JP2009102928A - グラウンドアンカー定着頭部構造および緊張解除方法 - Google Patents

グラウンドアンカー定着頭部構造および緊張解除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グラウンドアンカーを緊張状態に固定する固定装置において、例えばメンテナンス等を行う際にグラウンドアンカーの緊張状態を容易に解除できるようにする。
【解決手段】地中等に埋設したアンカー頭部のテンドン余長部をアンカーヘッドに抜け止め係止すると共に、そのアンカーヘッドを地表面側に設置した支圧板上に載置してアンカーテンドンを緊張状態に保持するグラウンドアンカー定着頭部構造において、
上記アンカーヘッドを、上部に上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部を有するセンターヘッドと、そのセンターヘッドの上部拡開部に密着嵌合するテーパ状の嵌合孔を有するリングヘッドと、上記リングヘッドと支圧板との間に介在される全体略環状で周方向に複数に分割された間隔保持部材とで構成し、上記センターヘッドとリングヘッドとの間にテンドン余長部を狭持するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば山留め工事や斜面安定工事もしくは各種構造体の安定工事等に用いられるPC鋼より線等からなるアンカーテンドンを緊張状態に保持するグラウンドアンカー定着頭部構造およびその定着頭部構造で緊張状態に保持したグラウンドアンカーのメンテナンス等の際にアンカーテンドンの緊張状態を解除するためのグラウンドアンカー緊張解除方法に関する。
従来たとえば山留め工事等においては、地中等に形成した削孔内にグラウンドアンカー用のアンカーテンドンを挿入してグラウト材で固定し、そのアンカーテンドンにジャッキ装置等によって緊張力を付与した状態で、アンカー頭部のテンドン余長部をアンカーヘッドに抜け止め係止すると共に、上記アンカーヘッドを上記地表面側に設置した支圧板上に載置して、上記アンカーテンドンの緊張力で上記の工事箇所を補強することが行われている。
この場合、上記アンカーヘッドに挿通したアンカーテンドンを抜け止め係止する手段としては、一般に中央部にアンカー挿通孔を有する全体略円錐台形で周方向に複数個に分割された定着くさびを用いるのが一般的であり、その定着くさびを、上記アンカーヘッドに挿通したアンカーテンドンの周囲に配置した状態で、アンカーヘッドに形成したくさび係合孔内に挿入することによって、上記アンカーテンドンをアンカーヘッドに抜け止め係止する構成である。
ところで、上記のようなグラウンドアンカーの各部のメンテナンスや補修等を行うために上記アンカーテンドンの緊張状態を解除する必要がある場合には、例えば下記特許文献1においては、アンカーテンドン(アンカーケーブル)に、カプラーを接続して除荷用くさびで抜け止め係止すると共に、そのカプラーを介して上記アンカーテンドンをジャッキ装置等で引き上げることによって、定着くさびを緩めて離脱させ、それによってアンカーテンドンの緊張状態を解除するようにしている。
しかしながら、上記のような構成のものにあっては、緊張状態にあるアンカーテンドンを、その張力に加えてさらに張力をかける形で引き上げなれれば緊張状態を解除することができず、特に定着くさびを用いるものにあっては、くさびを取り除く作業を行うためには、定着時に作用している荷重以上で、かつ、くさびを浮き上がらせた状態にするためには、約1cm以上引き上げる必要がある。
また、上記のような除荷用くさびを用いるものは、定着くさびを取外した後に、除荷用くさびを取外す必要があり、上記特許文献1においては、除荷用くさびの先端部をカプラーから僅かに突出させると共に、上記定着くさびを取外した後に、上記カプラーとアンカーヘッドとの間に板状のシャッターを介在させるとことによって、除荷用くさびをカプラーから引き抜き除去するようにしているが、複数本のアンカーテンドン毎にシャッターを挿入しなければならないので操作が煩雑で作業性が悪い等の不具合がある。
特許第3657567号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みて提案されたもので、例えばメンテナンスや補修等を行う際にアンカーテンドンの緊張状態を簡単・確実に解除することのできるグラウンドアンカー定着頭部構造および緊張解除方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造および緊張解除方法は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造は、地中等に埋設したアンカー頭部のテンドン余長部をアンカーヘッドに抜け止め係止すると共に、そのアンカーヘッドを地表面側に設置した支圧板上に載置して上記グラウンドアンカーを緊張状態に保持するグラウンドアンカー定着頭部構造において、上記アンカーヘッドを、上部に上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部を有するセンターヘッドと、そのセンターヘッドの上部拡開部に密着嵌合するテーパ状の嵌合孔を有するリングヘッドと、上記リングヘッドと支圧板との間に介在される全体略環状で周方向に複数に分割された間隔保持部材とで構成し、上記センターヘッドとリングヘッドとの間に上記グラウンドアンカーのテンドン余長部を狭持するようにしたことを特徴とする。
