JP2017205790A - はんだ合金およびそれを用いた実装構造体 - Google Patents

はんだ合金およびそれを用いた実装構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】175℃での使用に耐える十分な信頼性を得ることが可能なはんだ合金を提供する。【解決手段】0.5質量%以上、1.25質量%以下のSbと、以下の式(I)または(II):0.5≦[Sb]≦1.0の場合5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb] ・・・(I)1.0<[Sb]≦1.25の場合5.5≦[In]≦6.35+0.212[Sb] ・・・(II)(式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)を満たすInと、0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、0質量%以上、0.025質量%以下のCoとを含有し、残部がSnから成る、はんだ合金。【選択図】なし

Description

本発明は、主として電子回路基板への電子部品のはんだ付けに用いられるはんだ合金およびそれを用いた実装構造体に関するものである。
近年、エンジンの高効率化や快適な車内空間実現のために自動車の電装化が進行している。そのため、自動車に搭載される電子機器の数は増加傾向にあり、熱や衝撃といった負荷に対して高い信頼性を保つことが重要である。
このような要求に関連して、車載電子機器を実装する際に使用するはんだ合金自身にも高い信頼性が求められるようになっている。はんだ合金は接続部材であるプリント基板や電子機器と比較して融点が低く、熱による影響を顕著に受けやすい。例えば、高温環境においてはんだ内部における組織の成長などの影響により機械的特性が低下する。さらに構成部材間で線膨張係数が異なるため、繰り返し温度変化を受けることによりはんだ接合部分に応力が集中し、クラックが発生することがある。したがって、車載電子機器の実装時に用いるはんだ合金には、高温環境において高い強度や延性をもつとともに繰り返し温度変化にも耐えうるようなものが必要となる。
従来の耐熱疲労特性に優れるはんだ合金として、はんだ合金として、Agを1.0〜4.0質量%、Inを4.0〜6.0質量%、Biを0.1〜1.0質量%、Cu、Ni、Co、FeおよびSbからなる群より選択される1種類以上の元素の合計を1質量%以下(但し0質量%を除く)、および残部のSnから成るはんだ合金が知られており、かかるはんだ合金を用いて形成された接合部によって、電子部品の銅を含む電極部が、基板の銅を含む電極ランドに接合され、この接合部において電子部品の電極部と基板の電極ランドとの間がCu−Sn金属間化合物で少なくとも部分的に閉塞されている、電子部品接合体(実装構造体)が知られている(特許文献1)。特許文献1には、かかる構成により、−40℃と150℃の間での温度サイクル試験における亀裂(クラック)の発生および伸張を防止できることが記載されている。
また、耐熱疲労特性に優れる他のはんだ合金として、スズ−銀−銅系のはんだ合金であって、スズ、銀、銅、ビスマス、ニッケルおよびコバルトからなり、前記はんだ合金の総量に対して、前記銀の含有割合が、2質量%以上4質量%以下であり、前記銅の含有割合が、0.1質量%以上1質量%以下であり、前記ビスマスの含有割合が、0.5質量%以上4.8質量%以下であり、前記ニッケルの含有割合が、0.01質量%以上0.15質量%以下であり、前記コバルトの含有割合が、0.001質量%以上0.008質量%以下であり、その他の元素としてインジウムやアンチモンが添加されており、前記スズの含有割合が、残余の割合であることを特徴とする、はんだ合金が知られている(特許文献2)。特許文献2には、かかるはんだ合金によれば、−40℃と125℃の間での温度(冷熱)サイクル試験においてはんだ合金の耐久性を向上できることが記載されている。
特許第5280520号公報 特許第5349703号公報
自動車に搭載される電子機器の数は増加傾向にあり、限られた空間に電子機器の搭載スペースを確保することが難しくなっている。そのため、電子機器を小型化することで搭載スペースを相対的に拡大することや、高温環境となるエンジンルーム内に電子機器を搭載することが進められている。この結果、小型化による電子機器の発熱密度の増大や、周囲環境温度の上昇により、電子機器はさらなる高温環境に曝されるようになっている。したがって、今後の電子機器の進化に対応するため、従来の目安とされている125℃や150℃よりも更に高い温度、具体的には175℃の温度においても、高い信頼性、例えば耐熱疲労特性を有するはんだ合金が求められる。
さらに、自動車はエンジン動作時に常に振動による衝撃にさらされているため、高温環境における衝撃にも耐えうることが必要である。そのため、175℃の温度における耐衝撃特性を有するはんだ合金が求められる。
