JP2017207674A - ベルト蛇行規制装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動ロールおよび従動ロールの間に、一対の電動シリンダで軸支されて無端ベルトを押圧するテンションロールが配置され、前記駆動ロールにはロータリエンコーダが添設され、無端ベルトのエッジライン上にはエッジライン位置を検出するラインセンサが添設され、エッジラインに付されたベルト周回マークを読み取る反射センサが添設され、ベルト周回マークを基点位置としてロータリエンコーダにより無端ベルトのエッジライン上に複数の測定ポイントを定めて、前周回目および後周回目の同一測定ポイントにおけるエッジライン位置をそれぞれの周回データとし、前周回データおよび後周回データの差分が規定値を超えた場合に第1の電動シリンダが送入または送出されるとともに第2の電動シリンダが送出または送入されるように構成した。
【選択図】図1
Description
また、本願請求項2に係るベルト蛇行規制装置は、請求項1に記載のベルト蛇行規制装置であって、前記第1の電動シリンダの出入長さおよび前記第2の電動シリンダの出入長さは、その絶対値が略同一で方向は正反対である、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係るベルト蛇行規制装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のベルト蛇行規制装置であって、前記第1の電動シリンダの出入長さおよび前記第2の電動シリンダの出入長さは、該第1の電動シリンダおよび該第2の電動シリンダに添設された前記テンションロールに対する前記無端ベルトの押圧力を検出するロードセルからの信号により前記n周回データおよび前記(n+1)周回データの差分に応じた押圧力量により行われる、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4に係るベルト蛇行規制装置は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のベルト蛇行規制装置であって、前記第1の電動シリンダの出入長さおよび前記第2の電動シリンダの出入長さは、該第1の電動シリンダおよび該第2の電動シリンダに添設された前記テンションロールに対する前記無端ベルトの押圧力を検出するロードセルによる前記n周回データおよび前記(n+1)周回データの差分に応じた押圧力量を出入長さに変換して行われる、ことを特徴としている。
また、本願請求項5に係るベルト蛇行規制装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のベルト蛇行規制装置であって、前記無端ベルトの表面温度を計測する温度センサを具え、表面温度が所定値を超えたときには前記無端ベルトの表面温度に拠る伸び相当分の張力低下を前記第1の電動シリンダおよび前記第2の電動シリンダの同一出入長さによる前記テンションロールの下方向移動により補正する、ことを特徴としている。
(1)無端ベルトの蛇行補正に必要なベルト張力の調整を駆動ロールあるいは従動ロールではなく、駆動ロールおよび従動ロール間に位置するテンションロールの上下移動に拠って行っているため、僅かな押圧力で蛇行補正をすることができる。また、無端ベルトのリターン側を内側からテンションロールで押圧することとしているため、被搬送体には何ら影響を及ぼさない。
(2)ロータリエンコーダで割り出した同一測定ポイントにおける無端ベルトの走行方向に直交する横方向の位置データを周回毎に測定し、前周回の位置データと比較してその差分を蛇行データとして捉え、各周回毎に張力調整を行うことができるので、素早い蛇行補正が可能となって、蛇行を微少幅に抑えることができる。また、同一測定ポイントでの比較なので、ベルトエッジラインが必ずしも正確な直線性を具えていなくとも精密に蛇行を規制することができる。
(3)テンションロールによる張力補正は、第1の電動シリンダの出入長さと第2の電動シリンダの出入長さについて絶対値が略同一で方向は正反対となるいわば「ゼロサム」状態で行うことから無端ベルト自体の張力に負担が及ばない。
(4)無端ベルトにはそのエッジライン上にベルト周回マークを付するだけであり、ロータリエンコーダ、ラインセンサ、反射センサおよび温度センサはともに無端ベルトに接触してはいないので、無端ベルトの交換等のメンテナンスは容易であり、各種センサの劣化を防止できる。
(5)第1の電動シリンダの送入出長さあるいは第2の電動シリンダの送入出長さはロードセルで検出した押圧力量で直接的に制御することが可能であり、さらに、押圧力量を電動シリンダの送入出長さに変換する変換テーブルを介してその差分をシリンダの送入出長さとするストローク制御することも可能である。
(6)無端ベルトの走行時間が長期に及んだり、あるいは、高温加熱雰囲気で使用したりすると、無端ベルト自体の温度が上昇して伸びが発生してその張力に変化が生ずるが、温度センサにより温度監視を行うことで無端ベルトの張力補正も素早く行うことができるので、被搬送体の品質に影響が及ぶことはない。
ベルト蛇行規制装置1は、主に、駆動ロール11と、従動ロール13と、駆動ロール11および従動ロール13に張架される無端ベルト14と、駆動ロール11および従動ロール13間に配置されて無端ベルト14のリターン側を下方に押圧するテンションロール15と、駆動ロール11のロール軸の一端に添設されるロータリエンコーダ16と、テンションロール15の両端を軸支する一対の電動シリンダ17と、無端ベルト14の片側のエッジラインに添設されてエッジライン位置を検出するラインセンサ18と、無端ベルト14のエッジライン上に付されたベルト周回マーク22を読み取る反射センサ21と、無端ベルト14の表面温度を計測する温度センサ23と、電動シリンダ17に添設されて無端ベルト14の押圧力を検出するロードセル19と、それらのセンサからの信号を基に一対の電動シリンダ17の出入長さを制御する制御回路24と、から構成されている。
