JP2017112293A - 溝を有するシリコンカーバイド基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実用的なエッチング速度で、底部に曲面を有する断面がU字状の溝をSiC基板に形成する。
【解決手段】SiC基板の表面には、溝に対応する位置に開口部を有するマスクが形成されており、溝を有するSiC基板の製造方法は、SF6、SiF4、および酸素を含む第1プロセスガスを用いて生成した第1プラズマで、前記SiC基板の前記開口部から露出した部分をエッチングすることで前記溝を形成するプラズマエッチング工程を備える。前記プラズマエッチング工程において、形成途中の前記溝の側壁の少なくとも一部に反応生成物を堆積させて庇部を形成することにより、エッチング終了時の前記溝の底部に曲面を形成して、前記溝の断面形状をU字状とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、溝を有するシリコンカーバイド(SiC)基板の製造方法に関する。
パワー半導体素子として、半導体基板に形成された溝(トレンチ)と、この溝の内部に設けられたゲート絶縁膜およびゲート電極などからなる、トレンチ型のMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)素子が知られている。また、半導体基板としてSiC基板を用いるSiCパワー半導体素子(以下、パワー素子とも言う)は、従来のSi基板を用いるSiパワー素子と比較して、オン抵抗が小さく、電力損失が小さいといった利点を有するため、近年注目されている。トレンチ型のMOSFET素子の製造においては、エッチングによりSiC基板に溝(トレンチ)を形成する工程がある。
特許文献1は、SiC基板に溝を形成する際に、高いエッチング速度を確保しながらも、溝の底部にマイクロトレンチが形成されるのを抑制することを目的としている。このような観点から、特許文献1では、エッチングのプロセスガスに含まれるSF6の割合を5%以下にし、SiC基板に印加する高周波電力(バイアス電力)を350W以上にすることを提案している。
特開2013−48160号公報
トレンチ型のMOSFET素子の場合、素子の電気的な耐圧を高めるため、溝の底部が曲面状になるように溝を加工し、溝の内部に設けられるゲート絶縁膜への電界集中を緩和することが望ましい。Si基板の場合は、フッ素ラジカルなどとの反応性が高く、溝の底部を曲面状に加工することができる。しかし、SiC基板を構成するSi−C結合の結合エネルギーがSi基板を構成するSi−Si結合の結合エネルギーより大きい等の理由から、SiC基板はSi基板に比べてエッチングされにくい。したがって、実用的な速度でSiC基板のエッチングを行うには、高いバイアス電力を印加することとなる。そうすると、イオンによる物理的スパッタリングの寄与が大きくなり、溝の底部の隅部にマイクロトレンチが形成されたり、溝の底部の隅部が角ばった形状となったりして、底部に曲面を形成することが難しくなる。
本発明の目的は、実用的なエッチング速度で、底部(特にその隅部)に曲面を有する断面形状がU字状の溝(以下、U字溝とも言う)をSiC基板に形成できる、溝を有するSiC基板の製造方法を提供することである。
本発明の一局面は、溝を有するSiC基板の製造方法であって、
前記SiC基板の表面には、前記溝に対応する位置に開口部を有するマスクが形成されており、
SF6、SiF4、および酸素を含む第1プロセスガスを用いて生成した第1プラズマで、前記SiC基板の前記開口部から露出した部分をエッチングすることで前記溝を形成するプラズマエッチング工程を備え、
前記プラズマエッチング工程において、
形成途中の前記溝の側壁の少なくとも一部に反応生成物を堆積させて庇部を形成することにより、エッチング終了時の前記溝の底部に曲面を形成して、前記溝の断面形状をU字状とする、SiC基板の製造方法に関する。
本発明によれば、実用的なエッチング速度で、底部(特に隅部)に曲面を有するU字溝を備えたSiC基板を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る溝を有するSiC基板の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係るSiC基板の製造に使用されるプラズマ処理装置を説明するための模式図である。 実施例1で得られたSiC基板の溝の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 実施例2のNo.1の条件で形成されたSiC基板の溝の断面を示すSEM画像である。 実施例2のNo.2の条件で形成されたSiC基板の溝の断面を示すSEM画像である。 実施例2のNo.3の条件で形成されたSiC基板の溝の断面を示すSEM画像である。
