JP2017209714A - 金型固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型取付面35に複数配置された金型支持体36が、(a)金型取付面35から垂直方向に突出するように配置された進退移動可能な軸部48と、(b)軸部48の先端側に設けられ軸直角方向に延びるフランジ部50と、(c)フランジ部50よりも更に軸部48の先端側に設けられ、フランジ部50よりも外径が大なるベアリング部52と、を有しており、ベアリング部52の上方及びフランジ部50の金型取付面35側の側方に可動金型32の一部が位置する配置で、金型支持体36のベアリング部52にて可動金型32を支持し、軸部48の進退により可動金型32の金型取付面35への固定及び解除を行う。
【選択図】 図2
Description
これらの金型は、異なる形状の製品を製造する際、適宜交換されるが、金型は場合によっては数トンにも及ぶ重量物であるため、金型交換作業は容易なものではなくその作業性の向上が望まれていた。
しかしながら、クレーンを使用して金型を交換する場合は作業時間が長くなり、設備の稼働率が低下し生産性が阻害されてしまう。
一方、専用の金型吊り装置を設置して金型交換を行う場合には、プレス機上に常時金型吊り装置の構造物が設置された状態となり、装置のメンテナンス作業時にこの金型吊り装置の構造物と干渉が生じるなどして作業性が悪化してしまう問題が生じる。
しかしながら、金型と、金型が固定されている金型取付面との間には、通常位置決め等を目的とした係合部分が存在するため、これら特許文献に記載のもののように、金型を機外に向けて水平方向に搬出移動させるためには、単に金型取付面に固定されている金型に対する固定力を解除するだけでなく、更に金型と金型取付面との係合が完全に解除される状態となるまで、重量物の金型を金型取付面から離間させなければならない。
これに対し特許文献1,2に記載のものは、単に金型を水平方向に搬出移動させるための搬送ローラ等の搬送手段を固定的に追加したものにすぎず、これら特許文献には固定力を解除し、次に金型取付面から金型を離間させて、搬出移動可能な状態とする一連の動作を実施するための具体的な構成についての開示はない。
即ち、金型がベアリング部とともに金型取付面接近方向に移動するので、ベアリング部との間に過大な摩擦力が生じることはなく、容易に金型を金型取付面接近方向に移動させることができる。
また金型が金型取付面に接した後は、フランジ部と金型取付面とで金型の一部を挟みつけて金型の位置固定を行なうことができる。
このように本発明では、機外から搬入した金型を金型取付面に接近させ、位置固定するまでの一連の動作を、軸部を移動させることで連続的に行なうことができる。
この際、金型がベアリング部とともに離間方向に移動するので、ベアリング部との間に過大な摩擦力が生じることはなく、容易に金型を所定の位置まで離間方向に移動させることができる。
そしてベアリング部とともに金型が離間方向に位置移動した後は、金型と金型取付面との間で干渉を生じることなく、金型をベアリング部の回転方向、即ち機外への搬出方向に移動させることができる。
このように本発明では、位置固定された金型の固定力を解除し、金型を金型取付面から離間させ、機外へ搬出可能な状態とするまでの一連の動作を、軸部を移動させることで連続的に行なうことができる。
この請求項2によれば、金型支持体の先端部の上下方向及び左右方向(金型の搬入・搬出方向と直交する方向)に溝部の内壁面が位置するため、金型の搬入及び搬出時に搬入・搬出方向と直交する方向の金型のガタつきを良好に制限し得て、金型を目的方向にスムーズに移動させることができる。
また金型支持体の先端部は、金型を固定した状態で金型内部、詳しくは溝部に収納され、金型の周辺に突出状態で残ることがないため、金型交換以外の作業、例えば装置のメンテナンス作業時にこの金型支持体の先端部と干渉が生じるなどして作業性が悪化してしまうといった問題が生じることもない。
このようにすることで、金型を金型取付面に対して接近・離間させる際に金型が傾くのを良好に防止することができる。
このようにすることで、金型を固定するため金型取付面に接近させた際、金型と金型取付面のそれぞれに設けられた凸部と凹部の嵌合によって、金型の位置決めを自動的に行なうことができる。
また金型取付面に対して金型を離間させた際には、これら凸部と凹部の嵌合も自動的に解消される。
図1は本実施形態の金型固定構造を備えた多段式鍛造プレス機を示した図である。
図1において、10は多段式鍛造プレス機(以下、鍛造プレス機とする場合がある)で、箱型形状をなすフレーム12の内部にワークを鍛造加工するための複数(ここでは3段)の鍛造加工部が水平方向に一定間隔で並設されている。
鍛造加工部は、フレーム12側に固定されたダイ14(図2)と、ダイ14に対向して配置されたパンチ16とで構成されている。
各パンチ16は何れもラム18の先端側に装着されており、ラム18の前進移動により各鍛造加工部で材料(ワーク)が同時に成形される。
詳しくは、フライホイール軸25のフライホイール24とは反対側の端部に設けられたピニオンギア27と、クランク軸26の端部に設けられた大ギア28とが噛み合い状態で連結されている。
