JP2017204384A - 電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置 - Google Patents
電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017204384A JP2017204384A JP2016095414A JP2016095414A JP2017204384A JP 2017204384 A JP2017204384 A JP 2017204384A JP 2016095414 A JP2016095414 A JP 2016095414A JP 2016095414 A JP2016095414 A JP 2016095414A JP 2017204384 A JP2017204384 A JP 2017204384A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- tab
- injection
- injection port
- electrode assembly
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Abstract
【課題】タブ積層体の溶接部近傍の空間において異物の滞留を抑制できる電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置を提供する。【解決手段】実施形態の電極組立体3の製造方法は、積層されたタブ14bを有するタブ積層体21を準備する工程と、タブ積層体21に溶接部Wを形成する工程とを含む。溶接部Wを形成する工程は、タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、第1噴射口31aから第1ガスG1を噴射しながら溶接を行う工程と、タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、第1噴射口31aとは異なる場所に位置する第2噴射口33aから、第1ガスG1を噴射する時刻とは異なる時刻に第2ガスG2を噴射しながら溶接を行う工程とを含む。【選択図】図6
Description
本発明は、電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置に関する。
レーザービームにより鋼板を溶接する際に、溶接により生じるスパッタ粒子に向かってノズルからガスを噴射する方法が知られている(特許文献1参照)。
ところで、例えばリチウムイオン二次電池等の蓄電装置は、積層されたタブを有するタブ積層体を有する電極組立体を備える。タブ積層体には溶接部が形成される。タブ積層体に溶接部を形成する際に、上記方法を用いて、溶接により生じる異物を吹き飛ばすことが考えられる。
しかし、タブ積層体の溶接部近傍の空間において異物を十分に吹き飛ばすことができない場合がある。例えば、異物を吹き飛ばすガスの速度は比較的大きいので、通常レイノルズ数が大きくなり、乱流が生じる。ここで、タブ積層体の溶接部近傍の空間において、異物を吹き飛ばすガスの流路上に、溶接装置の一部(例えば抵抗溶接の電極)が位置していると、乱流により溶接装置の一部の背後に渦が生じる可能性がある。その結果、溶接装置の一部の背後に異物が滞留するおそれがある。
本発明の一側面は、タブ積層体の溶接部近傍の空間において異物の滞留を抑制できる電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る電極組立体の製造方法は、タブを含む電極を有する電極組立体の製造方法であって、積層された前記タブを有するタブ積層体を準備する工程と、前記タブ積層体に溶接部を形成する工程と、含み、前記溶接部を形成する工程が、前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される部分に向かって、第1噴射口から第1ガスを噴射しながら溶接を行う工程と、前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される前記部分に向かって、前記第1噴射口とは異なる場所に位置する第2噴射口から、前記第1ガスを噴射する時刻とは異なる時刻に第2ガスを噴射しながら溶接を行う工程と、を含む。
この電極組立体の製造方法では、第1ガス及び第2ガスが、タブ積層体のうちの溶接部が形成される部分に向かって、異なる場所に位置する噴射口から異なる時刻に噴射される。そのため、タブ積層体の溶接部近傍の空間において、溶接により生じる異物が第1ガスにより吹き飛ばされずに滞留しても、当該異物は第2ガスによって吹き飛ばされる。したがって、タブ積層体の溶接部近傍の空間において異物の滞留を抑制できる。
前記第1ガスを第1方向に噴射し、前記第2ガスを前記第1方向とは異なる第2方向に噴射してもよい。
この場合、第2方向が第1方向と同じ方向の場合に比べて、タブ積層体の溶接部近傍の空間において、ガスの流れる方向を経時的に大きく変化させることができる。
前記タブ積層体の積層方向において、前記第1噴射口及び前記第2噴射口が同じ高さに位置してもよい。
この場合、第1噴射口及び第2噴射口と同じ高さにおける異物の滞留を抑制できる。
前記第1ガスの噴射が終了した時刻以降に前記第2ガスの噴射が開始してもよい。
この場合、第1ガスの噴射が終了する前に第2ガスの噴射を開始する場合に比べて、タブ積層体の溶接部近傍の空間において、第1ガスと第2ガスとが互いに干渉し難くなる。
本発明の一側面に係る電極組立体の製造装置は、タブを含む電極を有する電極組立体の製造装置であって、積層された前記タブを有するタブ積層体に溶接部を形成するための溶接装置と、前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される部分に向かって第1ガスを噴射するための第1噴射口が設けられた第1噴射部と、前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される部分に向かって第2ガスを噴射するための第2噴射口が設けられた第2噴射部と、前記第1ガスを噴射する時刻とは異なる時刻に前記第2ガスを噴射するように前記第1ガス及び前記第2ガスの噴射時刻を制御するための制御装置と、を備え、前記第2噴射口は、前記第1噴射口とは異なる場所に位置している。
この電極組立体の製造装置では、第1ガス及び第2ガスが、タブ積層体のうちの溶接部が形成される部分に向かって、異なる場所に位置する噴射口から異なる時刻に噴射される。そのため、タブ積層体の溶接部近傍の空間において、溶接により生じる異物が第1ガスにより吹き飛ばされずに滞留しても、当該異物は第2ガスによって吹き飛ばされる。したがって、タブ積層体の溶接部近傍の空間において異物の滞留を抑制できる。
