JP2017207413A - 加振台車用の移動方向規制器具 - Google Patents

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【課題】エキスパンションジョイントの加振台試験において、加振台車を斜め45度方向へ正確に移動させ得るための加振台車用の移動方向規制器具を提案する。【解決手段】加振台車に配設されるキャスタ21の支持プレート22に固定された状態で、該キャスタ21の車輪25の進行方向が、該加振台車に連結されたエキスパンションジョイントの長手方向に対して略45度傾いた方向となるように、該キャスタ21の車輪支持部材24を旋回不能に保持するようにしたものであるから、該エキスパンションジョイントを斜め45度方向に移動させる加振台試験を正確かつ安定して実施しでき、信頼製の高い評価結果を得ることができる。【選択図】図6

Description

本発明は、隣接する建造物の床相互間の目地に差し渡されるエキスパンションジョイントの加振台試験で使用される加振台車に装着可能とするものであり、詳しくは、該加振台車に配設されたキャスタに装着可能な加振台車用の移動方向規制器具に関する。
近年、地震による被害を最小限に留めるために、緩衝機能を備えた免震装置によって下部を支持した建造物が多く建設されている。こうした免震構造の建造物と隣接する人工地盤等の建造物との間には、地震による変位を吸収し得る比較的広幅の目地(クリアランス)が形成されており、かかる目地を覆うエキスパンションジョイントが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
こうしたエキスパンションジョイントに対して、非特許文献2には、所望の性能指標に応じた試験を行うことが示されている。この試験項目に、加振台試験がある。加振台試験は、エキスパンションジョイントの免震建造物側の一端部を、加振台車に連結させ、該エキスパンションジョイントの他端部を固定台に乗載させる。そして、加振台車を動かすことにより、エキスパンションジョイントを、上記した目地に配設された場合における該目地の幅方向(以下、前後方向という)、該前後方向と直交する横方向、該前後方向(又は横方向)に対して略45度の斜め方向等に夫々繰り返し往復移動させる。こうした加振台試験では、前記各方向にエキスパンションジョイントを繰り返し往復移動させた場合に、該エキスパンションジョイントに設計可動量まで損傷が生じないことを確認する。尚、加振台車は、車輪を回転可能に設けたキャスタが旋回可能に配設されており、前後方向、横方向、又は斜め45度方向に夫々押し引きされることによって、各方向に往復移動する。
特開2011−69131号公報 免震エキスパンションジョイントガイドライン 一般社団法人日本免震構造協会 2013年4月
上記した加振台試験にあっては、エキスパンションジョイントの他端部を乗載させる固定台に、水平方向の主面部と、該主面部の奥縁から隆起する段部とが設けられている。そして、エキスパンジョンジョイントを前後方向や斜め45度方向に往復移動させる試験では、加振台車を移動させることにより該エキスパンションジョイントの他端部を該段部に乗り上げることになる。ここで、加振台車を前方に移動させる場合には、エキスパンションジョイントの移動方向(前向きの方向)が前記段部と略直交することから、加振台車を押す力と該段部に衝突した際に受ける反力とが前後逆方向となり、衝突したときにも該加振台車のキャスタ(車輪)の進行方向が前後方向で保たれ易い。そのため、加振台車を比較的正確に前後方向に移動させることができる。一方、斜め45度方向に移動させる場合には、エキスパンションジョイントの移動方向が、該段部に対して略45度の斜め方向となることから、段部に衝突した際に、該段部から受ける反力によって、加振台車のキャスタが横方向に旋回してしまい易く、該キャスタ(車輪)の進行方向を斜め45度方向に保つことが難しい。そのため、加振台車の移動方向が横方向にズレてしまう虞がある。さらに、前記移動方向がズレ易いことから、斜め方向の移動を精度良く再現することも難しい。特に、エキスパンションジョイントが重量物であることから、前記のように段部に乗り上げる斜め45度方向への正確な移動が一層難しくなっていた。こうしたことから、加振台試験においてエキスパンションジョイントを斜め45度方向に正確に移動させ得る手段が求められていた。
