JP2017209055A - 皮膚状態の評価方法及び皮膚に適用するための組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚状態の評価方法及び皮膚に適用するための組成物を提供する。【解決手段】本発明は、皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を指標として当該皮膚の状態を評価する方法を提供する。また、本発明は、皮膚細菌叢改善剤を含む皮膚に適用するための組成物も提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、皮膚状態の評価方法及び皮膚に適用するための組成物に関し、より詳しくは皮膚細菌叢における菌の構成割合に基づく皮膚状態の評価方法及び皮膚細菌叢を改善する為の剤を含む皮膚に適用するための組成物に関する。
皮膚の状態を評価し、その評価結果を美容や健康の増進に役立てようとする試みが行われてきている。また、その評価結果をより適切な化粧料や化粧方法の選択に役立てようとすることも行われてきている。このような評価において、例えば遺伝子発現状態、酵素活性、及び化合物の存在量が指標とされている。
例えば、特許文献1には、「被験者から採取された皮膚細胞におけるAGR2及び/又はAGR3の発現量を測定することを含む、皮膚の乾燥状態の評価方法。」(請求項1)が開示されている。また、特許文献2には、「肌関連酵素の活性を指標として、目元の肌状態を推定する方法。」(請求項1)が開示されており、当該酵素に関して「角層中の酵素であることが好ましく、さらにはカスパーゼ−14が好ましい。」(段落0009)と記載されている。
特許文献3には、「ヒト皮膚から単離した皮膚サンプルからセリンラセマーゼ活性若しくは発現量及び/又はD−セリン量を指標とする、皮膚バリア機能を評価する方法。」(請求項8)が開示されている。また、特許文献4には、「皮膚角層中のインターロイキン−1レセプターアンタゴニストの発現量を指標とすることを特徴とする皮膚の肌理の評価方法。」(請求項1)が開示されている。
本発明は、皮膚状態の新たな評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は新たな皮膚に適用するための組成物を提供することも目的とする。
本発明者らは、皮膚の細菌叢と角質水分量との関係について検討したところ、皮膚細菌叢における特定の細菌の構成割合と角質水分量との間に相関が見られることを発見した。本発明は、当該発見に基づく皮膚状態の評価方法を提供する。
すなわち、本発明は、皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を指標として当該皮膚の状態を評価する方法を提供する。前記評価において、皮膚細菌叢におけるVeillonellaceae科Dialister属及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属の細菌の割合がさらに指標とされうる。
本発明は、上記評価方法により皮膚の状態を評価すること、及び、当該評価の結果に応じて皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を調節する為の処置を行うことを含むスキンケア方法も提供する。
本発明は、被検物質を皮膚に施与すること及び当該被検物質が施与された皮膚の状態を上記評価方法により評価することを含む、皮膚の状態を調節する為の剤のスクリーニング方法も提供する。
本発明は、上記評価方法により皮膚の状態を評価すること、及び、当該評価の結果に応じて皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を調節する為の処置を行うことを含むスキンケア方法も提供する。
本発明は、被検物質を皮膚に施与すること及び当該被検物質が施与された皮膚の状態を上記評価方法により評価することを含む、皮膚の状態を調節する為の剤のスクリーニング方法も提供する。
また、本発明は、皮膚細菌叢改善剤を含む、皮膚に適用するための組成物を提供する。当該組成物は、化粧料、医薬部外品、又は医薬品でありうる。当該皮膚細菌叢改善剤はリン脂質及び/又はステロールを含みうる。当該皮膚細菌叢改善剤はさらに多価アルコール及び/又は水溶性高分子を含みうる。当該リン脂質はリポソームを構成していてもよい。当該組成物は、Xanthomonadaceae科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させる為のものでありうる。当該組成物は、Veillonellaceae科Dialister属細菌及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させる為のものでありうる。
また、本発明は、リン脂質及び/又はステロールを皮膚に適用することを含む、皮膚細菌叢の調節方法を提供する。当該方法は、皮膚のXanthomonadaceae科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させるものでありうる。当該方法は、皮膚のVeillonellaceae科Dialister属細菌及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させるものでありうる。当該調節方法において、前記リン脂質がリポソームの形態で皮膚に適用されうる。
