JP2017208471A - 積層板及び配線板の製造方法 - Google Patents

積層板及び配線板の製造方法 Download PDF

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正樹 森田
薫平 山田
Kunpei Yamada
薫平 山田
中島 澄子
Sumiko Nakajima
澄子 中島
晃 堀江
Akira Horie
晃 堀江
高根沢 伸
Shin Takanezawa
伸 高根沢
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Daisuke Fujimoto
大輔 藤本
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Abstract

【課題】絶縁樹脂層表面の凹凸形状が小さい状態でも、配線導体に対して高い接着力を有し、高温で長時間放置しても、絶縁樹脂層が配線導体に対して高い接着力を維持することができる積層板の製造方法及び配線板の製造方法を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含む樹脂組成物の硬化物を含む積層体に、最大波長200nm以下の波長で照射処理する工程を備える積層板の製造方法。(a)基板上に(A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する工程、(b)前記樹脂層を熱硬化処理し、硬化樹脂層を形成する工程、(c)前記硬化樹脂層を200nm以下の波長で放射するランプで照射処理する工程、及び(d)該硬化樹脂層に無電解めっき処理を施す工程、を含む配線板の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、積層板の製造方法及び、配線板の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進んできた。そして、その形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。そのため、多層配線板においては、電子部品の実装密度を向上させるために、微細配線化の開発が進められている。
微細配線化の要求に対応するための方法のひとつとして、めっきにより導体層を形成する方法が知られている。
例えば、特許文献1にあるようなビルドアップ方式の多層配線板の回路形成方法としては、主にセミアディティブ法が用いられている。この方法は、無電解めっきの後、必要な部分のみに電気めっきで回路形成し、その後、配線パターンが形成されない部分にある無電解めっき層を除去するものである。この方法は、除去する導体層が薄いため、導体層のエッチング量が少なく、配線パターンが細る問題が発生しづらく、微細配線化に有利である。この方法では、樹脂表面の粗さによるアンカー効果によって樹脂とめっき銅との接着力を確保している状況であり、その表面粗さRa(算術平均粗さ)は、0.5μm以上と大きい状況である。このような方法では、無電解銅めっきが粗化形状の奥深くまで入り込んでいるために除去しにくく、幅が10μm以下の微細な回路では、絶縁不良やオープン不良が発生することがある。そのため、多層配線板を歩留り良く製造することができない。一方で、粗化形状を小さくすると、めっき銅との接着力が低下し、回路(ライン)が剥離する等の不良が発生する。そのため、平滑な表面でめっき銅と高接着力を示す配線板材料が必要となっている。
このような状況において、特許文献2では、内層回路板と外層回路との密着度を高めるために絶縁樹脂層と無電解めっき用接着剤層を予めラミネートした複合層シートも提案されている。しかし、更なる配線微細化に対応するため、更に微細な粗化形状でありながら無電解銅めっきと高接着力を示す配線板材料が求められている。
特許文献3では、めっき銅との接着力に優れたアディティブ法配線板用接着剤の組成物が提案されている。しかし、絶縁基板に接着剤を塗布するため、接着剤と絶縁基板との界面の接着性を考慮すると、接着剤の厚みを10〜50μmとする必要があり、薄型化には充分ではない。
特許第3290296号公報 特開平01−099288号公報 特開2001−123137号公報
絶縁樹脂層表面の凹凸を小さくすることが微細配線化の実現に重要となるが、凹凸が小さくなると、絶縁樹脂層と無電解金属めっき層との接着力が低下するため、該接着力を向上させる必要がある。
本発明は、このような状況下になされたものであり、絶縁樹脂層表面の凹凸形状が小さい状態でも、配線導体に対して高い接着力を有し、高温で長時間放置しても、絶縁樹脂層が配線導体に対して高い接着力を維持することができる積層板の製造方法及び配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂と、活性型エステル基含有化合物を含む樹脂組成物を用い、熱硬化後、これに200nm以下のエキシマランプを照射する処理を施して得た積層板上に、めっき法にて配線を形成することにより、効率よく目的の配線板が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、
(1) (A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含む樹脂組成物の硬化物を含む積層体に、最大波長200nm以下の波長で照射処理する工程を備える積層板の製造方法。
(2) 前記(A)エポキシ樹脂が、炭素数3以上のアルキレングリコールを含む(1)に記載の積層板の製造方法。
(3) 前記(B)活性型エステル基含有化合物のエステル基当量が、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、0.3〜2.0当量である、(1)又は(2)に記載の積層板の製造方法。
(4) (a)基板上に(A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する工程、(b)前記樹脂層を熱硬化処理し、硬化樹脂層を形成する工程、(c)前記硬化樹脂層を200nm以下の波長で放射するランプで照射処理する工程、及び(d)該硬化樹脂層に無電解めっき処理を施す工程、を含む配線板の製造方法。
(5) さらに、(e)無電解めっきの上に、電気めっき処理を施す工程を含む(4)に記載の配線板の製造方法。
本発明によれば、絶縁樹脂層表面の凹凸形状が小さい状態でも、配線導体に対して高い接着力を発現し、ビアホール底のスミアを除去するために過マンガン酸ナトリウム系などの粗化液で処理しても、絶縁樹脂層表面の粗化凹凸形状が小さく、かつ配線導体に対して高い接着力を維持し得る積層板の製造方法及び配線板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明で用いる樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)活性型エステル基含有化合物を含む。