本発明は、エキスパンションジョイントの加振台試験において、加振台車を斜め45度方向へ正確に移動させ得るための加振台車用の移動方向規制器具を提案するものである。
本発明は、隣接する建造物の床相互間の目地に差し渡されるエキスパンションジョイントの加振台試験で用いられる加振台車の台ベースに取り付けられる支持プレートと、該支持プレートに、略鉛直方向の旋回軸を介して旋回可能に設けられる車輪支持部材と、該車輪支持部材に、略水平方向の回転軸を介して回転可能に支持される車輪とを備えてなるキャスタに、脱着可能に装着されるものであって、前記キャスタの支持プレートに、固定手段を介して脱着可能に固定される位置固定部と、該位置固定部が支持プレートに固定された状態で、前記車輪の進行方向が前記加振台車に連結されたエキスパンションジョイントの長手方向に対して略45度の斜め方向となるように、前記車輪支持部材を旋回不能に保持する車輪保持部とを備えていることを特徴とする加振台車用の移動方向規制器具である。
ここで、車輪の進行方向とは、車輪が回転することで進行する方向を示し、正逆両方向を含む。また、隣接する建造物の床相互間の目地に差し渡されるエキスパンションジョイントには、その長手方向を該目地の幅方向に沿って配設される構成と、該長手方向を該目地の長手方向(幅方向と直交する方向)に沿って配設される構成とがある。このいずれの構成にあっても、長手方向に対する略45度の斜め方向は、実質的に同じであることから、本発明はこれら両者の長手方向を含む。
かかる構成にあっては、加振台車のキャスタに装着されることで、該キャスタの車輪を、その進行方向がエキスパンションジョイントの長手方向に対して略45度の斜め方向(以下、斜め45度方向という)に沿った状態で保持できる。これにより、本発明の移動方向規制器具を加振台車のキャスタに装着した状態では、加振台試験においてエキスパンションジョイントと上記した固定台の段部とが衝突したときにも、該移動方向規制器具によりキャスタの車輪を斜め45度方向に確実かつ安定して保ち得る。そのため、加振台車を、前記斜め45度方向に正確に繰り返し往復移動させ得ることから、エキスパンションジョイントを斜め45度方向に移動させる加振台試験を安定して実施できると共に、該試験を精度良く再現することも可能である。したがって、本発明の移動方向規制器具を用いることにより、加振台試験における斜め45度方向の加振試験で信頼性の高い評価結果を得ることができる。
また、本構成は、加振台車のキャスタに脱着可能であることから、斜め45度方向の試験を実施する際に装着し、その他方向(上記した前後方向や横方向)の試験を実施する際には取り外すことで、一台の加振台車で前後方向、横方向、斜め45度方向の試験を実施可能である。
尚、加振台車には複数個のキャスタが取り付けられることから、本発明の移動方向規制器具は、少なくとも半数のキャスタに装着することが好適である。具体例としては、四個のキャスタが配設された加振台車の場合には、二個以上のキャスタに移動方向規制器具を装着することが好ましい。
上述した本発明の加振台車用の移動方向規制器具にあって、キャスタの支持プレートが、略矩形板状をなすものであり、位置固定部は、前記支持プレートの底面に固定手段を介して固定される板状の固定ベース部と、該固定ベース部の上面に立設され、該支持プレートの一の角縁に回動不能に係止される略L形の枠壁部とを備え、車輪保持部は、所定間隔をおいて前記固定ベース部の下方へ突成された一対の保持壁部を備えてなり、前記枠壁部を支持プレートの角縁に係止させた状態で、該一対の保持壁部の間に、車輪の進行方向を前記略45度の斜め方向とした車輪支持部材の被保持部を嵌入させることにより、該車輪支持部材を旋回不能に保持するものである構成が提案される。ここで、車輪支持部材の被保持部は、一対の保持壁部の間に嵌入させる特定部位であり、該車輪支持部材の形状等に応じて適宜設定される得る。
かかる構成にあっては、位置固定部の枠壁部が取付ベースの角縁に回動不能に係止されることから、該取付ベースに対して相対回動不能に取り付けられる。そして、この回動不能に取り付けられた状態で、車輪保持部の一対の保持壁部により、車輪を斜め45度方向とした車輪支持部材を、旋回不能に保持することから、該車輪が斜め45度方向で保持される。したがって、本構成によれば、キャスタに取り付けられることで、該キャスタの車輪を斜め45度方向で一層安定して保持することができる。
