JP2017206027A - 化粧板 - Google Patents

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Katsutoshi Horino
克年 堀野
和紘 伊藤
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Abstract

【課題】表層樹脂層の劣化を防ぎ、機能性の効果の維持に優れた化粧板を提供する。
【解決手段】基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に露出して配置される機能性物質担持用粒子と、上記機能性物質担持用粒子の露出面上に担持される機能性物質と、からなり、上記機能性物質担持用粒子はその高さの35〜65%が表層樹脂層から露出していることを特徴とする化粧板。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化粧板に関する。
従来から、メラミン化粧板等の化粧板に、光触媒などの機能性物質を添加もしくは塗布することで、防汚性、抗菌性等の機能性を付与した化粧板が提供されている。
特許文献1には、抗菌・抗ウィルス性等の機能を有する機能材を含有する樹脂塗膜で被覆されて機能材が表面近傍で固定化されていることを特徴とする機能性建材が提案されている。
特許文献2には、紙の表面に抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミックス焼成物粉末よりなる抗菌剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂を塗布することで抗菌性ポリエステル化粧板を得る製造方法が提案されている。
特許文献3には、アルミナ水和物粉末に光触媒粒子を塗布した後、熱処理することにより得られる光触媒担持多孔体を内装基材表面に固定したことを特徴とする水蒸気の吸放湿機能と光触媒機能を有する内装材が開示されている。
特開2008−80210号公報 特開平07−304619号公報 特開2002−285691号公報
図4は、従来の化粧板を模式的に示す概略断面図である。
この化粧板3では、光触媒などの機能性物質14が表層樹脂層12に固定されている。
図4に示した化粧板3では、光触媒などの機能性物質14が表層樹脂層12に長時間接触すると表層樹脂層12を劣化させることがある。具体的には、表層樹脂層12の変色や機能性物質14の脱落が生じることがある。これによって、機能性が低下するだけでなく、表層樹脂層12の変色による化粧板3の意匠性の低下、表面の凹凸の発生による化粧板3の外観の不具合を引き起こすという問題があった。
また、化粧板の表層に機能性物質を添加又は塗布する場合があるが、このような場合、機能性物質は表層の表層樹脂層に埋まってしまい表層における露出部が少ないため、十分な機能性が発現できないという問題があった。さらに、化粧板には、ウィルス不活度が99.9%以上(大腸菌に対して不活化されていないウィルス濃度が1000分の1以下)相当となる高い抗菌性、抗ウィルス性を要求される場合もあり、このような場合、その機能性を充分に発現できないという課題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、メラミン樹脂等からなる表層樹脂層の劣化を防ぎ、機能性の効果の維持に優れた化粧板を提供することを目的とする。特に、抗菌性、抗ウィルス性の効果の維持に優れた化粧板を提供することを目的とする。
本発明の化粧板は、基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に露出して配置される機能性物質担持用粒子と、上記機能性物質担持用粒子の露出面上に担持される機能性物質と、からなり、上記機能性物質担持用粒子はその高さの35〜65%が表層樹脂層から露出していることを特徴とする。
好ましくは、本発明の化粧板は、基板と、上記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、上記表層樹脂層上に露出して配置されるセラミック粒子と、上記セラミック粒子の露出面上に担持される機能性物質と、からなり、上記セラミック粒子はその高さの35〜65%が表層樹脂層から露出していることを特徴とする。
すなわち、本発明は、基板と基板の表面上に積層される表層樹脂層を有し、機能性物質担持用粒子が表層樹脂層上に露出して配置され、機能性物質が機能性物質担持用粒子の露出面上に担持された構造を有する化粧板である。そして、機能性物質担持用粒子はその高さの35〜65%が表層樹脂層から露出している。
本発明の化粧板においては、機能性物質担持用粒子の高さの35〜65%が表層樹脂層から露出している。機能性物質担持用粒子の露出する高さをこの範囲にすることにより、表層樹脂層と機能性物質担持用粒子との密着性が確保され、機能性物質担持用粒子に担持される機能性物質の特性が発揮される。
露出する高さが35%未満であると、機能性物質担持用粒子に担持される機能性物質の担持量が少ないので、機能性物質の特性が充分に発揮されにくい。また、露出する高さが65%を超えると、表層樹脂層と機能性物質担持用粒子の密着性が低下し、機能性物質担持用粒子が脱落してしまって、機能性物質の特性が発揮されにくくなる。
