情報である。リンクのそれぞれには、一意な値のリンク識別情報J1aが割り振られる。
道路種別情報J1bは、リンクに対応する道路の道路種別を示す情報である。道路種別とは、高速道路や、国道、都道府県道、区市町村道、主要地方道等、道路を、その道路の種類によって区分する概念である。
リンク種別情報J1cは、リンクのリンク種別を示す情報である。リンク種別とは、本線や、連結路等、道路を、その道路が使用される目的によって区分する概念である。なお、本線は、例えば、高速道路については本線車道を意味する。また、連結路は、異なる2つの道路を連結する道路であり、例えば、高速道路と、当該高速道路と高さが異なる国道とを連結するランプである。
なお、リンク種別情報J1cは、リンクに対応する道路が上下線分離区間(後述)である場合は、付加的に、上下線分離区間(後述)であることを示す情報が含まれる。また、リンク種別情報J1cは、リンクに対応する道路が上下線非分離区間(後述)である場合は、付加的に、上下線非分離区間(後述)を示す情報が含まれる。また、リンク種別情報J1cは、リンクに対応する道路が上下線非分離区分(後述)である場合において、リンクに対応する道路に中央分離帯が設けられている場合は、中央分離帯が設けられていることを示す情報が付加的に含まれる。また、リンク種別情報J1cは、リンクに対応する道路が上下線非分離区分(後述)である場合において、リンクに対応する道路に中央分離帯が設けられていない場合は、中央分離帯が設けられていないことを示す情報が付加的に含まれる。
車線数情報J1dは、リンクに対応する道路が有する車線の数を示す情報である。
リンク長情報J1eは、リンクの長さ(以下、「リンク長」という。)を「メートル」を単位とする値によって示す情報である。
第1対応ノード識別情報J1fは、リンクの一方の端点に対応するノードのノード識別情報(後述)である。第2対応ノード識別情報J1gは、リンクの他方の端点に対応するノードのノード識別情報(後述)である。
リンク方位情報J1hは、リンクの方位を示す情報である。本実施形態では、リンクの方位は、北に向かう方向を「0°」として、時計回りの回転に応じて値が大きくなる「0°」以上、「360°」未満の範囲の値によって表される。尚、本実施形態では、リンク情報データベース271aがリンク方位情報J1hを含むようにしたが、第1対応ノード識別情報J1fが規定するノードの座標及び第2対応ノード識別情報J1gが規定するノードの座標に基づいて、両者間のリンクの方位が計算されるようにしても良い。
路線番号情報J1iは、リンクに対応する道路の路線番号を示す情報である。路線番号は、国道や、都道府県道、その他の道路に付番された番号である。
図4は、ノード情報データベース271bの各レコードが有するノード情報J2に含まれる情報の一部を模式的に示す図である。
ノード情報データベース271bは、ノード毎に、レコードが登録されたデータベースである。ノード情報データベース271bの各レコードは、ノード情報J2を有する。
図4に示すように、ノード情報J2は、ノード識別情報J2aと、ノード位置情報J2bと、接続リンク情報J2cと、規制情報J2dと、信号機有無情報J2eとを少なくとも含む。
ノード識別情報J2aは、ノードを識別する情報である。ノードのそれぞれには、一意な値のノード識別情報J2aが割り振られる。
ノード位置情報J2bは、ノードの位置を示す情報である。ノードの位置は、経度と緯度との組み合わせにより表される。
接続リンク情報J2cは、ノードに接続するリンク(複数のリンクが接続する場合は複数のリンクのそれぞれ。)のリンク識別情報を示す情報である。
規制情報J2dは、ノードに接続するリンクのうちの1のリンクからノードに進入し、ノードを介して他のリンクへ退出することが規制されている場合に、そのことを示す情報である。なお、交差点に複数の道路が接続されている場合において、1の道路から交差点に進入し、他の道路へと退出することが規制される場合がある。
信号機有無情報J2eは、ノードに対応する位置に信号機があるか否かを示す情報である。
走行リンクテーブル272、及び、走行予測リンクテーブル273については、後述する。
なお、図2は、本願発明を理解容易にするために、車載装置1の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、車載装置1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
次に、制御部20が備える現在地検出部20a、経路探索部20b、及び、経路案内部20cについて説明する。
現在地検出部20aは、ユーザの指示、その他の事象をトリガーとして、GPSユニット24から入力された情報、相対方位検出ユニット25から入力された情報、地図データ271に含まれる情報、及び、車速取得部26から入力された情報に基づいて、車両の現在地を検出する。車両の現在地を検出する方法はどのような方法であってもよく、また、本実施形態で例示する情報以外の情報を用いてもよい。
経路探索部20bは、ユーザの指示、その他の事象をトリガーとして、現在地検出部20aが検出した車両の現在地、及び、地図データ271に含まれる情報に基づいて、車両の現在地からユーザが指定した目的地に至る経路(以下、「目的地経路」という。)を探索する。目的地経路を探索する方法はどのような方法であってもよく、また、本実施形態で例示する情報以外の情報を用いてもよい。
経路案内部20cは、ユーザの指示、その他の事象をトリガーとして、目的地経路を案内する。具体的には、経路案内部20cは、地図データ271に含まれる情報に基づいて所定の態様でタッチパネル21に地図を表示した上で、現在地検出部20aにより検出された車両の現在地を示すマークを地図上に表示すると共に、探索した目的地経路を示す画像を地図上に表示することによって、目的地経路を案内する。目的地経路を案内する方法はどのような方法であってもよく、また、本実施形態で例示する情報以外の情報を用いてもよい。
次に、本実施形態で用いる道路の用語について説明する。
以下の説明では、1つの道路における所定の区間において、「1又は複数の車線を有し、1の方向への通行が許可された道路」を「片側道路」という。例えば、1つの高速道路における所定の区間において、上り線に対応する道路、及び、下り線に対応する道路が、それぞれ、片側道路に相当する。
本実施形態において、道路の区間には、上下線分離区間と、上下線非分離区間とがある。
図5は、上下線分離区間に係る道路を説明に適した態様で模式的に示す図である。
上下線分離区間は、当該区間における1の片側道路と他の片側道路とが、これら片側道路の間で車両の物理的な往来ができないように、又は、これら片側道路の間で車両の物理的な往来が著しく困難なように、これら片側道路が分離された道路である。例えば、上下線分離区間における1の片側道路と他の片側道路とは、中央分離帯、その他の障害物によって分離される。また例えば、上下線分離区間における1の片側道路と他の片側道路とは、空間をあけて離間されて配置されることにより、分離される。なお、「片側道路の間での車両の物理的な往来が可能な状態」とは、交通に関する規制にかかわらず、車両が一方の片側道路から他方の片側道路へと物理的に移動可能な状態のことを意味する。
図5で例示する上下線分離区間に係る道路は2つの片側道路を有する6車線の道路であり、2つの片側道路が、それぞれ、3つの車線を有する。図5で例示する上下線分離区間に係る道路において、1の片側道路と、他の片側道路とは、中央分離帯によって分離されており、これら片側道路の間で、車両の物理的な往来はできない。
図6は、上下線非分離区間に係る道路を説明に適した態様で模式的に示す図である。
上下線非分離区間は、車線が2つ以上ある場合において(=片側道路が2つ以上ある場合において)、当該区間における1の片側道路と他の片側道路との間で、車両の物理的な往来が可能な場合がある道路である。いわゆる対面通行道路に係る区間は、上下線非分離区間に相当する。なお、上下線非分離区間に係る道路では、片側道路と片側道路との間に中央分離帯が設けられ、これら片側道路の間で車両の物理的な往来ができない状態とされる場合がある。また、上下線非分離区間に係る道路は、1つの片側道路を有する道路(=一方通行の1車線の道路)である場合がある。
