JP2017204549A - 半導体基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
半導体基板の製造方法であって、
a)所定の結晶構造を有する半導体基板の表面において、前記結晶構造の結晶方位面(110)、(−110)、(011)および、(01−1)のうちの少なくとも一個に沿う線状領域を露出させつつ、それ以外の部分を覆うマスクを形成するマスク形成工程と、
b)前記半導体基板に負のバイアス電圧を印加しつつ前記半導体基板を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングすることによって、前記マスクに覆われていない部分に溝を形成する溝形成工程と、
を備える。
具体的には、当該エッチングが開始されてから初めのうちは、溝の底部が略平坦なものとなっている(つまり、断面が略コ字状の溝が形成されていく)(図7(a))。
そして、エッチングが進むにつれて、溝の深さが増すとともに、溝の角部分(すなわち、底部と側壁の境界部分)に斜めの面が現れ、底部における平坦面が小さくなっていく(図7(b))。このような斜めの面が出現するのは、当該斜めの面に相当する結晶方位面(n11)(ただし、nは1以上の整数)が、平坦面に相当する結晶方位面(100)に比べてエッチングされにくいためと考えられる。
エッチングがさらに進むと、溝の深さがさらに増すとともに、溝の底部における斜めの面が占める割合が増加していく(すなわち、平坦面が占める割合が減少していく)。そして最終的には、平坦面がなくなって、対向する一対の斜めの面領域が溝の中心線でつながった形となる(図7(c))。つまり、溝の底部がV字状になる。この時点でエッチングを終了させる。
このようにして、ほぼ一定の離間距離を保ちつつ延在する一対の側壁と中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜した底部とを備える溝が、形成される。この溝によると、十分な深さと十分な開口幅の狭さを両立させつつ、さらに、外力を加えた場合に中心線に沿って割断することができる。
半導体基板の製造方法であって、
a)所定の結晶構造を有する半導体基板の表面において、前記結晶構造の結晶方位面(110)、(−110)、(011)および、(01−1)のうちの少なくとも一個に沿う線状領域を露出させつつ、それ以外の部分を覆うマスクを形成するマスク形成工程と、
b)前記マスクで覆われていない部分をエッチングすることにより溝を形成する溝形成工程と、
を備え、
前記溝形成工程が、
b1)前記マスクで覆われていない部分を等方的にエッチングする工程と、前記エッチングされた部分の内壁に保護膜を堆積させる工程と、を繰り返し行うことにより、前記半導体基板に、対向する一対の側壁を有する溝を形成する側壁形成工程と、
b2)前記半導体基板に負のバイアス電圧を印加しつつ前記半導体基板を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングすることによって、前記側壁形成工程にて形成された溝の底部を、当該溝の中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜したV字形状にエッチングするV字状底部形成工程と、
を備える。
ただし、この交番プロセスによって形成される溝は、底部が略平坦、あるいは、緩やかにカーブした弧状になっている。そこで、この態様においては、交番プロセスで形成された溝の底部が、当該溝の中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜したV字形状となるようにさらにエッチングする。
これによって、ほぼ一定の離間距離を保ちつつ延在する一対の側壁と中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜した底部とを備える溝が、形成される。この溝によると、十分な深さと十分な開口幅の狭さを両立させつつ、さらに、外力を加えた場合に中心線に沿って割断することができる。
前記溝形成工程が、
b3)前記半導体基板に負のバイアス電圧を印加しつつ前記溝の側壁を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングする側壁エッチング工程、
をさらに備える。
前記溝が、
前記半導体基板におけるチップ間の境界に形成されている。
c)前記半導体基板に圧力を加えて、前記半導体基板を前記溝に沿って割る工程、
をさらに備える。
当該半導体基板は、
線状に延在する溝、
を備え、
前記溝が、
一定の離間距離を保ちつつ延在する一対の側壁と、
前記側壁と連なり、前記溝の中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜した底部と、