また、露出する高さが65%を超えると、機能性物質担持用粒子と表層樹脂層との間に隙間が生じ、この隙間に機能性物質が過度に密集して担持されてしまい、機能性物質、特に可視光応答型光触媒に空気中の酸素や水分を充分に供給できなくなるため、機能性物質の機能を充分に発揮できないのではないかと推定している。機能性物質担持用粒子の表層樹脂層から露出している高さは高い方がよいと考えられてきたが、実際には露出する高さが高すぎても機能性物質の効果は充分に発揮されないのである。
本発明の化粧板において、上記機能性物質担持用粒子は、機能性物質担持用粒子の露出面上に担持されている機能性物質の等電点よりも高い等電点となる粒子であることが好ましい。ここで等電点とは、溶液の水素イオン濃度を変化させたとき、溶質となる粒子の正と負の電荷が全体としてゼロになり、電場をかけても移動しないような状態で、粒子全体の電荷平均が0となるときの水素イオン指数であり、その値をpHとして表す。この等電点は物質により規定される値であり、その一例として、機能性物質の等電点はpH5〜6であるものが多く、それに対して、機能性物質担持用粒子は、機能性物質の等電点よりも高い等電点となるものを用いることができる。特に、機能性物質担持用粒子の等電点がpH7以上であることがより望ましい。なお、等電点の測定方法としては、電気泳動法(JIS R1638)により行うことができる。
本発明の化粧板において、上記機能性物質担持用粒子はセラミック粒子であることが好ましい。
セラミック粒子としては、具体的には、セリウム、ジルコニウム、ストロンチウム、アルミニウム、珪素、鉄、コバルト、銅、クロム、ニッケル、錫、カドミウム、マグネシウム、マンガン、タングステン、バナジウム、イットリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属酸化物あるいは金属水和物の粒子、アルミナ成分を含有する粒子、シリカ成分を含有する粒子、珪藻土からなる粒子等を用いることができる。また、等電点に関し、アルミナ(Al)の等電点は、pH:7.4〜9.2、ベーマイト(AlOOH)の等電点は、pH7.7〜9.4、カドミウム水酸化物(Cd(OH))の等電点は、pH10.5以上、酸化カドミウム(CdO)の等電点は、pH7.7、鉄水和物(Fe(OH))の等電点は、pH12、酸化鉄(Fe)の等電点は、pH12、酸化銅(CuO)の等電点は、pH9.5、銅水和物(Cu(OH))の等電点は、pH7.7である。これらの成分を複合化し、セラミック粒子としての等電点が、機能性物質の等電点よりも高いことが望ましい。上記したセラミック粒子を構成する化合物のなかでは、特にアルミナ成分を含有するセラミック粒子を用いることが望ましい。
セラミック粒子は、菌やウィルスを引き寄せやすいという作用を有する。そもそも、菌やウィルスは、タンパク質や脂肪を含んでいるため、アニオン物質であり、アニオン物質は、その対極であるカチオン物質に引き寄せられるという性質を有する。つまり、化粧板の表層に存在する菌やウィルスは、セラミック粒子に引き寄せられ、セラミック粒子に担持された機能性物質により、菌やウィルスを減少させることができ、また、菌やウィルスが増殖しないので、抗菌や抗ウィルスの効果を得やすくなる。セラミック粒子でない粒子の場合、化粧板の表層に存在する菌やウィルスが機能性物質に接触する頻度が低いので、菌やウィルスが残存または増殖し、抗菌や抗ウィルスの効果を得にくいのである。
また、セラミック粒子は、機能性物質を一定間隔で担持しやすいという性質を有する。セラミック粒子でない粒子に機能性物質を担持させると、機能性物質の間隔が狭くなりやすい。そのため、菌やウィルスと機能性物質との接触頻度が低下し、想定される菌やウィルスの減少作用が発揮されなくなる。その結果、菌やウィルスを減少させるのに時間を要し、抗菌、抗ウィルスの効果が発現しにくくなる。これに対して、本発明で用いるセラミック粒子は、一定間隔に担持されるので、菌やウィルスが機能性物質との接触頻度の低下がなく、所望の時間で菌やウィルスを減少させ、抗菌、抗ウィルスの効果が発現しやすくなる。このように、セラミック粒子は、機能性物質の担持を一定間隔にさせ、菌やウィルスを引き寄せるという効果があり、抗菌や抗ウィルス効果を向上させることができる。機能性物質に、菌やウィルスが接触すると、機能性物質は、菌やウィルスを全分解させるか、又は、一部を損傷させることができるので、菌やウィルスを減少させることができる。
上記した効果は、セラミック粒子に機能性物質を担持させることにより得られる。
セラミック粒子として、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子を用いることが望ましい。アルミナは、セラミック粒子の中で最も利用しやすい上に、上記で説明した菌やウィルスを減少させる作用を効率的に利用することができる。また、アルミン酸ストロンチウムは、蓄光作用があるので、光がない環境下でも菌やウィルスを減少させる作用を長時間持続させることができる。
機能性物質担持用粒子としては、セラミック粒子以外に、金属粒子又は樹脂粒子を使用できる。金属粒子としては、銅、亜鉛、銀、金及び白金粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種が望ましい。樹脂粒子としては、耐酸化性樹脂が望ましく、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂を使用できる。