図6で例示する上下線非分離区間に係る道路は2車線の道路であり、2つの片側道路を有する。図6で例示する上下線非分離区間に係る道路では、2つの片側道路が、それぞれ、1つの車線を有する。図6で例示する上下線非分離区間に係る道路において、1の片側道路と、他の片側道路とは、道路に描画された中央線によって区画されており、車両は、物理的には、1の片側道路から他の片側道路に進入すること、及び、当該他の片側道路から当該1の片側道路に進入することが可能である。
なお、本実施形態では、1つの上下線分離区間に係る道路については、基本的に、当該道路に含まれる片側道路のそれぞれについてリンクが定義される。
また、本実施形態では、1つの上下線非分離区間に係る道路について、基本的に、2つの片側道路を有する場合であっても、1つの上下線非分離区間道路に係る道路に対して1つのリンクが定義される。
ところで、車両が逆走した場合、事故につながる可能性があるため、車両が逆走することを防止する必要がある。なお、逆走とは、車両が、1の道路において、当該1の道路で通行が許可された方向とは逆の方向に向かって走行することをいう。そして、車両の逆走は、以下の場合に起こりやすいと想定される。すなわち、車両が上下線分離区間に係る道路を走行した後、「車線数が2つ以上あり、中央分離帯がない上下線非分離区間に係る道路」に進入し、当該道路を走行する場合である。これは、以下の理由による。すなわち、上述したように、上下線分離区間では、1の片側道路と他の片側往路との間で車両の物理的な往来ができない。このため、運転手が1の上下線分離区間に係る道路において車両を走行させた場合、走行中は当該1の片側道路と、当該1の上下線分離区間に係る他の片側道路とは分離された状態であり、運転手は、道路の走行中に片側道路を跨って車両を走行することは物理的にできない状態であると認識する。
そして、車両が当該1の上下線分離区間を走行した後、車線数が2つ以上あり、中央分離帯がない1の上下線非分離区間に進入したとする。この場合、当該1の上下線非分離区間に係る道路では各片側道路が分離されておらず、実際には片側道路の間で車両の物理的な往来が可能な一方、運転手は、片側道路の間での車両の物理的な往来ができないという認識を継続して持っている可能性がある。運転手が当該認識を持っている場合、当該認識に基づいて、走行中の道路においても片側道路の間での車両の物理的な往来はできないはずであり、走行中の道路は対面通行ではないはずであるという認識を持つ可能性がある。運転手が当該認識を持った場合、運転手は、例えば車線変更を意図して、片側道路を跨いで車両を走行させてしまう可能性がある。以上が理由である。
なお、車線数が2つ以上あり、中央分離帯がない上下線非分離区間に係る道路は、片側道路が2つあり、2つの片側道路が分離されていない対面通行道路に相当する。
以上を踏まえ、本実施形態に係る車載装置1は、車両の逆走が、車両が上下線分離区間に係る道路を走行した後、上下線非分離区間に係る道路に進入し、当該道路を走行する場合に起こりやすいと想定されることに基づき、以下の処理を実行する。
すなわち、車載装置1は、上下線分離区間に係る道路の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に係る道路に進入した場合、そのことを検出し、逆走に注意すべきことを警告する。以下、上下線分離区間に係る道路の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に係る道路に進入した場合に、車載装置1が行う警告を「第1の警告」という。
また、車載装置1は、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいた場合に、逆走に注意すべきことを警告する。以下、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいた場合に、車載装置1が行う警告を「第2の警告」という。なお、ユーザは、第1の警告、及び、第2の警告について、両方の警告を行うか、いずれか一方の警告を行うか、いずれの警告も行わないかを事前に設定できる。
以下、第1の警告を行う場合と、第2の警告を行う場合とのそれぞれについて、車載装置1の処理を説明する。
<第1の警告を行う場合>
以下、第1の警告を行う場合の車載装置1の処理について説明する。
図7のフローチャートFAは、第1の警告を行うときの車載装置1の処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、車載装置1の制御部20の進入検出部20dは、地図データ271、及び、現在地検出部20aが検出する車両の現在地に基づいて、車両が、第1条件に該当するリンクに進入したか否かを監視する(ステップSA1)。
第1条件は、リンクが上下線非分離区間であり、車線数が2つ以上であり、かつ、中央分離帯がないことである。
ステップSA1において、進入検出部20dは、以下の処理を実行する。
すなわち、進入検出部20dは、車両の走行中、現在地検出部20aが検出する車両の現在地、及び、地図データ271に基づいて、車両の現在地と、リンクとのマッチングを行う。車両の現在地と、リンクとのマッチングとは、車両の現在地を、車両が走行している道路に対応するリンクに関連付けることである。マッチングに係る処理には、既存の全ての技術を利用可能である。
ステップSA1において、進入検出部20dは、車両の現在地と、リンクとのマッチングの結果に基づいて、車両が新たなリンクに進入したか否かを監視する。車両が新たなリンクに進入したことを検出した場合、進入検出部20dは、地図データ271のリンク情報データベース271aを参照し、車両が進入した新たなリンクが、第1条件に該当するリンクであるか否かを判別する。詳述すると、進入検出部20dは、リンク情報データベース271aを参照し、当該データベースのレコードのうち、車両が進入した新たなリンクに対応するレコードを特定する。次いで、進入検出部20dは、特定したレコードのリンク情報J1が有するリンク種別情報J1c及び車線数情報J1dを取得する。次いで、進入検出部20dは、取得したリンク種別情報J1c及び車線数情報J1dに基づいて、車両が進入した新たなリンクが、第1条件に該当するリンクであるか否かを判別する。上述したように、リンク種別情報J1cは、リンクに対応する道路が上下線非分離区間である場合は、上下線非分離区間を示す情報が付加的に含まれ、また、リンクに対応する道路が上下線非分離区分である場合において、リンクに対応する道路に中央分離帯が設けられていない場合は、中央分離帯が設けられていないことを示す情報が付加的に含まれるため、進入検出部20dは、リンク種別情報J1c及び車線数情報J1dに基づいて、特定のリンクが第1条件に該当するリンクであるか否かを判別することができる。車両が新たに進入したリンクが第1条件に該当すると判別した場合、進入検出部20dは、車両が第1条件に該当するリンクに進入したと判別する。
ステップSA1において、車両が第1条件に該当するリンクに進入したと判別した場合(ステップSA1:YES)、警告部20eは、走行リンクテーブル272を参照する(ステップSA2)。
図8は、走行リンクテーブル272の内容の一例を模式的に示す図である。
走行リンクテーブル272は、車両が過去に走行したリンク(現時点で走行中のリンクも含む。)ごとにレコードを有するテーブルである。走行リンクテーブル272は、車両がリンクを走行した順番に時系列でレコードが配列される。
図8に示すように、走行リンクテーブル272の各レコードは、リンク識別情報J1a、道路種別情報J1b、リンク種別情報J1c、車線数情報J1d、リンク長情報J1e、及び、第2条件該当有無情報J3を有する。
第2条件該当有無情報J3は、対応するリンクが、第2条件に該当するリンクであるか否かを示す情報であり、値として、該当することを示す値(以下、「該当値」という。図8では、「該当」と表現する。)と、該当しないことを示す値(以下、「非該当値」という。図8では、「非該当」と表現する。)とのいずれかをとる。
