JP2004161894A - 水性低汚染塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗膜の耐汚染性を飛躍的に向上する、水性低汚染塗料組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】特定のエマルジョン粒子として、コア層▲1▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物の共重合体、シェル層▲2▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物からなる共重合体のコア・シェル重合体の樹脂エマルジョンの固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部、添加剤0〜20重量部、充填材10〜80重量部、顔料0〜15重量部、及びウェッティング剤が0.15〜5.0重量部を含むことを特徴とする水性低汚染塗料組成物により、従来の課題を解決した。
【選択図】 なし
【解決手段】特定のエマルジョン粒子として、コア層▲1▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物の共重合体、シェル層▲2▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物からなる共重合体のコア・シェル重合体の樹脂エマルジョンの固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部、添加剤0〜20重量部、充填材10〜80重量部、顔料0〜15重量部、及びウェッティング剤が0.15〜5.0重量部を含むことを特徴とする水性低汚染塗料組成物により、従来の課題を解決した。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水性低汚染塗料組成物に関するものであり、さらに詳しくは金属、ガラス、磁器タイル、コンクリート、サイディングボード、押出成形板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用することができ、主に建築物、土木構造物等の躯体保護に使用する水性低汚染塗料用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築・土木構造物に使用する塗料分野においては有機溶剤を溶媒とする溶剤型塗料から、水を溶媒とする水性塗料への転換が図られつつある。これは、塗装作業者や居住者の健康被害を低減するためや、大気環境汚染を低減する目的で行われているものであり、年々水性化が進んできている。
【0003】
公知の低汚染塗料の中には、例えば、特開平4−370176号公報には、ポリアルキレンオキサイドセグメントなどの親水性セグメントとポリシロキサンなどの疎水性セグメントとを含むポリマーを塗料に含めることで、塗膜表面に疎水性と親水性を同時に付与し、汚染物質の付着の抑制及び降雨による洗浄効果を期待したものがある。塗膜表面が親水性であるために、降水等による水が塗膜の汚染物質を洗い流す効果(ソイルリリース効果)が得られるものである。しかし実際には、塗膜表面に水が触れる機会が得られない場合(塗膜形成直後)には疎水性となり、降雨時に塗膜表面が疎水性から親水性へ転換するのにある程度時間を有するという問題がある。特に汚染性に着目してみると、低汚染型と唄われる水性塗料でさえ、溶剤型の低汚染型塗料のレベルには遠く及ばないのが現状である。
【0004】
また、水性塗料による塗膜は一般的に溶剤型の塗料による塗膜に比べて、塗膜硬度が低く、汚染物質が付着した時の染み込み性が高い傾向にある。従って、一度汚染物質が付着すると、塗膜表面からその汚れを除去することは困難な場合が多い。
【0005】
このような問題を解決した低汚染型塗料としては、塗料中に特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物を配合する技術がWO94/06870に開示されている。より具体的には、WO94/06870に開示される技術は、特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物を添加した際に起こる加水分解縮合反応を制御できないために、短時間で急激に塗料粘度が上昇し、さらには塗料全体がゲル化してしまい、通常の塗装作業をすることさえできないものであった。さらに、たとえ混合後直ちに塗装を行い、塗膜を形成した場合においても、汚染物質の染み込み抵抗性に劣るという欠点があった。
【0006】
また、水性塗料とオルガノシリケート及び/又はその縮合物との相容性が悪く混合後に凝集物を生じるという問題もあった。特に、一般にグロスペイントと呼ばれる高光沢の水性塗料においては、この相容性の悪さによって、表面光沢が極端に低下してしまうという欠点もあった。
【0007】
さらに、オルガノシリケート及び/又はその縮合物を添加した水性塗料を塗装した水性塗料を塗装し塗膜を乾燥硬化させた後、該塗膜上に同じ塗料あるいは別の塗料を塗り重ねる場合、十分な密着性が得られず、リコート性に劣るという問題もあった。
【0008】