(2)無端ベルト14の走行が次周回((n+1)周回)に移行すると、(n+1)周回の蛇行情報を検出して、n周回の蛇行情報と比較する。
(3)(n+1)周回の蛇行情報がn周回の蛇行情報と比較して、蛇行制御可能範囲(2mm程度)を超える場合には、無端ベルト14は直ちに走行を停止して、無端ベルト14の位置を手動で修正する。
(4)(n+1)周回の蛇行情報がn周回の蛇行情報と比較して、蛇行制御可能範囲内で、かつ、その差分が規定値(実施例では20μm)を超えている場合であって、ベルトエッジ位置が第1の電動シリンダ171側に移動している場合は、制御回路24からの信号に基づいて電動シリンダドライブを介して第1の電動シリンダ171がこの差分に応じて所定長さが送入されるとともに第2の電動シリンダ172が同一長さ分送出される。この結果、第1の電動シリンダ171側の無端ベルト14の張力は第2の電動シリンダ172側の無端ベルト14の張力よりも大きくなって、テンションロール15位置における無端ベルト14は第2の電動シリンダ172側に移動する。
(5)また、(n+1)周回の蛇行情報がn周回の蛇行情報と比較して、蛇行制御可能範囲内で、かつ、その差分が規定値(実施例では20μm)を超えている場合であって、ベルトエッジ位置が第2の電動シリンダ172側に移動している場合は、制御回路24からの信号に基づいて電動シリンダドライブを介して第1の電動シリンダ171がこの差分に応じて所定長さが送出されるとともに第2の電動シリンダ172が同一長さ分送入される。この結果、第2の電動シリンダ172側の無端ベルト14の張力は第1の電動シリンダ171側の無端ベルト14の張力よりも大きくなって、テンションロール15位置における無端ベルト14は第1の電動シリンダ171側に移動する。
以上の仕組みにより、ベルト蛇行規制装置1では数μm単位の蛇行補正が可能となる。
11 駆動ロール
13 従動ロール
14 無端ベルト
15 テンションロール
16 ロータリーエンコーダ
171 第1の電動シリンダ
172 第2の電動シリンダ
18 ラインセンサ
19 ロードセル
21 反射センサ
22 ベルト周回マーク
23 温度センサ
Claims (5)
- 駆動ロールおよび従動ロールに張架された無端ベルトのロール軸方向への蛇行を規制するベルト蛇行規制装置であって、
前記駆動ロールまたは前記従動ロールのいずれか一方のロール軸の一端には該ロールの回転角を検出するロータリエンコーダが添設され、
前記駆動ロールおよび前記従動ロール間には一対の電動シリンダで軸支されて前記無端ベルトのリターン側を内側から下方に押圧するテンションロールが配置され、
前記無端ベルトのエッジライン上にはエッジライン位置を検出するラインセンサーが添設されるとともに、エッジライン上に付されたベルト周回マークを読み取る反射センサが添設され、
前記一対の電動シリンダは前記ラインセンサーの添設側に位置する第1の電動シリンダとその反対側に位置する第2の電動シリンダとからなり、該第1の電動シリンダおよび該第2の電動シリンダはそれぞれ独自に前記テンションロールを上下方向に移動させ、
前記無端ベルトの走行に伴って前記反射センサで読み取った前記ベルト周回マークを基点位置として前記ロータリエンコーダの所定間隔の回転角により該無端ベルトのエッジライン上に該回転角に対応した複数の測定ポイントを定め、
n周回目(n≧1の整数)および(n+1)周回目の同一測定ポイントにおけるエッジライン位置を前記ラインセンサーが読み取ってn周回データおよび(n+1)周回データとし、
前記n周回データおよび前記(n+1)周回データの差分が規定値を超えてエッジラインが前記第1の電動シリンダ側に振れているときには該差分に応じて前記第1の電動シリンダが前記テンションロールを下方向に移動させるとともに前記第2の電動シリンダが該テンションロールを上方向に移動させ、
前記n周回データおよび前記(n+1)周回データの差分が規定値を超えて前記第2の電動シリンダ側に振れているときには該差分に応じて前記第2の電動シリンダが前記テンションロールを下方向に移動させるとともに前記第1の電動シリンダが該テンションロールを上方向に移動させる、ことを特徴とするベルト蛇行規制装置。 - 前記第1の電動シリンダの出入長さおよび前記第2の電動シリンダの出入長さは、その絶対値が略同一で方向は正反対である、ことを特徴とする請求項1に記載のベルト蛇行規制装置。
- 前記第1の電動シリンダの出入長さおよび前記第2の電動シリンダの出入長さは、該第1の電動シリンダおよび該第2の電動シリンダに添設された前記テンションロールに対する前記無端ベルトの押圧力を検出するロードセルからの信号により前記n周回データおよび前記(n+1)周回データの差分に応じた押圧力量により行われる、ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のベルト蛇行規制装置。
- 前記第1の電動シリンダの出入長さおよび前記第2の電動シリンダの出入長さは、該第1の電動シリンダおよび該第2の電動シリンダに添設された前記テンションロールに対する前記無端ベルトの押圧力を検出するロードセルによる前記n周回データおよび前記(n+1)周回データの差分に応じた押圧力量を出入長さに変換して行われる、ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のベルト蛇行規制装置。
- 前記無端ベルトの表面温度を計測する温度センサを具え、
表面温度が所定値を超えたときには前記無端ベルトの表面温度に拠る伸び相当分の張力低下を前記第1の電動シリンダおよび前記第2の電動シリンダの同一出入長さによる前記テンションロールの下方向移動により補正する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のベルト蛇行規制装置。
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