JP2017206159A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017206159A JP2017206159A JP2016100692A JP2016100692A JP2017206159A JP 2017206159 A JP2017206159 A JP 2017206159A JP 2016100692 A JP2016100692 A JP 2016100692A JP 2016100692 A JP2016100692 A JP 2016100692A JP 2017206159 A JP2017206159 A JP 2017206159A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wear display
- wear
- holes
- pneumatic tire
- tire
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】トレッド面を視認し難い状況下でもトレッドの摩耗状況を短時間で判断することのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】空気入りタイヤ1のトレッド面3に深さが複数の種類からなる複数の摩耗表示孔10を備え、摩耗表示孔10は、複数が所定範囲に配設されることにより摩耗表示群21を構成し、摩耗表示群21は、タイヤ周方向における位置が同じ位置となって複数がタイヤ幅方向に並んで配設されることにより摩耗表示領域22を構成し、1つの摩耗表示群21が有する複数の摩耗表示孔10は、全て深さが異なっている。
【選択図】図2
【解決手段】空気入りタイヤ1のトレッド面3に深さが複数の種類からなる複数の摩耗表示孔10を備え、摩耗表示孔10は、複数が所定範囲に配設されることにより摩耗表示群21を構成し、摩耗表示群21は、タイヤ周方向における位置が同じ位置となって複数がタイヤ幅方向に並んで配設されることにより摩耗表示領域22を構成し、1つの摩耗表示群21が有する複数の摩耗表示孔10は、全て深さが異なっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、トレッドの摩耗状況を確認できるように、トレッドに形成される溝に、溝底から突出した、いわゆるトレッドウェアインジケータを配設したものが多くなっている。しかし、トレッドウェアインジケータを用いた摩耗状況の確認では、トレッドが新品時からどの程度摩耗したかを適切に把握するのが困難であるため、従来の空気入りタイヤの中には、トレッドウェアインジケータ以外を用いて、トレッドの摩耗状況を適切に確認することを可能としたものがある。
例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、トレッド踏面に互いに深さの異なる複数の凹部を深さの順に配列し、複数の凹部の状況を視認することにより、摩耗状況を的確に確認することを可能としている。また、特許文献2に記載されたタイヤでは、警告を発したいタイヤの深さにその色が来るようにした二層以上の色の層を持つ円柱を、トレッド面にあけた穴に差し込み溶着することにより、タイヤの摩耗による性能の低下や使用の限界を、色によって知らせることができる。これにより、タイヤの摩耗状況を、使用者に分かり易い形で知らせることができる。
ここで、空気入りタイヤの中には、自動車レース等のモータースポーツ用の空気入りタイヤがあり、モータースポーツ用の空気入りタイヤは、ドライ路面用の空気入りタイヤやウェット路面用の空気入りタイヤ等、走行状況に応じたものが用意されている。このうち、ドライ路面用の空気入りタイヤの中には、スリックタイヤと呼ばれてトレッド面には溝が形成されておらず、これにより路面との接地面積を極力多くすることができ、路面に対するグリップ力を大きくすることができるように構成されているものがある。
モータースポーツ用の空気入りタイヤであるスリックタイヤでは、このようにトレッド面に溝が形成されていないため、溝に形成するトレッドウェアインジケータを用いることができず、トレッドウェアインジケータによってトレッドの摩耗状況を確認することができない。このため、スリックタイヤでは、トレッド面に所定の深さの孔を形成し、孔の深さをデプスゲージ等によって測定することにより、摩耗状況を確認することができるようになっている。
また、このような空気入りタイヤは、自動車のレースにも用いられるが、レース中はトレッドの摩耗状況を瞬時に把握し、適切に判断する必要がある。トレッド面に形成する孔によって、トレッドの摩耗状況を瞬時に判断するには、特許文献1のように、トレッド面の孔を、深さ順に複数並べて配列することが有効である。しかし、空気入りタイヤが装着される車両の形状や、天候、レースの時間帯等によっては、トレッド面を視認し難くなることがある。この場合、トレッド面の孔も視認し難くなるため、この孔を確認することによるトレッドの摩耗状況の判断をすることが困難になる。このように、トレッド面を視認し難い状況下におけるトレッドの摩耗状況の判断のし易さについては、改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、トレッド面を視認し難い状況下でもトレッドの摩耗状況を短時間で判断することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面に深さが複数の種類からなる複数の摩耗表示孔を備え、前記摩耗表示孔は、複数が所定範囲に配設されることにより摩耗表示群を構成し、前記摩耗表示群は、タイヤ周方向における位置が同じ位置となって複数がタイヤ幅方向に並んで配設されることにより摩耗表示領域を構成し、1つの前記摩耗表示群が有する複数の前記摩耗表示孔は、全て深さが異なっていることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記摩耗表示孔には、深さに応じて色が異なると共に、深さによって色が定められる着色部材が埋め込まれることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記摩耗表示群は、当該摩耗表示群を構成する複数の前記摩耗表示孔のうち隣り合う前記摩耗表示孔同士の間隔D1と、前記摩耗表示孔の直径φ1との関係が、0.5≦(D1/φ1)≦1.5の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記摩耗表示群は、前記摩耗表示群のタイヤ周方向における長さL1と、前記トレッド面のタイヤ周方向における周長Loとの関係が0.010≦(L1/Lo)≦0.018の範囲内であり、前記摩耗表示群のタイヤ幅方向における幅H1と、前記トレッド面の前記周長Loとの関係が0.010≦(H1/Lo)≦0.018の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記摩耗表示群は、前記摩耗表示孔の深さ方向に見た場合に、当該摩耗表示群が有する複数の前記摩耗表示孔の中心を結ぶ中心線が円弧状または多角形状となることