JP4182290B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物及びフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のプロピレン系共重合体(X)、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンの共重合体(Y)(任意成分)、及び結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)からなるポリプロピレン系樹脂組成物及びそのフィルムに関するものである。
本発明のフィルムは、従来技術と同等の透明性、光沢等の光学特性を持ち、さらに低温ヒートシール性および耐ブロッキング性に優れる。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは透明性、耐熱性、食品衛生性などに優れているため、フィルムやシート等の分野で幅広く利用されている。近年、食品等の包装分野において製袋速度の高速化が進み、良好な低温ヒートシール性を持つ材料が要望されている。
低温ヒートシール性を発現させる方法として、例えば、特許第2882237号公報には、チーグラー・ナッタ触媒を用いて、実質的に溶剤の不存在下にプロピレンとα−オレフィン、又はプロピレンとエチレンとα−オレフィンを共重合して得られた共重合体で、プロピレン含有量、エチレン含有量、α−オレフィン含有量、および20℃キシレン可溶部の含有量を特定の範囲にして、コモノマー含有量を増やしたポリプロピレンランダム共重合体、及び該共重合体のフィルムは低温ヒートシール性が良好であることが開示されている。しかし、コモノマー含有量を増加させてシール温度を低下させる方法では、コモノマー含有量が増加してある量を超えると剛性が低下したり、溶剤抽出量が増加して食品衛生性が低下したりするという問題がある。
また、特公平2−57770号公報、特許3070419号公報には、非常に高α−オレフィン含有量のポリプロピレン共重合体を表層に積層するポリプロピレン積層フィルムが記載されている。しかしながら、これらの技術で得られる積層フィルムは、コロナ処理を施した際にヒートシール性が悪化するという欠点やコモノマー含有量を上げすぎると製膜工程でのベタツキが生じるためヒートシール温度を充分に下げることができない等の問題があり、さらなる改良が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術と同等の透明性、光沢等の光学特性を持ち、さらに低温ヒートシール性および耐ブロッキング性に優れたポリプロピレン系フィルムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンからなる特定の共重合体成分(A成分)と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンからなる特定の共重合体成分(B成分)を含むプロピレン系共重合体(X)、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンの特定の共重合体(Y)、及び特定の結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)からなるポリプロピレン系樹脂組成物を使用することにより、かかる問題点を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、下記(要件1)を満足するプロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる共重合体成分(A成分)1〜10重量%と、下記(要件2)を満足するプロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる共重合体成分(B成分)90〜99重量%を含み、下記(要件3)を満足し、前記A成分が不活性溶剤の不存在下で重合を行う第一工程で得られ、次いで前記B成分が気相で重合を行う第二工程以降の工程で得られる、プロピレン系共重合体(X)を99〜30重量%、プロピレン含有量86〜97重量%と、エチレンとα−オレフィンの合計含有量3〜14重量%からなる、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンの共重合体(Y)を0〜50重量%、及び融点が115℃以下である結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)を1〜20重量%含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
(要件1)A成分中の炭素数4以上のα−オレフィン含有量が1〜15モル%未満である。
(要件2)B成分中の炭素数4以上のα−オレフィン含有量が15〜30モル%である。
(要件3)プロピレン系共重合体(X)のDSC曲線測定において、T−10(℃)〜T+10(℃)の範囲(ただし、Tは最大吸熱ピークを示す温度(℃)を表す)における吸熱量が、53〜170℃の範囲における吸熱量の15〜36%である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンの共重合体成分(A成分)と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンの共重合体成分(B成分)を含むプロピレン系共重合体(X)、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンの共重合体(Y)(任意成分)、及び、融点が115℃以下である結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)からなる。
【0007】
(i)プロピレン系共重合体(X)
本発明で使用するプロピレン系共重合体(X)は、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンからなる。
プロピレン系共重合体(X)は、DSC曲線測定において、T−10(℃)〜T+10(℃)の範囲(ただし、Tは最大吸熱ピークを示す温度(℃)を表す)における吸熱量が、53〜170℃の範囲における吸熱量の15〜36%であることを特徴とする。