本発明の化粧板において、機能性物質担持用粒子の平均粒子径は、0.1μm〜55μmであることが望ましい。
本発明の化粧板において、機能性物質は、可視光応答型光触媒であることが望ましい。
本発明の化粧板において、上記可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンであることが望ましい。特に、可視光応答型光触媒の等電点は、pH5〜6であることが望ましい。
本発明の化粧板において、上記表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有することが望ましい。
本発明の化粧板において、機能性物質担持用粒子の表層に無機ゾルの乾燥体を有していることが望ましい。機能性物質の固定化を補強することができるからである。
本発明の化粧板において、上記表層樹脂層は、有機樹脂層であることが望ましい。
本発明の化粧板において、上記機能性物質は、上記表層樹脂層から露出した上記機能性物質担持用粒子の表面に選択的に担持され、かつ、上記表層樹脂層に接触しないように担持されることが望ましい。
機能性物質が機能性物質担持用粒子の表面に選択的に担持され、表面樹脂層に直接接触しないため、機能性物質により表層樹脂層が劣化しないようにすることができる。特許文献3では、アルミナ粒子の表面に光触媒が被覆、固定されて、これが有機樹脂基材に担持されてしまうため、光触媒が有機樹脂基材と接触して、基材を劣化させてしまう。本発明はこのような問題が生じないのである。
本発明の化粧板では、機能性物質は機能性物質担持用粒子の露出面上に担持され、表層樹脂層に直接接触しない。このため、機能性物質による表層樹脂層の劣化を防ぐことができ、表層樹脂層の変色や表層樹脂層の劣化等に起因する機能性物質の脱落を防止することができる。機能性物質担持用粒子はその高さの35%〜65%が表層樹脂層から露出するように配置されているため、機能性物質担持用粒子に機能性物質を充分な量担持させることができ、また、表層樹脂層と機能性物質担持用粒子との密着性を確保して、機能性物質担持用粒子の脱落を防止することができる。また、機能性物質の表層樹脂層中への埋没がなく、機能性物質が化粧板表面上に露出されているので、抗菌性、抗ウィルス性等、機能性物質としての本来の機能を発揮することができ、その効果を長期間維持することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。 図2(a)は、本発明の一の実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図であり、図2(b)は、本発明の他の実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。 図3は、実施例1で製造した化粧板の電子顕微鏡写真である。 図4は、従来の化粧板を模式的に示す概略断面図である。
以下、本発明の化粧板について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。
本発明の化粧板1は、基板(図示せず)と基板の表面上に積層されるメラミン樹脂等からなる表層樹脂層12を有し、機能性物質担持用粒子13が表層樹脂層12上に露出して配置され、機能性物質14が機能性物質担持用粒子13の露出面上に担持された構造を有するものである。
本発明の化粧板に使用する基板は、特に限定されるものではなく、一般的に化粧板に使用されるコア紙やマグネシアセメント等の不燃基材等を使用することができる。コア紙は単独でもよく複数枚のコア紙を積層した積層体としてもよい。コア紙の枚数は特に限定されないが、1〜20枚とすることができる。コア紙としては、例えば、水酸化アルミニウム抄造紙を使用することができる。コア紙には、フェノール樹脂を含浸させることができる。また、コア紙とマグネシアセメント不燃基材を積層させて基板とすることもできる。
マグネシアセメント不燃基材は、単独で使用することにより、又は、コア紙の中心部に積層して配置させることにより基板を構成することができる。マグネシアセメント不燃板は、酸化マグネシウム(MgO)と塩化マグネシウム(MgCl)を混合し、さらに骨材と水を加えて混練し、板状に成形することにより製造されるものである。骨材としては、ロックウール、グラスウール等の無機質繊維、ウッドチップ、パルプ等の有機質繊維を用いることができる。また、マグネシアセメント不燃板の強度を高めるため、中間層として網目状等に形成されたガラス繊維層を設けることができる。
複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。例えば、基板の片面又は両面にメラミン樹脂含浸紙を積層し、熱圧成形する方法を用いることができる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。
本発明の表層樹脂層は有機樹脂層であることが望ましい。
また、本発明の化粧板を構成する表層樹脂層に用いることができる樹脂としては、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、グアナミン樹脂などが挙げられる。これらの中では、メラミン樹脂を用いることが望ましい。