このように、単にオルガノシリケート及び/又はその縮合物を水性塗料に添加するのみでは、実用上無視することのできない問題があり、低汚染性に優れた塗膜を得ることは困難であった。
【0009】
【特許文献1】
WO94/06870
【特許文献2】
特開平4−370176
【特許文献3】
特開平9−31401
【特許文献4】
特開2002−138394
【特許文献5】
特開平9−31297
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、塗膜の耐汚染性を飛躍的に向上することであり、これらの課題をすべて解決できる水性低汚染塗料組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、塗膜形成直後よりその表面が親水性で塗膜硬度が高い塗料組成物を発明した。すなわち、シリコン架橋を有するコア・シェル構造のエマルジョンを使用する事により造膜温度が低くても皮膜硬度の高い塗料が出来て汚染防止を図る事が出来る。更に汚染は塗膜表面の静電気に依る場合も多く、ウェッテング剤を添加することにより、塗膜を親水性化するだけでなく、塗膜表面の静電気防止効果が得られることが見出された。本発明は、下記の水性低汚染塗料組成物から構成されるものである。
【0012】
特定のエマルジョン粒子のうち、コア層▲1▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物の共重合体、シェル層▲2▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物からなる共重合体のコア・シェル重合体の樹脂エマルジョンの固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部と、ウェツテイング剤が0.15〜5.0重量部を含む水性塗料組成物から構成される。
更に、エマルジョン粒子のコア層▲1▼にはシラン化合物0.05〜5.0重量%、アクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜70重量%とスチレン0〜50重量%、アクリロニトリル系化合物0〜50重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜50重量%との共重合体からなり、シェル層▲2▼にはシラン化合物0.05〜5.0重量%、アクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜50重量%、メタクリル酸又はそのアルキルエステル0〜50重量%、アクリルニトリル0〜50重量%、スチレン0〜50重量%で▲1▼/▲2▼=90(部)/10(部)〜60(部)/40(部)となる、共重合体のコア・シェル重合体からなる樹脂エマルジョンで固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部、添加剤0〜20重量部、充填材10〜80重量部、顔料0〜15重量部、及びウェツテイング剤が0.15〜5.0重量部を含むことを特徴とする水性低汚染塗料組成物から構成される。
【0013】
本発明の水性低汚染塗料組成物を施工する際には、モルタル、サイディングボード等の下地にシーラーを塗布したのち、水系の塗料からなる下塗り材(上記配合した水性低汚染塗料からなる下塗り材を含む)、次いで上記のように配合した水性低汚染塗料からなる上塗り材を施すことにより、均一な厚みの塗膜をもつ仕上げを簡便な作業により実現可能としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる水性低汚染塗料組成物を基材に塗布するに当たって、基材にシーラーを塗布することが望ましい。シーラーは樹脂溶液又は樹脂エマルジョンからなるもので、モルタル等のように塗料の吸い込みの激しい下地が使用される場合に吸い込み防止に効果があると同時に密着性の向上にも効果がある。また最近使用例の多いサイディングボードの様に浸透性の低い場合には更なる密着性の向上に効果がある。
【0015】
シーラーの具体例としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を各種有機溶剤に溶解してなる組成物やアクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等の樹脂エマルジョンが使用される。該シーラーは前記のように下地に浸透して下塗り剤の浸透、吸い込みを防止するとともに、下地の表面層の補強と塗材の密着性を確保することができる。
【0016】
下塗り材には水系の塗料からなる下塗り材、または、請求項1,2、3及び4に記載した配合の水性低汚染塗料組成物などが使用され、吹き付け、こて等の塗布方法で塗工される。
【0017】
上塗り材には請求項1,2、3及び4に記載した配合の、水性低汚染塗料組成物が使用され、吹き付け、こて等の塗布方法で塗工される。
【0018】
本発明に使用するエマルジョン粒子の配合の割合は全塗料組成物に対して、固形分で10〜30重量部であることが好ましい。10重量部よりも少ないと塗膜形成後の質感及び塗膜強度が悪くなり、30重量部を超えると塗料の作業性を悪化させる。