を備える。
前記溝が、
前記半導体基板におけるチップ間の境界に形成されている。
前記半導体基板が、所定の結晶構造を有し、
前記溝が、前記結晶構造の結晶方位面(110)、(−110)、(011)および、(01−1)のうちの少なくとも一個に沿って延在する。
前記半導体基板が、所定の結晶構造を有し、
前記溝の底部の少なくとも一部分が、前記結晶構造の結晶方位面(n11)(ただし、nは1以上の整数)に沿う面である。
半導体基板9から複数のチップ90を切り出す処理の流れを、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、当該流れを説明するための図である。図2は、バー状基板92を模式的に示す図である。図3は、チップ90を模式的に示す図である。
もっとも、半導体基板9の形成材料および結晶構造は必ずしもこれに限らない。例えば、半導体基板9は、インジウムリン(InP)から形成されてもよい。この場合、半導体基板9は閃亜鉛鉱型の結晶構造を有するものとなる。また例えば、半導体基板9は、窒化ガリウム(GaN)から形成されてもよい。この場合、半導体基板9は六方晶型の結晶構造を有するものとなる。また、半導体基板9は、必ずしもIII-V族半導体でなくともよく、例えば、シリコン(Si)、ダイヤモンド(C)、あるいは、ゲルマニウム(Ge)から形成されてもよい。これらの場合、半導体基板9はダイヤモンド型の結晶構造を有するものとなる。また例えば、半導体基板9は、炭化ケイ素(SiC)から形成されてもよい。この場合、半導体基板9は六方晶型の結晶構造を有するものとなる。
また、半導体基板9には、チップ90の境界に相当する位置に、分割ライン81,82,83が形成されている。具体的には、半導体基板9には、これを平面視が矩形のブロック状基板91に分割するための格子状の分割ライン(第1分割ライン)81と、ブロック状基板91を複数のバー状基板92に分割するための分割ライン(第2分割ライン)82と、長尺のバー状基板92を複数のチップ90に分割するための分割ライン(第3分割ライン)83と、が形成されている。第2分割ライン82は、電極900と垂直に延在し、第3分割ライン83は、電極900と平行に延在する。
半導体基板9にエッチングによって溝(分割ライン81,82,83を構成する溝)4を形成する処理について説明する前に、当該エッチングに用いられるエッチング装置1について、図4を参照しながら説明する。図4は、エッチング装置1の要部構成を示す図である。
反応室11の底部には、半導体基板9を載置する平板状の下部電極(カソード)12が備えられている。下部電極12はブロッキングコンデンサ13、および、第1整合器14を介して、第1高周波電源15に接続されている。また、下部電極12には、ヘリウムガスを流通させる冷却ガス流路(図示省略)が設けられている。
反応室11の側壁には、エッチングガスを導入するガス導入口16、および、反応室11内を、真空ポンプ(図示省略)を用いて排気するためのガス排気口17が設けられている。
反応室11の上部には、誘電体窓18を介して、渦巻状のコイル19が備えられている。コイル19の片端は、第2整合器20を介して第2高周波電源21に接続されており、他端は直接、第2高周波電源21に接続されている。
次に、半導体基板9に溝4を形成する方法について、図5〜図7を参照しながら説明する。図5は、第1の態様に係る溝4の形成処理の流れを示す図である。図6は、マスク3が形成された状態の半導体基板9を模式的に示す図である。図7は、溝4が形成されていく様子を説明するための図である。図8は、溝の深さと溝の底面における平坦面402の幅との関係を示すグラフである。
また、以下に説明する一連の処理は、例えば、半導体基板9に薄膜を形成した後(具体的には例えば、半導体基板9に、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によってAlGaAs結晶とGaAs結晶からなる活性層をエピタキシャル成膜した後)であって、電極900を形成する前のタイミングで実行することができる。もっとも、当該処理を実行するタイミングはこれに限られるものではない。
まず、半導体基板9に、線状領域30を露出させつつそれ以外の部分を覆うマスク3を形成する。ここでは、第3分割ライン83を形成するべき位置が線状領域30となるようなマスク3が形成される。マスク3は、具体的には例えば、レジスト膜、SiO2膜、SiN膜、等により形成することができる。また、マスク3は、半導体基板9における回路形成面とは逆側の面に形成される。
