JP2017210746A - コンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法 - Google Patents

コンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート構造物の劣化診断を目視により正確かつ迅速に行うことができるコンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法を提供することを目的とする。【解決手段】コンクリート構造物101は、コンクリート表面102の所定の範囲に形成された目印線107と、コンクリート表面102を被覆する第1の合成樹脂膜103と、第1の合成樹脂膜103に形成された基準線108とを有している。また、目印線107と基準線108は、平面的に重なり合うように形成され、コンクリート構造物101に表面変位が発生すると、目印線107が、基準線108に対してコンクリート構造物101の変位する方向に移動する。したがって、目印線107と基準線108の重なり状態にもとづいて、コンクリート構造物101の表面変位を目視確認することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法に関するものである。詳しくは、コンクリート構造物の劣化診断を目視により正確かつ迅速に行うことができるコンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法に係るものである。
橋梁やトンネルなどのコンクリート構造物は、様々な環境下で時間の経過とともに劣化が進み、コンクリート構造物の強度や耐久性に重大な影響を与える。このような劣化の原因としては、塩害、疲労劣化など周囲環境により種々の原因が考えられる。例えば、塩害は、海水の飛沫や寒冷地での融雪剤の散布によりコンクリート内部に塩化物イオンが浸入し、鉄筋腐食により引き起こされる劣化である。また、疲労劣化は、自動車や列車などの通過、地震による繰り返し荷重を受けることによる劣化である。
コンクリート構造物の劣化が進行すると、コンクリート表面に亀裂が発生することが知られている。亀裂は、コンクリート構造物の劣化の加速や美感、および景観の点で問題となるだけでなく、壁面や天井面からコンクリート片が剥落して重大な事故原因ともなる。
このようなコンクリート片の剥落を防止する技術として、例えば本出願人が出願した特許文献1には、コンクリート構造物の表面に透明樹脂を介してガラス連続繊維シートを積層する技術が開示されている。
具体的には、図7に示すように、コンクリート構造物201のコンクリート表面202には、第1の合成樹脂膜203を介して、平板状のガラス繊維糸が縦横斜めに編み込まれたガラス連続繊維シート204が積層されている。さらに、このガラス連続繊維シート204を封止する第2の合成樹脂膜205と、ファイナルコーティングとしての第3の合成樹脂膜206を備えている。特許文献1によれば、コンクリート表面202を補強することができるため、亀裂発生の遅延、およびコンクリート片の剥落を防止することが可能となる。
また、特許文献2には、光ファイバを用いた歪分布計測器によりコンクリート構造物に生じる歪量を測定する技術が開示されている。
具体的には、図8に示すように、光ファイバ309をコンクリート構造物301の検査対象箇所に敷設する。光ファイバ309の一端側には、光ファイバ309を時分割により選択する光スイッチ310が接続されている。さらに、光スイッチ310には、光ファイバ309に作用する応力を介してコンクリート表面に作用する歪を検出する歪検出器311が接続されている。作業者は、歪検出器311をモニタリングすることにより、コンクリート表面に生じる歪などの亀裂発生の前兆(以下、総称して「表面変位」という。)を定量的に把握することができる。
特開2011−169085号公報 特開2001−241925号公報
ここで、亀裂の兆候を事前に検知して、亀裂が生じる前に補修工事を施すことができれば、小規模の補修工事によりコンクリート構造物の延命化を図ることが可能となる。この点、特許文献1に開示の技術においては、亀裂の発生を遅延させることはできても、亀裂の兆候を事前に検知することは困難なものとなっていた。
また、特許文献2に開示の技術においては、歪計測器をモニタリングすることにより、コンクリート構造物に生じるわずかな表面変位を検知し、コンクリート構造物に亀裂が発生する前に補修工事を施すことが可能である。しかしながら、コンクリート構造物の測定箇所に光ファイバを設置するには多大な労力を必要とし、特に、現地立ち入りの困難な河川橋、架道橋などにおいては、光ファイバの設置に際して作業員の安全確保が重要課題となっていた。さらに、光ファイバを用いた歪分布計測器はシステム価格が高価であるなどの問題があった。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、コンクリート構造物の劣化診断を目視により正確かつ迅速に行うことができるコンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明のコンクリート構造物は、コンクリート構造物のコンクリート表面の所定の範囲に形成された目印線と、前記コンクリート表面を被覆する透明または半透明の被覆膜と、前記基準線と平面的に重なり合うように前記被覆膜の所定の範囲に形成された基準線とを備える。
