JP2017204965A - 電機子、電機子の製造方法および回転電機 - Google Patents

電機子、電機子の製造方法および回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルの導線の遠心力起因の動きを抑制できる電機子、電機子の製造方法および回転電機を提供する。【解決手段】電機子100は、スロット9内に収納されたコイル3の径方向外側K2を支持する複数の支持脚20a、21aと、複数の支持脚20a、21aの軸方向一端部20a2、21a2を周方向に環状に連結すると共に、軸方向一端のコイルエンド部6を、該コイルエンド部6の外周面に沿って支持するエンドカバー部20b、21bとを有する支持部20、21を備え、鉄心1の軸方向両端のコイルエンド部6が、支持部20、21のエンドカバー部20b、21bによりそれぞれ支持されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電気掃除機、電動工具等に用いられる電機子、電機子の製造方法および回転電機に関するものである。
電気掃除機、電動工具等の各機器に用いられる回転電機は、電機子の回転軸の両端がそれぞれ軸受で指示され、電機子が固定子の内側で回転するように構成される。この電機子の電機子鉄心は、回転軸に取付けられた円柱状のコアバック部と、このコアバック部の周方向に沿ってその外周面に等間隔に並ぶように配置された複数のティース部とで構成される。
各ティース部間に形成されるスロット内には、電機子巻線との絶縁を確保する目的で、電機子鉄心に当接するように絶縁部材が設けられている。そして、この絶縁部材を介して電機子巻線が巻回されている。また、各スロットの径方向外側のスロット開口部には、ウェッジ(楔)と呼ばれる絶縁成形物が挿入されている。
回転軸に近い範囲において整列すること無く巻回された電機子巻線は、回転電機の電機子の回転に伴った遠心力によって、径方向外側に膨むこと、積み重なった部分が崩れること等がある。上記のウェッジは、回転電機の高速運転の要求に伴い、コイルを径方向外側から支持することで、このような遠心力による電機子巻線の動きを抑制して、スロット内の電機子巻線がスロット内から飛び出さないようにしている。こうしてウェッジにより電機子巻線の動きが抑制され、電機子の回転時の不釣り合い(偏心量)増加による回転電機の騒音や振動の増加が抑制される。
このような電機子巻線の保持機能を有するウェッジを備えた以下のような電機子が開示されている。
ウェッジは、薄肉絶縁材を略山形に折り曲げ成形し、折り曲げ部両端を略山形の底辺部にしてスロット内のコイル側に、略山形の山頂部をスロットオープン部側に配置して装着されており、略山形のウェッジの山頂部は、スロットオープン部形状に適応してかつ電機子コアの外周面と合致する凸形状となっている(例えば、特許文献1参照)。
回転子は、回転子鉄心と、この回転子鉄心に形成した巻線溝(スロット)に直巻された回転子巻線と、巻線溝を塞いで回転子巻線を固定するウェッジ(楔)と、これらウェッジの端部に形成した段差部に係合して一体に取り付けた筒状をなす環状カバーとを備えている。環状カバーの外周面は、ウェッジに形成した段差部に係合することで、ウェッジの表面と面一にしている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−17647号公報(段落[0019]、図1) 特開2010−104134号公報(段落[0014]〜[0016]、図1、図2)
上記特許文献1のような電機子では、個々に独立した複数のウェッジを各スロット開口部にそれぞれ挿入する必要があるため、部品点数、組立工数が多くなり、生産効率が低下する。
また、例えば電機子鉄心の両端面側にコイルエンド部が形成された電機子の場合では、上記のウェッジはスロット内の電機子巻線を支持するものの、コイルエンド部の電機子巻線を支持することができなかった。そのため、電機子の回転時における遠心力に起因するコイルエンド部における電機子巻線の動きを抑制することができなかった。
また、上記特許文献2のような電機子では、コイルエンド部の側面を覆う環状カバーは筒形状であり、コイルエンド部の外周面の形状に沿うように形成されているものではない。そのため、コイルエンド部における電機子巻線の動きを抑制できなかった。
このような遠心力起因の電機子巻線の動きにより、電機子の偏心量が増加し、回転電機の騒音、振動が増加するという問題点があった。
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、少ない部品点数で電機子の回転による遠心力起因のコイルの動きを抑制して、騒音、振動が少なく生産性の高い、電機子、電機子の製造方法、回転電機を提供することを目的としている。
本発明に係る電機子は、
環状のコアバックから径方向外側に放射状に突出する複数のティース部を有し、前記ティース部間にスロットがそれぞれ形成される鉄心と、
前記ティース部に巻回されて前記スロット内に収納されるコイルとを備え、
前記コイルが前記鉄心の軸方向両端面から軸方向に突出するコイルエンド部を形成する電機子において、
前記スロット内に収納された前記コイルの径方向外側を支持する複数の支持脚と、複数の前記支持脚の軸方向一端部を周方向に環状に連結すると共に、軸方向一端の前記コイルエンド部を、該コイルエンド部の外周面に沿って支持するエンドカバー部とを有する支持部を2つ備え、
前記支持部の前記支持脚は、前記鉄心の軸方向の長さより短く形成され、
2つの前記支持部は、該支持部の前記支持脚の他端部が前記スロット内で互いに対向するように向かい合って配置され、前記鉄心の軸方向両端の前記コイルエンド部が、2つの前記支持部の前記エンドカバー部によりそれぞれ支持されているものである。
