JP2017210792A - トンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシート - Google Patents

トンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシート Download PDF

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高義 松平
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智 松平
稔 岩瀬
Minoru Iwase
稔 岩瀬
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Masanobu Deguchi
正信 出口
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Abstract

【課題】トンネル内壁面からの落下物に伴う事故を減少させると共に、壁面の視認性がよく、かつ清掃しやすくメンテナンス性に優れたガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシートを提供すること。
【解決手段】剥離シートの表面に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群を接着剤層を介してトンネル躯体壁面に貼り付ける貼付工程と、トンネル躯体壁面に貼り付けられた前記面状ガラスビーズ群から前記剥離シートを剥離する剥離工程とを含む、ことを特徴とするトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法。
【選択図】図10

Description

本発明は、トンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシートに関する。
従来、トンネル内の躯体壁面へのタイル取り付け工事は、壁面にタイルを接着剤で貼り付ける工法(タイル直貼り工法)にて行われていたが、最近ではタイルパネルを用いた新工法にて行われるようになってきている。この新工法では、所定寸法にカットされた不燃性ボードのオモテ面に複数のタイルを接着剤で貼り付けることによりタイルパネルを工場にて作製し、複数のタイルパネルを施工現場へ運搬して壁面に支持金具を用いて取り付ける。
トンネル内の壁面に使用されるセラミックタイルは、白度が高く車のヘッドライトの光を反射させて壁面の視認性を高める、汚れにくい、清掃しやすい、メンテナンス性が良好であるといった利点がある。
特開2016−37758号公報
しかしながら、最近は地震や老朽化による落下物に伴う事故が指摘されていることから塗装が見直されているが、塗装は汚れやすく、表面が柔らかいためブラシにて清掃すると剥離しやすく、頻繁に塗り替えする必要が生じるといった問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、トンネル内壁面からの落下物に伴う事故を減少させると共に、トンネル内壁面の視認性がよく、かつ清掃しやすくメンテナンス性に優れたトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシートを提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、剥離シートの表面に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群を接着剤層を介してトンネル躯体壁面に貼り付ける貼付工程と、トンネル躯体壁面に貼り付けられた前記面状ガラスビーズ群から前記剥離シートを剥離する剥離工程とを含む、ガラスビーズ貼付方法が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記ガラスビーズ貼付方法に用いられるガラスビーズシートであって、基材上に粘着剤層が積層してなる剥離シートと、前記剥離シートの前記粘着剤層上に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群とを有するガラスビーズシートが提供される。
本発明のガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシートによれば、次の効果を奏する。
(I)トンネル躯体壁面へ貼り付けられた面状ガラスビーズ群は、微小で軽量なガラスビーズが接着剤層を介してトンネル躯体壁面に接着されているため、個々のガラスビーズは接着剤層から剥落しにくく、仮に個々のガラスビーズが剥落したとしても事故に繋がる危険性は極めて小さい。
(II)ガラスビーズは球体かつ透明であるため再帰性反射材として機能し、車のヘッドライトの光を反射させてトンネル内壁面の視認性を向上させる。
(III)トンネル内壁面の面状ガラスビーズ群の汚れを落とすメンテナンスの際、ガラスビーズはブラシで擦って清掃しても傷が付きにくいため、清掃しやすくメンテナンス性に優れる。