本発明の一側面によれば、タブ積層体の溶接部近傍の空間において異物の滞留を抑制できる電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置が提供され得る。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面には、必要に応じてXYZ直交座標系が示されている。Z軸方向は例えば鉛直方向、X軸方向及びY方向は例えば水平方向である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電極組立体を備える蓄電装置の分解斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った蓄電装置の断面図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えばリチウムイオン二次電池といった非水電解質二次電池又は電気二重層キャパシタである。
図1は、第1実施形態に係る電極組立体を備える蓄電装置の分解斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った蓄電装置の断面図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えばリチウムイオン二次電池といった非水電解質二次電池又は電気二重層キャパシタである。
図1及び図2に示されるように、蓄電装置1は、例えば略直方体形状をなす中空のケース2と、ケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属によって形成されている。ケース2は、一方側において開口した本体部2aと、本体部2aの開口を塞ぐ蓋部2bとを有している。ケース2の内壁面上には、絶縁フィルム(図示せず)が設けられる。ケース2の内部には、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。電極組立体3では、後述する正極11の正極活物質層15、負極12の負極活物質層18、及びセパレータ13が多孔質をなしており、その空孔内に、電解液が含浸されている。ケース2の蓋部2bには、正極端子5と負極端子6とが互いに離間して配置されている。正極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定され、負極端子6は、絶縁リング8を介してケース2に固定されている。
電極組立体3は、積層型の電極組立体である。電極組立体3は、複数の正極11(電極)と、複数の負極12(電極)と、正極11と負極12との間に配置された袋状のセパレータ13とによって構成されている。セパレータ13内には、例えば正極11が収容されている。セパレータ13内に正極11が収容された状態で、複数の正極11と複数の負極12とがセパレータ13を介して交互に積層されている。
正極11は、例えばアルミニウム箔からなる金属箔14と、金属箔14の両面に形成された正極活物質層15と、を有している。正極11の金属箔14は、矩形状の本体14aと、本体14aの一端から突出する矩形状のタブ14bと、を含む。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成されている多孔質の層である。正極活物質層15は、本体14aの両面において、少なくとも本体14aの中央部分に正極活物質が担持されて形成されている。
正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。ここでは、一例として、タブ14bには、正極活物質が担持されていない。ただし、タブ14bにおける本体14a側の基端部分には、活物質が担持されている場合もある。
タブ14bは、本体14aの上縁部から上方に延び、集電板16を介して正極端子5に接続されている。集電板16はタブ14bと正極端子5との間に配置されている。集電板16は、例えば、正極11の金属箔14と同一の材料から矩形平板状に構成される。積層された複数のタブ14bは、集電板16と、集電板16よりも薄い保護板23との間に配置される(図3参照)。保護板23は、例えば、正極11の金属箔14と同一の材料から矩形平板状に構成される。
負極12は、例えば銅箔からなる金属箔17と、金属箔17の両面に形成された負極活物質層18と、を有している。負極12の金属箔17は、正極11の金属箔14と同様に、矩形状の本体17aと、本体17aの一端部から突出する矩形状のタブ17bと、を含む。負極活物質層18は、本体17aの両面において、少なくとも本体17aの中央部分に負極活物質が担持されて形成されている。負極活物質層18は、負極活物質とバインダとを含んで形成されている多孔質の層である。
負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素等が挙げられる。ここでは、一例として、タブ17bには、負極活物質が担持されていない。ただし、タブ17bにおける本体17a側の基端部分には、活物質が担持されている場合もある。
タブ17bは、本体17aの上縁部から上方に延び、集電板19を介して負極端子6に接続されている。集電板19はタブ17bと負極端子6との間に配置されている。集電板19は、例えば、負極12の金属箔17と同一の材料から矩形平板状に構成される。積層された複数のタブ17bは、集電板19と、集電板19よりも薄い保護板27との間に配置される(図3参照)。保護板27は、例えば、負極12の金属箔17と同一の材料から矩形平板状に構成される。
セパレータ13は、正極11を収容している。セパレータ13は、正極11及び負極12の積層方向からみて矩形状である。セパレータ13は、例えば、一対の長尺シート状のセパレータ部材を互いに溶着して袋状に形成される。セパレータ13の材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。
図3は、第1実施形態に係る電極組立体の斜視図である。図3に示される電極組立体3は、セパレータ13を介して互いに積層された複数の正極11及び複数の負極12を含む。複数の正極11のそれぞれは、XY平面に延在する本体14aと、本体14aの一端からX軸方向に突出するタブ14bとを含む。複数の負極12のそれぞれは、XY平面に延在する本体17aと、本体17aの一端からX軸方向に突出するタブ17bとを含む。タブ14b,17bは、互いに積層されてタブ積層体21,25をそれぞれ構成する。すなわち、電極組立体3は、Z軸方向に積層された複数のタブ14bを有するタブ積層体21と、Z軸方向に積層された複数のタブ17bを有するタブ積層体25とを備える。タブ積層体21,25は、Y軸方向において、互いに離間して配列される。
タブ積層体21は、タブ積層体21の積層方向(Z軸方向)に沿って延在するタブ積層体21の端面21a,21b,21cを備える。端面21a,21bは、タブ積層体21を挟む面であり、端面21cは端面21a,21bを繋ぐ面である。すなわち、端面21a,21bは、タブ積層体21を挟んで互いに反対側に配置されている。また、端面21a,21bは、XZ平面に沿う面である。また、端面21cは、タブ積層体21の先端に向かうに連れてタブ積層体21の厚みが小さくなるようにXY平面に対して傾斜した面である。