。以下、これらの成分について説明する。
((A)成分:エポキシ樹脂)
(A)成分としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有すると共に、炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を主鎖に有するエポキシ樹脂を好適に用いることができる。また、柔軟性を向上させる観点から、炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位は、2以上連続して繰り返していることが好ましい。耐熱性を向上させる観点からは、芳香族エポキシ樹脂であることが好ましい。なお、「炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を有する」とは、炭素数3以上のアルキレングリコールをモノマとして用いて得られてもよく、炭素数3以上のアルキレングリコール骨格を有するモノマを用いて得られてもよい。
(A)成分としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールT型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂、テトラフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基を骨格に有するエポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂等が挙げられる。(A)成分のエポキシ樹脂は、絶縁信頼性や耐熱性の観点から、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER828EL」、「YL980」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER806H」、「YL983U」)等が挙げられる。
炭素数3以上のアルキレングリコールとしては、炭素数4以上のアルキレングリコールが好ましい。炭素数の上限は、限定されないが、例えば15以下であると好ましく、10以下であるとより好ましく、8以下であると更に好ましい。(A)成分としては、例えば、ヘキサンジオールに由来する構造単位を主鎖中に有するビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を主鎖に有する(A)成分の具体例として、例えば、下記一般式(I)及び式一般式(II)で示す構造単位を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2017208471
Figure 2017208471
[一般式(I)中、(−O−R−O−)は炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を示し、好ましくは前記のとおりである。一般式(II)中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基又は単結合を示し、好ましくは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基である。また、nは1〜15を表し、好ましくは2〜10である。]
(A)成分としては、ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂とは、分子中にビフェニル誘導体の芳香族環を含有したアラルキルノボラック型のエポキシ樹脂をいい、例えば、下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2017208471
上記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬株式会社製の商品名「NC−3000」、「NC−3000H」等が挙げられる。
(A)成分の含有量は特に限定されないが、本発明で用いる樹脂組成物からなる絶縁樹脂層とベースマテリアルとの密着性を高める観点から、樹脂組成物の全質量(全固形分)を基準として、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。(A)成分の上限の含有量は特に限定されないが、絶縁樹脂層のひさしの形成を更に軽減する観点から、樹脂組成物の全質量(全固形分)を基準として、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ基当量は、限定されないが、好ましくは50〜3000g/eq、より好ましくは80〜2000g/eq、更に好ましくは100〜1000g/eqである。なお、エポキシ基当量は、JIS K7236(エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方)に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量を表す。
((B)成分:活性型エステル基含有化合物)
(B)成分である活性型エステル基含有化合物は、活性型エステル基を含有する化合物である。(B)成分は、(A)成分の硬化剤として用いることができる。(B)成分としては、例えば、1分子中に1個以上のエステル基を含み、エポキシ樹脂を硬化させることができる化合物が挙げられる。(B)成分としては、例えば、脂肪族又は芳香族カルボン酸と、脂肪族又は芳香族ヒドロキシ化合物とから得られるエステル化合物が挙げられる。
これらの中でも、脂肪族カルボン酸と脂肪族ヒドロキシ化合物とから得られるエステル化合物は、脂肪族鎖を含むことにより有機溶媒への可溶性やエポキシ樹脂との相溶性を高くできる。芳香族カルボン酸と芳香族ヒドロキシ化合物とから得られるエステル化合物は、芳香族環を有することで耐熱性を高めることができる。
(B)成分として好適に用いられる化合物としては、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン酸等の芳香族化合物の水素原子の2〜4個をカルボキシル基で置換した芳香族カルボン酸と、前記した芳香族化合物の水素原子の1個を水酸基で置換した1価フェノール、又は、前記した芳香族化合物の水素原子の2〜4個を水酸基で置換した多価フェノールとの混合物を原材料として、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが挙げられ、市販品としても入手可能である。EXB−9460、EXB−9460S、EXB−9480、EXB−9420(いずれもDIC株式会社製、商品名);BPN80(三井化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。(B)成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分のエステル基当量は、(A)成分のエポキシ基1当量に対して0.3〜2.0当量であることが好ましく、0.4〜1.5当量であることがより好ましく、0.5〜0.9当量であることが更に好ましい。この範囲内であると、耐熱性及びガラス転移温度がより良好となる傾向にある。