第2条件は、リンクが、上下線分離区画であり、車線数が2以上であることである。
上述したように、第2条件に該当するリンクに対応する道路を走行した後、上述した第1条件に該当するリンクに対応する道路に進入し、当該道路を走行する場合、車両の逆走が起こりやすいと想定される。
ここで、第2条件には、リンクの車線数が2以上であること、という条件が含まれる。これは、以下の理由による。すなわち、上述したように、1つの上下線分離区間に係る道路については、基本的に、当該道路に含まれる片側道路のそれぞれについてリンクが定義される。従って、上下線分離区間に係るリンクの車線数が2つ以上であるということは、リンクに対応する片側道路が有する車線数が2つ以上であるということである。また、車線数が2つ以上の片側道路は車線変更が可能な場合も多い。このため、運転手は、車両により車線数が2つ以上の片側道路を走行させた場合、車線変更が可能な道路を走行中であるという認識を持つ可能性がある。そして、車両が、車線数が2つ以上の上下線分離区間に係る片道道路を走行した後、車線数が2つ以上あり、中央分離帯がない上下線非分離区間に係る道路に進入したとする。この場合において、運転手が上述した認識を継続して持っていると、新たに進入した上下線非分離区間に係る道路において、車線変更の意図で、片側道路を跨いて車両を走行させてしまう可能性がある。従って、車線数が2つ以上の上下線分離区間に係る片道道路を走行した後、車線数が2つ以上あり、中央分離帯がない上下線非分離区間に係る道路に進入する場合は、車線数が1つの上下線分離区間に係る片道道路を走行した後、車線数が2つ以上あり、中央分離帯がない上下線非分離区間に係る道路に進入する場合と比較して、車両が逆走しないように注意することがより強く求められる。以上を踏まえ、第2条件には、リンクの車線数が2以上であること、という条件が含まれる。
なお、本実施形態では、以上の理由により、第2条件に、リンクの車線数が2以上であること、という条件が含まれるが、当該条件が含まれない構成であってもよい。
制御部20の走行履歴管理部20fは、車両の走行中、以下の方法で、走行リンクテーブル272を更新する。
すなわち、車両の走行中、走行履歴管理部20fは、車両が新たなリンクに進入したか否かを監視する。車両が新たなリンクに進入したことを検出した場合、走行履歴管理部20fは、地図データ271のリンク情報データベース271aを参照し、当該データベースのレコードのうち、車両が進入した新たなリンクに対応するレコードを特定する。次いで、走行履歴管理部20fは、特定したレコードのリンク情報J1を取得する。次いで、走行履歴管理部20fは、取得したリンク情報J1に含まれるリンク種別情報J1c、及び、車線数情報J1d基づいて、対応するリンク(=車両が進入した新たなリンク)が、第2条件に該当するリンクであるか否かを判別する。次いで、走行履歴管理部20fは、判別結果に基づいて、第2条件該当有無情報J3を生成する。詳述すると、走行履歴管理部20fは、対応するリンクが第2条件に該当するリンクであると判別した場合は該当値の第2条件該当有無情報J3を生成し、対応するリンクが第2条件に該当するリンクではないと判別した場合は非該当値の第2条件該当有無情報J3を生成する。次いで、走行履歴管理部20fは、取得したリンク情報J1、及び、生成した第2条件該当有無情報J3に基づいて、走行リンクテーブル272の末尾に、リンク識別情報J1a、道路種別情報J1b、リンク種別情報J1c、車線数情報J1d、リンク長情報J1e、及び、第2条件該当有無情報J3を有するレコードを登録する。ここで登録されたレコードは、車両が新たに進入したリンクに対応するレコードである。
以上のように、走行履歴管理部20fは、車両が新たなリンクに進入するたびに、走行リンクテーブル272の末尾に当該リンクに対応するレコードを登録することによって、随時、走行リンクテーブル272を更新する。
図7に示すように、ステップSA2で走行リンクテーブル272を参照した後、警告部20eは、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在するか否かを判別する(ステップSA3)。以下、ステップSA3の処理について、図8で例示した走行リンクテーブル272を用いて説明する。
ステップSA3の処理の時点で、走行リンクテーブル272の内容が、図8で示す走行リンクテーブル272の内容であったとする。
図8で示す走行リンクテーブル272は、レコードR1〜レコードR20の20件のレコードを有する。レコードR20は、車両が新たに進入したリンクに対応するレコードである。すなわち、車両は、ステップSA3の処理の時点で、レコードR20に係るリンクに進入した状態である。
また、レコードR20に係るリンクは、第1条件に該当するリンクである。
ステップSA8において、警告部20eは、走行リンクテーブル272の内容に基づいて、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在するか否かを判別する。走行リンクテーブル272の内容が、図8で示す走行リンクテーブル272の内容である場合、警告部20eは、レコードR20が登録される1つ前に登録されたレコードR19を起点として、車両が走行した時間が時間的に近い順番で、「レコードR19→レコードR18→レコードR17・・・」というようにレコードを遡り、各レコードのリンク長情報J1eが示すリンク長を累積的に加算していく。警告部20eは、累積的に加算していったリンク長の値が、5キロメートル(5000メートル)に到達する前に、第2条件に該当するリンクに対応するレコードが存在するか否かを判別する。警告部20eは、1のレコードが、第2条件に該当するリンクであるか否かを、当該1のレコードが有する第2条件該当有無情報J3の値に基づいて判別する。
累積的に加算していったリンク長の値が、5キロメートルに到達する前に、第2条件に該当するリンクに対応するレコードが存在する場合、警告部20eは、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在すると判別する。累積的に加算していったリンク長の値が、5キロメートルに到達する前に、第2条件に該当するリンクに対応するレコードが存在しない場合、警告部20eは、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在しないと判別する。図8で示す走行リンクテーブル272の場合、レコードR19〜レコードR15は、第2条件に該当するリンクではなく、レコードR14は、第2条件に該当するリンクに対応するレコードである。そして、レコードR19〜レコードR15の各レコードに係るリンク長を加算した値は、「842メートル」であるため、レコードR14は、累積的に加算していったリンク長の値が、5キロメートルに到達する前に存在する第2条件に該当するリンクである。従って、この場合、警告部20eは、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在すると判別する。
図7に示すように、ステップSA3において、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在しないと判別した場合(ステップSA3:NO)、警告部20eは、処理手順をステップSA6へ移行する。
一方、ステップSA3において、車両の現在地から過去に遡って、車両が走行したリンクに沿って5キロメートル以内に、第2条件に該当するリンクが存在すると判別した場合(ステップSA3:YES)、警告部20eは、以下の処理を実行する(ステップSA4)。すなわち、警告部20eは、新たなリンク(第1条件に該当するリンク)に進入する前に行われた第2条件に該当するリンクの走行が、連続して3キロメートル以上の走行であったか否かを判別する。以下、ステップSA4の処理について詳述する。