しかしながら、従来のはんだ合金は上記にしめすような高温環境における使用に関して考慮されていない。具体的には、特許文献1に記載されているはんだ合金についてはその使用温度が150℃までの使用を想定しており、特許文献2に記載されているはんだ合金についてはその使用温度が125℃までの使用を想定している。よって、175℃の温度では必ずしも十分な信頼性を得ることができないと考えられる。
本発明は、上記のような課題を解決するべくなされたものであり、175℃という高温環境においても優れた耐熱疲労特性を示すはんだ合金と、前記耐熱疲労特性に加えて、さらに耐衝撃特性を有するはんだ合金とを提供することを目的とする。
本発明者らは、Sn−Ag−Bi−In系はんだ合金に対して、SbとCuの双方を必須添加し、かつ、In含有割合をSb含有割合に対して厳密に制御することによって、従来想定されていなかったような高い温度、具体的には175℃においても耐熱疲労特性に優れることを独自に見いだした。また、上記はんだ合金に対してCoを添加することで耐衝撃特性に優れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
第1の本発明によれば、
0.5質量%以上、1.25質量%以下のSbと、
以下の式(I)または(II):
0.5≦[Sb]≦1.0の場合
5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb] ・・・(I)
1.0<[Sb]≦1.25の場合
5.5≦[In]≦6.35+0.212[Sb] ・・・(II)
(式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
を満たすInと、
0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
0質量%以上、0.025質量%以下のCoと
を含有し、残部がSnから成るはんだ合金が提供される。
第2の本発明によれば、
Sb含有割合が0.5質量%以上、1.0質量%以下であり、In含有割合が前記式(I)を満たす、第1の本発明に記載のはんだ合金が提供される。
第3の本発明によれば、
0.5≦[Sb]≦1.0と、
5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb]
かつ[In]≦6.1と
(式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
を満たすInと、
0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
0.01質量%以上、0.025質量%以下のCoと
を含有し、残部がSnから成ることを特徴とする第1、2の本発明に記載のはんだ合金が提供される。
第4の本発明によれば、
150℃以上において、少なくともSbが固溶したγ相およびβ−Sn相を含む合金組織を有する、第1の本発明または第2の本発明に記載のはんだ合金が提供される。
第5の本発明によれば、
電子部品が回路基板に実装された実装構造体であって、電子部品の電極部と回路基板の電極部とが、第1〜4の本発明のいずれかに記載のはんだ合金によって接合されている、実装構造体が提供される。
第1の本発明によれば、175℃という高温環境において耐熱疲労特性に優れたはんだ合金が実現される。
第2の本発明によれば、175℃という高温環境においてさらに耐熱疲労特性に優れたはんだ合金が実現される。
第3の本発明によれば、175℃という高温環境において耐熱疲労特性および耐衝撃性に優れたはんだ合金が実現される。
第4の本発明によれば、Sn−In系合金における変態温度を上昇させるはんだ合金が実現される。
第5の本発明によれば、175℃という高温環境において耐熱疲労特性および耐衝撃性に優れた実装構造体が実現される。
本発明の実施形態におけるはんだ合金のDSC測定結果を表すグラフである。 本発明の実施形態にて説明したはんだ合金のIn含有割合と変態温度との関係(Sb含有割合が0.5質量%の場合)を示すグラフである。 本発明の実施形態にて説明したはんだ合金の175℃高温環境下における落下試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の1つの実施形態におけるはんだ合金およびこれを用いた実装構造体について、図面を参照しながら詳述する。
尚、本明細書中、はんだ合金を構成する元素記号に[ ]を付したものは、はんだ合金中の当該元素の含有割合(質量%)を意味するものとする。
また、本明細書中、はんだ合金の金属組成を説明するのに、Sn以外の金属元素の直前に数値または数値範囲を示すことがあるが、これは、当該技術分野において一般的に使用されているように、金属組成中に占める各元素の質量%(=重量%)を数値または数値範囲で示しており、残部がSnから成ることを意味する。