【0019】
本発明で得られる水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐久性に優れるように、本発明に使用するコア・シェル重合体のガラス転移温度(Tg)が5〜30℃であり、コア層が0℃以下のガラス転移温度を有し、シェル層が10〜40℃の範囲のガラス転移温度を有する。コア・シェル重合体のガラス転移温度が5℃よりも低いときは、得られる皮膜が柔らかくなり耐汚染性が劣り、30℃よりも高い時は弾性、耐久性に劣ることになる。
【0020】
本発明で得られる水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐汚染性に優れるための、エマルジョン粒子のコア層に配合するシラン化合物は0.05〜5.0重量%であり、好ましくは0.1〜3.0重量%である。コア層に対する配合量が過剰になれば、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性や密着性に劣るようになる。0.1重量%よりも少ない時は、耐久性や耐汚染性に劣る。同様にシェル層に配合するシラン化合物は0.1〜3.0重量%であり、好ましくは2.0〜4.0重量%である。コア層と同様に、配合量が過剰になれば、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性や基質への密着性に劣るようになる。0.05重量%よりも少ない時は、耐久性や耐汚染性に劣る。
【0021】
水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐久性に優れるように、エマルジョン粒子のコア層に配合するアクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、スチレン0〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、アクリロニトリルは0〜50重量%であり、好ましくは、5.0〜20重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜50重量%であり好ましくは10〜30重量%である。アクリル酸又は/及びそのアルキルエステルが70重量%よりも多いと、コア・シェル構造が不完全となりやすいほか、皮膜が耐久性に劣る。更にスチレンが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。アクリルニトリルが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。又、メタクリル系化合物が50重量%よりも多いと皮膜の成膜性、弾性、密着性が劣るようになる。
【0022】
水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐久性に優れるように、エマルジョン粒子のシェル層に配合するアクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜50重量%であり、好ましくは、20〜50重量%、スチレン0〜50重量%、好ましくは、10〜40重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜50重量%であり、好ましくは、15〜45重量%、アクリロニトリルは0〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%、である。アクリル酸又は/及びそのアルキルエステルが50重量%よりも多いと、コア・シェル構造が不完全となりやすいほか、皮膜が耐久性に劣る。更にスチレンが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステルが50重量%よりも多いと得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜の成膜性、弾性が劣るようになる。アクリロニトリルが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。
【0023】
本発明において、コア・シェル重合体を構成する粒子の平均粒子径が180〜260nmであることが好ましく、特に200〜230nmの範囲にあることが耐水性、塗膜形成性、作業性の面で好ましい。最低造膜温度は5〜30℃であることが好ましく、5℃よりも低いときは、得られる皮膜が柔らかくなり耐汚染性が劣り、30℃よりも高い時は弾性、耐久性に劣ることになる。
【0024】