(IV)トンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法は、タイル直貼り工法よりも工事期間を大幅に短縮することができ、かつタイル直貼り工法およびタイルパネル貼付工法よりも低コストにて内装工事することができる。
本発明のガラスビーズ貼付方法に使用するガラスビーズシートの一実施形態を示す一部を拡大した外観図である。 図1のガラスビーズシートの断面図である。 本発明のガラスビーズ貼付方法によってガラスビーズ層が転写されるトンネルの一例を示す模式図である。 図3のトンネルの躯体内壁を示す断面図である。 本発明のガラスビーズ貼付方法によって図3のトンネルの躯体内壁にガラスビーズ層を転写する工程を示す断面図である。 図5の工程に引き続く工程を示す断面図である。 図6の工程に引き続く工程を示す断面図である。 図7の工程に引き続く工程を示す断面図である。 図8の工程に引き続く工程を示す断面図である。 図9の工程に引き続く工程を示す断面図である。 図10の工程後のガラスビーズ層上のコーティング層が剥離した状態を示す断面図である。 本発明のガラスビーズ貼付方法に用いられるガラスビーズシートのガラスビーズが粘着剤層に密に配置された場合の隙間の割合を説明する図である。 実施形態2のガラスビーズシートをトンネルの躯体内壁に貼り付ける工程を示す断面図である。
本発明のトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法は、剥離シートの表面に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群を接着剤層を介してトンネル躯体壁面に貼り付ける貼付工程と、トンネル躯体壁面に貼り付けられた前記面状ガラスビーズ群から前記剥離シートを剥離する剥離工程とを含む。
このガラスビーズ貼付方法において、貼付工程は、次のガラスビーズシートを用いて行うことができる。
このガラスビーズシートは、基材上に積層された粘着剤層上に面状ガラスビーズ群が付着したものである。ここで、剥離シートの表面に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群とは、平面的に視ると粘着剤層の全面にむらなくガラスビーズ群が付着し、かつ断面的に視るとガラスビーズ群は粘着剤層に1つの層のように付着したものを意味している。つまり、この面状ガラスビーズ群においては、各ガラスビーズ上に別のガラスビーズが載っていない。なお、ガラスビーズシートについて、さらに詳しくは後述する。
このガラスビーズ貼付方法において、接着剤層は、トンネル躯体壁面にガラスビーズを接着する接着剤にて形成することができる。この接着剤は、ガラスビーズをトンネル躯体壁面に直接接着できるものに限らず、トンネル躯体壁面に予め形成したプライマー層にガラスビーズを接着できるものであってもよい。なお、接着剤について詳しくは後述する。
剥離工程は、接着剤層に貼り付けられたガラスビーズシートの面状ガラスビーズ群から剥離シート(基材および粘着剤層)を剥離する工程である。この剥離工程は、ガラスビーズに対する硬化後の接着剤層の接着力が、ガラスビーズに対する粘着剤層の粘着力を上回った時点で行われる。これにより、ガラスビーズを接着剤層から剥落させることなく剥離シートを剥離することができる。
本発明のガラスビーズ貼付方法は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記剥離工程の後に、露出した面状ガラスビーズ群上にコーティング層を形成する工程を含んでもよい。
コーティング層は、面状ガラスビーズ群(以下、ガラスビーズ層ともいう)における隣接するガラスビーズ間の隙間を埋めるため、ガラスビーズ間で露出する接着剤層がコーティング層にて保護される。そのため、ガラスビーズ間の接着剤層の汚れ防止、接着剤層への水分浸透による接着力低下の防止、トンネル躯体内へ塩分を含む水分が浸透することによる鉄筋の錆び付きおよびそれに伴うコンクリート剥落の防止(塩害防止)等が図られる。
また、コーティング層は、各ガラスビーズを一体状に覆って接着剤層から剥落し難くすることができると共に、例えば、車のトンネル内壁面への衝突事故によるガラスビーズの飛散防止効果も有する。
(2)前記接着剤層の厚みは、各ガラスビーズの直径の少なとも半分が前記接着剤層内に埋め込まれる厚みに設定されてもよい。
このようにすれば、ガラスビーズの再帰性反射を十分に発揮させながら、接着剤層によるガラスビーズへの接着力を高めることができる。この際、複数のガラスビーズの直径にばらつきがある場合は、大きい直径のガラスビーズは小さい直径のガラスビーズよりも接着剤層内へ埋め込まれにくくなるため、大きい直径のガラスビーズの少なくとも半分が接着剤層内に埋め込まれるように接着剤層の厚みを設定することが好ましい。さらに、このとき、小さい直径のガラスビーズが接着剤層内に埋め込まれ過ぎないよう、貼付工程におけるガラスビーズの接着剤層への押し付けを手加減することが好ましい。
(3)前記コーティング層が、フッ素樹脂を含む層であってもよい。
フッ素樹脂を含む層は、耐候性、耐火性、耐薬品性、防汚性等に優れるため、これらの性質によってガラスビーズ層およびガラスビーズ間の隙間から露出する接着剤層を保護するのに有効である。
