以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面には、必要に応じてXYZ直交座標系が示されている。Z軸方向は例えば鉛直方向、X軸方向及びY方向は例えば水平方向である。
図1は、第1実施形態に係る電極組立体を備える蓄電装置の分解斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った蓄電装置の断面図である。図1及び図2に示される蓄電装置1は、例えばリチウムイオン二次電池といった非水電解質二次電池又は電気二重層キャパシタである。
図1及び図2に示されるように、蓄電装置1は、例えば略直方体形状をなす中空のケース2と、ケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属によって形成されている。ケース2は、一方側において開口した本体部2aと、本体部2aの開口を塞ぐ蓋部2bとを有している。ケース2の内壁面上には、絶縁フィルム(図示せず)が設けられる。ケース2の内部には、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。電極組立体3では、後述する正極11の正極活物質層15、負極12の負極活物質層18、及びセパレータ13が多孔質をなしており、その空孔内に、電解液が含浸されている。ケース2の蓋部2bには、正極端子5と負極端子6とが互いに離間して配置されている。正極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定され、負極端子6は、絶縁リング8を介してケース2に固定されている。
電極組立体3は、積層型の電極組立体である。電極組立体3は、複数の正極11(電極)と、複数の負極12(電極)と、正極11と負極12との間に配置された袋状のセパレータ13とによって構成されている。セパレータ13内には、例えば正極11が収容されている。セパレータ13内に正極11が収容された状態で、複数の正極11と複数の負極12とがセパレータ13を介して交互に積層されている。
正極11は、例えばアルミニウム箔からなる金属箔14と、金属箔14の両面に形成された正極活物質層15と、を有している。正極11の金属箔14は、矩形状の本体14aと、本体14aの一端から突出する矩形状のタブ14bと、を含む。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成されている多孔質の層である。正極活物質層15は、本体14aの両面において、少なくとも本体14aの中央部分に正極活物質が担持されて形成されている。
正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。ここでは、一例として、タブ14bには、正極活物質が担持されていない。ただし、タブ14bにおける本体14a側の基端部分には、活物質が担持されている場合もある。
タブ14bは、本体14aの上縁部から上方に延び、集電板16(集電体)を介して正極端子5に接続されている。集電板16はタブ14bと正極端子5との間に配置されている。集電板16は、例えば、正極11の金属箔14と同一の材料から矩形平板状に構成される。積層された複数のタブ14bは、集電板16と、集電板16よりも薄い保護板23(導電部材)との間に配置される(図3参照)。保護板23は、例えば、正極11の金属箔14と同一の材料から矩形平板状に構成される。
負極12は、例えば銅箔からなる金属箔17と、金属箔17の両面に形成された負極活物質層18と、を有している。負極12の金属箔17は、正極11の金属箔14と同様に、矩形状の本体17aと、本体17aの一端部から突出する矩形状のタブ17bと、を含む。負極活物質層18は、本体17aの両面において、少なくとも本体17aの中央部分に負極活物質が担持されて形成されている。負極活物質層18は、負極活物質とバインダとを含んで形成されている多孔質の層である。
負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素等が挙げられる。ここでは、一例として、タブ17bには、負極活物質が担持されていない。ただし、タブ17bにおける本体17a側の基端部分には、活物質が担持されている場合もある。
タブ17bは、本体17aの上縁部から上方に延び、集電板19(集電体)を介して負極端子6に接続されている。集電板19はタブ17bと負極端子6との間に配置されている。集電板19は、例えば、負極12の金属箔17と同一の材料から矩形平板状に構成される。積層された複数のタブ17bは、集電板19と、集電板19よりも薄い保護板27(導電部材)との間に配置される(図3参照)。保護板27は、例えば、負極12の金属箔17と同一の材料から矩形平板状に構成される。
セパレータ13は、正極11を収容している。セパレータ13は、正極11及び負極12の積層方向からみて矩形状である。セパレータ13は、例えば、一対の長尺シート状のセパレータ部材を互いに溶着して袋状に形成される。セパレータ13の材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。
