JP5154013B2 - ドライエッチング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Siから成る被処理体にトレンチを形成するためのドライエッチング方法に関する。特に、深さが深く形状が良好なトレンチを形成するためのドライエッチング方法に関する。
近年、エレクトロニクス機器の小型化が進むにつれて、それに使用する半導体デバイス、例えば集積回路及びフラットパネルディスプレイ等もその小型化が要求されている。半導体デバイスを作製するために、シリコン基板にトレンチ(又は溝)、ビアホール(又は穴)及びその他の構造等(以下、これらをまとめて「トレンチ等又は単にトレンチ」ともいう)が形成され得るが、上述のような要求のために、シリコン基板に形成されるトレンチ等は、その深さがより深いもの、例えば、50μm以上の深さを有することが求められるようになった。尚、ここで、深さとは、シリコン基板表面からトレンチ等の底までの距離をいい、電子顕微鏡にて測定した値を意味する。
このような深さが深いトレンチ等をシリコン基板に形成する方法として、プラズマ処理室(又は単に「処理室」ともいう)において、シリコン基板のエッチングを行うドライエッチング方法(又はプラズマエッチング方法)が知られている。図1に、そのようなドライエッチング方法に用いられるドライエッチング装置(100)の一例の模式図を示す。この装置は、ICP(inductively Coupled Plasma)型エッチング装置であり、真空のエッチングチャンバ(又はエッチング処理室)(110)、エッチングチャンバ内の上部電極(120)及び下部電極(130)、高周波電源(140)及び(150)、ガス導入口(160)及びガス排気口(170)を備える。
まず、エッチングを行うシリコン基板(200)を、下部電極(130)上に配置する。エッチングチャンバ(100)にエッチングガスを導入し、それをプラズマ化して活性種(イオン及びラジカル等)を生じさせる。シリコン基板(200)上に、所望の形状のマスク(例えば、フォトレジスト及びハードマスク等、図示せず)を配置し、そのマスクの開口部を通して活性種をシリコン基板に入射させて、シリコン基板(200)をエッチングして所望の深さのトレンチ等を形成する。
図2(a)及び(b)は、トレンチ等の理想的な断面の輪郭又は形状の模式図を示す。
図2(a)及び(b)の各々には、シリコン基板(200)の上にマスク(210)が配置され、マスクの下のシリコン基板内に、トレンチ(220)が形成されている。マスク(210)の開口部から垂直に下方にトレンチ(220)が形成されている。
図2(a)に示すトレンチ(220)の断面の輪郭は、長方形と成っており、トレンチ(220)の幅は一定であり、壁には、凹凸がない。
図2(b)に示すトレンチ(220)の断面は、テーパ形状と成っており、トレンチ(220)の幅は下方に向かって一定の割合で狭くなり、壁には、凹凸がない。
図3は、現実的なトレンチ等の断面の輪郭又は形状の模式図を示す。図2と同様にシリコン基板(200)の上にマスク(210)が配置され、マスクの下のシリコン基板内に、トレンチ(320)が形成されている。しかし、このトレンチの断面の輪郭は、図2のものと大きく異なる。マスク(210)の下に、切れ込んでいるエッチング部分(330)がある。これをアンダーカットともいう。更に、アンダーカット(330)の下のトレンチの壁は、弓状にエッチングされている部分(340)がある。これをボーイングともいう。これらの部分を生ずることにより、図3のトレンチの断面の輪郭は、長方形とはならず、マスクの開口部より広い開口部を有し、トレンチの幅がトレンチの深さにより変化し、更に壁に湾曲を有する。このようなトレンチに生じ得るトレンチ形状(又は輪郭)の不規則性は、実際に半導体デバイスを用いる際に、許容できない結果をもたらし得る。
このようなトレンチの形状の不規則性を、式(I)で定義するサイドエッチング比で規定する。
式I:サイドエッチング比=(アンダーカット(330)+ボーイング(340))/深さ(d)
即ち、サイドエッチング比は、深さに対して側方方向に最大どれくらいエッチングが進行したかを示す指標であるといえる。
サイドエッチング比は、理想的には0であるが、トレンチの深さを考慮した全体的な形状から、0.05以下であることが好ましい。
現実のトレンチに、このような形状の不規則性を生ずる理由は次のようなメカニズムによると考えられている。プラズマ処理室に導入されたエッチングガスをプラズマ化すると、イオンとラジカルの二種類の活性種が生ずる。これらの生じた活性種のうち、イオンは負バイアスにより加速されてシリコン基板(200)に垂直方向から入射して、シリコン基板(200)の表面に対して垂直方向にエッチングを進行させる、これに対しラジカルは、負バイアスの影響を受けないので、シリコン基板(200)の表面に対して特定の方向性を有さず、ランダムに、即ち、等方的に入射するので、側方方向のエッチングも進行する。従って、マスク(210)の開口部の直下に、アンダーカット(330)やボーイング(340)等のサイドエッチングを生じさせる。