本発明は、Xanthomonadaceae科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させることを含む皮膚水分量改善方法を提供する。また、本発明は、Veillonellaceae科Dialister属細菌及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させることを含む皮膚水分量改善方法も提供する。
本発明により、新たな皮膚状態の評価方法が提供される。当該評価方法によって得られた結果に基づき、美容や健康を増進するためのより適切な処置が選択されうる。また、当該評価方法によって得られた結果に基づき、より適切な化粧料や化粧方法を選択することも可能になりうる。
<皮膚の状態を評価する方法>
本発明は皮膚の状態を評価する方法を提供する。当該評価方法において、皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合が指標とされる(以下、Xanthomonadaceae科細菌のことを「X科細菌」ともいう)。X科細菌はグラム陰性好気性桿菌および球菌である。当該細菌の割合を指標とすることによって、皮膚状態を適切に評価することが可能となる。
本発明は皮膚の状態を評価する方法を提供する。当該評価方法において、皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合が指標とされる(以下、Xanthomonadaceae科細菌のことを「X科細菌」ともいう)。X科細菌はグラム陰性好気性桿菌および球菌である。当該細菌の割合を指標とすることによって、皮膚状態を適切に評価することが可能となる。
本発明の評価方法において、Veillonellaceae科Dialister属及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属の細菌の割合がさらに指標とされうる(以下、Veillonellaceae科Dialister属細菌及びTissierellaceae科Parvimonas属をそれぞれ「D属細菌」及び「P属細菌」ともいう)。D属細菌はグラム陰性偏性嫌気性球菌である。P属細菌はグラム陽性偏性嫌気性球菌である。これらの細菌の割合も指標に加えることによって、皮膚状態のより適切な評価が可能となりうる。本発明の評価方法において、D属細菌及び/又はP属細菌の割合のみが指標とされてもよい。
本発明の評価方法において、X科細菌の割合が高くなった場合に皮膚の状態が良くなったと判断され、当該割合が低くなった場合に皮膚の状態が悪くなったと判断されうる。
また、本発明の評価方法において、X科細菌の割合が高くなり且つD属及び/若しくはP属の細菌の割合が低くなった場合に皮膚の状態が良くなったと判断され、X科細菌の割合が低くなり且つD属及び/若しくはP属の細菌の割合が高くなった場合に皮膚の状態が悪くなったと判断されうる。本発明の評価方法において、D属及び/若しくはP属の細菌の割合のみが低くなった場合又は高くなった場合にそれぞれ、皮膚の状態が良くなった又は悪くなったと判断されてもよい。
本発明の評価方法において、皮膚細菌叢における上記細菌の割合は、当該割合を測定可能な任意の細菌叢解析方法により測定されてよい。そのような測定方法は当業者に既知であり、測定方法の種類は当業者により適宜選択されうる。例えば、細菌DNAのうち16S rRNAをコードする特定の領域について増幅したPCR産物を、次世代DNAシーケンサーを用いて解析することにより、当該割合の測定は行われうる。また、或る期間の前後で同じ測定方法により皮膚細菌叢における細菌の割合を測定することにより、当該割合の変化を知ることができ、その変化を皮膚状態が良くなったこと又は悪くなったことの判断材料とすることができる。
前記次世代DNAシーケンサーを用いた細菌叢解析は、(1)細菌DNAの抽出、(2)16S rRNAの指定領域の増幅、(3)16S rRNAの指定領域増幅産物へのアダプター配列の付加、(4)配列取得、及び(5)菌叢の組成の取得、という手順により行うことができる。
上記(1)の細菌DNAの抽出は公知の手法を用いて行うことができ、その手法は特に制限されない。例えば綿棒で皮膚をこすることにより又は皮膚をピンセット等でかきとることにより皮膚細菌含有試料を採取し、当該試料から例えばフェノール・クロロホルムを用いた抽出法により又は市販入手可能なDNA抽出キットを用いて抽出することにより、細菌DNAは抽出されうる。市販入手可能なDNA抽出キットとしては例えばMightyPrepreagentforDNA及びNucleoSpin(商標)(いずれもタカラバイオ株式会社)、PowerFecal(商標)DNA Isolation Kit(Qiagen社)、及びPureLink Microbiome DNA Purification Kit(Thermo社)等を挙げることができるがこれらに限定されない。