また本発明によるグラウンドアンカー緊張解除方法は、上記のようなグラウンドアンカー定着頭部構造により緊張状態に保持したアンカーテンドンの緊張状態を解除するグラウンドアンカー緊張解除方法であって、上記センターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を、ジャッキ装置等により延長方向に引っ張って上記アンカーヘッドに掛かっている引っ張り荷重を軽減もしくは緩和し、その状態で上記間隔保持部材を外方に引き抜いて上記センターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を緩めてアンカーテンドンの緊張状態を解除することを特徴とする。
上記のように本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造は、アンカーヘッドを、上部に上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部を有するセンターヘッドと、そのセンターヘッドの上部拡開部に密着嵌合するテーパ孔を有するほぼ筒状のリングヘッドとで構成すると共に、上記リングヘッドと支圧板との間に周方向に複数に分割した間隔保持部材を介在させるようにしたことによって、グラウンドアンカー施工時はアンカー頭部のテンドン余長部をセンターヘッドとリングヘッドとの間に狭持することでアンカーテンドンを良好に緊張状態させた状態に保持することができると共に、メンテナンス等の際には、アンカーヘッドに掛かる荷重を軽減もしくは緩和した状態で間隔保持部材を外方に引き抜くことによって、センターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を緩めてアンカーテンドンの緊張状態を容易に解除することが可能となる。
また本発明によるグラウンドアンカー緊張解除方法は、上記のようにセンターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を、ジャッキ装置等により延長方向に引っ張ってアンカーヘッドに掛かっている引っ張り荷重を軽減もしくは緩和し、その状態で上記間隔保持部材を外方に引き抜いて上記センターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を緩めてアンカーテンドンの緊張状態を解除するようにしたから、アンカーテンドンによってアンカーヘッドに掛かっている引っ張り荷重が、上記間隔保持部材を外方に引き抜き可能な程度に軽減もしくは緩和でればよいので、上記の緊張解除作業を極めて容易に行うことが可能となる。
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1(a)は本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造の一実施形態を示す平面図、同図(b)は正面図、図2(a)は上記定着頭部構造の縦断面図、同図(b)は(a)におけるb−b断面図である。
図に示す実施形態は、地中E等に形成したアンカー孔h内に複数本(図の場合は6本)のPC鋼より線等よりなるアンカーテンドン1を挿入して図に省略したグラウト材等で定着固定し、その各アンカーテンドン1の地表面側の端部をアンカーヘッド2に抜け止め係止させると共に、そのアンカーヘッド2を地表面側に設置した支圧板3上に載置することによって、上記各アンカーテンドン1を所定の張力で緊張させた状態に保持させた構成である。
上記アンカーヘッド2は、図3に示すように、上部に上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部21aを有するセンターヘッド21と、そのセンターヘッド21の上部拡開部21aに密着嵌合するテーパ状の嵌合孔22aを有する略筒状のリングヘッド22と、上記リングヘッド22と前記支圧板3との間に介在される全体略環状で周方向に複数個(図の場合は2つ)に分割された間隔保持部材23とからなる。
上記各アンカーテンドン1は、センターヘッド21とリングヘッド22および間隔保持部材23との境界部に形成したアンカー挿通孔21b、22b、23bに挿通すると共に、上記センターヘッド21とリングヘッド22との間に介在させた定着くさび4によって抜け止め係止するようにしたものである。
