JP2017210550A - 撥水撥油性樹脂組成物 - Google Patents

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イウ 陳
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Abstract

【課題】汎用の基材に対応でき、塗膜の硬度、耐汚染性、外観、耐溶剤性に優れた、常温下一液で安定な撥水撥油性樹脂組成物を提供する。【解決手段】一液で使用される撥水撥油性樹脂組成物であって、フッ素原子を有し、かつジメチルシロキサン骨格を含むグラフト鎖を有するポリオール樹脂(A)と、メラミン樹脂(B−1)およびスルホン酸触媒(C−1)の組み合わせ、若しくはブロックイソシアネート樹脂(B−2)および金属触媒(C−2)の組み合わせから選ばれる少なくともいずれかの組み合わせと、撥水性のシリカフィラー(D)とを含有することを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、撥水撥油性樹脂組成物に関する。
従来、撥水撥油性の機能層を内装の家具類、水廻りのキッチン関連商材、バス関連商材などの最表面に設けることによって、掃除の負担を低減することを目的とした樹脂組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、末端に炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有し、酸素原子を有しない、炭素数10以下のフッ素化合物を蒸着源とする化学蒸着法によって、表面に凹凸面を有する撥水撥油層を形成する方法が提案されている。
また特許文献2には、ジメチルシロキサン骨格を含む官能基と、アルコキシシリル基と、水酸基とを有するアクリル樹脂、および、架橋剤としてアミノ樹脂およびイソシアネート樹脂から選ばれる少なくとも一種とシリケート加水分解物とを含有する撥水撥油性樹脂組成物が提案されている。
特開2015−44181号公報 特開2007−314607号公報
しかしながら、特許文献1では、撥水撥油性能を実現するために、部材表面にエッチングとフッ素化合物の蒸着など高度な加工が必要である。そのため、最表層の硬度(耐磨耗性)に改良の余地があった。また、基材が限定されておりコストも高いことから汎用性に欠けるという問題点があった。
特許文献2では、シリケート加水分解物を含有しているため、硬度が高い塗膜が形成されるが、シリケート加水分解物が常温で湿分硬化されてしまうため、塗料を一液化する際の安定性を確保することが非常に難しい。
また、撥水撥油性樹脂組成物においては、塗膜の硬度および塗料を一液化する際の安定性の他、塗膜の耐汚染性、外観、耐溶剤性が良好なことも望まれている。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、汎用の基材に対応でき、塗膜の硬度、耐汚染性、外観、耐溶剤性に優れた、常温下一液で安定な撥水撥油性樹脂組成物を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の撥水撥油性樹脂組成物は、一液で使用される撥水撥油性樹脂組成物であって、フッ素原子を有し、かつジメチルシロキサン骨格を含むグラフト鎖を有するポリオール樹脂(A)と、メラミン樹脂(B−1)およびスルホン酸触媒(C−1)の組み合わせ、若しくはブロックイソシアネート樹脂(B−2)および金属触媒(C−2)の組み合わせから選ばれる少なくともいずれかの組み合わせと、撥水性のシリカフィラー(D)とを含有することを特徴としている。
本発明によれば、汎用の基材に対応でき、塗膜の硬度、耐汚染性、外観、耐溶剤性に優れ、常温下一液で安定である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物に使用されるポリオール樹脂(A)は、撥水撥油性を実現するための主剤である。
ポリオール樹脂(A)は、フッ素原子を有し、かつジメチルシロキサン骨格を含むグラフト鎖を有する。ポリオール樹脂(A)は、例えば、フッ素原子を有する単量体と、水酸基を有する単量体と、反応性シリコーンとを共重合単位として含む共重合体である。
フッ素原子を有する単量体としては、フッ素樹脂原料として通常用いられている含フッ素単量体を用いることができる。具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ビニリデンフルオライド(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ビニルフルオライド(VF)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フルオロアルキル基と重合性不飽和基とがエーテル結合またはエステル結合で連結された単量体等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
水酸基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
反応性シリコーンとしては、例えば、下記の式(1)または式(2)で示されるものが挙げられる。
−[Si(CH)−O]−Si(CH)−R ・・・(1)
(式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、−(CH)−OOC(CH)C=CHまたは−CH=CHであり、Rは−(CH)−OOC(CH)C=CHまたは−CH=CHである。nは1〜420であり、rは1〜6である。)
−Si[OSi(CH)] ・・・(2)
(式(2)中のRは上記の定義の通りである。)
上記式(1)あるいは(2)で示される反応性シリコーンとして、例えば、片末端がメタクリル変性されたポリジメチルシロキサン、片末端がアクリル変性されたポリジメチルシロキサン、両末端がメタクリル変性されたポリジメチルシロキサン等を用いることができる。これらの反応性シリコーンは、1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、上記の反応性シリコーンは、次式(3)、(4)、(5)、(6)で示されるものであってもよい。