タブ積層体21は、Z軸方向において、集電板16と保護板23との間に配置される。すなわち、タブ積層体21は、Z軸方向において集電板16上に配置される。保護板23は、Z軸方向においてタブ積層体21上に配置される。保護板23は、集電板16と接触しておらず、保護板23と集電板16とは、タブ積層体21を積層方向に挟んで離間している。タブ積層体21は保護板23よりも厚く、集電板16はタブ積層体21よりも厚い。電極組立体3は、保護板23及び集電板16を備えなくてもよい。
集電板16のY軸方向における長さは、タブ積層体21のY軸方向における長さ(端面21a,21b間の距離)よりも大きくなっている。Y軸方向において、集電板16のY軸方向における外側端部の位置は、本体14aのY軸方向における端部の位置と一致している。保護板23のY軸方向における長さは、タブ積層体21のY軸方向における長さと略同じである。
タブ積層体21は、溶接部Wを有する。溶接部Wは、複数のタブ14b同士を接続する。溶接部Wは、Z軸方向に延びており、集電板16、タブ積層体21及び保護板23を貫通する。溶接部Wの形状は、例えばZ軸方向に延びる中心軸を有する円柱である。
同様に、タブ積層体25は、タブ積層体25の積層方向(Z軸方向)に沿って延在するタブ積層体25の端面25a,25b,25cを備える。端面25a,25bは、タブ積層体25を挟む面であり、端面25cは端面25a,25bを繋ぐ面である。すなわち、端面25a,25bは、タブ積層体25を挟んで互いに反対側に配置されている。また、端面25a,25bは、XZ平面に沿う面である。また、端面25cは、タブ積層体25の先端に向かうに連れてタブ積層体25の厚みが小さくなるようにXY平面に対して傾斜した面である。
タブ積層体25は、Z軸方向において、集電板19と保護板27との間に配置される。すなわち、タブ積層体25は、Z軸方向において集電板19上に配置される。保護板27は、Z軸方向においてタブ積層体25上に配置される。保護板27は、集電板19と接触しておらず、保護板27と集電板19とは、タブ積層体25を積層方向に挟んで離間している。タブ積層体25は保護板27よりも厚く、集電板19はタブ積層体25よりも厚い。電極組立体3は、保護板27及び集電板19を備えなくてもよい。
集電板19のY軸方向における長さは、タブ積層体25のY軸方向における長さ(端面25a,25b間の距離)よりも大きくなっている。Y軸方向において、集電板19のY軸方向における外側端部の位置は、本体17aのY軸方向における端部の位置と一致している。保護板27のY軸方向における長さは、タブ積層体25のY軸方向における長さと略同じである。
タブ積層体25は、溶接部Wを有する。溶接部Wは、複数のタブ17b同士を接続する。溶接部Wは、Z軸方向に延びており、集電板19、タブ積層体25及び保護板27を貫通する。溶接部Wの形状は、例えばZ軸方向に延びる中心軸を有する円柱である。
図4〜図7は、第1実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。図3に示される電極組立体3は、例えば図5〜図7に示される電極組立体の製造装置100を用いて以下の方法により製造される。
(タブ積層体の準備工程)
まず、図4に示されるように、複数のタブ積層体21,25を準備する。図4(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図4(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。例えば、まず、集電板16,19上にそれぞれタブ14b,17bを積層することによりタブ積層体21,25を形成する。その後、タブ積層体21,25上にそれぞれ保護板23,27を載置する。タブ積層体21,25は、例えば治具により保護板23,27を介して押圧されるが、押圧されなくてもよい。
まず、図4に示されるように、複数のタブ積層体21,25を準備する。図4(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図4(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。例えば、まず、集電板16,19上にそれぞれタブ14b,17bを積層することによりタブ積層体21,25を形成する。その後、タブ積層体21,25上にそれぞれ保護板23,27を載置する。タブ積層体21,25は、例えば治具により保護板23,27を介して押圧されるが、押圧されなくてもよい。
(溶接部の形成工程)
次に、図5〜図7に示されるように、タブ積層体21,25に溶接部Wを形成する。図5(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図5(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。図6及び図7はZ軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図である。
次に、図5〜図7に示されるように、タブ積層体21,25に溶接部Wを形成する。図5(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図5(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。図6及び図7はZ軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図である。
溶接部Wは、図5〜図7に示される製造装置100の溶接装置40を用いて形成されてもよい。タブ積層体21,25の溶接部Wのうち少なくとも1つを溶接装置40により形成してもよい。溶接装置40は例えば抵抗溶接装置である。
製造装置100は、積層された本体14a及び本体17aを有する電極本体を覆うカバー30を備えてもよい。カバー30により、カバー30外の異物がカバー30内に侵入することが抑制される。カバー30の構成材料は例えば樹脂である。タブ積層体21,25はカバー30外に配置される。各タブ積層体21,25は、カバー30に設けられた開口から外側に突出している。
製造装置100はノズル31,33,35,37を備える。ノズル31,33,35,37はカバー30に取り付けられてもよい。ノズル31,33,35,37は、この順にY軸方向に沿って配列されている。ノズル31,33,35,37は、例えば管形状を有する。製造装置100がカバー30を備えない場合、ノズル31,33,35,37は、カバー30とは別の部材に取り付けられてもよい。
