JP2017203248A - グラウンドアンカー及び施工方法 - Google Patents

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【課題】テンドン拘束長周囲の地盤が劣化しても新たにアンカーを打つ必要がなく、アンカーの延命化を行うことが出来るグラウンドアンカーとその施工方法の提供。【解決手段】本発明のグラウンドアンカー(10)は、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)及び第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)が同一のアンカー孔(H)に挿入されており、第1のアンカー体(1)は第2のアンカー体(2)よりも短く、第1のアンカー体(1)のテンドン拘束長(L1)は第2のアンカー体(2)のテンドン拘束長(L2)よりも地上側に位置している。【選択図】図2

Description

本発明はグラウンドアンカーに関し、より詳細にはテンドン拘束長がアンカーの緊張力を支持することが出来る期間(或いはアンカーの寿命)を長期化することが出来るグラウンドアンカーと、その施工方法に関する。
グラウンドアンカーでは、アンカー孔内に張力支持材(テンドン)を挿入すると共、当該アンカー孔の地中側先端から所定範囲に固化材を充填してテンドン拘束長を形成して、テンドンを固定していた(例えば、特許文献1参照)。
そして、例えばジャッキの様な張力付与装置により、テンドンの地上側端部を把持して引っ張り、必要な張力が付加された後にテンドンの地上側端部を定着具で固定する。定着具で固定した後、張力付与装置とテンドンとの係合を解除すれば、テンドンは引張力が付加された状態で固定され、当該引張力(アンカーの緊張力)はテンドン拘束長により支持される。
ここで、アンカー自体は劣化しなくても、アンカーの緊張力を支持しているテンドン拘束長周囲の地盤が劣化して(例えば、細かく破砕して剛性が欠如して)、アンカーの緊張力を支持できなくなる場合が存在する。そしてテンドン拘束長周囲の地盤が緊張力を支持できなくなると、アンカー体が地上側に抜き出てしまう恐れがある。
係る事態を防止するため、テンドン拘束長周囲の地盤が緊張力を支持する状態を続行する(アンカーを延命化する)ために、従来は、当該アンカーを掘り返して新たにアンカーを打つか、或いは、当該アンカーを埋め殺して新しいアンカーを別途打つことにより対処していた。
しかし、従来のアンカー延命化の手法では、施工当初にアンカーを打ち、且つ、テンドン拘束長周囲の地盤が劣化した際に新たにアンカーを打つので、合計2回に亘ってアンカーを打たなければならず、アンカー延命化のコストが高騰化してしまう。
そして、テンドン拘束長周囲の地盤が劣化した際に新たにアンカーを打つことなく、アンカー体が地上側に抜け出てしまうことを防止する有効な技術は、現時点では提案されていない。
特開平7−286327号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、テンドン拘束長周囲の地盤が劣化しても新たにアンカーを打つ必要がなく、アンカーの延命化を行うことが出来るグラウンドアンカーとその施工方法の提供を目的としている。
本発明のグラウンドアンカー(10)は、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)及び第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)が同一のアンカー孔(H:ボーリング孔)に挿入されており、
第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)は第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)よりも短く、
第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L1)は第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L2)よりも地上側に位置していることを特徴としている。
本発明のグラウンドアンカー(10)においては、アンカー孔(H:ボーリング孔)内で第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)の張力支持材(1A:テンドン)は第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)の張力支持材(2A:テンドン)よりも半径方向外側に位置しているのが好ましい。
また本発明のグラウンドアンカー施工方法は、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)及び第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)よりも長い第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)を同一のアンカー孔(H:ボーリング孔)内に挿入し、
当該アンカー孔(H:ボーリング孔)に固化材(C:例えばグラウト)を充填して、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L1)を第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L2)よりも地上側に位置させて、
