JP2013209832A - 建築板 - Google Patents

建築板 Download PDF

Info

Publication number
JP2013209832A
JP2013209832A JP2012080398A JP2012080398A JP2013209832A JP 2013209832 A JP2013209832 A JP 2013209832A JP 2012080398 A JP2012080398 A JP 2012080398A JP 2012080398 A JP2012080398 A JP 2012080398A JP 2013209832 A JP2013209832 A JP 2013209832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
clear
film layer
coating film
fluorine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012080398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5743281B2 (ja
Inventor
Keisuke Kairada
圭介 皆良田
Kazuo Saito
和夫 齋藤
Mai Furuta
麻衣 古田
Kai Ota
快 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Toryo KK filed Critical Dai Nippon Toryo KK
Priority to JP2012080398A priority Critical patent/JP5743281B2/ja
Publication of JP2013209832A publication Critical patent/JP2013209832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5743281B2 publication Critical patent/JP5743281B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】耐汚染性及び親水性の経時安定性に優れ、且つ自己洗浄能力を有する親水性の防汚塗膜における耐雨筋汚染性に優れた積層塗膜を有する建築板を提供することである。
【解決手段】基材上に、(A)下塗り塗膜層又は(A)下塗り塗膜層と該(A)下塗り塗膜層上に形成される(B)中塗り塗膜層とを備える塗膜層からなる下地塗膜層を有し、更に、該下地塗膜層上に形成される(C)クリヤー塗膜層と、該(C)クリヤー塗膜層上に形成される(D)オーバーコート塗膜層とを有する建築板であって、該クリヤー塗膜層がフッ素成分を含有するクリヤー塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする建築板。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐汚染性、耐雨筋汚染性及び親水性の経時安定性に優れた建築板に関する。
外壁材の建築板には、大気中の塵埃やそれを含んだ雨垂れによる筋状の汚染(雨垂れ汚染)に対する耐汚染性が要求されており、自己洗浄能力を有する親水性防汚膜を形成する処理が施されている。このような親水性防汚膜を形成するため、例えば、オルガノポリシロキサン系の無機樹脂(特許文献1)、又はオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物とシリル基含有化合物を加水分解縮合反応させて得られる有機無機複合樹脂(特許文献2)を含有する塗料が用いられている。
しかしながら、オルガノポリシロキサン系の無機樹脂を結合剤として用いた塗膜は、耐候性や耐汚染性等に優れるものの、初期の親水性発現までに時間を要する。また、オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、シリル基含有化合物を加水分解縮合反応させて得られる有機無機複合樹脂を結合剤として用いた塗膜は、クラックが生じ難いものの、耐汚染性や、耐候性及び耐溶剤性を更に向上させることが求められていた。
本願発明者らは、特許文献3及び4で開示しているように、耐汚染性や耐温水性に優れ、かつ自己洗浄能力を有する防汚層を形成する水分散コロイダルシリカ含有防汚塗料組成物を見出してきた。しかしながら、これらの防汚塗料組成物が形成する防汚塗膜については、防汚層下にクリヤー層が存在する場合、親水性の経時安定性が一時的に低下する傾向があり、更なる親水性の経時安定性の向上が求められていた。
特開2003−313497号公報 特開2001−98221号公報 特許第4641563号公報 特許第4812902号公報
本発明の目的は、このような従来技術の課題を背景になされたもので、耐汚染性及び親水性の経時安定性に優れ、且つ自己洗浄能力を有する親水性の防汚塗膜における耐雨筋汚染性に優れた積層塗膜を有する建築板を提供することである。
本発明に従って、基材上に、(A)下塗り塗膜層又は(A)下塗り塗膜層と該(A)下塗り塗膜層上に形成される(B)中塗り塗膜層とを備える塗膜層からなる下地塗膜層を有し、更に、該下地塗膜層上に形成される(C)クリヤー塗膜層と、該(C)クリヤー塗膜層上に形成される(D)オーバーコート塗膜層とを有する建築板であって、該クリヤー塗膜層がフッ素成分を含有するクリヤー塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする建築板が提供される。