図3は、第1実施形態に係る電極組立体の斜視図である。図4は、X軸方向から見た図3の電極組立体の一部を示す図である。図3に示される電極組立体3は、セパレータ13を介して互いに積層された複数の正極11及び複数の負極12を含む。複数の正極11のそれぞれは、XY平面に延在する本体14aと、本体14aの一端からX軸方向に突出するタブ14bとを含む。複数の負極12のそれぞれは、XY平面に延在する本体17aと、本体17aの一端からX軸方向に突出するタブ17bとを含む。タブ14b,17bは、互いに積層されてタブ積層体21,25をそれぞれ構成する。すなわち、電極組立体3は、Z軸方向に積層された複数のタブ14bを有するタブ積層体21と、Z軸方向に積層された複数のタブ17bを有するタブ積層体25とを備える。タブ積層体21,25は、Y軸方向において、互いに離間して配列される。
タブ積層体21は、タブ積層体21の積層方向(Z軸方向)に沿って延在するタブ積層体21の端面21a,21b,21cを備える。端面21a,21bは、タブ積層体21を挟む面であり、端面21cは端面21a,21bを繋ぐ面である。すなわち、端面21a,21bは、タブ積層体21を挟んで互いに反対側に配置されている。また、端面21a,21bは、XZ平面に沿う面である。また、端面21cは、タブ積層体21の先端に向かうに連れてタブ積層体21の厚みが小さくなるようにXY平面に対して傾斜した面である。
タブ積層体21は、Z軸方向において、集電板16と保護板23との間に配置される。すなわち、タブ積層体21は、Z軸方向において集電板16上に配置される。保護板23は、Z軸方向においてタブ積層体21上に配置される。保護板23は、集電板16と接触しておらず、保護板23と集電板16とは、タブ積層体21を積層方向に挟んで離間している。タブ積層体21は保護板23よりも厚く、集電板16はタブ積層体21よりも厚い。電極組立体3は、保護板23及び集電板16を備えなくてもよい。
集電板16のY軸方向における長さは、タブ積層体21のY軸方向における長さ(端面21a,21b間の距離)よりも大きくなっている。Y軸方向において、集電板16のY軸方向における外側端部の位置は、本体14aのY軸方向における端部の位置と一致している。保護板23のY軸方向における長さは、タブ積層体21のY軸方向における長さと略同じである。
タブ積層体21は、タブ積層体21の端面21a,21bからそれぞれ内側に位置する溶接部Wを有する。溶接部Wは、端面21a,21bに隣接する集電板16及び保護板23の内部まで延びている。端面21a,21bにおいて、溶接部WのX軸方向における長さは、保護板23のX軸方向における長さと略等しいか、又は保護板23のX軸方向における長さよりも短いことが好ましい。これにより、タブ積層体21のタブ14bがX軸方向において位置ずれした場合(例えば公差による位置ずれがある場合)であっても安定して溶接部Wを形成することができる。なお、溶接部WのX軸方向における長さが保護板23のX軸方向における長さと略等しい場合、位置ずれにより溶接部WがX軸方向において保護板23の外側にはみ出す可能性がある。また、溶接部WのX軸方向における長さが保護板23のX軸方向における長さよりも長い場合、溶接部WがX軸方向において保護板23の外側にはみ出す。それらの場合であっても、溶接部Wを形成することは可能である。
図4に示されるように、Z軸方向を含みタブ積層体21の端面21a,21bに直交するタブ積層体21の断面(例えばYZ断面)において、溶接部Wの境界線Waは、Z軸方向に直交する方向H(例えばY軸方向)及びタブ積層体21の積層方向(Z軸方向)の両方に対して傾斜した方向に延びる第1の部分Wa1と、Z軸方向に延びる第2の部分Wa2とを有する。第1の部分Wa1は保護板23側に位置しており、第2の部分Wa2は集電板16側に位置している。溶接部Wは、集電板16内に位置する境界線Wbを有してもよい。境界線Wbは、Z軸方向に直交する方向H(例えばY軸方向)及びタブ積層体21の積層方向(Z軸方向)の両方に対して傾斜した方向に延びている。例えば、溶接部Wは2つの境界線Wa,Wbを有しており、後述するエネルギービームB(図6参照)の照射によりエネルギービームBの周囲に形成される溶融池の形状に応じて、溶接部Wの外面から内側に向かうに連れて2つの境界線Wa,Wbの間隔が狭くなっている。溶接池は、エネルギービームBの照射方向において、エネルギービームBの照射対象物の表面から内側に向けて先細るように形成される。溶接部Wは集電板16にも形成されるが、集電板16の密度はタブ積層体21の密度と異なるため、集電板16に形成される溶接池の深さとタブ積層体21に形成される溶接池の深さは異なる。その結果、上述のように、溶接部Wの外面から内側に向かうに連れて2つの境界線Wa,Wbの間隔は狭くなる。すなわち、タブ積層体21のYZ断面において、溶接部Wの境界線Waの第1の部分Wa1と方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をα、溶接部Wの境界線Wbと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をβ、エネルギービームBの照射方向をYZ平面に投影した方向Jと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をθとした場合に、θはαとβとの間の値となる。例えば、タブ積層体21のYZ断面において、集電板16内の境界線Wbと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をα、タブ積層体21内の境界線Waの第1の部分Wa1と方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をβ、エネルギービームBの照射方向をYZ平面に投影した方向Jと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をθとした場合、α<θ<βとなる。