具体的には、共重合体(X)を熱プレス成形(230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2Gまで昇圧し2分間保圧した後、30℃、30kgf/cm2Gで5分間冷却)して、厚さ0.5mmのシートを作成し、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、そのシート10mgを窒素雰囲気下220℃で5分間熱処理した後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却し、150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却し、50℃において1分間保温して、50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際に得られる融解ピーク曲線において、53℃における点と170℃における点を結んで得られる直線(ベースライン)と融解ピーク曲線とで囲まれる面積(総吸熱量)に対する、T−10(℃)〜T+10(℃)の範囲(ただし、Tは最大吸熱ピークを示す温度を表す)における融解ピーク曲線とベースラインとで囲まれる面積(主吸熱量)の比が、15%ないし36%である。この総吸熱量に対する主吸熱量の比は、好ましくは、18%ないし35%であり、さらに好ましくは、20%ないし34%であり、特に好ましくは、22%ないし32%である。この値が、大き過ぎると、プロピレン系共重合体(X)の融点分布が狭くなり、製膜加工温度域でフィルムのベタツキが生じて操業性が悪化したり、フィルムの耐コロナ処理性が悪化する。また、この値が小さ過ぎると、製膜加工時の結晶化速度が遅くなり、製膜の操業性が悪化する等の不都合が生じる。
【0008】
プロピレン系共重合体(X)の230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)としては、特に制限はないが、流動性または製膜性の観点から、好ましくは0.1〜50g/10分であり、さらに好ましくは1〜20g/10分である。プロピレン系共重合体(X)のメルトフローレート(MFR)は、流動性を調節するために、溶融混練時に公知の方法で変化させてもよく、例えば、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、有機過酸化物を添加する方法等が挙げられる。
【0009】
プロピレン系共重合体(X)は、上記の性質を有するものであれば特に制限はないが、例えば、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体等が挙げられ、好ましくは(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体であり、さらに好ましくは(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体である。なお、各二つの括弧は二工程重合を意味する。
【0010】
プロピレン系共重合体(X)中の共重合体成分(A)と共重合体成分(B)の含有量は、成分(A)1〜30重量%:成分(B)99〜70重量%、好ましくは成分(A)5〜30重量%:成分(B)95〜70重量%、さらに好ましくは成分(A)5〜20重量%:成分(B)95〜80重量%である。ここで、成分(A)と成分(B)の合計は100重量%である。
成分(A)の含有量が1重量%未満の場合(即ち、成分(B)の含有量が99重量%を超えた場合)、重合時のパウダーの性状が悪化して生産性が低下することがあり、成分(A)の含有量が30重量%を超えた場合(即ち、成分(B)の含有量が70重量%未満である場合)、フィルムの低温ヒートシール性が不充分であることがある。
【0011】
(i-A)共重合体成分(A)
上記共重合体成分(A)は、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンからなり、好ましくはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンからなる。
成分(A)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィン含有量は1〜15モル%未満であり、好ましくは1〜12モル%であり、さらに好ましくは1〜10モル%である。成分(A)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィン含有量が1モル%未満の場合、低温ヒートシール性が悪化し、15モル%以上の場合、成分(A)の重合を安定に行うことが困難になることがある。
成分(A)に含まれるエチレン含有量は5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。成分(A)に含まれるエチレンが5モル%を超えた場合、経時的にフィルムが白化したり、腰(剛性)が低くなることがある。
【0012】
(i-B)共重合体成分(B)
上記共重合体成分(B)は、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンからなり、好ましくはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンからなる。
成分(B)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィン含有量は15モル%以上、30モル%以下であり、好ましくは15モル%以上、25モル%以下である。成分(B)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィン含有量が15モル%未満の場合、フィルムの低温ヒートシール性が不充分なことがあり、30モル%を超えた場合、フィルムの腰(剛性)が低くなることがある。
成分(B)に含まれるエチレン含有量は5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。成分(B)に含まれるエチレンが5モル%を超えた場合、経時的にフィルムが白化したり、腰(剛性)が低くなることがある。
【0013】
上記成分(A)及び成分(B)に使用される炭素数4以上のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、共重合特性、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
【0014】
成分(A)または成分(B)としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げられ、好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分である。共重合体成分(A)および成分(B)は、同じモノマー種の共重合体であってもよく、異なっていてもよい。成分(A)と成分(B)は、化学的に結合したものであっても、化学的に結合していないものであっても、化学的に結合したものと化学的に結合していないものの混合物であってもよい。
【0015】
(ii)プロピレン系共重合体(X)の製造方法