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記摩耗表示孔は、開口部側から底部側に向かうに従って開口面積が小さくなることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記摩耗表示孔は、前記摩耗表示孔ごとに異なる色で着色されていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記摩耗表示孔は、同じ深さの前記摩耗表示孔同士は、同じ色で着色されていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記摩耗表示孔は、底部に蛍光塗料が塗られていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、サイドウォールには、前記摩耗表示領域のタイヤ周方向における位置に、前記摩耗表示領域の位置を示す摩耗表示位置表示部が付されていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記摩耗表示領域は、タイヤ周方向における位置がそれぞれ異なる複数箇所に設けられていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記摩耗表示領域は、タイヤ周方向に等間隔となる4箇所以上の位置に設けられていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記摩耗表示群は、少なくともタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線の両側に配設されていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記摩耗表示群は、タイヤ幅方向に等間隔となる3箇所以上の位置に設けられていることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド面を視認し難い状況下でもトレッドの摩耗状況を短時間で判断することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの斜視図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外方側となる部分にトレッド2が配設されており、トレッド2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。トレッド面3には、深さが複数の種類からなる複数の摩耗表示孔10が形成されている。摩耗表示孔10は、開口部の直径が1.0mm以上12.0mm以下の範囲内となる円柱状の孔になっている。複数の摩耗表示孔10は、タイヤ周方向とタイヤ幅方向とのそれぞれに、複数が並んで配設されている。
図2は、図1のA部の平面図である。複数の摩耗表示孔10は、複数が所定範囲に配設されることにより摩耗表示群21を構成しており、摩耗表示群21は、タイヤ周方向における位置が同じ位置となって複数がタイヤ幅方向に並んで配設されることにより、摩耗表示領域22を構成している。詳しくは、摩耗表示群21は、4つの摩耗表示孔10が、タイヤ周方向に2列、タイヤ幅方向に2列となって形成されている。つまり、換言すると、摩耗表示群21は、タイヤ周方向に2つの摩耗表示孔10が並び、タイヤ周方向に並んでいる2つの摩耗表示孔10が、タイヤ幅方向に2列で並んで形成されている。
図3は、図2のB部詳細図である。摩耗表示群21は、摩耗表示孔10の深さ方向に見た場合に、当該摩耗表示群21が有する複数の摩耗表示孔10の中心である中心部15を結ぶ中心線16が、多角形状になっている。つまり、摩耗表示群21は、4つの摩耗表示孔10が、タイヤ周方向に2列、タイヤ幅方向に2列となって形成されているため、4つの摩耗表示孔10の中心部15を結ぶ中心線16は、矩形状になっている。換言すると、1つの摩耗表示群21を構成する4つの摩耗表示孔10は、中心部15を結ぶ中心線16が矩形状になるように配設されている。
また、摩耗表示群21は、当該摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10のうち隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔D1が、2.0mm以上10.0mm以下の範囲内になっている。また、摩耗表示群21は、隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔D1と、摩耗表示孔10の直径φ1との関係が、0.5≦(D1/φ1)≦1.5の範囲内になることにより、摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10が密集して配置されている。この場合における摩耗表示孔10同士の間隔D1は、タイヤ幅方向に隣り合う摩耗表示孔10同士におけるタイヤ幅方向の距離と、タイヤ周方向に隣り合う摩耗表示孔10同士におけるタイヤ周方向の距離との双方を含んでいる。各摩耗表示群21は、それぞれの摩耗表示群21を構成する全ての摩耗表示孔10において、摩耗表示孔10の直径φ1と、タイヤ幅方向またはタイヤ周方向に隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔D1との関係が、0.5≦(D1/φ1)≦1.5の範囲内になっている。即ち、タイヤ幅方向やタイヤ周方向において互いに隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔D1は、摩耗表示孔10の直径φ1に対して0.5倍以上1.5倍以下の範囲内になっている。
また、摩耗表示群21は、摩耗表示群21のタイヤ周方向における長さL1と、トレッド面3のタイヤ周方向における周長Loとの関係が0.010≦(L1/Lo)≦0.018の範囲内になっている。この場合におけるトレッド面3の周長Loは、トレッド面3のタイヤ赤道線CL上におけるタイヤ周方向の全長になっている。摩耗表示群21は、当該摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10における、タイヤ周方向の距離が最も離れている部分同士の距離であるタイヤ周方向における長さL1が、トレッド面3の周長Loに対して、0.010≦(L1/Lo)≦0.018の範囲内になる関係になっている。
また、摩耗表示群21は、摩耗表示群21のタイヤ幅方向における幅H1と、トレッド面3の周長Loとの関係が0.010≦(H1/Lo)≦0.018の範囲内になっている。つまり、摩耗表示群21は、当該摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10における、タイヤ幅方向の距離が最も離れている部分同士の距離であるタイヤ周方向における幅H1が、トレッド面3の周長Loに対して、0.010≦(H1/Lo)≦0.018の範囲内になる関係になっている。換言すると、摩耗表示孔10は、0.010≦(L1/Lo)≦0.018、及び0.010≦(H1/Lo)≦0.018を満たす範囲を所定範囲とし、この範囲内に複数が配設されることにより、摩耗表示群21を構成している。例えば、トレッド面3の周長Loが2055mmの場合には、摩耗表示群21は、タイヤ周方向における長さL1とタイヤ幅方向における幅H1とが、それぞれ4.0mm以上35.0mm以下の範囲内となって形成されるのが好ましい。