第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)にのみ緊張力を作用させて定着具(1B)で固定することを特徴としている。
本発明のグラウンドアンカー施工方法において、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L1)の周囲地盤が第1のアンカー体(1)に作用する緊張力を支持できない(テンドン拘束長L1の周囲地盤が劣化した)場合に、第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)に緊張力を作用させて定着具(2B)で固定することが好ましい。
本発明のグラウンドアンカー施工方法の実施に際しては、アンカー孔(H)内で第1のアンカー体(1)の張力支持材(1A)を第2のアンカー体(2)の張力支持材(2A)よりも半径方向外側に位置させるのが好ましい。
上述した構成を具備する本発明によれば、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)及び第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)よりも長い第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)を同一のアンカー孔(H:ボーリング孔)に挿入し、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L1)は第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L2)よりも地上側に位置させているので、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)にのみ緊張力を作用させて定着具(1B)で固定すれば、第1のアンカー体(1)のテンドン拘束長(L1)周囲の地盤のみがアンカー体に作用する緊張力を支持し、第2のアンカー体(2)のテンドン拘束長(L2)周囲の地盤は緊張力が作用しない。
そのため、第1のアンカー体(1)のテンドン拘束長(L1)周囲の地盤のみが劣化し、第2のアンカー体(2)のテンドン拘束長(L2)周囲の地盤は劣化しない。
アンカー施工から長期間が経過して、アンカー体に作用する緊張力を支持している第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体1)のテンドン拘束長(L1)周囲の地盤が劣化して、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L1)の周囲地盤が第1のアンカー体(1)に作用する緊張力を支持できなくなれば、第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)に緊張力を作用させて定着具(2B)で固定することにより、第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L2)の周辺地盤が第2のアンカー体(2)に作用する緊張力を支持することが出来る。
ここで、劣化したのは第1のアンカー体(1)のテンドン拘束長(L1)周囲の地盤であり、第2のアンカー体(2)のテンドン拘束長(L2)周囲の地盤は劣化していないので、当該アンカー孔(H:ボーリング孔:先行使用アンカー1が配置されているアンカー孔)において、アンカー体のテンドン拘束長がアンカー体に作用する緊張力を支持する状態が保持され、アンカーの延命化が達成される。
また本発明において、アンカー孔(H:ボーリング孔)では第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)の張力支持材(1A:テンドン)が第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)の張力支持材(2A:テンドン)よりも半径方向外側に位置していれば、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L1)と第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長(L2)は、共に、周囲の地盤と良好に一体化して、第1のアンカー体(1:先行使用アンカーのアンカー体)或いは第2のアンカー体(2:延命用アンカーのアンカー体)に作用する緊張力を確実に支持することが出来る。
本発明の実施形態を示す説明断面図である。 本発明の実施形態の施工の一工程であって、施工直後の状態を示す説明断面図である。 施工から長時間が経過して、延命化を施した状態を示す説明断面図である。 実施形態におけるテンドンの配置の一例を図1〜図3で示す断面と直交する断面で模式的に示す説明図である。 法面におけるすべり面を示す説明図である。 施工当初に推定されていたすべり面よりも実際のすべり面が拡がっていた場合に実施形態を適用した場合の説明断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態の概要を示す図1において、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)と第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)が、地盤Gに穿孔されたアンカー孔H(ボーリング孔)に挿入されている。