以下に適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態についてより詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態の変形および改変を含むことができる。
本実施形態では、溝が形成されたSiC基板を製造する。SiC基板の表面には、溝に対応する位置に開口部を有するマスク(第1マスク)が形成されている。SiC基板の製造方法は、SF6、SiF4、および酸素を含むプロセスガス(第1プロセスガス)を用いて生成したプラズマ(第1プラズマ)で、SiC基板の開口部から露出した部分をエッチングすることで溝を形成するプラズマエッチング工程を備える。プラズマエッチング工程においては、形成途中の溝の側壁の少なくとも一部に反応生成物を堆積させて庇部を形成することにより、エッチング終了時の溝の底部に曲面を形成する。
SiC基板に含まれるSi−C結合の結合エネルギーがSi基板を構成するSi−Si結合の結合エネルギーより大きい等の理由から、SiC基板はSi基板に比べてエッチングされにくい。したがって、実用的な速度でSiC基板のエッチングを行うには、高いバイアス電力を印加することとなる。そうすると、イオンによる物理的スパッタリングの寄与が大きくなり、溝の底部の隅部にマイクロトレンチが形成されたり、溝の底部の隅部が角ばった形状となったりして、底部に曲面を形成することが難しくなる。その結果、SiC基板を用いてトレンチ型のMOSFET素子を作製した場合に、素子の電気的な耐圧が損なわれやすい。
本発明では、形成途中の溝の側壁の少なくとも一部に反応生成物を堆積させることにより庇部を形成する。庇部により、溝の底部の側壁近傍の部分(主として底部の隅部)がマスクされることになるため、この部分に入射されるイオンの量を少なくすることができる。溝の底部において、庇部でマスクされない部分ではエッチングが進行し、マスクされた部分ではゆっくりとエッチングされることになる。よって、溝の底部(特に、底部の隅部)に曲面が形成されることとなる。このように庇部はエッチングの際のマスクとして作用するため、第2マスクと呼ぶことがある。
なお、本明細書中、溝の底部に曲面が形成されることを、U字溝が形成される、溝の底部がラウンド形状となる、または溝の底部がラウンド化されると言う場合がある。
図1は、本実施形態に係るSiC基板の製造方法によりSiC基板に溝を形成する際のSiC基板の断面模式図である。
SiC基板1の表面には、溝以外の領域を保護する第1マスクm1が形成されている(a)。第1マスクm1は、溝に対応する位置に開口部2を有している。プラズマエッチング工程S1では、SiC基板1の開口部2から露出した部分を、プラズマエッチングすることで、溝3を形成する。プラズマエッチング工程S1では、SF6、SiF4、および酸素を含むプロセスガス(第1プロセスガス)を用いて生成したプラズマ(第1プラズマ)によって、プラズマエッチングが行われる。
第1プラズマには、プロセスガスから生成されたフッ素ラジカルや酸素ラジカルが含まれる。フッ素ラジカルと酸素ラジカルは、SiC基板に含まれるSiおよびCと反応し、反応生成物として、SiF4、CO2、およびシリコン酸化物を形成する。揮発性が比較的高いSiF4とCO2は、SiC基板から離脱するため、結果としてSiC基板がエッチングされる。一方、反応生成物として形成されたシリコン酸化物は、揮発性が低いため、少なくとも一部は形成途中の溝3の側壁wの少なくとも一部に堆積する。また、第1プロセスガスに含まれるSiF4は、酸素と反応し、反応生成物としてシリコン酸化物とフッ素ラジカルを生成する。SiF4と酸素との反応により形成されたシリコン酸化物もまた、揮発性が低いため、形成途中の溝3の側壁wの少なくとも一部に堆積する。このように、SiC基板と第1プラズマとの反応により、SiC基板がエッチングされ、溝3が形成されるとともに、反応生成物が、形成途中の溝3の側壁wの少なくとも一部に堆積することにより、庇部4が形成される(b)。この庇部4は、溝のエッチングが進行するにつれて大きくなる(c)。