同様に、タブ積層体25は、タブ積層体25の積層方向(Z軸方向)に沿って延在するタブ積層体25の端面25a,25b,25cを備える。端面25a,25bは、タブ積層体25を挟む面であり、端面25cは端面25a,25bを繋ぐ面である。すなわち、端面25a,25bは、タブ積層体25を挟んで互いに反対側に配置されている。また、端面25a,25bは、XZ平面に沿う面である。また、端面25cは、タブ積層体25の先端に向かうに連れてタブ積層体25の厚みが小さくなるようにXY平面に対して傾斜した面である。
タブ積層体25は、Z軸方向において、集電板19と保護板27との間に配置される。すなわち、タブ積層体25は、Z軸方向において集電板19上に配置される。保護板27は、Z軸方向においてタブ積層体25上に配置される。保護板27は、集電板19と接触しておらず、保護板27と集電板19とは、タブ積層体25を積層方向に挟んで離間している。タブ積層体25は保護板27よりも厚く、集電板19はタブ積層体25よりも厚い。電極組立体3は、保護板27及び集電板19を備えなくてもよい。
集電板19のY軸方向における長さは、タブ積層体25のY軸方向における長さ(端面25a,25b間の距離)よりも大きくなっている。Y軸方向において、集電板19のY軸方向における外側端部の位置は、本体17aのY軸方向における端部の位置と一致している。保護板27のY軸方向における長さは、タブ積層体25のY軸方向における長さと略同じである。
タブ積層体25は、タブ積層体25の端面25a,25bからそれぞれ内側に位置する溶接部Wを有する。タブ積層体25の端面25bは、タブ積層体21の端面21bと対向している。よって、タブ積層体21,25の端面21a,21b,25a,25bは、Y軸方向に沿って配列される。溶接部Wは、端面25a,25bに隣接する集電板19及び保護板27の内部まで延びている。端面25a,25bにおいて、溶接部WのX軸方向における長さは、保護板27のX軸方向における長さと略等しいか、又は保護板27のX軸方向における長さよりも短いことが好ましい。これにより、タブ積層体25のタブ17bがX軸方向において位置ずれした場合(例えば公差による位置ずれがある場合)であっても安定して溶接部Wを形成することができる。なお、溶接部WのX軸方向における長さが保護板27のX軸方向における長さと略等しい場合、位置ずれにより溶接部WがX軸方向において保護板27の外側にはみ出す可能性がある。また、溶接部WのX軸方向における長さが保護板27のX軸方向における長さよりも長い場合、溶接部WがX軸方向において保護板27の外側にはみ出す。それらの場合であっても、溶接部Wを形成することは可能である。
図4に示されるように、Z軸方向を含みタブ積層体25の端面25a,25bに直交するタブ積層体25の断面(例えばYZ断面)において、溶接部Wの境界線Waは、Z軸方向に直交する方向H(例えばY軸方向)及びタブ積層体25の積層方向(Z軸方向)の両方に対して傾斜した方向に延びる第1の部分Wa1と、Z軸方向に延びる第2の部分Wa2とを有する。第1の部分Wa1は保護板27側に位置しており、第2の部分Wa2は集電板19側に位置している。溶接部Wは、集電板19内に位置する境界線Wbを有してもよい。境界線Wbは、Z軸方向に直交する方向H(例えばY軸方向)及びタブ積層体25の積層方向(Z軸方向)の両方に対して傾斜した方向に延びている。例えば、溶接部Wは2つの境界線Wa,Wbを有しており、後述するエネルギービームB(図6参照)の照射によりエネルギービームBの周囲に形成される溶融池の形状に応じて、溶接部Wの外面から内側に向かうに連れて2つの境界線Wa,Wbの間隔が狭くなっている。溶接池は、エネルギービームBの照射方向において、エネルギービームBの照射対象物の表面から内側に向けて先細るように形成される。溶接部Wは集電板19にも形成されるが、集電板19の密度はタブ積層体25の密度と異なるため、集電板19に形成される溶接池の深さとタブ積層体25に形成される溶接池の深さは異なる。その結果、上述のように、溶接部Wの外面から内側に向かうに連れて2つの境界線Wa,Wbの間隔は狭くなる。すなわち、タブ積層体25のYZ断面において、溶接部Wの境界線Waの第1の部分Wa1と方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をα、溶接部Wの境界線Wbと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をβ、エネルギービームBの照射方向をYZ平面に投影した方向Jと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をθとした場合に、θはαとβとの間の値となる。例えば、タブ積層体25のYZ断面において、集電板19内の境界線Wbと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をα、タブ積層体25内の境界線Waの第1の部分Wa1と方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をβ、エネルギービームBの照射方向をYZ平面に投影した方向Jと方向Hとのなす角度のうち小さい方の角度をθとした場合、α<θ<βとなる。