上記(2)の16S rRNAの指定領域の増幅は、16S rRNAをコードするDNA領域のうちから、多様性領域を挟む2つの異なる保存領域中の配列に対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いてPCRを行うことにより行われうる。当該PCRにより、指定領域についての増幅産物が得られる。当業者は、本明細書内で言及した菌の細菌叢に占める構成割合を得る為に増幅されるべき領域を適宜指定することができ、そのような領域を増幅するための適切なプライマーを設定することもできる。例えば、多様性領域V1〜V9のうちのいずれかを挟むように保存領域中の配列に対応するプライマーを設定してよく、又は、2、3若しくはそれ以上の多様性領域、例えばV1及びV2領域、V3及びV4領域又はV1〜V3領域などを挟むように保存領域中の配列に対応するプライマーを設定してもよい。このようなプライマーの例としては、例えば16S rRANのユニバーサルプライマーである27F及び534R、もしくは1048F及び1175Rを挙げることができるがこれらに限定されない。
上記(3)のアダプター配列の付加は、上記(2)において得られた増幅産物をテンプレートとして、次世代シーケンス用のアダプター配列を有するプライマーを用いてPCRを行うことにより作成されうる。当該PCRにより、当該アダプター配列を有する、指定領域についての増幅産物ライブラリーが得られる。アダプター配列は、用いられる次世代シーケンサーの種類によって適宜定められうる。
上記(4)の配列取得は、上記(3)において得られたライブラリーに対する次世代シーケンサーによる配列解析によって行われうる。用いられうる次世代シーケンサーは当業者により適宜選択されうる。次世代シーケンサーとしては、例えばMiSeq及びHiSeq(いずれもイルミナ株式会社)、ロシュ454ゲノムシークエンサー(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)及びPacBio RSII(Pacific Biosciences社)等を用いることができるがこれらに限定されない。
上記(5)の菌叢の組成の取得は、上記(4)において取得された配列データを用いて、16S rRNAデータベースに対して相同性検索及び系統分類を行うことにより行われる。そのような解析パイプラインとしては例えば、QIIME、USEARCH及びBaseSpace(商標)等を用いることができるがこれらに限定されない。
本発明において「細菌の割合」は、当該細菌の皮膚細菌叢に占める割合である。上記次世代DNAシーケンサーを用いた細菌叢解析の場合、「細菌の割合」は、当該細菌のDNAのうちの16SrRNAコード領域中の指定領域のコピー数/試料中の全ての細菌のDNAのうちの16SrRNAコード領域中の指定領域のコピー数でありうる。
本発明の評価方法において、前記皮膚の状態は、皮膚水分量、肌のキメ、肌の透明感、経皮水分蒸散量、及び皮脂量からなる項目の群から選ばれる1つ又は2つ以上に基づくものでありうる。本発明の評価方法において、より特には、前記皮膚の状態は皮膚水分量に基づくものでありうる。本発明の評価方法において、皮膚水分量が高くなること又は低くなることがそれぞれ、皮膚の状態が良くなること又は悪くなることに対応しうる。
本発明において「皮膚」は、特にはヒトの皮膚であるが、他の哺乳動物の皮膚であってもよく、例えばマウス、ラット、ウサギ、イヌ及びサル等の動物の皮膚であってもよい。本発明の評価方法において皮膚は、より特にはヒトの顔の皮膚、さらにより特にはヒトの頬の皮膚でありうる。
また、本発明は、上記評価方法により皮膚の状態を評価すること、及び、当該評価の結果に応じて、皮膚細菌叢におけるX科細菌の割合を調節する為の処置を行うことを含むスキンケア方法を提供する。当該処置は、D属及び/若しくはP属の細菌の割合をさらに調節する為のものであってもよく、D属及び/若しくはP属の細菌の割合のみを調節するものであってもよい。本発明のスキンケア方法によって、皮膚細菌叢の状態に応じた適切な皮膚への対応が可能となりうる。また、本発明のスキンケア方法により、皮膚の状態が改善されうる。すなわち、本発明は皮膚状態を改善するスキンケア方法も提供する。
前記スキンケア方法において、前記処置は、皮膚細菌叢におけるX科細菌の割合を高める為のものでありうる。さらには、前記処置は、X科細菌の割合を高め、且つ/又は、D属及び/若しくはP属の細菌の割合を低める為のものでありうる。すなわち、本発明は、このように細菌の割合を調節することにより皮膚状態を改善するスキンケア方法を提供する。
前記スキンケア方法における上記処置において、上記細菌の割合の調節に適した剤であればいかなる剤が用いられてもよい。当該剤は、例えば本明細書内下記で述べる本発明の皮膚に適用するための組成物でありうる。
本発明のスキンケア方法は、皮膚細菌叢におけるX科細菌の割合を、当該スキンケア方法を適用する前の割合に対して、当該スキンケア方法を適用した後に好ましくは4倍以上、より好ましくは5倍以上の値に増加させるものでありうる。当該割合がこのように増加されることで、皮膚状態がより改善されうる。また、本発明のスキンケア方法は、当該割合を、増加された状態で維持するものでありうる。このような状態が維持されることで、改善された皮膚状態が維持されうる。