さらに、本発明において「はんだ合金」とは、その金属組成が、列挙した金属で実質的に構成されている限り、不可避的に混入する微量金属を含んでいてもよい。はんだ合金は、任意の形態を有し得、例えば単独で、または金属以外の他の成分(例えばフラックスなど)と一緒に、はんだ付けに使用される。
本実施形態のはんだ合金は、
0.5質量%以上、1.25質量%以下のSbと、
以下の式(I)または(II):
0.5≦[Sb]≦1.0の場合
5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb] ・・・(I)
1.0<[Sb]≦1.25の場合
5.5≦[In]≦6.35+0.212[Sb] ・・・(II)
(式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
を満たすInと、
0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
0質量%以上、0.025質量%以下のCoと
を含有し、残部がSnから成る。
従来、はんだ合金自体の強度や延性といった、耐熱疲労特性に影響する物性への効果については判明していない。また、CuおよびSbを組合せて含有した場合の複合的な効果についても検証されていない。かかる状況下、本発明者らは、自動車用電子機器に必要な高温環境での機械的特性について研究開発を行った結果、In、Cu、Sbのそれぞれをある特定の関係性を持った範囲で含有することにより、これまでに明らかでなかった、高温での機械的特性、特に高温での延性が改善し、ひいては耐熱疲労特性が向上することを見出した。さらにこのはんだ合金に規定量のCoを含有させることで、高温での延性がさらに改善し、耐衝撃特性が向上することを新たに見出した。
本実施形態のはんだ合金の効果を明らかにするために、所定の組成を有するはんだ合金(試料)を作製し、評価を行った。
本実施形態で評価した試料は、次の方法で作製するものとした。
はんだ合金に含有されるSn、Ag、Bi、In、Cu、Sbを、Agが3.5質量%、Biが0.5質量%、Inが6.0質量%、Cuが0.8質量%、Sbが0.5質量%、Coが0.016質量%、残部がSnとなり、合計で100gとなるように秤量した。
秤量したSnを、セラミック製のるつぼ内に投入し、500℃の温度および窒素雰囲気に調整して、電気式ジャケットヒータの中に設置した。
Snが溶融したことを確認した後、Inを投入し、3分間攪拌した。
Biを投入し、更に3分間攪拌した。
Agを投入し、更に3分間攪拌した。
Sbを投入し、更に3分間攪拌した。
Cuを投入し、更に3分間攪拌した。
Coを投入し、さらに3分間攪拌した。
その後、るつぼを電気式ジャケットヒータから取り出して、25℃の水が満たされた容器に浸漬して冷却し、これによりはんだ合金を作製した。
以下、これを「はんだ合金A」と称し、その合金組成はSn−3.5Ag−0.5Bi−6.0In−0.8Cu−0.5Sb−0.016Coで表される。
また、比較のために、従来のはんだ合金の例として、Sn−3.5Ag−0.5Bi−6.0In−0.8Cuの組成を有するはんだ合金を上記と同様にして作製した。これを「従来例1」と称する。
β−Snとγの相変態が急激に進行する温度である変態温度を評価するために、上記で作製したはんだ合金を10mg取り出し、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:DSC)を行った。測定時の昇温レートは10℃/分とし、25℃から250℃までの範囲で測定した。結果を図1に示す。
図1において、変態温度は、低温(固体)側から融点を示すピークまでの間に生じる小さなピーク(A部)の変曲点により求められ、はんだ合金Aの変態温度は175℃であった。一方、従来例1の変態温度は165℃であった。
次に、上記で作製したはんだ合金を1g取り出し、Cu板上に市販のフラックスを用いて250℃ではんだ付けし、温度サイクル試験を行った。試験条件は、−40℃と175℃の間の温度とし、1サイクルにつき−40℃および175℃でそれぞれ30分間保持し(かかる条件の試験を「−40/175℃の温度サイクル試験」と称す)、500サイクル実施した。
その結果、はんだ合金Aでは500サイクル後の段階で自己変形が見られないのに対し、従来例1では自己変形が生じていた。上記の結果とあわせれば、175℃以上の変態温度を有するはんだ合金では、−40℃/175℃の温度サイクル試験で自己変形せず、175℃での使用に耐えるものと理解される。