フッ素樹脂を含む層は、フッ素樹脂を溶媒に溶かして調製した塗料をガラスビーズ層に塗装し乾燥させることにより形成することができる。
(4)前記ガラスビーズが、透明または白色であってもよい。
ガラスビーズが透明である場合、ガラスビーズの再帰性反射によりトンネル内壁面が輝くため、特に、トンネル内壁面の視認性が低下しやすいトンネル出入り口付近に有効となる。
ガラスビーズが白色である場合、ガラスビーズ層表面で光が乱反射するため、特に、トンネル出入り口付近よりも内部における眩光を抑制しながら照度を高めるのに有効となる。
なお、ガラスビーズが透明である場合はコーティング層も透明とし、ガラスビーズが白色である場合はコーティング層も白色としてもよい。
(5)前記貼付工程の前に、トンネル躯体壁面を粗面化する粗面化工程と、粗面化したトンネル躯体壁面にプライマー層を形成するプライマー層形成工程と、前記プライマー層上に前記接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含んでもよい。
トンネル躯体壁面に接着剤層を介してガラスビーズを貼り付ける場合、トンネル躯体壁面への接着剤層の接着力を高めることが好ましく、そのため、貼付工程の前に、トンネル躯体壁面に対する粗面化工程およびプライマー層形成工程を行うことが好ましい。
ここで、粗面化工程とは、トンネル躯体壁面へのプライマー層および/または接着剤層の食いつきをよくするためにトンネル躯体壁面に細かい凹凸を付けて表面を粗くする(粗面化する)工程であって、その手段および方法は特に限定されるものではない。例えば、コンクリートを研削可能な研磨チップが外周部に複数個設けられたカップホイールを電動工具にて回転させるカップサンダーを用いたサンダーケレンやそれに類する道具(例えば、ヤスリ)等を用いて粗面化工程を行うことができる。この際、トンネル躯体壁面に古い内装材(タイル、タイルパネル、塗膜等)、接着剤層、プライマー層、金具等が形成されている場合は、トンネル躯体壁面を露出させるためにこれらを除去する工程も粗面化工程に含まれる。
粗面化工程とプライマー層形成工程との間に、粗面化したトンネル躯体壁面を清掃する清掃工程と、トンネル躯体壁面に存在する金具取付用の孔や凹みにパテやモルタル等を埋め込んで平坦にする補修工程とを選択的に行ってもよい。
清掃工程は、粗面化したときに生じた粉塵や粒等をトンネル躯体壁面から除去する工程であり、その手段および方法は特に限定されるものではなく、例えば、高圧水洗浄機を用いた水洗浄、真空引きによる集塵、エアーの吹き付け等にて行うことができるが、粉塵の再付着が生じ難いことから水洗浄または集塵が好ましく、作業性の面から水洗浄が特に好ましい。なお、水洗浄による清掃工程には、濡れたトンネル躯体壁面を乾燥させる工程が含まれる。
プライマー層形成工程は、トンネル躯体壁面との密着性および接着剤層との密着性が良好なプライマー材料を用いてトンネル躯体壁面に塗装し乾燥する工程であり、必要に応じて複数回繰り返し行ってもよい。なお、プライマー材料については後述する。
プライマー層形成工程と接着剤層形成工程との間に、工事期間中にトンネル内を走行する車の排気ガスや砂埃等によって汚れたプライマー層を水洗浄し乾燥させる工程が含まれてもよい。
プライマー層形成後の前記接着剤層形成工程は、プライマー層との密着性が良好な接着剤を用いてトンネル躯体壁面上のプライマー層に接着剤を塗布する工程であり、接着強度および作業性の観点から通常はこの工程順で接着剤形成工程が行われる。
なお、接着剤層形成工程は、この工程順で行われることに限定されず、例えば、プライマー層を形成しない場合は、トンネル躯体壁面(通常はコンクリート壁面)と密着性の良好な接着剤を用いてトンネル躯体壁面(粗面化有りまたは無し)に直接接着剤を塗布する工程となる。
(6)前記プライマー層が、白色であってもよい。
このようにすれば、塗布したプライマー層の高い拡散反射率に基づき、トンネル内の照度をある程度維持することができる。この結果、トンネル内壁面の内装工事中におけるトンネル内照度低下による通行車両の接触事故を防ぐことができる。
また、白色プライマー層の初期拡散反射率は、60〜90%と反射率が高く、かつ白色であることから、白色プライマー層に付着した埃および汚れはトンネル内でも容易に視認できる。そのため、必要に応じて白色プライマー層に付着した埃および汚れを水洗浄で落としてから接着剤層を形成することにより、接着剤層を介したプライマー層とガラスビーズ層との密着性(接着力)を高めることができる。
また、ガラスビーズ層の下地が白色プライマー層により白色となることにより、ガラスビーズが透明であってもトンネル内が明るくなり、トンネル内壁面の視認性が高められる。
本発明による白色プライマー層に含有される白色顔料としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、鉛白、亜鉛華、リトポン等が挙げられるが、屈折率、着色力および特に塗布したプライマー表面の拡散反射率の高さの観点から、酸化チタンが好ましい。