本発明のスキンケア方法は、皮膚細菌叢におけるX科細菌の割合を、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらにより好ましくは3%以上に増加するものでありうる。このような割合となることで、皮膚状態がより改善された状態になりうる。また、本発明のスキンケア方法は、皮膚細菌叢におけるX科細菌の割合を、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらにより好ましくは3%以上で維持するものでありうる。このような割合が維持されることで、良好な皮膚状態が維持されうる。また、上記のX科細菌の割合は、皮膚状態が改善された場合であっても、多くの場合10%以下であり、例えば8%以下又は7%以下でありうる。
また、本発明は、皮膚の状態を調節する為の剤のスクリーニング方法を提供する。当該スクリーニング方法は、被検物質を皮膚に施与すること、及び、当該被検物質が施与された皮膚の状態を上記評価方法により評価することを含む。当該スクリーニング方法によって、皮膚状態の調節に役立つ剤が特定されうる。当該皮膚の状態を改善するための剤は、特には皮膚の状態を改善する為の剤であり、より特には皮膚水分量改善剤でありうる。
<皮膚に適用するための組成物>
本発明は、皮膚細菌叢改善剤を含む、皮膚に適用するための組成物を提供する。本発明の皮膚に適用するための組成物は皮膚細菌叢改善剤のみからなるものであってもよい。当該組成物は例えば化粧料、医薬部外品、又は医薬品でありうる。本発明の皮膚に適用するための組成物によって、皮膚細菌叢が改善され、その結果皮膚状態が改善されうる。
本発明は、皮膚細菌叢改善剤を含む、皮膚に適用するための組成物を提供する。本発明の皮膚に適用するための組成物は皮膚細菌叢改善剤のみからなるものであってもよい。当該組成物は例えば化粧料、医薬部外品、又は医薬品でありうる。本発明の皮膚に適用するための組成物によって、皮膚細菌叢が改善され、その結果皮膚状態が改善されうる。
前記皮膚細菌叢改善剤は、リン脂質及び/又はステロールを有効成分として含みうる。すなわち、リン脂質及び/又はステロールにより皮膚細菌叢が改善されうる。当該剤による皮膚細菌叢の改善は、X科細菌の割合を高めること且つ/又はD属及び/若しくはP属の細菌の割合を低めることでありうる。より特には、上記本発明のスキンケア方法に関して述べた細菌割合の変化を達成することが、皮膚細菌叢の改善でありうる。
リン脂質は一般に、グリセリンを骨格とするグリセロリン脂質とスフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質の2種に分類されうる。本発明においてリン脂質はグリセロリン脂質及びスフィンゴリン脂質を包含する。当該グリセロリン脂質としては、例えばホスファチジルコリン(レシチンともいう)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロールなどが挙げられるがこれらに限定されない。当該スフィンゴリン脂質としては、例えばスフィンゴミエリンなどが挙げられるがこれらに限定されない。本発明においてリン脂質としてこれら化合物の1つ又は複数が用いられてもよい。本発明において前記リン脂質として、卵黄リン脂質、大豆リン脂質、又は、それらの精製物及び/若しくはそれらの水素添加物又は水酸化物が用いられてもよい。
本発明の皮膚細菌叢改善剤においてリン脂質は、当該剤の全質量に対して例えば0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜4質量%、より好ましくは0.5〜3質量%含まれうる。このような含有割合によって、リン脂質の皮膚細菌叢改善作用がより発揮されうる。
本発明において前記ステロールとして、例えばコレステロール、シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、フコステロール、スピナステロール、及びブラシカステロールを挙げられるがこれらに限定されない。本発明において前記ステロールとして、動物ステロール、植物ステロール(フィトステロール)、菌類ステロールが用いられてもよい。
本発明の皮膚細菌叢改善剤においてステロールは、当該剤の全質量に対して例えば0.01〜2質量%、好ましくは0.05〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含まれうる。このような含有割合によって、ステロールの皮膚細菌叢改善作用がより発揮されうる。
本発明において前記皮膚細菌叢改善剤は、多価アルコール及び/又は水溶性高分子をさらに含みうる。多価アルコール及び/又は水溶性高分子によって、リン脂質及び/又はステロールの皮膚細菌叢改善作用が高められうる。
本発明において前記多価アルコールは分子内に水酸基を2個以上有するものである。分子内に水酸基を2個有するものとしては、例えばプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール等のペンタンジオール等が挙げられる。また、分子内に水酸基を3個以上含むものとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、及びテトラグリセリン、並びに、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、エリスリトール等の糖類が挙げられる。本発明において多価アルコールとしてこれら化合物の1つ又は複数が用いられてもよい。