庇部4は、第1マスクm1の開口部2の側壁および溝3の側壁wの上部(第1マスクm1側)に形成され、溝3をエッチングする際の第2マスクとして作用する。溝3の底部において、側壁wの近傍の領域(より具体的には、庇部4の直下の領域)では、庇部4で遮蔽されて、入射されるイオン量が少なくなり、エッチングが進行し難くなる。一方、庇部4で遮蔽されない領域では、エッチングが遅延なく進行する。そのため、溝3の底部が曲面状にエッチングされ、底部がラウンド化された溝3が形成される(c)。
庇部4は、底部がラウンド化された溝3を形成した後に除去することができる((d)、(e)(庇部除去工程,S2))。庇部4は、プラズマエッチング工程S1で生成した反応生成物が堆積することにより形成され、主として、シリコン酸化物からなる。このため、フッ素系のプラズマにより、除去することができる。庇部除去工程S2は、第1マスクm1および溝3の側壁wや底部に比べて、庇部4を選択的にエッチングし易い条件で行うことが望ましい。
なお、SiC基板の製造方法は、プラズマエッチング工程S1に先立って、SiC基板22の表面に第1マスクを形成するマスク形成工程を含んでもよい。
図2は、本実施形態に係るSiC基板の製造方法に使用されるプラズマ処理装置を説明するための模式図である。図2のプラズマ処理装置21は、誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置である。プラズマ処理装置21は、プラズマを発生させる空間(つまり、反応室)を提供するチャンバ23を備える。チャンバ23は、プロセスガス(エッチングガス)を反応室内に導入するガス導入口23aと、反応室から排気する排気口23bとを備えている。ガス導入口23aには、プロセスガスを反応室内に供給するガス供給源24が接続されている。排気口23bには、反応室内を減圧排気するための減圧ポンプを含む減圧機構25が接続されている。
チャンバ23の頂部は、誘電体壁26で閉鎖されている。誘電体壁26の上部には、上部電極としてのアンテナ27が配されている。アンテナ27には、第1高周波電源28Aから、高周波電力が印加される。チャンバ23内の下方には、ステージ11が配されており、ステージ11上にはSiC基板22が載置される。ステージ11は、金属ブロック12上に配置され、金属ブロック12はベース部13内に収容されている。金属ブロック12は、第2高周波電源28Bと電気的に接続されており、下部電極として、SiC基板22に高周波電力を印加可能である。
減圧機構25を稼動させると、チャンバ23の内部が減圧される。減圧されたチャンバ23の内部にプロセスガスを導入した状態で、第1高周波電源28Aにより誘電体壁26とステージ11との間に高周波電圧を印加すると、導入されたプロセスガスがプラズマ化される。プロセスガス流量および減圧機構25の出力は、コントローラ19により各々制御される。導入口23aおよび排気口23bの開度もコントローラ19により各々制御される。その他、プラズマ処理装置21を構成する各要素の制御も、コントローラ19により行われる。
ステージ11は、冷却装置14と、SiC基板22を静電吸着するための静電吸着用電極16とを備えている。冷却装置14は、金属ブロック12内に形成された冷媒流路12aと、温調された冷媒を冷媒流路12a内に循環させる冷媒循環装置15とを備えている。静電吸着用電極16は、駆動電源17に電気的に接続されている。ステージ11のSiC基板22が載置される位置には、図示しない伝熱ガスの供給孔が設けられており、この供給孔には伝熱ガス源18から伝熱ガスが供給される。
以下に、各工程についてより詳細に説明する。
(マスク形成工程)
SiC基板の製造方法は、必ずしもマスク形成工程を含む必要はないが、プラズマエッチング工程と一連の工程としてマスク形成工程を含むこともできる。マスク形成工程では、溝に対応する位置に開口部を有するマスク(第1マスク)を、SiC基板の表面に形成する。
第1マスクとしては、レジスト、金属薄膜などを用いることもできるが、トレンチ型のMOSFET素子のように、ほぼ垂直な側壁を備える溝を形成する場合、SiC基板に対して比較的高いエッチング選択比を確保できるとともに、SiC基板に対する金属汚染をもたらしにくい等の観点から、SiO2膜を用いることが好ましい。