水性低汚染塗料組成物中に配合する添加剤には、消泡剤、分散剤、防腐剤、高沸点溶剤、から構成される。配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、添加剤0〜20重量%であることが好ましい、より好ましくは1.0〜10重量%である。これらの範囲を超えると、塗料組成物の粘性、保存安定性、作業性が著しく低下する。具体的には、消泡剤には変成シリコン系化合物、エーテル系化合物、脂肪酸エステル系化合物等が使用され、塗膜中の泡を効果的に解消することができる。分散剤にはカルボン酸塩、無機化合物塩等が使用され、塗料中に含まれる化合物等を効果的に分散することができる。防腐剤には含ハロゲン窒素硫黄系化合物が使用され、塗料の腐敗による劣化を防ぐことができる。高沸点溶剤にはテキサノール、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ等が使用され塗膜の形成を容易にすることが可能となる。塗装に適合した粘度とするためにはメチルセルロース、ヒドロキシエチル/メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を適量使用して調整することができる。また配合材料の分散確保のためノニオン系界面活性剤、ポリリン酸塩等の分散剤を使用すれば良好な分散効果が得られる。
【0025】
水性低汚染塗料組成物中に配合する充填剤の配合する割合は、塗料組成物の粘度の安定性と作業性や塗膜形成後の質感を考慮して、配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、充填材10〜80重量%であることが好ましい、より好ましくは40〜75重量%である。10重量%よりも少ないと塗膜形成後の質感が著しく悪くなり、80重量部を超えると塗膜の耐久性、強靭性が著しく悪くなる。具体的には、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪砂紛、細珪砂、寒水石等の通常塗料に配合することが可能な各種無機系充填剤から構成される。
【0026】
水性低汚染塗料組成物中に配合する顔料の配合する割合は、施工する下地の隠蔽と塗料組成物を任意の色に着色することを目的とし、配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、顔料0〜15重量%であることが好ましい、より好ましくは0.1〜10重量%である。15重量%よりも多いと、皮膜強度、塗料組成物の粘性、作業性が著しく低下する。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(べんがら)、クロム酸鉛(モリブデードオレンジ)黄鉛、黄色酸化鉄等の無機系顔料などが使用できる。
【0027】
ウェッティング剤は塗材表面の親水性向上と、塗材表面の静電気を帯電し難くするため添加する。その配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、0.15〜5.0重量%使用することが好ましく、効果と掛かるコストの面から、特に0.2〜2.0重量%が好ましい。0.15重量%よりも少ないと十分な耐汚染性、静電気防止効果が得られない。5.0重量%よりも多くなっても、コスト高になり添加量に比例した効果が得られないだけでなく耐水性を低下させる。ウェッティング剤はアセチレングリコール化合物、アセチレングリコールポリエチレンオキサイド化合物又はそれらと界面活性剤との混合物から構成される。
【0028】
【実施例1、2】
下地として窯業系サイジングボードを使用し、シーラーとしてアクリル樹脂系エマルジョン{アイカ工業(株)、JS−500}を塗布して乾燥したのち、下塗り材として、前述の組成から構成され、固形分が50%のエマルジョン(表1)とアセチレングリコール{日信化学工業(株)製、サーフィノール61}化合物から構成されるウェッティング剤を含む水性低汚染塗料組成物を塗布量1.0kg/m2コテ塗り仕上げして、該下塗り層に上記配合の水性低汚染塗料組成物を塗布量2.0kg/m2コテ塗り仕上げして塗装仕上した。
【0029】
【比較例1、2、3】
【実施例1及び2】に記載の配合中のウェッティング剤を減量した以外、同一にしてコテ塗り仕上げして比較例1及び2の塗装仕上げをした。比較例3では、樹脂に固形分が50%の汎用アクリルエマルジョン{BASFディスパージョン(株)製、アクローナルYJ−1650DB}を使用し、ウェッティング剤を加えずに上記と同条件でコテ塗り仕上げをした。
【0030】
【汚染性】
試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生した後、愛知県海部郡で南面向き45度傾斜にて屋外暴露を実施し、6ヶ月後の汚染状況を目視で評価した。その測定結果は表2に示すとおりであった。
【0031】
【静電気防止効果】
試験体を気温25℃、湿度65%で7日間養生した後、塗膜表面の電気抵抗をサンワエレクトロニックインストゥルメント社のPDM−507電気抵抗測定器で測定した。その測定結果は表1に示すとおりであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
得られた塗装表面は皮膜硬度が高く、疎水性と親水性を同時に付与し、汚染物質の付着の抑制及び降雨による洗浄効果を期待したものである。塗膜表面が親水性で、静電気防止効果があるために、塗膜表面が静電気を帯電しにくくなり汚染物質の付着を少なくし、降水等による水が塗膜の汚染物質を洗い流す効果(ソイルリリース効果)が得られた。
【産業上の利用分野】