プロピレン系共重合体(X)は、例えば、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンの共重合体成分(A)を第一工程で重合し、次いでプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン、又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンの共重合体成分(B)を第二工程以降で重合して得られる。
【0016】
プロピレン系共重合体(X)の製造は、公知の重合用触媒を用いて行うことができる。重合用触媒としては、チーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、好ましくはTi、Mg、ハロゲンを必須成分として含有する触媒である。
例えば、マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、この固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、特に制限はないが、好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物およびテトラエチルジアルモキサンである。
電子供与性化合物としては、特に制限はないが、好ましくはシクロヘキシルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランである。
【0017】
重合方法としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素化合物に代表される不活性溶剤を用いる溶剤重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、気体のモノマー中で行う気相重合法等が挙げられ、好ましくは後処理等が容易な塊状重合法または気相重合法である。これらの重合法は、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。
上記重合方法において、第一工程の重合方法と第二工程以降の工程の重合方法は、同じであってもよく、異なっていてもよく、重合活性および後処理が容易であるという観点から、好ましくは、第一工程が不活性溶剤の不存在下で重合を行う工程であり、第二工程以降の工程が気相で重合を行う工程である。また、第一工程の重合と第二工程以降の工程の重合は、同一の重合槽(反応器)で行ってもよく、異なる重合槽(反応器)で行ってもよい。
上記製造方法としては、例えば、溶剤−溶剤重合法、塊状−塊状重合法、気相−気相重合法、溶剤−気相重合法、塊状−気相重合法、溶剤−気相−気相重合法、塊状−気相−気相重合法等が挙げられ、好ましくは塊状−気相重合法、気相−気相重合法、塊状−気相−気相重合法である。
【0018】
第一工程の重合温度は、特に制限はないが、通常、20〜150℃であり、生産性および共重合体成分(A)と共重合体成分(B)の含有量の制御の観点から、好ましくは35〜95℃である。
第二工程以降の重合温度は第一工程の重合温度と同一でもよく、異なっていてもよいが、通常、20〜150℃であり、好ましくは35〜95℃である。
【0019】
上記製造方法において、必要に応じて、後処理として触媒の失活、脱溶剤、脱モノマー、乾燥、造粒等を行ってもよい。
【0020】
(iii)共重合体(Y)
本発明で、必要に応じて加えられる共重合体(Y)は、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンおよび/またはエチレンの共重合体(Y)からなり、共重合体(Y)中のプロピレン含有量は86〜97重量%、好ましくは88〜97重量%、さらに好ましくは88〜96.5重量%である。共重合体(Y)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンからなる場合、炭素数4以上のα−オレフィンの比率は100重量%から上記プロピレン含有量を差し引いた値である。共重合体(Y)がプロピレンとエチレンからなる場合、エチレンの比率は100重量%から上記プロピレン含有量を差し引いた値である。共重合体(Y)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンからなる場合、炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンの合計の比率は100重量%から上記プロピレン含有量を差し引いた値であり、α−オレフィンとエチレンの比率は、好ましくはα−オレフィン90〜30重量%:エチレン10〜70重量%である(ここで、α−オレフィンとエチレンの合計は100重量%である。)。
共重合体(Y)は、好ましくは、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンおよび/またはエチレンのランダム共重合体であり、具体的には、結晶性のエチレン−プロピレンランダム共重合体、あるいはエチレン−ブテン−1−プロピレンランダムターポリマーなどであり、コモノマー含有量が上記範囲のものである。
共重合体(Y)の融点は155℃未満であり、好ましくは150℃以下である。融点が上記範囲より高すぎると、ヒートシール温度を本発明の目標レベルに下げにくくなり好ましくない。
共重合体(Y)の20℃キシレン可溶部の含有率は15重量%以下、好ましくは13重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。20℃キシレン可溶部の含有率が上記範囲より多すぎると、溶媒抽出量が多くなり好ましくない。
共重合体(Y)のMFRは0.1〜50g/10分、好ましくは1〜20g/10分、さらに好ましくは1〜15g/10分である。
【0021】
(iv)結晶性オレフイン系(共)重合体(Z)
本発明で使用する結晶性オレフイン系(共)重合体(Z)は、融点が115℃以下のものである。(共)重合体(Z)の融点が上記範囲より高すぎると、低温ヒートシール性が目標レベルまで下がりにくくなる。
結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)は、好ましくはブテン−1を含む結晶性の(共)重合体である。具体的には、ブテン−1のホモポリマー、ブテン−1とそれ以外の炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、例えばブテン−1とプロピレンやエチレンとの共重合体が挙げられる。
(共)重合体(Z)のMFRは0.1〜50g/10分、好ましくは1〜20g/10分、さらに好ましくは1〜18g/10分である。
(共)重合体(Z)の20℃キシレン可溶部の含有率は20重量%以上であり、好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。
【0022】