摩耗表示領域22は、このように構成される摩耗表示群21が、タイヤ周方向における位置は同じ位置でタイヤ幅方向に複数が並んで配列されることにより構成されている。詳しくは、摩耗表示領域22を構成する複数の摩耗表示群21は、タイヤ幅方向に等間隔となる3箇所以上の位置に設けられており、少なくともタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CLの両側に配設されている。
つまり、1つの摩耗表示領域22は、3つ以上の摩耗表示群21を有しており、本実施形態では、4つの摩耗表示群21がタイヤ幅方向に並んで配設されることにより、1つの摩耗表示領域22を構成している。4つの摩耗表示群21は、等間隔でタイヤ幅方向に並んで配設されており、4つの摩耗表示群21のうち、2つの摩耗表示群21は、タイヤ幅方向におけるトレッド面3の両端部寄りの2箇所に配設されており、他の2つの摩耗表示群21は、タイヤ赤道線CL寄りの2箇所に配設されている。換言すると、4つの摩耗表示群21は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CLよりも一方側に2つが配設されており、他方側に他の2つが配設されている。
図4Aは、図2のC1−C1断面図である。図4Bは、図2のC2−C2断面図である。図5Aは、図2のE1−E1断面図である。図5Bは、図2のE2−E2断面図である。図6Aは、図2のF1−F1断面図である。図6Bは、図2のF2−F2断面図である。図7Aは、図2のG1−G1断面図である。図7Bは、図2のG2−G2断面図である。また、1つの摩耗表示群21が有する複数の摩耗表示孔10は、全て深さが異なっており、即ち、摩耗表示群21を構成する4つの摩耗表示孔10は、全て深さが異なっている。つまり、1つの摩耗表示群21が有する4つの摩耗表示孔10を、摩耗表示孔10a、摩耗表示孔10b、摩耗表示孔10c、摩耗表示孔10dとする場合、これらの4つの摩耗表示孔10は、全て深さが異なっている。4つの摩耗表示孔10は、例えば、摩耗表示孔10aの深さd1と、摩耗表示孔10bの深さd2と、摩耗表示孔10cの深さd3と、摩耗表示孔10dの深さd4との関係が、d1<d2<d3<d4になっている。これにより、1つの摩耗表示群21が有する4つの摩耗表示孔10は、全て深さが異なっている。
また、1つの摩耗表示領域22が有する複数の摩耗表示群21同士では、互いに深さが異なる摩耗表示孔10の並び方が異なっている。即ち、摩耗表示領域22が有する複数の摩耗表示群21は、摩耗表示群21内における摩耗表示孔10a、摩耗表示孔10b、摩耗表示孔10c、摩耗表示孔10dの相対的な配置位置が、摩耗表示群21同士で互いに異なっている。
なお、これらのように深さが異なって複数形成される摩耗表示孔10は、深さが0.5mm以上6.0mm以下の範囲内で形成されている。また、摩耗表示孔10の深さのピッチ、即ち、深さの順で隣り合う摩耗表示孔10同士の深さの差が、0.5mm以上2.0mm以下の範囲内になっている。例えば、本実施形態では、摩耗表示孔10aの深さd1と摩耗表示孔10bの深さd2との差や、摩耗表示孔10bの深さd2と摩耗表示孔10cの深さd3との差、摩耗表示孔10cの深さd3と摩耗表示孔10dの深さd4との差が、0.5mm以上2.0mm以下の範囲内になっている。
図8は、図1のJ−J矢視図である。複数の摩耗表示孔10によってトレッド面3に形成される摩耗表示領域22は、タイヤ周方向における位置がそれぞれ異なる複数箇所に設けられており、タイヤ周方向に等間隔となる4箇所以上の位置に設けられている。また、トレッド面3のタイヤ幅方向における両端部からタイヤ径方向内方側の所定の位置まで形成され、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両側に配設されるサイドウォール5には、摩耗表示領域22の位置を示す摩耗表示位置表示部30が付されている。摩耗表示位置表示部30は、例えば、タイヤ径方向における外方側を指すことにより、トレッド面3における摩耗表示領域22の位置を指す矢印の形状で形成されており、サイドウォール5に凸状の形状で形成されたり、刻印状に形成されたり、または印刷されたりすることにより、サイドウォール5の表面に付されている。なお、摩耗表示位置表示部30は、矢印以外の形状でもよく、摩耗表示領域22の位置を示すことができる形状であれば、その形状は問わない。
また、摩耗表示位置表示部30は、摩耗表示領域22に応じて複数がサイドウォール5に付されており、複数の摩耗表示位置表示部30は、タイヤ周方向における位置が摩耗表示領域22のタイヤ周方向における位置と同じ位置となる位置に付されている。つまり、摩耗表示位置表示部30は、1つのサイドウォール5につき摩耗表示領域22と同じ数である4つが設けられており、4つの摩耗表示位置表示部30は、摩耗表示位置表示部30に対応する位置にサイドウォール5に付されている。また、摩耗表示位置表示部30は、タイヤ幅方向における両側に位置するサイドウォール5のそれぞれに、同様の形態で付されている。
これらのように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面3のうち下方に位置するトレッド面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両の走行時には、主にトレッド面3と路面との間の摩擦力により、車両は駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。車両の走行時は、このようにトレッド面3と路面との摩擦力によって走行をするため、トレッド面3は、走行距離に応じて摩耗する。
特に、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、レース等に使用するスリックタイヤであるため、路面に対するトレッド面3の摩擦力が大きくなっているのと引き換えに、走行距離に対するトレッド面3の摩耗の度合いが大きくなっている。このため、トレッド面3は摩耗し易くなっている。一方、空気入りタイヤ1を装着した車両でレースを行う場合、レース中にピットインをした際に、トレッド2の摩耗状況を確認することがある。トレッド2の摩耗状況はトレッド面3に形成される摩耗表示孔10を視認することにより行う。