ステップSA4において、警告部20eは、走行リンクテーブル272を参照し、車両の現在地から5キロメートル以内に最初に出現する第2条件に該当するリンクに対応するレコード(以下、「直近第2条件レコード」という。)を特定する。次いで、警告部20eは、直近第2条件レコードに連続するレコードであって、第2条件に該当するリンクに対応するレコードを特定する。以下、直近第2条件リンクに係るレコードに連続するレコードであって、第2条件に該当するリンクに対応するレコードを、「連続第2条件レコード」という。なお、連続第2条件レコードには、直近第2条件レコードに対して、他の1又は複数の連続第2条件レコードを介して連続するレコードも含む。なお、連続第2条件レコードは、存在しない場合もある。
図8で例示する走行リンクテーブル272では、レコードR14が、直近第2条件レコードに相当する。また、図8で例示する走行リンクテーブル272では、レコードR13〜レコードR1が、連続第2条件レコードに相当する。このため、警告部20eは、レコードR13〜レコードR1を、連続第2条件レコードとして特定する。
次いで、警告部20eは、直近第2条件レコード、及び、特定した0個、1個、又は複数個の連続第2条件レコードの各レコードのリンク長情報J1eが示すリンク長を合計した値が、3キロメートル以上であるか否かを判別する。3キロメートル以上の場合、警告部20eは、新たなリンク(第1条件に該当するリンク)に進入する前に行われた第2条件に該当するリンクの走行が、連続して3キロメートル以上の走行であったと判別する。一方、3キロメートル以上ではない場合、警告部20eは、新たなリンク(第1条件に該当するリンク)に進入する前に行われた第2条件に該当するリンクの走行が連続して3キロメートル以上の走行ではなかったと判別する。
図7に示すように、ステップSA4において、新たなリンク(第1条件に該当するリンク)に進入する前に行われた第2条件に該当するリンクの走行が連続して3キロメートル以上の走行ではなかったと判別した場合(ステップSA4:NO)、警告部20eは、処理手順をステップSA6へ移行する。
一方、ステップSA4において、新たなリンク(第1条件に該当するリンク)に進入する前に行われた第2条件に該当するリンクの走行が連続して3キロメートル以上の走行であると判別した場合(ステップSA4:YES)、警告部20eは、第1の警告を行う(ステップSA5)。
すなわち、ステップSA5において、警告部20eは、音声処理部23を制御して、逆走に注意することを促すメッセージを音声出力する。例えば、警告部20eは、所定の警告音を音声出力すると共に、警告音に続けて、『対面通行道路に進入しました。逆走にご注意ください。』というメッセージを音声出力する。
さらに、ステップSA5において、警告部20eは、タッチパネル21を制御して、逆走に注意することを促す情報を有する画像を表示する。
図9は、タッチパネル21に表示される画像の一例を示す図である。
図9で例示する画像は、『対面通行道路に進入しました。逆走にご注意ください。』という文字列を含む。さらに、図9で例示する画像は、対面通行であることを簡潔に表す図像を含む。運転手は、タッチパネル21を視認することにより、逆走に注意して車両を走行させるべきことを、直感的に容易に認識できる。
なお、本実施形態では、第1の警告では、音声による警告、及び、画像による警告が行われるが、いずれか一方の警告が行われる構成でもよい。
このように、本実施形態に係る車載装置1は、車両が、第2条件に該当するリンクを連続して走行した後、第1条件に該当するリンクに進入した場合、逆走に関する警告を行う。これにより、車載装置1は、第1条件に該当するリンクに対応する道路に車両が進入したタイミング、換言すれば、運転手が逆走に注意して車両を走行させるべき道路に車両が進入したタイミングで、運転手に逆走に注意すべきことを促すことができる。
さらに、本実施形態に係る車載装置1は、第2条件に該当するリンクを走行した後、第2条件に該当しないリンクを「5キロメートル以上」、走行する前に、第1条件に該当するリンクに進入した場合、逆走に関する警告を行う。換言すれば、車載装置1は、車両が、第2条件に該当するリンクを走行した後、5キロメートルを超えて走行した後に、第1条件に該当するリンクに進入した場合は、逆走に関する警告を行わない。これにより、以下の効果を奏する。すなわち、車両が、第2条件に該当するリンクを走行した後、第2条件に該当しないリンクを走行し、第1条件に該当するリンクに進入したとする。この場合において、第2条件に該当しないリンクを走行した距離が長ければ長いほど、運転手が第2条件に該当するリンクを走行させている間に得た認識は、運転手において薄れていき、第2条件に該当しないリンクを走行した距離が相当に長くなった場合、運転手は当該認識を忘れるものと想定される。この場合、車両が第1条件に該当するリンクに進入したときに、逆走に関する警告を行う必要は無い。以上を踏まえ、本実施形態に係る車載装置1は、第2条件に該当するリンクを走行した後、第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、これらリンクの間で、相当の距離(本実施形態では、5キロメートル。)以上、第2条件に該当しないリンクを走行した場合は、逆走に関する警告を行わず、これにより、不必要な逆走に関する警告が行われることを防止する。
なお、警告を行うか否かの判断に用いる閾値は、5キロメートルに限らない。
また、本実施形態に係る車載装置1は、車両が第2条件に該当するリンクを走行した後、第1条件に該当するリンクに進入した場合において、第2条件に該当するリンクの走行が連続して3キロメートル以上の走行であった場合に、逆走に関する警告を行う。換言すれば、車載装置1は、車両が第2条件に該当するリンクを走行した後、第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、第2条件に該当するリンクの走行が連続して3キロメートル以上の走行ではない場合は、逆走に関する警告を行わない。これにより、以下の効果を奏する。すなわち、上述したように、運転手が、第2条件に該当するリンクを車両に走行させた場合、運転手は、走行中は片側道路のそれぞれは分離された状態であり、道路の走行中に片側道路を跨って車両を走行することは物理的にできない状態であると認識する可能性がある。上述したように、運転手がこのような認識を持つことが、車両が第1条件に該当するリンクに進入した後の逆走の原因の一つとなる。そして、このような認識は、第2条件に該当するリンクを走行させる距離が長ければ長いほど、運転手は、強く持つと想定される一方、第2条件に該当するリンクを走行させる距離が相当に短い場合、運転手は、当該認識を持たない、又は当該認識を持ったとしてもその認識を長いこと引きずることはないと想定される。以上を踏まえ、本実施形態に係る車載装置1は、第2条件に該当するリンクを走行した後、第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、第2条件に該当するリンクにおける走行が、相当に短い場合(本実施形態では、3キロメートル以下の場合。)は、逆走に関する警告を行わず、これにより、不必要な逆走に関する警告が行われることを防止する。
なお、警告を行うか否かの判断に用いる閾値は、3キロメートルに限らない。
ステップSA5の処理後、警告部20eは、処理手順をステップSA6へ移行する。
ステップSA6において、警告部20eは、重複警告防止処理を実行する。以下、ステップSA6の重複警告防止処理について詳述する。
重複警告防止処理は、車両が第1条件に該当するリンクに進入したときに、不必要に、第1の警告が行われることを防止する処理である。つまり、第1の警告は、3キロメートル以上第2条件に該当するリンクを走行した後に、5キロメートル以上走行する前に第1条件に該当するリンクに進入したときに、一度、行われればよい。これ以外の場合に、第1条件に該当するリンクに進入する度に不必要に第1の警告が行われると、快適な運転を阻害する可能性があるからである。これを踏まえ、重複警告防止処理は、車両が第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、3キロメートル以上第2条件に該当するリンクを走行した後に、5キロメートル以上走行する前に第1条件に該当するリンクに進入した場合以外の場合は、第1の警告が行われないようにする処理である。