本発明によって、耐汚染性及び親水性の経時安定性に優れ、且つ自己洗浄能力を有する親水性の防汚塗膜における耐雨筋汚染性に優れた積層塗膜を形成することが可能となり、防汚機能を有する建築板を提供することが可能となった。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明における建築板の表面に形成される防汚積層塗膜の各層構成について説明する。
上記防汚積層塗膜は、(A)下塗り塗膜層又は(A)下塗り塗膜層と該(A)下塗り塗膜層上に形成される(B)中塗り塗膜層とを備える塗膜層からなる下地塗膜層を有し、更に、該下地塗膜層上に形成される(C)クリヤー塗膜層と、該(C)クリヤー塗膜層上に形成される(D)オーバーコート塗膜層とを有する。
まず、(C)クリヤー塗膜層について説明する。本発明のクリヤー塗膜層は、自己洗浄能力を有する親水性の防汚積層塗膜における親水性の経時安定性を高めるため、フッ素含有成分を含むクリヤー塗料を塗布することにより形成される。なお、本発明におけるクリヤー塗膜層は、下地塗膜層を保護する目的で形成される。
本発明における積層塗膜の親水性の経時安定性が優れるメカニズムの詳細については、まだ明らかに解明されてはいない。本発明者らは、クリヤー塗膜層にフッ素含有成分を含有させた場合、フッ素含有成分がクリヤー塗膜層とオーバーコート塗膜層の界面に配向すると考え、このフッ素含有成分が該界面に適切に配向することにより、積層塗膜の親水性の経時安定性が改善されていると推測している。また、フッ素含有成分がクリヤー塗膜層に含まれることで、積層塗膜の耐久性が更に向上することが推測される。
フッ素成分としては、例えば、フッ素系樹脂及びフッ素含有界面活性剤が挙げられる。クリヤー塗料にフッ素含有成分を含有させる方法は、例えば、フッ素系樹脂又はフッ素含有界面活性剤を添加する方法等が挙げられるが、フッ素含有界面活性剤を添加する方法が好ましい。本発明者らは、フッ素界面活性剤がクリヤー塗膜中に含まれる場合には、フッ素含有成分のフッ素含有官能基部位がクリヤー塗膜層側に配向し、フッ素含有成分の親水性基部位がオーバーコート塗膜層側に配向することにより、積層塗膜の親水性の経時安定性がより向上すると推測している。フッ素含有成分の含有量は、クリヤー塗料に対して、0.01〜2.0質量%含まれることが好ましく、0.1〜1.0質量%含まれることがより好ましい。0.01質量%より少ない場合には、親水性の経時安定性を向上させる効果が乏しく、2.0質量%より大きい場合には、塗装時に泡を巻き込み、作業性の低下が生じる。
クリヤー塗料に添加されるフッ素含有界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルケニルスルホン酸塩及びパーフルオロアルケニルカルボン酸塩等のアニオン型フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム等のカチオン型フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキサイド及びパーフルオロアルキル基を含有するオリゴマー等のノニオン型フッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、パーフルオロ基を有するアニオン型フッ素系界面活性剤、パーフルオロ基を有するノニオン型フッ素系界面活性剤又はパーフルオロアルケニル基を有するフッ素系界面活性剤が、特に親水性の経時安定性を高め、かつクリヤー塗膜性能を阻害し難いため、より好ましい。
また、このようなフッ素含有成分含有クリヤー塗料に使用される樹脂としては、水溶性樹脂又は合成樹脂エマルションのような水分散性樹脂を使用することができるが、耐水性の点から合成樹脂エマルションが好ましい。
水溶性樹脂としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、酢酸ビニル/アクリル樹脂、エチレン/酢酸ビニル樹脂及びスチレン/アクリレート樹脂等が挙げられる。
合成樹脂エマルションとして、例えば、アクリル樹脂系エマルション、アクリルウレタン樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション、フッ素樹脂系エマルション及びアクリルシリコーン樹脂系エマルション等の有機無機複合樹脂系エマルション等が挙げられる。その中でも、高耐久性と取り扱いの容易さの理由から、アクリルシリコーン樹脂系エマルションがより好ましい。特に、Si−OR基(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基である。)を有する化合物を、クリヤー塗膜の固形分換算において0.1〜50質量%含有する場合には、高耐久性を有し、かつオーバーコート塗膜との密着性が向上するため、より好ましい。
上記のアクリル樹脂系エマルション、アクリルウレタン樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション、フッ素樹脂系エマルション又はアクリルシリコーン樹脂系エマルション等の有機無機複合樹脂系エマルションは、市販されているものを入手して使用することができる。これらのエマルションは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このようなフッ素含有成分含有クリヤー塗料には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、造膜助剤、各種添加剤又は有機溶剤を必要に応じて配合しても構わない。