そこで、トレンチの断面形状を良好に保ちつつ、深いトレンチを形成するエッチング方法が検討されている。
特許文献1は、プラズマエッチングの前及び/又はその間に、Cを用いることにより、トレンチの側壁上にケイ素化合物から成る保護膜を形成することで、良好な形状を有するトレンチを形成する方法を開示する。しかし、この方法は、Cに由来する保護膜の形成によりトレンチの側壁上に凹凸を生じ得る、Cを用いるために、エッチングガスの切り替え時間が必要であり全体としてのエッチング速度が遅い、処理室内壁に保護膜が堆積するので、プラズマの状態を不安定にさせ、シリコン基板の処理枚数の増大に伴いエッチング特性が変動する等の問題がある。
特許文献2は、SFとOに比較的高流量のヘリウムを添加したエッチングガスを用いてプラズマを発生させてエッチングする方法であって、垂直方向にエッチングする方法が開示する。しかし、この方法には、エッチング速度が十分でない、又は所定の深さに到達する前にシリコン基板上のマスクが消失し得るという問題点がある。エッチング速度が不十分となるのは、高流量のヘリウムを連続的に供給するので、Fラジカルの滞在時間が短くなるからと考えられ、マスクが削れて消失することは、マスクが常にイオンによって攻撃されるからと考えられる。
特表2000−509915号公報 特願2004−340752号明細書
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その課題は、形状が良好なトレンチを得られない、深さが深いトレンチを得ることができない、トレンチの形成速度が遅い、処理枚数の増大に伴いエッチング特性が変動するという問題の少なくとも一つが緩和され、好ましくは実質的に解消され、より好ましくは上述の問題の全てが緩和され、特に好ましくは上述の問題の全てが実質的に解消されたドライエッチング方法を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、フッ素化合物ガス、酸素及び希ガスを含むエッチングガスの、フッ素化合物ガスと酸素の合計に対する希ガスの量を増減させてエッチングを行うことで、驚くべきことに、形状が良好なトレンチを得られない、深さが深いトレンチを得ることができない、トレンチの形成速度が遅い、処理枚数の増大に伴いエッチング特性が変動するという問題の少なくとも一つが緩和され、好ましくは実質的に解消され、より好ましくは上述の問題の全てが緩和され、特に好ましくは上述の問題の全てが実質的に解消される触媒を得ることができることを見出して本発明を完成するに至ったものである。
本発明の一の要旨によれば、新たなドライエッチング方法が提供され、それは、
処理室において、エッチングガスをプラズマ化して、下部電極上に配置されたSiから成る被処理体に深いトレンチを上部電極及び下部電極に高周波電力を印加してドライエッチングする方法であって、
a) フッ素化合物ガス、酸素及び希ガスを含む第一エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第一エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第一エッチング工程、
b) フッ素化合物ガス及び酸素を含み、第一エッチングガスより少ない希釈の割合で希ガスを含んでよい第二エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第二エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第二エッチング工程、及び
c) トレンチ内において、プラズマ化されたフッ素化合物によるFラジカルの滞在時間を制御するように、a)第一エッチング工程とb)処理時間が第一エッチング工程の処理時間の1/3倍以上で1倍未満である第二エッチング工程を交互に所望の回数繰り返す工程
を含んで成るドライエッチング方法であって、
第一エッチングガスの総流量に対する第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合より、
第二エッチングガスの総流量に対する第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合が、少ない方法である。
本発明の他の要旨によれば、新たな他のドライエッチング方法が提供され、それは、
処理室において、エッチングガスをプラズマ化して、下部電極上に配置されたSiから成る被処理体に深いトレンチを上部電極及び下部電極に高周波電力を印加してドライエッチングする方法であって、
a) フッ素化合物ガス及び酸素を含み、希ガスを含み得る第一エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第一エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第一エッチング工程、