ノズル31(第1噴射部)の先端には、第1ガスG1を噴射するための第1噴射口31aが設けられている。第1ガスG1は、第1噴射口31aから第1方向A31(ノズル31の軸線方向)に噴射される。第1ガスG1は、第1噴射口31aから遠ざかるに連れて第1方向A31から離れるように拡散する。ノズル33(第2噴射部)の先端には、第2ガスG2を噴射するための第2噴射口33aが設けられている。第2ガスG2は、第2噴射口33aから第2方向A33(ノズル33の軸線方向)に噴射される。第2ガスG2は、第2噴射口33aから遠ざかるに連れて第2方向A33から離れるように拡散する。ノズル35(第1噴射部)の先端には、第1ガスG1を噴射するための第1噴射口35aが設けられている。第1ガスG1は、第1噴射口35aから第1方向A35(ノズル35の軸線方向)に噴射される。第1ガスG1は、第1噴射口35aから遠ざかるに連れて第1方向A35から離れるように拡散する。ノズル37(第2噴射部)の先端には、第2ガスG2を噴射するための第2噴射口37aが設けられている。第2ガスG2は、第2噴射口37aから第2方向A37(ノズル37の軸線方向)に噴射される。第2ガスG2は、第2噴射口37aから遠ざかるに連れて第2方向A37から離れるように拡散する。
噴射口31a,33a,35a,37aの形状は、例えば円形であるが、矩形であってもよい。噴射口31a,33a,35a,37aのそれぞれは、ノズルではない噴射部に設けられてもよい。
噴射口31a,33aは、タブ積層体21の積層方向において、基準面Rから同じ高さHに位置しているが、異なる高さに位置してもよい。基準面Rは、例えばタブ積層体21の載置面を含むXY平面である。同様に、噴射口35a,37aは、タブ積層体25の積層方向において、基準面Rから同じ高さHに位置しているが、異なる高さに位置してもよい。基準面Rは、例えばタブ積層体25の載置面を含むXY平面である。
第1ガスG1及び第2ガスG2は、同じ種類のガスであってもよいし、異なる種類のガスであってもよい。第1ガスG1及び第2ガスG2は、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスであってもよいし、不活性ガスと空気との混合ガスであってもよいし、例えばドライエア等のエアであってもよい。第1ガスG1及び第2ガスG2が不活性ガス又は不活性ガスと空気との混合ガスである場合、溶接熱によるタブ積層体21,25の表面の酸化が抑制される。あるいは、第1ガスG1及び第2ガスG2は、密度の高いガス又は元素重量の重いガスであってもよい。この場合、溶接部W近傍の空間において、異物を吹き飛ばして滞留を抑制する効果が大きくなる。元素重量の重いガスとしては、例えばアルゴン、キセノン、ネオン等が挙げられる。
図6に示されるように、第1方向A31及び第1方向A35は同じ方向であるが、互いに異なる方向であってもよい。第2方向A33及び第2方向A37は同じ方向であるが、互いに異なる方向であってもよい。第1方向A31及び第2方向A33は、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間において交差しているが、同じ方向(例えばX軸方向)であってもよいし、交差せずに互いにねじれの位置の関係にあってもよい。第1方向A35及び第2方向A37は、タブ積層体25の溶接部Wにおいて交差しているが、同じ方向(例えばX軸方向)であってもよいし、交差せずに互いにねじれの位置の関係にあってもよい。
第1方向A31と第2方向A33とのなす角度のうち小さい方の角度をθとすると、θは30°以上150°未満が好ましく、45°以上90°未満がより好ましい。同様に、第1方向A35と第2方向A37とのなす角度のうち小さい方の角度をθとすると、θは30°以上150°未満が好ましく、45°以上90°未満がより好ましい。
製造装置100は、ノズル31,33,35,37に加えて更なるノズルを備えてもよい。例えば、各タブ積層体21,25について、2つのノズルではなく、3つ以上のノズルを用いてもよい。
製造装置100は、ノズル31,33,35,37のうち少なくとも1つのノズルを備えてもよい。この場合、当該少なくとも1つのノズルは移動可能である。例えば、製造装置100が1つのノズル31のみを備え、ノズル31が、ノズル33,35,37の位置まで移動可能であってもよい。この場合、第1噴射口31aがその他の噴射口33a,35a,37aを兼ねることになる。あるいは、製造装置100がノズル31,33を備え、ノズル31がノズル35の位置まで移動可能であり、ノズル33がノズル37の位置まで移動可能であってもよい。この場合、第1噴射口31aが第1噴射口35aを兼ね、第2噴射口33aが第2噴射口37aを兼ねることになる。移動可能なノズルは、カバー30に代えて駆動装置に取り付けられる。あるいは、製造装置100がノズル31,33を備え、タブ積層体21,25をY軸方向に移動することによって、タブ積層体25をノズル31,33の位置まで移動させてもよい。この場合、第1噴射口31aが第1噴射口35aを兼ね、第2噴射口33aが第2噴射口37aを兼ねることになる。
ノズル31,35には、第1ガスG1のガス供給源32が接続されている。ノズル33,37には、第2ガスG2のガス供給源34が接続されている。ノズル31,33,35,37及びガス供給源32,34には、制御装置36が接続されている。制御装置36は、第1ガスG1及び第2ガスG2の噴射流速、噴射時刻、噴射方向等を制御可能である。ガス供給源32,34及び制御装置36は、カバー30外に配置される。第1ガスG1及び第2ガスG2が同じ種類のガスである場合、1つのガス供給源を用い、バルブによりガスが供給されるノズルを切り替えてもよい。
製造装置100の溶接装置40は、タブ積層体21を抵抗溶接するための一対の電極41,43と、タブ積層体25を抵抗溶接するための一対の電極45,47とを備える。一対の電極41,43は、集電板16、タブ積層体21及び保護板23をZ軸方向において挟む。保護板23は、電極41とタブ積層体21との間に配置される。集電板16は、電極43とタブ積層体21との間に配置される。電極41は、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間において、第1方向A31及び第2方向A33と交差する。同様に、一対の電極45,47は、集電板19、タブ積層体25及び保護板27をZ軸方向において挟む。保護板27は、電極45とタブ積層体25との間に配置される。集電板19は、電極47とタブ積層体25との間に配置される。電極45は、タブ積層体25の溶接部W近傍の空間において、第1方向A35及び第2方向A37と交差する。電極41,43は、例えばZ軸方向に延びる中心軸を有する棒状電極である。
製造装置100は、案内部材51,55を備えてもよい。案内部材51は、第1噴射口31aから噴射された第1ガスG1と第2噴射口33aから噴射された第2ガスG2とを案内する溝部53を有する。溝部53と噴射口31a,33aとの間には、電極41が配置される。案内部材55は、第1噴射口35aから噴射された第1ガスG1と第2噴射口37aから噴射された第2ガスG2とを案内する溝部57を有する。溝部57と噴射口35a,37aとの間には、電極45が配置される。溝部53及び溝部57は、例えば、Z軸方向に延びており、湾曲した底面を有する。溝部53及び溝部57の下流側端部には、溝部53及び溝部57を通過した第1ガスG1及び第2ガスG2を吸引する吸引口50が配置されてもよい。溝部53の下流側端部に配置される第1吸引口とは異なる第2吸引口が、溝部57の下流側端部に配置されてもよい。