メラミン樹脂は、透光性などの光学的、視覚的特性を損なうことなく、寸法安定性や靭性を改善した樹脂である。メラミン樹脂としては、メラミン及びその誘導体をモノマーとする樹脂であれば公知のものを採用することができる。また、メラミン樹脂は、単一のモノマーからなる樹脂であってもよく、複数のモノマーからなる共重合体であってもよい。メラミンの誘導体としては、例えば、イミノ基やメチロール基、メトキシメチル基、ブトキシメチル基等のアルコキシメチル基などの官能基を有する誘導体が挙げられる。また、メチロール基を有するメラミン誘導体に低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物をモノマーとして用いることができる。モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロール基を有する誘導体(以下、「メチロール化メラミン」という。)を架橋剤としてメラミンと共重合させてなるメラミン樹脂を用いることができる。
メラミン樹脂含浸紙は、パターン紙にメラミン樹脂を所定の含浸率で含浸させた後、加熱、乾燥させることにより作製される。メラミン樹脂をパターン紙に含浸させるには、溶媒として、例えば、ホルムアルデヒド水溶液を使用したメラミン樹脂含有溶液中にパターン紙を浸漬することにより行うことができる。また、メラミン樹脂含浸紙に曲げ加工性を付与するために、メラミン樹脂と共に可塑剤を含む溶液を含浸させることができる。可塑剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、パラトルエンスルフォン酸アミド、尿素等を使用することができる。パターン紙としては、例えばチタン紙が用いられる。パターン紙の坪量は、パターン紙の厚みや重さを考慮して80〜150g/mとすることができる。加熱、乾燥の温度は、パターン紙にメラミン樹脂を強固に固着させるために100〜150℃に設定することができる。
本発明の化粧板を構成する機能性物質担持用粒子としては、セラミック粒子、金属粒子、樹脂粒子等が挙げられる。機能性物質の等電点より高い等電点を有し、機能性物質を担持することができる粒子であることが望ましい。
また、機能性物質担持用粒子としては、セラミック粒子が望ましく、アルミナ成分を含有するセラミック粒子であることがより望ましい。セラミック粒子としては、具体的には、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子を用いることがさらに望ましい。
本発明の化粧板において、機能性物質担持用粒子の平均粒子径は0.1〜55μmであることが望ましく、0.5〜5μmであることがより望ましい。機能性物質担持用粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、機能性物質担持用粒子が表層樹脂層に埋まり易くなり、機能性物質が機能性物質担持用粒子に担持されにくくなる傾向にあり、機能性物質担持用粒子の平均粒子径が55μmを超えると、機能性物質担持用粒子が脱落したり、表層樹脂層に凹凸が形成されたりするため、化粧板の外観及び意匠性に不具合が生じる傾向にある。機能性物質担持用粒子の平均粒子径が0.5〜5μmであると、機能性物質としての機能性が発揮されて、化粧板の外観及び意匠性においても問題とならない。
本発明の化粧板においては、機能性物質担持用粒子の高さの35〜65%が表層樹脂層から露出している。機能性物質担持用粒子の高さの45〜55%が表層樹脂層から露出していることが好ましい。機能性物質担持用粒子の露出する高さは、化粧板の断面写真を撮影し、機能性物質担持用粒子の位置(露出する高さ)と、化粧板の表面と、機能性物質担持用粒子の全体の高さとを比べることにより求めることができる。化粧板の断面写真は、化粧板を厚さ方向に割った後、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影することができる。化粧板の断面は破断面であるので、機能性物質担持用粒子は破壊されにくく、機能性物質担持用粒子の全体の高さ及び位置を容易に確認することができる。
具体的には、断面写真における機能性物質担持用粒子の全体の高さを100%とした場合の、表層樹脂層の表面よりも上にある機能性物質担持用粒子の高さの比率として求めることができる。
任意の10個の機能性物質担持用粒子の全体の高さ及び露出する高さの比率を確認し、得られた比率の平均値を算出することによって求める。
図1において、両矢印Aは表層樹脂層の表面よりも上にある機能性物質担持用粒子の高さを示しており、両矢印Bは表層樹脂層の表面よりも下にある機能性物質担持用粒子の高さを示している。機能性物質担持用粒子の全体の高さは両矢印A+両矢印Bで示される高さであり、表層樹脂層の表面よりも上にある機能性物質担持用粒子の高さは両矢印Aで示される高さである。
本発明の化粧板において、機能性物質は、抗菌性、抗ウィルス性、抗アレルゲン性、消臭性等の機能を有する機能材であることが望ましい。例えば、抗菌性、抗ウィルス性の機能性物質としては、可視光応答型光触媒が挙げられる。この可視光応答型光触媒の具体例としては、例えば、酸化チタンに白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの白金族、鉄、銅などを担持させたものなどが挙げられる。