(v)ポリプロピレン系樹脂組成物
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系共重合体(X)と結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)と必要に応じて加えられる共重合体成分(Y)からなる。その組成比は、共重合体(X)10〜99重量%:共重合体(Y)60〜0重量%:(共)重合体(Z)30〜1重量%、好ましくは共重合体(X)99〜20重量%:共重合体(Y)0〜60重量%:(共)重合体(Z)1〜30重量%、さらに好ましくは共重合体(X)99〜30重量%:共重合体(Y)0〜50重量%:(共)重合体(Z)1〜20重量%である。また、共重合体(Y)0〜55重量%:(共)重合体(Z)5〜25重量%、残りが共重合体(X)である比率も好ましい組合わせである。
ここで、共重合体(X)と共重合体(Y)と(共)重合体(Z)の合計は100重量%である。
共重合体(X)の比率が10重量%未満では低温ヒートシール性が目標レベルまで下がりにくくなり、99重量%を超えると耐ブロッキング性が悪くなる。
(共)重合体(Z)の比率が1重量%未満では低温ヒートシール性が目標レベルまで下がりにくくなり、30重量%を超えると加工安定性、耐ブロッキング性を損なうことがある。
共重合体(Y)は添加しないでもよいが、その比率が60重量%を超えると低温ヒートシール性が目標レベルまで下がりにくくなる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、20℃キシレン可溶部量が50重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、MFRが0.1〜50g/10分、好ましくは1〜20g/10分、さらに好ましくは2〜15g/10分である。
【0023】
(vi)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
本発明において、上記組成物を製造する方法としては、プロピレン系共重合体(X)と(共)重合体(Z)と必要に応じて共重合体成分(Y)を公知の任意の方法で均一分散させて得ることができる。例えば,押出溶融ブレンド法、バンバリーブレンド法などである。
又、重合条件を段階的に変更して重合する、いわゆる多段重合法で、上記組成物を得ることも可能である。
【0024】
(vii)他の添加剤
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて、添加剤やその他の樹脂を添加してもよい。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、その他のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0025】
(viii)フィルム
本発明のフィルムは、上記ポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を有するフィルムである。
本発明のフィルムの製造方法としては、特に制限はなく、通常用いられるインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等が挙げられる。
また、これらの方法を用いて本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を単独で製膜する方法や、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物と異なる樹脂からなる少なくとも2層の多層にして製膜する方法等が挙げられる。多層にする方法としては、通常、用いられる共押出成形法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
また、事前に成形して得られたフィルムまたはシートを延伸してフィルムを製造する方法が挙げられ、延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸または二軸に延伸する方法等が挙げられる。フィルムの低温ヒートシール性、透明性、剛性等の物性のバランスの観点から、好ましくは未延伸の共押出成形法または二軸延伸方法である。
【0026】
本発明のフィルムは、単独の層のフィルム、または本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を含む少なくとも2層の多層のフィルム等が挙げられる。
本発明のフィルムの用途は、例えば、包装用である。包装用フィルムとしては、例えば、食品包装用フィルム、衣類包装用フィルム等が挙げられ、好ましくは食品包装用フィルムである。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で用いた試料調製方法、物性の測定方法を下記に示した。
【0028】
(1)プロピレン系共重合体(X)のA成分およびB成分の含有量(単位:重量%)は、物質収支から求める。
(2)1−ブテン含有量(単位:重量%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第619頁に記載されているIRスペクトル測定法により、770cm−1の特性吸収から、1−ブテン含有量を求めた。
(3)エチレン含有量(単位:重量%)
赤外分光光度計を用いて、732〜720cm−1の特性吸収から、標準サンプルを用いて常法により定量した。
(4)融点(T、単位:℃)
樹脂を熱プレス成形(230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2Gまで昇圧し2分間保圧した後、30℃、30kgf/cm2Gで5分間冷却)して、厚さ0.5mmのシートを作成し、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、そのシート10mgを窒素雰囲気下220℃で5分間熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却し、150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却し、50℃において1分間保温した後、50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際に得られる融解曲線において、最大吸熱ピークを示す温度T(℃)を測定した。
(5)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K 7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(6)透明性(ヘイズ、単位:%)
JIS K 7105に従い測定した。
(7)光沢(グロス、単位%)