また、本発明に係る電機子は、
環状のコアバックから径方向外側に放射状に突出する複数のティース部を有し、前記ティース部間にスロットがそれぞれ形成される鉄心と、
前記ティース部に巻回されて前記スロット内に収納されるコイルとを備え、
前記コイルが前記鉄心の軸方向両端面から軸方向に突出するコイルエンド部を形成する電機子において、
前記スロット内に収納された前記コイルの径方向外側を支持する複数の支持脚と、複数の前記支持脚の軸方向一端部を周方向に環状に連結すると共に、前記鉄心の軸方向一端の前記コイルエンド部を、該コイルエンド部の外周面に沿って支持するエンドカバー部とを有する支持部を備えるものである。
また、本発明に係る回転電機は、上記のように構成された電機子を用いた回転子と、
前記回転子と同軸上に配置された固定子とを備えたものである。
また、本発明に係る電機子の製造方法は、
前記電機子の偏芯量を測定する測定工程と、
前記エンドカバー部に少なくとも1つの前記調整穴が、前記偏芯量を抑制する位置、数、大きさに設けられる形成工程とを備えるものである。
この発明に係る電機子、回転電機によれば、少ない部品点数で、コイルの動きを抑制して、騒音、振動を抑制するものなので、電機子、回転電機の信頼性を向上させると共に生産性を向上することができる。
また、この発明に係る電機子の製造方法によれば、騒音、振動を抑制するため、電機子、回転電機の信頼性を更に向上させることができる。
本発明の実施の形態1による電機子の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による電機子の組立構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による電機子の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1による電機子の内部構造を示す横断面図である。 本発明の実施の形態1による電機子の内部構造を拡大して示す横断面図である。 本発明の実施の形態1による整流子の軸方向反対側に配置される支持部の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1による整流子側の支持部の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1による回転電機の構成を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1による電機子の内部構造を拡大して示す横断面図である。 本発明の実施の形態2による電機子の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3による電機子の組立構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3による電機子の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態4による電機子の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態4による電機子の製造方法を説明するための縦断面図である。 本発明の実施の形態5による電機子の内部構造を拡大して示す横断面図である。 本発明の実施の形態5による電機子の内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態6による電機子の内部構造を示す縦断面図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1による電機子、回転電機として、特に電気掃除機、電動工具などに用いられ、高速回転が要求される電機子、回転電機について図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による電機子100の構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1による電機子100の組立構造を模式的に示す斜視図である。
図3は、本発明に実施の形態1による電機子100の内部構造を示す縦断面図である。
図4は、本発明に実施の形態1による電機子100の内部構造を示す横断面図である。
図5は、図4に示す電機子100の一部を拡大して示す断面図である。
図6は、図2に示す2個の支持部の内、整流子7の軸方向反対側に配置される支持部20の構成を示す側面図である。
図7は、図2に示す2個の支持部の内、整流子7側に配置される支持部21の構成を示す側面図である。
図8は、図1に示す電機子100を用いた回転電機101の構成を示す縦断面図である。
以下の説明において、環状の鉄心1における各方向を、周方向S、軸方向G、径方向K、径方向内側K1、径方向外側K2としてそれを示す。
図1、図2に示すように、本実施の形態の電機子100は、環状の鉄心1と、この鉄心1に巻回されたコイル3と、コイル3を外側から支持する2つの支持部20、21とを備える。図2に示す2つの支持部20、21が軸方向Gに互いに向かい合うように電機子に組み合わされて、図1に示す電機子100が形成される。
電機子100は、中心に回転軸4が組み付けされている。また電機子100の軸方向Gの一方には、整流子7が取り付けられている。この整流子7は、複数の短冊状の整流子片7aが回転軸4の周りに等間隔に並ぶように配置されて構成されたものである。