本発明の化粧板において、可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンであることが望ましく、銅担持チタニア触媒であることがより望ましい。銅担持チタニア触媒としては、例えば、特開2006−232729号公報に記載されたCuO/TiO(重量%比)=1.0〜3.5の範囲で銅を含有するアナターゼ型酸化チタン、特開2012−210557号公報に記載された亜酸化銅(酸化銅(I):CuO)と酸化チタンとが複合化した光触媒組成物、特開2013−166705号公報に記載された一価銅化合物及び二価銅化合物を含む混合物を表面に担持した酸化チタン、並びに、国際公開第2013/094573号に記載された結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタンと2価銅化合物とを含有する銅及びチタン含有組成物などが挙げられる。
本発明の化粧板において、表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有していてもよい。シリコーン樹脂としては、例えば、シリコーンレジン、変性シリコーンオイル等を用いることができる。変性シリコーンオイルとしては、分子内に1個以上の官能基を有するシリコーンオイルを用いることができる。官能基を導入する位置は特に限定されず、ポリシロキサン主鎖の片末端、両末端あるいは側鎖のいずれの位置に導入してもよい。また、官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、メトキシ基、ヒドラジノ基、エポキシ基、メタクリル基、カルボキシル基、カルビノール基等を導入することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基といった官能基を持ったものが望ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、ジアリルジメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネ−トプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、本発明の化粧板において、機能性物質担持用粒子の表層に無機ゾルの乾燥体が付着していることが望ましい。機能性物質担持用粒子の表層に無機ゾルを付着させた後、機能性物質を担持し、乾燥させることにより、機能性物質を無機ゾルの乾燥体で固定化し、機能性物質をより強固に固定化することができるからである。無機ゾルとしては、シリカゾル、アルミナゾル、シリカ−アルミナゾル、チタニアゾル等を用いることができるが、シリカゾルを用いることが望ましい。
次に、本発明の化粧板の製造方法について説明する。
最初に、複数又は単数のコア紙及び/又はマグネシアセメント不燃基材等からなる基板表面上に表層樹脂層を形成する。上記基板やその製造方法、上記表層樹脂層については、本発明の化粧板の説明において説明したので、ここでは省略する。
本発明の化粧板においても説明したが、基板表面上に表層樹脂層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことができる。具体的な表層樹脂層の形成方法としては、例えば、コア紙の積層体からなる基板の片面又は両面にメラミン樹脂等の樹脂含浸紙を積層する積層工程と、メラミン樹脂等の樹脂含浸紙が積層された基板を熱圧成形する熱圧成形工程を含む方法が挙げられる。上記方法を用いると、メラミン樹脂含浸紙のメラミン樹脂がコア紙に浸透し、そこで硬化反応が進行して、コア紙に対するメラミン樹脂含浸紙の接着力が発現する。また、硬化反応の進行度合いによって、表層樹脂層の塑性変形の起こりやすさが変わる。硬化反応の進行していないAステージでは、熱を加えると表層樹脂層が液化し流動する。硬化反応が進行したCステージでは、熱を加えても液化することはなく変形もほとんど起こらない。このため半硬化段階のBステージまで硬化させることが好ましい。
熱圧成形する際の加熱条件としては、化粧板の温度を125〜150℃とすることができ、加圧条件としては、1.96〜9.80MPa(20〜100kg/cm)とすることができる。温度が125℃未満の場合又は圧力が1.96MPa未満の場合には、基板に対する樹脂含浸紙の密着性が不足し、剥離が発生しやすくなる。一方、温度が150℃を超える場合又は圧力が9.80MPaを超える場合には、亀裂が発生するおそれがある。
基板上に表層樹脂層を有する表層樹脂層表面に、機能性物質担持用粒子を固定する方法としては、例えば、機能性物質担持用粒子を含むスプレー液を表層樹脂層表面に吹き付け、乾燥後、熱圧着する方法をとることができる。上記方法により、樹脂表面上に機能性物質担持用粒子を露出して固定させることができる。
上記工程の後、機能性物質担持用粒子が配置された基板を、機能性物質を含む溶液中に浸漬することにより、機能性物質を機能性物質担持用粒子の露出面上に担持させることができる。機能性物質を含む溶液を、機能性物質担持用粒子が配置された基板上に塗布することにより、機能性物質を機能性物質担持用粒子表面上に担持させてもよい。