なお、接着剤層にも白色顔料が含まれてもよいが、白色度を高めると白色顔料の割合が増加して接着強度が低下するため、白色プライマー層の白色度を補強する程度に留める程度とすることが好ましい。
この酸化チタンの粒径としては、粒径が0.1μm未満の超微粒子では、酸化チタン粒子を使用しても酸化チタンの白色度よりも透明度が高くなり白色プライマー層および白色接着剤層への使用は好ましくない。また、粒径2.0μmより大きな粒子径では、酸化チタンの分散性が良好でなく、酸化チタンの使用量に対して得られる拡散反射率の観点から望ましくない。したがって、分散性および得られる塗布面の拡散反射率の高さの観点から、粒径0.1〜2.0μmの酸化チタン粒子が好ましい。
本発明において、プライマーのポリマー基剤としては、当業者に公知の塗料またはプライマー用の水性基剤または有機溶剤系ポリマー基剤を用いることができる。
水系プライマー基剤には、現場にて使用直前に必要量を調製できる2液混合型のエポキシ樹脂が好ましい。
例えば粘度8,000〜12,000、エポキシ当量190〜205のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤として固形分60%、アミン価65〜85(KOHmg/g)の変性ポリアミドアミンが好適に用いられる。
また、市販の水系エポキシ樹脂主剤に酸化チタン粉末を10〜40重量%混入撹拌したものと、透明な市販のエポキシ樹脂硬化剤とを現場で混合して使用することもできる。
なお、エポキシ樹脂の代わりにウレタン樹脂またはアクリル樹脂を用いることもできる。
また、有機溶剤系プライマーのポリマー基剤には、現場にて使用直前に必要量を調製できる2液混合型のエポキシ樹脂が好ましく、例えば分子量約50,000で、エポキシ当量7,500〜8,500で常温で固形、または分子量約45,000でエポキシ当量6,700〜8,000で、固形分39〜42%のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤として色相5以下、アミン価515〜575(KOHmg/g)、可使時間120分の低粘度グレードのエポキシ樹脂硬化剤、色合2以下、アミン価310〜340(KOHmg/g)、可使時間300分の遅硬化グレードのエポキシ樹脂硬化剤、色合3以下、アミン価225〜275(KOHmg/g)、可使時間360分の可撓性グレードのエポキシ樹脂硬化剤、色合2以下、アミン価235〜265(KOHmg/g)、可使時間300分の変性脂肪族アミングレードのエポキシ樹脂硬化剤等が好適に用いられる。
なお、エポキシ樹脂の代わりにウレタン樹脂またはアクリル樹脂を用いることもできる。
本発明において、トンネル躯体壁面へのプライマー層の形成は、プライマー塗料を公知のプライマー用希釈剤を好適に選択して使用し、当業者に公知の方法である刷毛、コテおよびローラー等を用いてトンネル躯体壁面に塗布することにより形成することができる。
(7)前記接着剤層が、白色であってもよい。
通常、接着剤層はプライマー層よりも薄く形成されるため、白色接着剤層は白色プライマー層の白色を補強する役割として用いられることが好ましい。また、白色接着剤層に用いられる白色顔料は、白色プライマー層に用いられるものと同じものを使用することができるが、接着剤層としての必要な接着力が低下しない程度の割合とされる。
また、接着剤層を形成する接着剤としては、プライマー層とガラスビーズ層とに接着するものであれば特に限定されるものではないが、一例としては、エポキシ樹脂を主剤とし、ポリアミドアミンを硬化剤とする2液混合型のエポキシ系接着剤を用いることができる。
本発明のガラスビーズ貼付方法に使用されるガラスビーズシートは、基材上に粘着剤層が積層してなる剥離シートと、前記剥離シートの前記粘着剤層上に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群とを有し、次のように構成されてもよい。
ガラスビーズシートは、ロール状に巻かれてなるものであってもよい。
また、前記粘着剤層が、紫外線照射によって粘着力が低下する粘着剤または熱によって粘着力が低下する粘着剤からなるものであってもよい。
また、各ガラスビーズにおける前記粘着剤層とは反対側の面に、透明、白色または銀色塗膜が形成されていてもよい。
また、前記ガラスビーズの直径が0.1〜2mmであってもよい。
なお、これらのガラスビーズシートについて詳しくは後述する。
以下、図面を参照しながら本発明のガラスビーズ貼付方法およびガラスビーズシートの実施形態を詳説する。
(実施形態1)
図1は本発明のガラスビーズ貼付方法に使用するガラスビーズシートの一実施形態を示す一部を拡大した外観図であり、図2は図1のガラスビーズシートの断面図である。また、図3は本発明のガラスビーズ貼付方法によってガラスビーズ層が転写されるトンネルの一例を示す模式図であり、図4は図3のトンネルの躯体内壁を示す断面図である。
<ガラスビーズシートについて>
実施形態1のガラスビーズ貼付方法では、図1に示すロール状のガラスビーズシート10を用いて、図3に示すトンネルTの躯体壁面Wにおける所定高さHの範囲を内装する。
ガラスビーズシート10は、剥離シート11の表面(一面)に複数の球状ガラスビーズ12aが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群(ガラスビーズ層)12を有する。