本発明の皮膚細菌叢改善剤において多価アルコールは、当該剤の全質量に対して例えば3〜25質量%、好ましくは5〜22質量%、より好ましくは7〜20質量%含まれうる。このような含有割合によって、皮膚細菌叢改善作用がより発揮されうる。
本発明において前記水溶性高分子として、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)共重合体、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。これら水溶性高分子の1つ又は2以上を用いてもよい。
本発明の皮膚細菌叢改善剤において水溶性高分子は、当該剤の全質量に対して例えば0.01〜2質量%、好ましくは0.05〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%含まれうる。このような含有割合によって、皮膚細菌叢改善作用がより発揮されうる。
前記皮膚細菌叢改善剤において、前記リン脂質はリポソームを構成していてもよく、前記リン脂質及び前記ステロールの両者がリポソームを構成していてもよい。前記リン脂質がリポソームとして存在していることにより、特には前記リン脂質及び前記ステロールの両者がリポソームを構成していることにより、リン脂質及び/又はステロールの皮膚細菌叢改善作用が高められうる。リポソームは、リン脂質の二分子膜により形成される閉鎖小胞である。リポソームは好ましくは50〜300nm、より好ましくは60〜280nm、さらにより好ましくは70〜250nmの粒子径を有しうる。
前記リポソームは、公知のリポソーム製造方法に従って製造することができる。前記リポソームは例えば、リン脂質及び/又はステロールを多価アルコールに分散させ、水を添加して高圧乳化機やホモミキサーによる高圧分散処理によって形成されうる。
本発明の皮膚に適用するための組成物は、X科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させる為に用いられうる。本発明の皮膚に適用するための組成物によってX科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させることにより、皮膚細菌叢が改善され、皮膚状態も改善されうる。
また、本発明の皮膚に適用するための組成物は、D属細菌及び/又はP属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させる為に用いられうる。本発明の皮膚に適用するための組成物によってD属細菌及び/又はP属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させることにより、皮膚細菌叢が改善され、皮膚状態も改善されうる。
本発明の皮膚に適用するための組成物は、皮膚細菌叢改善剤のみからなってもよく、又は皮膚細菌叢改善剤と他の成分とを含んでいてもよい。本発明の皮膚に適用するための組成物における皮膚細菌叢改善剤の含有割合の下限は、当該組成物の総質量に対して例えば、0.1質量%、0.5質量%、1質量%、5質量%、10質量%、20質量%、及び50質量%でありうる。本発明の皮膚に適用するための組成物における皮膚細菌叢改善剤の含有割合の上限は、当該組成物の総質量に対して例えば99.0質量%、99.5質量%、99質量%、95質量%、90質量%、80質量%及び50質量%でありうる。
本発明の皮膚に適用するための組成物の剤型は当業者に既知の任意のものであってよい。当該組成物が化粧品又は医薬部外品である場合、当該組成物は例えば液状、ジェル状、シャーベット状、乳液状、クリーム状、又は軟膏状であってよく、より具体的には化粧水、乳液、美容液、マッサージ料、パック料、フェイスクリーム、洗顔料、日焼けクリーム、日焼けローション、日焼け止めクリーム、化粧下地、シャンプー、リンス、コンディショナー、ボディシャンプー、ボディローション等でありうる。当該組成物が医薬品である場合、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、又は貼付剤でありうる。
本発明は、皮膚細菌叢の調節方法も提供する。当該方法はリン脂質及び/又はステロールを皮膚に施与することを含む。施与されるリン脂質及び/又はステロールの量は、その効果を発揮する範囲内において、当業者により適宜決定されうる。当該リン脂質及び/又はステロールとして、前記皮膚に適用するための組成物について述べたものが用いられてよい。当該リン脂質はリポソームを形成していてもよく、前記リン脂質及びステロールの両者がリポソームを形成していてもよい。すなわち、当該リン脂質、特には当該リン脂質及びステロールが、リポソームの形態で皮膚に適用されうる。当該リン脂質及び/又はステロールは、上記組成物の状態で皮膚に適用されてもよい。
本発明の皮膚細菌叢調節方法は、前記皮膚に適用するための組成物に関して述べた多価アルコール及び/又は水溶性高分子を皮膚に適用することも含みうる。当該多価アルコール及び/又は水溶性高分子は、リン脂質及び/又はステロールと一緒に又はリン脂質及び/又はステロールとは別に適用されてもよい。例えば、当該多価アルコール及び/又は水溶性高分子は、リン脂質及び/又はステロールを含む組成物の一成分として皮膚に適用されうる。当該多価アルコール及び/又は水溶性高分子は、上記皮膚に適用するための組成物の状態で皮膚に適用されてもよい。