ここで、本構成は、固定ベース部と枠壁部とを備えた位置固定部と、一対の保持壁部を備えた車輪保持部とにより構成される比較的単純な構造であることから、エキスパンションジョイントや加振台車という重量物の試験に耐え得る充分な強度となるように容易に形成され得る。そのため、キャスタとの脱着を繰り返しても壊れ難く、安定して使用可能であるという優れた利点も有する。
本発明の加振台車用の移動方向規制器具によれば、加振台車のキャスタに装着されることで、該キャスタの車輪を斜め45度方向で保持できることから、エキスパンションジョイントを斜め45度方向に移動させる加振台試験を正確かつ安定して実施できる。したがって、加振台試験における斜め45度方向の加振試験で信頼性の高い評価結果を得ることができる。
加振台装置61の平面図である。 加振台装置61の側面図である。 キャスタ21の、(A)背面図と、(B)側面図である。 移動方向規制器具1の、(A)正面図と、(B)平面図と、(C)側面図である。 移動方向規制器具1の斜視図である。 移動方向規制器具1をキャスタ21に装着した状態の、(A)背面図と、(B)側面図である。 移動方向規制器具1をキャスタ21に装着した状態の部分拡大側面図である。 移動方向規制器具1をキャスタ21に装着した状態の部分拡大平面図である。 移動方向規制器具1をキャスタ21に装着した状態の、支持プレート22の角部を裏側から視た部分拡大図である。 加振台車62を斜め45度方向に移動する態様を示す説明図である。
本発明にかかる実施例を添付図面に従って説明する。
図1,2に、エキスパンションジョイント51の加振台試験を実施するための加振台装置61を示す。この加振台装置61は、加振台車62、固定台64とを備え、該加振台車62にエキスパンションジョイント51の一端部52を連結して、加振台試験を実施する。この加振台試験は、上述した免震エキスパンションジョイントガイドライン(一般社団法人日本免震構造協会 2013年4月)の加振台試験に示す要項に従って実施することから、その詳細については省略する。
エキスパンションジョイント51は、図示しない免震構造の建造物と、該建造物の周囲に設けられた人工地盤等の建造物との間に形成された目地を覆うように、両建造物間に差し渡されるものである。ここで、エキスパンションジョイント51は、略長方形の平板状をなし、その長手方向が前記目地の幅方向に沿うようにして該目地に差し渡される。目地には、該目地に沿った方向に複数個のエキスパンションジョイント51が連続状に並設される。こうしたエキスパンションジョイント51は、長手方向の一端部52が前記免震構造の建造物にボルト等の連結手段を介して連結されると共に、他端部53が、人工地盤等の建造物の側縁に摺動可能に乗載される。このエキスパンションジョイント51の他端縁には、前方へ突出する帯板状のカバー端部58が設けられている。尚、こうしたエキスパンションジョイント51は、一般的に使用されているものであることから、その詳細については省略する。
本実施例にあって、上記の加振台試験では、エキスパンションジョイント51が差し渡される目地の幅方向を、前後方向とし、該前後方向と直交する方向を横方向とし、さらに、該前後方向(又は、横方向)に対して約45度斜めの方向を斜め45度方向とする。すなわち、エキスパンションジョイント51の長手方向が、加振台試験における前後方向となる。さらに、この前後方向にあって、加振台車62が固定台64に向かう方向を前方とし、該固定台64から離れる方向を後方とする。
上記の加振台装置61にあって、固定台64は、試験場の床面F(図2参照)に配置されるものであり、該床面Fから所定高さ位置に、横方向に長尺な略長方形状の第一水平受面81が設けられ、該第一水平受面81に、加振台車62に連結されたエキスパンションジョイント51の他端部53が摺動可能に乗載される。そして、第一水平受面81が、前後方向の所定幅で形成されている。この第一水平受面81の前側端縁が、所定角度で傾斜する傾斜面82を介して第二水平受面83に連成されている。第二水平受面83は、第一水平受面81よりも高く、その高さ寸法が、エキスパンションジョイント51の厚みに相当するように設定されている。これにより、第一水平受面81にエキスパンションジョイント51を乗載した状態で、該エキスパンションジョイント51の上面と、第二水平受面83との高さ位置が略一致する。尚、本実施例の固定台64では、第二水平受面83が横方向に細長く、該第二水平受面83の前後方向幅が、第一水平受面81の前後方向幅よりも狭くなっている。