(B)成分とともに、エポキシ樹脂を硬化する機能を持つ公知の硬化剤を併用することができる。例えば、フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及び、酸無水物系硬化剤が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、特に制限されないが、クレゾールノボラック型硬化剤、ビフェニル型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が好ましい。フェノール系硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール系硬化剤の市販品としては、KA−1160、KA−1163、KA−1165(いずれもDIC株式会社製、商品名)等のクレゾールノボラック型硬化剤;MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(いずれも明和化成株式会社製、商品名)等のビフェニル型硬化剤;TD2090(DIC株式会社製、商品名)等のフェノールノボラック型硬化剤;EXB−6000(DIC株式会社製、商品名)等のナフチレンエーテル型硬化剤;、LA3018、LA7052、LA7054、LA1356(いずれもDIC株式会社製、商品名)等のトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に制限はないが、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4´−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4´−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、特に制限はないが、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
((C)エポキシ樹脂硬化促進剤)
本発明で用いる樹脂組成物には、(A)エポキシ樹脂の硬化促進剤((C)成分)を用いることが好ましい。(C)成分としては、エポキシ樹脂の硬化に用いられる一般的な硬化促進剤を使用することができる。なお、(B)成分及び(C)成分の双方に該当し得る化合物は、(B)成分に帰属するものとする。(C)成分としては、イミダゾール系化合物;有機ホスフィン系化合物;有機ホスファイト系化合物;ホスホニウム塩化合物;トリアルキルアミン;アミン系化合物;アミン類;1.8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン等との塩;第4級アンモニウム塩化合物等が使用できる。(C)成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等のイミダゾール系化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物;トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の有機ホスファイト系化合物;エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン;4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン等のアミン系化合物;ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等のアミン類;1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセンと、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸等との塩;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量は限定されないが、(A)成分の全量を基準として0.02〜1.5質量%が好ましい。含有量が0.02質量%以上であると、多官能エポキシ樹脂の硬化がより充分となってはんだ耐熱性が更に良好となり、1.5質量%以下であると、樹脂組成物の保存安定性やBステージの樹脂組成物の取り扱い性がより向上する傾向にある。同様の観点から、(C)成分の含有量は、0.8〜1.3質量%がより好ましい。
樹脂組成物は、溶媒を含有することが可能であり、他成分を溶媒で希釈して用いることができる。溶媒としては、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物における溶媒の含有量は、特に制限されるものではなく、樹脂組成物の塗膜を形成する設備に合わせて調整することができる。
樹脂組成物は、必要に応じ、各種添加成分(レベリング剤、酸化防止剤、難燃剤、揺変性付与剤、増粘剤等)を更に含有することができる。
樹脂組成物の調製方法としては、特に制限はなく、従来公知の調製方法を用いることができる。例えば、前記溶媒中に、前記した(A)成分、(B)成分及び(C)成分を加えた後、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、自転公転式分散方式等の各種混合方式を用いて混合・攪拌することによりワニスとして調製することができる。各成分の混合・撹拌に際しては、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール、ナノマイザー等の既知の混練方法及び分散方法を用いることができる。ワニス中の溶媒を除く固形分含量は、塗工性等に優れる観点から、20〜70質量%が好ましい。
樹脂組成物は、めっきプロセス用絶縁樹脂層を得るために用いることが可能であり、種々の用途に展開することができる。樹脂組成物は、例えば、後述するように、ベースマテリアル上に、樹脂組成物の硬化物からなる絶縁樹脂層を配置し、当該絶縁樹脂層上に導体層をめっきで形成することで配線板を得るために用いることができる。また、樹脂組成物を熱硬化して絶縁樹脂層を得た後、絶縁樹脂層に紫外線を照射することにより絶縁樹脂層を得ることができる。樹脂組成物から得られる絶縁樹脂層は、例えば微細配線を形成した配線板を製造するために好適に用いることができる。具体的には、ラインアンドスペース(L/S)が10μm/10μm以下の配線を形成するために好適に用いることができ、特に5μm/5μm以下、更には3μm/3μm以下の配線を形成するために好適に用いることができる。
樹脂組成物を用いて得られた絶縁樹脂層は、絶縁樹脂層の表面の凹凸形状が小さいにもかかわらず、導体層に対して高い接着力を発現する。その機構については必ずしも明確ではないが、紫外線を照射することにより、(B)成分である活性型エステル基含有化合物に起因して絶縁樹脂中に存在するエステル基が分解して、絶縁樹脂層の表面に酸素含有基が形成され、この酸素含有基が導体層に対する高い接着力をもたらすと推察される。なお、絶縁樹脂層の表面に形成された酸素含有基の酸素原子量は、X線光電子分光法により測定することができる。