摩耗表示孔10は、深さが複数の種類からなる複数の摩耗表示孔10が所定範囲に配設されることにより、全て深さが異なった複数の摩耗表示孔10によって1つの摩耗表示群21を構成しているため、摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10の相対的な状態を視認することにより、摩耗状況を確認する。例えば、1つの摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10のうち、最も浅い摩耗表示孔10aと2番目に浅い摩耗表示孔10bとがトレッド面3の摩耗によって摩滅し、3番目に浅い摩耗表示孔10cと最も深い摩耗表示孔10dとが残っている場合は、トレッド面3は、2番目に浅い摩耗表示孔10bの深さd2と3番目に浅い摩耗表示孔10cの深さd3との間の厚さまで摩耗したことになる。レース中にトレッド2の摩耗状況を確認する際には、非常に短時間で確認する必要があるが、このように深さが異なる複数の摩耗表示孔10の相対的な状態を視認することにより、摩耗状況を短時間で確認することができる。つまり、深さが異なる複数の摩耗表示孔10の状態を視認することによって摩耗状況を確認することにより、デプスゲージ等を用いることなく、摩滅せずに残った摩耗表示孔10の数によって、摩耗の程度を瞬時に確認することができる。
トレッド2の摩耗は、このように摩耗表示群21を構成する摩耗表示孔10同士を比較することにより判断することができるが、空気入りタイヤ1が装着される車両の形状や、レースが行われる時間帯、天候によっては、摩耗表示群21が位置する部分が暗くなり、視認し難くなることがある。この場合、懐中電灯のような灯具によってトレッド面3を照らしてトレッド面3を明るくすることにより、摩耗表示孔10を視認することになるが、摩耗表示孔10は、複数が所定範囲に一塊になっているため、一か所を照らすことにより、摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10を一度に視認することができる。つまり、例えば複数の摩耗表示孔10が一列に配列されている場合には、配列の長さや光の照射範囲によっては、摩滅の状態を比較する複数の摩耗表示孔10の全てを、照射された光で一度に視認することができず、照射位置を移動させながら視認しなければならない可能性がある。この場合、照射位置を移動させながら複数の摩耗表示孔10を視認し、摩耗表示孔10の状態を比較するため、その分時間がかかることになる。
これに対し、本実施形態では、摩滅の状態を比較する複数の摩耗表示孔10が、所定範囲に配設されて一塊になっているため、懐中電灯等の灯具によって照射された光によって、摩耗表示群21を構成する全ての摩耗表示孔10を一度に視認することができる。これにより、複数の摩耗表示孔10を短時間で視認することができ、複数の摩耗表示孔10同士の状態を短時間で比較して、トレッド2の摩耗状態を確認することができる。この結果、トレッド面3を視認し難い状況下でもトレッド2の摩耗状況を短時間で判断することができる。
また、摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10のうち、隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔D1と、摩耗表示孔10の直径φ1との関係が、0.5≦(D1/φ1)≦1.5の範囲内であるため、トレッド面3にクラックが入ることを抑制しつつ、より確実に複数の摩耗表示孔10同士の状態を短時間で比較することを可能にすることができる。つまり、(D1/φ1)<0.5である場合には、隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔が近くなり過ぎ、摩耗表示孔10同士の間にクラックが入り易くなる可能性がある。また、(D1/φ1)>1.5である場合には、隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔が遠過ぎるため、暗い場所や見難い場所で懐中電灯を用いて摩耗表示群21を確認した際に、摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10を一度に確認することができなくなる可能性がある。これに対し、摩耗表示孔10の直径φ1との関係を0.5≦(D1/φ1)≦1.5の範囲内にした場合は、隣り合う摩耗表示孔10同士の間にクラックが入らない程度に摩耗表示孔10同士の間隔を小さくすることができ、より確実に、複数の摩耗表示孔10同士の状態を短時間で比較することができる。この結果、トレッド面3にクラックが入ることを抑制しつつ、トレッド面3を視認し難い状況下でトレッド2の摩耗状況を短時間で判断することを、より確実に可能にすることができる。
また、摩耗表示群21は、タイヤ周方向における長さL1と、トレッド面3の周長Loとの関係が0.010≦(L1/Lo)≦0.018の範囲内であり、タイヤ幅方向における幅H1と、トレッド面3の周長Loとの関係が0.010≦(H1/Lo)≦0.018の範囲内であるため、トレッド面3にクラックが入ることを抑制しつつ、より確実に複数の摩耗表示孔10同士の状態を短時間で比較することを可能にすることができる。つまり、(L1/Lo)や(H1/Lo)が0.010未満である場合は、隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔が近くなり過ぎ、摩耗表示孔10同士の間にクラックが入り易くなる可能性がある。また、(L1/Lo)や(H1/Lo)が0.018より大きい場合は、隣り合う摩耗表示孔10同士の間隔が遠過ぎるため、暗い場所や見難い場所で懐中電灯を用いて摩耗表示群21を確認した際に、摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10を一度に確認することができなくなる可能性がある。これに対し、トレッド面3の周長Loと、摩耗表示群21のタイヤ周方向における長さL1及びタイヤ幅方向における幅H1との関係を、0.010≦(L1/Lo)≦0.018、0.010≦(H1/Lo)≦0.018の範囲内にした場合は、隣り合う摩耗表示孔10同士の間にクラックが入らない程度に摩耗表示孔10同士の間隔を小さくすることができ、より確実に、複数の摩耗表示孔10同士の状態を短時間で比較することができる。この結果、トレッド面3にクラックが入ることを抑制しつつ、トレッド面3を視認し難い状況下でトレッド2の摩耗状況を短時間で判断することを、より確実に可能にすることができる。
また、サイドウォール5に、摩耗表示領域22の位置を示す摩耗表示位置表示部30が付されているため、摩耗表示位置表示部30を目印として、より短時間で摩耗表示領域22を視認することができる。この結果、より確実にトレッド2の摩耗状況を短時間で判断することができる。
また、摩耗表示領域22は、タイヤ周方向における位置がそれぞれ異なる複数箇所に設けられているため、車両の停止時における空気入りタイヤ1の状態に関わらず、摩耗表示領域22を視認し易くすることができる。即ち、摩耗表示領域22を、タイヤ周方向における複数箇所に設けることにより、車両が停止した際に、摩耗表示領域22を視認することができる状態になる確率を高めることができる。この結果、より確実にトレッド2の摩耗状況を短時間で判断することができる。