b) フッ素化合物ガス及び酸素を含み、希ガスを含み得る第一エッチングガスより多い希釈の割合で希ガスを含む第二エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第二エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第二エッチング工程、及び
c) トレンチ内において、プラズマ化されたフッ素化合物によるFラジカルの滞在時間を制御するように、a)第一エッチング工程とb)処理時間が第一エッチング工程の処理時間の1倍を上回り3倍以下である第二エッチング工程を交互に所望の回数繰り返す工程を含んで成るドライエッチング方法であって、
第一エッチングガスの総流量に対する第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合より、
第二エッチングガスの総流量に対する第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合が、多い方法である。
本発明の上述の一の要旨の一の態様において、本発明は、
第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50〜95%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50%未満であるドライエッチング方法を提供する。
本発明の上述の一の要旨の他の態様において、本発明は、
第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50〜95%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の実質的に0%であるドライエッチング方法を提供する。
本発明の上述の一の要旨の更に好ましい態様において、本発明は、
a)第一エッチング工程を行う時間とb)第二エッチング工程を行う時間の比(a)工程/b)工程)は、1/3〜3/1であるドライエッチング方法を提供する。
発明の上述の他の要旨の一の態様において、本発明は、
第一エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50%未満であり、第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50〜95%であるドライエッチング方法を提供する。
本発明の上述の他の要旨の他の態様において、本発明は、
第一エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の実質的に0%であり、第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50〜95%であるドライエッチング方法を提供する。
本発明の上述の他の要旨の更に好ましい態様において、本発明は、
a)第一エッチング工程を行う時間とb)第二エッチング工程を行う時間の比(a)工程/b)工程)は、1/3〜3/1であるドライエッチング方法を提供する。
本発明に係るドライエッチング方法は、a)工程とb)工程を繰り返して行うので、形状が良好なトレンチを得られない、深さが深いトレンチを得ることができない、トレンチの形成速度が遅い、処理枚数の増大に伴いエッチング特性が変動するという問題の少なくとも一つが緩和され、好ましくは実質的に解消され、より好ましくは上述の問題の全てが緩和され、特に好ましくは上述の問題の全てが実質的に解消される。
以下、本発明の実施の形態を、添付した図面を参照しながら説明する。
発明を実施するための形態
本発明の方法は、一の要旨のドライエッチング方法と、他の要旨のドライエッチング方法を含み、いずれも二種類のエッチングガス(第一エッチングガスと第二エッチングガス)を用い、一方を用いるエッチングから他方を用いるエッチングに切り替えるドライエッチング方法である。
上述の一の要旨のドライエッチング方法では、第一エッチングガスは、第二エッチングガスより多くの希ガスを含むが、他の要旨のドライエッチング方法では、第二エッチングガスが、第一エッチングガスより多くの希ガスを含む。
従って、一の要旨のドライエッチング方法は、初めに希ガスをより多く含む第一エッチングガスを用いてエッチングを行い、その後より少ない希ガスを含む又は希ガスを含まない第二エッチングガスを用いてエッチングを行い、必要に応じてこれを繰り返すドライエッチング方法である。
これに対し、他の要旨のドライエッチング方法は、初めに希ガスの少ない又は希ガスを含まない第一エッチングガスを用いてエッチングを行い、その後より希ガスを多く含む第二エッチングガスを用いてエッチングを行い、必要に応じてこれを繰り返すドライエッチング方法である。
本発明の方法(即ち、一の要旨の方法及び他の要旨の方法)は、本発明の方法を実施することができるドライエッチング装置であれば、いずれのドライエッチング装置を用いても実施することができ、使用する装置により特に制限されるものではない。そのようなドライエッチング装置として、先に例示した図1に示すICP型エッチング装置、RIE型エッチング装置、2周波平行平板型エッチング装置等を例示することができる。