ロール状のガラスビーズシート10の幅は特に限定されるものではないが、作業性の効率化、作業員による扱い可能なサイズ、トンネルTの躯体壁面Wにおける所定高さH等を考慮すると、例えば、1mが適当である。また、ロール状のガラスビーズシート10の長さも特に限定されるものではないが、作業員による扱い可能な重量を考慮すると、例えば、10〜30mが適当である。
剥離シート(粘着シート)11は、基材11aと、基材11aの一面に積層された粘着剤層11bとを有してなり、粘着剤層11b上に複数のガラスビーズ12aが密に配置され粘着している。
基材11aとしては、剥離シートの基材として用いられている公知の塩化ビニル、PE、OPP、PET、四フッ化エチレン、ポリイミド、PC、PS等の樹脂フィルムを用いることができる。
粘着剤層11bとしては、剥離シートの粘着剤として用いられている公知のゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤を用いることができる。
また、UV照射前は粘着性を有し、UVを照射すると粘着力が急激に低下する性質を有する紫外線硬化型粘着剤を用いてもよい。紫外線硬化型粘着剤の主成分としては、例えば、2-Ethyihexyl acrylate(2-EHA)、2-Methacryloyloxythyl isocyanate (MOI)、2-Hydroxyethyl acrylate (HEA)等が挙げられ、その他の成分として安定剤、酸化防止剤、光開始剤等が挙げられる。これらの主成分を含む紫外線硬化型粘着剤がUV照射により硬化することにより、2-EHA由来のポリマー、HEA由来のポリマー、HEAにMOIが結合したポリマーが生成して粘着剤層11bの粘着力が低下し、ガラスビーズ12aからの良好な剥離性が発現する。なお、紫外線硬化型粘着剤を用いる場合、基材11aは紫外線が透過可能な透明フィルムとされる。
また、常温では粘着性を有し、熱を加えると粘着力が急激に低下する性質を有する熱硬化型粘着剤を用いてもよい。この場合、接着剤層に貼り付けたガラスビーズシートの基材11a側から業務用ドライヤーにて粘着剤層11bに熱を加えることにより、粘着剤を硬化させて粘着剤層11bのガラスビーズ層12に対する粘着力を低下させた後、剥離シート11をガラスビーズ層12から剥離する。
このような紫外線硬化型粘着剤層または熱硬化型粘着剤層が基材上に積層されてなる剥離シートは、市販品を用いることができる。
ガラスビーズの直径としては0.1〜2mmが適当であり、この範囲内のガラスビーズが混合したガラスビーズシートを用いてもよいが、できるだけガラスビーズの大きさを揃えることが好ましい。具体的には、例えば、基準直径±0.3mm程度に揃えたガラスビーズを用いることが好ましい。基準直径としては、例えば、1mm程度とすることができる。
ガラスビーズ12aは、透明または白色とすることができ、トンネルT内におけるガラスビーズ層12の転写位置に応じて透明と白色を使い分けることができる。例えば、トンネルTの出入り口付近(例えば、出入り口から100m程度進んだ範囲)は透明ガラスビーズとし、出入り口付近以外は白色ガラスビーズとする。
ガラスビーズシートの製造方法としては、特に限定されるものではなく、各種製造方法を採用することができ、例えば、次のような製造方法が挙げられる。
(A)ロール状の剥離シートを操り出しながら粘着剤層に粉体としてのガラスビーズをエアー流によって吹き付けた後、ガラスビーズが付着した剥離シートを芯材に巻き取る方法。
(B)ロール状の剥離シートを操り出しながらホッパー内に投入した粉体としてのガラスビーズをスリットに通して膜状に落下させ、粘着剤層を上に向けた状態で剥離シートを粉体膜中に潜らせた後、ガラスビーズが付着した剥離シートを芯材に巻き取る方法。
(C)剥離シートを複数のローラーに張架し、1つのローラーを容器内に収容された粉体としてのガラスビーズに押し付けて粘着剤層にガラスビーズを付着させ、ガラスビーズが付着した剥離シートを芯材に巻き取る方法。
これらのガラスビーズシートの製造方法においては、剥離シート11の粘着剤層11b上にガラスビーズが単層の面状に付着するよう、粘着剤層11bに付着していない余分なガラスビーズは除去される。
なお、剥離シートは、従来公知の製造方法によって製造することができる。但し、剥離シートおよびガラスビーズシートの製造において、イソシアネート基を有する主成分を含む紫外線硬化型粘着剤を剥離シートの粘着剤層に採用する場合は、主成分中のイソシアネート基に空気中の水分(-OH)ができるだけ反応しないよう工場内の湿度を下げ、かつ水分を遮断可能な包装袋内に剥離シートおよびガラスビーズシートを密封しておくことが好ましい。
図12は本発明のガラスビーズ貼付方法に用いられるガラスビーズシートのガラスビーズが粘着剤層に密に配置された場合の隙間の割合を説明する図である。なお、図12において、円はガラスビーズ12aの輪郭を表している。