次に、はんだ合金の機械的特性を評価するために、引張試験片を用いて175℃環境での引張試験を行った。引張試験片は、上記で作製したはんだ合金をるつぼに投入し、電気式ジャケットヒータで250℃に加熱して溶融させ、引張試験片形状に加工されたグラファイト製の鋳型に流し込むことにより作製した。引張試験片は、直径3mm、長さ15mmのくびれ部を有する丸棒形状を有するものとした。引張試験機のストロークひずみの最大値を破断伸び、引張応力の最大値を引張強度として測定した。その結果、はんだ合金Aは、175℃環境において、従来例1と比較して優れた引張強度および破断伸びを有することが分かった。
以上から、はんだ合金Aは、175℃の高温に繰り返し曝されても自己変形せず、かつ高温での強度や延性というはんだ合金の機械的特性に優れていることが確認され、はんだ接合部の耐熱疲労特性を向上させることが可能となる。
次に、本実施形態のはんだ合金について、その効果を発現するための合金組成について説明する。
(In含有割合、Sb含有割合)
まず、はんだ合金におけるIn含有割合およびSb含有割合について説明する。
Snを主成分とするはんだ合金では、In含有割合が約15質量%以下の低In含有割合領域において、SnがInに固溶した合金(β−Sn相)を形成する。
固溶とは、母金属の結晶格子中の一部が固溶元素に原子レベルで置き換わる現象である。一般的に固溶元素の効果は、母金属と固溶元素の原子径の差により母元素の結晶格子にひずみを発生させることによって、応力負荷時に転移などの結晶欠陥の移動を抑制することができる。その結果、金属の強度を向上させることができる一方、応力負荷時の延性は低下する。固溶によるはんだ合金の強度向上は、固溶元素の含有割合が大きいほど大きくなる。
しかしながら、Sn系はんだにInを固溶させた場合は、In含有割合にもよるが、温度を次第に高くしていった場合、約100℃以上に高くなるころから、β−Sn相から、異なる構造のγ相(InSn)への相変態が進む。つまり、異なる2相が同程度共存する状態(γ+β−Sn)となる。この2相共存状態になることで、粒界でのすべりの寄与が大きくなり、高温での延性は向上する。
一方で、In含有割合が大きい場合、β−Sn相からγ相への変態が過剰に発生する。この場合、γ相とβ−Sn相の結晶格子構造の体積が異なるため、繰り返し熱サイクルがかかることではんだ合金の自己変形が生じる。これは、はんだ接合部内部における破断や、異なるはんだ接合部間の短絡を生じさせるため問題となる。
また、Sbは、例えば前述した従来例1の変態温度165℃とはんだ合金Aの変態温度175℃のように、Sn−In系合金における変態温度を上昇させる。
これは、Sb含有によって合金組織の状態が変化するためである。Sb含有割合が比較的小さい場合、SbはSn−In系合金においてInと同様にSnに固溶する。更にSb含有割合が大きくなると、Inと化合物(InSb)を形成して合金組織中に析出する。
Inと共にSbがSnに固溶することにより、温度変化時のSnやInの元素の移動が抑制され、β−Sn相とγ相の変態開始温度を変化させる。
はんだ合金の機械的特性は、Sbが固溶することで、In固溶と同様にはんだ合金の強度を向上させる。加えて、後述するが、ある特定のIn含有割合の際に見られる高温での延性向上を、Sbの固溶は更に促進することを、本発明者らは新たに見出している。
更にSb含有割合が大きくなると、結晶組織間にピンのようにInSbが析出し、変形を抑制する。一方で、InSbの析出により延性は低下するため、耐熱疲労特性向上には過度のInSbの析出は不適である。
Sb含有割合によるSn−In系はんだ合金の変態温度への影響を明らかにするために、表1に示す金属組成を有するはんだ合金を作製し評価した。はんだ合金の作製方法は上述したものと同様である。
Figure 2017205790
(表中、「bal.」は残部を表す。以下の表においても同様とする。)
表中、作製したはんだ合金の変態温度について、175℃以上である場合を「○」、1
75℃未満である場合を「×」として評価した。また、175℃における機械的特性(引
張強度および伸び)について、従来例1の場合と比較して改善されている場合を「○」、
同等またはそれ未満である場合を「×」として評価し、特に175℃での伸びが30%以
上改善されている場合を「◎」として評価した。
表1中、作製したはんだ合金の変態温度、175℃における機械的特性(引張強度および伸び)を評価した結果を併せて示す。変態温度が175℃以上、かつ機械的特性が従来例の場合と比較して改善されている場合を判定「○」、特に175℃での伸びが170%以上の場合を判定「◎」とし、本発明の効果が発現されているとしている。変態温度が175℃未満、機械的特性の値が従来例の場合の値未満のいずれかに該当する場合を判定「×」とする。
実施例1−1〜1−4に示すように、Sbを0.50〜1.25質量%で含有する場合に変態温度が175℃以上、かつ機械的特性が改善されており、本発明の効果が発現されている。他方、比較例1−1および1−2に示すSb含有割合が0.25質量%以下の場合は、175℃での機械的特性は良好であるものの、変態温度の上昇が不十分であり変態温度が175℃未満であるため、総合判定は「×」である。比較例1−3に示すSb含有割合が1.5質量%の場合、InSbの生成が顕著になり、高温での延性が悪化し、総合判定は「×」である。