次に、半導体基板9に負のバイアス電圧を印加しつつ半導体基板9を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングすることによって、マスク3に覆われていない部分(線状領域30)に溝4を形成する。
まず、半導体基板9をエッチング装置1の反応室11に搬入して、下部電極12上に載置する。そして、反応室11を所定の真空度まで減圧した後、ガス導入口16から所定のエッチングガスを導入する。また、第2高周波電源21からコイル19に高周波電力を印加するとともに、第1高周波電源15から下部電極12に高周波電力を印加する(上述したとおり、これによって半導体基板9に負のバイアス電圧が印加される)。すると、反応室11において、半導体基板9に対する反応性イオンエッチングプロセスが進行し、マスク3に覆われていない部分(線状領域30)に溝が形成されていく。
そして、エッチングが進むにつれて、溝の深さが増すとともに、溝の角部分(すなわち、底部と側壁の境界部分)に斜めの面401が現れ、底部における平坦面402が小さくなっていく(図7(b))。このような斜めの面401が出現するのは、当該斜めの面401に相当する結晶方位面(n11)(ただし、nは1以上の整数)が、平坦面402に相当する結晶方位面(100)に比べてエッチングされにくいためと考えられる。多くの場合、初めのうちは、この斜めの面401は、傾斜角度が異なる(すなわち、nの値が互いに異なる)面が連なった折れ線状の形となっており、エッチングが進むにつれて、斜めの面401の傾斜角度が一定(例えば、約30°〜約60°の範囲で一定)になっていく。
エッチングがさらに進むと、溝の深さがさらに増すとともに、溝の底部における斜めの面401が占める割合が増加していく。発明者らの実験によると、溝の深さと比例して、平坦面402の幅が小さくなっていくことがわかっている(図8)。
そして、最終的には、平坦面402がなくなり(つまり、平坦面402の幅がゼロとなり)、対向する一対の斜めの面401が、溝の中心線でつながった形となる(図7(c))。つまり、底部42がV字状の溝4が形成される。この時点でエッチングを終了させる。
半導体基板9に溝4を形成する別の方法について、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、第2の態様に係る溝4の形成処理の流れを示す図である。図10は、溝4が形成されていく様子を説明するための図である。図11は、交番プロセスにより溝40が形成されていく様子を説明するための図である。
なお、以下の説明においては、第1の態様と同じ要素については同じ符号で示し、第1の態様と相違しない点については説明を省略する。
まず、半導体基板9に、線状領域30を露出させつつそれ以外の部分を覆うマスク3を形成する。この処理は、第1の態様に係るステップS1と同様である。
第1の態様と同様、第2の態様においても、エッチングによって溝4を形成する。ただし、第1の態様では、処理条件(エッチングガスの種類および導入流量、コイル19に印加する電力、および、下部電極12に印加する電力(つまりは、半導体基板9に印加されるバイアス電圧))を一定にしてエッチングを進行させることにより溝4を形成したが、第2の態様では、以下に説明するように、処理条件を次々と切り換えながらエッチングを進行させることにより溝4を形成する。
第1工程:マスク3で覆われていない部分を等方的にエッチングする工程(図11(a))。この工程は、例えば、ガス導入口16から所定のエッチングガスを導入し、下部電極12には高周波電力を印加せず(すなわち、半導体基板9に負のバイアス電圧を印加せず)、コイル19に所定の高周波電力を印加することによって、行われる。
第2工程:第1工程でエッチングされた部分51の内壁(側壁および底部)に保護膜52を堆積させる工程(図11(b))。この工程は、例えば、ガス導入口16から所定の成膜ガスを導入し、下部電極12およびコイル19にそれぞれ所定の高周波電力を印加することによって、行われる。
なお、上記の2つの工程に、以下の工程(第3工程)を加えた3つの工程を1周期としたプロセスを、複数回繰り返してもよい。
第3工程:半導体基板9に負のバイアス電圧を印加しつつ保護膜52をエッチングすることで底部の保護膜52を除去する工程(図11(c))。この工程は、例えば、ガス導入口16から所定のエッチングガスを導入し、下部電極12およびコイル19にそれぞれ所定の高周波電力を印加することによって、行われる。
上記の2つの工程(あるいは、3つの工程)を1周期としたプロセスを複数回繰り返すことによって、所望の深さの溝40が形成されると、交番プロセスによるエッチングを終了させる。この交番プロセスによると、一対の側壁がほぼ一定の離間距離を保ちつつ延在する形の溝40を、短時間で形成することができる。