また、摩耗表示領域22は、タイヤ周方向に等間隔となる4箇所の位置に設けられているため、車両が停止した際に、摩耗表示領域22を視認することができる状態になる確率を、より高めることができる。つまり、車両が停止した際に、一部の摩耗表示領域22が路面側に位置していたり、車両の部品によって覆われていたりすることにより視認できない場合でも、摩耗表示領域22がタイヤ周方向に等間隔となる4箇所の位置に設けられることにより、他の摩耗表示領域22を視認することができる。この結果、停止時の空気入りタイヤ1の状態に関わらず、トレッド2の摩耗状況をより確実に短時間で判断することができる。
また、複数の摩耗表示群21は、少なくともタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CLの両側に配設されているため、タイヤ赤道線CLの両側の摩耗表示群21を視認することにより、トレッド2のタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線CLの両側の領域の摩耗状況を確認することができる。この結果、トレッド2の摩耗状況を、精度よく短時間で判断することができる。
また、複数の摩耗表示群21は、タイヤ幅方向に等間隔となる3箇所以上の位置に設けられているため、これらの摩耗表示群21を視認することにより、トレッド2のタイヤ幅方向における両側付近の摩耗状況と、タイヤ幅方向における中央付近の摩耗状況を確認することができる。この結果、トレッド2の摩耗状況を、より精度よく短時間で判断することができる。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、摩耗表示孔10は円柱状の孔になっているが、摩耗表示孔10は、円柱状以外の形状で形成されていてもよく、摩耗表示孔10は、開口部11側から底部12側に向かうに従って開口面積が小さくなって形成されていてもよい。図9Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のC1−C1断面に相当する断面図である。図9Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のC2−C2断面に相当する断面図である。図10Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のE1−E1断面に相当する断面図である。図10Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のE2−E2断面に相当する断面図である。図11Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のF1−F1断面に相当する断面図である。図11Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のF2−F2断面に相当する断面図である。図12Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のG1−G1断面に相当する断面図である。図12Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のG2−G2断面に相当する断面図である。摩耗表示孔10は、例えば、図9A〜図12Bに示すように、開口部11と底部12とが共に円形状に形成されると共に、開口部11側から底部12側に向かうに従って開口面積が小さくなる、いわゆる円錐台の形状で形成されていてもよい。摩耗表示孔10の形状が円錐台のような形状である場合には、摩耗表示孔10は、トレッド2が摩耗するに従って開口面積が小さくなるため、摩滅していない摩耗表示孔10の大きさを視認することにより、深さが隣り合う2つの摩耗表示孔10の中間的な摩耗状態を確認することができる。これにより、摩耗表示孔10の数と対応する摩耗状態よりも多い摩耗状態を認識することができ、トレッド2の摩耗状況を、より精度よく短時間で判断することができる。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、摩耗表示孔10はトレッド面3に形成される孔として設けられているのみであるが、摩耗表示孔10を見た際に、摩耗状況がより判断し易くなるようにしてもよい。図13Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のC1−C1断面に相当する断面図である。図13Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のC2−C2断面に相当する断面図である。図14Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のE1−E1断面に相当する断面図である。図14Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のE2−E2断面に相当する断面図である。図15Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のF1−F1断面に相当する断面図である。図15Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のF2−F2断面に相当する断面図である。図16Aは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のG1−G1断面に相当する断面図である。図16Bは、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、図2のG2−G2断面に相当する断面図である。複数の摩耗表示孔10には、例えば、図13A〜図16Bに示すように、深さに応じて色が異なると共に、深さによって色が定められる着色部材18を埋め込んでもよい。この着色部材18は、直径が摩耗表示孔10の直径と同程度で、高さが、着色部材18を埋め込む摩耗表示孔10の深さと同程度となる円柱状のゴム部材によって形成する。また、着色部材18は、互いに異なる色のゴムを、1つの摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10における深さのピッチと同じ厚さで積層することにより形成されている。このため、1つの摩耗表示群21を構成する4つの摩耗表示孔10のうち、深さが最も浅い摩耗表示孔10aに埋め込まれる着色部材18は、1層のゴムにより形成され、深さが2番目に深い摩耗表示孔10bに埋め込まれる着色部材18は、2層のゴムにより形成され、深さが3番目に深い摩耗表示孔10cに埋め込まれる着色部材18は、3層のゴムにより形成され、深さが最も深い摩耗表示孔10dに埋め込まれる着色部材18は、4層のゴムにより形成されている。
また、着色部材18において積層されるゴムの色は、摩耗表示孔10の深さごとに一定の色になっている。例えば、深さが3番目に深い摩耗表示孔10cに埋め込まれる着色部材18における、摩耗表示孔10の開口部11側から底部12側に向かって3番目に位置する層の色と、深さが最も深い摩耗表示孔10dに埋め込まれる着色部材18における、摩耗表示孔10の開口部11側から底部12側に向かって3番目に位置する層の色とでは、同じ色になっている。