本発明は、水性低汚染塗料組成物に関するものであり、さらに詳しくは金属、ガラス、磁器タイル、コンクリート、サイディングボード、押出成形板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用することができ、主に建築物、土木構造物等の躯体保護に使用する水性低汚染塗料用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築・土木構造物に使用する塗料分野においては有機溶剤を溶媒とする溶剤型塗料から、水を溶媒とする水性塗料への転換が図られつつある。これは、塗装作業者や居住者の健康被害を低減するためや、大気環境汚染を低減する目的で行われているものであり、年々水性化が進んできている。
【0003】
公知の低汚染塗料の中には、例えば、特開平4−370176号公報には、ポリアルキレンオキサイドセグメントなどの親水性セグメントとポリシロキサンなどの疎水性セグメントとを含むポリマーを塗料に含めることで、塗膜表面に疎水性と親水性を同時に付与し、汚染物質の付着の抑制及び降雨による洗浄効果を期待したものがある。塗膜表面が親水性であるために、降水等による水が塗膜の汚染物質を洗い流す効果(ソイルリリース効果)が得られるものである。しかし実際には、塗膜表面に水が触れる機会が得られない場合(塗膜形成直後)には疎水性となり、降雨時に塗膜表面が疎水性から親水性へ転換するのにある程度時間を有するという問題がある。特に汚染性に着目してみると、低汚染型と唄われる水性塗料でさえ、溶剤型の低汚染型塗料のレベルには遠く及ばないのが現状である。
【0004】
また、水性塗料による塗膜は一般的に溶剤型の塗料による塗膜に比べて、塗膜硬度が低く、汚染物質が付着した時の染み込み性が高い傾向にある。従って、一度汚染物質が付着すると、塗膜表面からその汚れを除去することは困難な場合が多い。
【0005】
このような問題を解決した低汚染型塗料としては、塗料中に特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物を配合する技術がWO94/06870に開示されている。より具体的には、WO94/06870に開示される技術は、特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物を添加した際に起こる加水分解縮合反応を制御できないために、短時間で急激に塗料粘度が上昇し、さらには塗料全体がゲル化してしまい、通常の塗装作業をすることさえできないものであった。さらに、たとえ混合後直ちに塗装を行い、塗膜を形成した場合においても、汚染物質の染み込み抵抗性に劣るという欠点があった。
【0006】
また、水性塗料とオルガノシリケート及び/又はその縮合物との相容性が悪く混合後に凝集物を生じるという問題もあった。特に、一般にグロスペイントと呼ばれる高光沢の水性塗料においては、この相容性の悪さによって、表面光沢が極端に低下してしまうという欠点もあった。
【0007】
さらに、オルガノシリケート及び/又はその縮合物を添加した水性塗料を塗装した水性塗料を塗装し塗膜を乾燥硬化させた後、該塗膜上に同じ塗料あるいは別の塗料を塗り重ねる場合、十分な密着性が得られず、リコート性に劣るという問題もあった。
【0008】
このように、単にオルガノシリケート及び/又はその縮合物を水性塗料に添加するのみでは、実用上無視することのできない問題があり、低汚染性に優れた塗膜を得ることは困難であった。
【0009】
【特許文献1】
WO94/06870
【特許文献2】
特開平4−370176
【特許文献3】
特開平9−31401
【特許文献4】
特開2002−138394
【特許文献5】
特開平9−31297
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、塗膜の耐汚染性を飛躍的に向上することであり、これらの課題をすべて解決できる水性低汚染塗料組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、塗膜形成直後よりその表面が親水性で塗膜硬度が高い塗料組成物を発明した。すなわち、シリコン架橋を有するコア・シェル構造のエマルジョンを使用する事により造膜温度が低くても皮膜硬度の高い塗料が出来て汚染防止を図る事が出来る。更に汚染は塗膜表面の静電気に依る場合も多く、ウェッテング剤を添加することにより、塗膜を親水性化するだけでなく、塗膜表面の静電気防止効果が得られることが見出された。本発明は、下記の水性低汚染塗料組成物から構成されるものである。
【0012】
特定のエマルジョン粒子のうち、コア層▲1▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物の共重合体、シェル層▲2▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物からなる共重合体のコア・シェル重合体の樹脂エマルジョンの固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部と、ウェツテイング剤が0.15〜5.0重量部を含む水性塗料組成物から構成される。