図5〜図6及び図11〜図13は、第1実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。図3に示される電極組立体3は、例えば以下の方法により製造される。
(タブ積層体の準備工程)
まず、図5に示されるように、複数のタブ積層体21,25を準備する。図5(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図5(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。例えば、まず、集電板16,19上にそれぞれタブ14b,17bを積層することによりタブ積層体21,25を形成する。その後、タブ積層体21,25上にそれぞれ保護板23,27を載置する。タブ積層体21,25は、例えば治具により保護板23,27を介して押圧されるが、押圧されなくてもよい。
(溶接部の形成工程)
次に、図6に示されるように、タブ積層体25の端面25aにエネルギービームBを照射する。図6(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図6(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。エネルギービームBは、照射装置30からタブ積層体25の端面25aに向けて照射される。照射装置30は、例えばレンズ及びガルバノミラーを含むスキャナヘッドである。スキャナヘッドにはファイバを介してビーム発生装置が接続される。照射装置30は、例えばプリズム等の屈折式又は回折光学素子(DOE:diffractive optical element)等の回折系の光学系から構成されてもよい。
タブ積層体25の端面25aに直交すると共にタブ積層体25の積層方向を含む平面(例えばYZ平面)にエネルギービームBの照射方向を投影した方向Jは、当該平面(例えばYZ平面)において、Z軸方向に直交する方向H(例えばY軸方向)及びタブ積層体25の積層方向の両方に対して傾斜している。方向Jはタブ積層体25の端面25aに対しても傾斜している。YZ平面において、方向Hと方向Jとのなす角度のうち小さい方の角度θは、5〜85°であってもよく、10〜80°であってもよく、45〜75°であってもよい。エネルギービームBは、溶接を行うことができる高エネルギービームである。エネルギービームBは、例えばレーザービーム又は電子ビームである。エネルギービームBの照射は、ノズル32から供給される不活性ガスGの雰囲気中で行われる。
エネルギービームBは、例えば治具により集電板19及び保護板27を介してタブ積層体25をZ軸方向に押圧した状態でタブ積層体25の端面25aに照射される。
集電板16,19、タブ積層体21,25及び保護板23,27を含むワークは、例えばベルトコンベア等の搬送ステージ40上に載置され、エネルギービームBの照射位置までY軸方向に搬送される。
エネルギービームBは、タブ積層体25の端面25aにおいて、Z軸方向に交差する方向(X軸方向)に沿って走査される。第1実施形態では、エネルギービームBをZ軸方向に変位させながらX軸方向に沿って走査する。例えば、エネルギービームBをZ軸方向に往復変位(ウォブリング)させながらX軸方向に沿って走査する。エネルギービームBの照射スポットのZ軸方向における変位量は、タブ積層体25の厚みよりも大きい。エネルギービームBの照射スポットは、タブ積層体25の端面25aにおいて、位置Z1から位置Z2,Z3,Z4,Z5を順に経由して位置Z6まで移動する。位置Z1、Z3,Z5,Z6は、X軸方向に沿った軸線H1上に位置する。例えば、位置Z1,Z3,Z5,Z6は、Z軸方向においてタブ積層体25の端面25aの中心に位置する。エネルギービームBは、例えば、タブ積層体25の端面25aにおいてX軸方向に沿って中心点を移動させ、当該中心点を中心にXZ平面においてエネルギービームBの照射スポットを回転させながら走査される。その結果、エネルギービームBの照射スポットは、軸線H1上の位置Z1から、Z軸方向において保護板27側の位置Z2まで移動した後、軸線H1上の位置Z3に移動する。位置Z3は、位置Z1と位置Z6との間に位置する。その後、エネルギービームBの照射スポットは、軸線H1上の位置Z3から、Z軸方向において集電板19側の位置Z4まで移動した後、軸線H1上の位置Z5に移動する。位置Z5は、位置Z1と位置Z3との間に位置する。このような回転運動及び並進運動を繰り返して、エネルギービームBの照射スポットは位置Z6に到達する。回転の直径がタブ積層体25の厚みよりも大きいと、タブ積層体25の端面25a、集電板19及び保護板27を全体的に溶接できるため好ましい。この場合、位置Z2は保護板27内に位置することになり、位置Z4は集電板19内に位置することになる。