図4に示すように、電機子100の鉄心1は、環状のコアバック部1aの外周から径方向外側K2に放射状に突出する複数のティース部1bを有する電磁鋼板を軸方向Gに複数枚積層して形成される。この電磁鋼板の厚さは例えば0.1〜1.0mm程度である。これら複数のティース部1b間にコイル3の収納空間であるスロット9がそれぞれ形成される。また鉄心1の中心には、回転軸4を挿通するための穴1hが形成されている。
回転軸4には図示しないナール(ローレット)加工が施されており、加工された箇所が鉄心1の穴1hの径より大きくなるように構成されている。そして、鉄心1は、図3に示す位置で、回転軸4のナール(ローレット)加工部に対して強固に圧入、係り止め固定される。同様に整流子7も、回転軸4に対して強固に、圧入、係り止め固定されている。
電機子100のコイル3は、所定のスロット数離れたティース部1b間に導線が巻回された分布巻構成である。こうして各ティース部1bにコイル3が巻回され、各スロット9内にコイル3が収納された構成となる。
また、スロット9内から延び出た導線の渡り線の端部は、周方向Sに沿って這い回しされて、整流子7の整流子片フック7bに電気的に接続される。この整流子片フック7bに接続される導線の渡り線と、所定のスロット数離れたティース部1b間を渡る導線の渡り線とが、巻線の過程で鉄心1の軸方向Gの端面上に配置される。こうして、鉄心1の軸方向Gの両端面上に、コイル3の導線により構成される、軸方向Gに突出するコイルエンド部6が形成される。
なお、図5に示すように、スロット9内のコイル3と鉄心1とは、スロットインシュレータ11により絶縁されている。このスロットインシュレータ11は、薄肉の絶縁フィルム等を鉄心1に沿うようにU字状に成形して、各スロット9に挿入したものである。
また、図3に示すように、鉄心1の軸方向Gの両端面には、回転軸4の外周面と鉄心1の軸方向Gの端面とに沿うように形成された絶縁部材であるエンドインシュレータ8が設けられている。このエンドインシュレータ8は回転軸4に対して係り止めされる円筒部8aと、鉄心1のコアバック部1aとティース部1bに沿うように形成された端面部8bとを有している。このエンドインシュレータ8の円筒部8aによって回転軸4とコイルエンド部6のコイル3とが絶縁され、端面部8bによって鉄心1の軸方向Gの端面とコイルエンド部6のコイル3とが絶縁されている。
次に、電機子100のコイル3を、外側から支持する支持部20、21について説明する。
支持部20、21は、例えば樹脂成形物などから形成される絶縁部材である。
図6に示すように、支持部20は、支持脚としてのウェッジ20aを複数備える。さらに支持部20は、これら複数のウェッジ20aの軸方向Gの一端部20a2を周方向Sに環状に連結すると共に、コイルエンド部6の外周面の形状に沿うように形成されたエンドカバー部20bを備える。
図2に示すように、このウェッジ20aの軸方向Gの長さX1は、鉄心1の軸方向Gの長さX2より短く形成されている(本実施の形態では、鉄心1の長さX2の2分の1の長さに形成されている)。
また、エンドカバー部20bの中心には、回転軸4を挿通する挿通孔20cが設けられている。このエンドカバー部20bは、挿通孔20cの内壁が回転軸4に圧入されるように形成された第2圧入部20dを有する。
図7に示す支持部21も支持部20と同様に、支持脚としてのウェッジ21aを複数備える。そしてさらに支持部21は、これら複数のウェッジ21aの軸方向Gの一端部21a2を周方向Sに環状に連結すると共に、コイルエンド部6の外周面の形状に沿うように形成されたエンドカバー部21bを備える。
また、図2に示すようにこのウェッジ21aの軸方向Gの長さX3は、鉄心1の軸方向Gの長さX2より短く形成されている(本実施の形態では、鉄心1の長さX2の2分の1の長さに形成されている)。このエンドカバー部21bの中心には、回転軸4と整流子7を挿通する挿通孔21cが設けられている。
この支持部20と支持部21は、それぞれの挿通孔20c、挿通孔21cの形状のみが異なり、その他の構成は同じである。支持部21の挿通孔21cは、整流子7を挿通可能なように、支持部20の挿通孔20cより大きな穴径を有する。
支持部20、支持部21は、図2に示すように、鉄心1の軸方向Gの一端側(整流子7の軸方向Gの反対側、以降、整流子7の反対側と称して用いる)に、支持部20が、軸方向Gの他端側(整流子7側)に支持部21が、互いに向かい合うように配置される。そして支持部20の挿通孔20cに回転軸4の一端が挿通され、支持部21の挿通孔21cに回転軸4の他端と整流子7が挿通され、電機子100に組み付けられる。
また、前述したように支持部20のエンドカバー部20bの挿通孔20cは、第2圧入部20dにより回転軸4に圧入されるように形成されているため、支持部20と回転軸4とは強固に圧入固定される。
支持部20、21のウェッジ20a、21aは、スロット9内のスロット開口部側(径方向外側K2)の隙間にそれぞれ挿入されて、鉄心1の軸方向Gの長さX2の2分の1まで挿入される。
図1に示すように、支持部20のウェッジ20aの他端部20a1と、支持部21のウェッジ21aの他端部21a1とが、スロット9内で互いに対向して当接している。
こうして、支持部20のウェッジ20aは、図4、図5に示すようにスロット9内に収納されたコイル3の径方向外側K2を支持している。同様に、支持部21のウェッジ21aも、スロット9内に収納されたコイル3の径方向外側K2を支持する。
また、支持部20のエンドカバー部20bは、図3に示すように、鉄心1の軸方向Gの一端側(整流子7の反対側)のコイルエンド部6の外周面に沿ってコイルエンド部6を支持している。同様に、エンドカバー部21bは、軸方向Gの他端(整流子7側)のコイルエンド部6の外周面に沿ってコイルエンド部6を支持している。