造膜助剤としては、具体的には、テキサノール、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、カルビトール及びトリエチレングリコール等を挙げることができる。これらの各種造膜助剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。造膜助剤の含有量は、クリヤー塗料組成物100質量%中、0.1〜10質量%が好ましい。
各種添加剤としては、着色顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料分散剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤、防カビ剤、防腐剤及び増粘剤等が挙げられる。また、塗膜外観性の向上や意匠性付与のため、シリカ系艶消し剤、骨材、樹脂ビーズ、ガラスビーズ及びタルク等の体質顔料等を配合することも可能である。
次に、(D)オーバーコート塗膜層について説明する。本発明におけるオーバーコート塗膜層は、下地塗膜層を有する基材上に形成されたクリヤー塗膜の上に配置される。オーバーコート塗膜層は、親水性を塗膜表面に付与するものであり、オーバーコート塗料を塗布することで形成することができ、特に制限無く、さまざまなオーバーコート塗料が適用できる。
オーバーコート塗料としては、オルガノポリシロキサン系の無機樹脂を結合剤とする塗料、オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物とシリル基含有化合物を加水分解縮合反応させて得られる有機無機複合樹脂を結合剤とする塗料、又は水分散コロイダルシリカを含有する塗料等が挙げられる。中でも、耐汚染性及び耐温水性に優れ、かつ自己洗浄能力を有する防汚積層膜を形成できるといった点で、水分散コロイダルシリカを含有する塗料が好ましい。
このようなオーバーコート塗料に使用される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂系エマルション、ポリエステル樹脂系エマルション、ポリウレタン樹脂系エマルション、シリコーン樹脂系エマルション及びフッ素樹脂系エマルション等の水分散性樹脂、並びに水溶性アクリル、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性アクリルシリコーン及び水溶性フッ素樹脂等の水溶性樹脂が挙げられる。
本発明におけるオーバーコート塗料には、更にフッ素系界面活性剤を配合することができる。オーバーコート塗料にフッ素成分が含まれることにより、オーバーコート塗膜層自体の親水性が向上し、かつフッ素含有成分含有クリヤー塗膜層の特徴である親水性の経時安定性向上の相乗効果により、防汚積層塗膜における親水性の経時安定性が更に向上する。
このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルケニルスルホン酸塩及びパーフルオロアルケニルカルボン酸塩等のアニオン型フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム等のカチオン型フッ素系界面活性剤;並びにパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキサイド及びパーフルオロアルキル基を含有するオリゴマー等のノニオン型フッ素系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルケニル基を有するフッ素系界面活性剤が、特に塗膜の耐汚染性に優れるため好ましい。
本発明におけるオーバーコート塗料には、更に必要に応じて、塗膜物性の向上や着色等のために、充填剤や、染料、硬化剤、硬化促進剤、増粘剤及び顔料分散剤等の各種添加剤等を配合することができる。
また、形成されたオーバーコート塗膜上の水に対する接触角は、1°〜40°であることが好ましく、より好ましくは1°〜30°である。接触角が、40°より大きいと塗膜の防汚性能が低下する。
次に、本発明における防汚積層塗膜が形成される基材や下地塗膜について説明する。本発明に使用される基材は、主に建材、特に建築板に使用されるものに適用され、例えば、フレキシブルボードや、珪酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、木片セメント板、石綿セメント板、パルプセメント板、プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート板(ALC板)及び石膏ボード等の無機建材、並びにアルミニウム、鉄及びステンレス等の金属建材等が代表的なものとして挙げられる。これらは、その表面が平滑なものであっても、凹凸形状を有するものであってもよい。