ステップSA6において、警告部20eは、例えば、以下の処理を実行する。
例えば、警告部20eは、走行リンクテーブル272を初期化し、当該テーブルにレコードが登録されてない状態とする。この場合、第1の警告を行ったか否かにかかわらず、第1条件に該当するリンクに車両が進入する度に、走行リンクテーブル272が初期化される。これにより、3キロメートル以上第2条件に該当するリンクを走行した後に、5キロメートル以上走行する前に第1条件に該当するリンクに進入した場合を除き、第1条件に該当するリンクに進入したときに、第1の警告が行われるのを防止できる。
なお、重複警告防止処理は、例示した処理に限らない。例えば、車両が1の第2条件に該当するリンクを走行した後に、第1条件に該当するリンクに進入したことに基づいて第1の警告を行った場合、このことをフラグによって管理し、以後、第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、当該1の第2条件に該当するリンクを走行したことに対応する第1の警告を行わないようにしてもよい。
ステップSA6の処理後、警告部20eは、処理手順をステップSA1へ移行する。
以上、第1の警告を行う場合の車載装置1の処理について説明した。第1の警告に関し、車載装置1は、フローチャートFAを用いて説明した処理に加え、以下の処理を行ってもよい。
すなわち、車載装置1の警告部20eが、第1条件に該当するリンクに進入した場合、当該リンクに進入したときの車両の速度が所定の閾値を上回る場合に、第1の警告を行う構成でもよい。なお、警告部20eは、車速取得部26からの入力に基づいて車速を検出する。この場合、警告部20eは、車両が、3キロメートル以上第2条件に該当するリンクを走行した後に、5キロメートル以上走行する前に第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、第1条件に該当するリンクに進入したときの車両の速度が所定の閾値を上回らない場合は、第1の警告を行わない。
これにより以下の効果を奏する。すなわち、第2条件に該当するリンクを走行した後、第1条件に該当するリンクに進入した場合において、第1条件に進入したときの車速が相当に速い場合、運転手が、第2条件に該当するリンクを走行したときに持った認識(道路の走行中は、片側道路の間での車両の物理的な往来ができないという認識。)を継続して持っている可能性が高い。換言すれば、第1条件に該当するリンクに進入したときの車速が相当に速くない場合、運転手は、第2条件に該当するリンクを走行したときに持った認識を持っていないものと想定される。以上を踏まえ、第1条件に該当するリンクに進入したときの車両の速度が所定の閾値を上回る場合に第1の警告を行う構成とすることにより、不必要に第1の警告が行われることを防止できる。
また、車載装置1の警告部20eが、第1条件に該当するリンクに進入した場合、当該リンクの退出側のノードに対応する位置に信号機が存在しない場合に、第1の警告を行う構成でもよい。なお、警告部20eは、ノード情報データベース271bの信号機有無情報J2eに基づいて、車両が進入したリンクの退出側のノードに信号機が存在するか否かを判別する。この場合、警告部20eは、車両が、3キロメートル以上第2条件に該当するリンクを走行した後に、5キロメートル以上走行する前に第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、進入したリンクの退出側のノードに信号機が存在する場合は、第1の警告を行わない。
これにより以下の効果を奏する。すなわち、第1条件に該当するリンクに進入した場合において、リンクの退出側のノードに対応する位置に信号機が存在する場合、運転手は、信号機の存在を認識することにより、走行中のリンクが対面通行道路であることを認識するものと想定される。この場合、逆走に関する警告を行う必要は無い。以上を踏まえ、第1条件に該当するリンクに進入した場合であっても、当該リンクの退出側のノードに対応する位置に信号機が存在しない場合は、第1の警告を行わない構成とすることにより、不必要に第1の警告が行われることを防止できる。
なお、信号機の位置は、第1条件に該当するリンクの退出側のノードに対応する位置に限らない。信号機の位置は、第1条件に該当するリンクを走行したときに運転手が、その存在を認識できる位置であればよく、例えば、第1条件に該当するリンクの進入側のノードに対応する位置であってもよい。
また、上述の説明では、第2条件は、リンクが、上下線分離区画であり、車線数が2以上であることであった。この第2条件に、道路種別が「高速道路」であること、という条件を含む構成でもよい。この構成により、以下の効果を奏する。
すなわち、一般に、高速道路を走行した後、高速道路を下りて一般道路を走行した場合、一般道路では、体感速度と、実際の車両の速度とに乖離が生じ、運転手が、速度を上げて車両を走行させる傾向がある。従って、高速道路に対応する上下線分離区間に係るリンクを走行した後、一般道路に対応する上下線非分離区間に係るリンクに進入した場合は、逆走が起こりやすく、この場合に、逆走に関する警告を行う必要があると言える。以上を踏まえ、第2条件に、道路種別が「高速道路」であること、という条件を含む構成とすることにより、的確なタイミングで逆走に関する警告を行うことができると共に、不必要に第1の警告が行われることを防止できる。
<第2の警告を行う場合>
次に、第2の警告を行う場合の車載装置1の処理について説明する。
図10のフローチャートFBは、第2の警告を行うときの車載装置1の処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、車載装置1の制御部20の進入検出部20dは、地図データ271、及び、現在地検出部20aが検出する車両の現在地に基づいて、車両の現在地の前方の500メートル以内に、第1条件に該当するリンクが存在するか否かを監視する(ステップSB1)。「車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在する」とは、車両が、走行することが予想される経路を走行したとした場合に、現在地を起点として500メートルを走行する前に第1条件に該当するリンクに到達することを意味する。以下、ステップSB1の処理について、目的地経路が案内されている場合と、目的地経路が案内されていない場合と、に分けて説明する。
<目的地経路が案内されている場合>
目的地経路が案内されている場合、進入検出部20dは、以下の処理を実行する。すなわち、進入検出部20dは、リンク情報データベース271aに基づいて、目的地経路に含まれるリンクのうち、第1条件に該当するリンクを管理する。さらに、進入検出部20dは、リンク情報データベース271a、及び、ノード情報データベース271bに基づいて、第1条件に該当するリンクのそれぞれについて、リンクのノードのうち、車両が目的地経路を走行した場合における進入側のノードの位置を管理する。そして、進入検出部20dは、第1条件に該当するリンクの進入側のノードのいずれかについて、車両が目的地経路に沿って走行した場合に、車両の現在地からノードに至るまでに走行する距離が500メートル以内となった場合に、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在すると判別する。
