JP2017206629A - 繊維強化プラスチックの解体方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の繊維強化プラスチックの解体方法は、繊維強化プラスチックに対して加熱した粒体の集合体を衝突させ摩擦力を生じさせることにより、繊維強化プラスチックから樹脂を分離し且つ燃焼させ、残存した繊維を回収する。
【選択図】図2
Description
図1は、繊維強化プラスチックから繊維を回収する解体装置の構成を示す図である。繊維強化プラスチック1(ここでは炭素繊維強化プラスチック)を解体処理する炉2は、その下部に燃料ガスを供給する一次燃料ガス系配管3と圧縮空気を供給する一次エアー系配管4とを設け、その上部に圧縮空気を供給する二次エアー系配管5を設けている。各々の配管の途中に、供給量を調整する一次燃料ガス系バルブ6、一次エアー系バルブ7、二次エアー系バルブ8を設けている。炉2の内側下部には断熱材9を設けており、断熱材9の外部側面から内部上面に向けて一次燃料ガス配管3と一次エアー系配管4とが導入されている。断熱材9の内部上面付近には一次燃料ガス配管3各々に対して点火装置10を設けている。断熱材9の上の炉2の内部は、上部に空間を残して、粒体の集合体11により満たされている。粒体は石英砂を用いているが、ガラスの破砕片等の無機粉末を用いていてもよい。
図2(a−2)は、図2(a)に示す炭素繊維強化プラスチックのA−A断面を拡大して示している。繊維(ここでは炭素繊維)20は径5μ程度の円筒状であり、その長さは製造方法により異なる。繊維20を固めている樹脂21は、もっと外側の部分(スキン層)の厚さは数十μ、繊維20間にある部分の厚さは数μである。また、粒体22は石英砂であり、その平均粒径は0.07〜0.6mm(珪砂6号相当)である。
次に、繊維強化プラスチックの外側にある樹脂が一通り除去され、繊維20の一部が露出した状態になる。流動化した粒体22は、繊維20の露出した部分に衝突することにより、強力な摩擦力が発生し、繊維20を一本一本ほぐす作用をもたらす。繊維20の間に存在する樹脂21は、繊維20が一本一本ほぐれようとする過程で、炉1全体が高温である環境の中でガス化、炭素化が進む。(図2(c)参照)
次に、繊維20の間に存在する樹脂21が除去され、且つ、繊維20が一本一本ほぐされる現象が加速し、最終的には繊維20の間に存在する樹脂は全てガス化、炭素化され、無くなり、繊維20は一本一本ほぐれた状態となる。(図2(d)参照)
最後に、吊り治具12を用いて分離した繊維20を取り出し、一本一本ほぐれた状態となった繊維20を回収する。(図2(e)参照)
以上、第1の実施形態によれば、流動化した高温の粒体の集合体11を繊維強化プラスチック1に衝突させることにより、強力な摩擦力を発生させながら、樹脂21をガス化、炭素化することにより、樹脂21を除去し残った繊維20を回収する作業を短時間で確実に行なうことができる。
上述した第1の実施形態では、炉の中の粒体の集合体を入れ、その中に燃料ガスを供給し燃焼すると共に、圧縮空気を粒体の集合体の中に供給することにより、加熱された粒体の集合体を撹拌し流動化させているが、圧縮空気を用いず他の方法を用いることにより、粒体の集合体を流動化することもできる。加熱且つ流動化した粒体の集合体を繊維強化プラスチックに対して衝突させ摩擦力を生じさせることにより、繊維強化プラスチックから樹脂を分離し且つ燃焼させ、残存した繊維を回収することができる。
上述した第1および第2の実施形態では、炉の中の粒体の集合体を入れ、その中に燃料ガスを供給し燃焼すると共に、何らかの方法で粒体の集合体を撹拌し流動化させることにより、繊維強化プラスチックに対して加熱した粒体の集合体を衝突させ摩擦力を生じさせているが、炉の中に入れた粒体の集合体を用いず他の方法を用いることにより、繊維強化プラスチックに対して加熱した粒体の集合体を衝突させ摩擦力を生じさせることもできる。これにより、繊維強化プラスチックから樹脂を分離し且つ燃焼させ、残存した繊維を回収することができる。
2・・・炉
3・・・一次燃料ガス系配管
4・・・一次エアー系配管
5・・・二次エアー系配管
6・・・一次燃料ガス系バルブ
7・・・一次エアー系バルブ
8・・・二次エアー系バルブ
9・・・断熱材
10・・・点火装置
11・・・粒体の集合体
12・・・吊り治具
13・・・バーナ
14・・・排気ファン
20・・・繊維
21・・・樹脂
22・・・粒体
Claims (13)
- 繊維と樹脂の複合材である繊維強化プラスチックから前記繊維を回収する繊維強化プラスチックの解体方法であって、
前記繊維強化プラスチックに対して加熱した粒体の集合体を衝突させ摩擦力を生じさせることにより、前記繊維強化プラスチックから前記樹脂を分離し且つ燃焼させ、残存した前記繊維を回収することを特徴とする繊維強化プラスチックの解体方法。 - 炉の中に前記粒体の集合体を入れ、その中に燃料ガスおよび圧縮空気を供給し、前記燃料ガスを燃焼することにより、前記粒体の集合体を加熱且つ流動化し、この中に前記繊維強化プラスチックを投入することにより、前記繊維強化プラスチックを加熱し、且つ前記繊維強化プラスチックに対して摩擦力を生じさせることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記摩擦力により前記繊維強化プラスチックは摩擦振動することを特徴とする請求項2に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記残存した繊維はほぐれた状態となることを特徴とする請求項3に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記繊維強化プラスチックから前記樹脂を分離し燃焼させる際の温度は400〜500℃であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記繊維強化プラスチックは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であることを特徴とする請求項5に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記繊維強化プラスチックは、繊維に方向性を持たせた状態で樹脂に浸潤させて製造されたことを特徴とする請求項3に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 炉の中に前記粒体の集合体を入れ、その中に燃料ガスおよび空気を供給し、前記燃焼ガスを燃焼し、且つ撹拌装置を用いて前記粒体の集合体を撹拌することにより、前記粒体の集合体を加熱且つ流動化し、この中に前記繊維強化プラスチックを投入することにより、前記繊維強化プラスチックを加熱し、且つ前記繊維強化プラスチックに対して摩擦力を生じさせることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 炉の中に前記粒体の集合体を入れ、その中に燃料ガスおよび加熱した水蒸気を供給し、前記燃焼ガスを燃焼することにより、前記粒体の集合体を加熱且つ流動化し、この中に前記繊維強化プラスチックを投入することにより、前記繊維強化プラスチックを加熱し、且つ前記繊維強化プラスチックに対して摩擦力を生じさせることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 加熱した粒体の集合体を前記繊維強化プラスチックに向けて落下させ衝突させることにより、前記繊維強化プラスチックを加熱し、且つ前記繊維強化プラスチックに対して摩擦力を生じさせることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 加熱した粒体の集合体を前記繊維強化プラスチックに向けて噴射し衝突させることにより、前記繊維強化プラスチックを加熱し、且つ前記繊維強化プラスチックに対して摩擦力を生じさせることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記粒体は石英砂であることを特徴とする請求項1、2、8、9、10および11の何れか1項に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
- 前記粒体はガラスの破砕片であることを特徴とする請求項1、2、8、9、10および11の何れか1項に記載の繊維強化プラスチックの解体方法。
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