ガラスビーズシート10において、粘着剤層11b上に、均一な直径の複数のガラスビーズ12aが密に配置された場合、平面的に視て、隣接するガラスビーズ間の隙間におけるガラスビーズ1個当たりの面積(以下、隙間の単位面積という)は、次のようにして求めることができる。
円の半径をr、円の面積をS1、円と接する正六角形の面積をS2とすると、
1=πr2
2=6r2tan30°
であるから、隙間の単位面積は、
2−S1=(6r2tan30°−π)r2
となる。
そして、ガラスビーズ1個当たりの隙間の単位面積の割合は、
2−S1/S2=(6r2tan30°−π)r2/6r2tan30°
=(6r2tan30°−π)/6tan30°
≒0.09
となり、約9%であると算出できる。
このようにして算出したガラスビーズ1個当たりの隙間の単位面積の割合(約9%)は、トンネルTの躯体壁面Wの表面に形成した後述の接着剤層B(図9参照)へガラスビーズ層12を転写した状態における接着剤層Bの露出度と見なすことができる。
本発明においては、ガラスビーズ層12で覆うべきトンネルTの躯体壁面Wをできるだけ多くのガラスビーズ12aにて覆って前記効果(I)〜(IV)を最大限に得ようとする観点から、接着剤層Bの露出度を前記割合(約9%)に近づけることが望ましい。接着剤層Bの露出度は、ガラスビーズシート10における複数のガラスビーズ12aの直径が所定範囲内(例えば、0.1〜2mm)でばらついている場合を想定しても、少なくとも20%以下とするのが好ましく、15%以下とするのがさらに好ましい。
換言すると、ガラスビーズシート10におけるガラスビーズ12aの面積的な密度は、約91%に近づけることが望ましく、少なくとも80%超とするのが好ましく、85%超とするのがさらに好ましい。
<ガラスビーズ貼付方法について>
図5は本発明のガラスビーズ貼付方法によって図3のトンネルの躯体内壁にガラスビーズ層を転写する工程を示す断面図である。また、図6は図5の工程に引き続く工程を示す断面図であり、図7は図6の工程に引き続く工程を示す断面図であり、図8は図7の工程に引き続く工程を示す断面図であり、図9は図8の工程に引き続く工程を示す断面図であり、図10は図9の工程に引き続く工程を示す断面図である。
実施形態1のトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法は、トンネル躯体壁面をサンダーケレンする粗面化工程、サンダーケレンしたトンネル躯体壁面を水洗浄する工程(乾燥を含む)、水洗浄したトンネル躯体壁面上にプライマー層を形成するプライマー層形成工程、前記プライマー層上に接着剤層を形成する接着剤層形成工程、前記ガラスビーズシートのガラスビーズ層を接着剤層に貼り付ける貼付工程、ガラスビーズシートの剥離シートをガラスビーズ層から剥離する剥離工程およびガラスビーズ層上にコーティング層を形成するコーティング層形成工程が、この順で行われる。
詳しく説明すると、図3と4に示すように、トンネルTの躯体壁面Wにおける所定高さHの範囲にガラスビーズ貼付方法にてガラスビーズ層を転写するに際して、躯体壁面Wに撤去すべき内装材(タイル、タイルパネル、塗装等)が存在する場合は内装材を撤去して、躯体壁面Wを露出させる。
次に、露出したトンネルTの躯体壁面Wを、カップサンダーを用いてサンダーケレンする粗面化工程を行う。これにより、図5に示すように、躯体壁面W1の表面が粗くなる。
次に、サンダーケレンして荒らしたトンネルTの躯体壁面W1を水洗浄し、引き続き濡れた躯体壁面W1を乾燥させる(第1の水洗浄工程)。
次に、図6に示すように、乾燥した躯体壁面W1の表面にプライマーを塗装し乾燥させてプライマー層Pを形成する。このとき、プライマーに白色系顔料を混合してもよい。なお、プライマーの一回塗りの厚みとしては、例えば、0.05〜1mmであり、複数回重ね塗りしてもよい。
次に、必要に応じて、プライマー層Pの表面を水洗浄し、引き続き濡れたプライマー層Pを乾燥させる(第2の水洗浄工程)。さらに、必要に応じて、プライマー層Pの表面の凹凸を削る、あるいは接着剤で不陸を調整して滑らかにする工程を行う。なお、ここで使用する接着剤は、次工程で使用する接着剤と同じものを用いることができる。
次に、プライマー層Pの表面に接着剤を塗布して接着剤層Bを形成する。このとき、接着剤に白色系顔料を適量混合してもよい。このとき、接着剤層Bの厚みは、ガラスビーズ12aの直径の少なとも半分が接着剤層B内に埋め込まれる厚みとするのが好ましことから、接着剤層Bの厚みは少なくともガラスビーズの直径の半分程度が好ましい。例えば、市販のガラスビーズ12aの直径が0.6〜1mmであるとすると、接着剤層Bの厚みは、例えば、0.3〜0.6mm程度とされる。
次に、図7に示すように、ガラスビーズシート10のガラスビーズ層12を接着剤層Bに貼り付ける貼付工程を行う。この際、図1で示したロール状のガラスビーズシート10の一端を接着剤層Bの一端に貼り付け、ロール部分を移動させて連続的にガラスビーズシート10を繰り出しながら接着剤層Bに貼り付けていくことができる。これにより、ガラスビーズシート10の剥離シート11が露出する。
この貼付工程では、ロール状のガラスビーズシート10を作業員が担ぎながら移動して作業するようにしてもよいが、次のようにしてもよい。