このように、鉄心1の軸方向Gの両端のコイルエンド部6が、これら2つの支持部20、21のエンドカバー部20b、21bによりそれぞれ支持された状態となる。
ここで、スロット9内およびコイルエンド部6内のコイル3を構成する導線の配列状態について説明する。
コイルエンド部6を構成する導線は、後で巻回される導線ほど、先に巻回された導線の渡り線の上に乗るか、または径方向外側K2へ迂回するように巻回される。そのため、コイルエンド部6におけるコイル3の導線の巻線位置および巻線長さにはばらつきが生じ、配列の乱れが生じる。
また、ティース部1bに巻回される導線は、フォーマと呼ばれる巻線ガイドに沿って、スロット9内にランダムに進入し、先に巻回されたコイルエンド部6の上に折り重なるように巻回される。この際、前述したコイルエンド部6における導線の巻線位置および巻線長さのばらつきの影響を受けて、スロット9内のコイル3において同様の導線の配列の乱れを生じる。導線は、スロット9内の回転軸4に近い範囲においてこのように整列すること無く巻回されるため、スロット9内の径方向外側K2において導線が巻回されていない隙間が生じる。
支持部20、21のウェッジ20a、21aは、上記の導線が巻回されていないスロット9内の隙間に挿入されているものである。またこのように、スロット9内およびコイルエンド部6内のコイル3を構成する導線には配列の乱れが生じている状態となるが、これらの導線は前述したように支持部20、21により支持されている状態である。
なお、支持部20、21のウェッジ20a、21aの径方向外側K2の面は、表面に凹凸の無い滑らかな面に形成されている。また同様に、エンドカバー部20b、21bの、コイルエンド部6に対向しない面(外側の面)も表面に凹凸の無い滑らかな面に形成されている。
また、図5に示すようにウェッジ20a、21aの厚みYは、スロットインシュレータ11と干渉せず、コイル3を径方向外側K2から支持可能な寸法に設定されている。また、ウェッジ20a、21aの径方向Kの幅Wは、スロット9の周方向Sの両壁面間に対して第1圧入部20eを有する寸法に設定されており、スロット9の周方向Sの両壁面(Dとして示す位置)に圧入されている。
またこの場合、スロットインシュレータ11は、ウェッジ20a、21aと干渉しないようにスロット9の径方向Kの長さより短く形成されている。
また、支持部20、21のウェッジ20a、21aを挿入する際に、導線に当接するように挿入するため、導線を傷付けないよう、ウェッジ20a、21aの端部20a1、21a1に、面取り加工を施すことが望ましい。
また、支持部20、21の材質は、剛性を有する絶縁材であれば特に制限はない。
図8は、本発明の実施の形態1による電機子100を用いた回転電機101の構成を示す縦断面図である。
回転電機101は、固定子15と、固定子15の内周側に回転可能に配設された回転子としての電機子100と、固定子15の外周に配設されたハウジング16とを備える。
ハウジング16は、有底円筒状のフレーム17と、フレーム17の開口を塞口する端板18とを有する。固定子15は、このフレーム17の内側に固着されている。また、電機子100の回転軸4は、フレーム17の端板18にベアリング19を介して回転可能に支持される。こうして構成された回転電機101は、50000rpm以上で高速回転する電気掃除機、電動工具に搭載可能である他、ジェットタオルなどの電動送風機、洗濯乾燥機に搭載することができる。
上記のように構成された本実施の形態の電機子100、回転電機101によると、スロット9内のコイル3を構成する導線が、支持部20、21のウェッジ20a、21aによって径方向外側K2から支持されている。また、コイルエンド部6のコイル3を構成する導線が、支持部20、21のエンドカバー部20b、21bによって、コイルエンド部6の外周面に沿って支持されている。
これにより、電機子100の回転時においても、スロット9内の導線の遠心力起因の動きを抑止すると共に、コイルエンド部6における導線の遠心力起因の動きを抑止することができる。そのため、スロット9内およびコイルエンド部6内の導線が動くことで生じる電機子100の偏心量の増加が抑制され、騒音や振動の増加を抑制して、電機子、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、複数あるウェッジ20a、21aの軸方向Gの一端部20a2、21a2が、エンドカバー部20b、21bにより環状に連結されている。そのため、導線を支持するための部品の点数は、2つの支持部20、21のみとなる。これにより、僅か2つの支持部20、21を電機子100に組み付けるのみで、各スロット9内に複数のウェッジ20a、21aを同時に挿入することができる。こうして、個々に独立したウェッジを各スロット内にそれぞれ挿入する工程を不要として、組み立て性がよく、生産性の高い電機子、回転電機を提供することができる。
また、従来技術のウェッジでは、各スロットごとに独立したウェッジが挿入されており、さらにスロット内において電機子鉄心と当接している箇所が少ない。そのため、電機子の回転時にウェッジがずれ、導線の動きを抑止できないことがある。
本実施の形態の電機子100によると、各ウェッジ20a、21aはエンドカバー部20b、21bにより一体に連結されているため、スロット9内における各ウェッジ20a、21aのずれを抑止することができる。
またウェッジ20a、21aは、第1圧入部20eを有し、スロット9内の壁面に圧入されており、鉄心1に対して強固に固定されている。そのため、電機子100が高速で回転して大きな遠心力が付加される場合でも、スロット9内における各ウェッジ20a、21aのずれを更に抑止できる。こうして、支持部20、21を電機子100に安定して組み付けた状態とすることができる。