固定台64の後方には、加振台車62を移動可能なスペースが設けられる。こうした試験場にあって、該試験場の床面Fから 固定台64の第一水平受面81までの高さ寸法は、加振台車62に連結されたエキスパンションジョイント51の他端部53が該第一水平受面81に乗載された状態で、該エキスパンションジョイント51が略水平方向に沿って配置されるように設定されている。
加振台車62は、作業者が人力で押し引きすることによって上記のスペース内で移動させるものであり、その前側部に、エキスパンションジョイント51を連結するための連結部79が設けられている。加振台車62は、図1,2に示すように、断面コ字形の溝型鋼と角形鋼管とが複数接合されてなるものであり、台ベース71と、該台ベース71の前側に設けられた前記連結部79と、該台ベース71の後側に設けられた操作枠部73とから構成されており、該台ベース71に四個のキャスタ21が配設されている。台ベース71は、前後方向に沿って並べた所定長さの三本の溝型鋼と、該三本の溝型鋼の各両端に夫々溶接された横方向の二本の溝型鋼とから構成される。そして、この台ベース71の、前側に配された横方向の溝型鋼に、前記した連結部79が固定されている。連結部79は、ボルト等によりエキスパンションジョイント51の一端部52を連結するためのものであり、建造物に設けられた公知の構造を適用できることから、その詳細については省略する。また、操作枠部73は、上下方向の二本の角形鋼管と、該二本の角形鋼管の上端部と中央部とに夫々差し渡されて溶接された横方向の二本の角形鋼管とから構成されてなり、該上下方向の角形鋼管の下端部が、台ベース71の後部の両端寄り部位に夫々溶接されている。さらに、操作枠部73の上下方向の各角形鋼管と、台ベース71の両側に配された前後方向の各溝型鋼とに、斜め方向の溝型鋼が夫々差し渡されて溶接されている。こうした操作枠部73は、作業者により押し引きされる部位であり、加振台車62を移動する際に用いられる。尚、本実施例の加振台車62は、溝型鋼と角形鋼管とを溶接してなるものであるが、これらをボルトおよびナットで接合したものであっても良い。さらには、溶接とボルト等とを併用しても良い。
四個のキャスタ21は、台ベース71の、横方向両側に配された前後方向の溝型鋼の前後両端部に、夫々配設される。キャスタ21は、図3に示すように、台ベース71に取り付けられる略正方形板状の支持プレート22と、該支持プレート22に支持される旋回軸23と、該旋回軸23に旋回可能に設けられた車輪支持部材24と、該車輪支持部材24に回転可能に支持された車輪25とを備える。ここで、車輪支持部材24は、車輪25の上部を覆う上壁部24aと、該上壁部24aの両側縁から下方に夫々延成された側壁部24b,24bとから構成され、各側壁部24b,24bが該車輪25の両側方に位置する。そして、両側壁部24b,24bの各下端部で、車輪25の回転軸28を回転可能に支持すると共に、上壁部24aには、図示しないベアリングが配設されており、該ベアリングを介して前記旋回軸23の下端が旋回可能に設けられている。前記の旋回軸23は、台ベース71に取り付けられた状態で、略鉛直方向に沿って配され、前記の回転軸28は、略水平方向に沿って配される。また、前記の支持プレート22は、その中央部が下方に窪むように形成されてなり、該中央部に形成された孔に前記旋回軸23の上端部が貫通されて固定される(図示せず)。さらに、支持プレート22の四個の角部には、対角線方向に長い長孔状の取付孔29(図1,8参照)が夫々開口されている。