CH=C(CH)−COO−C−[Si(CH−O]−Si(CH−R ・・・(3)
(ここでRは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。mは1〜250の整数を示す。)
CH=CH−COO−C−[Si(CH−O]−Si(CH−R ・・・(4)
(ここでRは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。pは1〜250の整数を示す。)
−C−[Si(CH)2−O]−C−R ・・・(5)
(ここでRは、−OCOC(CH)=CHを示す。qは1〜250の整数を示す。)
CH=C(CH)COO−CSi[OSi(CH] ・・・(6)
ポリオール樹脂(A)は、上記のフッ素原子を有する単量体、水酸基を有する単量体、および反応性シリコーンと共に、必要に応じて、その他の単量体と組み合わせて共重合体としてもよい。その他の単量体としては、例えば、アルキルビニルエーテル類、アルキルアリルエーテル類、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル類、カルボン酸ビニルエステル類、オレフィン類等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリオール樹脂(A)は、フッ素原子を有する単量体由来の構造が、例えば、1〜70質量%の範囲で含有される。
ポリオール樹脂(A)は、反応性シリコーン由来の構造が、例えば、10〜90質量%の範囲で含有される。
ポリオール樹脂(A)は、水酸基価が、例えば、5〜200mgKOH/gの範囲である。
ポリオール樹脂(A)として具体的には、例えば、ZXシリーズ(ZX−001、ZX−007−C、ZX−017、ZX−022、ZX−022−H等 T&KTOKA株式会社製)、エフクリアシリーズ(KD−270F1、KD−270、KD−200、KD3000等 関東電化株式会社製)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリオール樹脂(A)は、本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物の硬化後の塗膜中における樹脂分として、塗膜に対して、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは25〜65質量%の範囲で含有される。この含有量が10質量%以上であると、塗膜の撥水撥油性が良好であり、この含有量が70質量%以下であると、溶剤や他の樹脂への相溶性の低下が抑制され、成膜性が向上し、硬度と撥水撥油性能が良好になる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物に使用されるメラミン樹脂(B−1)は、主剤のポリオール樹脂(A)と縮合反応し、塗膜を硬化させる。
メラミン樹脂(B−1)としては、例えば、メチロール化メラミンのメチロール基の一部または全部を炭素数1〜8の1価アルコールでエーテル化した、部分エーテル化またはフルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。ここで炭素数1〜8の1価アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
メラミン樹脂(B−1)として具体的には、例えば、メチル化メラミン樹脂:スーパーベッカミンL−105−60、ブチル化メラミン樹脂:スーパーベッカミンJ−820−60、L−109−65、L−117−60、L−127−60、13−548、G−821−60、L−110−60、L−125−60、L−166−60B(DIC Corporation製)、サイメル202、サイメル232、サイメル235、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267、サイメル272、サイメル285、サイメル301、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル701、サイメル703、サイメル1141(日本サイテックインダストリーズ社製)、ユーバン20SE60、ユーバン21R、ユーバン22R、ユーバン122、ユーバン125、ユーバン128、ユーバン220、ユーバン225、ユーバン228、ユーバン28−60、ユーバン2020、ユーバン60R、ユーバン62、ユーバン62E、ユーバン360、ユーバン165、ユーバン166−60、ユーバン169、ユーバン2061(三井化学株式会社製)等が挙げられる。
メラミン樹脂(B−1)は、本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物の硬化後の塗膜中における樹脂分として、塗膜に対して、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%の範囲で含有される。この含有量が3質量%以上であると、塗膜の硬度が良好であり、この含有量が40質量%以下であると、未反応のメラミン樹脂が塗膜に残って成膜性が低下することを抑制でき、硬度と撥水撥油性能が良好になる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物においてスルホン酸触媒(C−1)は、メラミン樹脂(B−1)の硬化促進剤として使用される。
スルホン酸触媒(C−1)としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸化合物およびそのアミン中和物等が挙げられる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、塗料安定性、反応促進効果、得られる塗膜物性等を考慮すると、p−トルエンスルホン酸のアミン中和物、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好ましい。