また、支持部20、21は、表面に凹凸の無い滑らかな面に形成されている。そのため、電機子100の回転時において生じる回転抵抗の低減を図ることができる。
なお、上記では、支持部20、21は、挿通孔20c、挿通孔21cの形状のみが異なりその他の構成は同じものを示したがこれに限定するものではない。例えば、支持部20のウェッジ20aの長さを鉄心1の軸方向Gの長さの3分の1に形成し、支持部21のウェッジ21aの長さを鉄心1の軸方向Gの長さの3分の2に形成するものでもよい。
また、支持部20のウェッジ20aの他端部20a1と、支持部21のウェッジ21aの他端部21a1とが、スロット9内で当接するものを示したが、これに限定するものではない。ウェッジ20aの長さとウェッジ21aの長さとを足した長さが、鉄心1の軸方向Gの長さ以下に形成されて、ウェッジ20aの他端部20a1とウェッジ21aの他端部21a1とが当接しないものでもよい。この場合、ウェッジ20a、ウェッジ21aの長さを、スロット9内のコイル3を安定的に支持可能な寸法内で調節するものとする。
また、上記図5では、ウェッジ20a、21aの厚みYを、コイル3を径方向外側K2から支持可能な寸法に設定したが、例えば、導線を押し潰さない範囲内で導線を径方向内側K1に向かって押圧し、導線を径方向内側K1に押し集めるような厚みYを設定するものでもよい。また例えば、エンドカバー部20b、21bの直径(形状)を、コイルエンド部6およびスロット9内の導線を径方向内側K1に押圧するように設定するものでもよい。
従来技術においては、コイルを押圧するために、ウェッジを略山形に折り曲げ成形して弾性を持たせていたが、本実施の形態では上記のような構成でコイル3の導線を押圧できるので、従来技術において必要であった折り曲げ成形工程が不要となり、生産性を向上させることができる。
図9は、本発明の実施の形態1による電機子100の内部構造の他の例を示す横断面図である。
上記図5では、ウェッジ20a、21aとスロットインシュレータ11とが互いに干渉しない構成のものを示したが、図9に示すように、スロットインシュレータ11の径方向Kの長さを、スロット9の径方向Kの長さとほぼ同等にして、スロットインシュレータ11内にウェッジ20a、21aが配置される構成でもよい。
この場合においても、ウェッジ20a、21aの径方向Kの幅Wは、スロット9の周方向Sの両壁面間に対してスロットインシュレータ11を介して第1圧入部20eを有する寸法に設定されており、スロット9の周方向Sの両壁面(Dとして示す位置)に圧入される。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態1による電機子200の内部構造を示す縦断面図である。
上記実施の形態1と同様に、本実施の形態2の支持部220、221は、スロット9内のコイル3を支持する複数のウェッジ220a、221aと、コイルエンド部6のコイル3を支持するエンドカバー部20b、21bとをそれぞれ備える。
本実施の形態2では、ウェッジ220a、221aの形状の一部が、実施の形態1と異なる。
図10に示すように、ウェッジ220a、221aの他端部220a1、221a1において、ウェッジ220a、221aの一端部220a2、221a2の厚みより薄く形成されたラップ嵌合部225、226を備える。このラップ嵌合部225、226により、対向する2つの支持部220、221のウェッジ220a、221aにおける他端部220a1、221a1同士を、重なり合わせて固定することができる。
上記のように構成された本実施の形態2の電機子200、回転電機によると、実施の形態1と同様の効果を奏し、支持部220、221によって、スロット9内の導線とコイルエンド部6内の導線の遠心力起因の動きを抑止することができる。
これにより、導線が動くことで生じる電機子200の偏心量の増加を抑制し、騒音や振動の増加を抑制して、電機子、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、コイル3を支持するための部品点数を削減して、生産性を向上させることができる。
さらに、支持部220、221のウェッジ220a、221aが、ラップ嵌合部225、226により互いに重なり合って固定されている。これにより、整流子7側に配置される支持部221を、回転軸4と強固に圧入固定されている整流子7の反対側の支持部20に固定することができる。これにより、電機子200が高速で回転して遠心力が付加される場合でも、支持部221を安定して電機子200に組み付けた状態とすることができる。
また、2つの支持部220、221が、ラップ嵌合部225により一体化されているため、支持部220、221の剛性を向上させることができる。これにより、支持部220、221のコイル3を支持する保持力を向上させることができる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図11は、本発明の実施の形態3による電機子300の組立構造を模式的に示す斜視図である。
図12は、本発明の実施の形態3による電機子300の内部構造を示す縦断面図である。
本実施の形態3では、電機子300は、整流子7の反対側に配置された1つの支持部320のみを備える。図に示すように、支持部320のウェッジ320aの軸方向Gの長さX1aは、鉄心1の軸方向Gの長さX2の長さより僅かに長く形成されている。
そしてこの支持部320のウェッジ320aが、軸方向Gの一端(整流子7の反対側)からスロット9内に挿入されている。これによりスロット9内のコイル3は軸方向Gの全長に渡ってウェッジ320aにより径方向外側K2を支持される。そして鉄心1の整流子7の反対側のコイルエンド部6の外周面は、エンドカバー部20bによって支持される。