基材上に形成される下地塗膜は、(A)下塗り塗膜層又は(A)下塗り塗膜層と該(A)下塗り塗膜層上に形成される(B)中塗り塗膜層とを備える塗膜層より形成される。下地塗膜を形成する塗膜としては、基材と塗膜との長期間密着性を発現させる働きをなすものであり、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ビニル樹脂、アクリルスチレン樹脂、エポキシ/ポリアミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂又は有機無機複合系樹脂等を結合剤とする各種の溶剤系塗料及び水系塗料等が挙げられる。塗膜機能としては、基材密着性、耐アルカリ性及び耐エフロレッセンス性等が要求される。
特に、外壁等の防汚積層塗膜に耐候性や耐凍害性等が要求される建築建材の場合には、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂又は有機無機複合系樹脂等を結合剤とする溶剤系塗料又は水系塗料が塗装される。
下地塗料、クリヤー塗料及びオーバーコート塗料の塗装方法は、刷毛、スプレー、ロール又はディッピング等の塗装手段により塗装し、例えば、常温もしくは300℃以下の温度で焼付けることにより、硬化塗膜を形成することが可能である。場合により、予め基材を加熱しておき(プレヒート)、その上から塗料を塗装し、硬化塗膜を形成することもできる。
下地塗膜の膜厚は、1〜200μmであり、特に制限されない。クリヤー塗料により形成されるクリヤー塗膜の膜厚は、1〜100μmであり、特に制限されない。また、オーバーコート塗料により形成されるオーバーコート塗膜の膜厚は、0.1〜2μmであることが好ましい。
以下、本発明について、実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準で示す。
(1)フッ素含有成分クリヤー塗料及びオーバーコート塗料の調製
表1の配合を仕込み、十分に撹拌することにより、アクリルクリヤーA、アクリルクリヤーB、アクリルシリコーンクリヤーA及びアクリルシリコーンクリヤーBを調製した。
Figure 2013209832
1)アクリル樹脂系エマルションA(旭化成株式会社製、ポリトロンE2100、固形分47.5%)
2)アクリル樹脂系エマルションB(旭化成株式会社製、ポリトロンE360、固形分45.5%)
3)アクリルシリコーン樹脂系エマルションA(旭化成株式会社製、ポリデュレックスG613、固形分41.5%)
4)アクリルシリコーン樹脂系エマルションB(旭化成株式会社製、ポリデュレックスH7000、固形分41.5%)
5)消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー1316)
6)粘度調整剤(ロームアンドハース社製、ASE−60)
7)防腐剤(アーチケミカルズ社製、Proxel AM)
8)紫外線吸収剤(BASF社製、TINUVIN1130)
9)光安定化剤(BASF社製、TINUVIN292)
次に、表2の配合に従い、前記4種類のクリヤー塗料にフッ素系界面活性剤を配合し、フッ素含有クリヤー塗料を調製した。
Figure 2013209832
10)フッ素系界面活性剤A(株式会社ネオス製、フタージェント100、パーフルオロアルケニル基含有フッ素系界面活性剤、固形分100%)
11)フッ素系界面活性剤B(DIC(株)製、メガファックF−444、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、固形分100%)
また、表3の配合を仕込み、十分に撹拌することにより、オーバーコート塗料(OC1〜OC8)を調製した。
Figure 2013209832
12)水分散コロイダルシリカA(日産化学工業(株)製、スノーテックス−C、固形分20%、pH9.0、平均粒子径10〜20nm、形状:球状)
13)水分散コロイダルシリカB(日産化学工業(株)製、スノーテックス−O、固形分20%、pH3.8、平均粒子径10〜20nm、形状:球状、)
14)水分散コロイダルシリカC(日産化学工業(株)製、スノーテックス−UP、固形分20%、pH10.0、平均粒子径40〜100nm、形状:鎖状)
15)ノニオン系界面活性剤A(TEGO社製、ポリフローKL−510、固形分100%、成分:ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル)
16)ノニオン系界面活性剤B(株式会社ADEKA製、プルロニックL−44、固形分100%、成分:プロピレンオキサイド・エチレンオキサイドブロックポリマー)
17)アニオン系界面活性剤C(株式会社ADEKA製、アデカコール EC−8600、固形分70%、成分:ジオクチルスルホコハク酸エステル塩)
<オーバーコート塗料の加熱残分の測定方法>
加熱残分は、試料としてオーバーコート塗料約3グラムをアルミニウムカップに精秤し、150℃のオーブンを用いて30分間加熱した後の質量を精秤し、元の質量に対する残分の質量から計算し、加熱残分(%)を求めた。結果を表3に示す。
(2)下地塗膜の形成
基材として石膏スラグパーライト板(厚さ12mm)を用い、その表面にポリイソシアネートプレポリマー溶液シーラー「Vセラン#100シーラー」(大日本塗料(株)製)を酢酸ブチル:キシレン=1:1の溶剤により100%希釈した後、塗着量が90〜100g/m(wet質量)となるように吹付塗装した。これを100℃にて5分間乾燥した後、一晩養生して下塗り塗膜層を形成した。
次いで、着色塗料としてアクリルシリコーン樹脂系塗料「Vセラン#300エナメル」(大日本塗料(株)製)を水により10%希釈した後、塗着量が80〜90g/m(wet質量)となるように吹付塗装した。これを120℃にて15分間乾燥して中塗り塗膜層を形成した。