製造装置100は、複数のピトー管61,67及び風圧表示ボックス63,65を備えてもよい。複数のピトー管61は、溝部53の下流側端部と吸引口50との間に配置される。複数のピトー管61は、溝部53の幅方向(Y軸方向)に配列される。各ピトー管61の一方の開口は溝部53の下流側端部に配置され、各ピトー管61の他方の開口は風圧表示ボックス63に接続される。これにより、溝部53を通る第1ガスG1及び第2ガスG2の一部は、各ピトー管61の一方の開口内に入り、他方の開口から風圧表示ボックス63内に入る。溝部53を通る第1ガスG1及び第2ガスG2の残部は吸引口50に入る。風圧表示ボックス63は、案内部材51に取り付けられている。風圧表示ボックス63は、デジタル表示部63aと、バーグラフ表示部63bとを有する。デジタル表示部63aは、複数のピトー管61のうちY軸方向において中心に位置するピトー管61の風圧値を代表値としてデジタル表示する。バーグラフ表示部63bは、縦に配列された複数の発光素子を備える。バーグラフ表示部63bは、複数のピトー管61のうちY軸方向において中心に位置するピトー管61の風圧値と、他のピトー管61の風圧値との差をレベル表示する。バーグラフ表示部63bを観察することにより、第1噴射口31aから噴射される第1ガスG1及び第2噴射口33aから噴射される第2ガスG2の流れが適正なプロフィール(速度分布)を描いているかをモニターすることができる。
複数のピトー管67は、溝部57の下流側端部と吸引口50との間に配置される。複数のピトー管67は、溝部57の幅方向(Y軸方向)に配列される。各ピトー管67の一方の開口は溝部57の下流側端部に配置され、各ピトー管67の他方の開口は風圧表示ボックス65に接続される。これにより、溝部57を通る第1ガスG1及び第2ガスG2の一部は、各ピトー管67の一方の開口内に入り、他方の開口から風圧表示ボックス65内に入る。溝部57を通る第1ガスG1及び第2ガスG2の残部は吸引口50に入る。風圧表示ボックス65は、案内部材55に取り付けられている。風圧表示ボックス65は、デジタル表示部65aと、バーグラフ表示部65bとを有する。デジタル表示部65aは、複数のピトー管67のうちY軸方向において中心に位置するピトー管67の風圧値を代表値としてデジタル表示する。バーグラフ表示部65bは、縦に配列された複数の発光素子を備える。バーグラフ表示部65bは、複数のピトー管67のうちY軸方向において中心に位置するピトー管67の風圧値と、他のピトー管67の風圧値との差をレベル表示する。バーグラフ表示部65bを観察することにより、第1噴射口35aから噴射される第1ガスG1及び第2噴射口37aから噴射される第2ガスG2の流れが適正なプロフィール(速度分布)を描いているかをモニターすることができる。
溶接部Wの形成工程は、例えば上述の製造装置100を用いて、第1ガスG1を噴射しながら溶接を行う第1工程と、第2ガスG2を噴射しながら溶接を行う第2工程とを含む。
第1工程では、図5及び図6に示されるように、タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、第1噴射口31aから第1ガスG1を噴射しながら溶接を行う。同様に、タブ積層体25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、第1噴射口35aから第1ガスG1を噴射しながら溶接を行う。第1ガスG1は第1方向A31及び第1方向A35に噴射され、電極41,45に衝突する。タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分は、第1方向A31と交差していないが、第1噴射口31aから噴射された第1ガスG1は拡散により広がって、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間(電極41の周囲の空間)に到達する。同様に、タブ積層体25のうちの溶接部Wが形成される部分は第1方向A35と交差していないが、第1噴射口35aから噴射された第1ガスG1は拡散により広がって、タブ積層体25の溶接部W近傍の空間(電極45の周囲の空間)に到達する。
電極41,45の位置における第1ガスG1の噴射流速V1は、例えば50〜100m/sである。噴射流速V1が100m/sを超えると、電極41,45裏側での大きな乱流が生じやすい傾向にある。噴射流速V1が50m/s未満であると、溶接により生じる異物が溝部53,57まで到達せずにZ軸方向に滞留し堆積してしまう傾向にある。第1ガスG1は、例えばパルス状に噴射される。第1工程では第2ガスG2が噴射されてもよいし、噴射されなくてもよい。第1工程において、タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間を通過した第1ガスG1及び第2ガスG2を吸引口50から吸引しながら溶接を行ってもよい。これにより、溶接により生じる異物を効率的に除去することができる。第1工程において、複数のピトー管61,67及び風圧表示ボックス63,65を用いて、第1ガスG1及び第2ガスG2の流れをモニターしながら溶接を行ってもよい。
第2工程では、図7に示されるように、タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、第1噴射口31aとは異なる場所に位置する第2噴射口33aから、第1ガスG1を噴射する時刻とは異なる時刻に第2ガスG2を噴射しながら溶接を行う。同様に、タブ積層体25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、第1噴射口35aとは異なる場所に位置する第2噴射口37aから、第1ガスG1を噴射する時刻とは異なる時刻に第2ガスG2を噴射しながら溶接を行う。第2ガスG2は第2方向A33及び第2方向A37に噴射され、電極41,45に衝突する。タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分は、第2方向A33に位置せず、第2方向A33とは異なる場所に位置してもよい。その場合であっても、第2噴射口33aから噴射された第2ガスG2は拡散により広がって、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間に到達する。同様に、タブ積層体25のうちの溶接部Wが形成される部分は、第2方向A37に位置せず、第2方向A37とは異なる場所に位置してもよい。その場合であっても、第2噴射口37aから噴射された第2ガスG2は拡散により広がって、タブ積層体25の溶接部W近傍の空間に到達する。