エネルギービームBの照射条件は、タブ積層体25の端面25aにおける位置に応じて、エネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量(以下、単にエネルギー総量ということもある)が変わるように制御される。例えば、タブ積層体25の端面25aにおける第1の位置P1においてエネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量Q1(J/m2)が、タブ積層体25の端面25aにおける第2の位置P2においてエネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量Q2(J/m2)よりも小さくなるように、エネルギービームBの照射条件は制御される。本実施形態では、位置P1が位置P2よりも集電板19に近い。位置P1は、端面25aの集電板19側領域(下半分の領域)に位置する。位置P2は、端面25aの保護板27側領域(上半分の領域)に位置する。Z軸方向において、保護板27から集電板19に向かうに連れて、エネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量が徐々に小さくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御されてもよい。
単位面積当たりのエネルギー総量を変更するために制御されるエネルギービームBの照射条件は、エネルギービームBの出力、走査速度、走査間隔、走査回数及び照射スポット径のうち少なくとも1つを含む。出力を大きくすると、エネルギー総量は大きくなる。走査速度を速くすると、エネルギー総量は小さくなる。走査間隔を大きくすると、エネルギー総量は小さくなる。走査回数を多くすると、各回の照射スポットが重なるため、エネルギー総量は大きくなる。照射スポット径を大きくすると、各照射スポットのエネルギー密度が低下するため、エネルギー総量は小さくなる。
エネルギービームBの出力を変更することによって、エネルギー総量Q1をエネルギー総量Q2よりも小さくすることができる。例えば、位置P1におけるエネルギービームBの出力を位置P2におけるエネルギービームBの出力よりも小さくすると、エネルギー総量Q1がエネルギー総量Q2よりも小さくなる。Z軸方向において、保護板27から集電板19に向かうに連れて、エネルギービームBの出力が徐々に小さくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御されてもよい。あるいは、Z軸方向において、保護板27から集電板19に向かうに連れて、エネルギービームBの走査速度が徐々に大きくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御されてもよい。
図7は、図6の工程におけるエネルギービームの出力変化の一例を示すグラフである。図7(A)では、縦軸がエネルギービームBの出力Eであり、横軸が時間tである。図7(B)では、縦軸がエネルギービームBの出力Eであり、横軸がエネルギービームBの照射スポットのZ軸位置zである。図7に示されるように、エネルギービームBの出力Eの変更サイクルは、エネルギービームBの照射スポットのウォブリング周波数に対応している。例えば、図7(A)に示されるように、エネルギービームBの出力Eの波形は正弦波とすることができる。時刻t1において、エネルギービームBの照射スポットは位置Z1にあり、エネルギービームBの出力はE0である。時刻t1後の時刻t2において、エネルギービームBの照射スポットは位置Z2にあり、エネルギービームBの出力はE0よりも大きいEaである。時刻t2後の時刻t3において、エネルギービームBの照射スポットは位置Z3にあり、エネルギービームBの出力はE0である。時刻t3後の時刻t4において、エネルギービームBの照射スポットは位置Z4にあり、エネルギービームBの出力はE0よりも小さいEbである。時刻t4後の時刻t5において、エネルギービームBの照射スポットは位置Z5にあり、エネルギービームBの出力はE0である。
エネルギービームBの出力変化は、図7(A)に示すような時間変化に対して正弦波となる波形に限らない。図8は、エネルギービームの出力変化の別の例を示すグラフである。図8に示されるようにエネルギービームBの出力を変更することによって、エネルギー総量Q1をエネルギー総量Q2よりも小さくしてもよい。エネルギービームBの照射スポットの動きは図7の例と同じである。図8では、縦軸がエネルギービームBの出力Eであり、横軸が時間tである。図7(A)に示される正弦波ではエネルギービームBの出力Eを経時的に連続変化させていたが、図8(A)に示されるように、エネルギービームBの出力を変更しない期間とエネルギービームBの出力を変更する期間とを設けてもよい。例えば、エネルギービームBの照射スポットが、Z軸方向におけるエネルギービームBの照射範囲の上端(位置Z2)を含む上側領域及び下端(位置Z4)を含む下側領域に位置する期間にエネルギービームBの出力を変更する。エネルギービームBの照射スポットが、上側領域と下側領域との間に位置する中央領域(位置Z1,Z3,Z5を含む領域)に位置する期間にはエネルギービームBの出力を変更しない。その結果、上側領域及び下側領域のエネルギー総量が変化し、中央領域のエネルギー総量は変化しない。一方、図8(B)に示されるように、Z軸方向におけるエネルギービームBの照射範囲の上半分において、エネルギービームBのE0からの出力変化量が、図7(A)の正弦波における出力変化量よりも大きくなるようにしてもよい。また、Z軸方向におけるエネルギービームBの照射範囲の下半分において、エネルギービームBのE0からの出力変化量が、図7(A)の正弦波の出力変化量よりも小さくなるようにしてもよい。これにより、照射範囲の上半分と下半分で出力変化量が非対称になる。