表1に示す結果より、Sb含有割合は0.5質量%以上、1.25質量%以下の範囲である場合に本発明の効果を発現することが分かる。
また、実施例1−1〜1−4および比較例1−1から、Sbを含有しない場合からのSb含有割合と変態温度の上昇は、次の式(1)に示すような関係があることが分かる。
(式1)
0.5≦[Sb]≦1.0の場合:
ΔTt=20×[Sb]
1.0<[Sb]≦1.25の場合:
ΔTt=4×[Sb]+16
(式中、ΔTtは、変態温度上昇量(℃)を表す。)
次に、In含有割合の影響を明確にするために、表2に示す金属組成を有するはんだ合金を作製し評価した。Sb含有割合は上述の最小である0.50質量%とし、はんだ合金の作製方法および評価方法は上述したものと同様である。
Figure 2017205790
表2に示すように、Sb含有割合が0.5質量%の場合である実施例2−2と従来例1を比較すると、Sb含有によって変態温度が上昇することが分かる。Sb含有割合が0.5質量%の場合、In含有割合がそれぞれ5.5質量%、6.0質量%の実施例2−1、2−2において、変態温度および175℃での機械的特性(引張強度および伸び)がいずれも向上している。In含有割合の増加と共に変態温度は低下し、In含有割合がそれぞれ6.5質量%、7.0質量%である比較例2−2、2−3においては、高温での機械的特性は良好であるが、変態温度が175℃未満であるため、総合判定は「×」である。更に、In含有割合の大きい7.5質量%である比較例2−4では、変態温度および175℃での機械的特性は共に十分でなく、総合判定は「×」である。一方、機械的特性(引張強度および伸び)の評価の結果から、In含有割合が5.0質量%の比較例2−1では、Inの固溶による効果が小さく従来例1と比較して175℃での引張強度が小さく、総合判定は「×」である。
次に、表3に示すような、Sb含有割合の上限である1.25質量%とした場合のはんだ合金を作製し評価した。はんだ合金の作製方法および評価方法は上述したものと同様である。
Figure 2017205790
表3に示すように、実施例3−2と従来例1を比較すると、Sb含有によって変態温度が上昇することが分かる。表2に示す結果の場合と同様に、In含有割合の増加と共に変態温度は低下し、In含有割合が7.0質量%以上である比較例3−2、3−3においては変態温度が175℃未満であるため総合判定は「×」である。また、引張強度および伸びの機械的特性に着目すると、In含有割合が5.0質量%の比較例3−1の場合、Inの固溶効果が十分に発揮されず、175℃での引張強度が従来例1より小さいため総合判定は「×」である。
表2、3に示すそれぞれの結果を基に、本発明の効果を発現するIn含有割合の範囲は次のようになる。
Sb含有率が0.5≦[Sb]≦1.25の場合において、In含有割合と機械的特性の関係に着目すると、本発明の効果を発現するためにはIn含有割合が5.5質量%以上である必要があり、(式2)の関係となる。
(式2)
[In]≧5.5
次に、In含有割合と変態温度との関係に着目する。
図2は、表2に示すSb含有割合が0.50質量%の場合のIn含有割合と変態温度との関係を示す図である。図2中、横軸はSb含有割合を、縦軸は変態温度を示している。
Sb含有割合が0.50質量%の場合、In含有割合と変態温度の関係は次の式3の関係となる。
(式3)
Tt=−18.9×[In]+289
(式中、Ttは、変態温度(℃)を表す。)
式1より、Sb含有による変態温度上昇効果は10℃であるため、Sbを含有しない場合は次の式4のような関係となる。
(式4)
Tt=−18.9×[In]+279
(式中、Ttは、変態温度(℃)を表す。)
これらの結果から、変態温度が175℃以上、かつはんだ合金の機械的特性を向上する本発明の効果を発現するためには、式5のような関係が必要である。
(式5)
5.5≦[In]≦6.5
かつ
0.5≦[Sb]≦1.0の場合:
−18.9×[In]+279+20×[Sb]≧175
1.0<[Sb]≦1.25の場合:
−18.9×[In]+279+4×[Sb]+16≧175
式1、式2、式5より、本発明の効果を発現するIn含有割合(質量%)とSb含有割合(質量%)には、次の式6の関係を満たす必要がある。
(式6)
0.5≦[Sb]≦1.25
かつ
0.5≦[Sb]≦1.0の場合:
5.5≦[In]≦5.50+1.06×[Sb]
1.0<[Sb]≦1.25の場合:
5.5≦[In]≦6.35+0.212×[Sb]
本発明の効果の一つである、高温での延性の改善を特に発現する組成範囲を明確にするために、表4に示すような、Sb含有割合が0.75質量%、1.0質量%の場合で式6の関係を満たすIn含有量のはんだ合金を作製しIn含有量との関係を詳細に評価する。はんだ合金の作製方法及び評価方法は上述と同様である。