更に、エマルジョン粒子のコア層▲1▼にはシラン化合物0.05〜5.0重量%、アクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜70重量%とスチレン0〜50重量%、アクリロニトリル系化合物0〜50重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜50重量%との共重合体からなり、シェル層▲2▼にはシラン化合物0.05〜5.0重量%、アクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜50重量%、メタクリル酸又はそのアルキルエステル0〜50重量%、アクリルニトリル0〜50重量%、スチレン0〜50重量%で▲1▼/▲2▼=90(部)/10(部)〜60(部)/40(部)となる、共重合体のコア・シェル重合体からなる樹脂エマルジョンで固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部、添加剤0〜20重量部、充填材10〜80重量部、顔料0〜15重量部、及びウェツテイング剤が0.15〜5.0重量部を含むことを特徴とする水性低汚染塗料組成物から構成される。
【0013】
本発明の水性低汚染塗料組成物を施工する際には、モルタル、サイディングボード等の下地にシーラーを塗布したのち、水系の塗料からなる下塗り材(上記配合した水性低汚染塗料からなる下塗り材を含む)、次いで上記のように配合した水性低汚染塗料からなる上塗り材を施すことにより、均一な厚みの塗膜をもつ仕上げを簡便な作業により実現可能としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる水性低汚染塗料組成物を基材に塗布するに当たって、基材にシーラーを塗布することが望ましい。シーラーは樹脂溶液又は樹脂エマルジョンからなるもので、モルタル等のように塗料の吸い込みの激しい下地が使用される場合に吸い込み防止に効果があると同時に密着性の向上にも効果がある。また最近使用例の多いサイディングボードの様に浸透性の低い場合には更なる密着性の向上に効果がある。
【0015】
シーラーの具体例としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を各種有機溶剤に溶解してなる組成物やアクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等の樹脂エマルジョンが使用される。該シーラーは前記のように下地に浸透して下塗り剤の浸透、吸い込みを防止するとともに、下地の表面層の補強と塗材の密着性を確保することができる。
【0016】
下塗り材には水系の塗料からなる下塗り材、または、請求項1,2、3及び4に記載した配合の水性低汚染塗料組成物などが使用され、吹き付け、こて等の塗布方法で塗工される。
【0017】
上塗り材には請求項1,2、3及び4に記載した配合の、水性低汚染塗料組成物が使用され、吹き付け、こて等の塗布方法で塗工される。
【0018】
本発明に使用するエマルジョン粒子の配合の割合は全塗料組成物に対して、固形分で10〜30重量部であることが好ましい。10重量部よりも少ないと塗膜形成後の質感及び塗膜強度が悪くなり、30重量部を超えると塗料の作業性を悪化させる。
【0019】
本発明で得られる水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐久性に優れるように、本発明に使用するコア・シェル重合体のガラス転移温度(Tg)が5〜30℃であり、コア層が0℃以下のガラス転移温度を有し、シェル層が10〜40℃の範囲のガラス転移温度を有する。コア・シェル重合体のガラス転移温度が5℃よりも低いときは、得られる皮膜が柔らかくなり耐汚染性が劣り、30℃よりも高い時は弾性、耐久性に劣ることになる。
【0020】
本発明で得られる水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐汚染性に優れるための、エマルジョン粒子のコア層に配合するシラン化合物は0.05〜5.0重量%であり、好ましくは0.1〜3.0重量%である。コア層に対する配合量が過剰になれば、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性や密着性に劣るようになる。0.1重量%よりも少ない時は、耐久性や耐汚染性に劣る。同様にシェル層に配合するシラン化合物は0.1〜3.0重量%であり、好ましくは2.0〜4.0重量%である。コア層と同様に、配合量が過剰になれば、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性や基質への密着性に劣るようになる。0.05重量%よりも少ない時は、耐久性や耐汚染性に劣る。
【0021】
水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐久性に優れるように、エマルジョン粒子のコア層に配合するアクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、スチレン0〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、アクリロニトリルは0〜50重量%であり、好ましくは、5.0〜20重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜50重量%であり好ましくは10〜30重量%である。アクリル酸又は/及びそのアルキルエステルが70重量%よりも多いと、コア・シェル構造が不完全となりやすいほか、皮膜が耐久性に劣る。更にスチレンが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。アクリルニトリルが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。又、メタクリル系化合物が50重量%よりも多いと皮膜の成膜性、弾性、密着性が劣るようになる。