このように、摩耗表示孔10に埋め込まれた着色部材18は、ゴム部材によって形成されるため、空気入りタイヤ1を装着した車両が走行することにより、トレッド2が摩耗する場合には、トレッド2の摩耗と共に着色部材18も摩耗する。その際に、摩耗表示孔10は、摩耗表示孔10の深さの段階に応じて、異なる色のゴムが積層されているため、摩耗の度合いに応じた色のゴムが、摩耗表示孔10の開口部11側に露出することになる。従って、摩耗表示群21を視認することによってトレッド2の摩耗状況を確認する場合、摩耗表示孔10の開口部11から見える色も確認することにより、着色部材18の現在の摩耗状況を認識することが出来、即ち、トレッド2の摩耗状況を認識することができる。この結果、トレッド2の摩耗状況を、より精度よく短時間で判断することができる。
図17は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、摩耗表示孔が着色されている場合の説明図である。図18Aは、図17のK1−K1断面図である。図18Bは、図17のK2−K2断面図である。図19Aは、図17のM1−M1断面図である。図19Bは、図17のM2−M2断面図である。図20Aは、図17のN1−N1断面図である。図20Bは、図17のN2−N2断面図である。図21Aは、図17のP1−P1断面図である。図21Bは、図17のP2−P2断面図である。また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤでは、摩耗表示孔10はトレッド面3に形成される孔として設けられているのみであるが、摩耗表示孔10を視認し易いように、摩耗表示孔10に着色してもよい。つまり、摩耗表示孔10は、底部12や壁面13を着色してもよい。この場合、複数の摩耗表示孔10は、摩耗表示孔10ごとに異なる色で着色するのが好ましい。具体的には、摩耗表示群21や摩耗表示領域22を構成する複数の摩耗表示孔10は、図17〜図21Bに示すように、同じ深さの摩耗表示孔10同士を、同じ色で着色するのが好ましい。このように、複数の摩耗表示孔10に着色することにより、トレッド面3上において摩耗表示孔10を瞬時に見つけることができるため、トレッド2の摩耗状況を、より確実に短時間で判断することができる。さらに、複数の摩耗表示孔10に対して、同じ深さのものは同じ色で着色し、深さが異なるものは異なる色で着色することにより、どの深さの摩耗表示孔10が摩滅したかを瞬時に判断することができるため、トレッド2の摩耗状況を、より精度よく短時間で判断することができる。
図22は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、摩耗表示孔に蛍光塗料が塗布されている場合の説明図である。図23Aは、図22のQ1−Q1断面図である。図23Bは、図22のQ2−Q2断面図である。図24Aは、図22のR1−R1断面図である。図24Bは、図22のR2−R2断面図である。図25Aは、図22のS1−S1断面図である。図25Bは、図22のS2−S2断面図である。図26Aは、図22のT1−T1断面図である。図26Bは、図22のT2−T2断面図である。また、摩耗表示孔10に対しては、蛍光塗料が塗布されていてもよい。例えば、図22〜図26Bに示すように、複数の摩耗表示孔10は、底部12に蛍光塗料を塗ることにより、底部12に蛍光部14を形成してもよい。なお、この場合における蛍光は、X線や紫外線、可視光線が照射されてそのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出するものをいう。このように、摩耗表示孔10の底部12に蛍光部14を形成することにより、トレッド2の摩耗状態を確認する際に、トレッド面3上において摩耗表示孔10を瞬時に見つけることができるため、トレッド2の摩耗状況を、より確実に短時間で判断することができる。特に、暗い場所でトレッド2の摩耗状態を確認する場合に、懐中電灯等によってトレッド面3を照らすことにより、照射された光によって蛍光部14が発光するため、トレッド面3上の摩耗表示孔10を瞬時に見つけることができる。この結果、暗い場所で摩耗状況を確認する場合のようなトレッド面3を視認し難い状況下でも、トレッド2の摩耗状況を、より確実に短時間で判断することができる。
なお、このように摩耗表示孔10に蛍光塗料を塗る場合には、摩耗表示孔10ごとに異なる色の蛍光塗料を塗ってもよい。この場合、同じ深さの摩耗表示孔10同士は、同じ色の蛍光塗料を塗るのが好ましい。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1は、摩耗表示領域22は4つの摩耗表示群21を有しているが、摩耗表示領域22は、これら以外の構成でもよい。図27は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、摩耗表示群の数が異なる場合の説明図である。摩耗表示領域22は、3つの摩耗表示群21がタイヤ幅方向に並んで配列されることにより構成されていてもよい。3つの摩耗表示群21がタイヤ幅方向に並ぶ場合は、1つの摩耗表示群21はタイヤ赤道線CL上に位置し、他の2つの摩耗表示群21はタイヤ幅方向においてタイヤ赤道線CLを挟んだ両側に配設されることにより、3つの摩耗表示群21がタイヤ幅方向に等間隔で配列されるのが好ましい。摩耗表示領域22は、3つ以上の摩耗表示群21を有していればよく、1つの摩耗表示領域22は、3つ以上6つ以下の摩耗表示群21を有しているのが好ましい。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、摩耗表示領域22は、タイヤ周方向における4箇所の位置に設けられているが、摩耗表示領域22を設ける位置は、4箇所以外でもよい。摩耗表示領域22を設ける位置は、3箇所以下でもよく、1箇所でもよいが、トレッド面3上の摩耗表示領域22を見つけ易くするためには、摩耗表示領域22は、タイヤ周方向に等間隔となる4箇所以上の位置に設けるのが好ましい。摩耗表示領域22をタイヤ周方向における4箇所以上の位置に設けることにより、車両の停止時における空気入りタイヤ1の状態や、車両における空気入りタイヤ1の周囲の部材の形態に関わらず、摩耗表示領域22を視認し易くすることができ、トレッド2の摩耗状況を、瞬時に判断し易くすることができる。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、1つの摩耗表示群21は、4つの摩耗表示孔10によって構成されているが、摩耗表示群21を構成する摩耗表示孔10は4つ以外でもよい。図28は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、摩耗表示群が3つの摩耗表示孔によって構成される場合の説明図である。図29は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、摩耗表示群が5つの摩耗表示孔によって構成される場合の説明図である。摩耗表示群21は、例えば、図28に示すように、3つの摩耗表示孔10によって構成されていてもよく、図29に示すように、5つの摩耗表示孔10によって構成されていてもよい。摩耗表示群21は、1つの摩耗表示群21が3つ以上の摩耗表示孔10を有していればよく、1つの摩耗表示群21は、3つ以上6つ以下の摩耗表示孔10を有しているのが好ましい。