図1のICP型エッチング装置(100)は、上述したようにエッチングチャンバ(110)、エッチングチャンバ内の上部電極(120)及び下部電極(130)、高周波電源(140)及び(150)、ガス導入口(160)及びガス排気口(170)を備える。本発明のドライエッチング方法を実施するために、図1の装置は更に下記の仕様を有することが好ましい。
エッチングチャンバ(110)は、被処理体のエッチングが行われる処理室である。その内壁は、例えば、石英、アルミナ、アルマイト加工されたアルミ母材又は酸化イットリウム等の絶縁材料を用いて形成することが好ましい。
ガス導入口(160)を通して、エッチングチャンバ(110)内に、エッチングガスは供給され、ガス排気口(170)を通して、エッチングチャンバ(110)から、エッチングチャンバ(110)内のガスは排気される。
次に、トランジスタ等の半導体装置の製造における工程の一部として、上述のドライエッチング装置を用いる本発明のドライエッチング方法について説明する。発明が不明瞭に成ることを避けるため、半導体装置の他の公知の製造工程については、説明を省略する。
初めに、本発明に係る上述の一の要旨のドライエッチング方法について説明する。
まず、下部電極(130)上に、Siから成る被処理体を配置する。
Siから成る被処理体は、通常、Siから成る被処理体として、ドライエッチングに供されているものであれば、特に制限されるものではない。そのようなSiから成る被着体として、例えば、シリコン基板等を例示することができる。
次に、第一エッチングガスを用いるエッチング工程を行うために、エッチングチャンバ(110)内を一定の圧力に保ちながら、ガス導入口(160)を介して、第一エッチングガスをエッチングチャンバ(110)内に導入し、ガス排気口(170)から排気する。
第一エッチングガスは、フッ素化合物ガス、酸素及び希ガスを含んで成る。フッ素化合物ガスとして、例えば、SF、NF、BF、PF及びFから選択される少なくとも一種を例示でき、SFが好ましい。希ガスとして、例えば、ヘリウム及びアルゴンから選択される少なくとも一種を例示でき、ヘリウムが好ましい。
エッチングチャンバ(110)内の圧力は、本発明のドライエッチング方法において、5〜30Paであることが好ましく、10〜25Paであることがより好ましく、15〜20Paであることが特に好ましい。
第一エッチングガスに含まれるフッ素化合物ガスの流量と酸素の流量の比(フッ素化合物ガス/酸素)は、1/1〜4/1であることが好ましく、1/1〜3/1であることがより好ましく、1/1〜2/1であることが特に好ましい。
第一エッチングガスに含まれるフッ素化合物ガスの流量は、50〜900sccmであることが好ましく、100〜300sccmであることがより好ましく、150〜200sccmであることが特に好ましい。
第一エッチングガスに含まれる酸素の流量は、50〜450sccmであることが好ましく、65〜200sccmであることがより好ましく、80〜100sccmであることが特に好ましい。
第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50〜95%であることが好ましく、55〜80%であることがより好ましく、60〜70%であることが特に好ましい。
本発明の方法では、次に高周波電源(140)及び(150)から、各々上部電極(120)及び下部電極(130)に、高周波電力を供給して、第一エッチングガスをプラズマ化させる。Fイオン、Fラジカル等のプラズマ中の活性種は、Siから成る被処理体、例えばシリコン基板のシリコンと反応して、SiF、SiO等の反応生成物を生成し、シリコン基板をエッチングして、トレンチを形成する。被処理体が、シリコン基板であることを考慮すると、下部電極(130)に加えられるRFパワーは、低くすることが好ましい。
本発明の方法において、高周波電源(140)が、上部電極(120)に供給する高周波電力の周波数は、2〜60MHzであることが好ましく、13.56MHzであることが特に好ましい。高周波電源(140)が供給する高周波電力の出力は、300〜3000Wであることが好ましく、500〜2000Wであることがより好ましく、1000〜1500Wであることが特に好ましい。
高周波電源(150)が、下部電極(130)に供給する高周波電力の周波数は、0.5〜60MHzであることが好ましく、13.56MHzであることが特に好ましい。高周波電源(150)が供給する高周波電力の出力は、10〜500Wであることが好ましく、50〜300Wであることがより好ましく、200〜250Wであることが特に好ましい。
第一エッチングガスを用いる第一エッチング工程は、所望の時間行う。例えば、1〜60秒間行うことが好ましく、3〜30秒間行うことがより好ましく、5〜15秒秒間行うことが特に好ましい。
第一エッチングガスを用いる第一エッチング工程が終了したら、第二エッチングガスを用いる第二エッチング工程を行うために、エッチングチャンバ(110)内を一定の圧力に保ちながら、ガス導入口(160)を介して、第二エッチングガスをエッチングチャンバ(110)内に導入し、第一エッチングガスをガス排気口(170)から排気する。