電極41,45の位置における第2ガスG2の噴射流速V2は、例えば70〜100m/sである。噴射流速V2は、噴射流速V1と異なってもよいし、噴射流速V1より大きくてもよい。噴射流速V2が100m/sを超えると、電極41,45裏側での大きな乱流が生じやすい。噴射流速V2が70m/s未満であると、第1ガスG1の残留している渦流の干渉により生じる拡散が増加し流量が低下するため、溶接により生じる異物が溝部53,57まで到達せずにZ軸方向に滞留し堆積してしまう傾向にある。第2ガスG2は、例えばパルス状に噴射される。第2工程では第1ガスG1が噴射されない。第2工程において、タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間を通過した第1ガスG1及び第2ガスG2を吸引口50から吸引しながら溶接を行ってもよい。これにより、溶接により生じる異物を効率的に除去することができる。第2工程において、複数のピトー管61,67及び風圧表示ボックス63,65を用いて、第1ガスG1及び第2ガスG2の流れをモニターしながら溶接を行ってもよい。
図8は、第1ガス及び第2ガスの噴射タイミングの例を示す図である。図8(A)に示される第1例では、時刻t1において第1ガスG1の噴射が開始し、時刻t2において第1ガスG1の噴射が終了し、第2ガスG2の噴射が開始する。時刻t3において、第2ガスG2の噴射が終了する。時刻t1から時刻t2までの時間において、第1ガスG1の噴射流速V1は一定である。すなわち、第1ガスG1の噴射流速V1は時間変化に対して矩形波を描く。時刻t2から時刻t3までの時間において、第2ガスG2の噴射流速V2は一定である。すなわち、第2ガスG2の噴射流速V2は時間変化に対して矩形波を描く。第1例では、第1ガスG1の噴射が終了した時刻t2と同時刻に第2ガスG2の噴射を開始する。第2ガスG2の噴射流速V2は、第1ガスG1の噴射流速V1と同じでもよいし、異なってもよい。時刻t1から時刻t3までの時間(第1ガスG1及び第2ガスG2のうちの少なくとも一方を噴射している時間)は、例えば0.05〜1.0秒間である。
図8(B)に示される第2例は、第2ガスG2の噴射時刻が異なること以外、図8(A)に示される第1例と同じである。第2例では、時刻t2よりも後の時刻t4において第2ガスG2の噴射が開始し、時刻t5において第2ガスG2の噴射が終了する。時刻t4から時刻t5までの時間において、第2ガスG2の噴射流速V2は一定である。すなわち、第2ガスG2の噴射流速V2は時間変化に対して矩形波を描く。第2例では、第1ガスG1の噴射が終了した時刻t2から時間をおいた時刻t4において第2ガスG2の噴射を開始する。このため、時刻t2よりも後から時刻t4よりも前までの時間において、第1ガスG1及び第2ガスG2のいずれも噴射されない。第1例及び第2例では、第1ガスG1の噴射が終了した時刻t2以降に第2ガスG2の噴射が開始している。
図8(C)に示される第3例は、第2ガスG2の噴射時刻が異なること以外、図8(A)に示される第1例と同じである。第3例では、時刻t1と時刻t2との間の時刻t6において第2ガスG2の噴射が開始し、時刻t2よりも後の時刻t7において第2ガスG2の噴射が終了する。時刻t6から時刻t7までの時間において、第2ガスG2の噴射流速V2は一定である。すなわち、第2ガスG2の噴射流速V2は時間変化に対して矩形波を描く。第3例では、時刻t6から時刻t2までの時間において、第1ガスG1及び第2ガスG2の両方が噴射されている。
上記第1例〜第3例では、時刻t1から時刻t2までの時間が第1工程に相当し、時刻t2より後の時間が第2工程に相当する。第1例〜第3例では、第1ガスG1の噴射流速V1及び第2ガスG2の噴射流速V2が、時間変化に対して正弦波を描くように制御されてもよい。第1例〜第3例では、第1ガスG1及び第2ガスG2の噴射が交互に繰り返し行われてもよい。第1ガスG1の噴射流速V1及び噴射時刻、第2ガスG2の噴射流速V2及び噴射時刻は、制御装置36によって制御可能である。
上記工程を経ることによって、電極組立体3が製造される。その後、タブ積層体21,25を折り曲げた電極組立体3をケース2内に収容し、蓄電装置1を製造することができる。
上述のように、本実施形態の電極組立体の製造装置100は、タブ積層体21,25に溶接部Wを形成するための溶接装置40と、タブ積層体21,25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって第1ガスG1を噴射するための第1噴射口31a,35aが設けられたノズル31,35と、タブ積層体21,25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって第2ガスG2を噴射するための第2噴射口33a,37aが設けられたノズル33,37と、第1ガスG1を噴射する時刻とは異なる時刻に第2ガスG2を噴射するように第1ガスG1及び第2ガスG2の噴射時刻を制御するための制御装置36とを備える。第2噴射口33a,37aは、第1噴射口31a,35aとは異なる場所に位置している。
本実施形態の電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置100では、第1ガスG1及び第2ガスG2が、タブ積層体21のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、異なる場所に位置する噴射口31a,33aから異なる時刻に噴射される。そのため、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間(すなわち、タブ積層体21の溶接部Wに隣接する空間)において、溶接により生じる異物(例えばスパッタ粒子等の金属粒子)が第1ガスG1により吹き飛ばされずに滞留しても、当該異物は第2ガスG2によって吹き飛ばされる。したがって、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間において異物の滞留を抑制できる。例えば、溶接装置40の一部である電極41がタブ積層体21の溶接部W近傍の空間に位置している場合、第1ガスG1が電極41に衝突すると、電極41の背後に渦が発生して異物が滞留する可能性がある。その場合でも、電極41の背後に滞留した異物を第2ガスG2が吹き飛ばすことができる。よって、電極41の背後に異物が滞留することを抑制できる。
同様に、第1ガスG1及び第2ガスG2が、タブ積層体25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、異なる場所に位置する噴射口35a,37aから異なる時刻に噴射される。そのため、タブ積層体25の溶接部W近傍の空間(すなわち、タブ積層体25の溶接部Wに隣接する空間)において、異物の滞留を抑制できる。例えば溶接装置40の一部である電極45がタブ積層体25の溶接部W近傍の空間に位置している場合、第1ガスG1が電極45に衝突すると、電極45の背後に渦が発生して異物が滞留する可能性がある。その場合でも、電極45の背後に滞留した異物を第2ガスG2が吹き飛ばすことができる。よって、電極45の背後に異物が滞留することを抑制できる。