スルホン酸触媒(C−1)におけるスルホン酸化合物として具体的には、例えば、ジノニルナフタレンジスルホン酸:Nacure155、Nacure3525、NacureX49−110、Nacure1051、ドデシルベンゼンスルホン酸:Nacure5076、Nacure5225、Nacure5528、Nacure5925、p−トルエンスルホン酸:Nacure2017、Nacure2500(楠本化成株式会社製)等が挙げられる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物におけるスルホン酸触媒(C−1)の含有量は、ポリオール樹脂(A)に対して、好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜4.5質量%、さらに好ましくは1.0〜3.5質量%である。この含有量が0.1質量%以上であると、塗膜の硬度が良好であり、この含有量が5.0質量%以下であると、反応速度が高すぎてクラックが塗膜中に発生することが抑制され、成膜性が向上し、硬度と撥水撥油性能が良好になる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物に使用されるブロックイソシアネート樹脂(B−2)は、主剤のポリオール樹脂(A)と縮合反応し、塗膜を硬化させる。
ブロックイソシアネート樹脂(B−2)のイソシアネートの部分としては、例えば、TDI、HDI、XDI、水添XDI、IPDIや、それらの変性形態であるTMPアダクト体、イソシアヌレート体、ビウレット体、アロファネート体等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ブロックイソシアネート樹脂(B−2)のブロック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、オキシ安息香酸エステル、チモール、p−ナフトール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系;ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミド酸塩系:エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等の重亜硫酸塩系等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ブロックイソシアネート樹脂(B−2)として具体的には、例えば、スミジュールBL3175、スミジュールBL3575(住化バイエルウレタン社製)、バーノックD−500、バーノックD−550、バーノックDB−980K(DIC Corporation製)、タケネートB−830、タケネートB−815N、タケネートB−842N、タケネートB−870N、タケネートB−882N、タケネートB−890、タケネートB−7005、タケネートB−7030、タケネートB−7075、B−5010、PW−2400(三井化学株式会社製)、デュラネートMF−K60B、デュラネートSBN−70D、デュラネートMF−B60B、デュラネート17B−60P、デュラネートTPA−B80E、デュラネートE402−B80B(旭化成株式会社製)等が挙げられる。
ブロックイソシアネート樹脂(B−2)は、本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物の硬化後の塗膜中における樹脂分として、塗膜に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜45質量%、さらに好ましくは10〜40質量%の範囲で含有される。この含有量が5質量%以上であると、塗膜の硬度が良好であり、この含有量が50質量%以下であると、余分のイソシアネートと空気中の水分とが反応して硬度と撥水撥油性能が低下することを抑制できる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物において金属触媒(C−2)は、ブロックイソシアネート反応の硬化促進剤としてとして使用される。金属触媒(C−2)は、具体的には、金属キレート化合物である。
金属キレート化合物の金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガン、銅、チタン、ビスマス等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属キレート化合物のキレート配位子としては、例えば、アセチルアセトン、3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル等のβ−ケトエステル類;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジエステル類;アセトアセトアニリド等のβ−ケトアミド類;酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸類が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属キレート化合物の金属が亜鉛である場合、金属キレート化合物としは、例えば、亜鉛ビスアセチルアセトナート、亜鉛ビス3,5−ヘプタンジオナート、亜鉛ビス1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナート、亜鉛ビス1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナート、亜鉛ビスアセト酢酸メチル、亜鉛ビスアセト酢酸エチル、亜鉛ビスアセト酢酸n−プロピル、亜鉛ビスアセト酢酸イソプロピル、亜鉛ビスマロン酸ジメチル、亜鉛ビスマロン酸ジエチル、亜鉛ビスアセトアセトアニリド、亜鉛ビス酢酸、亜鉛ビスプロピオン酸、亜鉛ビスブタン酸、亜鉛ビスペンタン酸、亜鉛ビスヘキサン酸、亜鉛ビスヘプタン酸、亜鉛ビスオクタン酸、亜鉛ビス2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物における金属触媒(C−2)の含有量は、ポリオール樹脂(A)に対して、好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜4.5質量%、さらに好ましくは1.0〜3.5質量%の範囲である。この含有量が0.1質量%以上であると、塗膜の硬度が良好であり、この含有量が5.0質量%以下であると、反応速度が高すぎてクラックが塗膜中に発生することが抑制され、成膜性が向上し、硬度と撥水撥油性能が良好になる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物において、メラミン樹脂(B−1)およびスルホン酸触媒(C−1)の組み合わせ、若しくはブロックイソシアネート樹脂(B−2)および金属触媒(C−2)の組み合わせは、1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物に使用される撥水性のシリカフィラー(D)は、これを含有することで塗膜の硬度を向上させることができる。