本発明の皮膚細菌叢調節方法は、皮膚のX科細菌を増加させるものでありうる。また、本発明の皮膚細菌叢調節方法は、皮膚のD属細菌及び/又はP属細菌を減少させるものでありうる。このような細菌叢の調節により、皮膚状態が改善されうる。当該調節は、例えば上記で述べた本発明のスキンケア方法又は皮膚に適用するための組成物により行われうる。
本発明は皮膚水分量改善方法も提供する。当該方法は、X科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させることを含みうる。当該細菌の皮膚細菌叢に占める割合の増加は、例えば上記で述べた本発明のスキンケア方法又は皮膚に適用するための組成物により行われうる。
本発明の皮膚水分量改善方法は、D属細菌及び/又はP属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させることを含みうる。当該細菌の皮膚細菌叢に占める割合の減少は例えば、当該細菌の皮膚細菌叢に占める割合の増加は、例えば上記で述べた本発明のスキンケア方法又は皮膚に適用するための組成物により行われうる。
<皮膚細菌叢における細菌の構成割合と角質水分量との関係>
健常被験者12名に対し、リポソーム製剤を一方の頬の皮膚に4週間、毎日朝晩適量を連用し、連用前及び連用後の当該頬の皮膚細菌叢の細菌構成割合を解析した。また、当該頬の皮膚水分量についてもリポソーム製剤連用前及び連用後に測定した。他方の頬については、リポソーム製剤を適用せずに、上記連用の前及び後に当該頬の皮膚細菌叢の細菌構成割合を解析するとともに、皮膚水分量も測定した。以下に、リポソーム製剤の処方、細菌叢解析の手順、及び皮膚水分量の測定方法について記載する。
健常被験者12名に対し、リポソーム製剤を一方の頬の皮膚に4週間、毎日朝晩適量を連用し、連用前及び連用後の当該頬の皮膚細菌叢の細菌構成割合を解析した。また、当該頬の皮膚水分量についてもリポソーム製剤連用前及び連用後に測定した。他方の頬については、リポソーム製剤を適用せずに、上記連用の前及び後に当該頬の皮膚細菌叢の細菌構成割合を解析するとともに、皮膚水分量も測定した。以下に、リポソーム製剤の処方、細菌叢解析の手順、及び皮膚水分量の測定方法について記載する。
<リポソーム製剤の処方>
以下の処方のリポソーム製剤を用いた。
以下の処方のリポソーム製剤を用いた。
リポソーム製剤処方(単位:質量%)
1.水素添加大豆リン脂質 1.6
2.コレステロール 0.4
3.トコフェロール 0.01
4.1,3−BG 8
5.グリセリン 6
6.カルボキシビニルポリマー 0.03
7.キサンタンガム 0.3
8.水酸化Na 0.01
9.精製水 残量
1.水素添加大豆リン脂質 1.6
2.コレステロール 0.4
3.トコフェロール 0.01
4.1,3−BG 8
5.グリセリン 6
6.カルボキシビニルポリマー 0.03
7.キサンタンガム 0.3
8.水酸化Na 0.01
9.精製水 残量
上記成分を混合した後、以下の製造方法によりリポソーム製剤を調製した。
(製造方法)
A:成分1〜5を80℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分9の一部を80℃に加熱し、Aに添加し撹拌する。
C:Bを冷却した後に成分6〜8及び9の残部を添加混合する。
D:Cを直交ニコル下で偏光顕微鏡観察にてマルテーゼクロス像の存在を確認した後、アルティマイザーにて高圧処理(150MPa 処理回数1回)してリポソーム製剤を調製した。
(製造方法)
A:成分1〜5を80℃に加熱し、均一に溶解する。
B:成分9の一部を80℃に加熱し、Aに添加し撹拌する。
C:Bを冷却した後に成分6〜8及び9の残部を添加混合する。
D:Cを直交ニコル下で偏光顕微鏡観察にてマルテーゼクロス像の存在を確認した後、アルティマイザーにて高圧処理(150MPa 処理回数1回)してリポソーム製剤を調製した。
<細菌叢解析の手順>
頬の皮膚から採取した細菌のDNAを抽出した。抽出されたDNAに対して、16S rRNAをコードするDNAのうち多様性領域を挟む2つの異なる保存領域に対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いてPCRを行い、指定領域についての増幅産物を得た。得られた増幅産物をテンプレートとして、次世代シーケンス用のアダプター配列を有するプライマーを用いてPCRを行い、当該アダプター配列を有する、指定領域についての増幅産物ライブラリーを得た。当該ライブラリーについて、次世代シーケンサーを用いて配列解析を行った。得られた配列について、相同性検索及び系統分類を行い、菌叢の組成を得た。
頬の皮膚から採取した細菌のDNAを抽出した。抽出されたDNAに対して、16S rRNAをコードするDNAのうち多様性領域を挟む2つの異なる保存領域に対応するフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いてPCRを行い、指定領域についての増幅産物を得た。得られた増幅産物をテンプレートとして、次世代シーケンス用のアダプター配列を有するプライマーを用いてPCRを行い、当該アダプター配列を有する、指定領域についての増幅産物ライブラリーを得た。当該ライブラリーについて、次世代シーケンサーを用いて配列解析を行った。得られた配列について、相同性検索及び系統分類を行い、菌叢の組成を得た。