<樹脂付キャリアフィルム>
樹脂付キャリアフィルムは、樹脂組成物と、キャリアフィルム(支持体)と、を用いてなる。樹脂付キャリアフィルムは、例えば、樹脂組成物をキャリアフィルム上に塗布した後に乾燥してBステージ樹脂層を形成することで得られる。具体的には、樹脂組成物を含むワニスをキャリアフィルムに塗工した後、例えば80〜180℃程度の温度で1〜10分間程度乾燥処理して得られる。乾燥処理の温度が80℃以上であり且つ乾燥処理の時間が1分以上である場合、Bステージ樹脂層内にボイドが発生することをより抑制することができる。また、乾燥処理の温度が180℃以下であり且つ乾燥処理の時間が10分以下であると、乾燥が進みすぎて樹脂フロー量が低下することをより抑制することができる。
キャリアフィルムとしては、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔(銅箔、アルミニウム箔等)、離型紙等が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルムが好適に用いられる。プラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
キャリアフィルムの厚さは、特に限定されないが、10〜200μmの範囲が好ましく、20〜60μmの範囲がより好ましく、20〜50μmの範囲が更に好ましい。
また、キャリアフィルムとしては、樹脂組成物と接合する面に離型層を有する離型層付キャリアフィルムを使用してもよい。離型層付キャリアフィルムの離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及び、シリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。
離型層付キャリアフィルムは、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、リンテック株式会社製の「PET501010」、「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」等が挙げられる。
Bステージ樹脂層の厚みは、配線板用積層板及び多層配線板の形態における全体の厚みを低減しつつ更に良好な接着力を得る観点から、例えば、0.5〜10μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
<絶縁樹脂付キャリアフィルム>
絶縁樹脂付キャリアフィルムは、樹脂組成物の硬化物とキャリアフィルム(支持体)とを備える。絶縁樹脂付キャリアフィルムは、例えば、上記の樹脂付キャリアフィルムを熱硬化させることで得られる。熱硬化時の条件は適宜決定できるが、導体層との接着性がより良好となり、めっき処理時のアルカリ処理液への浸食がより抑えられるような硬化度の絶縁樹脂層を得られるという観点から、例えば150〜190℃で30〜90分間程度の熱処理を施すことが好ましい。
<めっきプロセス用絶縁樹脂層、及び、めっきプロセス用絶縁樹脂付キャリアフィルム>
めっきプロセス用絶縁樹脂層は、樹脂組成物の硬化物を含む。硬化物は、例えば、樹脂組成物を熱硬化した後に紫外線を照射して得られる硬化物である。めっきプロセス用絶縁樹脂付キャリアフィルムは、めっきプロセス用絶縁樹脂層と、当該めっきプロセス用絶縁樹脂層を支持するキャリアフィルム(支持体)と、を備える。めっきプロセス用絶縁樹脂付キャリアフィルムは、例えば、樹脂付キャリアフィルム又は絶縁樹脂付キャリアフィルムを用いて得ることができる。
めっきプロセス用絶縁樹脂層の厚みは、配線板用積層板及び多層配線板の形態における全体の厚みを低減しつつ更に良好な接着力を得る観点から、例えば、0.5〜10μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
絶縁樹脂層における導体層が形成される表面(キャリアフィルムと接する又は接していた面)の表面粗さRaは、配線の微細化が容易である観点から、0.15μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下が更に好ましい。表面粗さRaの下限は、特に限定されないが、好ましくは0.001μmである。絶縁樹脂層の前記表面粗さRaは、例えば、株式会社キーエンス製超深度形状測定顕微鏡「VK−8500型」を用いて測定することができる。絶縁樹脂層の前記表面粗さRaは、例えば、粗化処理後の絶縁樹脂層の表面粗さである。
<配線板及びその製造方法>
配線板は、ベースマテリアル(回路(配線導体)を有する基板等)と、当該ベースマテリアル上に配置された絶縁樹脂層と、当該絶縁樹脂層上に配置された導体層と、を備え、前記絶縁樹脂層が、めっきプロセス用絶縁樹脂層、又は、めっきプロセス用絶縁樹脂付キャリアフィルムのめっきプロセス用絶縁樹脂層である。
配線板は、ベースマテリアル上に、樹脂組成物によってBステージ樹脂層を形成した後に熱硬化し、次いで、紫外線を照射して得た絶縁樹脂層上に導体層をめっきで形成することにより得られる。前記導体層自体が配線パターンであってもよく、前記導体層にエッチング等を施して配線を形成してもよい。
第1実施形態に係る配線板の製造方法は、(a)基板上に(A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する工程、(b)前記樹脂層を熱硬化処理し、硬化樹脂層を形成する工程、(c)前記硬化樹脂層を200nm以下の波長で放射するランプで照射処理する工程、(d)該硬化樹脂層に無電解めっき処理を施す工程、を備える。本実施形態に係る配線板の製造方法は、(e)無電解めっきの上に、電気めっき処理を施す工程を更に備えていてもよい。本実施形態に係る配線板の製造方法は、酸化性粗化液を用いて前記硬化樹脂層又は前記照射処理した硬化樹脂層(絶縁樹脂層)を処理するデスミア処理工程(粗化処理工程)を更に備えていてもよい。前記デスミア処理工程は、例えば、前記硬化樹脂層又は前記照射処理した硬化樹脂層(絶縁樹脂層)の表面を酸化性粗化液で粗化する工程である。前記デスミア処理工程は、工程(b)及び工程(c)の間に行ってもよく、工程(c)及び工程(d)の間に行ってもよい。これらの工程を繰り返して多層配線板を作製することもできる。
第2実施形態に係る配線板の製造方法は、(s1)めっきプロセス用絶縁樹脂層をベースマテリアル上に配置する工程と、(s2)無電解めっきにより前記絶縁樹脂層上に導体層を形成する工程と、を備える。第2実施形態に係る配線板の製造方法は、(s3)前記導体層に電気めっきを施す工程を更に備えていてもよい。第2実施形態に係る配線板の製造方法は、(s2’)酸化性粗化液を用いて前記絶縁樹脂層を処理するデスミア処理工程(粗化処理工程)を工程(s1)及び工程(s2)の間に更に備えていてもよい。前記デスミア処理工程は、例えば、前記プライマー層の表面を酸化性粗化液で粗化する工程である。これらの工程を繰り返して多層配線板を作製することもできる。