ここで、コンクリート表面の所定の範囲に形成された目印線と、この目印線に平面的に重なり合うように被覆膜に形成された基準線により、コンクリート構造物に表面変位が発生していない場合には、目印線と基準線は重なり合った状態となる。一方、コンクリート構造物に表面変位が発生すると、目印線と基準線が重なり合った状態から、目印線が基準線に対して移動する。したがって、目印線と基準線の重なり状態から、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
また、コンクリート表面を被覆する被覆膜が透明または半透明であることにより、被覆膜に形成された基準線はもちろんのこと、コンクリート表面に形成された目印線も被覆膜を介して外部から視認することができる。したがって、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
また、目印線の線幅は基準線の線幅と略同じか、または幅狭に形成されている場合には、コンクリート構造物がわずかに表面変位しても、目印線と基準線の重なり状態から、その変位量を定性的に把握することができる。したがって、より確実にコンクリート構造物の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
また、目印線と基準線は、相互に異なる着色が施されている場合には、目印線と基準線を明確に区別することができる。したがって、より確実にコンクリート構造物の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
また、目印線および基準線が、所定の間隔で幅方向に複数形成されている場合には、コンクリート構造物の広範囲における表面変位の発生状態を目視確認することができる。
また、被覆膜が少なくともコンクリート表面に貼着された透明または半透明の合成樹脂膜であり、この合成樹脂膜に基準線が形成されている場合には、合成樹脂膜が透明または半透明であるため、基準線はもちろんのことコンクリート表面に形成された目印線も、合成樹脂膜を介して外部から視認することができる。したがって、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
また、第1の合成樹脂膜と、この第1の合成樹脂膜に積層されたガラス連続繊維シートを有することにより、コンクリート構造物の表面を強化することができる。したがって、コンクリート表面の表面変位の発生をおさえることができるとともに、例え亀裂が生じても、コンクリート片の剥落を防止し、周辺被害を最小限におさえることができる。
また、ガラス連続繊維シートを封止する透明または半透明の第2の合成樹脂膜を有することにより、一般的にガラス連続繊維シートは白色であるが、ガラス連続繊維シートに第2の合成樹脂膜を含浸させることで、ガラス連続繊維シートを透明または半透明とすることができる。したがって、コンクリ―ト表面に形成した目印線を外部からも視認することができる。よって、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
また、第2の合成樹脂膜に貼着された透明または半透明の第3の合成樹脂膜を有する場合には、コンクリート表面をさらに強化することができる。したがって、コンクリート構造物の表面変位の発生をおさえることができる。
また、透明または半透明の第3の合成樹脂膜に基準線が形成されている場合には、中間層に位置する第1の合成樹脂膜、ガラス連続繊維シート、第2の合成樹脂膜のそれぞれが透明または半透明であることから、基準線はもちろんのことコンクリート表面に形成された目印線も外部から視認することができる。したがって、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
また、目印線が第1の方向に形成された第1の目印線と、第1の目印線と所定の角度で交差する第2の方向に形成された第2の目印線とを有し、基準線が第1の目印線と平面的に重なり合う第1の基準線と、第2の目印線と平面的に重なり合う第2の基準線とを有する場合には、コンクリート構造物の多方向の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
前記の目的を達成すために、本発明のコンクリート構造物の製造方法は、コンクリート構造物のコンクリート表面の所定の範囲に目印線を形成する工程と、前記コンクリート表面に透明又は半透明の被覆膜を貼着する工程と、前記目印線と平面的に重なり合うように前記被覆膜の所定の範囲に基準線を形成する工程とを備える。
ここで、コンクリート表面の所定の範囲に、目印線を形成する工程により形成した目印線と、この目印線に平面的に重なり合うように被覆膜に基準線を形成する工程により形成した基準線により、コンクリート構造物に表面変位が発生していない場合には、目印線と基準線は重複した状態となる。一方、コンクリート構造物に表面変位が発生すると、目印線と基準線の重複した状態から、目印線が基準線に対して移動する。したがって、目印線と基準線の重なり状態により、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
また、コンクリート表面に貼着した被覆膜が透明または半透明であることにより、被覆膜に形成された基準線はもちろんのこと、コンクリート表面に形成された目印線も外部から視認することができる。したがって、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