その定着くさび4は、図示例においては、中央部にアンカー挿通孔4aを有する全体略円錐台形で周方向に複数個(図の場合は2つ)に分割した構成であり、その定着くさび4は、上記センターヘッド21とリングヘッド22との境界部に形成したくさび係合孔21c・22c内に収容配置されている。その各くさび係合孔21c・22cは前記のアンカー挿通孔21b、22bに連続して設けられている。図中、22d、21dはセンターヘッド21とリングヘッド22との周方向のずれを防止するための位置決め用の凹凸条である。
前記支圧板3は、本実施形態においては、図3に示すように平面方形に形成され、その中央部にアンカーテンドン1を挿通するための円形のアンカー挿通孔3aが設けられている。
上記のように構成されたグラウンドアンカー定着頭部構造によってアンカー頭部を定着する場合には、例えば前記のようにアンカー孔h内にグラウト材等で定着固定された各アンカーテンドン1の地表面側の端部を、その地表面に設置した支圧板3のアンカー挿通孔3aに挿通すると共に、センターヘッド21とリングヘッド22および間隔保持部材23とからなるアンカーヘッド2のアンカー挿通孔21b、22b、23bに挿通する。次いで、上記各アンカーテンドン1の端部をジャッキ装置等で引っ張って所定の張力を付加した状態で、各アンカーテンドン1の周囲に配置した定着くさび4をくさび係合孔21c・22c内に配置して上記ジャッキ装置等による引っ張り力を解除すれば上記定着くさび4が各アンカーテンドン1の周面に密着して、各アンカーテンドン1が抜け止め係止されると共に、それらのアンカーテンドン1に所定の張力が付与された状態に保持されるものである。
上記のようにしてグラウンドアンカー定着頭部構造によって所定の張力で緊張状態に保持されたアンカー各部のメンテナンスや補修等を行うためにアンカーテンドン1の緊張状態を解除する場合には、上記アンカーヘッド2よりも上方に突出するアンカーテンドン1の余長部1aを保持する適宜のクランプ機構等を有するジャッキ装置などを用いるもので、図4はそのジャッキ装置の一例を示すものである。
すなわち、図4に示すジャッキ装置5は、ジャッキチェア51の上部にジャッキ本体50を一体的に設けたもので、そのジャッキ本体50として本例においてはセンターホール型のジャッキが用いられ、そのジャッキ本体50に連結したテンションバー52の下端部に連結部材53を介して筒体54が取付けられ、その筒体54の下部に連結ヘッド6が一体的に設けられている。
上記連結ヘッド6には前記各アンカーテンドン1の余長部1aをそれぞれ挿通して抜け止め係止する除荷用くさび7が設けられ、それらは連結ヘッド6に形成したくさび係合孔6c内に収容配置されている。その除荷用くさび7も本例においては前記定着くさび4と同様に中央部にアンカー挿通孔7aを有する全体略円錐台形に形成すると共に周方向に複数個(図の場合は2つ)に分割されている。
上記ジャッキチェア51は、その下端部51aを前記支圧板3上に載置する構成であり、その下端部51aは、その下面側および図4(a)で左右両側面が開口した側面略コ字形(図4(b)参照)に形成されている。図中、51bは上記ジャッキ本体50とともにジャッキチェア51を持ち運んだり定位置に固定する際の取っ手である。
上記のジャッキ装置5を用いてアンカーヘッド2に掛かる張力を緩めるに当たっては、図4および図5(a)に示すように緊張状態にある前記各アンカーテンドン1の余長部1aを上記連結ヘッド6に挿通して除荷用くさび7で抜け止め係止する。その状態で、上記ジャッキ本体50によりテンションバー52を介して連結ヘッド6とともにアンカーテンドン1に引っ張り力を加え、これによりアンカーヘッド2に掛かる張力を緩和し、該アンカーヘッド2にはアンカーテンドン1の張力が殆ど掛からない状態となったところで、図5(b)のように間隔保持部材23を外方に引き抜く。
すると、アンカーヘッド2のセンターヘッド21は図3に示すように上部に先広がりのテーパ状の拡開部21aがあるので、該センターヘッド21はリングヘッド22よりも下方に移動することはないが、リングヘッド22の下側には、その支えとなっていた間隔保持部材23が無くなって何ら支えがなくなるので、そのリングヘッド22は通常図5(b)のようにセンターヘッド21よりも下方に移動する。それによって、くさび係合孔21b、22bがずれて定着くさび4が緩む。
そして、その状態もしくは必要に応じて定着くさび4を取り除いた状態でセンターヘッド21およびリングヘッド22を自重で下降させると、リングヘッド22は図6(a)のように支圧板3上に載置した状態となり、センターヘッド21は、その上部のテーパ状の拡開部21aがリングヘッド22のテーパ状の嵌合孔22aに密着嵌合して図の位置に保持される。その状態で、ジャッキ装置5によるテンドン余長部1aの上方への引っ張り力を徐々に弱めると、アンカーテンドン1の張力によって連結ヘッド6がテンションバー52や筒体54等とともに下降する。そして、アンカーテンドン1の張力が無くなるまで連結ヘッド6が下降すると、その連結ヘッド6の下面は通常図6(a)のようにセンターヘッド21の上面よりも上方に位置した状態で停止する。