ベースマテリアルとしては、回路を有する絶縁基板(回路付絶縁基板)、絶縁体である基材(絶縁基材)等が挙げられる。また、ベースマテリアルは、例えば、回路付絶縁基板に絶縁基材を積層した積層体のような、多層配線板の製造に用いられる積層体であってもよい。
回路付絶縁基板としては、少なくとも一方の主面に回路を備えた絶縁基板であれば特に限定されるものではなく、片面にのみ回路を形成したものや、両面銅張積層板を用いて得られるような、絶縁基板の両面に回路が形成されたものであってもよい。この回路付絶縁基板としては、通常の配線板において用いられている公知の積層板(ガラス布−エポキシ樹脂、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス紙−エポキシ樹脂等)を使用することができる。また、回路が三層以上形成された多層板であってもよい。回路付絶縁基板の回路は、公知のいずれの方法により形成されていてもよく、銅箔と上記絶縁基材とを張り合わせた銅張積層板における銅箔の不要な部分をエッチング除去するサブトラクティブ法や、上記絶縁基板の必要な箇所に無電解めっきによって回路を形成するアディティブ法等、公知の配線板の製造方法を用いることができる。
また、回路が形成された表面には、接着性を向上させるための表面処理を行ってもよい。この処理方法も、特に制限されることはなく、例えば、次亜塩素酸ナトリウム等のアルカリ水溶液により回路表面に酸化銅の針状結晶を形成し、形成した酸化銅の針状結晶をジメチルアミンボラン水溶液に浸漬して還元する等の公知の方法を採用することができる。
前記絶縁基材としては、絶縁体であれば特に限定されず、プリプレグや樹脂フィルム等の公知の配線板材料を用いることができる。市販品のプリプレグとしては、例えば、日立化成株式会社製「GWA−900G」、「GWA−910G」、「GHA−679G」、「GHA−679G(S)」、「GZA−71G」(いずれも商品名)等を用いることができる。
(工程(a))
工程(a)では、ベースマテリアル(基板)上にBステージ樹脂層を形成する。Bステージ樹脂層の形成方法としては特に限定されない。例えば、前記の樹脂付キャリアフィルムを用い、ラミネート方式やプレス方式でBステージ樹脂層を形成することができる。また、樹脂組成物をベースマテリアルに塗布することでBステージ樹脂層を形成することもできる。ラミネート方式は、例えば、ベースマテリアルに樹脂付キャリアフィルムを、そのBステージ樹脂層がベースマテリアルに対面するように接触させ、例えば真空加圧ラミネータ積層装置を用いてBステージ樹脂層を積層する方法である。
真空加圧ラミネータ積層装置を用いる場合、温度50〜170℃程度、圧力0.2MPa以上であることが好ましい。好ましい圧力値も、加熱温度と同様に、ベースマテリアルの厚み等により変化するが、ベースマテリアルの変形をより抑制する観点から、1.0MPa以下であることが好ましい。また、ベースマテリアルが回路付絶縁基板である場合、真空度が15hPa以下であると、内層回路への埋め込み性がより良好となる。真空度は、低ければ低いほど好ましいが、装置の能力や所定値への到達までの待ち時間等が生産性に及ぼす影響等を考慮すると、5〜10hPaが好ましい。熱圧着時間は10〜90秒程度が好ましい。10秒以上であると、樹脂の流動に要する時間が充分となる傾向にあり、90秒以下であれば、生産性がより良好となる。より好ましい熱圧着時間は20〜60秒である。
一方、プレス方式の場合、前記と同様に、ベースマテリアルに樹脂付キャリアフィルムを、樹脂がベースマテリアルに対面するように接触させ、使用するBステージ樹脂層に合わせた適正な条件でプレスすることが好ましい。
なお、キャリアフィルムは、後述の工程(d)を行う前までに剥離すればよく、剥離するタイミングは適宜選択できる。例えば、工程(a)、工程(b)、工程(c)又は工程(c’)の後に剥離してもよい。キャリアフィルムは、手動で剥離してもよく、自動剥離装置により機械的に剥離してもよい。
(工程(b))
本実施形態に係る配線板の製造方法において絶縁樹脂層を形成するに際しては、ベースマテリアル(例えば、回路付絶縁基板の場合は回路面)上に形成されたBステージ樹脂層を熱硬化処理し、硬化樹脂層とする。
熱硬化処理は、後のめっき処理や導体層のアニール処理等を考慮した温度や時間で適宜行うことができる。後のめっき処理時に導体層との接着性がより良好となり、めっき処理時のアルカリ処理液への浸食がより抑えられるような硬化度の硬化樹脂層を得られるという観点から、例えば150〜190℃で30〜90分間程度の熱処理を施すことが好ましい。
なお、前記工程(a)と工程(b)とを連続で行うことができる。例えば、工程(a)を前記プレス方式で行う場合、昇温速度3℃/分程度で35℃から190℃程度まで約50分間を要して昇温させ、その温度にて2.0〜3.0MPa程度の圧力で60〜90分間程度保持した後、室温(25℃)まで30分間程度を要して冷却する方法を用いることで、ベースマテリアル上へ硬化樹脂層を形成できる。
熱硬化処理を行った後、必要に応じて、硬化樹脂層及び/又はベースマテリアルにビアを形成する工程を行ってもよい。これにより、硬化樹脂層にビアホール等を形成することができる。ビアホールは、層間の電気接続のために設けられ、絶縁樹脂層の特性を考慮して、ドリル、レーザー、プラズマ等を用いる公知の方法により形成することができる。例えば、キャリアフィルムが存在する場合は、キャリアフィルム上からレーザー光を照射して、硬化樹脂層にビアホールを形成することができる。
レーザー光源としては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度及びコストに優れる観点から、炭酸ガスレーザーが好ましい。
穴あけ加工は、市販されているレーザー装置を用いて実施することができる。市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、日立ビアメカニクス株式会社製のLC−2E21B/1C、三菱電機株式会社製のML605GTWII、松下溶接システム株式会社製の基板穴あけレーザー加工機が挙げられる。
(工程(b’))
前記ビアを形成する工程の後、必要に応じて酸化性粗化液を用いて処理することができる(デスミア処理工程)。当該デスミア処理工程では、例えばビア底部に発生したスミアが除去される。酸化性粗化液としては、例えば、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液(過マンガン酸ナトリウム粗化液等)、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液等を用いることができる。また、酸化性粗化液で処理する際、溶媒又はアルカリ液、あるいは、これらの混合物液(一般的には、膨潤液又はプリディップ液)に浸した後、酸化性粗化液で処理してもよい。上記溶媒としては、アルコール系の溶媒(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピルアルコール等)が使用できる。また、アルカリ液は、水に溶解した際にアルカリ性を示す液であれば特に制限はなく、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が使用できる。さらに、溶媒又はアルカリ液を混合してもよく、例えば水酸化ナトリウム及びジエチレングリコールモノブチルエーテルを含む組成のものが使用できる。