図11は、出発地から目的地までの目的地経路に含まれるリンク群の一例を模式的に示す図である。図11で例示する目的地経路では、リンクL1→リンクL2→リンクL3→リンクL4の順番で、4つのリンクが存在する。図11で例示するリンク群において、リンクL4は、第1条件に該当するリンクであり、リンクL4のノードN1は、進入側のノードである。また、リンクL2はリンク長が300メートルのリンクであり、リンクL3はリンク長が300メートルのリンクである。また、リンクL2の位置H1は、リンクL2の退出側のノードN2から200メートル離間した位置である。図11で例示するリンク群に係る目的地経路を案内している場合、進入検出部20dは、ステップSB1において、車両が位置H1に位置した場合に、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在すると判別する。
<目的地経路が案内されていない場合>
目的地経路が案内されていない場合、進入検出部20dは、車両が走行する経路を予測し、予測結果に基づいて、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在するか否かを判別する。以下、詳述する。
ここで、進入検出部20dは、新たにリンクに進入する度に、以下の方法で、車両が走行するリンクを予測する。
すなわち、進入検出部20dは、新たにリンクに進入した場合、新たに進入したリンクを、「基準リンク」とし、リンク情報データベース271aに基づいて、基準リンクの方位を検出する。次いで、進入検出部20dは、基準リンクの退出側のノードに接続するリンクを特定する。次いで、進入検出部20dは、基準リンクの退出側のノードに接続するリンクのうち、リンクの方位が、新たに進入したリンクの方位に対して角度θa以内であるものを、次に走行することが予測されるリンク(以下、「走行予測リンク」という。)の候補として特定する。なお、基準リンクの方位に対するリンクの方位の角度が、角度θa以内のリンクが存在しない場合、進入検出部20dは、車両が走行するリンクの予測を停止する。このように、基準リンクに接続するリンクのうち、基準リンクの方位に対するリンクの方位の角度が所定の範囲内にあるものを、走行予測リンクの候補とする理由は、車両は、所定の目的地に向かって、直線的に走行する場合が多いと想定されるからである。
図12は、基準リンクと、基準リンクの退出側のノードに接続するリンクとを説明に適した態様で模式的に示す図である。図12において、リンクL5は、基準リンクであり、ノードN3は、リンクL5の退出側のノードである。また、リンクL5の方位は、方位HH1である。また、ノードN3には、リンクL6〜リンクL9の4つのリンクが接続されている。方位HH1に対するリンクL6の方位の角度は角度θbであり、方位HH1に対するリンクL7の方位の角度は角度θcである。角度θaと、角度θbと、角度θcとの関係は、「角度θa>角度θc>角度θb」である。また、リンクL8、及び、リンクL9は、共に、方位HH1に対するリンクの方位の角度が、角度θaを上回っている。
基準リンクであるリンクL5と、基準リンクの退出側のノードに接続するリンクL6〜リンクL9との関係が図12に示す状態の場合、進入検出部20dは、リンクL6、及び、リンクL7を、走行予測リンクの候補として特定する。
なお、進入検出部20dは、ノード情報データベース271bの規制情報J2dを参照し、基準リンクからノードを介して退出することが規制されたリンクについては、走行予測リンクの候補としない。例えば、図12の例において、リンクL6について、基準リンクのリンクL5からノードN3を介してリンクL6へ進入することが規制されていたとする。この場合、進入検出部20dは、リンクL6については、走行予測リンクの候補としない。
走行予測リンクの候補を特定した後、進入検出部20dは、所定の優先順位に従って、候補としたリンクのうち、1つのリンクを、走行予測リンクとして特定する。
例えば、進入検出部20dは、候補としたリンクのうち、リンクの方位が、基準リンクの方位と最も近いリンクを、走行予測リンクとして特定する。この場合、図12の例では、進入検出部20dは、リンクL6を、走行予測リンクとして特定する。
また例えば、進入検出部20dは、リンク情報データベース271aの道路種別情報J1bを参照し、基準リンクの道路種別の値と同一の値の道路種別のリンクを、走行予測リンクとして特定する。車両は、同一の道路種別のリンクを連続して走行する場合が多いからである。
また例えば、進入検出部20dは、リンク情報データベース271aの路線番号情報J1iを参照し、基準リンクの路線番号の値と同一の値の路線番号のリンクを、走行予測リンクとして特定する。車両は、同一の路線番号のリンクを連続して走行する場合が多いからである。
以上、1つの基準リンクに接続するリンクから、走行予測リンクを特定する方法を説明した。しかしながら、走行予測リンクを特定する方法は、例示した方法に限らない。例えば、走行予測リンクの候補から、走行予測リンクを特定する際に、例示した優先順位と異なる優先順位を用いてもよい。
進入検出部20dは、1の基準リンクに対応して1の走行予測リンクを特定した後、当該1の走行予測リンクを次の基準リンクとして、上述した方法で、当該次の基準リンクに対応する次の走行予測リンクを特定する。このようにして、進入検出部20dは、車両が走行することが予測されるリンクを未来に向かって、順次、所定個数(例えば、20個)分、特定していく。なお、走行予測リンクの特定の過程で、基準リンクに対応する走行予測リンクの候補が存在しなくなった場合、進入検出部20dは、その時点で、走行予測リンクを特定する処理を停止する。
進入検出部20dは、特定した所定個数の走行予測リンクに基づいて、走行予測リンクテーブル273を生成する。既に走行予測リンクテーブル273が存在する場合、進入検出部20dは、新たに生成した走行予測リンクテーブル273によって、既に存在する走行予測リンクテーブル273を上書き更新する。
図13は、走行予測リンクテーブル273の内容の一例を模式的に示す図である。
走行予測リンクテーブル273は、車両が新たに進入したリンク、及び、特定した走行予測リンクごとにレコードを有するテーブルである。走行予測リンクテーブル273は、車両が新たに進入したリンクを起点として、車両が走行するリンクの順番にレコードが配列される。
図13に示すように、走行予測リンクテーブル273の各レコードは、リンク識別情報J1a、道路種別情報J1b、リンク種別情報J1c、車線数情報J1d、リンク長情報J1e、及び、第1条件該当有無情報J4を有する。
第1条件該当有無情報J4は、対応するリンクが、第1条件に該当するリンクであるか否かを示す情報であり、値として、該当することを示す値(以下、「該当値」という。図13では、「該当」と表現する。)と、該当しないことを示す値(以下、「非該当値」という。図13では、「非該当」と表現する。)とのいずれかをとる。
進入検出部20dは、車両が新たに進入したリンク、及び、走行予測リンクのそれぞれについて、リンク情報データベース271aから必要な情報を取得すると共に、第1条件該当有無情報J4を生成し、これら情報に基づいてレコードを登録することにより、走行予測リンクテーブル273を生成する。進入検出部20dは、車両が新たに進入したリンク、及び、走行予測リンクのそれぞれについて、リンク種別情報J1c、及び、車線数情報J1d基づいて、リンクが、第1条件に該当するリンクであるか否かを判別し、判別結果に基づいて、第1条件該当有無情報J4を生成する。
以上のように、進入検出部20dは、車両が新たなリンクに進入する度に、車両が走行するリンクを予測し、予測結果に基づいて走行予測リンクテーブル273を生成する。
進入検出部20dは、上述した方法で生成した走行予測リンクテーブル273に基づいて、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在するか否かを判別する。すなわち、進入検出部20dは、車両が走行するリンクの順番で、走行予測リンクテーブル273の各レコードのリンク長情報J1eが示すリンク長を累積的に加算していく。進入検出部20dは、累積的に加算していったリンク長の値が、500メートルに到達する前に、第1条件に該当するリンクに対応するレコードが存在するか否かを判別する。進入検出部20dは、1のレコードが、第1条件に該当するリンクであるか否かを、当該1のレコードが有する第1条件該当有無情報J4の値に基づいて判別する。