こうした各キャスタ21は、上記のように台ベース71を構成する前後方向の溝型鋼の底面に、溶接により夫々接合されている。ここで、キャスタ21は、支持プレート22の、互いに対向する二辺が前後方向に沿うように、前記溝型鋼の底面に溶接される(図1,2参照)。これにより、支持プレート22の対角線方向が、加振台車62の斜め45度方向となる。また、支持プレート22は、その四辺の長さが前記溝型鋼の幅よりも長いことから、該溝型鋼に接合された状態で、角部の取付孔29が該溝型鋼の両側方に位置する。こうして台ベース71に接合された各キャスタ21は、旋回軸23が鉛直方向に配され且つ回転軸28が水平方向に配されており、車輪支持部材24と車輪25とが一体的に該旋回軸23を中心として水平方向に旋回可能であると共に、該車輪25が回転軸28を中心として回転可能である。尚、こうしたキャスタ21は、一般的に用いられている構成のものを適用できることから、その詳細については省略する。
次に、本発明の要部について説明する。
上記したキャスタ21に、移動方向規制器具1が脱着可能に装着される。この移動方向規制器具1が、本発明にかかる加振台車用の移動方向規制器具である。移動方向規制器具1は、図4,5に示すように、板状の固定ベース部2と、該固定ベース部2の上面に立設された略L字形の枠壁部3と、該固定ベース部2から下方に突成された略コ字形の車輪保持部4とから構成される。そして、固定ベース部2と枠壁部3により、本発明の位置固定部7が構成される。本実施例にあって、移動方向規制器具1は、ステンレス鋼(SUS304)から成形されており、各部位の厚みが比較的厚肉(例えば、3mm程度)で形成されている。そのため、高い強度と剛性とを有し、キャスタ21に装着された場合に、重量物である加振台車62とエキスパンションジョイント51との移動に十分に耐える耐久性を有する。
上記の枠壁部3は、互いに略直交する一対の係止壁部3a,3bが湾曲部(図示せず)を介して滑らかに連成されてなり、支持プレート22の角部の角縁22aに倣うように形成されている。そして、図6〜9に示すように、支持プレート22に固定された状態で、枠壁部3が該支持プレート22の角縁22aに係止される。これにより、移動方向規制器具1は、支持プレート22に対して相対的に水平方向に回転不能となる。また、図4,5に示すように、上記の車輪保持部4は、所定間隔をおいて並設された一対の保持壁部5,5と、両保持壁部5,5の一側縁に夫々連成された連成壁部6とから構成されてなり、各保持壁部5,5は、前記した枠壁部3の係止壁部3a,3bとの交差角度が略45度となるように配設されている。ここで、一対の保持壁部5,5は、互いに対向するように並設されており、その間隙に、キャスタ21の車輪支持部材24の特定部位(以下、被保持部24c)を嵌入可能とするものである(図7〜9参照)。そして、両保持壁部5,5の間隔は、該被保持部24cの幅と略同じ又は当該幅よりも若干広い寸法に設定されている。尚、本実施例にあって、車輪支持部材24の被保持部24cは、該車輪支持部材24の上部の、車輪25の進行方向に沿った一側端部である。
そして、略コ字形の車輪保持部4の上方開口を部分的に覆うように上記固定ベース部2が設けられている。この固定ベース部2には、長孔状の貫通孔11が開口形成されている。図6〜9に示すように、この貫通孔11と支持プレート22の角部に形成された取付孔29とを重ね合わせ、ボルト18を該貫通孔11と取付孔29とに貫通させてナット19で螺合することにより、固定ベース部2を該支持プレート22の角部の底面に固定できる。尚、前記ボルト18とナット19とにより、本発明にかかる固定手段が構成されている。
こうした移動方向規制器具1は、上述したように固定ベース部2を支持プレート22の角部の底面に固定された状態で、枠壁部3が当該角部の角縁22aに係止される。そして、支持プレート22の角部に固定された状態で、一対の保持壁部5,5の間に車輪支持部材24の被保持部24cを嵌入させることによって、該一対の保持壁部5,5により該車輪支持部材24を旋回不能に保持する。ここで、一対の保持壁部5,5は、枠壁部3が支持プレート22の角縁22aに係止された状態で、該支持プレート22の対角線方向に沿うことから、車輪支持部材24を斜め45度方向の向きに旋回不能に保持し、当該車輪支持部材24を介して車輪25の進行方向を斜め45度方向のみに制限(規制)する。尚、移動方向規制器具1は、キャスタ21の支持プレート22に装着された状態で、該支持プレート22と固定ベース部2とを固定する上記ボルト18とナット19とに緩みが生じたとしても、枠壁部3が該支持プレート22の角縁22aに係止されることから、移動方向規制器具1が回転できず、車輪支持部材24を斜め45度方向に保持できる。