整流子7側のコイルエンド部6と、整流子7の反対側のコイルエンド部6は、同じ導線が巻回されて形成されたものである。そのため、整流子7側のコイルエンド部6がエンドカバー部によって支持されていない状態でも、導線は、整流子7の反対側のコイルエンド部6において支持部320によって支持されている。このように軸方向Gの一端において導線の動きを抑止することで、軸方向Gの他端における導線の動きを抑制することができる。
また、鉄心1の軸方向Gの他端(整流子7側)のコイルエンド部6は、導線の電気的絶縁と保持の目的で用いられる熱硬化性ワニスにより固定されている。この熱硬化性ワニスは、整流子7側のコイルエンド部6からスロット9内に渡ってコイル3を固定している。
上記のように構成された本実施の形態3の電機子300、回転電機によると、支持部320によって、スロット9内のコイル3を構成する導線とコイルエンド部6内のコイル3を構成する導線の遠心力起因の動きを抑止することができる
これにより、実施の形態1と同様の効果を奏し、導線が動くことで生じる電機子300の不釣合いの増加を抑制し、騒音や振動の増加を抑制して、電機子、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、1つの支持部320のみを用いるため、コイル3を支持するための部品点数を削減して、生産性を向上させることができる。
さらに整流子7側のコイルエンド部6をワニスによって固定するため、整流子7側のコイルエンド部6における遠心力起因の導線の動きをさらに抑止することができる。
また、整流子7の反対側に支持部320を組み付けている。そのため、電機子に支持部320を組み付ける際に、支持部320の挿通孔20cが整流子7と干渉しないように組み立てる必要がない。これにより組み立て性を向上させることができると共に、挿通孔20cの形状に整流子7を挿通させるための形状の制約を設ける必要がなくなる。
また、支持部320のウェッジ320aの軸方向Gの長さX1aを、鉄心1の軸方向Gの長さX2の長さより僅かに長く形成している。鉄心1の軸方向Gの端面近傍においてコイルエンド部6は、コイル3がスロット9内から延び出た状態であるため、その表面に凹凸が多い。このように、鉄心1より僅かに長く形成されたウェッジ320aの端部により、鉄心1の端面におけるコイルエンド部6の凹凸を径方向外側K2から塞ぐことができる。これにより、電機子の回転時において生じる回転抵抗の低減を図ることができる。
なお、上記実施の形態3では、整流子7の反対側に支持部320を設ける例を示したが、これに限定するものではなく、整流子7側に支持部320を設けるものでもよい。
なお、ウェッジ320aの軸方向Gの長さX1aは、スロット9内のコイル3を軸方向Gの全長に渡って支持可能なように、鉄心1の軸方向Gの長さX2の長さと同等以上に形成されていればよい。そのため、支持部320のウェッジ320aの軸方向Gの長さX1aを、鉄心1の軸方向Gの長さX2の長さと同等にしてもよい。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4を、上記実施の形態3と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態3と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図13は、本発明の実施の形態4による電機子400の内部構造を示す縦断面図である。
図14は、図13に示す電機子400の製造方法を説明するための縦断面図である。
上記実施の形態3に示した支持部320のウェッジ320aの軸方向Gの長さX1aは、鉄心1の軸方向Gの長さX2と略同じ長さに形成されていた。本実施の形態4の支持部420のウェッジ420aの軸方向Gの長さX1bは、図14に示すように鉄心1の軸方向Gの長さX2より長く形成され、鉄心1から軸方向Gにはみ出す部分(突出部427)を有している。
この軸方向Gにはみ出す突出部427は、図14に示す矢印J方向に曲げられて、図13に示すように軸方向Gの他端(整流子7側)のコイルエンド部6の外周面を支持するように塑性変形する。
上記のように構成された本実施の形態4の電機子400、回転電機によると、支持部420のウェッジ420aによって、スロット9内のコイル3を構成する導線の遠心力起因の動きを抑止することができる。また、軸方向Gの一端(整流子7の反対側)のコイルエンド部6をエンドカバー部20bによって支持し、軸方向Gの他端(整流子7側)のコイルエンド部6を突出部427により支持する。
これにより、実施の形態1と同様の効果を奏し、導線が動くことで生じる電機子400の偏心量の増加を抑制し、騒音や振動の増加を抑制して、電機子、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、1つの支持部420のみを用いるため、コイル3を支持するための部品点数を削減して、生産性を向上させることができる。
実施の形態1では、軸方向Gの他端(整流子7側)のコイルエンド部6の径方向Kの幅が狭まる箇所(図3、Z1として示す箇所)は、支持部21のエンドカバー部21bで支持されていなかった。これはエンドカバー部21bの挿通孔21cの形状を、整流子7を挿通させるための大きさに形成する必要があり、エンドカバー部21bが、整流子7の径方向Kの幅より狭い箇所に位置するコイルエンド部6を支持できないからである。本実施の形態では、整流子7の反対側から支持部420を電機子に組み付けているため、整流子7の形状に左右されない。よって支持部420のウェッジ420aの先端で、軸方向Gの他端(整流子7側)のコイルエンド部6の径方向Kの幅が狭まる箇所(図13、Z2として示す箇所)を支持することができる。これによりコイル3の導線の遠心力起因の動きをさらに抑止することができる。