図9は、図6の工程の別の例を示す図である。図9に示されるように、エネルギービームBの照射スポットをZ軸方向にずらしながら、エネルギービームBをX軸方向に沿って複数回走査してもよい。エネルギービームBの照射スポットは、保護板27から集電板19に向かって変位しながらX軸方向において往復運動する。この場合、例えば、エネルギービームBの走査速度を変更することによって、エネルギー総量Q1をエネルギー総量Q2よりも小さくしてもよい。例えば、位置P1におけるエネルギービームBの走査速度V1を位置P2におけるエネルギービームBの走査速度V2よりも速くすると、エネルギー総量Q1がエネルギー総量Q2よりも小さくなる。Z軸方向において、保護板27から集電板19に向かうに連れて、エネルギービームBの走査速度が徐々に大きくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御されてもよい。あるいは、Z軸方向において、保護板27から集電板19に向かうに連れて、エネルギービームBの出力が徐々に小さくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御されてもよい。あるいは、端面25aの保護板27側領域において、エネルギービームBの照射スポットが重なるように複数回走査を行ってもよい。本例では、X軸方向において双方向にエネルギービームBを走査しているが、一方向にエネルギービームBを走査してもよい。
図10は、図6の工程の別の例を示す図である。図10に示されるように、エネルギービームBの照射スポットをZ軸方向にずらしながら、エネルギービームBをX軸方向に沿って複数回走査する際に、Z軸方向のずれ量(走査間隔)を変更することによって、エネルギー総量Q1をエネルギー総量Q2よりも小さくすることができる。Z軸方向において、保護板27から集電板19に向かうに連れて、エネルギービームBの走査間隔D1,D2,D3,D4が徐々に大きくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御されてもよい。本例では、X軸方向において双方向にエネルギービームBを走査しているが、一方向にエネルギービームBを走査してもよい。
上述のようにエネルギービームBを照射することによって、図11に示されるように、タブ積層体25の端面25aから内側に溶接部Wが形成される。図11(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図11(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。タブ積層体25のYZ断面において、溶接部Wの境界線Waは、方向H及びZ軸方向の両方に対して傾斜した方向に延びる第1の部分Wa1と、Z軸方向に延びる第2の部分Wa2とを有する。溶接部Wは、集電板19内に位置する境界線Wbを有してもよい。
続いて、図12に示されるように、タブ積層体21の端面21bにも同様にエネルギービームBを照射する。これにより、図13に示されるように、タブ積層体21の端面21bから内側にも溶接部Wが形成される。
エネルギービームBは、タブ積層体25の端面25bとタブ積層体21の端面21bとが互いに対向配置された状態で、端面21bに照射される。
続いて、タブ積層体21の端面21bと同様に、タブ積層体25の端面25bにエネルギービームBを照射することにより、タブ積層体25の端面25bから内側に溶接部Wを形成する(図4参照)。エネルギービームBは、タブ積層体25の端面25bとタブ積層体21の端面21bとが互いに対向配置された状態で、端面25bに照射される。その後、タブ積層体25の端面25bと同様に、タブ積層体21の端面21aにエネルギービームBを照射することにより、タブ積層体21の端面21aから内側に溶接部Wを形成する(図4参照)。
エネルギービームBの照射の際、タブ積層体21,25を含むワークは、搬送ステージ40によって、エネルギービームBの照射位置までY軸方向に搬送される。第1の照射装置30を用いて、タブ積層体21,25の端面21a,25bにエネルギービームBを照射し、第2の照射装置30を用いて、タブ積層体21,25の端面21b,25aにエネルギービームBを照射してもよい。また、1つの照射装置30をモータ等の駆動装置により移動させてエネルギービームBの照射方向を変えることによって、端面25a,21b,25b,21aにエネルギービームBを順に照射してもよい。
上記工程を経ることによって、電極組立体3が製造される。その後、タブ積層体21,25を折り曲げた電極組立体3をケース2内に収容し、蓄電装置1を製造することができる。
以上説明したように、第1実施形態の電極組立体の製造方法では、タブ積層体25の端面25aにおける位置に応じて溶接部Wの溶接深さを制御できる。例えば、位置P1においてエネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量Q1を、位置P2においてエネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量Q2よりも小さくすれば、位置P1に形成される溶接部Wの溶接深さは、位置P2に形成される溶接部Wの溶接深さに比べて浅くなる。タブ積層体25の端面25b、タブ積層体21の端面21a,21bに位置する溶接部Wの溶接深さについても同様に制御できる。