【0022】
水性低汚染塗料組成物が常温で造膜性を有すると共に、得られる皮膜が強靭で耐久性に優れるように、エマルジョン粒子のシェル層に配合するアクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜50重量%であり、好ましくは、20〜50重量%、スチレン0〜50重量%、好ましくは、10〜40重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステルは0〜50重量%であり、好ましくは、15〜45重量%、アクリロニトリルは0〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%、である。アクリル酸又は/及びそのアルキルエステルが50重量%よりも多いと、コア・シェル構造が不完全となりやすいほか、皮膜が耐久性に劣る。更にスチレンが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステルが50重量%よりも多いと得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜の成膜性、弾性が劣るようになる。アクリロニトリルが50重量%よりも多いと、得られる水性低汚染塗料組成物の形成する皮膜が却って成膜性、弾性、密着性に劣るようになる。
【0023】
本発明において、コア・シェル重合体を構成する粒子の平均粒子径が180〜260nmであることが好ましく、特に200〜230nmの範囲にあることが耐水性、塗膜形成性、作業性の面で好ましい。最低造膜温度は5〜30℃であることが好ましく、5℃よりも低いときは、得られる皮膜が柔らかくなり耐汚染性が劣り、30℃よりも高い時は弾性、耐久性に劣ることになる。
【0024】
水性低汚染塗料組成物中に配合する添加剤には、消泡剤、分散剤、防腐剤、高沸点溶剤、から構成される。配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、添加剤0〜20重量%であることが好ましい、より好ましくは1.0〜10重量%である。これらの範囲を超えると、塗料組成物の粘性、保存安定性、作業性が著しく低下する。具体的には、消泡剤には変成シリコン系化合物、エーテル系化合物、脂肪酸エステル系化合物等が使用され、塗膜中の泡を効果的に解消することができる。分散剤にはカルボン酸塩、無機化合物塩等が使用され、塗料中に含まれる化合物等を効果的に分散することができる。防腐剤には含ハロゲン窒素硫黄系化合物が使用され、塗料の腐敗による劣化を防ぐことができる。高沸点溶剤にはテキサノール、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ等が使用され塗膜の形成を容易にすることが可能となる。塗装に適合した粘度とするためにはメチルセルロース、ヒドロキシエチル/メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を適量使用して調整することができる。また配合材料の分散確保のためノニオン系界面活性剤、ポリリン酸塩等の分散剤を使用すれば良好な分散効果が得られる。
【0025】
水性低汚染塗料組成物中に配合する充填剤の配合する割合は、塗料組成物の粘度の安定性と作業性や塗膜形成後の質感を考慮して、配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、充填材10〜80重量%であることが好ましい、より好ましくは40〜75重量%である。10重量%よりも少ないと塗膜形成後の質感が著しく悪くなり、80重量部を超えると塗膜の耐久性、強靭性が著しく悪くなる。具体的には、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪砂紛、細珪砂、寒水石等の通常塗料に配合することが可能な各種無機系充填剤から構成される。
【0026】
水性低汚染塗料組成物中に配合する顔料の配合する割合は、施工する下地の隠蔽と塗料組成物を任意の色に着色することを目的とし、配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、顔料0〜15重量%であることが好ましい、より好ましくは0.1〜10重量%である。15重量%よりも多いと、皮膜強度、塗料組成物の粘性、作業性が著しく低下する。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(べんがら)、クロム酸鉛(モリブデードオレンジ)黄鉛、黄色酸化鉄等の無機系顔料などが使用できる。
【0027】