Figure 2017205790
表4に示すように、いずれの実施例についても従来例1と比較して、変態温度及び機械的特性は向上する。また、175℃での伸びに着目すると、In含有割合が6.0質量%以上ではIn含有割合が小さいほど伸びは高い値を示すことが分かる。
表4に示す結果より、本発明の効果を発現するためには、In含有量とSb含有量は次の式7の関係
(式7)
0.5≦[Sb]≦1.0かつ、
5.5≦[In]≦5.50+1.06×[Sb]
かつ[In]≦6.5
より好ましくは、次の式8の関係
(式8)
0.5≦[Sb]≦1.0かつ、
5.5≦[In]≦5.50+1.06×[Sb]
かつ[In]≦6.1
を満たすことが望ましい。
(Co含有割合)
表1の実施例1−2と、比較例1−1とを比較すると、175℃における伸びが増加しているため、Inを含有するSn系はんだ合金において、Sbが所定の範囲で含まれるとき、高温での延性向上が生じることがわかる。Inを含有するSn系はんだ合金において、Sbが所定の範囲で含まれるときに生じる、このような高温での延性向上が、Coを所定の含有割合で含有させた場合にさらに促進されることを、本発明者らは新たに見出した。
Co含有割合の影響を明確にするために、表5に示す金属組成を有するはんだ合金を作製し評価した。はんだ合金の作製方法および評価方法は上述したものと同様である。
Figure 2017205790
実施例5−4と実施例5−1を比較すると、Co含有によって変態温度は変化しないことが分かる。In含有割合が6.0質量%の場合、Co含有割合がそれぞれ0.025質量%、0.016質量%、0.010質量%の実施例5−1、5−2、5−3において、175℃での機械的特性(引張強度および伸び)が実施例5−4と比較していずれも向上している。
上記のように、Inを含有するSn系はんだ合金において、Coを0.010質量%以上含有している場合に、延性向上の効果が十分に確認できたため、Co含有割合は0.010質量%以上であることが望ましい。
一方、Co含有割合が0.030質量%である比較例5−1においては、高温での伸びが著しく低下しているため、総合判定は「×」であった。これは、Co含有割合が過剰であることによって、Co化合物が析出してしまったためであると考えられる。さらに、Coを過剰に含有すると、融点が上昇する恐れもあるため、Co含有割合は0.025質量%以下であることが望ましい。
よって、本発明のはんだ合金において好ましいCo含有割合の範囲は、0.01質量%以上、0.025質量%以下である。
(Cu含有割合)
Cuは、はんだ付け時の融点の低下および被接合部材の材質の選択性向上の目的で含有している。
はんだ付けにおける被接合部材としては、母材のCuまたはNiに、各種めっきやプリフラックス処理を施されたものが主である。
このうち、被接合部材の母材がNiの場合は、Inを含みかつCuを含まないまたは少量含むはんだ合金を用いてはんだ付けを行った際に、界面反応層(NiSn)においてInが一部取り込まれる。そのため、はんだ付け後のはんだ接合部の機械的特性の変化が生じる。被接合部材の母材がNiの場合、界面反応層に一部取り込まれる量だけInを予め多く含有する必要がある。しかしながら、実際の回路基板においては、一枚の回路基板上に様々な電子部品が搭載されるため、母材がCu、Niそれぞれの電子部品が搭載される場合には、In含有割合の予めの調整は困難である。
しかし、はんだ合金に一定量のCuを含有することで、はんだ付け時にはんだ合金中のCuが界面反応層にCuSn系の合金層を形成し、Inの取り込みを防ぐことができ、被接合部材の選択性が向上する。
このようなCu含有の効果を発現するためには、Cu含有割合が0.5質量%以上であることを、本出願人による特願2013−245191で明らかにしている。よって、Cu含有割合の下限値は0.5質量%である。
他方、Cuを過剰に含有すると、融点が上昇するため、1.2質量%以下であることが望ましい。
よって、本発明のはんだ合金では、Cu含有割合を0.5質量%以上、1.2質量%以下とする。
(Bi含有割合)
Biは、はんだ材料の機械的強度の向上と融点の低下の目的で含有している。はんだ合金中では、Bi含有割合が3.0質量%以下の比較的小さい場合はβ−Snに固溶し、Bi含有割合が大きくなるとBiまたはBi化合物が析出する形で存在する。
Bi含有による機械的強度の向上の効果が得られるには、Biを0.1質量%以上含有している必要があり、Bi含有割合は0.1質量%以上であることが望ましい。
また、BiまたはBi化合物の析出が生じる場合、粒界のすべりを妨げる働きを示すため、高温での延性が著しく低下する。そのため、Bi含有割合の上限は、BiまたはBi化合物の析出が発生しない3.0質量%以下とすることが望ましい。