このように、摩耗表示群21を構成する摩耗表示孔10が4つ以外の場合であっても、摩耗表示群21が有する複数の摩耗表示孔10の中心部15を結ぶ中心線16は、図28に示すように多角形状であったり、図29に示すように円弧状であったりするのが好ましい。摩耗表示群21は、摩耗表示群21を構成する数に関わらず、摩耗表示孔10の深さ方向に見た場合に、当該摩耗表示群21が有する複数の摩耗表示孔10の中心部15を結ぶ中心線16が円弧状または多角形状となるように摩耗表示孔10を密集して配置するのが好ましい。つまり、1つの摩耗表示群21を構成する複数の摩耗表示孔10は、中心部15が多角形の角部に位置するように配置するのみでなく、中心部15が1つの円の円周上に位置し、中心部15を結ぶ中心線16がこの円を構成するように配置してもよい。摩耗表示孔10の中心部15を結ぶ中心線16が円弧状または多角形状となるように摩耗表示孔10を密集して配置することにより、暗い場所や見難い場所でも、懐中電灯等で照らすことにより、複数の摩耗表示孔10を一度に確認することができる。この結果、暗い場所で摩耗状況を確認する場合のようなトレッド面3を視認し難い状況下でも、トレッド2の摩耗状況を、より確実に短時間で判断することができる。
〔実施例〕
図30A〜図30Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、比較例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、暗い場所でトレッド2の摩耗状態を判別できた時間について行った。
図30A〜図30Cは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、比較例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、暗い場所でトレッド2の摩耗状態を判別できた時間について行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが250/60R18サイズの空気入りタイヤ1をJATMA標準リムのリムホイールにリム組みして、空気圧を冷間で前輪150kPa、後輪170kPa、温間で前輪210kPa、後輪210kPaに調整し、排気量が1998ccの4輪駆動で重量が1330kgの試験車両に装着して、鈴鹿サーキット(登録商標)を43周(5.807km×43周=249.701km)走行することにより行った。
暗い場所で摩耗状態を判別できた時間についての評価方法は、43周周回する途中で給油のためピットインした際に、試験車両に装着されている空気入りタイヤ1のトレッド面3を4名の確認者が暗い場所でそれぞれ確認し、摩耗状況を4名の確認者がそれぞれ確認して判別することができた時間の平均時間になっている。暗い場所での判別時間が短いほど、摩耗状況を短時間で判断することができることを示している。
評価試験は、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜15と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例との16種類の空気入りタイヤ1について行った。これらの空気入りタイヤ1は、全てトレッド面3に複数の摩耗表示孔10が形成されている。このうち、比較例の空気入りタイヤは、複数の摩耗表示孔10が一列に配置されている。これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜15は、全て、複数の摩耗表示孔10が、中心部15を結ぶ中心線16が多角形状になるように配置されている。さらに、実施例1〜15に係る空気入りタイヤ1は、摩耗表示領域22、摩耗表示群21、摩耗表示孔10の数や、摩耗表示孔10同士の間隔、摩耗表示群21の大きさ、着色部材18の有無、摩耗表示孔10への着色や蛍光部14の有無が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図30A〜図30Cに示すように、実施例1〜15に係る空気入りタイヤ1は、比較例に対して、暗い場所でトレッド2の摩耗状況を確認する際における摩耗状況の判別時間を短くすることができることが分かった。つまり、実施例1〜15に係る空気入りタイヤ1は、トレッド面3を視認し難い状況下でもトレッド2の摩耗状況を短時間で判断することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド
3 トレッド面
5 サイドウォール
10 摩耗表示孔
11 開口部
12 底部
13 壁面
14 蛍光部
15 中心部
16 中心線
18 着色部材
21 摩耗表示群
22 摩耗表示領域
30 摩耗表示位置表示部
2 トレッド
3 トレッド面
5 サイドウォール
10 摩耗表示孔
11 開口部
12 底部
13 壁面
14 蛍光部
15 中心部
16 中心線
18 着色部材
21 摩耗表示群
22 摩耗表示領域
30 摩耗表示位置表示部
Claims (14)
- トレッド面に深さが複数の種類からなる複数の摩耗表示孔を備え、
前記摩耗表示孔は、複数が所定範囲に配設されることにより摩耗表示群を構成し、
前記摩耗表示群は、タイヤ周方向における位置が同じ位置となって複数がタイヤ幅方向に並んで配設されることにより摩耗表示領域を構成し、
1つの前記摩耗表示群が有する複数の前記摩耗表示孔は、全て深さが異なっていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 複数の前記摩耗表示孔には、深さに応じて色が異なると共に、深さによって色が定められる着色部材が埋め込まれる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記摩耗表示群は、当該摩耗表示群を構成する複数の前記摩耗表示孔のうち隣り合う前記摩耗表示孔同士の間隔D1と、前記摩耗表示孔の直径φ1との関係が、0.5≦(D1/φ1)≦1.5の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記摩耗表示群は、前記摩耗表示群のタイヤ周方向における長さL1と、前記トレッド面のタイヤ周方向における周長Loとの関係が0.010≦(L1/Lo)≦0.018の範囲内であり、