第二エッチングガスは、フッ素化合物ガス及び酸素を含み、第一エッチングガスより少ない希ガスを含んでよい。フッ素化合物ガスは、第一エッチングガスと同様である。
第二エッチングガスに含まれるフッ素化合物ガスの流量と酸素の流量の比(フッ素化合物ガス/酸素)は、1/1〜4/1であることが好ましく、1/1〜3/1であることがより好ましく、1/1〜2/1であることが特に好ましい。
第二エッチングガスに含まれるフッ素化合物ガスの流量は、50〜900sccmであることが好ましく、100〜300sccmであることがより好ましく、150〜200sccmであることが特に好ましい。
第二エッチングガスに含まれる酸素の流量は、50〜450sccmであることが好ましく、65〜200sccmであることがより好ましく、80〜100sccmであることが特に好ましい。
第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50%未満であることが好ましく、25%未満であることがより好ましく、実質的に0%であることが特に好ましい。
第二エッチングガスも第一エッチングガスと同様にプラズマ化する。
第二エッチングガスを用いるエッチング工程は、所望の時間行う。例えば、1〜60秒間行うことが好ましく、3〜15秒間行うことがより好ましく、3〜5秒間行うことが特に好ましい。
上述の第二エッチング工程が終了したら、第一エッチング工程及び第二エッチング工程を、形成されるトレンチ等の深さが所望の深さになるまで繰り返す。
第一エッチング工程と第二エッチング工程の時間の比(第一エッチング工程/第二エッチング工程)は、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1であることが特に好ましい。
第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50〜95%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50%未満であることが好ましい。
第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の55〜80%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の25%未満であることがより好ましい。
第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の60〜70%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の実質的に0%であることが特に好ましい。
尚、第一エッチング工程と第二エッチング工程を切り替える際、上部電極(120)及び下部電極(130)に加えられるRFパワーを、両方ともONのまま、片方のみONのまま、両方ともOFFにして、第一エッチングガスと第二エッチングガスを切り替えることで行うことができる。上部電極(120)及び下部電極(130)に加えられるRFパワーをON及びOFFについては、適宜選択することができるが、両方のRFパワーをONのまま、第一エッチングガスと第二エッチングガスの切り替えのみを行うことが、好ましい。
引き続き、本発明に係る上述の他の要旨のドライエッチング方法について説明する。
他の要旨のドライエッチング方法は、他の要旨の第一エッチングガスを用いる第一エッチング工程に上述の一の要旨の第二エッチングガスを用いる第二エッチング工程が対応し、他の要旨の第二エッチングガスを用いる第二エッチング工程に上述の一の要旨の第一エッチングガスを用いる第一エッチング工程が対応することを除いて、上述の一の要旨ドライエッチング方法と、同様に行うことができる。
従って、他の要旨の方法の、Siから成る被処理体の例示、フッ素化合物ガスの例示、希ガスの例示、エッチングチャンバ内の内圧、上部電源(120)及び下部電源(130)に供給される高周波電力の周波数及び出力等は、一の要旨の方法と同様であってよい。
更に、他の要旨の第一エッチングガスは、上述の一の要旨の第二エッチングガスと同様でよく、フッ素化合物ガス及び酸素を含み、より少ない希ガスを含んでよい。
他の要旨の第一エッチングガスのフッ素化合物ガスの流量と酸素の流量の比、フッ素化合物ガスの流量、酸素の流量、希ガスの流量、第一エッチング工程の時間等は、上述の一の要旨の第二エッチングガスのもの及び第二エッチング工程の時間等と同様でよい。
また、他の要旨の第二エッチングガスは、上述の一の要旨の第一エッチングガスと同様でよく、フッ素化合物ガス、酸素及び希ガスを含む。
他の要旨の第二エッチングガスのフッ素化合物ガスの流量と酸素の流量の比、フッ素化合物ガスの流量、酸素の流量、希ガスの流量、第一エッチング工程の時間等は、上述の一の要旨の第一エッチングガスのもの及び第一エッチング工程の時間等と同様でよい。
他の要旨の第一エッチング工程と第二エッチング工程の時間の比(第一エッチング工程/第二エッチング工程)は、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1であることが特に好ましい。