ただし、この工程においては、下部電極12に印加する高周波電力(つまりは、半導体基板9に印加するバイアス電圧)を比較的小さい値に設定することが好ましい。具体的には、下部電極12に印加する高周波電力を20〜100Wの範囲に設定する。あるいは、下部電極12に印加する高周波電力を、時間の経過とともに小さくするように制御する。上述したとおり、斜めの面401に相当する結晶方位面(n11)は、平坦面402に相当する結晶方位面(100)よりもエッチングされにくいので、半導体基板9に印加するバイアス電圧の値を比較的小さい値に設定する(あるいは、バイアス電圧を徐々に小さくしていく)ことにより、斜めの面401を残しつつ、平坦な面402だけのエッチングを進行させることができるのである。これによって、溝40の底面を、平坦面402の幅がゼロであり、対向する一対の斜めの面401が溝の中心でつながった形にエッチングすることができる。
<第1実施例>
発明者らは、第1の態様に係る溝4の形成処理を以下の処理条件で実行することによって、半導体基板9に溝4を形成した。
半導体基板9として、GaAs基板を用いた。また、マスク3から露出させる線状領域30は、結晶方位面(011)に沿うものとした。また、マスク3はフォトレジストにより形成した。また、エッチングガスとしてSiCl4を用い、その導入流量を50sccmとした。また、エッチングが進行する間、反応室11の圧力を6Paに維持した。また、コイル19に印加する高周波電力は600Wとし、下部電極12に印加する電力は150Wとした。また、エッチング装置1として、サムコ株式会社製のICP型プラズマエッチング装置:RIE-200iPを用いた。また、マスク3から露出した線状領域30の幅は、11μmとした。また、このときのエッチングレートは、9.6nm/minであった。
その結果、図8に示されるように、溝の深さと比例して平坦面402の幅が小さくなっていき、溝の深さが50μmとなったときに、平坦面402が消滅した。この時点でエッチングを停止することにより、開口幅が11μm、深さが50μmの溝4が得られた。また、この溝4において、底部に現れた斜めの面401の傾斜角度(斜めの面401と水平面とがなす角度)は約45°であった(なお、理論計算では結晶方位面(111)は約55°、同(211)は約35°、同(311)は約25°、同(411)は約19°、同(511)は16°、同(611)は約13°である。したがって、本実施例で底部に現れた斜めの面401はこれらの複数の結晶方位面(n11)(n=1,2,・・)から構成されていると考えられる)。
このような溝4が形成された半導体基板9に、溝4の開口面とは逆側の面から圧力を加えて、半導体基板9を溝4に沿って割ったところ、チップ90にクラックや欠けを生じさせることなく、半導体基板9を割断することができた。
マスク3から露出した線状領域30の幅を7.1μmとする以外は、<第1実施例>と同じ処理条件で半導体基板9に溝4を形成した。
その結果、図8に示されるように、溝の深さと比例して平坦面402の幅が小さくなっていき、溝の深さが約32μmとなったときに、平坦面402が消滅した。この時点でエッチングを停止することにより、開口幅が7.1μm、深さが約32μmの溝4が得られた。また、この溝4において、底部に現れた斜めの面401の傾斜角度(斜めの面401と水平面とがなす角度)は約45°であった(前述したように、本実施例で底部に現れた斜めの面401も、上述した複数の結晶方位面(n11)(n=1,2,・・)から構成されていると考えられる)。
第1実施例で得られる溝4と第2実施例で得られる溝4は、ほぼ同じアスペクト比となっていた。つまり、所望の深さの溝4を得るためには、例えば、マスク3から露出させる線状領域30の幅を調整すればよいことがわかる。
発明者らは、第2の態様に係る溝4の形成処理を以下の処理条件で実行することによって、半導体基板9に溝4を形成した。
ステップS21の交番プロセスの第1工程においては、エッチングガスとしてSiCl4とCl2の混合ガスを用い、SiCl4の導入流量を50sccm、Cl2の導入流量を87sccmとし、コイル19に印加する高周波電力は600Wとし、下部電極12に印加する電力は40Wとし、処理時間は7秒とした。また、第2工程においては、成膜ガスとしてSiCl4を用い、その導入流量を50sccmとし、コイル19に印加する高周波電力は600Wとし、下部電極12に印加する電力は150Wとし、処理時間は5秒とした。また、第1工程〜第2工程までの繰り返し回数は、17回とした。
また、ステップS22のエッチングプロセスにおいては、エッチングガスとしてSiCl4とCl2の混合ガスを用い、SiCl4の導入流量を50sccmとし、Cl2の導入流量を87sccmとし、コイル19に印加する高周波電力は600Wとし、下部電極12に印加する電力は40Wとし、処理時間は7秒とした。