第1マスクは、その構成材料の種類に応じて公知の方法でSiC基板の表面に形成できる。SiO2マスクの場合、まず、SiC基板の表面にCVD法などの気相法により、SiO2薄膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィーにより、SiO2薄膜上に、溝に対応する部分に開口部を有するレジスト膜を形成する。そして、レジスト膜の開口部のSiO2膜をエッチングすることで、溝に対応する位置に開口部を有するSiO2マスクが形成される。SiO2膜のエッチングは、ドライエッチングにより行うことができる。SiO2膜のエッチング後に、SiO2マスクの上に残存するレジスト膜は、酸素プラズマなどによるアッシングや、アセトンなどの有機溶剤に溶解させることにより、除去する。
第1マスクの厚みは、例えば、0.5μm〜5μmであり、1μm〜3μmであることが好ましい。第1マスクの厚みがこのような範囲である場合、プラズマエッチング工程や庇部除去工程において、第1マスクが過度にエッチングされることで、開口部以外の領域においてSiC基板がエッチングされることを抑制することができる。
(プラズマエッチング工程)
プラズマエッチング工程では、SiC基板の、第1マスクの開口部から露出した部分をプラズマエッチングすることで溝を形成する。
溝の底部(特に底部の隅部)をラウンド化するために、形成途中の溝の側壁の少なくとも一部の領域に庇部を形成し、この庇部を第2マスクとしてエッチングを行う。庇部は、プラズマエッチングを行う際に、生成する反応生成物を堆積させることにより形成することができる。
プラズマエッチング工程は、通常、ドライエッチングを行うことができるプラズマ処理装置の反応室内で行われる。エッチングに利用されるプラズマ(第1プラズマ)は、反応室内でプロセスガスを用いて生成される。プロセスガスとしては、SF6、SiF4、および酸素を含む第1プロセスガスが使用される。
第1プラズマには、第1プロセスガスから生成されたフッ素ラジカルや酸素ラジカルが含まれる。フッ素ラジカルと酸素ラジカルは、SiC基板に含まれるSiおよびCと反応し、反応生成物として、SiF4とCO2とシリコン酸化物を形成する。揮発性が比較的高いSiF4とCO2は、SiC基板から離脱するため、結果としてSiC基板がエッチングされる。一方、反応生成物として形成されたシリコン酸化物は、揮発性が低いため、少なくとも一部は形成途中の溝の側壁の少なくとも一部に堆積する。
また、第1プロセスガスに含まれるSiF4は、酸素と反応し、反応生成物としてシリコン酸化物とフッ素ラジカルを生成する。SiF4と酸素との反応により形成されたシリコン酸化物もまた、揮発性が低いため、形成途中の溝の側壁の少なくとも一部に堆積する。このように、SiC基板と第1プラズマとの反応により、SiC基板がエッチングされ、溝が形成されるとともに、反応生成物が、形成途中の溝の側壁の少なくとも一部に堆積することにより、庇部が形成される。
第1プロセスガスにおいて、SiF4のSF6に対する体積比(=SiF4/SF6)は、例えば、0.5〜3.0であり、0.7〜2.0であることが好ましく、0.9〜1.6であることがさらに好ましい。SiF4/SF6比がこのような範囲である場合、SiF4に由来するシリコン酸化物が適度に生成されるため、エッチングにより溝を形成し易いながらも、適度な庇部を形成し易い。よって、溝の底部のラウンド化がさらに容易になる。
第1プロセスガスにおいて、酸素のSF6に対する体積比(=O2/SF6)は、例えば、1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8であり、さらに好ましくは1.5〜2.6である。O2/SF6比がこのような範囲である場合、O2に由来するシリコン酸化物が適度に生成するため、エッチングにより溝を形成し易いながらも、適度な庇部を形成し易い。よって、溝の底部のラウンド化がさらに容易になる。
第1プロセスガスは、通常、Ar、He、Xe、Neなどの不活性ガスを含むことができる。この場合、不活性ガスは希釈ガスとして用いられる。第1プロセスガスは、一種の不活性ガスを含んでもよく、二種以上の不活性ガスを含んでもよい。不活性ガスのうち、入手が容易で比較的安価である観点から、Arが好ましい。第1プロセスガスに含まれる不活性ガスの比率は、80〜95体積%であることが好ましく、85〜95体積%であることがさらに好ましい。なお、不活性ガスとは、SiC基板と化学反応しないガスを言う。不活性ガスは、反応室内でイオン化されて、SiC基板の物理的なエッチングに関与する場合がある。