以上説明した本発明の一の要旨又は他の要旨のドライエッチング方法を用いることで、Siから成る被処理体、例えばシリコン基板に、良好な輪郭又は形状を有するトレンチ及びビアホール等を形成することができる。
得られるトレンチ等のサイドエッチング比は、好ましくは0〜0.05であり、より好ましくは0〜0.04であり、特に好ましくは0〜0.03である。
得られるトレンチ等の深さは、好ましくは50〜400μmであり、より好ましくは50〜200μmであり、特に好ましくは50〜150μmである。
本発明のドライエッチング方法は、そのようなトレンチ等を、好ましくは1〜10μm/分のエッチング速度で、より好ましくは2〜8μm/分のエッチング速度で、特に好ましくは3〜5μm/分のエッチング速度で、例えばシリコン基板に形成することができる。
以上説明したように、本発明に係るドライエッチング方法は、深さが、深く、良好な輪郭を有するトレンチ等を、好ましいより速いエッチング速度で形成することができるという、バランスに優れるエッチング方法である。
本発明は、上述した特徴を有し優れた効果を奏するものであるが、その理由については、下記のように考えられる。但し、下記の理由により、本発明は、何ら制限されるものではない。
本発明者等は、種々の検討からSFは、系の圧力が低いほど、Fラジカルを放出しないこと、即ち、サイドエッチング比が小さいこと、また、系の圧力が低いとエッチング速度が低下することに注目した。従って、サイドエッチング比が小さいことと、エッチング速度を上昇させることは、トレードオフの関係にあることに気付いた。更に、Heによる希釈の割合が大きいとFラジカルのトレンチ内における滞在時間が減少し、サイドエッチング比が小さくなること、また希釈の割合が低いとトレンチ内における滞在時間が増大してエッチング速度が大きくなることにも注目した。本発明は、このトレードオフの関係を克服するものである。酸素とフッ素化合物ガスを含むエッチングガスに希釈剤として希ガスを入れて、希ガスの量が多いものと少ない(又は無い)エッチングガスを切り替えながらエッチングすることで、Fラジカルのトレンチ内の滞在時間を制御して、エッチング速度とサイドエッチング比を良好に制御するものである。
本発明を、例を用いて更に詳細に説明する。
実施例1
第一エッチングガスとして、SF/O/He=200/100/600sccmを用いた。
第二エッチングガスとして、SF/O/He=200/100/0sccmを用いた。
被処理体として、シリコン基板を用いた。
第一エッチング工程は、系の全圧を20Paとして、上部電極1500W、下部電極220Wで、15秒間行った。
第二エッチング工程は、系の全圧を20Paとして、上部電極1500W、下部電極220Wで、5秒間行った。
第一エッチング工程と第二エッチング工程を45回繰り返して、即ち、15分間のエッチング処理をした。
深さ=50μm、サイドエッチング比=0.02のトレンチを、エッチング速度=3.4μm/分で、形成することができた。
比較例1
エッチングガスとして、SF/O/He=200/100/0sccmのみを用いた。
被処理体として、シリコン基板を用いた。
エッチング工程は、系の全圧を20Paとして、上部電極1500W、下部電極220Wで、連続して10分間行った。
深さ=50μm、サイドエッチング比=0.06のトレンチを、エッチング速度=6.8μm/分で、形成することができた。
比較例2
エッチングガスとして、SF/O/He=200/100/600sccmのみを用いた。
被処理体として、シリコン基板を用いた。
エッチング工程は、系の全圧を20Paとして、上部電極1500W、下部電極220Wで、連続して15分間行った。
深さ=30μm、サイドエッチング比=0.01のトレンチを、エッチング速度=1.9μm/分で、形成することができた。
エッチング速度が低く、かつ、シリコン基板上のマスクの削れが大きく、所定の深さまでエッチングすることができなかった。
図1は、本発明を実施する装置の一例の模式図を示す。 図2(a)は、シリコン基板に形成される理想的なトレンチの断面の模式図であって、トレンチの断面が長方形の場合を示す。 図2(b)は、シリコン基板に形成される理想的なトレンチの断面の模式図であって、トレンチの断面がテーパ形状の場合を示す。 図3は、シリコン基板に形成される、サイドエッチングを有する現実的なトレンチの断面の模式図を示す。
符号の説明
100 ドライエッチング装置
110 エッチングチャンバ
120 上部電極
130 下部電極
140 高周波電源
150 高周波電源
160 ガス導入口
170 ガス排出口
200 シリコン基板
210 マスク
220 トレンチ
320 トレンチ
330 アンダーカット
340 ボーイング

Claims (10)

  1. 処理室において、エッチングガスをプラズマ化して、下部電極上に配置されたSiから成る被処理体に深いトレンチを上部電極及び下部電極に高周波電力を印加してドライエッチングする方法であって、