また、目印線を形成する工程は、第1の目印線を第1の方向に形成する工程と、第1の目印線に所定の角度で交差する第2の方向に第2の目印線を形成する工程とを有し、基準線を形成する工程は、第1の目印線と平面的に重なり合う第1の基準線を形成する工程と、第2の目印線と平面的に重なり合う第2の基準線を形成する工程とを有する場合には、コンクリート構造物の多方向の表面変位を目視確認することができる。したがって、より確実にコンクリート構造物の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
前記の目的を達成するために、本発明のコンクリート構造物の劣化診断方法は、コンクリート構造物のコンクリート表面の所定の範囲に形成された目印線と、前記コンクリート表面を被覆する透明または半透明の被覆膜と、前記目印線と平面的に重なり合うように前記被覆膜の所定の範囲に形成された基準線とを備え、前記目印線と、前記被覆膜との重なり状態に基づいて、前記コンクリート構造物の劣化を診断する。
ここで、コンクリート表面の所定の範囲に形成された目印線と、この目印線に平面的に重なり合うように被覆膜に形成された基準線により、コンクリート構造物に表面変位が発生していない場合には、目印線と基準線は重なり合った状態となる。一方、コンクリート構造物に表面変位が発生すると、目印線と基準線が重なり合った状態から、目印線が基準線に対して移動する。したがって、目印線と基準線の重なり状態から、コンクリート構造物の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
本発明に係るコンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法は、コンクリート構造物の劣化診断を目視により正確かつ迅速に行うことができるものとなっている。
本発明を適用したコンクリート構造物の一実施形態において、基準線を第1の合成樹脂膜に形成した状態を示す模式図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の一実施形態において、基準線を第3の合成樹脂膜に形成した状態を示す模式図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の一実施形態において、コンクリート構造物に表面変位が発生した状態を示す模式図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の他の実施形態を説明するための模式図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の製造方法を示すフロー図である。 本発明を適用したコンクリート構造物の製造方法を示すフロー図である。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。
以下、コンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明を適用した一実施形態に係るコンクリート構造物101の全体構成について、図1、および図2を用いて説明する。図1(a)に示すように、コンクリート構造物101は、本出願人が出願した特許文献1に開示のものと基本的に同一の構成である。すなわち、コンクリート構造物101のコンクリート表面102には、被覆膜として第1の合成樹脂膜103が被覆されている。この第1の合成樹脂膜103としては、例えば透明ポリウレタン樹脂が塗布されている。
ここで、必ずしも、第1の合成樹脂膜103として透明ポリウレタン樹脂が塗布されている必要はない。例えば、エポシキ樹脂、塩化ゴム、ビニル樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂塗料から適宜選択することができる。
第1の合成樹脂膜103上にはガラス連続繊維シート104が積層されている。ガラス連続繊維シート104は補強用繊維シートとして機能するもので、平帯状のガラス繊維糸が縦横斜めに編み込まれた構造となっている。
ここで、必ずしも、ガラス連続繊維シート104が積層されている必要はない。ただし、ガラス連続繊維シート104は耐薬品性、耐久性に優れており、コンクリート表面102の耐久性を高めることができるため、ガラス連続繊維シート104を積層することが好ましい。
ガラス連続繊維シート104には第2の合成樹脂膜105が含浸されている。具体的には、ガラス連続繊維シート104上にハンドローラー等を用いて透明ポリウレタン樹脂を塗りつけ、ガラス連続繊維シート104に透明ポリウレタン樹脂を充分に含浸させる。
ガラス連続繊維シート104は、本来白色系の色彩であるが、ガラス連続繊維シート104に透明ポリウレタン樹脂を含浸させることで、ガラス連続繊維シート104が透明(半透明)となる。したがって、ガラス連続繊維シート104をコンクリート表面102に積層しても、外部からコンクリート表面102の状態を目視確認することができる。
最後に、最外層にはファイナルコーティングとしての第3の合成樹脂膜106が被覆されている。この第3の合成樹脂膜106としては、例えば透明ポリウレタン樹脂が塗布されている。
ここで、必ずしも、第3の合成樹脂膜106として透明ポリウレタン樹脂が塗布されている必要はない。例えば、エポシキ樹脂、塩化ゴム、ビニル樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂塗料から適宜選択することができる。
以上のように、コンクリート構造物101は、コンクリート表面102に、第1の合成樹脂膜103を介して積層されたガラス連続繊維シート104と、ガラス連続繊維シート104を封止する第2の合成樹脂膜105と、ファイナルコーティングとしての第3の合成樹脂膜106を備えている。