第1のアンカー体1(の張力支持材或いはテンドン1A)は第2のアンカー体2(の張力支持材或いはテンドン2A)よりも短く、そのため、第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1は、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2よりも地上側(図1では上方)に位置している。
第1のアンカー体1は、アンカー孔Hの口元(アンカー孔Hの地上側端部)から所定深さまでシース3で被覆されて、第1のアンカー体1のテンドン自由長を構成している。そして第1のアンカー体1のテンドン自由長よりも深い領域(シース3で被覆されていない範囲)が、アンカー体1のテンドン拘束長L1を構成している。
同様に、第2のアンカー体2は、アンカー孔Hの口元(アンカー孔Hの地上側端部)から所定深さ位置までシース4で被覆されて、第2のアンカー体2のテンドン自由長を構成している。そして第2のアンカー体2におけるテンドン自由長よりも深い領域(シース4で被覆されていない範囲)が、アンカー体2のテンドン拘束長L2を構成している。
上述した様に、第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1は、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2よりも地上側に位置しており、第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1と第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2は深さ方向(図1の上下方向)の位置について、重複してはいない。
第1のアンカー体1と第2のアンカー体2が挿入されているアンカー孔H(ボーリング孔)は、防錆のため、口元(アンカー孔Hの地上側端部)までグラウト材C(固化材)が充填されている。そして口元(アンカー孔Hの地上側端部)までグラウト材C(固化材)を充填することにより、第1のアンカー体1と第2のアンカー体2のテンドン拘束長L1、L2にグラウト材Cが確実に行き渡る(到達し、浸透する)。
明確には図示されていないが、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)と第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)の本数は同一でなくても良い。例えば、将来、地滑りが大きくなることが予想されている場合には、第1のアンカー体1の本数よりも第2のアンカー体2の本数を多くすることが出来る。換言すれば、第1のアンカー体1と第2のアンカー体2の本数或いはその割合は、ケース・バイ・ケースで決定される。
図2は、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)にのみ緊張力(張力)を作用させた状態を示している。
図1で示す状態から第1のアンカー体1に緊張力(張力)を作用させる際には、グラウト材Cがアンカー孔H内で固化した状態で、第1のアンカー体1の地上側頭部に定着具1Bを設置する。そして、第1のアンカー体1の地上側端部(頭部)近傍を図示しないジャッキで把持する。
そして図示しないジャッキにより、第1のアンカー体1の頭部を引っ張り、緊張力(張力)を作用させる(緊張力を付加する)。第1のアンカー体1に緊張力を作用させたならば、第1のアンカー体1の頭部を定着具1Bに固定する。
第1のアンカー体1を定着具1Bへ固定する際は、くさび機構(図示しない)を使用して、テンドン1Aを定着具1Bに固定することが出来る。但し、第1のアンカー体1のテンドン1Aが雄ネジを形成した異形棒鋼で構成されており、当該雄ネジと螺合するナットで定着具1Bが構成されていれば、当該ナットを締め込むことにより、第1のアンカー体1のテンドン1Aを定着具1Bで固定することが出来る。
第1のアンカー体1のテンドン1Aを定着具1Bで固定したならば、図示しないジャッキを取り外す。これにより、第1のアンカー体1のテンドン1Aに緊張力が作用する。
図2で示す様に、この状態では第1のアンカー体1のテンドン1Aにのみ緊張力(引張力)が作用しており、第2のアンカー体2には緊張力(張力)が作用していない。そのため、図2では第2のアンカー体2には定着具が設置されていない。なお、図2における符号1Cは支圧板を示す。
図2を参照して説明した様に第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体1)に緊張力を付加した結果、第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1の周囲の地盤のみがアンカー体に作用する緊張力(張力)を支持する。
一方、第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)には緊張力(張力)が作用しないので、第1のアンカー体1に緊張力が作用しても、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2の周囲の地盤には、第1のアンカー体1に作用する緊張力(張力)を支持しない。