ウェッティング剤は塗材表面の親水性向上と、塗材表面の静電気を帯電し難くするため添加する。その配合する割合は全塗料組成物の固形分あたり、0.15〜5.0重量%使用することが好ましく、効果と掛かるコストの面から、特に0.2〜2.0重量%が好ましい。0.15重量%よりも少ないと十分な耐汚染性、静電気防止効果が得られない。5.0重量%よりも多くなっても、コスト高になり添加量に比例した効果が得られないだけでなく耐水性を低下させる。ウェッティング剤はアセチレングリコール化合物、アセチレングリコールポリエチレンオキサイド化合物又はそれらと界面活性剤との混合物から構成される。
【0028】
【実施例1、2】
下地として窯業系サイジングボードを使用し、シーラーとしてアクリル樹脂系エマルジョン{アイカ工業(株)、JS−500}を塗布して乾燥したのち、下塗り材として、前述の組成から構成され、固形分が50%のエマルジョン(表1)とアセチレングリコール{日信化学工業(株)製、サーフィノール61}化合物から構成されるウェッティング剤を含む水性低汚染塗料組成物を塗布量1.0kg/m2コテ塗り仕上げして、該下塗り層に上記配合の水性低汚染塗料組成物を塗布量2.0kg/m2コテ塗り仕上げして塗装仕上した。
【0029】
【比較例1、2、3】
【実施例1及び2】に記載の配合中のウェッティング剤を減量した以外、同一にしてコテ塗り仕上げして比較例1及び2の塗装仕上げをした。比較例3では、樹脂に固形分が50%の汎用アクリルエマルジョン{BASFディスパージョン(株)製、アクローナルYJ−1650DB}を使用し、ウェッティング剤を加えずに上記と同条件でコテ塗り仕上げをした。
【0030】
【汚染性】
試験体を気温20℃、湿度65%で7日間養生した後、愛知県海部郡で南面向き45度傾斜にて屋外暴露を実施し、6ヶ月後の汚染状況を目視で評価した。その測定結果は表2に示すとおりであった。
【0031】
【静電気防止効果】
試験体を気温25℃、湿度65%で7日間養生した後、塗膜表面の電気抵抗をサンワエレクトロニックインストゥルメント社のPDM−507電気抵抗測定器で測定した。その測定結果は表1に示すとおりであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
得られた塗装表面は皮膜硬度が高く、疎水性と親水性を同時に付与し、汚染物質の付着の抑制及び降雨による洗浄効果を期待したものである。塗膜表面が親水性で、静電気防止効果があるために、塗膜表面が静電気を帯電しにくくなり汚染物質の付着を少なくし、降水等による水が塗膜の汚染物質を洗い流す効果(ソイルリリース効果)が得られた。
Claims (4)
- 特定のエマルジョン粒子として、コア層▲1▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物の共重合体、シェル層▲2▼がシラン化合物、アクリル系化合物、スチレン、アクリルニトリル系化合物、メタクリル系化合物からなる共重合体のコア・シェル重合体の樹脂エマルジョンの固形分が、全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量部、ウェッティング剤が0.15〜5.0重量部を含むことを特徴とする水性低汚染塗料組成物。
- コア層▲1▼はシラン化合物0.05〜5.0重量%、アクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜70重量%、スチレン0〜50重量%、アクリロニトリル系化合物0〜50重量%、メタクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜50重量%との共重合体、シェル層▲2▼にはシラン化合物0.05〜5.0重量%、アクリル酸又は/及びそのアルキルエステル0〜50重量%、メタクリル酸又はそのアルキルエステル0〜50重量%、アクリロニトリル0〜50重量%、スチレン0〜50重量%で▲1▼/▲2▼=90(部)/10(部)〜60(部)/40(部)である、共重合体のコア・シェル重合体からなるエマルジョン粒子の固形分が全塗料組成物の固形分に対して10〜30重量%、添加剤0〜20重量%、充填材10〜80重量%、顔料0〜15重量%、及びウェッティング剤が0.15〜5.0重量%を含むことを特徴とする水性低汚染塗料組成物。
- コア・シェル重合体のガラス転移温度(Tg)が5〜30℃であり、コア層が0℃以下のガラス転移温度を有し、シェル層が10〜40℃の範囲のガラス転移温度を有する樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1、2記載の水性低汚染塗料組成物。
- コア・シェル重合体を構成する粒子の平均粒子径が180〜260nm、最低造膜温度が5〜30℃である、樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1,2ならびに請求項3記載の水性低汚染塗料組成物。
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2002
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