次に、本発明の実施形態に係るコンクリート構造物の劣化診断に用いる目印線107、および基準線108について説明する。
まず、目印線107はコンクリート表面102に形成されている。具体的には、レーザー墨出し器により、コンクリート表面102の目印線107を形成する範囲にレーザー光を照射し、照射したレーザー光に沿ってコンクリート表面102の素地色と区別可能な着色塗料(例えば青色の蛍光塗料)などでマーキングを行う。このとき、目印線107を形成する範囲は、経験則上コンクリート構造物101の表面変位の発生する可能性が高い範囲とする。
ここで、必ずしも、目印線107をマーキングする手段として着色塗料を用いる必要はない。例えば、レーザー光に沿って着色された水糸などを貼着してもよい。
コンクリート表面102に目印線107を形成したのちに、第1の合成樹脂膜103によりコンクリート表面102を被覆する。この第1の合成樹脂膜103としての透明ポリウレタン樹脂は透明(半透明)であるため、コンクリート表面102を被覆した状態であっても第1の合成樹脂膜103を介して目印線107を目視確認することができる。そして、図1(b)に示すように、目印線107と平面的に重なるように基準線108を形成する。この基準線108は目印線107とは異なる着色塗料(例えば赤色の蛍光塗料)でマーキングされる。
ここで、必ずしも、目印線107と基準線108は異なる着色塗料を使用する必要はない。例えば、目印線107と基準線108を同色の着色塗料でそれぞれマーキングしてもよい。ただし、目印線107と基準線108が異な着色塗料である場合には、目印線107と基準線108が明確に区別できるため、基準線108に対する目印線107のずれた状態を容易に目視確認することができる。
また、必ずしも、基準線108は第1の合成樹脂膜103に形成されている必要はない。例えば、図2に示すように、ファイナルコーティングとしての第3の合成樹脂膜106に形成されていてもよい。
以上のように、目印線107、および基準線108が形成された状態において、例えばコンクリート構造物101に図3の矢印で示す方向に歪が生じると、コンクリート構造物101に表面変位が発生する。発生した表面変位により、第1の合成樹脂膜103に形成された基準線108に対してコンクリート表面102に形成された目印線107が相対的に移動する。したがって、基準線108と目印線107の重なり状態に基づいて、コンクリート表面102の表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
図4は、本発明を適用したコンクリート構造物101の他の実施例を示す。本実施例においては、図4(a)に示すように、コンクリート表面102の一方向に一定の間隔で幅方向に複数形成される目印線107aと、これら目印線107aと略直角に交差する目印線107bが一定の間隔で幅方向に複数形成されている。また、第1の合成樹脂膜103、または第3の合成樹脂膜106には、これら目印線107a、および目印線107bに平面的に重なり合うように、基準線108a、および基準線108bが形成されている。
ここで、必ずしも、目印線107a(基準線108a)と目印線107b(基準線108b)の交差角度は略直角である必要はない。劣化診断の対象とするコンクリート構造物101の特性等に応じて交差角を適宜変更することができる。
また、必ずしも、目印線107a(基準線108a)と目印線107b(基準線108b)は、その幅方向に複数形成されている必要はない。ただし、目印線107a(基準線108a)と目印線107b(基準線108b)がその幅方向に複数形成されている場合には、広範囲におけるコンクリート構造物101の表面変位の発生状態を目視確認することができる。
また、必ずしも、目印線107a(基準線108a)と目印線107b(基準線108b)は一定の間隔で形成されている必要はない。例えば、コンクリート構造物101の構造等に応じて、経験則上、歪が生じた際に複雑な表面変位が発生すると考えられる箇所には、そのピッチ幅を幅狭に形成することで、コンクリート構造物101の表面変位の発生状態をより明確に目視確認することができる。
このような状態において、図4(b)の矢印で示す方向に歪が生じると、コンクリート構造物101に表面変位が発生し、基準線108a(基準線108b)に対して目印線107a(目印線107b)が相対的に移動する。したがって、先の実施例と同様に、基準線108a(基準線108b)と目印線107a(目印線107b)の重なり状態に基づいて、コンクリート表面102の多方向における表面変位の発生状態を容易に目視確認することができる。
次に、本発明を適用したコンクリート構造物101の製造方法について図5、および図6を用いて説明する。
まず、目印線107を形成するコンクリート表面102の汚れを除去するための下地処理を行う(図5(a)参照)。汚れの除去方法としては、例えば、高圧水の吹き付け、またはワイヤブラシ等での研磨により行う。
次に、下地処理をしたコンクリート表面102の目印線107を形成する範囲に、レーザー墨出し器などを使用して墨出しを行い、墨出し線に沿って着色塗料により目印線107を形成する(図5(b)参照)。
さらに、下地処理、および目印線107を形成したコンクリート表面102に第1の合成樹脂膜103としての透明ポリウレタンを、ハンドローラー等を用いて樹脂液が垂れ落ちない程度に均一に塗布する(図5(c)参照)。