ここで撥水性のシリカフィラー(D)における撥水性とは、例えば撥水性の官能基を有する材料を用いて重合反応させることや、表面に撥水処理を施すことによってシリカフィラーに撥水性を付与することを意味する。このように表面が撥水性を有するため、撥水撥油性が維持できる。シリカフィラー(D)の平均粒径は0.01〜20μmであることが好ましい。平均粒径が20μm以下であると、塗膜の光沢の低下を抑制できる。ここでシリカフィラー(D)の平均粒径は、例えば、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d50、体積基準)として求めることができる。
撥水性のシリカフィラー(D)として具体的には、例えば、トスパール120、トスパール130、トスパール145、トスパール2000B、トスパール1110、トスパール240(モメンテーブ・パフォーマンス・マテリアルズ株式会社製)、オルガノシリカゾルIPA−ST、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL、IPA−ST−UP、EG−ST、EG−ST−ZL、DMAC−ST、DMAC−ST−ZL、PGM−ST、MEK−ST、MEK−ST−L、MEK−ST−ZL、MIBK−ST、EAC−ST、NBAC−ST(日産化学工業株式会社製)等が挙げられる。
撥水性のシリカフィラー(D)は、本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物の硬化後の塗膜中において、塗膜に対して、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%の範囲で含有される。この含有量が1質量%以上であると、塗膜の硬度が良好であり、この含有量が20質量%以下であると、樹脂分が少なくなって成膜性が低下することを抑制でき、硬度と撥水撥油性能が良好になる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物は、取り扱いの容易さから、各種有機溶媒を配合して希釈することができる。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールの誘導体;ジアセトンアルコール等の親水性有機溶剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの親水性有機溶剤と共に、溶剤としてトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物には、その効果を損なわない範囲内において、物性や塗装性などを改良する等のために、以上に説明した各成分以外の他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、抗菌剤、防黴剤、艶消し剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ワックス成分等が挙げられる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物は、例えば、常法により各配合成分を混合して、一液の組成物として調製することができる。本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物は、常温下一液で安定である。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物は、基材表面に塗布し、硬化することによって、基材表面に撥水撥油性の硬化塗膜を形成することができる。本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物による硬化塗膜は、塗膜の硬度、耐汚染性、外観、耐溶剤性に優れている。本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物を基材表面に塗布した後、硬化する際の条件は、特に限定されるものではないが、加熱することが好ましい。加熱温度は、80〜200℃が好ましい。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物は、汎用の基材に対応でき、本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物が適用される基材としては特に限定されるものではないが、例えば、金属製、プラスチック製、またはガラス製の部材や、木材、布等が挙げられる。上記部材の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、板状部材等が挙げられる。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物による基材表面の塗膜の厚さは、硬化後の厚さで1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物による塗膜を形成する際に、本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物を基材表面に塗布する回数は、特に限定されるものではなく、一回でもよいし二回以上でもよい。