前記デスミア処理工程は、工程(b)及び工程(c)の間に行ってもよく、工程(c)及び工程(d)の間に行ってもよい。本明細書では、工程(b)及び工程(c)の間に行われるデスミア処理工程を工程(b’)といい、工程(c)及び工程(d)の間に行われるデスミア処理工程を工程(c’)という場合がある。
なお、前記デスミア処理工程を行うときに、硬化樹脂層又は絶縁樹脂層にキャリアフィルムを付けたままの状態であってもよい。キャリアフィルムをつけたままであれば、粗化液によって絶縁樹脂層又はプライマー層表面の凹凸が大きくなることを防ぎ、絶縁樹脂層又はプライマー層において配線の更なる微細化が可能となる。
すなわち、工程(b’)を行わない、又は、硬化樹脂層又は絶縁樹脂層表面にキャリアフィルムをつけたまま工程(b’)を行う等の方法で硬化樹脂層又は絶縁樹脂層表面と粗化液が接触しないような実施形態であれば、硬化樹脂層又は絶縁樹脂層表面の凹凸が大きくなることを防ぐことができる。
(工程(c))
工程(c)では、硬化樹脂層に対して200nm以下の波長で放射するランプで照射処理を行い、絶縁樹脂層を形成する。このように、熱硬化処理後に200nm以下の波長の紫外線照射処理することにより、絶縁樹脂層は、従来用いられる過マンガン酸ナトリウム系等の粗化液を用いて凹凸形状を形成しない場合であっても導体層に対して高い接着力を発現する。デスミア処理工程を行わない場合、配線形成の歩留まりの低下を抑えることができると共に、粗化液の使用による水洗処理や廃液処理をなくすことができ、コスト的にも有利である。
紫外線の照射に際しては、最大波長が200nmの以下の光を放射する紫外線ランプを用いて、大気圧雰囲気下において光量100〜5000mJ/cm程度で紫外線を照射することが好ましい。なお、前記光量(mJ/cm)は、「照度(mW/cm)×照射時間(秒)」で表される。紫外線ランプとして、最大波長が200nm以下の範囲を有するものとしては、エキシマランプを用いることができる。エキシマランプとしては、Arエキシマランプ(126nm)、Krエキシマランプ(146nm)、Xeエキシマランプ(172nm)等が挙げられる。これらの中でも、172nmの単一波長を主ピーク波長とするキセノンエキシマランプを使用することが好ましい。このような真空紫外光照射装置としては、市販されているものを使用してもよく、例えば172nmエキシマスキャン式スタンドアローン装置(株式会社エム・ディエキシマ製)及びEx-mini(浜松ホトニクス株式会社)を好適に使用することができる。最大波長が200nm以下であるランプを用いることによって樹脂表面の分子切断が行われ、極性基が出現しやすくなるため、めっき後の導体層との高い接着力が発現するものと考えられる。真空紫外光の照度は、上記したようにフィルム基材の材質に応じて適宜調整する必要がある。本発明においては、真空紫外光の照度が、100〜2000mW/cmであることが好ましい。
紫外線の最大波長が200nm以下を有するエキシマランプを使用する目的は、汎用性と紫外線の波長域が関係する。紫外線の光量が100mJ/cm以上であると、酸化性粗化液で絶縁樹脂層を処理しなくても導体層との接着力が充分となりやすく、一方、光量が5000mJ/cm以下であると、前記接着力が良好に発現しやすく、経済的にも有利である。光量は、300〜4000mJ/cmがより好ましく、500〜2000mJ/cmが更に好ましい。
紫外線照射時の絶縁樹脂層の温度は、50〜80℃程度が好ましく、60〜70℃がより好ましい。
(工程(c’))
前記工程(b’)と同様のデスミア処理工程を工程(c)及び工程(d)の間に行ってもよい。使用する溶液の例、その他条件は工程(b’)において例示したものと同様である。
(工程(d))
工程(d)では、絶縁樹脂層に無電解めっきを施して導体層(めっきシード層)を得る。例えば、まず、上記絶縁樹脂層を塩化第1錫の塩酸水溶液に浸漬して中和処理を行い、さらに、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒付与処理は、例えば、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬することにより行われる。次に、無電解めっき液に浸漬することにより、厚さが0.3〜1.5μm程度の無電解めっき層をめっき触媒上に析出させる。無電解めっき処理に使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。
(工程(e))
工程(e)は、工程(d)において無電解めっきにより絶縁樹脂層の表面に形成された導体層(めっきシード層。以下、「導体層A」と称することがある。)の表面上に電気めっきを施すことにより導体層の厚みを大きくして導体層Bを得る工程である。電気めっき処理は、公知の方法により行うことが可能であり、特に制限はない。導体層Bに使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層Bは、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層Bは、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。
導体層Bの厚さは、所望の多層プリント配線板のデザインによるが、一般的に、3〜35μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁樹脂層の表面にめっきして、所望の配線パターンを有する導体層Bを形成することができる。以下、導体層Bをセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、工程(d)において行った無電解めっきにより絶縁樹脂層の表面に形成された導体層A(めっきシード層)上に、所望の配線パターンに対応して導体層Aの一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出した導体層A上に、電解めっきにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要な導体層Aをエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層Bを形成することができる。本実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法においては、表面平滑性に優れる絶縁樹脂層を形成することができることから、絶縁樹脂層上に微細な配線パターンにて導体層Bを形成することができる。