累積的に加算していったリンク長の値が、500メートルに到達する前に、第1条件に該当するリンクに対応するレコードが存在する場合、進入検出部20dは、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在すると判別する。一方、累積的に加算していったリンク長の値が、500メートルに到達する前に、第1条件に該当するリンクに対応するレコードが存在しない場合、進入検出部20dは、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在しないと判別する。
以上、ステップSB1の処理を、目的地経路を案内している場合と、目的地経路を案内していない場合とのそれぞれの場合について説明した。ただし、ステップSB1の処理の方法は、例示した方法に限らない。
図10に示すように、車両の現在地の前方の500メートル以内に第1条件に該当するリンクが存在すると判別した場合、警告部20eは、リンク情報データベース271a、及び、ノード情報データベース271bに基づいて、現在地検出部20aが検出する車両の現在地から、500メートル以内に存在する第1条件に該当するリンクの進入側のノードに至るまでに車両が走行する距離を算出する(ステップSB2)
次いで、警告部20eは、走行リンクテーブル272に基づいて、車両の現在地の前方の500メートル以内に存在する第1条件に該当するリンクから車両の進行方向と逆方向に遡って5キロメートル以内に、3キロメートル以上連続して第2条件に該当するリンクの走行が行われているか否かを判別する(ステップSB3)。
3キロメートル以上連続して第2条件に該当するリンクの走行が行われていない場合(ステップSB3:NO)、警告部20eは、処理手順をステップSB5へ移行する。
3キロメートル以上連続して第2条件に該当するリンクの走行が行われている場合(ステップSB3:YES)、警告部20eは、第2の警告を行う(ステップSB4)。すなわち、警告部20eは、音声処理部23を制御して、逆走に注意することを促すメッセージを音声出力する。メッセージの音声出力に際し、警告部20eは、ステップSB2で算出した、「車両の現在地から第1条件に該当するリンクの進入側のノードに至るまでに車両が走行する距離」を示す情報を、メッセージに含める。例えば、車両の現在地から第1条件に該当するリンクの進入側のノードに至るまでに車両が走行する距離が「500メートル」であった場合、ステップSB4において、警告部20eは、所定の警告音を音声出力すると共に、警告音に続けて、『500メートル先、対面通行です。逆走にご注意ください。』というメッセージを音声出力する。
なお、第2条件に該当するリンクの走行後、第1条件に該当するリンクに進入するまでの車両の走行距離が、所定の距離(本実施形態では、5キロメートル)以内である場合に第2の警告を行う理由、及び、第2条件に該当するリンクにおける車両の走行が所定の距離(本実施形態では、3キロメートル)以上である場合に第2の警告を行う理由は、第1の警告で説明した理由と同様である。
ここで、本実施形態では、第2の警告に際し、警告部20eは、画像による逆走の警告を行わない。これは、以下の理由による。すなわち、第1の警告は、車両が実際に第1条件に該当するリンクに進入した場合に行われる警告であり、緊急性が高く、逆走に注意すべきことを強く運転手に認識させる必要がある。このため、第1の警告では、画像、及び、音声により、逆走に関する警告が行われ、運転手に対して、聴覚、及び、視覚を介して、逆走に注意すべきことを強く運転手に認識させている。一方、第2の警告は、第1条件に該当するリンクに進入する前に行われる警告であり、運転手に、前方に対面通行道路が存在することを認識させることができればよく、緊急性が低い。これを踏まえ、本実施形態では、第2の警告は、音声のみによって行われる。これにより、画像によって行われる警告が行われることに起因して、タッチパネル21に表示された地図等の見やすさが阻害されることが防止される。
なお、本実施形態では、上述した理由により、第2の警告は、音声によって行われるが、音声と画像によって行われる構成でもよく、画像によって行われる構成でもよい。
ステップSB4の処理後、警告部20eは、処理手順をステップSB5へ移行する。
ステップSB5において、警告部20eは、重複警告防止処理を実行する。ステップSB5の重複警告防止処理は、第1条件に該当する1のリンクに近づいたことに基づいて行われる第2の警告が、1回のみ行われるようにし、複数回、行われないようにする処理である。重複警告防止処理により、不必要に第2の警告が行われることが防止される。
ステップSB5において、例えば、警告部20eは、1の第1条件に該当するリンクに近づいたことに基づいて第2の警告を行った場合、このことをフラグによって管理し、以後、当該1の第1条件に該当するリンクに近づいた場合であっても、第2の警告を行わないようにする。
なお、重複警告防止処理の方法は、例示した方法に限らない。
ステップSB5の処理後、警告部20eは、処理手順をステップSB1へ戻す。
以上説明したように、本実施形態に係る車載装置1(警告装置)は、警告を行う装置であり、地図データ271(地図情報)を記憶する記憶部27(地図情報記憶部)と、各種処理を行う制御部20と、を備える。制御部20は、現在地を検出する現在地検出部20aと、進入検出部20dと、警告部20eとを備える。進入検出部20dは、現在地検出部20aにより検出された現在地及び記憶部27により記憶される地図データ271に基づいて、上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことを検出する。警告部20eは、上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことが進入検出部20dにより検出されると、所定の警告を行う。
この構成によれば、車載装置1は、車両が上下線分離区間に係る道路を走行した後、車線数が2つ以上あり、上下線非分離区間に係る道路に進入し、当該道路を走行する場合に逆走が発生しやすいことを踏まえ、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態では、進入検出部20dは、複数の車線を有する上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、複数の車線を有する上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことを検出する。警告部20eは、複数の車線を有する上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、複数の車線を有する上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことが進入検出部20dにより検出されると、所定の警告を行う。
この構成によれば、車載装置1は、車線数が2つ以上の上下線分離区間に係る道路(片道道路)を走行した後、上下線非分離区間に係る道路に進入する場合は、車線数が1つの上下線分離区間に係る道路を走行した後、上下線非分離区間に係る道路に進入する場合と比較して、車両が逆走しないように注意することがより強く求められることを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態において、進入検出部20dは、道路種別が高速道路の道路に係る上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、道路種別が高速道路の道路に係る上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことを検出してもよい。また、警告部20eは、道路種別が高速道路の道路に係る上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、道路種別が高速道路の道路に係る上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことが進入検出部20dにより検出されると、所定の警告を行ってもよい。