上述した移動方向規制器具1は、加振台試験における斜め45度方向への移動試験を実施する際に、加振台車62に配設されたキャスタ21に装着される。本実施例にあっては、図10に示すように、加振台車62の前部に配設された二個のキャスタ21に、移動方向規制器具1が夫々装着される。ここで、これら二個のキャスタ21には、夫々の車輪25が斜め45度方向に向き且つ互いに平行となるように、移動方向規制器具1が夫々装着される。
加振台試験では、図10に示すように、エキスパンションジョイント51の一端部52が、上記の加振台車62の連結部79に連結され、他端部53が固定台64の第一水平受面81に摺動可能に乗載される。そして、上述のように移動方向規制器具1が各キャスタ21に装着された加振台車62を、作業者が押し引きすることにより、エキスパンションジョイント51を斜め45度方向へ移動させる試験を行う。ここで、加振台車62は、その前部に配設された二個のキャスタ21で、各車輪25の進行方向が移動方向規制器具1により斜め45度方向に制限(規制)されていることから、作業者により前方へ押されることにより、斜め45度前方へ進む。これにより、エキスパンションジョイント51を斜め45度方向に移動させることができる。同様に、加振台車62を後方へ引っ張ることにより、エキスパンションジョイント51を斜め45度後方へ移動させることができる。このように加振台車62を押し引きすることにより、エキスパンションジョイント51を斜め45度方向に往復移動させることができる。
尚、加振台車62の後部に配設された二個のキャスタ21には移動方向規制器具1が装着されていないことから、当該キャスタ21の各車輪25は旋回可能である。しかし、前部の二個の車輪25の進行方向が斜め45度方向に制限(規制)されていることから、これに従って後部の各車輪25の進行方向も斜め45度方向となる。そのため、作業者により押し引きされると、全てのキャスタ21で車輪25の進行方向が斜め45度となり、加振台車62が斜め45度方向に往復移動する。
こうした斜め45度方向への加振台試験にあって、加振台車62を前方へ押すことによりエキスパンションジョイント51を斜め45度前方へ移動させると、該エキスパンションジョイント51の他端部53が、固定台64の傾斜面82に、その正面に対して略45度傾いた方向から衝突する。この衝突のときには、エキスパンションジョイント51が固定台64の傾斜面82から受ける反力によって、各キャスタ21が旋回し易くなるものの、移動方向規制器具1により該キャスタ21が旋回不能となっていることから、該キャスタ21の車輪25の進行方向は斜め45度方向に保たれる。これにより、エキスパンションジョイント51が固定台64の傾斜面82に衝突したときにも、加振台車62の移動方向が斜め45度方向に保たれることから、エキスパンションジョイント51を、前記反力に抗して斜め45度方向に移動させることができ、固定台64の第二水平受面83に確実かつ安定して乗り上げ得る。ここで、加振台車62を前方へ押す力は、作業者の力であることから、その力の大きさが一定にならない。こうした一定でない押す力であっても、移動方向規制器具1により加振台車62の移動方向が斜め45度方向に制限されていることによって、前記のように固定台64の傾斜面82に衝突する際に移動方向を保つことができ、エキスパンションジョイント51を第二水平受面83に安定して乗り上げ得る。
このように移動方向規制器具1を加振台車62の各キャスタ21に夫々装着して斜め45度方向の加振台試験を実施することによって、エキスパンションジョイント51を該斜め45度方向にスムーズ且つ安定して往復移動させることができる。これにより、加振台試験における斜め45度方向の試験項目を正確に実施できると共に、該試験を正確に再現することもできる。したがって、本実施例の移動方向規制器具1を装着することにより、エキスパンションジョイント51を斜め45度方向に移動させる加振台試験で、信頼性の高い評価結果を得ることができる。