なお、上記では、整流子7の反対側に支持部420を設ける例を示したが、これに限定するものではなく、整流子7側に設けるものでもよい。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図15は、本発明の実施の形態5による電機子500の内部構造を拡大して示す横断面図である。
図16は、本発明の実施の形態5による電機子500の内部構造を示す縦断面図である。
上記実施の形態1と同様に、本実施の形態5の支持部520、521は、スロット9内のコイル3を支持する複数のウェッジ520a、521aと、コイルエンド部6のコイル3を支持するエンドカバー部20b、21bとをそれぞれ備える。
本実施の形態5では、ウェッジ520a、521aの形状の一部が、実施の形態1と異なる。
図15に示すように、本実施の形態5のウェッジ520a、521aの径方向外側の外周面520aG、521aGと、鉄心1のティース部1bの径方向外側K2の外周面1Gとが面一となっている。このような構成とすることで、電機子500の径方向外側K2の側面における凹凸を無くし、電機子500の回転時における回転抵抗を低減することができる。
上記のように構成された本実施の形態5の電機子500、回転電機によると、実施の形態1と同様の効果を奏し、支持部520、521によって、スロット9内のコイル3を構成する導線とコイルエンド部6内のコイル3を構成する導線の遠心力起因の動きを抑止することができる。
これにより、導線が動くことで生じる電機子500の偏心量の増加を抑制し、騒音や振動の増加を抑制して、電機子、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、コイル3を支持するための部品点数を削減して、生産性を向上させることができる。
また、ウェッジ520a、521aの径方向外側の外周面520aG、521aGと、鉄心1のティース部1bの径方向外側K2の外周面1Gとを面一となるように形成しているため、電機子500の回転時における回転抵抗を低減し、電機子500および回転電機の性能を向上させることができる。
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図17は、本発明の実施の形態1による電機子600の内部構造を示す縦断面図である。
上記実施の形態1と同様に、本実施の形態6の支持部620、21は、スロット9内のコイル3を支持する複数のウェッジ20a、21aと、コイルエンド部6のコイル3を支持するエンドカバー部620b、21bとをそれぞれ備える。
本実施の形態6では、整流子7の反対側の支持部620のエンドカバー部620bの形状が、実施の形態1と一部異なる。
図に示すように、支持部620は、エンドカバー部620bに3つの調整穴628を備える。
導線が整列すること無く巻回された電機子では、電機子鉄心上で質量が一様に分布しない状態となり、電機子の重心が回転軸から偏心する偏心量が多くなる。この調整穴628は、電機子600の回転時における不釣合い(偏心量)を抑制する位置、数、大きさにエンドカバー部620bに形成されたものである。
以下、この調整穴628を有する電機子600の製造方法について説明する。
まず、調整穴628が形成されていない状態のエンドカバー部620b、21bを組み付けた電機子を回転させる。そして回転する電機子の偏心量と偏心方向を加速度計等によって測定する(測定工程)。
次に、得られた偏心量、偏心方向の測定値に基づいて、ドリル等の切削工具でエンドカバー部620bに調整穴628を形成する。この調整穴は、偏芯量を抑制する位置、数、大きさに形成される(形成工程)。
こうして、回転時の偏心量が抑制された電機子600を得ることができる。
また、以下のような方法で調整穴628を有する電機子600を製造するものでもよい。
まず、エンドカバー部620bと、21bを組み付けていない状態の電機子を回転させる。そして回転する電機子の偏心量と偏心方向を加速度計等によって測定する(測定工程)。
次に、得られた偏心量、偏心方向の測定値に基づいて、偏芯量を抑制する位置、数、大きさに調整穴628をエンドカバー部620bに形成する(形成工程)。
そして、調整穴628が偏心量を抑制する位置になるように、電機子に対する周方向Sの角度を合わせて、支持部620を電機子へ組み付け、また支持部21を電機子へ組み付ける。
こうして、回転時の偏心量が抑制された電機子600を得ることができる。
上記のように構成された本実施の形態6の電機子600、電機子600の製造方法、回転電機によると、実施の形態1と同様の効果を奏し、支持部620、21によって、スロット9内およびコイルエンド部6内のコイル3を構成する導線の遠心力起因の動きを抑止することができる。
これにより、導線が動くことで生じる電機子600の不釣合いの増加を抑制し、騒音や振動の増加を抑制して、電機子、回転電機の信頼性を向上させることができる。
また、コイル3を支持するための部品点数を削減して、生産性を向上させることができる。
さらに、偏芯量を抑制する調整穴628を、エンドカバー部620bに形成して偏心量を抑制するものであり、従来技術のように電機子鉄心を削って偏心量を抑制するものではない。そのため、電機子鉄心を削ることにより生ずる回転子と固定子との間のエアギャップのバラツキが生じない。そのため、回転電機の特性に影響を与えずに偏心量を抑制することができる。