この構成によれば、車載装置1は、車両が高速道路に対応する上下線分離区間に係る道路を走行した後、一般道路に対応する上下線非分離区間に係る道路に進入した場合は、逆走が起こりやすいことを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切なタイミングで、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態において、進入検出部20dは、上下線分離区間の走行後に、複数の車線を有し中央分離帯がない上下線非分離区間に進入したこと、又は、上下線分離区間の走行中又は走行後に、複数の車線を有し中央分離帯がない上下線非分離区間に近づいたことを検出する。警告部20eは、上下線分離区間の走行後に、複数の車線を有し中央分離帯がない上下線非分離区間に進入したこと、又は、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有し中央分離帯がない上下線非分離区間に近づいたことが進入検出部20dにより検出されると、所定の警告を行う。
この構成によれば、車載装置1は、上下線非分離区間に車両が進入した場合であっても、当該区間に中央分離帯がある場合は、運転手は逆走について注意する必要がないことを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態において、警告部20eは、上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことが進入検出部20dにより検出された場合において、上下線分離区間を走行後、上下線非分離区間に進入するまでの車両の走行距離が、所定の距離(本実施形態では、5キロメートル)以内である場合に、所定の警告を行う。
この構成によれば、車載装置1は、上下線分離区間を走行した後、上下線非分離区間に進入する場合であっても、これら区間の間で車両が走行した距離が相当に長い場合、逆走に関する警告を行う必要がないことを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態では、警告部20eは、上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したこと、又は、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことが進入検出部20dにより検出された場合において、上下線分離区間における車両の走行距離が所定の距離以上である場合に、所定の警告を行う。
この構成によれば、車載装置1は、上下線分離区間を走行した後、上下線非分離区間に進入する場合であっても、上下線分離区間における走行が相当に短い場合、逆走に関する警告を行う必要がないことを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態では、進入検出部20dは、車両が走行する経路を予測し、予測した経路に基づいて、上下線分離区間の走行中又は走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に近づいたことを検出する。
この構成によれば、車載装置1は、車両が上下線非分離区間に近づいたことを的確に検出できる。
また、本実施形態において、進入検出部20dは、車両が走行する経路を、道路網における道路区間を表すリンクの組み合わせによって予測し、1のリンクの次に走行するリンクを予測する際、当該1のリンクに接続するリンクのうち、リンクの方位が、当該1のリンクの方位と近いリンクほど優先して次に走行するリンクと予測してもよい。
この構成によれば、車載装置1は、車両は、所定の目的地に向かって、直線的に走行する場合が多いと想定されることを踏まえ、車両が走行する経路を的確に予測できる。
また、本実施形態において、進入検出部20dは、車両が走行する経路を、道路網における道路区間を表すリンクの組み合わせによって予測し、1のリンクの次に走行するリンクを予測する際、当該1のリンクに接続するリンクのうち、リンクに対応する道路の道路種別が、当該1のリンクに対応する道路の道路種別と同一のリンクを優先して次に走行するリンクと予測してもよい。
この構成によれば、車載装置1は、車両は、同一の道路種別に係るリンクを連続して走行する可能性が高いことを踏まえ、車両が走行する経路を的確に予測できる。
また、本実施形態において、進入検出部20dは、車両が走行する経路を、道路網における道路区間を表すリンクの組み合わせによって予測し、1のリンクの次に走行するリンクを予測する際、当該1のリンクに接続するリンクのうち、リンクに対応する道路の路線番号が、当該1のリンクに対応する道路の路線番号と同一のリンクを優先して次に走行するリンクと予測してもよい。
この構成によれば、車載装置1は、車両が、同一の路線番号に係るリンクを連続して走行する可能性が高いことを踏まえ、車両が走行する経路を的確に予測できる。
また、本実施形態において、警告部20eは、上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したことが進入検出部20dにより検出された場合において、上下線非分離区分に進入したときの車両の速度が所定の閾値を上回る場合に、所定の警告を行ってもよい。
この構成によれば、車載装置1は、上下線非分離区間に進入したときの車両の速度が相当に速い場合に、逆走が発生しやすいことを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態において、警告部20eは、上下線分離区間の走行後に複数の車線を有する上下線非分離区間に進入したことが進入検出部20dにより検出された場合において、上下線非分離区間に信号機が存在しない場合に、所定の警告を行ってもよい。
この構成によれば、車載装置1は、車両が上下線非分離区間に進入した場合において、上下線非分離区間に対応する道路に信号機が存在する場合、運転手が、信号機の存在に基づいて当該道路が対面通行道路であることを認識できることを踏まえ、不必要に警告が行われることを抑制した上で、適切な条件で、逆走に関する警告を行うことができる。
また、本実施形態では、警告部20eは、上下線非分離区間に進入し、又は、近づいたことが進入検出部20dにより検出されて所定の警告を行った場合、重複して警告を行うことを防止する。
この構成によれば、車載装置1は、頻繁に逆走に関する警告が行われて、快適な運転が阻害されることを防止できる。
また、本実施形態では、警告部20eは、上下線非分離区間に進入したことに基づく所定の警告(第1の警告)を音声及び画像によって行い、一方、上下線非分離区間に近づいたことに基づく所定の警告(第2の警告)を音声によって行う。
この構成によれば、車載装置1は、逆走に関する警告の緊急性に応じて、適切な態様で、警告を行うことができる。
また、本実施形態では、ユーザは、車載装置1について、上下線非分離区間に進入したことに基づく所定の警告(第1の警告)、及び、上下線非分離区間に近づいたことに基づく所定の警告(第2の警告)について、両方の警告を行うか、いずれか一方の警告を行うか、いずれの警告も行わないかを設定可能である。
この構成によれば、車載装置1は、ユーザが望むタイミングで逆走に関する警告を行うことができ、ユーザの利便性が向上する。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、図で示したフローチャートの処理単位は、処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。各装置の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、同様の処理が行えれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。