JP2017205909A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2017205909A
JP2017205909A JP2016098470A JP2016098470A JP2017205909A JP 2017205909 A JP2017205909 A JP 2017205909A JP 2016098470 A JP2016098470 A JP 2016098470A JP 2016098470 A JP2016098470 A JP 2016098470A JP 2017205909 A JP2017205909 A JP 2017205909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
weight
ethylene
content
based copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016098470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6642262B2 (ja
Inventor
初 峯村
Hajime Minemura
初 峯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2016098470A priority Critical patent/JP6642262B2/ja
Publication of JP2017205909A publication Critical patent/JP2017205909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6642262B2 publication Critical patent/JP6642262B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】表面処理前後でのヒートシール温度差が小さく、低温ヒートシール性に優れる多層フィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表層が、プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含み、
上記表層の濡れ張力が35〜45dyne/cmである多層フィルム。
プロピレン系共重合体(X):プロピレン系共重合体成分(A)とプロピレン系共重合体成分(B)とを含むプロピレン系共重合体。
プロピレン系共重合体成分(A):α−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が1〜5重量%であるプロピレン系共重合体成分。
プロピレン系共重合体成分(B):α−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が20〜40重量%であるプロピレン系共重合体成分。
プロピレン−エチレン共重合体(Y):エチレンに由来する単量体単位の含有量が6〜20重量%であるプロピレン−エチレン共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のプロピレン系共重合体(X)と特定のプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む表層を有し、該表層の濡れ張力が35dyne/cm以上45dyne/cm以下である層フィルムに関するものである。
ポリプロピレンは透明性、耐熱性、食品衛生性などに優れているため、フィルムやシート等の分野で幅広く利用されている。近年、食品等の包装分野において製袋速度の高速化が進み、低温ヒートシール可能なポリプロピレンフィルムが求められている。低温ヒートシール性を有するフィルムとしては、例えば、特許文献1に、プロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる共重合体と、ブテン−1を含む結晶性の(共)重合体とを含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を有するフィルムが記載されている。
特開2004−2760号公報
しかしながら、上記フィルムを、印刷性向上や添加剤のブリードを促進する目的でコロナ放電処理のような表面処理を行うと、表面処理前のフィルムでヒートシール可能であった温度ではヒートシールできなくなり、より高い温度としなければヒートシールできないという問題があった。
本発明の目的は、表面処理前後でのヒートシール温度差が小さく、低温ヒートシール性に優れる多層フィルムを提供することである。
すなわち本発明は、二つ以上の層を有する多層フィルムであって、
少なくとも一方の表層が、下記プロピレン系共重合体(X)と下記プロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含み、
上記表層に含まれるプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)の合計含有量を100重量%として、
プロピレン系共重合体(X)の含有量が60重量%以上95重量%以下であり、
プロピレン−エチレン共重合体(Y)の含有量が5重量%以上40重量%以下であり、
上記表層の濡れ張力が35dyne/cm以上45dyne/cm以下である多層フィルムである。
プロピレン系共重合体(X):下記プロピレン系共重合体成分(A)と下記プロピレン系共重合体成分(B)とを含み、
プロピレン系共重合体(X)に含まれるプロピレン系共重合体成分(A)とプロピレン系共重合体成分(B)の合計含有量を100重量%として、
プロピレン系共重合体成分(A)の含有量が1〜35重量%であり、
プロピレン系共重合体成分(B)の含有量が99〜65重量%である
プロピレン系共重合体。
プロピレン系共重合体成分(A):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が95重量%以上99重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が1重量%以上5重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
プロピレン系共重合体成分(B):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が60重量%以上80重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が20重量%以上40重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