以上より、本発明のはんだ合金では、Bi含有割合を0.1質量%以上、3.0質量%以下とする。
(Ag含有割合)
Agは、はんだ付け時のぬれ性の改善、融点の低下の目的で含有しており、はんだ合金中ではAgSn化合物およびAgInの形態で存在する。
通常、リフローはんだ付けによりはんだ合金を均一に溶融させるためには、はんだ合金の液相線温度+10℃以上のリフローピーク温度を設定することが好ましい。かつ、電子部品の耐熱温度から考えると、リフローピーク温度は240℃以下とすることが好ましい。
従って、はんだ合金の液相線温度を230℃以下とすることが好ましく、本発明のはんだ合金では、Ag含有割合を1.0質量%以上、4.0質量%以下とする。
以上のようにして決定した各元素の含有割合に基づいて、表6に示す金属組成を有するはんだ合金を作製し、耐熱疲労特性および耐衝撃特性を評価した。はんだ合金の作製方法は上述したものと同様である。
耐熱疲労特性の評価方法は次の通りである。
まず、作製したはんだ合金を、粒径数十μmのはんだ粉に加工し、はんだ粉とフラックスとを90:10の重量比となるように秤量し、これらを混練することではんだペーストを作製した。このはんだペーストを、厚さ15μmのメタルマスクを用いて回路基板上の回路基板電極に印刷した。印刷したはんだペースト上に、チップ抵抗を搭載し、最高240℃の条件でリフロー加熱を行い、実装構造体を作製した。使用した回路基板の回路基板電極の母材は、CuおよびNiであった。
このようにして作製した実装構造体を−40℃/175℃の温度サイクル試験に付して、2000サイクル後のはんだ接合部の変形を目視観察した。目視観察で変形が認められなかった場合に電気的接続の評価を行い、初期との抵抗値の変化が10%以上あったものを電気的不良「あり」とし、変化が無かったものまたは10%未満であったものを電気的不良「なし」として判定した。なお、表6の電気的不良欄における「−」は評価を行わなかったことを示す。
耐衝撃特性の評価方法は次の通りである。
はんだ合金および実装構造体の作製方法は前記と同様である。使用した回路基板の回路基板電極の母材は、Cuであった。
このようにして作製した実装構造体を175℃に設定したホットプレート上にて加熱し、500gの重りを高さ10cmの場所から落下させる試験に付してチップ抵抗が脱落するまでの回数を測定した。脱落するまでの回数が30回以上であったものを脱落判定「◎」、20回以上30回未満であったものを脱落判定「〇」、20回未満のものを脱落判定「×」とした。
図3に実施した耐衝撃試験の結果を示す。縦軸が重りの落下回数、横軸が使用したはんだの名称である。
Figure 2017205790
表6に示すように、上述のようにして決定したはんだ合金の組成範囲に含まれる実施例5−1〜5−16では、はんだ接合部の自己変形が発生せず、かつ、短絡や断線の電気的不良が発生しなかった。その中でも、実施例5−1〜5−2、実施例5−4〜5−5、実施例5−8〜5−15ではチップ抵抗が脱落するまでの回数が30回以上であった。
他方、In、Sb含有割合が異なる比較例5−1〜5−4では、はんだ接合部の自己変形および電気的不良のいずれかが発生した。
Cuを含有しない比較例5−5では、はんだ接合部の自己変形は発生しないものの、回路基板電極の母材がNiの場合に断線が発生した。
また、Cu含有割合が1.5質量%の比較例5−6、Biを含有しない比較例5−7、Bi含有割合が3.5質量%の比較例5−8、Agを含有しない比較例5−9では、電気的不良が発生した。
また、従来例1〜2では、いずれもはんだ接合部の自己変形が発生した。
従って、表1〜4に示す評価結果から、
0.5質量%以上、1.25質量%以下のSbと、
以下の式(I)または(II):
0.5≦[Sb]≦1.0の場合
5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb] ・・・(I)
1.0<[Sb]≦1.25の場合
5.5≦[In]≦6.35+0.212[Sb] ・・・(II)
(式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
を満たすInと、
0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
0質量%以上、0.025質量%以下のCoと
を含有し、残部がSnから成るはんだ合金において、本発明の効果を奏することが確認された。かかるはんだ合金は、150℃以上において、少なくともSbが固溶したγ相およびβ−Sn相を含む合金組織で構成され、175℃の環境においても、耐熱疲労特性に優れた接合部を形成することが可能となる。
より望ましくは、はんだ合金は、
0.5質量%以上、1.0質量%以下のSbと、
以下の式(I):
5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb] ・・・(I)