JIS K 7105に従い測定した。
(8)ヒートシール温度(HST、単位:℃)
フィルムの表面同士を重ね合わせ、所定の温度(65〜115℃間を、5℃間隔で11点)に加熱されたヒートシーラー(東洋精機社製)で2kg/cm2Gの荷重で2秒間圧着してヒートシールを行った。このサンプルを一昼夜23℃、湿度50%で状態調整した後、23℃、湿度50%で剥離速度200mm/分、剥離角度180度で剥離した時の剥離抵抗力が300g/25mmになるシール温度を求め、ヒートシール温度とした。
(9)ブロッキング(単位:kg/12cm2)
フィルムの表面同士を重ね合わせ500g/12cm2の荷重下で60℃、3時間処理してブロッキングさせた試片を剪断剥離する時の最大荷重(kg)を求め、kg/12cm2単位で表示する。
【0029】
(実施例1)
[固体触媒の合成]
内容積200Lの攪拌機付きのSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モルおよびテトラブトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次に濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間攪拌した後、室温で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。
次いで、スラリー濃度が0.6kg/Lになるようにトルエンを抜き出した後、n−ブチルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モルの混合液を加えた後、更にフタル酸クロライドを20.8モル加え110℃で3時間反応を行った。反応終了後、95℃でトルエンで2回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、フタル酸ジイソブチル3.13モル、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離した後、95℃でトルエン90Lで2回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った後、更にヘキサン90Lで3回洗浄した後、減圧乾燥して固体触媒成分11.0kgを得た。
固体触媒成分はチタン原子1.89重量%、マグネシウム原子20重量%、フタル酸エステル8.6重量%、エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基0.21重量%を含有した微粉のない良好な粒子性状を有していた。
【0030】
[固体触媒の予備活性化]
内容積3Lの攪拌機付きのSUS製オートクレーブに充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモルおよび上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレン15gを30分かけて連続的に供給し予備活性化を行った後、得られた固体触媒スラリーを内容積200Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン140Lを加えて希釈し5℃以下の温度で保存した。
【0031】
[プロピレン系共重合体(X)の重合]
(第一工程)
内容積300Lの攪拌機付きのSUS製重合槽において、液状プロピレン35kg/hr、1−ブテン13kg/Hrおよび気相部の濃度が0.5vol%に保持される量の水素を供給し、さらに予備活性化された固体触媒成分0.6g/hrを供給し、重合温度を60℃、実質的な槽内滞留スラリー量を90Lに保持する条件にて液状プロピレンを媒体とする塊状重合を継続した。この時の重合体生成量は2.0kg/hrであり、重合体の一部を分析した結果、ブテン含有量7.7モル%であった。得られた重合体を含むスラリーは失活することなく第二工程重合槽へ連続的に移送した。
【0032】
(第二工程)
内容積1m3の攪拌機付き気相流動床反応器において、流動床の重合体保持量80kg、重合温度65℃、重合圧力1.15MPa、気相部の水素濃度を2.5vol%、気相部の1−ブテン濃度を25vol%に保持するようにプロピレン、水素、1−ブテンが供給された条件下に、第一工程反応器より移送される固体触媒成分含有重合体およびトリエチルアルミニウム50ミリモル/hrおよびt−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン5ミリモル/hrを供給し連続重合を継続することによりプロピレン系共重合体(X−1)22.2kg/hrを得た。プロピレン系共重合体(X−1)の1−ブテン含有量は20モル%であった。第一工程で得られた重合体(成分(A))と第二工程で得られた重合体(成分(B))の重量比は各工程での重合体生成量から10/90であり、成分(B)の1−ブテン含有量は21.8モル%であった。
即ち、得られたプロピレン系共重合体(X−1)は、成分(A)の含有量が10重量%、成分(B)の含有量が90重量%、成分(A)の1−ブテン含有量が7.7モル%、成分(B)の1−ブテン含有量が21.8モル%、プロピレン系共重合体(X−1)の1−ブテン含有量が20.0モル%であった。また、総吸熱量に対する主吸熱量の比は29%であった。
【0033】
(組成物のペレット化)
プロピレン系共重合体(X−1)を90重量%と、ポリブテン−1としてタフマーBL3450(三井化学(株)社製、融点85.8℃)(Z−1)を10重量%とを混合して得られた粉末100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.05重量部、2,6−ジターシヤリーブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業(株)社製、BHT)0.1重量部、トスパール120(GE東芝シリコーン(株)社製)0.4重量部を混合後、溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRは、8.2g/10分であった。
【0034】
(延伸フィルムの作成)
表層用に上記で得られたペレットを使用し、基材層用に住友化学工業(株)社製FS2011DG2(融点159℃、MFR=2.5g/10分のポリプロピレン)を用い、樹脂温度は表層用が230℃で基材層用が260℃で各々別の押出機で溶融混練し、一基の共押出しTダイに供給した。このTダイから、表層/基材層の2種2層構成として押出された樹脂を30℃の冷却ロールにて急冷、固化することにより、厚さ1mmのキャストシートを得た。