プロピレン−エチレン共重合体(Y):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が80重量%以上94重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が6重量%以上20重量%以下であるプロピレン−エチレン共重合体。
本発明により、表面処理前後でのヒートシール温度差が小さく、低温シール性に優れた多層フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の多層フィルムは、二つ以上の層を有する多層フィルムであって、
少なくとも一方の表層が、下記プロピレン系共重合体(X)と下記プロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含み、
上記表層に含まれるプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)の合計含有量を100重量%として、
プロピレン系共重合体(X)の含有量が60重量%以上95重量%以下であり、
プロピレン−エチレン共重合体(Y)の含有量が5重量%以上40重量%以下である。
(i)プロピレン系共重合体(X)
本発明の多層フィルムに含まれるプロピレン系共重合体(X)は、下記プロピレン系共重合体成分(A)と下記プロピレン系共重合体成分(B)とを含み、
プロピレン系共重合体(X)に含まれるプロピレン系共重合体成分(A)とプロピレン系共重合体成分(B)の合計含有量を100重量%として、
プロピレン系共重合体成分(A)の含有量が1〜35重量%であり、
プロピレン系共重合体成分(B)の含有量が99〜65重量%である
プロピレン系共重合体である。
プロピレン系共重合体成分(A)(以下、成分(A)と称する):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が95重量%以上99重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が1重量%以上5重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
プロピレン系共重合体成分(B)(以下、成分(B)と称する):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が60重量%以上80重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が20重量%以上40重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
上記プロピレン系共重合体(X)中の成分(A)の含有量は、成分(A)と成分(B)の合計含有量を100重量%して、1〜35重量%である。フィルムの耐熱性および製膜性の観点から、成分(A)の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。低温ヒートシール性の観点から、成分(A)の含有量は好ましくは25重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
上記プロピレン系共重合体(X)の全量を100重量%として、成分(A)と成分(B)の合計含有量は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
成分(A)は、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位とを有するプロピレン系共重合体である。炭素数4以上のα−オレフィンとして、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンが挙げられる。炭素数4以上のα−オレフィンは、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、共重合特性、経済性の観点から、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンである。成分(A)中のエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位は、好ましくは、エチレン、1−ブテンであり、より好ましくは、エチレンである。
成分(A)に含まれるプロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位の合計含有量を100重量%として、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は1重量%以上5重量%以下である。エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、低温ヒートシール性の観点から、好ましくは3重量%以上である。エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、経時的なフィルムの白化および剛性低下を抑制し、耐ブロッキング性を向上するという観点から、5重量%以下である。
成分(A)の全量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位との合計含有量は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
本発明の一つの態様として、成分(A)の全量を100重量%として、成分(A)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は2重量%未満であることが好ましい。
上記プロピレン系共重合体(X)中の成分(B)は、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位とを有するプロピレン系共重合体成分である。炭素数4以上のα−オレフィンとして、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンが挙げられる。炭素数4以上のα−オレフィンは、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、共重合特性、経済性の観点から、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンである。成分(B)中のエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位は、好ましくは、エチレン、1−ブテンであり、より好ましくは1−ブテンである。