尚、移動方向規制器具1は、ボルト18とナット19との螺合を解除することにより、キャスタ21から容易に取り外すことが可能である。そのため、移動方向規制器具1を装着しない状態(取り外した状態)であれば、各キャスタ21が旋回可能であり、加振台車62の移動方向が制限(規制)されないことから、エキスパンションジョイント51を前後方向に移動させる加振台試験の試験項目や、横方向に移動させる加振台試験の試験項目を、同じ加振台車62を用いて実施可能である。また、移動方向規制器具1は、上述したように高い強度と耐久性とを有していることから、キャスタ21への脱着を繰り返しても壊れ難く、長期に亘って安定して使用できる。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、これら実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、上述した実施例では、加振台車62の前部に配設した二個のキャスタ21に、移動方向規制器具1を装着するようにしたが、これに限らず、全てのキャスタ21に移動方向規制器具1を装着するようにしても良し、三個のキャスタ21に移動方向規制器具1を装着するようにしても良い。このように、少なくとも半数以上のキャスタ21に移動方向規制器具1を装着することにより、上述した実施例と同様に、エキスパンションジョイント51を斜め45度方向に安定して往復移動させ得る。
また、上述した実施例の移動方向規制器具1は、キャスタ21の車輪25を斜め45度方向に保持する略コ字形の車輪保持部4を備えた構成であるが、この他の構成として、該車輪保持部が一対の保持壁部5,5のみにより構成されるものであっても良い。
また、移動方向規制器具1の一対の保持壁部5,5間に嵌入される車輪支持部材24の被保持部24cは、上述した実施例に限らず、適宜設定できる。例えば、車輪支持部材24の上部の略全体を被保持部として、一対の保持壁部間に嵌入させるようにしても良いし、又は、車輪支持部材24の、上下方向の略中央部分や下端部分に被保持部を設け、該被保持部を一対の保持壁部間に嵌入するようにしても良い。いずれにせよ、移動方向規制器具は、車輪支持部材の被保持部を嵌入可能な一対の保持壁部を備えた構成となる。
また、移動方向規制器具1は別部材のボルト18とナット19とによりキャスタ21の支持プレート22に固定されるものとしたが、これに限らず、移動方向規制器具の固定ベース部に、ボルトを螺合する雌ネジ部が形成された構成としても良い。具体的には、固定ベース部に前記ナットが溶接された構成とすることが可能である。
1 移動方向規制器具(加振台車用の移動方向規制器具)
2 固定ベース部
3 枠壁部
4 車輪保持部
5 保持壁部
7 位置固定部
21 キャスタ
22 支持プレート
23 旋回軸
24 車輪支持部材
24c 被保持部
25 車輪
28 回転軸
51 エキスパンションジョイント
61 加振台装置
62 加振台車
71 台ベース

Claims (2)

  1. 隣接する建造物の床相互間の目地に差し渡されるエキスパンションジョイントの加振台試験で用いられる加振台車の台ベースに取り付けられる支持プレートと、該支持プレートに、略鉛直方向の旋回軸を介して旋回可能に設けられる車輪支持部材と、該車輪支持部材に、略水平方向の回転軸を介して回転可能に支持される車輪とを備えてなるキャスタに、脱着可能に装着されるものであって、
    前記キャスタの支持プレートに、固定手段を介して脱着可能に固定される位置固定部と、
    該位置固定部が支持プレートに固定された状態で、前記車輪の進行方向が前記加振台車に連結されたエキスパンションジョイントの長手方向に対して略45度の斜め方向となるように、前記車輪支持部材を旋回不能に保持する車輪保持部と
    を備えていることを特徴とする加振台車用の移動方向規制器具。
  2. キャスタの支持プレートが、略矩形板状をなすものであり、
    位置固定部は、
    前記支持プレートの底面に固定手段を介して固定される板状の固定ベース部と、
    該固定ベース部の上面に立設され、該支持プレートの一の角縁に回動不能に係止される略L形の枠壁部と
    を備え、
    車輪保持部は、
    所定間隔をおいて前記固定ベース部の下方へ突成された一対の保持壁部を備えてなり、前記枠壁部を支持プレートの角縁に係止させた状態で、該一対の保持壁部の間に、車輪の進行方向を前記略45度の斜め方向とした車輪支持部材の被保持部を嵌入させることにより、該車輪支持部材を旋回不能に保持するものであることを特徴とする請求項1に記載の加振台車用の移動方向規制器具。
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