また、本実施形態では、位置P1が位置P2よりも集電板19に近いので、集電板19が受ける熱量を小さくできる。よって、熱歪みによる集電板19の変形を抑制できる。同様に、集電板16の変形も抑制できる。
さらに、本実施形態では、保護板27側からタブ積層体25の端面25aにエネルギービームBが斜めに照射される(図6の方向J)。この場合、端面25aの保護板27側領域における溶接部Wの溶接深さは浅くなり、端面25aの集電板19側領域における溶接部Wの溶接深さは深くなる傾向にある。そのため、端面25aの保護板27側領域における溶接部Wの溶接深さを十分深くしようとすると、端面25aの集電板19側領域における溶接部Wの溶接深さが過剰に深くなる可能性がある。しかし、本実施形態では、位置P1におけるエネルギー総量Q1が、位置P2におけるエネルギー総量Q2よりも小さくなっているので、位置P2における溶接部Wの溶接深さを十分深くしても、位置P1における溶接部Wの溶接深さが過剰に深くならない。よって、集電板19が受ける熱量を抑制できる。同様に、集電板16が受ける熱量も抑制できる。
図14〜図15は、第2実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。図14(A)及び図15(A)はX軸方向から見たタブ積層体21,25を示す図であり、図14(B)及び図15(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。第2実施形態では、タブ積層体21,25の端面21c,25cにそれぞれ溶接部Wが形成されること以外は第1実施形態と同様に電極組立体3を製造することができる。
タブ積層体25の端面25cは、タブ積層体25の先端に位置しており、YZ平面に沿う面である。端面25cは、タブ積層体25の先端を切断することによって形成されてもよいし、異なる長さのタブ17bを用いてタブ17bを積層することによって形成されてもよい。
図14に示されるように、タブ積層体25の端面25cに直交すると共にタブ積層体25の積層方向を含む平面(例えばXZ平面)にエネルギービームBの照射方向を投影した方向Jは、当該平面(例えばXZ平面)において、Z軸方向に直交する方向H(例えばX軸方向)及びタブ積層体25の積層方向の両方に対して傾斜している。方向Jはタブ積層体25の端面25cに対しても傾斜している。エネルギービームBは、端面25cにおいて、Z軸方向に変位(ウォブリング)させながらY軸方向に沿って走査される。エネルギービームBの照射スポットは、端面25cにおいて、位置Z1から位置Z2,Z3,Z4,Z5を順に経由して位置Z6まで移動する。位置Z1、Z3,Z5,Z6は、Y軸方向に沿った軸線H1上に位置する。例えば、位置Z1,Z3,Z5,Z6は、Z軸方向において端面25cの中心に位置する。エネルギービームBは、例えば、端面25cにおいてY軸方向に沿って中心点を移動させ、当該中心点を中心にYZ平面においてエネルギービームBの照射スポットを回転させながら走査される。エネルギービームBの照射スポットの動きは第1実施形態と同様である。エネルギービームBの照射条件は、第1実施形態と同様に、タブ積層体25の端面25cにおける位置に応じて、エネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量が変わるように制御される。
図15に示されるように、エネルギービームBの照射により、タブ積層体25の端面25cから内側に溶接部Wが形成される。溶接部Wの境界線Waは、タブ積層体25のXZ断面において、方向H及びZ軸方向の両方に対して傾斜した方向に延びる第1の部分Wa1と、Z軸方向に延びる第2の部分Wa2とを有する。溶接部Wは、集電板19内に位置する境界線Wbを有してもよい。
同様に、エネルギービームBをタブ積層体21の端面21cに照射することによって、タブ積層体21の端面21cにも溶接部Wが形成される。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、第2実施形態では、タブ積層体25の端面25a,25bに加えて端面25cにも溶接部Wが形成されるので、タブ17b間の電気抵抗値を低減することができる。同様に、タブ積層体21の端面21a,21bに加えて端面21cにも溶接部Wが形成されるので、タブ14b間の電気抵抗値を低減することができる。タブ積層体21,25の端面21a,21b,25a,25bに溶接部Wが形成されず、タブ積層体21,25の端面21c,25cにのみ溶接部Wが形成されてもよい。
図16〜図17は、第3実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。図16(A)及び図17(A)はX軸方向から見たタブ積層体25を示す図であり、図16(B)及び図17(B)はY軸方向から見たタブ積層体25を示す図である。第3実施形態では、積層型の電極組立体3に代えて巻回型の電極組立体3を製造すること以外は第1実施形態と同様に電極組立体3を製造することができる。