成分(B)中に含まれるプロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位の合計含有量を100重量%として、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は20重量%以上40重量%以下である。エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、低温ヒートシール性の観点から、好ましくは23重量%以上であり、経時的なフィルムの白化および剛性低下を抑制し、耐ブロッキング性を向上するという観点から、好ましくは30重量%以下である。
成分(B)の全量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上の単量体単位との合計含有量は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
成分(A)および成分(B)に含まれる単量体単位の種類は、同じでもよく、異なっていてもよい。成分(A)および成分(B)としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分が挙げられる。成分(A)および成分(B)は、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分である。成分(A)はより好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分である。成分(B)はより好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体成分である。成分(A)と成分(B)は、化学的に結合したものであっても、化学的に結合していないものであっても、化学的に結合したものと化学的に結合していないものの混合物であってもよい。
JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定されるプロピレン系共重合体(X)のメルトフローレート(以下、MFRと称する)は、流動性、製膜性の観点から、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは1〜20g/10分である。
プロピレン系共重合体成分(A)およびプロピレン系共重合体成分(B)は、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造することができる。公知の重合触媒としては、例えば、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて用いられる電子供与性化合物等の第3成分とからなる触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第IV族の遷移金属化合物(以下、メタロセン化合物と称する)とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、メタロセン化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系等が挙げられる。好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性化合物とからなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報、特開2004−67850号公報に記載されている触媒系である。
公知の重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合法、溶媒重合法、無溶媒による液相重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくは気相重合法、液相重合法である。
プロピレン系共重合体(X)は、プロピレン系共重合体成分(A)とプロピレン系共重合体成分(B)とを多段で連続的に重合して得ることができる。上記方法としては、例えば、上流の重合槽においてプロピレン系共重合体成分(A)を重合した後、プロピレン系共重合体成分(A)を下流の重合槽へ移送し、下流の重合槽において、プロピレン系共重合体成分(A)の存在下、プロピレン系共重合体成分(B)を重合する方法が挙げられる。上流の重合槽においてプロピレン系共重合体成分(B)を重合し、下流の重合槽においてプロピレン系共重合体成分(A)を重合してもよい。多段で重合する場合、各重合槽の重合方法の組み合わせとしては、液相重合法−気相重合法、気相重合法−気相重合槽等が挙げられる。
プロピレン系共重合体成分(A)、プロピレン系共重合体成分(B)、プロピレン系共重合体(X)は、それぞれ上記製造方法において、必要に応じて、後処理として触媒の失活、脱溶剤、脱モノマー、乾燥、造粒等を行ってもよい。
また、プロピレン系共重合体(X)を製造する方法として、上記公知の製造方法によりそれぞれ別々に製造した成分(A)と成分(B)を公知の任意の方法で均一分散させて製造することもできる。例えば,押出溶融ブレンド法、バンバリーブレンド法などである。
プロピレン系共重合体(X)は、重合後、MFRを調整するために、有機過酸化物を添加して溶融混練してもよい。
(ii)プロピレン−エチレン共重合体(Y)
本発明の多層フィルムに含まれるプロピレン−エチレン共重合体(Y)は、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が80重量%以上94重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が6重量%以上20重量%以下であるプロピレン−エチレン共重合体である。エチレンに由来する単量体単位の含有量は、低温シール性の観点から6重量%以上である。エチレンに由来する単量体単位の含有量は、表面処理前後でのヒートシール温度差を小さくし、耐ブロッキング性を向上するという観点から、好ましくは15重量%以下、より好ましくは、6重量%以上10重量%以下である。エチレンに由来する単量体単位の含有量が6重量%以下である場合は、低温シール性が不十分である場合があり、20重量%を超えるとコロナ処理前後のシール温度差が大きくなる場合や耐ブロッキング性が悪化する場合がある。
上記プロピレン系共重合体(Y)の全量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位との合計含有量は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