例えば、ロール状のガラスビーズシート10を支持するキャスター付きの支持台(図示省略)を用意し、支持台に垂直に設けたポールをパイプ形の芯材13に挿入してガラスビーズシート10を回転可能に支持し、1人の作業員が支持台を移動させることによりガラスビーズシート10を繰り出し、別の1人の作業員がガラスビーズシート10を接着剤層Bに貼り付けるようにしてもよい。このようにすれば、少ない人員でも能率よく作業することができる。
この貼付工程において、個々のガラスビーズ12aは接着時にある程度接着剤層B内に埋め込まれるが、図8に示すように、ガラスビーズシート10を適度な力で接着剤層Bに押し付けて、各ガラスビーズ12aの大きさの半分程度(好ましくは、少なくとも半分)を接着剤層B内に埋め込む。このとき、接着剤層Bの厚みがガラスビーズ12aの直径の半分に設定されていれば、ガラスビーズ12aが硬化したプライマー層Pに接触するまでガラスビーズシート10を押し付ければよい。また、ガラスビーズシート10における複数のガラスビーズ12aの大きさに多少ばらつき(例えば、直径0.6〜1mm)がある場合は、接着剤層Pの厚さを、大きいガラスビーズの直径の半分に設定すればよい。なお、この段階では各ガラスビーズ12aは粘着剤層11b上(同一面上)に揃えられているため、押し付けによって小さいガラスビーズが接着剤層B内に完全に埋め込まれてしまうという事態は生じにくい。
次に、図9に示すように、ガラスビーズシート10の剥離シート11をガラスビーズ層12から剥離する剥離工程を行う。この剥離工程は、各ガラスビーズ12aを支持する接着剤層Bの接着力が、各ガラスビーズ12aを支持する粘着剤層11bの粘着力よりも大きくなった時点以降に行われる。それにより、各ガラスビーズ12aが接着剤層Bから剥落することなく剥離シート11を剥がすことができる。
ガラスビーズシート10の粘着剤層11bが前記紫外線硬化型粘着剤である場合、剥離工程時にはUVライトを用いてガラスビーズシート10の基材11a側から紫外線を照射する。これにより、基材11aを透過した紫外線が粘着剤層11bに照射され、粘着剤層11bの粘着力が急激に低下するため、剥離シート11をガラスビーズ層12から短時間で簡単に剥がすことができる。
次に、図10に示すように、ガラスビーズ層12上にコーティング層Cを形成するコーティング層形成工程を行う。これにより、本発明のトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法が完了する。この際、コーティング層Cの材料として、耐候性、耐火性、耐薬品性、防汚性等に優れたフッ素系樹脂塗料を用いてスプレー、刷毛塗り等の塗装を行ってコーティング層Cを形成することができる。なお、コーティング層Cは、ガラスビーズ12a間の谷間から露出する接着剤層Bを十分覆い、かつガラスビーズ12aの半球が維持される(再帰性反射が維持される)程度の膜厚であればよく、ガラスビーズ12aが完全に埋まる膜厚まで厚くする必要はない。
このように、本発明のトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法は、ガラスビーズシート10の密に配置された複数のガラスビーズ12aをトンネル躯体壁面W1側の接着剤層Bへ転写する方法であり、接着剤層Bへ複数のガラスビーズ12aが密に配置された(密度ムラが無い)状態で、かつ単層で、かつ大きさの半分程度が露出した状態で転写される。
なお、ガラスビーズを混合した塗料をトンネル躯体壁面へ吹き付ける塗装では、ガラスビーズの密度ムラ、ガラスビーズ層が複数層となる、ガラスビーズが塗膜内に埋没する等が生じやすいため、ガラスビーズ特有の再帰性反射性能は得られにくい。
トンネルTの躯体内壁面W1に転写されたガラスビーズ層12上のコーティング層Cに、トンネルT内を走行する車の排気ガス、砂埃等の汚れが付着した場合、定期的に洗浄される。この際、ブラシを用いてコーティング層Cを繰り返し擦ると、図11に示すように、各ガラスビーズ12a上のコーティング層Cが剥がれる場合がある。しかしながら、ガラスビーズ12a間のコーティング層Cは窪みにあるため剥がれにくく、接着剤層Bが暴露しないよう長期間保護層として機能する。また、各ガラスビーズ12a上からコーティング層Cが剥がれても、ガラスビーズ12aの再帰性反射は得られると共に、ガラスビーズ12aは清掃時のブラッシングによっても傷が付きにくいため問題はない。
実施形態1のガラスビーズ貼付方法は、従来のタイル直貼り工法と比較すると、大幅に工事期間を短縮することができ、それらの比較を表1に示した。
Figure 2017210792
(実施形態2)
図13は実施形態2のガラスビーズシートをトンネルの躯体内壁に貼り付ける工程を示す断面図である。なお、図13において、図2および図10中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態2のガラスビーズシート100は、実施形態1のガラスビーズシート10(図2参照)の各ガラスビーズ12aにおける粘着剤層11bとは反対側の面に、透明、白色または銀色塗膜12bが形成されているものである。