そのため、グラウンドアンカー施工から長時間が経過して、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化しても、第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L2の周囲の地盤は劣化しない。
グラウンドアンカー施工から長期間が経過して、アンカー体に作用する緊張力を支持している第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化すると、例えば当該地盤は細分化されて剛性を喪失し、テンドンに作用する緊張力が支持できなくなる。
第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化したか否か(アンカー体に作用する緊張力を支持できなくなっているか否か)は、例えば、リフトオフ試験や、目視によりアンカー体が地上側に飛び出ているのを確認することにより、判断することが出来る。テンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化すると、第1のアンカー体1に作用する緊張力が支持できなくなり、第1のアンカー体1が地上側に飛び出てくるので、目視により視認することが可能である。
第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化した場合には、図3で示す様に、第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)の頭部(地上側端部)に定着具2Bを設置し、図示しないジャッキで緊張力を作用させた後に定着具2Bで固定する。
なお図3において、地盤が劣化した領域を符号Rで示している。
第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化したためアンカー体に作用する緊張力が支持できなくなったことを、例えばリフトオフ試験や目視により確認したならば、アンカー体2の地上側頭部に定着具2Bを設置する。ここで、図3の符号2Cは支圧板を示す。
そして、第2のアンカー体2の頭部近傍に図示しないジャッキを設置し、当該ジャッキで第2のアンカー体2の頭部を把持して引張力(緊張力)を付加する。その後、第2のアンカー体2の頭部を定着具2Bに固定し、図示しないジャッキを取り外す。
図3において、第2のアンカー体2に作用する緊張力(引張力)は、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2の周囲の地盤が支持する。
上述した様に第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)には(図2で示す状態では)緊張力が作用していないので、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2の周辺地盤は劣化しておらず、図3で図示しないジャッキにより緊張力が作用しても、第2のアンカー体2に作用する緊張力を確実に支持することが出来る。
その結果、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L1の周囲の地盤が劣化しても、第1のアンカー体1と同一のアンカー孔H(同一箇所)において、テンドン拘束長L2の周辺地盤により、第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)に付加された緊張力が支持される。すなわち、テンドン拘束長周辺地盤(L2)が緊張力を支持する状態が達成され、アンカー延命化が出来る(アンカーの寿命が延長される)。
図示の実施形態では、第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)に緊張力を付加するに際しては、図3で示す様に、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)の定着具1B(図3では図示しない)を取り外し、第1のアンカー体1に付加されていた緊張力を解除している。
しかしアンカーの頭部構造によっては、第1のアンカー体1の緊張力を解除させずに、第2のアンカー体2(延命化アンカーのアンカー体)に緊張力を作用させる場合がある。
図1〜図3で示すアンカー施工の際に、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)と第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)の水平方向断面における配置について、複数のアンカー体1、2を同一のアンカー孔Hに配置する場合は、図4(第1のアンカー体1と第2のアンカー体2を、それぞれ3本配置)で示す様に、第1のアンカー体1を第2のアンカー体2よりも半径方向外側に配置する。
図4において、第1のアンカー体1と第2のアンカー体2は、それぞれ3本配置された状態が例示されている。
第1のアンカー体1を第2のアンカー体2よりも半径方向外側に配置するのは、先行使用アンカーを施工する段階から、第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1が確実に周囲の地盤に付着し、緊張力(張力)を支持する様にせしめるためである。すなわち、第2のアンカー体2の半径方向外側に位置している第1のアンカー体1におけるテンドン拘束長L1において、第1のアンカー体1の周囲には固化材が充填されており、テンドン拘束長L1周辺の地盤と第1のアンカー体1の間に第2のアンカー体2が存在しない。そして、充填された固化材により第1のアンカー体1はテンドン拘束長L1周囲の地盤と確実に一体化される。