プロピレン−エチレン共重合体(Y)の融点は、低温シール性の観点から好ましくは100℃以下であり、より好ましくは90℃以下である。コロナ処理前後のシール温度差や耐ブロッキング性の観点から好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上である。
JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定されるプロピレン−エチレン共重合体(Y)のMFRは、好ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは1〜15g/10分、さらに好ましくは1〜10g/10分である。
プロピレン−エチレン共重合体(Y)は、プロピレン系共重合体(A)、プロピレン系共重合体(B)と同様、公知の重合触媒および公知の重合方法によって製造することができる。プロピレン−エチレン共重合体(Y)は、メタロセン化合物を含む触媒系を用いて製造することが好ましい。
本発明の多層フィルムの少なくとも一方の表層は、プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)の合計含有量を100重量%として、プロピレン系共重合体(X)の含有量が60重量%以上95重量%以下であり、プロピレン−エチレン共重合体(Y)の含有量が5重量%以上40重量%以下である。上記表層を構成するプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む樹脂組成物をプロピレン系共重合体(X)の含有量は、表面処理前後でのヒートシール温度差をより小さくするという観点から、好ましくは、80重量%以上95重量%以下であり、より好ましくは85重量%以上90重量%以下である。上記表層の重量を100重量%として、上記表層が含むプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)の合計含有量は、好ましくは50重量%以上100重量%以下、より好ましくは70重量%以上100重量%以下、更に好ましくは90重量%以上100重量%以下である。
上記表層を構成するプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含むポリプロピレン系樹脂組成物のMFRは好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは1〜20g/10分、更に好ましくは2〜15g/10 分である。
上記表層を構成するプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含むポリプロピレン系樹脂組成物を製造する方法としては、プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)を公知の任意の方法で混合して得ることができる。例えば、押出溶融ブレンド法、バンバリーブレンド法などである。又、重合条件を段階的に変更して重合する、いわゆる多段重合法で、上記組成物を得ることも可能である。
上記表層は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。添加剤は、組成物とする前のプロピレン系共重合体(X)、プロピレン−エチレン共重合体(Y)が含んでいてもよい。
本発明の多層フィルムは、プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む少なくとも一方の表層の濡れ張力が35dyne/cm以上45dyne/cm以下であり、表層の濡れ張力を上記範囲とすることにより、印刷性向上や添加剤の表面ブリードを促進することが可能である。
上記表層の濡れ張力は、低温シール性、耐ブロッキング性の観点から、好ましくは38dyne/cm以上である。
本発明の多層フィルムは、プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む少なくとも一つの上記表層と、該層とは異なる層とを有する多層フィルムである。
本発明の多層フィルムは、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む上記表層一層と基材層とを有する多層フィルム。
(2)プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む上記表層二層の間に基材層を有する多層フィルム。
(3)プロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含む上記表層一層と、上記表層とは異なる表層との間に基材層を有する多層フィルム。
基材層は、特に限定されず単層でもよく、多層でもよい。基材層としては、例えば結晶性α−オレフィン重合体からなる層が用いられ、特に結晶性ポリプロピレンが好適に使用される。
結晶性ポリプロピレンは、一般的には沸騰ヘプタン不溶部分を80%以上含み、極限粘度([η]) が1.3〜4.2dl/gを有し、重合体中のプロピレン成分が95%以上のものが好適に使用できる。また結晶性ポリプロピレンは、5%以下のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン成分等を含む共重合体であってもよい。
本発明の多層フィルムが上記(2)の多層フィルムである場合、二つの表層は同一の樹脂組成でもよく、異なる種類の樹脂からなるものでもよく、同一の種類の樹脂を使用し、各樹脂の含有量が異なるものでもよい。
本発明の多層フィルムの厚みは、剛性や透明性の観点から、好ましくは、5μm以上100μm未満であり、より好ましくは、10μm以上80μm未満であり、更に好ましくは、10μm以上70μm未満である。基材層の厚みに対する表層の厚みの比は任意である。基材層の厚みに対する表層の厚みの比はシール強度の観点から1/50以上が好ましく、多層フィルムの剛性の観点から1/3以下が好ましい(ただし、多層フィルムが二つの表層の間に基材層を有するものである場合、上記表層の厚みは二つの表層の合計の厚みである)。
本発明の多層フィルムの製造方法としては、例えば、共押し出し加工法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。また、前記方法により事前に成形して得られたフィルムまたはシートを延伸してフィルムを製造する方法挙げられ、延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸または二軸に延伸する方法等が挙げられる。フィルムの低温ヒートシール性、透明性、剛性等の物性のバランスの観点から、未延伸の共押出成形法または二軸延伸方法が好ましい。