この透明、白色または銀色塗膜12bの材料には、接着剤層Bおよびガラスビーズ12aへの接着性が良好な塗料が用いられ、例えば、接着剤層Bで用いた透明の接着剤、またはその接着剤に白色顔料または銀色粉末(例えば、アルミニウム粉末)を混合した塗料を用いることができる。なお、接着剤層Bの接着剤よりもガラスビーズ12aとの密着性に優れた樹脂材料を用いてもよい。
透明、白色または銀色塗膜12bは、例えば、剥離シート11の粘着剤層11bにガラスビーズ層12を貼り付けた後、ガラスビーズ層12の粘着剤層11b側とは反対側の面に塗料を吹き付けて乾燥させることにより形成することができる。この塗装により、各ガラスビーズ12aの略半分の面が塗膜12bによって覆われる。この際、ガラスビーズ層12を下または斜め下に向けた状態で塗装すれば、粘着剤層11bにできるだけ塗料が載らないようにすることができる。なお、塗装時にガラスビーズ間で露出する粘着剤層11bに塗料が付着するため、粘着剤層11bの粘着剤と塗膜12bの塗料とは相互に悪影響を及ぼさない材料を選択することが望ましい。
このガラスビーズシート100によれば、接着剤層Bに転写されたガラスビーズ層12と接着剤層Bとの間には透明、白色または銀色塗膜12bが設けられることとなる。この結果、ガラスビーズ間におけるガラスビーズ12aと接着剤層Bとの間に隙間が形成されにくくなり、この隙間からガラスビーズ12aの裏側に汚れが侵入し、ガラスビーズ層12を清掃しても汚れが落ちないという不具合が生じにくくなる。また、塗膜12bを白色または銀色とすることにより、仮にガラスビーズ12aの裏側に汚れが侵入したとしても目立ちにくく、かつ再帰性反射に悪影響を与えることがなくなる。
(実施形態3)
実施形態1では、ロール状のガラスビーズシートを用いたガラスビーズ貼付方法を例示したが、所定サイズの矩形ガラスビーズシートを必要枚数用いて施工してもよい。この方法によれば、1人の作業員によってガラスビーズシート貼付工程を行うことができる。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 ガラスビーズシート
11 剥離シート
11a 基材
11b 粘着剤層
12 ガラスビーズ層
12a ガラスビーズ
12b 塗膜
B 接着剤層
C コーティング層
P プライマー層
T トンネル
W、W1 躯体壁面

Claims (13)

  1. 剥離シートの表面に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群を接着剤層を介してトンネル躯体壁面に貼り付ける貼付工程と、トンネル躯体壁面に貼り付けられた前記面状ガラスビーズ群から前記剥離シートを剥離する剥離工程とを含む、ことを特徴とするトンネル内壁面へのガラスビーズ貼付方法。
  2. 前記剥離工程の後に、露出した面状ガラスビーズ群上にコーティング層を形成する工程を含む、請求項1に記載のガラスビーズ貼付方法。
  3. 前記接着剤層の厚みは、ガラスビーズの直径の少なとも半分が前記接着剤層内に埋め込まれる厚みに設定される請求項1または2に記載のガラスビーズ貼付方法。
  4. 前記コーティング層が、フッ素樹脂を含む層である請求項2に記載のガラスビーズ貼付方法。
  5. 前記ガラスビーズが、透明または白色である請求項1〜4のいずれか1つに記載のガラスビーズ貼付方法。
  6. 前記貼付工程の前に、トンネル躯体壁面を粗面化する粗面化工程と、粗面化したトンネル躯体壁面にプライマー層を形成するプライマー層形成工程と、前記プライマー層上に前記接着剤層を形成する接着剤層形成工程とを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載のガラスビーズシート貼付方法。
  7. 前記プライマー層が、白色である請求項6に記載のガラスビーズ貼付方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のガラスビーズ貼付方法に用いられるガラスビーズシートであって、基材上に粘着剤層が積層してなる剥離シートと、前記剥離シートの前記粘着剤層上に複数のガラスビーズが単層の面状に仮付着してなる面状ガラスビーズ群とを有するガラスビーズシート。
  9. ロール状に巻かれてなる請求項8に記載のガラスビーズシート。
  10. 前記粘着剤層が、紫外線照射によって粘着力が低下する粘着剤からなる請求項8または9に記載のガラスビーズシート。
  11. 前記粘着剤層が、熱によって粘着力が低下する粘着剤からなる請求項8または9に記載のガラスビーズシート。
  12. 各ガラスビーズにおける前記粘着剤層とは反対側の面に、透明、白色または銀色塗膜が形成されている請求項8〜11のいずれか1つに記載のガラスビーズシート。
  13. 前記ガラスビーズの直径が0.1〜2mmである請求項8〜12のいずれか1つに記載のガラスビーズシート。
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JP2020076227A (ja) * 2018-11-06 2020-05-21 藤森工業株式会社 トンネル用防水シート

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