(3)クリヤー塗膜層の形成
次いで、表4及び表5に従い、各クリヤー塗料を水により10%希釈した後、塗着量が80〜90g/m(wet質量)となるように吹付塗装してクリヤー塗膜層を形成した。
(4)オーバーコート塗膜層の形成
次いで、表4及び表5に従い、各オーバーコート塗料を、塗着量30〜40g/m(wet質量)となるように吹付塗装した。これを80℃にて15分間乾燥した後、室温において3日間乾燥してオーバーコート塗膜層を形成し、防汚積層塗膜を有する試験用の塗装板を形成した。
(実施例1〜24及び比較例1〜14)
<防汚積層塗膜の性能評価試験>
得られた塗膜の外観、耐汚染性、耐雨筋汚染性、初期接触角及び簡易バクロ後の接触角の各性能評価試験を行い、その結果を表4及び表5に示した。尚、各性能評価試験の試験方法及び評価基準は、以下に基づいて行った。
<塗膜外観>
得られた塗膜の外観を、以下のように目視により評価した。
◎・・・良好(透明な膜)
○・・・やや良好(一部白濁)
△・・・不良(全体的にやや白濁)
×・・・不良(全体的に白濁)
<耐汚染性>
塗装板上にカーボンブラック分散液(ターペン溶液)をスポイトで数滴滴下して流し塗りした後、水の霧吹きを用いてカーボンブラック分散液を洗い流し、その除染性を以下のように目視判定した。
◎・・・完全に除去されている
○・・・極く軽微な汚染が見られる
△・・・少しの汚染が見られる
×・・・汚染が著しい
<耐雨筋汚染性>
水平面に対して10度傾斜し、かつ、長さ30cm、深さ3mmの溝が3mmピッチで刻まれた屋根を有する架台上に、上記塗装板を、降雨が塗膜表面に筋状に流れ落ちるように南向きに垂直に取り付け、その状態で6ヶ月間暴露(180日間)した。その後、塗膜外観を試験前の塗膜と比較し、塗膜表面の汚染状態を、以下のように目視判定した。
◎・・・汚れは無く、雨筋も確認されない
○・・・わずかな汚れは有るが、雨筋は確認されない
△・・・局所的な汚れが有り、雨筋が薄く確認される
×・・・全面にかなりの汚れが有り、雨筋がはっきりと確認される
<静的接触角の測定>
塗装板表面に0.1ccの蒸留水を滴下し、20℃の雰囲気下で滴下1分後の接触角を協和界面化学株式会社CA−X接触角測定装置にて測定した。
<簡易バクロ評価>
本試験は、防汚積層塗膜における親水性の経時安定性が一時的に低下する現象を適切に評価するために実施したものである。
愛知県内にて、水平面に対して35度傾斜した架台上に塗装板を貼り付け、夏場(6月〜9月)のうちに1ヶ月間(30日間)のバクロ評価を行い、親水性の持続性について検証を行った。バクロ実施後における塗板表面の静的接触角を上記方法にて測定した。
Figure 2013209832
Figure 2013209832
<評価結果>
表4〜表5より明らかな通り、実施例1〜24は、オーバーコート塗料の種類を問わず、簡易バクロ実施後も接触角が40°以下であり、親水性の経時安定性が一時的に低下する現象が抑えられており、親水性の経時安定性が良好であり、且つ耐汚染性及び耐雨筋汚染性も良好であった。一方、クリヤー塗膜層にアクリルクリヤー塗料を用いた比較例1〜7では、初期接触角は5°以下であったが、簡易バクロ実施後では接触角が40°を超えており、オーバーコート塗料の種類によって親水性の経時安定性が十分でなく、耐汚染性及び耐雨筋汚染性も劣るものであった。また、クリヤー塗膜層にアクリルシリコーンクリヤー塗料を用いた比較例8〜14では、オーバーコート塗料の種類を問わず、親水性の経時安定性が顕著に低下する結果を示し、耐汚染性及び耐雨筋汚染性において汚染が目立つものであった。

Claims (5)

  1. 基材上に、(A)下塗り塗膜層又は(A)下塗り塗膜層と該(A)下塗り塗膜層上に形成される(B)中塗り塗膜層とを備える塗膜層からなる下地塗膜層を有し、更に、該下地塗膜層上に形成される(C)クリヤー塗膜層と、該(C)クリヤー塗膜層上に形成される(D)オーバーコート塗膜層とを有する建築板であって、該クリヤー塗膜層がフッ素成分を含有するクリヤー塗料を塗布することにより形成されることを特徴とする建築板。
  2. 前記クリヤー塗料が、フッ素界面活性剤を0.01〜2.0質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の建築板。
  3. 前記フッ素界面活性剤が、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基を有することを特徴とする請求項2に記載の建築板。
  4. 前記クリヤー塗料が、結合剤としてSi−OR基(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基である。)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建築板。
  5. 前記(D)オーバーコート塗膜層が、シリカ(SiO)成分(固形分換算)を0.1〜10質量%含有するオーバーコート塗料により形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建築板。