上記製法で得られた多層フィルムにおける少なくとも一方の上記表層に対して、表面処理を行うことにより、表面処理を行った表層の濡れ張力を35dyne/cm以上45dyne/cm以下とする。表面処理方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、火炎処理等が挙げられる。表面処理の方法として好ましくは、コロナ放電処理である。表面処理はフィルム製造工程にてインラインで実施しても、フィルム製造後にオフラインにて実施してもよい。また、フィルムの使用目的に応じて、両面に処理を施してもよい。
コロナ放電処理の方法としては、特に限定されるものではなく公知の方法で実施することができ、フィルムの厚みやライン速度に応じて所望の濡れ張力となるようコロナ放電強度を適宜調整して実施することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた試料調製方法、物性の測定方法を下記に示した。
(1)エチレンに由来する単量体単位の含有量(単位:重量%)
高分子分析ハンドブック(1985年、朝倉書店発行)の第256頁に記載されているIRスペクトル測定法により求めた。
(2)1−ブテンに由来する単量体単位の含有量(単位:重量%)
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第619頁に記載されているIRスペクトル測定法により求めた。
(3)プロピレンに由来する単量体単位の含有量(単位:重量%)
プロピレン−エチレン共重合体に含まれるプロピレンに由来する単量体単位の含有量は、下記式により求めた。
プロピレンに由来する単量体単位の含有量=100−エチレンに由来する単量体単位の含有量
プロピレン−1−ブテン共重合体に含まれるプロピレンに由来する単量体単位の含有量は、下記式により求めた。
プロピレンに由来する単量体単位の含有量=100−1−ブテンに由来する単量体単位の含有量
(4)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(5)融点(Tm、単位:℃)
プロピレン系共重合体を熱プレス成形(230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2まで昇圧し2分間保圧した後、30℃、30kgff/cm2で5分間冷却)して、厚さ0.5mmのシートを作製し、そのうちの約10mgを試料として用いた。示差走査型熱量計により、窒素雰囲気下で、試料を封入したアルミニウムパンを、(1)220℃で5分間保持し、次に(2)5℃/分の速度で220℃から−80℃まで降温し、次に(3)−80℃において5分間保持し、次に(4)−80℃から220℃まで5℃/分の速度で昇温した。過程(4)における熱量測定により得られた示差走査熱量測定曲線において、最大吸熱ピークを示す温度(℃)を融点とした。
(6)濡れ張力(dyne/cm)
JIS K6768に従い測定した。
(7)ヒートシール温度(HST、単位:℃)
フィルムの表面同士を重ね合わせ、所定の温度に加熱されたヒートシーラー(東洋精機製)により2kg/cm2Gの荷重で2秒間圧着してヒートシールを行った。ヒートシールされたサンプルを24時間、温度23℃、湿度50%で状態調整した後、温度23℃、湿度50%で剥離速度200mm/分、剥離角度180度で剥離した時の剥離抵抗力が300g/25mm幅になるシール温度を求め、ヒートシール温度とした。
(8)ブロッキング(単位:N/12cm
100mm×30mmのフィルムサンプル2枚の測定面同士を重ね合わせて、設置面積40mm×30mmで重量500gの錘をのせ、60℃のオーブン内で3時間熱処理した。その後、温度23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置した後、200mm/分の引張速度で剪断剥離力を測定した。
(9)プロピレン系共重合体(X−1)の作製
特開2002−69143号公報に記載の方法を参考に、成分A−1(プロピレン−エチレン共重合体、エチレンに由来する単量体単位の含有量=4重量%)19重量%と成分B−1(プロピレン−1−ブテン共重合体、1−ブテンに由来する単量体単位の含有量=25重量%)81重量%からなるプロピレン系共重合体(X−1)を得た。得られたプロピレン系共重合体(X−1)100重量部に対して、ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製)0.01重量部、イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)0.15重量部、スミライザーGP(住友化学株式会社製)0.03重量部およびMFR調整剤を混合した後、溶融混練してMFRが7g/10分であるペレット(X−1a)を得た。MFR調整剤には、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンをポリプロピレン粉末に8%含浸させたマスターバッチを使用した。
(10)プロピレン系共重合体(Y)
プロピレン系共重合体(Y−1)として、Versify3200(ダウ・ケミカル社製)(プロピレン−エチレン共重合体、エチレンに由来する単量体単位の含有量=8重量%、Tm=86℃、MFR=8g/10分)を用いた。
プロピレン系共重合体(Y−2)として、Versify3300(ダウ・ケミカル社製)(プロピレン−エチレン共重合体、エチレンに由来する単量体単位の含有量=12重量%、Tm=47℃、MFR=8g/10分)を用いた。
プロピレン系共重合体(Y−3)として、Vistamaxx3980FL(エクソンモービル社製)(プロピレン−エチレン共重合体、エチレンに由来する単量体単位の含有量=8重量%、Tm=79℃、MFR=8g/10分)を用いた。
プロピレン系共重合体(Y−4)として、タフマーXM7070(三井化学株式会社製)(プロピレン−1−ブテン共重合体、1−ブテンに由来する単量体単位の含有量=32重量%、Tm=77℃、MFR=7g/10分)を用いた。
プロピレン系共重合体(Y−5)として、RS160EG(住友化学株式会社製)(プロピレン−エチレン共重合体、エチレンに由来する単量体単位の含有量=6重量%、Tm=132℃、MFR=2g/10分)
実施例1
[プロピレン系共重合体組成物]
プロピレン系共重合体ペレット(X−1a)95重量%、プロピレン系共重合体(Y−1)5重量%を溶融混練してプロピレン系共重合体組成物ペレットを得た。
[延伸フィルムの作製]