表層樹脂層を構成する樹脂の硬化反応の進行度合い及び熱圧着時の条件(圧力、温度、時間)を調整することにより機能性物質担持用粒子の表層樹脂層表面からの露出する高さを調整することができる。露出する高さを35〜65%に調整する。硬化反応を抑制し、熱圧着の圧力を高く、温度を高く又は時間を長くすることにより露出する高さを小さくすることができ、硬化反応を進行させ、熱圧着の圧力を低く、温度を低く又は時間を短くすることにより露出する高さを大きくすることができる。機能性物質担持用粒子の埋まり方の程度を確認しながら適宜調整することができる。
本発明の化粧板の製造方法においては、機能性物質担持用粒子を表層樹脂層表面に熱圧着する際、機能性物質担持用粒子吹き付け面と熱圧着プレス面との間にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる離形クッション材を介在させて行うことができる。これによって、機能性物質担持用粒子が表層樹脂層内に埋没するのを防止することができ、表層樹脂層の表面上に露出して固定することができる。
本発明の化粧板の他の製造方法としては、転写フィルムに機能性物質担持用粒子を含むスプレー液を吹き付け、次いで、表層樹脂層を有する基板の樹脂表面に、転写フィルムの機能性物質担持用粒子付着面を対向させて、機能性物質担持用粒子を熱転写する方法が挙げられる。
表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有させる際には、メラミン樹脂溶液中に、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含ませることによって、表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含浸する方法を用いることができる。
図2(a)は、本発明の一の実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図であり、図2(b)は、本発明の他の実施形態に係る化粧板を模式的に示す概略断面図である。
表層樹脂層がシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有すると、メラミン樹脂等の表面に撥水性を付与することができる。機能性物質を機能性物質担持用粒子に担持させる際に、図2(a)に模式的に示されるように、表層樹脂層12がシリコーン樹脂及びシランカップリング剤を含有しない場合には、機能性物質担持用粒子13表面だけでなく、表層樹脂層表面15に機能性物質14が付着することがある。一方、図2(b)に模式的に示されるように、表層樹脂層12がシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する場合には、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する表層樹脂層表面16の撥水性によって、機能性物質14は、表層樹脂層12の表面を避け、極力、機能性物質担持用粒子13の表面に付着するようになり、表層樹脂層12の表面に直接接触する機能性物質14の量をさらに低減することができる。また、表層樹脂層がシランカップリング剤を含有すると、メラミン樹脂等に硬化性を付与することができ、機能性物質担持用粒子を熱圧着する際に、表層樹脂層中に埋没することを防ぐことができる。
表層樹脂層にシリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有させることで、機能性物質担持用粒子を埋没させずに固定化させることができ、表層樹脂層に機能性物質が付着しにくくする効果がある。具体的には、工程中に過剰となった機能性物質が表層樹脂層に付着しても、洗浄工程後に除去しやすいということである。さらに、菌やウィルスなどを含む汚染水が親水性の機能性物質担持用粒子や機能性物質に引き寄せられやすくなり、機能性が発現しやすくなる。特に、表層樹脂層にメラミン樹脂を用いた場合には、上記の作用、効果を得やすい。
さらに、本発明の化粧板の製造方法においては、機能性物質担持用粒子の表層に無機ゾルを付着させることが望ましい。機能性物質の固定化を補強することができるからである。無機ゾルとしてはシリカゾル、アルミナゾル、シリカ−アルミナゾル、チタニアゾル等を用いることができ、シリカゾルを用いることが望ましい。
(実施例1)
(一次メラミン含浸工程)
厚さ0.2〜0.3mmの紙ロールを、メラミン樹脂を含む溶液中に浸漬する。溶液の温度20℃、浸漬時間2分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、ロール紙にメラミン樹脂を含浸させた。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒であった。
(乾燥工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間30秒となるように乾燥させた。
(二次メラミン含浸工程)
乾燥工程を経た紙ロールを、メラミン樹脂からなる溶液中に浸漬させた。溶液の温度20℃、浸漬時間30分となるように、ロール紙を溶液中に浸漬しながら通過させることにより、メラミン樹脂を紙ロールに含浸させた。なお、ロール紙の移動速度は、10〜20cm/秒であった。