    a) フッ素化合物ガス、酸素及び希ガスを含む第一エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第一エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第一エッチング工程、
    b) フッ素化合物ガス及び酸素を含み、第一エッチングガスより少ない希釈の割合で希ガスを含んでよい第二エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第二エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第二エッチング工程、及び
    c) トレンチ内において、プラズマ化されたフッ素化合物によるFラジカルの滞在時間を制御するように、a)第一エッチング工程とb)処理時間が第一エッチング工程の処理時間の1/3倍以上で1倍未満である第二エッチング工程を交互に所望の回数繰り返す工程
    を含んで成るドライエッチング方法であって、
    第一エッチングガスの総流量に対する第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合より、
    第二エッチングガスの総流量に対する第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合が、少ない方法。
  2. 処理室において、エッチングガスをプラズマ化して、下部電極上に配置されたSiから成る被処理体に深いトレンチを上部電極及び下部電極に高周波電力を印加してドライエッチングする方法であって、
    a) フッ素化合物ガス及び酸素を含み、希ガスを含み得る第一エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第一エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第一エッチング工程、
    b) フッ素化合物ガス及び酸素を含み、希ガスを含み得る第一エッチングガスより多い希釈の割合で希ガスを含む第二エッチングガスを前記処理室に導入し、前記第二エッチングガスをプラズマ化して、前記被処理体をエッチングする第二エッチング工程、及び
    c) トレンチ内において、プラズマ化されたフッ素化合物によるFラジカルの滞在時間を制御するように、a)第一エッチング工程とb)処理時間が第一エッチング工程の処理時間の1倍を上回り3倍以下である第二エッチング工程を交互に所望の回数繰り返す工程を含んで成るドライエッチング方法であって、
    第一エッチングガスの総流量に対する第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合より、
    第二エッチングガスの総流量に対する第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量の希釈の割合が、多い方法。
  3. 第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50〜95%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50%未満である請求項1に記載のドライエッチング方法。
  4. 第一エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50〜95%であり、第二エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の実質的に0%である請求項1に記載のドライエッチング方法。
  5. 第一エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の50%未満であり、第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50〜95%である請求項2に記載のドライエッチング方法。
  6. 第一エッチングガスに含まれ得る希ガスの流量は、第一エッチングガスの総流量の実質的に0%であり、第二エッチングガスに含まれる希ガスの流量は、第二エッチングガスの総流量の50〜95%である請求項2又はに記載のドライエッチング方法。
  7. 希ガスは、ヘリウム及びアルゴンから選択される少なくとも一種である請求項1〜のいずれかに記載のドライエッチング方法。
  8. フッ素化合物ガスは、SF6、NF3、BF3、PF5及びF2から選択される少なくとも一種である請求項1〜のいずれかに記載のドライエッチング方法。
  9. フッ素化合物ガスの流量と酸素の流量の比(フッ素化合物ガス/酸素)は、1/1〜4/1である請求項1〜のいずれかに記載のドライエッチング方法。
  10. 酸素の流量は、50〜450sccmである請求項1〜のいずれかに記載のドライエッチング方法。
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