JP2012080398A 2012-03-30 2012-03-30 建築板 Active JP5743281B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012080398A JP5743281B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 建築板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012080398A JP5743281B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 建築板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013209832A true JP2013209832A (ja) 2013-10-10
JP5743281B2 JP5743281B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=49527899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012080398A Active JP5743281B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 建築板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5743281B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016000808A (ja) * 2014-05-21 2016-01-07 旭化成ケミカルズ株式会社 水系コーティング剤組成物、塗膜、及び塗装製品
JP2016121269A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 Dic株式会社 水性複合樹脂組成物、コーティング剤、及び該コーティング剤で塗装された物品
JP2016121268A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 Dic株式会社 水性複合樹脂組成物、コーティング剤、及び該コーティング剤で塗装された物品
JP6085699B1 (ja) * 2016-03-15 2017-02-22 日本ペイント・インダストリアルコ−ティングス株式会社 防汚コーティング組成物、防汚コーティング層の形成方法及び窯業建材の製造方法。
JP2017066663A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 大日本塗料株式会社 建築板
JP2021044493A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社ファインテック 太陽電池モジュールの防汚・防カビ処理方法及び防汚・防カビ性塗料

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63168470A (ja) * 1987-01-06 1988-07-12 Japan Synthetic Rubber Co Ltd コ−テイング用組成物
JP2002146295A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Nippon Yushi Basf Coatings Kk 上塗り塗料組成物及び塗装物品
JP2002355916A (ja) * 2001-03-27 2002-12-10 Toto Ltd 親水性材及び親水性部材と、それらの製造方法並びに親水性コーティング剤セット
JP2008136920A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 建材
JP2009136811A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装体
JP2010138358A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Nippon Paint Co Ltd 防汚コーティング液、防汚コーティング層形成方法、および防汚コーティング層を有する窯業建材
JP2010222427A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Nippon Paint Co Ltd 水性コーティング剤
JP4812902B1 (ja) * 2011-02-28 2011-11-09 大日本塗料株式会社 防汚塗料組成物及び防汚塗膜の形成方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63168470A (ja) * 1987-01-06 1988-07-12 Japan Synthetic Rubber Co Ltd コ−テイング用組成物
JP2002146295A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Nippon Yushi Basf Coatings Kk 上塗り塗料組成物及び塗装物品
JP2002355916A (ja) * 2001-03-27 2002-12-10 Toto Ltd 親水性材及び親水性部材と、それらの製造方法並びに親水性コーティング剤セット
JP2008136920A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 建材