樹脂付キャリアフィルム、絶縁樹脂付キャリアフィルム、めっきプロセス用絶縁樹脂層、めっきプロセス用絶縁樹脂付キャリアフィルムを用いて得られる絶縁樹脂層と導体層Bとの接着強度は特に限定されないが、0.5kN/m以上であることが好ましく、0.6kN/m以上であることがより好ましく、0.8kN/m以上であることが更に好ましい。接着強度の上限は限定されないが、例えば10kN/m以下であってもよい。なお、接着強度は幅10mm、長さ100mmのシート状の導体層を、垂直方向に約50mm引き剥がした際の荷重の大きさである。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<多層配線板の作製>
(実施例1)
(1)ベース基板の作製
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.8mm、粗化箔を両面に有する日立化成株式会社製「MCL−E−700G(R)」(商品名))に全面エッチングを施してベース基板を作製した。
(2)エポキシ樹脂の合成
温度計及び撹拌機を取り付けたフラスコに、ビスフェノールA228g(1.00モル)と1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテ170g(1.00モル)とを仕込み、120℃まで1時間要して昇温した後、120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類398gを得た。
次に、温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、上記変性多価フェノール類398g、エピクロルヒドリン925g(10モル)、及び、n−ブタノール185gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いで、この条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水相を除去し、有機相を反応系内に戻しながら反応させた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gとを加え溶解した。さらに、この溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に、300gの水で水洗を3回繰り返した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に溶媒を減圧下で留去して、透明液体のエポキシ樹脂((A)多官能エポキシ樹脂)425gを得た。エポキシ(基)当量は403g/eqであった。
(3)樹脂組成物の調製
(A)成分である上記(2)で作製したエポキシ樹脂50質量部と、(B)成分である活性型エステル基含有樹脂「EXB−9460S」(DIC株式会社、商品名、エステル基当量:223g/eq)15質量部と、(C)成分(硬化促進剤)である1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ−CNS」)0.15質量部とを加え、溶媒であるメチルエチルケトン(以下、「MEK」と言う)(表1中のD1)120質量部に溶解して、熱硬化性樹脂組成物(ワニス)を得た。
(4)樹脂付キャリアフィルムの作製及び積層
上記(3)で得られた熱硬化性樹脂組成物を、キャリアフィルムとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:38μm)上に塗工し、100℃で10分間乾燥処理することにより、膜厚43μmのBステージ樹脂層を有する樹脂付キャリアフィルムのロールを作製した。
さらに、上記の樹脂付キャリアフィルムを、上記(1)で得られたベース基板の片面に、樹脂をベース基板と接する面側に配置して、バッチ式真空加圧ラミネータ「MVLP−500」(株式会社名機製作所製、商品名)を用いて積層した。次に、キャリアフィルムを剥離した後、Bステージ樹脂層を170℃、60分間の硬化条件にて熱硬化処理して、ベース基板及び絶縁樹脂層がこの順で積層された積層体を得た。
(5)エキシマランプ照射処理
上記(4)で得られた積層体に対し、浜松ホトニクス株式会社製Ex-miniを用いて、エキシマランプ(波長:172nm)にて、紫外線を光量が2000mJ/cmになるように照射することにより、絶縁樹脂層を有する配線板用積層板を得た。
(6)無電解めっき処理及び電解めっき処理
無電解めっきの前処理として、コンディショナー液「CLC−601」(日立化成株式会社製、商品名)に、上記(5)で得られた配線板用積層板を60℃で5分間浸漬した後、水洗し、プリディップ液「PD−201」(日立化成株式会社製、商品名)に室温(25℃)にて2分間浸漬した。次に、PdClを含む無電解めっき用触媒である「HS−202B」(日立化成株式会社製、商品名)に、室温で10分間浸漬処理した後、水洗し、無電解銅めっき液である「CUST−201めっき液」(日立化成株式会社製、商品名)に室温にて15分間浸漬し、無電解めっき処理を行った。さらに、硫酸銅溶液を用いて硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニール処理を170℃で30分間行い、絶縁樹脂層の表面上に厚さ20μmの導体層を形成した。
(7)回路の形成
導体層の不要な箇所をエッチング除去するために、導体層表面の酸化被膜を#600のバフロール研磨で除去した後、エッチング用レジスト膜を形成してエッチング処理し、その後、エッチング用レジスト膜を除去して、絶縁樹脂層上に回路を形成した。さらに、多層化するために、回路を含む積層体の全体を、亜塩素酸ナトリウム:50g/L、NaOH:20g/L、及び、リン酸三ナトリウム:10g/Lを含む水溶液に85℃で20分間浸漬した後、水洗し、80℃で20分間乾燥して外層回路層の表面上に酸化銅の凹凸を形成した。
(8)多層配線板の作製
(7)で得られた積層体をベースマテリアルとして、上記(4)〜(7)の工程を繰り返して、3層の多層配線板を作製した。
(実施例2〜5)
実施例1において、絶縁樹脂組成物の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、多層配線板を作製した。
(実施例6)
実施例1と同様の樹脂組成物を用いて、実施例1の(1)〜(5)工程と同様の操作を行った。
次に、絶縁樹脂層を化学粗化するために、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200mL/L及びNaOH:5g/Lを含む水溶液(膨潤液)を80℃に加温して、これに5分間浸漬処理した。次に、KMnO:60g/L及びNaOH:40g/Lを含む水溶液(粗化液)を80℃に加温して10分間浸漬処理した。引き続き、SnCl:30g/L、及び、1Lあたり濃度98質量%のHSO300mLを含む水溶液(中和液)に室温で5分間浸漬処理して中和した。その後は、実施例1の(6)工程以降に従い、同様の操作を行って多層配線板を作製した。