上記のようにして得られたキヤストシートを、予熱後、延伸温度125℃にて縦延伸機のロール周速差により縦方向に5倍延伸し、引き続いて加熱炉にて延伸温度157℃にて横方向に8倍延伸したのち、165℃で熱処理を行い、表層厚さ1.5μm/基材層厚さ20μmの多層二軸延伸フィルムを得、巻取り機で巻き取った。得られたフィルムの物性の評価結果を表1に示した。
【0035】
(実施例2)
プロピレン系共重合体(X−1)90重量%とプロピレン/1−ブテン共重合体としてタフマーXR110T(三井化学社製、融点109.1℃)(Z−2)を10重量%の混合割合とした以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=7.5g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。
【0036】
(実施例3)
プロピレン系共重合体(X−1)80重量%とプロピレン/1−ブテン共重合体(Z−2)を20重量%の混合割合とした以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.1g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。
【0037】
(実施例4)
プロピレン系共重合体(X−1)70重量%とプロピレン/1−ブテン共重合体(Z−2)を30重量%の混合割合とした以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.1g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。
【0038】
(実施例5)
プロピレン系共重合体(X−1)65重量%と、プロピレン/エチレンランダム共重合体として住友ノーブレンRW150XG(住友化学工業(株)社製、エチレン含有量4.6重量%)(Y−1)25重量%、ポリブテン−1(Z−1)を10重量%の混合割合とした以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.1g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。
【0039】
(比較例1)
特公平2−57770号公報の実施例1と同様に、三塩化チタン型固体触媒系を用い、一段の気相重合により、プロピレン/1−ブテン共重合体を得た(X−2)。得られた共重合体中の1−ブテン含量は19.2モル%であった。また、総吸熱量に対する主吸熱量の比は37%であった。
本共重合体(X−2)単独で実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.3g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。この結果、ヒートシール温度が高かった。
【0040】
(比較例2)
プロピレン系共重合体(X−2)90重量%とプロピレン/1−ブテン共重合体(Z−2)を10重量%の混合割合とした以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.5g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。この結果、実施例2よりもヒートシール温度が高かった。
【0041】
(比較例3)
プロピレン系共重合体(X−1)単独で実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.2g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。この結果、ヒートシール温度が高かった。
【0042】
(比較例4)
プロピレン系共重合体(X−1)90重量%と融点117.6℃のプロピレン/エチレン/1−ブテン共重合体(エチレン含有量1.0重量%、1−ブテン含有量20.3重量%)(Z−3)を10重量%の混合割合とした以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=8.1g/10分)、製膜し、物性を評価した。結果を表1に示した。この結果、ヒートシール温度が高かった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明によって、従来技術と同等の透明性、光沢等の光学特性を持ち、さらに低温ヒートシール性および耐ブロッキング性に優れたフィルムを得ることができる。
Claims (4)
- 下記(要件1)を満足するプロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる共重合体成分(A成分)1〜10重量%と、下記(要件2)を満足するプロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる共重合体成分(B成分)90〜99重量%を含み、下記(要件3)を満足し、前記A成分が不活性溶剤の不存在下で重合を行う第一工程で得られ、次いで前記B成分が気相で重合を行う第二工程以降の工程で得られる、プロピレン系共重合体(X)を99〜30重量%、
プロピレン含有量86〜97重量%と、エチレンとα−オレフィンの合計含有量3〜14重量%からなる、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンの共重合体(Y)を0〜50重量%、及び
融点が115℃以下である結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)を1〜20重量%含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
(要件1)A成分中の炭素数4以上のα−オレフィン含有量が1〜15モル%未満である。
(要件2)B成分中の炭素数4以上のα−オレフィン含有量が15〜30モル%である。
(要件3)プロピレン系共重合体(X)のDSC曲線測定において、T−10(℃)〜T+10(℃)の範囲(ただし、Tは最大吸熱ピークを示す温度(℃)を表す)における吸熱量が、53〜170℃の範囲における吸熱量の15〜36%である。 - プロピレン系共重合体(X)が、Ti、Mgおよびハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分を触媒系に用いて、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとを重合して得られた共重合体である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 結晶性オレフィン系(共)重合体(Z)が1−ブテンを含む共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を有するフィルム。
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