一方の表層用に上記で得られたプロピレン系重合体組成物ペレットを用い、基材層用にFS2011DG3(住友化学株式会社製、Tm=159℃、MFR=3g/10分であるポリプロピレン)を用い、二つの押出機と一機の共押出Tダイと縦延伸機と横延伸機とを備えた共押出パイロットテンター(三菱重工業株式会社製)により、多層二軸延伸フィルムを作製した。具体的には、まず、上記プロピレン系共重合体組成物ペレットを一方の押出機へ供給し230℃で溶融混練し、FS2011DG3を他方の押出機へ供給し260℃で溶融混練した。各押出機で溶融混練された各樹脂を、一機の共押出Tダイに供給した。このTダイから、表層/基材層である2種2層構成として押出された樹脂を、30℃の冷却ロールにて急冷、固化することにより、厚さ1mmのキャストシートを得た。得られたキャストシートを、延伸温度120℃で、縦延伸機のロール周速差によって、縦方向に5倍に延伸し、引き続いて横延伸機により、延伸温度157℃で、横方向に8倍に延伸した後、165℃で熱処理を行い、表層厚み/基材層厚み=1μm/20μmである多層二軸延伸フィルムを得た(ライン速度=25m/分)。さらに得られた多層二軸延伸フィルムに対して、上記プロピレン系共重合体組成物ペレットからなる表層の濡れ張力が38dyne/cmとなるようにインラインでコロナ処理を施した。延伸フィルムの物性の評価結果を表1に示した。
実施例2−5および比較例1−2
表1に記載のプロピレン系共重合体組成物を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で表面の濡れ張力が38dyne/cmである多層二軸延伸フィルムを得た。
Figure 2017205909
*コロナ処理前後のヒートシール温度差
本発明の要件を満足する実施例1〜6は、コロナ処理前後でのヒートシール温度差(ΔT)が小さく、コロナ処理後のヒートシール温度は、コロナ処理前のヒートシール温度からの上昇が少ない。これに対して、プロピレン系共重合体(Y)として、プロピレン−1−ブテン共重合体を用いた比較例1では、コロナ処理前後でのヒートシール温度差(ΔT)が大きく、コロナ処理後のヒートシール温度は、コロナ処理前のヒートシール温度からの上昇が大きい。濡れ張力を38dyne/cmとした表層に含まれるプロピレン系共重合体(Y)の含有量が多い比較例2では、コロナ処理前後でのヒートシール温度差(ΔT)が大きく、コロナ処理後のヒートシール温度は、コロナ処理前のヒートシール温度からの上昇が大きい。
本発明の多層フィルムは、少なくとも一方の表層の濡れ張力が高く、表面処理前後でのヒートシール温度差が小さく、低温ヒートシール性に優れることから、印刷性や製袋性に優れた多層フィルムとして、食品包装、医薬品、電子部品等の様々な包装分野に広く使用することができる。

Claims (4)

  1. 二つ以上の層を有する多層フィルムであって、
    少なくとも一方の表層が、下記プロピレン系共重合体(X)と下記プロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含み、
    上記表層に含まれるプロピレン系共重合体(X)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)の合計含有量を100重量%として、
    プロピレン系共重合体(X)の含有量が60重量%以上95重量%以下であり、
    プロピレン−エチレン共重合体(Y)の含有量が5重量%以上40重量%以下であり、
    上記表層の濡れ張力が35dyne/cm以上45dyne/cm以下である多層フィルム。
    プロピレン系共重合体(X):下記プロピレン系共重合体成分(A)と下記プロピレン系共重合体成分(B)とを含み、
    プロピレン系共重合体(X)に含まれるプロピレン系共重合体成分(A)とプロピレン系共重合体成分(B)の合計含有量を100重量%として、
    プロピレン系共重合体成分(A)の含有量が1〜35重量%であり、
    プロピレン系共重合体成分(B)の含有量が99〜65重量%である
    プロピレン系共重合体。
    プロピレン系共重合体成分(A):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が95重量%以上99重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が1重量%以上5重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
    プロピレン系共重合体成分(B):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が60重量%以上80重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が20重量%以上40重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
    プロピレン−エチレン共重合体(Y):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が80重量%以上94重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が6重量%以上20重量%以下であるプロピレン−エチレン共重合体。
  2. 上記プロピレン系共重合体成分(A)がプロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が95重量%以上99重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が1重量%以上5重量%以下であるプロピレン系共重合体成分である請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 二軸延伸フィルムである請求項1または2に記載の多層フィルム。
  4. 下記プロピレン系共重合体(X’)と下記プロピレン−エチレン共重合体(Y)とを含み、
    プロピレン系共重合体(X’)とプロピレン−エチレン共重合体(Y)の合計含有量を100重量%として、
    プロピレン系共重合体(X’)の含有量が60重量%以上95重量%以下であり、
    プロピレン−エチレン共重合体(Y)の含有量が5重量%以上40重量%以下であるプロピレン系重合体組成物。
    プロピレン系共重合体(X’):下記プロピレン系共重合体成分(A’)と下記プロピレン系共重合体成分(B)とを含み、