そして、塗布した第1の合成樹脂膜103に、目印線107を形成した着色塗料とは異なる色彩の着色塗料を用いて、目印線107に沿って基準線108を形成する(図5(d)参照)。
また、塗布した第1の合成樹脂膜103が固化する前にガラス連続繊維シート104を積層する(図5(e)参照)。
また、積層したガラス連続繊維シート104の上にハンドローラーなどを用いて、第2の合成樹脂膜105としての透明ポリウレタン樹脂を含浸させる(図5(f)参照)。
最後に、ファイナルコーティングとしての第3の合成樹脂膜106を塗りつけて乾燥、および固化させることで、コンクリート構造物101を得ることができる(図5(g)参照)。
ここで、基準線108を第3の合成樹脂膜106に形成する場合には、図6に示すように、第3の合成樹脂膜106を貼着した後に(図6(f)参照)、コンクリート表面102に形成された目印線107に沿って基準線108を形成することができる(図6(g)参照)。
目印線107、および基準線108が形成されたコンクリート構造物101には、外部応力などの影響により表面変位が発生する。このとき、基準線108と目印線107の重なり状態を目視確認することにより、コンクリート構造物101の劣化診断を容易に行うことができる。
以上、本発明を適用したコンクリート構造物、コンクリート構造物の製造方法、およびコンクリート構造物の劣化診断方法においては、コンクリート構造物の劣化診断を目視により正確かつ迅速に行うことができるものとなっている。
101、201、301 コンクリート構造物
102、202 コンクリート表面
103、203 第1の合成樹脂膜
104、204 ガラス連続繊維シート
105、205 第2の合成樹脂膜
106、206 第3の合成樹脂膜
107、107a、107b 目印線
108、108a、108b 基準線
309 光ファイバ
310 光スイッチ
311 歪計測器

Claims (10)

  1. コンクリート構造物のコンクリート表面の所定の範囲に形成された目印線と、
    前記コンクリート表面を被覆する透明または半透明の被覆膜と、
    前記目印線と平面的に重なり合うように前記被覆膜の所定の範囲に形成された基準線と、を備える
    コンクリート構造物。
  2. 前記目印線の線幅は前記基準線の線幅と略同じか、または幅狭に形成されている
    請求項1に記載のコンクリート構造物。
  3. 前記目印線と前記基準線は、相互に異なる着色が施されている
    請求項1または請求項2に記載のコンクリート構造物。
  4. 前記目印線および前記基準線は、所定の間隔で幅方向に複数形成されている
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載のコンクリート構造物。
  5. 前記被覆膜は、
    前記コンクリート表面に貼着された透明または半透明の合成樹脂膜である
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載のコンクリート構造物。
  6. 前記被覆膜は、
    前記コンクリート表面に貼着された透明または半透明の第1の合成樹脂膜と、
    該第1の合成樹脂膜に貼着されたガラス連続繊維シートと、
    該ガラス連続繊維シートを封止する透明または半透明の第2の合成樹脂膜と、
    該第2の合成樹脂膜に貼着された透明または半透明の第3の合成樹脂膜と、を有し、
    前記基準線は前記第3の合成樹脂膜に形成されている
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載のコンクリート構造物。
  7. 前記目印線は、
    第1の方向に形成された第1の目印線と、
    該第1の目印線と所定の角度で交差する第2の方向に形成された第2の目印線と、を有し、
    前記基準線は、
    前記第1の目印線と平面的に重なり合う第1の基準線と、
    前記第2の目印線と平面的に重なり合う第2の基準線と、を有する
    請求項1から請求項6の何れか一項に記載のコンクリート構造物。
  8. コンクリート構造物のコンクリート表面の所定の範囲に目印線を形成する工程と、
    前記コンクリート表面に透明又は半透明の被覆膜を貼着する工程と、
    前記目印線と平面的に重なり合うように前記被覆膜の所定の範囲に基準線を形成する工程と、を備える
    コンクリート構造物の製造方法。
  9. 前記目印線を形成する工程は、
    第1の目印線を第1の方向に形成する工程と、
    前記第1の目印線に所定の角度で交差する第2の方向に第2の目印線を形成する工程と、を有し、
    前記基準線を形成する工程は、
    前記第1の目印線と平面的に重なり合う第1の基準線を形成する工程と、
    前記第2の目印線と平面的に重なり合う第2の基準線を形成する工程と、
    を有する
    請求項8に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  10. コンクリート構造物のコンクリート表面の所定の範囲に形成された目印線と、
    前記コンクリート表面を被覆する透明または半透明の被覆膜と、
    前記目印線と平面的に重なり合うように前記被覆膜の所定の範囲に形成された基準線と、を備え、
    前記目印線と、前記被覆膜との重なり状態に基づいて、前記コンクリート構造物の劣化を診断する
    コンクリート構造物の劣化診断方法。
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