さらに、支持部620、21を組み付けた電機子を回転させて、電機子の偏心量と偏心方向を測定する測定工程を用いる場合では、スロット9内、コイルエンド部6内の導線が支持部620、21によって支持された状態で偏心量、偏心方向を測定することになる。そのため、測定工程における導線の遠心力起因の動きが抑制されるため、偏心量、偏心方向の測定精度が向上する。
このように制度良く偏心量、偏心方向を測定できるため、複数回の不釣合い修正が不要となり、または複数回修正する場合でも修正回数を減らすことができるため、修正時間の短縮が図れる。
なお、上記では、整流子7の反対側の支持部620にのみ調整穴628を設ける例を示したが、これに限定するものではない。整流子7側の支持部21に設けるものでもよく、または両方に設けるものでもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 電機子鉄心、1a コアバック部、1b ティース部、3 コイル、
6 コイルエンド部、9 スロット、
20,220,320,420,520,21,221,521 支持部、
20a,220a,320a,420a,520a,21a,221a,521a ウェッジ、
20b,21b,620b エンドカバー部、225,226 ラップ嵌合部、
427 突出部、628 調整穴、4 回転軸、20c,21c 挿通孔、
20e 第1圧入部、20d 第2圧入部、
100,200,300,400,500,600 電機子、101 回転電機。

Claims (13)

  1. 環状のコアバックから径方向外側に放射状に突出する複数のティース部を有し、前記ティース部間にスロットがそれぞれ形成される鉄心と、
    前記ティース部に巻回されて前記スロット内に収納されるコイルとを備え、
    前記コイルが前記鉄心の軸方向両端面から軸方向に突出するコイルエンド部を形成する電機子において、
    前記スロット内に収納された前記コイルの径方向外側を支持する複数の支持脚と、複数の前記支持脚の軸方向一端部を周方向に環状に連結すると共に、軸方向一端の前記コイルエンド部を、該コイルエンド部の外周面に沿って支持するエンドカバー部とを有する支持部を2つ備え、
    前記支持部の前記支持脚は、前記鉄心の軸方向の長さより短く形成され、
    2つの前記支持部は、該支持部の前記支持脚の他端部が前記スロット内で互いに対向するように向かい合って配置され、前記鉄心の軸方向両端の前記コイルエンド部が、2つの前記支持部の前記エンドカバー部によりそれぞれ支持されている電機子。
  2. 前記支持部の前記支持脚の他端部に、対向する2つの前記支持部の前記支持脚の他端部同士が重なり合って固定されるラップ嵌合部を設けた請求項1に記載の電機子。
  3. 環状のコアバックから径方向外側に放射状に突出する複数のティース部を有し、前記ティース部間にスロットがそれぞれ形成される鉄心と、
    前記ティース部に巻回されて前記スロット内に収納されるコイルとを備え、
    前記コイルが前記鉄心の軸方向両端面から軸方向に突出するコイルエンド部を形成する電機子において、
    前記スロット内に収納された前記コイルの径方向外側を支持する複数の支持脚と、複数の前記支持脚の軸方向一端部を周方向に環状に連結すると共に、前記鉄心の軸方向一端の前記コイルエンド部を、該コイルエンド部の外周面に沿って支持するエンドカバー部とを有する支持部を備える電機子。
  4. 前記支持脚は、前記鉄心の軸方向の長さと同等以上の長さに形成された請求項3に記載の電機子。
  5. 前記支持脚は、前記鉄心の軸方向の長さより長く形成されて前記鉄心から軸方向にはみ出す突出部を有し、前記鉄心の軸方向他端の前記コイルエンド部を前記突出部により支持する請求項4に記載の電機子。
  6. 前記鉄心の軸方向他端側に整流子が取り付けられ、
    前記支持部の前記エンドカバー部は、前記整流子が取り付けられた側とは軸方向反対側である前記鉄心の軸方向一端の前記コイルエンド部を、該コイルエンド部の外周面に沿って支持する請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電機子。
  7. 前記支持脚の径方向外側の外周面と、前記ティース部の径方向外側の外周面とが面一となるように形成された請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電機子。
  8. 前記支持脚は、前記スロット内に圧入される第1圧入部を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電機子。
  9. 前記エンドカバー部は、少なくとも1つの調整穴を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電機子。
  10. 前記エンドカバー部は、前記鉄心の回転軸を挿通する挿通孔が設けられた請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電機子。
  11. 前記エンドカバー部は、前記挿通孔の内壁が前記回転軸に圧入される第2圧入部を有する請求項10に記載の電機子。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電機子を用いた回転子と、
    前記回転子と同軸上に配置された固定子とを備えた回転電機。
  13. 請求項9に記載の電機子の製造方法であって、
    前記電機子の偏芯量を測定する測定工程と、
    前記偏芯量を抑制する位置、数、大きさに、前記調整穴を前記エンドカバー部に少なくとも1つ形成する形成工程とを備える電機子の製造方法。
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