JP2009136811A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 塗装体
JP2010138358A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Nippon Paint Co Ltd 防汚コーティング液、防汚コーティング層形成方法、および防汚コーティング層を有する窯業建材
JP2010222427A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Nippon Paint Co Ltd 水性コーティング剤
JP4812902B1 (ja) * 2011-02-28 2011-11-09 大日本塗料株式会社 防汚塗料組成物及び防汚塗膜の形成方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016000808A (ja) * 2014-05-21 2016-01-07 旭化成ケミカルズ株式会社 水系コーティング剤組成物、塗膜、及び塗装製品
JP2016121269A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 Dic株式会社 水性複合樹脂組成物、コーティング剤、及び該コーティング剤で塗装された物品
JP2016121268A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 Dic株式会社 水性複合樹脂組成物、コーティング剤、及び該コーティング剤で塗装された物品
JP2017066663A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 大日本塗料株式会社 建築板
JP6085699B1 (ja) * 2016-03-15 2017-02-22 日本ペイント・インダストリアルコ−ティングス株式会社 防汚コーティング組成物、防汚コーティング層の形成方法及び窯業建材の製造方法。
WO2017159205A1 (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社 防汚コーティング組成物、防汚コーティング層の形成方法及び窯業建材の製造方法
JP2017165833A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 日本ペイント・インダストリアルコ−ティングス株式会社 防汚コーティング組成物、防汚コーティング層の形成方法及び窯業建材の製造方法。
JP2021044493A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社ファインテック 太陽電池モジュールの防汚・防カビ処理方法及び防汚・防カビ性塗料
JP7394438B2 (ja) 2019-09-13 2023-12-08 株式会社ファインテック 太陽電池モジュールの防汚・防カビ処理方法及び防汚・防カビ性塗料

Also Published As

Publication number Publication date
JP5743281B2 (ja) 2015-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5743281B2 (ja) 建築板
JP4812902B1 (ja) 防汚塗料組成物及び防汚塗膜の形成方法
JP2008163310A (ja) コーティング剤
JP6046436B2 (ja) 防汚塗膜の形成方法及び防汚塗装物
JP6127322B2 (ja) 親水性塗膜形成用組成物及び親水性塗膜
JP2021126655A (ja) 被膜形成方法
JP4842599B2 (ja) 建築土木用水性塗料
JP6393016B1 (ja) コーティング組成物及び表面保護被膜形成方法
JP2005272835A (ja) ケイ素含有液状組成物
JP2007268344A (ja) 旧塗膜の補修方法
JP4641563B1 (ja) 防汚塗料組成物及び防汚塗膜の形成方法
JP7060609B2 (ja) 床面の表面保護被膜形成方法
KR20190142533A (ko) 방오 코팅제 조성물 및 이들의 제조방법
JP4424780B2 (ja) 塗装方法及びケイ素含有液状組成物
JP2018090663A (ja) コーティング剤用表面調整剤
JP2011006653A (ja) 硬化被膜付き基材
JP7383855B2 (ja) 無機質ガラスコーティング剤
JP2019048991A (ja) 床用コーティング剤、床のコーティング方法、および床構造体の製造方法
JP6853799B2 (ja) 常温で自己退色性を有する塗料組成物
JP4350412B2 (ja) 汚染防止塗装方法
JP2004161894A (ja) 水性低汚染塗料組成物
KR101080325B1 (ko) 건축물 외벽 수성도료용 오염방지제 조성물 및 그 제조방법
JP5241076B2 (ja) 塗膜の形成方法
JP3781293B2 (ja) 塗膜の形成方法
JP5009857B2 (ja) 建材

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5743281

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150