プラズマエッチング工程では、第1プロセスガスを第1プラズマに変換するために、第1プロセスガスを反応室に供給しながら、上部電極に、高周波電力が供給される。プラズマエッチング工程において、上部電極に供給される高周波電力(第1高周波電力)は、例えば、300W〜4000Wであり、700W〜3000Wであることが好ましい。また、第1高周波電力の周波数は、例えば、13.56MHzとしてもよい。
プラズマエッチング工程において、SiC基板に印加されるバイアス電力(第2高周波電力)の電力密度は、例えば、0.5W/cm2〜2.5W/cm2である。電力密度がこのような範囲である場合、高いエッチング速度を確保しながらも、形成された庇部が必要以上にエッチングされることを抑制し易い。
エッチングは、200℃以下の温度で行うことが好ましく、180℃以下または150℃以下であってもよい。エッチングは、50℃以上の温度で行うことができ、70℃以上または80℃以上の温度で行ってもよい。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。エッチングの温度は、例えば、50〜200℃、70〜200℃、80〜200℃、または70〜180℃であってもよい。このような温度でエッチングを行うことで、適度な量のシリコン酸化物が生成するため、エッチングにより溝を形成し易いながらも、適度な庇部を形成し易い。よって、溝の底部のラウンド化が容易になる。なお、エッチングの温度は、エッチングする際のSiC基板の温度である。
エッチングを行う際の圧力(反応室内の圧力)は、例えば、0.5〜10Pa、好ましくは1〜6Paに制御されている。圧力がこのような範囲である場合、適度なエッチングレートを確保できるため、高い生産性を確保し易く、適度な庇部を形成し易いため、溝の底部のラウンド化がさらに容易になる。また、圧力が上記の範囲である場合、エッチングにより溝を形成し易く、溝の側壁の角度を、SiC基板の厚み方向に垂直に(またはそれに近く)し易いため、トレンチ型のMOSFET素子の作製に適している。
(庇部除去工程)
庇部除去工程では、プラズマエッチング工程で形成された庇部を、エッチングにより除去することができる。庇部は、溝の底部をラウンド化するために必要であるが、所望の形状の溝をプラズマエッチング工程で形成した後には不要となる。不要となった庇部は、庇部除去工程で除去することができ、整った形状の溝が形成されたSiC基板を得ることができる。
庇部除去工程で行うエッチングのための手法は、庇部を除去することができる限り特に制限されない。プラズマエッチング工程は、プラズマ処理装置の反応室内で行われるため、庇部の除去を、プラズマエッチングにより行うと簡便である。この場合、庇部除去工程を、プラズマエッチング工程に続いて、反応室内で行うことができる。
庇部の除去に使用されるプラズマ(第2プラズマ)は、プロセスガス(第2プロセスガス)を用いて生成される。第2プロセスガスは、SF6および不活性ガスを含んでおり、実質的にSiF4を含まないことが好ましい。この場合、SiC基板やマスクのエッチングを抑制しながら、庇部を選択的にエッチングし易い。不活性ガスとしては、第1プロセスガスについて例示したものから選択できる。中でも、Arが好ましい。
第2プロセスガスに占めるSF6および不活性ガスの合計割合は、90体積%以上であることが好ましい。第2プロセスガスに占めるSF6の割合は、30〜70体積%または40〜60体積%であることが好ましい。
第2プロセスガス中のSiF4の割合は、例えば、0.5体積%以下であり、0.1体積%以下であることが好ましい。特に、第2プロセスガスが、SiF4を含まないことが好ましい。
プラズマエッチングにより庇部を除去する場合、第2プロセスガスを反応室に供給しながら、上部電極に高周波電力が供給され、この高周波電力により第2プラズマが生成する。庇部除去工程において、上部電極に供給される高周波電力(第3高周波電力)およびその周波数は、第1高周波電力について記載した範囲から適宜設定できる。
庇部除去工程において、SiC基板に印加されるバイアス電力(第4高周波電力)の電力密度は、50mW/cm2以下であることが好ましく、40mW/cm2以下または30mW/cm2以下であることがさらに好ましい。第4高周波電力の電力密度は、0mW/cm2以上である。
庇部除去工程の温度は、特に制限されない。プラズマエッチングにより庇部を除去する場合には、プラズマエッチング工程について記載したエッチングの温度の範囲から適宜設定できる。