本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物を基材表面に塗布する装置および方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、従来公知のフローコーター、ロールコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法等が挙げられる。これらの装置および方法は、自動化してもよく、あるいは手動にて本実施形態の撥水撥油性樹脂組成物を塗布してもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記述において特に断らない限り「部」はすべて「質量部」を、「%」はすべて「質量%」を表す。
実施例および比較例において次の成分を用いた。
ポリオール樹脂(A)
関東電化工業株式会社製 エフクリアKD3000(NV=29〜31%)
メラミン樹脂(B−1)
DIC Corporation製 L−125−60
ブロックイソシアネート樹脂(B−2)
旭化成株式会社製 デュラネートTPA−B80E
スルホン酸触媒(C−1)
楠本化成株式会社製 Nacure2107
金属触媒(C−2)
楠本化成株式会社製 カルボン酸ビスマス XK628
撥水性のシリカフィラー(D)
モメンテーブ・パフォーマンス・マテリアルズ株式会社製 トスパール120
シンナー
酢酸エチルと酢酸ブチルを容量比1:1で混合した液
フッ素系コーティング剤1
ダイキン工業株式会社製 ユニダインTG6071
フッ素系コーティング剤2
AGCセミケミカル株式会社製 エスエフコートS−680
フッ素系コーティング剤3
3M社製 Novec2702
フッ素系コーティング剤4
信越化学工業株式会社製 KY−164
基材には、アルマイト板15cm×7cm×1.5cm(日本テストパネル株式会社製)を用いた。
(実施例1)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー23部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)10部を投入した。この混合溶液にスルホン酸触媒(C−1)2部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例2)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー18部を攪拌しながら、ブロックイソシアネート樹脂(B−2)15部を投入した。この混合溶液に金属触媒(C−2)2部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分を分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例3)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー22部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)5部とブロックイソシアネート樹脂(B−2)6部を投入した。この混合溶液にスルホン酸触媒(C−1)1部、金属触媒(C−2)1部と撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例4)
ディスパーでポリオール樹脂(A)50部とシンナー35.5部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)8部を投入した。この混合溶液にスルホン酸触媒(C−1)1.5部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例5)
ディスパーでポリオール樹脂(A)65部とシンナー14.5部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)13部を投入した。この混合溶液にスルホン酸触媒(C−1)2.5部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例6)
ディスパーでポリオール樹脂(A)50部とシンナー30.5部を攪拌しながら、ブロックイソシアネート樹脂(B−2)13部を投入した。この混合溶液に金属触媒(C−2)1.5部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例7)
ディスパーでポリオール樹脂(A)65部とシンナー9.5部を攪拌しながら、ブロックイソシアネート樹脂(B−2)18部を投入した。この混合溶液に金属触媒(C−2)2.5部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例8)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー17.5部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)15部を投入した。この混合溶液にスルホン酸触媒(C−1)2.5部、撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(実施例9)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー20部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)10部を投入した。この混合溶液にスルホン酸触媒(C−1)2部、撥水性のシリカフィラー(D)8部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例1)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー25部を攪拌しながら、メラミン樹脂(B−1)10部を投入した。この混合溶液に撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例2)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー20部を攪拌しながら、ブロックイソシアネート樹脂(B−2)15部を投入した。この混合溶液に撥水性のシリカフィラー(D)5部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例3)