(乾燥・切断工程)
メラミン溶液中を通過したロール紙は、乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度100℃、乾燥時間2時間となるように乾燥させた。乾燥後、910mm×1820mmに切断した。
(アルミナ粒子スプレー工程)
平均粒子径0.5μmのγアルミナ粒子とエタノールからなるスプレー液を調製した。スプレー液を常温でスプレーに充填させて、切断したメラミン樹脂含浸紙に吹き付けた。
(乾燥工程)
アルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙を乾燥機(ESPEC社製、OVEN PH−201)により、温度110℃、乾燥時間2分となるように乾燥させた。
(組合せ工程)
厚み0.3〜0.4mmのフェノール樹脂含浸コア紙を4枚積層し、その上に、上記工程により得られたアルミナ粒子を吹き付けたメラミン樹脂含浸紙をアルミナ粒子吹き付け面が外面となるように積層し、プレス機のプレス面とメラミン樹脂含浸紙のアルミナ粒子吹き付け面との間にPETからなる離形クッション材を介在させて、温度143℃、プレス圧80kg/cm、プレス時間(昇温時間を含む)5分で熱圧着した。これにより、メラミン樹脂含浸層上にアルミナ粒子が露出して固定された。
(光触媒担持工程)
平均粒子径100nmのCuO−TiOの光触媒を水に分散したスラリー(固形分濃度25重量%)と、シリカゾル(SiO濃度:3重量%)とを、4.5:5.5の重量割合(固形分重量)で含むメタノール混合溶液(光触媒濃度0.05重量%)を調製した。上記工程で得られるアルミナ粒子が表面に配置されたメラミン樹脂含浸層を表面に有する基板に、スプレーを用いて上記メタノール混合溶液を塗布し、25℃で12時間乾燥させることにより、アルミナ粒子上に上記光触媒が担持された化粧板の製造を完了した。得られた化粧板を厚さ方向に割った後、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影し、任意の10個のアルミナ粒子の全体の高さ及び露出する高さの比率を確認し、得られた比率の平均値を算出することによってアルミナ粒子の表層樹脂層からの露出する高さの比率を算出した。アルミナ粒子の表層樹脂層からの露出する高さはアルミナ粒子の全体の高さの55%であった。
図3は、実施例1で製造した化粧板の電子顕微鏡写真であり、アルミナ粒子が表層樹脂層から露出している様子を示している。
(実施例2)
組合せ工程において、プレス圧50kg/cmとすることで、アルミナ粒子の表層樹脂層からの露出する高さをアルミナ粒子の全体の高さの65%に調整する。その他は実施例1と同様として化粧板を作製する。
(実施例3)
組合せ工程において、プレス圧100kg/cmとすることで、アルミナ粒子の表層樹脂層からの露出する高さをアルミナ粒子の全体の高さの35%に調整する。その他は実施例1と同様として化粧板を作製する。
(実施例4)
アルミナ粒子に代えて、フッ素樹脂粒子(ダイキン工業株式会社製 ルブロン L−2 平均粒子径3.5μm)を使用する他は実施例1と同様として化粧板を作製する。
フッ素樹脂粒子の表層樹脂層からの露出する高さはフッ素樹脂粒子の全体の高さの40%である。
(実施例5)
アルミナ粒子に代えて、平均粒子径1μmの銅粒子を使用する他は実施例1と同様として化粧板を作製する。銅粒子の表層樹脂層からの露出する高さは銅粒子の全体の高さの50%である。
(比較例1)
上記実施例1の(組合せ工程)におけるプレス時間を1分に変更した他は実施例1と同様にして化粧板の製造を完了した。
アルミナ粒子の表層樹脂層からの露出する高さはアルミナ粒子の全体の高さの70%であった。
(比較例2)
上記実施例1の(組合せ工程)におけるプレス時間を15分に変更した他は実施例1と同様にして化粧板の製造を完了した。
アルミナ粒子の表層樹脂層からの露出する高さはアルミナ粒子の全体の高さの30%であった。
(抗ウィルス性評価)
実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、比較例1及び比較例2で得られた光触媒が担持された化粧板の抗ウィルス性を評価するために、JIS R1756 可視光応答形光触媒材料の抗ウィルス性試験方法に準じて抗ウィルス性に関する測定を行った。測定結果は、大腸菌に対して不活化されたウィルス濃度で表すこととした。
ここで、ウィルス濃度の指標として、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度(ウィルス不活度)を使用した。ウィルス不活度とは、バクテリオファージを用いた抗ウィルス性試験で、ファージウィルスQβ濃度:830万個/ミリリットルを用いて、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度を測定することにより、大腸菌に対して不活化されたウィルスの濃度を算出した結果である。すなわち、ウィルス不活度は、ファージウィルスQβ濃度に対して、大腸菌に感染することができない濃度の度合いであり、(ファージウィルスQβ濃度−大腸菌に感染することができるウィルスの濃度)/(ファージウィルスQβ濃度)×100で算出することができる。ウィルス不活度の値が高いほど、抗ウィルス性に優れるといえる。