<皮膚水分量の測定方法>
皮膚水分量測定は、皮表角層水分量測定装置(SKICON-200EX、株式会社ヤヨイ)により行った。皮膚水分量の単位はμSである。
皮膚水分量測定は、皮表角層水分量測定装置(SKICON-200EX、株式会社ヤヨイ)により行った。皮膚水分量の単位はμSである。
<結果>
細菌叢解析により得られた組成のうち、以下の細菌の構成割合を図1に示す。なお、Propionibacterium属細菌及びStaphylococcus属細菌は、皮膚細菌叢中で主要な細菌の例として挙げた。
Propionibacterium属細菌
Staphylococcus属細菌
Xanthomonadaceae科細菌
Veillonellaceae科Dialister属細菌
Tissierellaceae科Parvimonas属細菌
また、当該構成割合の変化と上記皮膚水分量測定により得られた皮膚水分量の変化との関係を図2に示す。
細菌叢解析により得られた組成のうち、以下の細菌の構成割合を図1に示す。なお、Propionibacterium属細菌及びStaphylococcus属細菌は、皮膚細菌叢中で主要な細菌の例として挙げた。
Propionibacterium属細菌
Staphylococcus属細菌
Xanthomonadaceae科細菌
Veillonellaceae科Dialister属細菌
Tissierellaceae科Parvimonas属細菌
また、当該構成割合の変化と上記皮膚水分量測定により得られた皮膚水分量の変化との関係を図2に示す。
図1に示されるとおり、リポソーム製剤の連用後に、X科細菌の存在比率が高くなった。また、図2に示されるとおり、X科細菌の存在比率の増加量が大きければ大きいほど皮膚水分量の増加量が大きい傾向にあり、皮膚水分量の変化量とX科細菌の存在比率の変化量との間に有意な正の相関があった(P<0.05)。
また、図1に示されるとおり、リポソーム製剤の連用後に、D属細菌及びP属細菌の存在比率が低くなった。図2に示されるとおり、当該存在比率の減少量が大きければ大きいほど、皮膚水分量の増加量が大きい傾向にあり、皮膚水分量の変化量とD属細菌及びP属細菌の存在比率の変化量との間に有意な負の相関があった(P<0.05)。
以上のとおり、X科細菌の皮膚細菌叢に占める構成割合の変化量と角質水分量の変化量との間には相関があるので、当該構成割合を皮膚の状態の指標として利用できる。また、D属細菌及びP属細菌の皮膚細菌叢に占める構成割合の変化量と皮膚水分量の変化量との間にも相関があるので、当該構成割合を皮膚状態の指標として利用できる。
下記表1に、上記被験者のうち5名に関する、Propionibacterium属細菌、Staphylococcus属細菌及びXanthomonadaceae科細菌それぞれの全体に対する構成割合を、連用前後夫々について示す(以下、Propionibacterium属細菌及びStaphylococcus属細菌をそれぞれ「Pr属菌」及び「St属菌」ともいう)。
表1において、「塗布無」及び「塗布有」はそれぞれ、リポソーム製剤を施与しなかった頬及び施与した頬におけるデータであることを示す。「Pr属細菌の構成割合」は、総細菌に占めるPr属細菌の構成割合である。「St属細菌の構成割合」及び「X科細菌の構成割合」についても同様である。水分量は上記皮膚水分量の測定方法による測定結果である。
上記結果より、上記リポソーム製剤の施与により皮膚水分量が増加すること及びX科細菌の皮膚細菌叢に占める構成割合を高めることが示された。よって、上記リポソーム製剤は、皮膚細菌叢の改善剤として使用できる。
Claims (22)
- 皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を指標として当該皮膚の状態を評価する方法。
- 前記評価において、皮膚細菌叢におけるVeillonellaceae科Dialister属及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属の細菌の割合がさらに指標とされる、請求項1に記載の方法。
- Xanthomonadaceae科細菌の割合が高くなった場合に皮膚の状態が良くなったと判断すること及び/又は当該割合が低くなった場合に皮膚の状態が悪くなったと判断することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
- Xanthomonadaceae科細菌の割合が高くなり且つVeillonellaceae科Dialister属及び/若しくはTissierellaceae科Parvimonas属の細菌の割合が低くなった場合に皮膚の状態が良くなったと判断すること、並びに/又は
Xanthomonadaceae科細菌の割合が低くなり且つVeillonellaceae科Dialister属及び/若しくはTissierellaceae科Parvimonas属の細菌の割合が高くなった場合に皮膚の状態が悪くなったと判断すること
を含む、請求項2に記載の方法。 - 前記皮膚の状態が皮膚水分量に基づくものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により皮膚の状態を評価すること、及び