を満たすInと、
0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
0質量%以上、0.025質量%以下のCoと
を含有し、残部がSnから成る。かかるはんだ合金は、150℃以上において、少なくともSbが固溶したγ相およびβ−Sn相を含む合金組織で構成され、175℃の環境においても、更に耐熱疲労特性に優れたはんだ接合部を形成することが可能となる。
さらにより望ましくは、はんだ合金は、
0.5≦[Sb]≦1.0と、
5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb]
かつ[In]≦6.1
(式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
を満たすInと、
0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
0.01質量%以上、0.025質量%以下のCoと
を含有し、残部はSnから成る。かかるはんだ合金は、150℃以上において、少なくともSbが固溶したγ相、β−Sn相を含む合金組織で構成され、175℃の環境においても、特に耐熱疲労特性および耐衝撃特性に優れたはんだ接合部を形成することが可能となる。
本発明の実装構造体は、電子部品と回路基板の電極が、前述のはんだ合金によって接合されていることを特徴とする。これによれば、175℃の環境においても、耐熱疲労特性および耐熱衝撃特性により優れた接合を有する実装構造体を提供することができる。
電子部品および回路基板には任意のものを使用することが可能である。電子部品の電極部および回路基板の電極部は、任意の適切な導電性材料から成っていてよく、これらは、被接合部材として上述したように、Cuおよび/またはNiを含むものであってもよい。また、はんだ合金は、任意の形態を有し得、単独で(例えば粉末、糸ハンダ、溶融液、プリフォームはんだなどの形態で)、またはフラックスなどと一緒に(例えばはんだペーストやヤニ入りはんだなどの形態で)、はんだ付けに使用され得る。はんだ付けの条件は、適宜選択され得る。
本発明のはんだ合金および実装構造体は、175℃の高温環境においても機械的特性に優れた接合を実現することが可能であり、例えば、エンジンルームなどの高温環境で長期間の電気的導通確保が求められる自動車電装品の実装構造体等に利用するために有用である。

Claims (5)

  1. 0.5質量%以上、1.25質量%以下のSbと、
    以下の式(I)または(II):
    0.5≦[Sb]≦1.0の場合
    5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb] ・・・(I)
    1.0<[Sb]≦1.25の場合
    5.5≦[In]≦6.35+0.212[Sb] ・・・(II)
    (式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
    を満たすInと、
    0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
    0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
    1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
    0質量%以上、0.025質量%以下のCoと
    を含有し、残部がSnから成るはんだ合金。
  2. Sb含有割合が0.5質量%以上、1.0質量%以下であり、In含有割合が前記式(I)を満たす、請求項1に記載のはんだ合金。
  3. 0.5≦[Sb]≦1.0と、
    5.5≦[In]≦5.50+1.06[Sb]
    かつ[In]≦6.1と
    (式中、[Sb]はSb含有割合(質量%)、[In]はIn含有割合(質量%)を表す)
    を満たすInと、
    0.5質量%以上、1.2質量%以下のCuと、
    0.1質量%以上、3.0質量%以下のBiと、
    1.0質量%以上、4.0質量%以下のAgと、
    0.01質量%以上、0.025質量%以下のCoと
    を含有し、残部がSnから成ることを特徴とする請求項1または2に記載のはんだ合金。
  4. 150℃以上において、少なくともSbが固溶したγ相およびβ−Sn相を含む合金組織を有する、請求項1または2に記載のはんだ合金。
  5. 電子部品が回路基板に実装された実装構造体であって、電子部品の電極部と回路基板の電極部とが、請求項1〜4のいずれかに記載のはんだ合金によって接合されている、実装構造体。
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