    プロピレン系共重合体(X)に含まれるプロピレン系共重合体成分(A’)とプロピレン系共重合体成分(B)の合計含有量を100重量%として、
    プロピレン系共重合体成分(A’)の含有量が1〜35重量%であり、
    プロピレン系共重合体成分(B)の含有量が99〜65重量%である
    プロピレン系共重合体。
    プロピレン系共重合体成分(A’):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が95重量%以上99重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が1重量%以上5重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
    プロピレン系共重合体成分(B):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が60重量%以上80重量%以下であり、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が20重量%以上40重量%以下であるプロピレン系共重合体成分。
    プロピレン−エチレン共重合体(Y):プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位とを有し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計含有量を100重量%として、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が80重量%以上94重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が6重量%以上20重量%以下であるプロピレン−エチレン共重合体。
JP2016098470A 2016-05-17 2016-05-17 多層フィルム Active JP6642262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016098470A JP6642262B2 (ja) 2016-05-17 2016-05-17 多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016098470A JP6642262B2 (ja) 2016-05-17 2016-05-17 多層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017205909A true JP2017205909A (ja) 2017-11-24
JP6642262B2 JP6642262B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=60415193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016098470A Active JP6642262B2 (ja) 2016-05-17 2016-05-17 多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6642262B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP6642262B2 (ja) 2020-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20160033117A (ko) 히트 시일성 폴리프로필렌 적층 연신 필름
SK282881B6 (sk) Kompozícia na báze štatistických kopolymérov propylénu, spôsob jej výroby, viacvrstvové termotmeliace fólie a ich použitie
CN107405871A (zh) 单轴取向的多层流延膜
WO2019065306A1 (ja) ポリプロピレン系積層フィルム
JP3634475B2 (ja) 包装用ポリプロピレン複合フィルム
US6835791B2 (en) Stretched polypropylene film
CN1611538B (zh) 聚合物组合物及其膜
JP6642262B2 (ja) 多層フィルム
JP5062035B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびフィルム
JP5062036B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびフィルム
JP7243462B2 (ja) 多層フィルム
WO2020234135A1 (en) Multilayer structure
JP4507807B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルム
JP4923392B2 (ja) プロピレン共重合体組成物およびそのフィルム
JP4923393B2 (ja) プロピレン共重合体組成物およびそのフィルム
JP6717641B2 (ja) 多層フィルム及びその製造法
JP4250993B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びフィルム
JP4182290B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びフィルム
JP5375454B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物および延伸フィルム
JP4013497B2 (ja) フィルム用ポリプロピレン系組成物およびそのフィルム
WO2022201741A1 (ja) オレフィン系重合体組成物、および、フィルム
JP2011021137A (ja) ポリプロピレン無延伸フィルムの製造方法
JP2022083825A (ja) プロピレン重合体組成物、および、フィルム
JP5621326B2 (ja) ポリプロピレン延伸多層フィルム
JP4491945B2 (ja) 低温ヒートシール性ポリプロピレン系フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191216

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6642262

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350