一方、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2は、第1のアンカー体1におけるテンドン拘束長L1よりも深い領域(下方の領域)に構成されるので、テンドン拘束長L1と同様に、周囲の地盤と良好に一体化して緊張力を確実に支持することが出来る。
仮に、第1のアンカー体1を第2のアンカー体2よりも半径方向内側に配置した場合は、先行使用アンカーを施工した段階で、第2のアンカー体2は、第1のアンカー体1とテンドン拘束長L1周辺地盤との間に存在して、第1のアンカー体1とテンドン拘束長L1周辺地盤との一体化を妨げる恐れがある。
なお、施工条件等に起因して、水平方向断面における第1のアンカー体1と第2のアンカー体2の配置は、図4で示す以外の態様が可能である。
図1〜図4では、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)と第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)の何れか一方のみに緊張力を作用させている。しかし、第1のアンカー体1と第2のアンカー体2の双方に同時に緊張力を作用させる場合も存在し、その様な場合が図5、図6で示されている。
例えば図5で示す様に、グラウンドアンカーの施工当初はアンカー体(第1のアンカー体1と第2のアンカー体2)の配置に対してすべり面が点線S1で示す範囲であると考えられていたが、その後、実際のすべり面が実線S2で示す範囲であることが判明する場合や、実線S2で示す範囲まで後発的に拡大してしまう場合が存在する。
図5で示す様に、すべり面が施工当初より広範囲に亘ってしまう場合、すなわち図5において、当初、すべり面は符号S1で示す範囲であると想定されていたのが、その後の調査等により、図5の符号S2で示す範囲がすべり面であると判明した場合には、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のみでは、すべり面S2に沿った崩落を十分に防止できない可能性が生じる。
その様な場合には、図示の実施形態では、第1のアンカー体1(先行使用アンカーのアンカー体)のテンドン拘束長L1の周辺の地盤が劣化していなくとも、図6で示す様に、第2のアンカー体2(延命用アンカーのアンカー体)に定着具2Bを設置して緊張力を作用させることが出来る。
図6では、アンカー孔H内に配置された第1のアンカー体1及び第2のアンカー体2は、それぞれの地上側頭部に定着具1B、2Bを設置した上、ジャッキで緊張力を作用(付加)させた後に、それぞれ定着具1B、2Bで固定する。
これにより、第1のアンカー体1と第2のアンカー体2の双方に緊張力が作用することになり、第1のアンカー体1のテンドン拘束長L1の周囲の地盤と、第2のアンカー体2のテンドン拘束長L2の周囲の地盤は、共にアンカー体に作用する緊張力を支持することになる。
そのため、一か所のアンカー全体に作用する緊張力(第1のアンカー体1に作用する緊張力と第2のアンカー体2に作用する緊張力の和)を増加して、すべり面S2に沿って法面が崩落してしまう事態を防止することが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
1・・・第1のアンカー体(先行使用アンカーのアンカー体)
1A、2A・・・テンドン(張力支持材)
1B、2B・・・定着具
1C、2C・・・支圧板
2・・・第2のアンカー体(延命用アンカーのアンカー体)
3、4・・・シース
10・・・グラウンドアンカー
C・・・グラウト材(固化材)
H・・・アンカー孔(ボーリング孔)
L1、L2・・・テンドン拘束長
S1、S2・・・すべり面

Claims (5)

  1. 第1のアンカー体及び第2のアンカー体が同一のアンカー孔に挿入されており、
    第1のアンカー体は第2のアンカー体よりも短く、
    第1のアンカー体のテンドン拘束長は第2のアンカー体のテンドン拘束長よりも地上側に位置していることを特徴とするグラウンドアンカー。
  2. アンカー孔内で第1のアンカー体の張力支持材は第2のアンカー体の張力支持材よりも半径方向外側に位置している請求項1に記載のグラウンドアンカー。
  3. 第1のアンカー体及び第1のアンカー体よりも長い第2のアンカー体を同一のアンカー孔内に挿入し、
    当該アンカー孔に固化材を充填して、第1のアンカー体のテンドン拘束長を第2のアンカー体のテンドン拘束長よりも地上側に位置させて、
    第1のアンカー体にのみ緊張力を作用させて定着具で固定することを特徴とするグラウンドアンカー施工方法。
  4. 第1のアンカー体のテンドン拘束長の周囲地盤が第1のアンカー体に作用する緊張力を支持できない場合に、第2のアンカー体に緊張力を作用させて定着具で固定する請求項3に記載のグラウンドアンカー施工方法。
  5. アンカー孔内で第1のアンカー体の張力支持材を第2のアンカー体の張力支持材よりも半径方向外側に位置させる請求項3、4の何れかに記載のグラウンドアンカー施工方法。
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