前記摩耗表示群のタイヤ幅方向における幅H1と、前記トレッド面の前記周長Loとの関係が0.010≦(H1/Lo)≦0.018の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記摩耗表示群は、前記摩耗表示孔の深さ方向に見た場合に、当該摩耗表示群が有する複数の前記摩耗表示孔の中心を結ぶ中心線が円弧状または多角形状となる請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記摩耗表示孔は、開口部側から底部側に向かうに従って開口面積が小さくなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 複数の前記摩耗表示孔は、前記摩耗表示孔ごとに異なる色で着色されている請求項1、3〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 複数の前記摩耗表示孔は、同じ深さの前記摩耗表示孔同士は、同じ色で着色されている請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 複数の前記摩耗表示孔は、底部に蛍光塗料が塗られている請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- サイドウォールには、前記摩耗表示領域のタイヤ周方向における位置に、前記摩耗表示領域の位置を示す摩耗表示位置表示部が付されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記摩耗表示領域は、タイヤ周方向における位置がそれぞれ異なる複数箇所に設けられている請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記摩耗表示領域は、タイヤ周方向に等間隔となる4箇所以上の位置に設けられている請求項11に記載の空気入りタイヤ。
- 複数の前記摩耗表示群は、少なくともタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道線の両側に配設されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 複数の前記摩耗表示群は、タイヤ幅方向に等間隔となる3箇所以上の位置に設けられている請求項13に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016100692A JP2017206159A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016100692A JP2017206159A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017206159A true JP2017206159A (ja) | 2017-11-24 |
Family
ID=60416174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016100692A Pending JP2017206159A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017206159A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112018004956T5 (de) | 2017-10-25 | 2020-07-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spulenkomponente, Schaltkreisplatte und Leistungsbereitstellungseinrichtung |
WO2023112416A1 (ja) * | 2021-12-17 | 2023-06-22 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
-
2016
- 2016-05-19 JP JP2016100692A patent/JP2017206159A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112018004956T5 (de) | 2017-10-25 | 2020-07-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spulenkomponente, Schaltkreisplatte und Leistungsbereitstellungseinrichtung |
WO2023112416A1 (ja) * | 2021-12-17 | 2023-06-22 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2390428C1 (ru) | Шина для автомобиля с индикатором износа протектора | |
US6286573B1 (en) | Tire with light reflecting fluorescent strips | |
CN109195820B (zh) | 充气轮胎 | |
JP2015182680A (ja) | 空気入りタイヤ | |
US9545826B2 (en) | Pneumatic tire | |
JP6267717B2 (ja) | 土木工学用タイヤのための摩耗インジケータ | |
JP2017206159A (ja) | 空気入りタイヤ | |
WO2017056976A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
RU2538736C2 (ru) | Пневматическая шина | |
JP2017206158A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6557996B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
WO2016088843A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2016107728A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2017206157A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2016147655A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6492770B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2018052318A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2007076529A (ja) | タイヤ | |
JP2017197149A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JPWO2019138792A1 (ja) | スタッダブルタイヤ、および空気入りタイヤ | |
FI103334B (fi) | Nappulakuviorengas | |
US20180201069A1 (en) | Motorcycle pneumatic tire | |
WO2020209114A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2017007635A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2019108083A (ja) | 空気入りタイヤ |