大腸菌に感染することができるウィルス濃度は、次のように測定する。ファージウィルス濃度既知(830万個/ミリリットル)の試験液を化粧板上に滴下して、JIS R1756に準じて光照射してウィルスを失活させた後、化粧板を所定量の水で洗浄、これを1000倍に希釈して、大腸菌培地に移植して培養し、失活していないウィルスの数を計測する。この失活していないウィルスの数、洗浄に使用した水の量および希釈率から大腸菌に感染することができるウィルス濃度を計算する。結果を表1に示す。
表1には、各実施例及び各比較例の機能性物質担持用粒子の露出高さとウィルス不活度、ウィルス不活性度を示す。
ウィルス不活性度とは、元のウィルスの量を1とし、ウィルス失活処理後に失活したウィルス量をXとした場合に、常用対数log(1−X)で示される数値(負の値で示される)であり、絶対値が大きい程ウィルスを不活性化する能力が高い。例えば、元のウィルスの99.9%が失活した場合、ウィルス不活性度は、log(1−0.999)=−3.0で表記される。なお、ウィルス失活処理前の全ウィルス量に対するウィルス失活処理後に失活したウィルス量の割合を%で表したもの(上記の場合、99.9%)をウィルス不活度という。
実施例1の化粧板では、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が830個/ミリリットル以下という結果であり、ウィルス不活度に換算すると99.99%以上相当になり、高い抗ウィルス性を有することが確認された。これに対して、比較例1及び比較例2の化粧板では、大腸菌に感染することができるウィルスの濃度が約8300個/ミリリットルという結果であり、ウィルス不活度に換算すると約99.90%であり、ウィルスの残留している度合いが実施例1に比べて高く、抗ウィルス性が実施例1に比べて劣ることが確認された。
また、実施例2、3の化粧板でも実施例1と同様の抗ウィルス機能を有することが理解できる。実施例4、5では、実施例1から3に比べて抗ウィルス機能の若干の低下がみられる。
(アルミナ粒子等の機能性物質担持用粒子の脱落の評価)
実施例1、比較例1及び比較例2で得られた光触媒が担持された化粧板の表面を水を含む布巾で拭き、拭いた後の布巾を叩いたところ、比較例1の化粧板を拭いた布巾からは白い粉が多く落ちた。このことは比較例1の化粧板からアルミナ粒子が多く脱落したことを示している。一方、実施例1及び比較例2の化粧板を拭いた布巾からは白い粉の脱落はほとんど見られなかった。
また、実施例2〜5の化粧板でも実施例1と同様に粒子の脱落は確認されない。
1、3 化粧板
12 表層樹脂層
13 機能性物質担持用粒子
14 機能性物質
15 表層樹脂層表面
16 シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する表層樹脂層表面
A 表層樹脂層の表面よりも上にある機能性物質担持用粒子
B 表層樹脂層の表面よりも下にある機能性物質担持用粒子

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板の一方面又は両面上に積層される表層樹脂層と、
    前記表層樹脂層上に露出して配置される機能性物質担持用粒子と、
    前記機能性物質担持用粒子の露出面上に担持される機能性物質と、からなり、
    前記機能性物質担持用粒子はその高さの35〜65%が表層樹脂層から露出していることを特徴とする化粧板。
  2. 前記機能性物質担持用粒子は、機能性物質担持用粒子の露出面上に担持されている機能性物質の等電点よりも高い等電点となる粒子である請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記機能性物質担持用粒子はセラミック粒子である請求項1又は2に記載の化粧板。
  4. 前記セラミック粒子は、アルミナ又はアルミン酸ストロンチウムのいずれかからなる粒子である請求項3に記載の化粧板。
  5. 前記機能性物質担持用粒子の平均粒子径は、0.1μm〜55μmである請求項1〜4のいずれか一つに記載の化粧板。
  6. 前記機能性物質は、可視光応答型光触媒である請求項1〜5のいずれか一つに記載の化粧板。
  7. 前記可視光応答型光触媒は、白金担持チタニア触媒、銅担持チタニア触媒、鉄担持チタニア触媒、窒素ドープチタニア触媒、硫黄ドープチタニア触媒、炭素ドープチタニア触媒、又は、酸化タングステンである請求項6に記載の化粧板。
  8. 前記表層樹脂層は、シリコーン樹脂及び/又はシランカップリング剤を含有する請求項1〜7のいずれか一つに記載の化粧板。
  9. 前記機能性物質担持用粒子の表層に無機ゾルの乾燥体を有している請求項1〜8のいずれか一つに記載の化粧板。
  10. 前記表層樹脂層は、有機樹脂層である請求項1〜9のいずれか一つに記載の化粧板。
  11. 前記機能性物質は、前記表層樹脂層から露出した前記機能性物質担持用粒子の表面に選択的に担持され、かつ、前記表層樹脂層に接触しないように担持される請求項1〜10のいずれか一つに記載の化粧板。
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