プラズマエッチングにより庇部を除去する場合、エッチングを行う際の圧力(反応室内の圧力)は、例えば、3〜20Paであり、好ましくは5〜15Paまたは7〜12Paである。
このようにして形成される溝のサイズは、特に制限されない。適度な庇部を形成して、溝の底部をラウンド化し、整った形状の溝を形成する観点からは、溝の深さは、1〜10μmであることが好ましい。なお、溝の深さとは、第1マスクと接触するSiC基板の表面から、溝の最も深い位置までの距離を言うものとする。
また、上記の同様の観点から、溝の深さの溝の幅に対するアスペクト比は、1.5〜10であることが好ましい。
(マスク除去工程)
SiC基板に溝を形成した後、SiC基板の表面に形成された第1マスクは除去される。第1マスクの除去は、マスクの種類に応じて公知の方法で行うことができる。SiO2マスクの場合には、ドライエッチングにより除去することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)マスク形成工程
SiC基板(厚み:300μm)の一方の表面に、所定パターンのSiO2マスク(ラインアンドスペースL/S=4/2、厚み2μm)を既述の手順で形成した。
(2)プラズマエッチング工程
SiO2マスクを形成したSiC基板をプラズマ処理装置が備える反応室内に搬入して、反応室内に設けられたステージ上に載置した。
反応室内に、第1プロセスガスを供給しながら、プラズマを発生させて、SiC基板を、SiO2マスクの開口部から露出した領域においてをエッチングした。より具体的には、第1プロセスガスを反応室内に導入しつつ、反応室内を排気して反応室内の圧力を4Paに維持した。2100Wの第1高周波電力(周波数:13.56MHz)を上部電極に供給して、反応室内にプラズマを発生させ、SiC基板の表面をプラズマに600秒間晒すことにより、SiC基板をエッチングした。このとき、下部電極からSiC基板に420W(基板の面積あたりの電力密度:約1.34W/cm2)のバイアス電力(第2高周波電力)を印加した。なお、第1プロセスガスとしては、SF6、O2、ArおよびSiF4の混合ガスを、SF6/O2/Ar/SiF4=13sccm/23sccm/500sccm/13sccmの流量で供給した。また、処理中のSiC基板の温度は約190℃であった。
このプラズマエッチング工程により、SiC基板には溝が形成されるとともに、溝の上部の壁面には、庇部が形成された。プラズマエッチング工程におけるエッチング速度は、約0.48μm/分であった。
(3)庇部除去工程
プラズマエッチング工程(2)に続いて、反応室内に第2プロセスガスを導入しつつ、反応室内を排気して内部の圧力を8Paに維持した。次いで、上部電極に2400Wの高周波電力(第3高周波電力)を供給して反応室内にプラズマを発生させ、80℃の温度で、SiC基板を180秒間プラズマに晒した。このとき、下部電極から電圧は印加しなかった。これにより、SiC基板の溝の壁面に形成された庇部を除去した。第2プロセスガスとしては、SF6およびArの混合ガスを、SF6/Ar=50sccm/50sccmの流量で供給した。
このようにして、深さ4.8μm、アスペクト比2の溝が形成されたSiC基板を製造した。溝の底部の断面形状のSEM画像を図3に示す。図3に示されるように、溝の底部がラウンドかできていることが確認できた。この時の、溝の底部の隅部に形成された曲面の曲率半径は0.3μmであった。
実施例2
従来のSiCのドライエッチングでは、前述のように、SF6とO2を含むガスを用いることが一般的である。しかし、SF6とO2を含むガスにSiF4ガスを添加するとともに、これらのガスの比率を特定の範囲とすることにより、溝の底部をよりきれいにラウンド化できる。その詳細について説明する。
以下の表1に示すNo.1〜No.3の条件でSiC基板のドライエッチングを実行したところ、ラウンド形状の溝を得ることができた。なお、いずれの条件においても、圧力は4Pa、第1高周波電力は2100W、第2高周波電力は420W(電力密度1.3W/cm2に相当)、基板温度は約190℃であった。
図4a〜図4cは、それぞれ表1の実験No.1〜No.3の条件でエッチングすることにより形成された溝の断面を示すSEM画像である。