(実施例7)
実施例1において樹脂組成物を表1に示すように変更し、分散機(ナノマイザー、吉田機械興業株式会社製、商品名)を用いて絶縁樹脂組成物(ワニス)を得た。このワニスを用いて実施例1と同様の操作を行い、多層配線板を作製した。
(実施例8)
実施例1の日立化成株式会社製「MCL−E−700G(R)」(商品名))に全面エッチングを施したベース基板の代わりにガラス基板として、日本電気硝子株式会社製の極薄ガラスフィルム「OA−10G」(商品名、厚さ100μm)を用い、実施例1と同じ樹脂付キャリアフィルムを片面に、樹脂をガラス基板)と接する面側に配置して、バッチ式真空加圧ラミネータ「MVLP−500」(株式会社名機製作所製、商品名)を用いて積層した。次に、キャリアフィルムを剥離した後、Bステージ樹脂層を170℃、60分間の硬化条件にて熱硬化処理して、ガラス基板及び硬化樹脂層がこの順で積層された積層体を得た。
次に、浜松ホトニクス株式会社製Ex-miniを用いて、エキシマランプ(波長:172nm)にて、紫外線を光量が2000mJ/cmになるように照射することにより、絶縁樹脂層を有する配線板用積層板を得た。その後の無電解めっき処理及び電解めっき処理及び回路の形成は、実施例1と同様に行い多層配線板を作製した。
(比較例1)
実施例1において、樹脂組成物の組成を表1に示すように、紫外線活性型エステル基含有化合物を使用しないこと以外は、実施例1と同様な操作を行い、多層配線板を作製した。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1の樹脂組成物において、表1に示すように、(A)成分として、ヘキサンジオールに由来する構造単位を有さないエポキシ樹脂である、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(「N−770」、DIC株式会社製商品名、エポキシ当量:190g/eq)を使用したこと以外は、実施例1と同様な操作を行い、多層配線板を作製した。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1において、樹脂組成物の組成を表1に示すように、エキシマランプを照射しなかかった。それ以外は、実施例1と同様の操作を行い、多層配線板を作製した。
(比較例4)
実施例1において、エキシマランプの代わりにメタルハライドランプ(最大波長350〜380nm)にて、紫外線を光量が3000mJ/cmになるように照射した以外は、実施例1と同様の操作を行い、多層配線板を作製した。
<評価方法及び結果>
(外層回路層と絶縁樹脂層との接着強度(90度剥離、単位:kN/m))
外層回路層の一部に幅10mm、長さ100mmの部分を形成し、この一端を剥がしてつかみ具でつかみ、室温中で、垂直方向に約50mm引き剥がした際の荷重を測定した。
(めっき銅エッチング除去面の絶縁樹脂層粗さ(表面平均粗さ、単位:μm))
外層回路層をエッチング処理して銅を除去した試験片を作製した。この試験片を2mm角程度に切断し、株式会社キーエンス製超深度形状測定顕微鏡「VK−8500型」を用いて、試験片中の異なる箇所3点について、測定長さ149μm、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で測定し、測定長さ149μm中の粗さの最大部から最小部を引いた値を絶縁樹脂層の表面粗さとし、3箇所の平均値を算出した。
(3)はんだ耐熱性
多層配線板を25mm角に切断し、その直後に288℃±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。
Figure 2017208471
なお、表1に示す略称は、下記の化合物を示す。
A1:前記の方法で製造した、ヘキサンジオールに由来する構造単位を主鎖に有する多官能エポキシ樹脂
A2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂「N−770」(DIC株式会社製、商品名)
B1:活性型エステル基含有化合物「EXB−9460S」(DIC株式会社製、商品名)
B2:クレゾールノボラック型フェノール樹脂「KA−1165」(DIC株式会社製、商品名)
C1:硬化促進剤、イミダゾール系化合物(1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート)「2PZ−CNS」(四国化成工業株式会社製、商品名)
D1:無機充填材「AEROSIL R972」(日本アエロジル株式会社製、比表面積: 110±20m2/g)
E1:メチルエチルケトン
Figure 2017208471
表1、2から、比較例1及び2に比べ、各実施例では、表面粗さが小さい状態で外層銅との接着強度が良好で微細配線化に適していることがわかる。また、288℃におけるはんだ耐熱性にも優れており、鉛フリーはんだ実装にも優れていることがわかる。
本発明によれば、絶縁樹脂層表面の凹凸形状が小さい状態でも、配線導体に対して、高い接着力を発現し得る上、ビアホール底のスミアを除去するために、過マンガン酸ナトリウム系などの粗化液で処理しても、絶縁樹脂層表面の粗化凹凸形状が小さく、かつ配線導体に対して高い接着力を確保することができる。
本発明による積層板を用いて作製された配線板は回路との接着強度が良好であり、かつはんだ耐熱性にも優れている。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含む樹脂組成物の硬化物を含む積層体に、最大波長200nm以下の波長で照射処理する工程を備える積層板の製造方法。
  2. 前記(A)エポキシ樹脂が、炭素数3以上のアルキレングリコールを含む請求項1に記載の積層板の製造方法。
  3. 前記(B)活性型エステル基含有化合物のエステル基当量が、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、0.3〜2.0当量である、請求項1又は請求項2に記載の積層板の製造方法。
  4. (a)基板上に(A)エポキシ樹脂及び(B)活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する工程、
    (b)前記樹脂層を熱硬化処理し、硬化樹脂層を形成する工程、
    (c)前記硬化樹脂層を200nm以下の波長で放射するランプで照射処理する工程、
    及び(d)該硬化樹脂層に無電解めっき処理を施す工程、
    を含む配線板の製造方法。
  5. さらに、(e)無電解めっきの上に、電気めっき処理を施す工程を含む請求項4に記載の配線板の製造方法。
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