このため本例では主モータ20の動力によりフライホイール24が回転せしめられるとともに、その動力によりラム18が進退移動する。即ちラム18の先端側に装着されたパンチ16がダイ14に対して進退し鍛造加工が行なわれる。
そして鍛造加工が完了した製品は、図示を省略した搬出装置により機外に搬出される。
図3は、可動側の金型取付部材34と可動金型32とを分離して示した図である。同図で示すように、可動金型32の裏面(金型取付部材34の金型取付面35と対向する面)における上部と下部には、断面T字状の溝部44及び45がそれぞれ水平方向に直線状に延びている。
そして溝部44,45の間には、位置決め用の凹部64が水平方向に3箇所並設されている。本例ではこれら位置決め用の凹部64の中心位置を、可動金型32表面のパンチ16の中心位置と一致させている。
後述するように金型支持体36の先端部には金型支持体36の軸心回りに回転可能なベアリング部52が設けられており、金型搬出の際には可動金型32は金型支持体36で支持された状態で水平方向にスライド移動可能とされている。
48は金型取付部材34の上下方向に延びる金型取付面35から垂直方向に突出するように配置された軸部で、先端側に向かって大径部48−1、中径部48−2、小径部48−3と順次外径が小さくなる段付き形状をなしており、大径部48−1の外周面に嵌合しているスリーブ49によって軸部48は水平方向に進退可能にガイドされている。
ここでベアリング部52の外径(詳しくは外輪の外径)は、フランジ部50の外径よりも大きく設定されている。
本例では可動金型32を支持する金型支持体36が、これら軸部48とフランジ部50とベアリング部52とで構成されている。
尚、小径部48−3のベアリング部52よりも更に先端側には、ベアリング部52の抜けを防止するための止め輪54が装着されている。
一方、ベアリング部52よりも外径が小さいフランジ部50と溝部44の上壁面46との間には上下方向に隙間が形成されている。
58は油圧シリンダ56の容器とピストン57とにより区画された油圧シリンダ56における油室で、図示を省略した油圧ポンプからの油が油流路60を通じて供給されている。
またピストン57の、油室58とは反対側の空間にはスプリング62が設けられている。
尚、61はスプリング62が収納されている空間を大気と連通させる連通路である。
また、可動金型32を金型取付面35から離間する方向に移動させる場合、油室58の油圧を低下させ、スプリング62による図中右向きの付勢力にて軸部48を図中右向きに移動させる。
例えば図4で示すように、金型取付面35に固定された状態の可動金型32を機外に搬出する場合、可動金型32を支持している金型支持体36の軸部48を図中右方向に移動させる。すると先ず可動金型32を金型取付面35に押し付けていた固定力が解除される。
これに続いて、可動金型32は金型支持体36の先端部とともに金型取付面35から離間する方向に移動し、金型側の凹部64と取付面35側の凸部66との係合が解除される。図5(A)はその状態を示した図である。
この際、可動金型32はベアリング部52とともに離間方向に移動するため、可動金型32と、可動金型32の重量を支持しているベアリング部52との間に過大な摩擦力が生じることはなく、所定の位置まで可動金型32を離間方向に移動させることができる。
図5(B)において、78は金型搬出方向のフレーム12の側面に形成された貫通の開口部、80は開口部78の外側に配置された金型交換用の台車である。
台車80の上面には、搬出された可動金型32を保持するため保持板82が設けられている。保持板82の金型保持面83には、先端部にベアリングを備えた軸体84が金型支持体36と同じ高さで水平方向に複数配置されている。
同図で示すように保持板82は、開口部78内に進入する方向に移動可能とされており、搬出方向に移動した可動金型32の溝部44,45に、軸体84の先端部を順次嵌入させて、可動金型32を支持し、その後保持板82は可動金型32とともに機外の台車80に移動する。これにより可動金型32の機外への搬出が完了する。
その後、可動金型32を搬入方向に移動させ可動金型32の溝部44,45に金型支持体36の先端部を順次嵌入させながら、可動金型32を所定の位置まで移動させる。
その後、図6(B)で示すように、金型支持体36の先端部が金型取付面35に接近する方向(図中左方向)に金型支持体36の軸部48を移動させると、金型支持体36のベアリング部52で支持されている可動金型32が金型取付面35に接近し、金型側の凹部64と金型取付面35側の凸部66とが嵌合して可動金型32の位置決めが自動的に行なわれる。
尚、以上の説明では複数ある金型支持体36のうちの1つについてその動きを説明してきたが、金型交換時において金型支持体36の軸部48の進退移動は、複数の金型支持体36全てについて同時に行なわれる。
即ち、可動金型32がベアリング部52とともに接近方向に移動するので、ベアリング部52との間に過大な摩擦力が生じることはなく、容易に可動金型32を接近方向に位置移動させることができる。
また可動金型32が金型取付面35に接した後は、フランジ部50と金型取付面35とで可動金型32を挟みつけて可動金型32の位置固定を行なう。