巻回型の電極組立体3は、積層型の電極組立体3と同様に、タブ積層体21,25を備える。タブ積層体21,25はX軸方向において互いに反対側に配置される。タブ積層体25では、複数のタブ17bが、X軸方向の軸を中心に巻回された後、Z軸方向に圧縮されている。そのため、タブ積層体25は、Z軸方向に積層された複数のタブ17bを有する。したがって、巻回型の電極組立体3において、タブ積層体25は端面25a,25bを備えておらず、先端に位置する端面25cのみを備えている。同様に、タブ積層体21は端面21a,21bを備えておらず、先端に位置する端面21cのみを備えている。
図16に示されるように、タブ積層体25の端面25cに直交すると共にタブ積層体25の積層方向を含む平面(例えばXZ平面)にエネルギービームBの照射方向を投影した方向Jは、当該平面(例えばXZ平面)において、Z軸方向に直交する方向H(例えばX軸方向)及びタブ積層体25の積層方向の両方に対して傾斜している。方向Jはタブ積層体25の端面25cに対しても傾斜している。エネルギービームBの照射スポットの動きは第2実施形態と同様である。エネルギービームBの照射条件は、第2実施形態と同様に、タブ積層体25の端面25cにおける位置に応じて、エネルギービームBから受ける単位面積当たりのエネルギー総量が変わるように制御される。
図17に示されるように、エネルギービームBの照射により、タブ積層体25の端面25cから内側に溶接部Wが形成される。溶接部Wの境界線Waは、タブ積層体25のXZ断面において、方向H及びZ軸方向の両方に対して傾斜した方向に延びる第1の部分Wa1と、Z軸方向に延びる第2の部分Wa2とを有する。溶接部Wは、集電板19内に位置する境界線Wbを有してもよい。
同様に、エネルギービームBをタブ積層体21の端面21cに照射することによって、タブ積層体21の端面21cにも溶接部Wが形成される。
巻回型の電極組立体3では、図18に示されるように、集電板19が複数のタブ積層体25間に位置してもよい。図18(A)及び図18(B)に示されるように、複数の保護板27間に、複数のタブ積層体25及び集電板19が位置してもよい。この場合、エネルギービームBを複数の端面25cにそれぞれ照射することによって、複数の端面25cに溶接部Wがそれぞれ形成される。これにより、図16及び図17の巻回型の電極組立体3に比べて、タブ17bのZ軸方向における変位量を半分程度に小さくすることができる。同様に、電極組立体3は、集電板16を間に挟む複数のタブ積層体21を備えてもよい。エネルギービームBを複数の端面21cにそれぞれ照射することによって、複数の端面21cに溶接部Wがそれぞれ形成される。これにより、図16及び図17の巻回型の電極組立体3に比べて、タブ14bのZ軸方向における変位量を半分程度に小さくすることができる。また、図18(C)及び図18(D)に示されるように、上側のタブ積層体25の端面25cに溶接部Wを形成し、下側のタブ積層体25の端面25cに溶接部Wを形成しなくてもよい。巻回型の電極組立体3では、下側のタブ積層体25は上側のタブ積層体25と一体化しているので、下側のタブ積層体25に溶接部Wを形成する必要がない。この場合、溶接部Wを形成する手間を軽減できる。タブ積層体21についても同様に、上側のタブ積層体21の端面21cに溶接部Wを形成し、下側のタブ積層体25の端面21cに溶接部Wを形成しなくてもよい。
第3実施形態では、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
図19は、第4実施形態に係る電極組立体の製造方法の一工程を示す図である。第4実施形態では、溶接部Wの境界線WaがZ軸方向に延びるようにエネルギービームBの照射条件を制御すること以外は第1実施形態と同様に電極組立体3を製造することができる。
本実施形態では、第1実施形態に比べて、図6の位置P2におけるエネルギー総量Q2を大きくするように、エネルギービームBの照射条件が制御される。例えば、タブ積層体25の端面25aの保護板27側領域において、保護板27から集電板19に向かうに連れて各位置P2におけるエネルギー総量Q2が徐々に小さくなるように、エネルギービームBの照射条件が制御される。その結果、図19に示されるように、Z軸方向を含みタブ積層体25の端面25a,25bに直交するタブ積層体25の断面(例えばYZ断面)において、溶接部Wの境界線WaはZ軸方向に延びる。境界線Waは、例えばZ軸方向に略平行な直線である。同様に、タブ積層体25の端面25b、タブ積層体21の端面21a,21bに形成される溶接部Wの境界線WaもZ軸方向に延びる。
第4実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、タブ積層体25の端面25aの保護板27側領域において溶接部Wの溶接深さが深くなる。そのため、タブ積層体25のタブ17bがY軸方向に位置ずれした場合であっても、タブ17b間に未溶接部が生じることを抑制できる。タブ積層体21についても同様にタブ14b間に未溶接部が生じることを抑制できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記各実施形態の構成要素は任意に組み合わされ得る。
例えば、上記実施形態において、エネルギービームBの照射方向はXY平面に平行であってもよい。