第2ガスG2が噴射される第2方向A33が、第1ガスG1が噴射される第1方向A31と異なっている場合、タブ積層体21の溶接部W近傍の空間において、第2方向A33が第1方向A31と同じ方向の場合に比べて、ガスの流れる方向を経時的に大きく変化させることができる。よって、電極41の背後に滞留した異物を第2ガスG2によって吹き飛ばし易くなる。同様に、第2ガスG2が噴射される第2方向A37が、第1ガスG1が噴射される第1方向A35と異なっている場合、タブ積層体25の溶接部W近傍の空間において、第2方向A37が第1方向A35と同じ方向の場合に比べて、ガスの流れる方向を経時的に大きく変化させることができる。よって、電極45の背後に滞留した異物を第2ガスG2によって吹き飛ばし易くなる。
噴射口31a,33aが、タブ積層体21の積層方向において同じ高さHに位置する場合、高さHにおける異物の滞留を抑制できる。同様に、噴射口35a,37aが、タブ積層体25の積層方向において同じ高さHに位置する場合、高さHにおける異物の滞留を抑制できる。
図8(A)及び図8(B)に示される第1例及び第2例のように、第1ガスG1の噴射が終了した時刻t2以降に第2ガスG2の噴射が開始する場合、図3に示される第3例のように第1ガスG1の噴射が終了する前に第2ガスG2の噴射を開始する場合に比べて、タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間において、第1ガスG1と第2ガスG2とが互いに干渉し難くなる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。本実施形態では、ノズル31,33,35,37に代えて揺動可能なノズル131,133,135,137をそれぞれ用いること以外は第1実施形態と同じように、電極組立体3を製造することができる。
図9は、第2実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。本実施形態では、ノズル31,33,35,37に代えて揺動可能なノズル131,133,135,137をそれぞれ用いること以外は第1実施形態と同じように、電極組立体3を製造することができる。
ノズル131の先端には、第1ガスG1を噴射するための第1噴射口131aが設けられている。第1噴射口131aは、XY平面において第1方向A31を中心に揺動可能である。第1噴射口131aは、Z軸方向から見て、第1方向A31に直交する方向に対して傾斜している。ノズル133の先端には、第2ガスG2を噴射するための第2噴射口133aが設けられている。第2噴射口133aは、XY平面において第2方向A33を中心に揺動可能である。第2噴射口133aは、Z軸方向から見て、第2方向A33に直交する方向に対して傾斜している。ノズル135の先端には、第1ガスG1を噴射するための第1噴射口135aが設けられている。第1噴射口135aは、XY平面において第1方向A35を中心に揺動可能である。第1噴射口135aは、Z軸方向から見て、第1方向A35に直交する方向に対して傾斜している。ノズル137の先端には、第2ガスG2を噴射するための第2噴射口137aが設けられている。第2噴射口137aは、XY平面において第2方向A37を中心に揺動可能である。第2噴射口137aは、Z軸方向から見て、第2方向A37に直交する方向に対して傾斜している。
ノズル131,133,135,137の構成材料は、例えばゴム等の可撓性材料である。ゴムとしては、例えばシリコーンゴム又はスチレンブタジエンゴム等が挙げられる。ノズル131では、第1ガスG1が第1噴射口131aから噴射されると、噴射の反動により、ノズル131の先端が第1方向A31から離れる方向に移動する。その後、ノズル131の弾性により、ノズル131の先端が第1方向A31に近づく方向に戻る。このようにして、ノズル131が揺動する。ノズル133では、第2ガスG2が第2噴射口133aから噴射されると、第2ガスG2の反動により、ノズル133の先端が第2方向A33から離れる方向に移動する。その後、ノズル133の弾性により、ノズル133の先端が第2方向A33に近づく方向に戻る。このようにして、ノズル133が揺動する。ノズル131,133と同様に、ノズル135,137も揺動する。
ノズル131,133,135,137は、ノズル自体の弾性により揺動するのではなく、駆動装置によって揺動されてもよい。この場合、ノズル131,133,135,137の構成材料は、例えば金属又は樹脂等の剛性材料であってもよい。
第2実施形態では、第1実施形態の作用効果に加えて、ノズル131,133,135,137が揺動することによって、タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間において、ガスの流れる方向を経時的に大きく変化させることができる。そのため、タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間において、異物が滞留することを更に抑制できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記各実施形態に限定されない。上記各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせることができる。
製造装置100の溶接装置40は、超音波溶接装置であってもよい。この場合、タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間には、電極41,45に代えて、溶接装置の一部である超音波ホーンがそれぞれ配置される。この場合でも、上記各実施形態と同様に、第1ガスG1及び第2ガスG2は、タブ積層体21,25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、異なる場所に位置する噴射口から異なる時刻に噴射される。よって、超音波ホーンの背後に異物が滞留することを抑制できる。
製造装置100の溶接装置40は、例えばレーザービーム又は電子ビーム等のエネルギービームを用いた溶接装置であってもよい。この場合、溶接部Wは、タブ積層体21の端面21a,21b,21cのうちの少なくとも1つに設けられる。同様に、溶接部Wは、タブ積層体25の端面25a,25b,25cのうちの少なくとも1つに設けられる。タブ積層体21,25の溶接部W近傍の空間には、電極41,45に代えて、溶接装置の一部である、エネルギービームの照射装置(例えば溶接ファイバー)又はアシストガスの供給装置が配置される。この場合でも、上記各実施形態と同様に、第1ガスG1及び第2ガスG2は、タブ積層体21,25のうちの溶接部Wが形成される部分に向かって、異なる場所に位置する噴射口から異なる時刻に噴射される。よって、エネルギービームの照射装置又はアシストガスの供給装置の背後に異物が滞留することを抑制できる。
また、上記各実施形態の電極組立体3は積層型であるが、上記各実施形態の電極組立体の製造方法を用いて、巻回型の電極組立体を製造することもできる。例えば、巻回型の電極組立体のタブ積層体に溶接部を形成する際に、上記各実施形態と同様に、第1ガスG1及び第2ガスG2を、異なる場所に位置する噴射口から異なる時刻に噴射する。これにより、タブ積層体の溶接部近傍の空間において、異物が滞留することを抑制できる。