ディスパーでポリオール樹脂(A)60部とシンナー23部を攪拌しながら、ブロックイソシアネート樹脂(B−2)15部を投入した。この混合溶液に金属触媒(C−2)2部を添加し、ディスパーで15分分散して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例4)
フッ素系コーティング剤1であるダイキン工業株式会社製ユニダインTG6071をNV=15%になるように、シンナー(酢酸エチルと酢酸ブチルの容積比1:1の混合液)で調整して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーで10μmの膜厚で塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例5)
フッ素系コーティング剤2であるAGCセミケミカル株式会社製エスエフコートS−680をNV=15%になるように、シンナー(酢酸エチルと酢酸ブチルの容積比1:1の混合液)で調整して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーで10μmの膜厚で塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例6)
フッ素系コーティング剤3である3M社製Novec2702をNV=15%になるように、シンナー(酢酸エチルと酢酸ブチルの容積比1:1の混合液)で調整して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーで10μmの膜厚で塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例7)
フッ素系コーティング剤4である信越化学工業株式会社KY−164をNV=15%になるように、シンナー(酢酸エチルと酢酸ブチルの容積比1:1の混合液)で調整して塗料を得た。この塗料をアルマイト基材にエアスプレーで10μmの膜厚で塗布した後、乾燥機で150℃×30分硬化し、塗装サンプルを得た。
(比較例8)
塗装していないアルマイト基材を用いた。
<評価>
[塗料安定性]
50℃の乾燥機に実施例および比較例の塗料を30日間保存し、塗料の流動性を目視で確認し、下記の基準で判定した。
○:流動性あり
×:ゲル化
[鉛筆硬度]
手かき法で鉛筆引っかき値を取り、H以上を合格ラインとした。
[耐汚染性]
寺西化学工業株式会社製の油性マジックインキを用い、塗装サンプルの表面に5cmの直線を引いた。その後、フェルトを使用し、マジック跡の拭き取り性を確認した。防汚性能の違いにより下記の基準で判定した。
◎:目視でマジックのハジキ性がよく、マジック跡も軽い力できれいに取れた。
○:目視でマジックのハジキ性がよく、マジック跡もきれいに取れた。
△:目視でマジックのハジキ性があり、マジック跡も取れた。
×:目視でマジックのハジキ性がなく、マジック跡も取れない。
[外観]
塗装サンプルへ斜めに光を当てながら、目視で表面の平滑性を確認し、下記の基準で判定した。
○:塗膜表面の平滑性がある。
△:塗膜表面が若干波状。
×:塗膜表面が波状。
[耐溶剤性]
メタノール溶剤を含有する綿棒で、塗装サンプルの塗膜上での100回の往復ラビング試験を行い、試験面を光に当てながら、目視で試験箇所の膜外観を確認し、下記の基準で判定した。
◎:目視で膜外観の変わりが無い。
○:目視で膜外観が少々光沢の変化があった。
△:目視で膜外観が光沢の変化があった。
×:目視で膜が溶解していることを確認した。
評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2017210550
Figure 2017210550
表1に示すように、実施例1〜9は、塗料の安定性、アルマイト基材上に形成した硬化塗膜の鉛筆硬度、耐汚染性、外観、耐溶剤性に優れていた。特に、実施例1、3と7の配合では、鉛筆硬度と耐汚染性が非常に優れていた。メラミン樹脂(B−1)とスルホン酸触媒(C−1)の量を増加した実施例8では鉛筆硬度がさらに高いものであった。
これに対して、表2に示すように、スルホン酸触媒(C−1)および金属触媒(C−2)のいずれも配合しなかった比較例1、2は、塗膜が固まっておらず、耐汚染性と耐溶剤性が低下した。撥水性のシリカフィラー(D)を配合しなかった比較例3は、鉛筆硬度と耐汚染性の物性が劣っていた。また従来の防汚塗料である比較例4〜7は、アルマイト基材上の塗装品の外観が劣り、鉛筆硬度も低いものであった。
以上のように、フッ素原子を有し、かつジメチルシロキサン骨格を含むグラフト鎖を有するポリオール樹脂(A)と、メラミン樹脂(B−1)およびスルホン酸触媒(C−1)の組み合わせ、若しくはブロックイソシアネート樹脂(B−2)および金属触媒(C−2)の組み合わせから選ばれる少なくともいずれかの組み合わせと、撥水性のシリカフィラー(D)とを含有する組成物は、塗膜の鉛筆硬度、耐汚染性、外観、耐溶剤性に優れ、常温下一液で安定性を有していた。

Claims (3)

  1. 一液で使用される撥水撥油性樹脂組成物であって、
    フッ素原子を有し、かつジメチルシロキサン骨格を含むグラフト鎖を有するポリオール樹脂(A)と、
    メラミン樹脂(B−1)およびスルホン酸触媒(C−1)の組み合わせ、若しくはブロックイソシアネート樹脂(B−2)および金属触媒(C−2)の組み合わせから選ばれる少なくともいずれかの組み合わせと、
    撥水性のシリカフィラー(D)とを含有することを特徴とする撥水撥油性樹脂組成物。
  2. 前記メラミン樹脂(B−1)およびスルホン酸触媒(C−1)の組み合わせを含有することを特徴とする請求項1に記載の撥水撥油性樹脂組成物。
  3. 前記ブロックイソシアネート樹脂(B−2)および金属触媒(C−2)の組み合わせを含有することを特徴とする請求項1に記載の撥水撥油性樹脂組成物。
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