前記評価の結果に応じて、前記皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を調節する為の処置を行うこと
を含む、スキンケア方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により皮膚の状態を評価すること、及び
前記評価の結果に応じて、前記皮膚細菌叢におけるXanthomonadaceae科細菌の割合を高める為の処置を行うこと
を含む、スキンケア方法。 - 被検物質を皮膚に施与すること、及び
当該被検物質が施与された皮膚の状態を、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により評価すること
を含む、皮膚の状態を調節する為の剤のスクリーニング方法。 - 被検物質を皮膚に施与すること、及び
当該被検物質が施与された皮膚の状態を、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により評価すること
を含む、皮膚の状態を改善する為の剤のスクリーニング方法。 - 皮膚細菌叢改善剤を含む、皮膚に適用するための組成物。
- 化粧料、医薬部外品、又は医薬品である、請求項10に記載の皮膚に適用するための組成物。
- 前記皮膚細菌叢改善剤がリン脂質及び/又はステロールを含む、請求項10又は11に記載の皮膚に適用するための組成物。
- 皮膚細菌叢改善剤が多価アルコール及び/又は水溶性高分子をさらに含む、請求項12に記載の皮膚に適用するための組成物。
- 前記リン脂質がリポソームを構成している、請求項12又は13に記載の皮膚に適用するための組成物。
- Xanthomonadaceae科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させる為の、請求項10〜14のいずれか一項に記載の皮膚に適用するための組成物。
- Veillonellaceae科Dialister属細菌及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させる為の、請求項10〜15のいずれか一項に記載の皮膚に適用するための組成物。
- リン脂質及び/又はステロールを皮膚に適用することを含む、皮膚細菌叢の調節方法。
- 皮膚のXanthomonadaceae科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させる、請求項17に記載の方法。
- 皮膚のVeillonellaceae科Dialister属細菌及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させる、請求項17又は18に記載の方法。
- 前記リン脂質がリポソームの形態で皮膚に施与される、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
- Xanthomonadaceae科細菌の皮膚細菌叢に占める割合を増加させることを含む、皮膚水分量改善方法。
- Veillonellaceae科Dialister属細菌及び/又はTissierellaceae科Parvimonas属細菌の皮膚細菌叢に占める割合を減少させることを含む、皮膚水分量改善方法。
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JP2016104426A JP2017209055A (ja) | 2016-05-25 | 2016-05-25 | 皮膚状態の評価方法及び皮膚に適用するための組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019216652A (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | ポーラ化成工業株式会社 | 特定の肌状態と相関のある特定の環境由来菌の菌量に基づく、肌状態の診断方法、皮膚常在細菌叢の多様性の推測方法、特定の環境由来菌の菌量の推測方法、特定の肌状態と相関のある菌の属性を解析する方法、肌状態改善作用を有する物質又は美容方法のスクリーニング方法 |
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2016
- 2016-05-25 JP JP2016104426A patent/JP2017209055A/ja active Pending
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JP2019216652A (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | ポーラ化成工業株式会社 | 特定の肌状態と相関のある特定の環境由来菌の菌量に基づく、肌状態の診断方法、皮膚常在細菌叢の多様性の推測方法、特定の環境由来菌の菌量の推測方法、特定の肌状態と相関のある菌の属性を解析する方法、肌状態改善作用を有する物質又は美容方法のスクリーニング方法 |
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