また、エッチングが進行する間、反応室11の圧力を4Paに維持した。
それ以外は、<第1実施例>と同じ処理条件で半導体基板9に溝4を形成した。
その結果、<第1実施例>と同様の溝4を得ることができた。
上記の実施形態においては、半導体基板9としてGaAs基板を用いており、この場合は、エッチングガスとして、SiCl4、あるいは、SiCl4とCl2の混合ガスを用いることが好ましいが、半導体基板9として例えばシリコン基板を用いる場合は、エッチングガスとして、SF6を用いることが好ましい。
11 反応室
12 下部電極
13 ブロッキングコンデンサ
14 第1整合器
15 第1高周波電源
16 ガス導入口
17 ガス排気口
18 誘電体窓
19 コイル
20 第2整合器
21 第2高周波電源
3 マスク
30 線状領域
4 溝
41 側壁
42 底部
401 斜めの面
402 平坦面
40 底部が平坦な溝
9 半導体基板
90 チップ
91 電極
81,82,83 分割ライン
Claims (9)
- 半導体基板の製造方法であって、
a)所定の結晶構造を有する半導体基板の表面において、前記結晶構造の結晶方位面(110)、(−110)、(011)および、(01−1)のうちの少なくとも一個に沿う線状領域を露出させつつ、それ以外の部分を覆うマスクを形成するマスク形成工程と、
b)前記半導体基板に負のバイアス電圧を印加しつつ前記半導体基板を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングすることによって、前記マスクに覆われていない部分に溝を形成する溝形成工程と、
を備える、半導体基板の製造方法。 - 半導体基板の製造方法であって、
a)所定の結晶構造を有する半導体基板の表面において、前記結晶構造の結晶方位面(110)、(−110)、(011)および、(01−1)のうちの少なくとも一個に沿う線状領域を露出させつつ、それ以外の部分を覆うマスクを形成するマスク形成工程と、
b)前記マスクで覆われていない部分をエッチングすることにより溝を形成する溝形成工程と、
を備え、
前記溝形成工程が、
b1)前記マスクで覆われていない部分を等方的にエッチングする工程と、前記エッチングされた部分の内壁に保護膜を堆積させる工程と、を繰り返し行うことにより、前記半導体基板に、対向する一対の側壁を有する溝を形成する側壁形成工程と、
b2)前記半導体基板に負のバイアス電圧を印加しつつ前記半導体基板を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングすることによって、前記側壁形成工程にて形成された溝の底部を、当該溝の中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜したV字形状にエッチングするV字状底部形成工程と、
を備える、半導体基板の製造方法。 - 請求項2に記載の半導体基板の製造方法であって、
前記溝形成工程が、
b3)前記半導体基板に負のバイアス電圧を印加しつつ前記溝の側壁を反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングする側壁エッチング工程、
をさらに備える、半導体基板の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の半導体基板の製造方法であって、
前記溝が、
前記半導体基板におけるチップ間の境界に形成されている、
半導体基板の製造方法。 - 請求項4に記載の半導体基板の製造方法であって、
c)前記半導体基板に圧力を加えて、前記半導体基板を前記溝に沿って割る工程、
をさらに備える、半導体基板の製造方法。 - 半導体基板であって、
線状に延在する溝、
を備え、
前記溝が、
一定の離間距離を保ちつつ延在する一対の側壁と、
前記側壁と連なり、前記溝の中心線に近づくにつれて深さが増すように傾斜した底部と、
を備える、半導体基板。 - 請求項6に記載の半導体基板であって、
前記溝が、
前記半導体基板におけるチップ間の境界に形成されている、
半導体基板。 - 請求項6または7に記載の半導体基板であって、
前記半導体基板が、所定の結晶構造を有し、
前記溝が、前記結晶構造の結晶方位面(110)、(−110)、(011)および、(01−1)のうちの少なくとも一個に沿って延在する、
半導体基板。 - 請求項6から8のいずれかに記載の半導体基板であって、
前記半導体基板が、所定の結晶構造を有し、
前記溝の底部の少なくとも一部分が、前記結晶構造の結晶方位面(n11)(ただし、nは1以上の整数)に沿う面である、
半導体基板。
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