このように本実施形態では、搬入した可動金型32を金型取付面35に接近させ、位置固定するまでの一連の動作を、軸部48を移動させることで連続的に行なうことができる。
この際、可動金型32がベアリング部52とともに離間方向に移動するので、ベアリング部52との間に過大な摩擦力が生じることはなく、容易に可動金型32を所定の位置まで離間方向に移動させることができる。
そしてベアリング部52とともに可動金型32が離間方向に位置移動した後は、可動金型32と金型取付面35との間で干渉を生じることなく、可動金型32をベアリング部52の回転方向、即ち機外への搬出方向に移動させることができる。
このように本実施形態では、位置固定された可動金型32の固定力を解除し、可動金型32を金型取付面35から離間させ、機外へ搬出可能な状態とするまでの一連の動作を、軸部48を移動させることで連続的に行なうことができる。
また金型支持体36の先端部は、可動金型32を固定した状態で、金型内部、詳しくは溝部44,45に収納され、可動金型32の周辺に突出状態で残ることがないため、金型交換以外の作業、例えばプレス装置のメンテナンス作業時にこの金型支持体36の先端部と干渉が生じるなどして作業性が悪化してしまうといった問題が生じることもない。
図2において、70は固定側の金型取付部材40の上下方向に延びる金型取付面71から垂直方向に突出するように配置された軸部で、軸部70の先端側には軸直角方向に張り出した円環状をなすフランジ部50が形成され、更にその先端側には軸部70の軸中心回りに回転可能な外輪を備えたベアリング部52が設けられている。ここでベアリング部52の外径はフランジ部50の外径よりも大きく設定されている。
本例では固定金型38を支持する金型支持体42が、軸部70とフランジ部50とベアリング部52とで構成されている。
また固定金型38が金型取付面71に接した後は、フランジ部50と金型取付面71とで固定金型38を挟みつけて固定金型38の位置固定を行なうことができる。
このように固定金型38の側においても、搬入した固定金型38を金型取付面71に接近させ、位置固定するまでの一連の動作を、軸部70を移動させることで連続的に行なうことができる。
尚、固定金型38の金型取付面71と対向する面に位置決め用の凸部86が、また金型取付面71に位置決め用の凹部88が設けてあり、金型交換時、固定金型38を固定するため金型取付面71に接近させた際、それら凸部86と凹部88の嵌合によって固定金型38の位置決めが自動的に行なわれる。
そしてベアリング部52とともに固定金型38が離間方向に位置移動した後は、固定金型38と金型取付面71との間で干渉を生じることなく、固定金型38を機外への搬出方向に移動させることができる。
このように固定金型38の側においても、位置固定された固定金型38の固定力を解除し、固定金型38を金型取付面71から離間させ、機外へ搬出可能な状態とするまでの一連の動作を、軸部70を移動させることで連続的に行なうことができる。
また本発明は鍛造プレス機以外のプレス機に適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
14 ダイ
16 パンチ
32 可動金型
35,71 金型取付面
36,42 金型支持体
38 固定金型
44,45,72,74 溝部
48,70 軸部
50 フランジ部
52 ベアリング部
64,88 凹部
66,86 凸部
Claims (4)
- プレス機の金型取付面に、パンチ又はダイを備えた金型を固定させる金型固定構造であって、
該金型取付面に複数配置された金型支持体が、(a)該金型取付面から垂直方向に突出するように配置された進退移動可能な軸部と、(b)該軸部の先端側に設けられ軸直角方向に延びるフランジ部と、(c)該フランジ部よりも更に前記軸部の先端側に設けられ、該フランジ部よりも外径が大なるベアリング部と、を有しており、
該ベアリング部の上方及び前記フランジ部の前記金型取付面側の側方に前記金型の一部が位置する配置で、前記金型支持体のベアリング部にて前記金型を支持し、前記軸部の進退により前記金型の前記金型取付面への固定及び解除を行うことを特徴とする金型固定構造。 - 請求項1において、前記金型の前記金型取付面と対向する面には、直線状に延びる断面T字状の溝部が形成されていて、前記フランジ部及びベアリング部を含む前記金型支持体の先端部が該溝部に嵌入した状態で、前記金型を支持することを特徴とする金型固定構造。
- 請求項2において、前記金型の前記溝部を複数平行に形成し、それぞれの溝部に複数の前記金型支持体の先端部が嵌入した状態で、前記金型を支持することを特徴とする金型固定構造。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記金型の前記金型取付面と対向する面には位置決め用の凸部又は凹部が、また前記金型取付面には位置決め用の凹部又は凸部がそれぞれ設けられており、該金型が該金型取付面に接近した際、前記凸部と凹部とが嵌合して、該金型の位置決めが行なわれることを特徴とする金型固定構造。
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