3…電極組立体、11…正極(電極)、12…負極(電極)、14b,17b…タブ、21,25…タブ積層体、31,35…ノズル(第1噴射部)、31a,35a…第1噴射口、33,37…ノズル(第2噴射部)、33a,37a…第2噴射口、A31,A35…第1方向、A33,A37…第2方向、36…制御装置、40…溶接装置、100…電極組立体の製造装置、G1…第1ガス、G2…第2ガス、W…溶接部。
Claims (5)
- タブを含む電極を有する電極組立体の製造方法であって、
積層された前記タブを有するタブ積層体を準備する工程と、
前記タブ積層体に溶接部を形成する工程と、
を含み、
前記溶接部を形成する工程が、
前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される部分に向かって、第1噴射口から第1ガスを噴射しながら溶接を行う工程と、
前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される前記部分に向かって、前記第1噴射口とは異なる場所に位置する第2噴射口から、前記第1ガスを噴射する時刻とは異なる時刻に第2ガスを噴射しながら溶接を行う工程と、
を含む、電極組立体の製造方法。 - 前記第1ガスを第1方向に噴射し、前記第2ガスを前記第1方向とは異なる第2方向に噴射する、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
- 前記タブ積層体の積層方向において、前記第1噴射口及び前記第2噴射口が同じ高さに位置する、請求項1又は2に記載の電極組立体の製造方法。
- 前記第1ガスの噴射が終了した時刻以降に前記第2ガスの噴射が開始する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法。
- タブを含む電極を有する電極組立体の製造装置であって、
積層された前記タブを有するタブ積層体に溶接部を形成するための溶接装置と、
前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される部分に向かって第1ガスを噴射するための第1噴射口が設けられた第1噴射部と、
前記タブ積層体のうちの前記溶接部が形成される部分に向かって第2ガスを噴射するための第2噴射口が設けられた第2噴射部と、
前記第1ガスを噴射する時刻とは異なる時刻に前記第2ガスを噴射するように前記第1ガス及び前記第2ガスの噴射時刻を制御するための制御装置と、
を備え、
前記第2噴射口は、前記第1噴射口とは異なる場所に位置している、電極組立体の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016095414A JP2017204384A (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | 電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016095414A JP2017204384A (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | 電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017204384A true JP2017204384A (ja) | 2017-11-16 |
Family
ID=60322427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016095414A Pending JP2017204384A (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | 電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017204384A (ja) |
-
2016
- 2016-05-11 JP JP2016095414A patent/JP2017204384A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6265900B2 (ja) | 多孔性構造の電極組立体及びこれを含む二次電池 | |
US8399804B2 (en) | Method for manufacturing prismatic battery, and laser welding jig and laser welding device for manufacturing the same | |
WO2017110246A1 (ja) | 電極組立体及び蓄電装置の製造方法 | |
JP5817571B2 (ja) | 蓄電装置用の袋状セパレータの製造方法 | |
JP2012049039A (ja) | 電池 | |
JP6195819B2 (ja) | 蓄電モジュール及びその製造方法 | |
JP2005038612A (ja) | リチウムイオン二次電池およびその製造方法 | |
WO2017195496A1 (ja) | 電極組立体の製造方法 | |
JP2016219274A (ja) | 電極組立体の製造方法及び電極積層体 | |
JP6965587B2 (ja) | 電極組立体 | |
JP6154468B2 (ja) | ラミネートフィルムの製造方法及び穿孔装置 | |
JP2017204384A (ja) | 電極組立体の製造方法及び電極組立体の製造装置 | |
JP6834982B2 (ja) | 電極組立体の製造方法 | |
JP2014222681A (ja) | 蓄電セルの製造方法、及び蓄電セル | |
JP6582877B2 (ja) | 電極組立体の製造方法および電極組立体 | |
JP6780372B2 (ja) | 電極溶接装置 | |
JP6841227B2 (ja) | 電極組立体の製造方法及び電極組立体 | |
JP6668994B2 (ja) | 電極組立体の製造方法 | |
JP2015159229A (ja) | 電気化学デバイス用外装および電気二重層キャパシタ | |
JP2019102127A (ja) | 樹脂枠、蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法 | |
JP6641978B2 (ja) | 電極組立体の製造方法及び電極組立体 | |
JP6834972B2 (ja) | 電極組立体 | |
JP6834973B2 (ja) | 電極組立体の製造方法 | |
JP6586868B2 (ja) | 電極組立体の製造方法 | |
KR102194157B1 (ko) | 기능성 3차원 구조물의 제조 방법 및 그에 의해 제조된 기능성 3차원 구조물 |