図4a〜図4cから分かるように、No.1、No.2およびNo.3の条件では、きれいなラウンド形状の溝が得られた。これらの3条件では、溝の底部の隅部に形成された曲面の曲率半径はいずれも0.3μm以上であった。このように、O2/SF6比を1.0〜3.0とすることにより、O2に由来するシリコン酸化物の生成量を、庇部を形成するのに適度な量とすることができ、溝のラウンド化がより容易になる。また、SiF4/SF6比を0.5〜3.0とすることにより、SiF4に由来するシリコン酸化物の生成量を、庇部を形成するのに適度な量とすることができ、溝のラウンド化がより容易になる。
本発明によれば、プラズマエッチングにより、SiC基板に、底部がラウンド化された溝を形成することができる。よって、本実施形態は、SiC基板に溝を形成する様々な用途に利用でき、特に、トレンチ型のMOSFET素子に有用である。
1、22:SiC基板、2:開口部、3:溝、4:庇部、m1:第1マスク、w:溝の側壁、S1:プラズマエッチング工程、S2:庇部除去工程、11:ステージ、12:金属ブロック、13:ベース部、14:冷却装置、15:冷媒循環装置、16:静電吸着用電極、17:駆動電源、18:伝熱ガス源、19:コントローラ、21:プラズマ処理装置、23:チャンバ、23a:導入口、23b:排気口、24:ガス供給源、25:減圧機構、26:誘電体壁、27:アンテナ、28A:第1高周波電源、28B:第2高周波電源

Claims (11)

  1. 溝を有するシリコンカーバイド基板の製造方法であって、
    前記シリコンカーバイド基板の表面には、前記溝に対応する位置に開口部を有するマスクが形成されており、
    SF6、SiF4、および酸素を含む第1プロセスガスを用いて生成した第1プラズマで、前記シリコンカーバイド基板の前記開口部から露出した部分をエッチングすることで前記溝を形成するプラズマエッチング工程を備え、
    前記プラズマエッチング工程において、
    形成途中の前記溝の側壁の少なくとも一部に反応生成物を堆積させて庇部を形成することにより、エッチング終了時の前記溝の底部に曲面を形成して、前記溝の断面形状をU字状とする、シリコンカーバイド基板の製造方法。
  2. 前記第1プロセスガスにおいて、前記SiF4の前記SF6に対する体積比は、0.5〜3.0である、請求項1に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  3. 前記第1プロセスガスにおいて、前記酸素の前記SF6に対する体積比は、1.0〜3.0である、請求項1または2のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  4. 前記プラズマエッチング工程において、前記シリコンカーバイド基板に印加される高周波電力の電力密度は、0.5W/cm2〜2.5W/cm2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  5. 前記プラズマエッチング工程の後、前記庇部をエッチングにより除去する庇部除去工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  6. 前記庇部除去工程において、前記庇部は、第2プラズマでエッチングすることにより除去される、請求項5に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  7. 前記第2プラズマは、第2プロセスガスを用いて生成され、
    前記第2プロセスガスは、SF6およびArを含み、実質的にSiF4を含まない、請求項6に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  8. 前記庇部除去工程において、前記シリコンカーバイド基板に印加される高周波電力の電力密度は、50mW/cm2以下である、請求項6または7に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  9. 前記プラズマエッチング工程は、反応室内で行われ、
    前記庇部除去工程は、前記反応室内で、前記プラズマエッチング工程に続いて行われる、請求項5〜8のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  10. 前記溝の深さは、1〜10μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
  11. 前記溝の深さの前記溝の幅に対するアスペクト比は、1.5〜10である、請求項10に記載のシリコンカーバイド基板の製造方法。
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