その状態で、前記ジャッキ装置5を作動してテンションバー52および筒体54等を介して連結ヘッド6を図6(b)のように下降させると、除荷用くさび7が緩んでテンドン余長部1aの係止状態が解除される。その後は上記の状態もしくは必要に応じて除荷用くさび7を除去した状態で、上記ジャッキ本体50によりテンションバー52を上昇させて連結ヘッド6を引き上げ、ジャッキ装置5を除去すれば、アンカーテンドン1の緊張状態を完全に開放することができるものである。
なお、上記図6(a)において、ジャッキ装置5によるテンドン余長部1aの上方への引っ張り力を除去してアンカーテンドン1の張力で連結ヘッド6が下降したとき、その連結ヘッド6の下面がセンターヘッド21やリングヘッド22の上面に当接してしまうと、連結ヘッド6をそれ以上下降させることができないので、除荷用くさび7を緩めることができないおそれがある。
そのようなおそれがある場合には、図7に示すように連結ヘッド6も、上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部61aを有するセンターヘッド61と、そのセンターヘッド61の上部拡開部61aに密着嵌合するテーパ状の嵌合孔62aを有する略筒状のリングヘッド62とで構成すると共に、図8のように前記アンカーヘッド2のセンターヘッド21の上面、若しくは上記センターヘッド61の下面に、それらと一体もしくは別体の押圧部材8を設けるようにすればよい。図7において、61c、62cはセンターヘッド61とリングヘッド62との嵌合部(境界部)に形成した除荷用くさび7の係合孔、61d、62dはセンターヘッド61とリングヘッド62との位置決め用の突条および凹溝条である。
上記の構成において、前記図5と同様にグラウンドアンカーの各アンカーテンドン1に引っ張り力を付与する際には、図8(a)のように緊張状態にある各アンカーテンドン1の余長部1aを連結ヘッド6に挿通して除荷用くさび7で抜け止め係止し、ジャッキ本体50によりテンションバー52を上昇させて連結ヘッド6とともにテンドン余長部1aを上方に引っ張ってアンカーヘッド2に掛かる力を軽減して間隔保持部材23を前記と同様に外方に引き抜く。
すると、リングヘッド22は前記と同様に図8(a)のようにセンターヘッド21よりも下方に移動し、それによって、くさび係合孔21b、22bがずれて定着くさび4が緩む。次いで、その状態もしくは必要に応じて定着くさび4を取り除いた状態で、ジャッキ装置5によるテンドン余長部1aの上方への引っ張り力を徐々に弱めると、それよりも前もしくはその際に、センターヘッド21とリングヘッド22が下降すると共に、連結ヘッド6がテンションバー52や筒体54等とともに下降する。
その際、リングヘッド22は図8(b)のように支圧板3の上面に当接して、それよりも下方への下降移動が阻止され、そのリングヘッド22にテーパ状の拡開部21aで密着嵌合するセンターヘッド21は、その上面がリングヘッド22の上面とほぼ同一高さになった状態で停止する。次いで、その上方に下降してきた連結ヘッド6は、その中央部のセンタヘッド61が、センターヘッド21の上面に設けた押圧部材8の上面に当接して、その位置で停止し、連結ヘッド6のリングヘッド62は引き続き下降して上記センタヘッド61との間にずれが生じ、除荷用くさび7が緩んでテンドン余長部1aの抜け止め係止状態が自動的に解除される。その後は前記と同様に上記の状態もしくは必要に応じて除荷用くさび7を除去した状態で、上記ジャッキ本体50によりテンションバー52を上昇させて連結ヘッド6を引き上げ、ジャッキ装置5を除去すれば、各アンカーテンドン1の張力を完全に開放することができる。
従って、上記各アンカーテンドン1を緊張状態に保持した状態で、アンカーヘッド2からのテンドン余長部1aの突出量が少ない場合や、各アンカーテンドン1の緊張状態を緩和したときの縮み量が大きいことが想定される場合でも良好に緊張状態を緩和して張力を開放することができるものである
なお、前記図5(b)および図8(a)において、間隔保持部材23を外方に引き抜いた際に、リングヘッド22が自重で図のように下降せず、またリングヘッド22を手等で強制的に下降させようとしても、リングヘッド22のみが下降することなく、センターヘッド21と定着くさび4とが一緒に下降してしまうような場合には、センターヘッド21の下降を阻止する手段を設けるようにしてもよい。
図9および図10はその一例を示すもので、センターヘッド21の下面にピン挿通用の凹部21eを形成すると共に、その凹部21e内に挿通され前記支圧板3のアンカー挿通孔3aを跨ぐようにして配置される係止ピン9を設けたものである。図中、21f、23fは上記センターヘッド21および間隔保持部材23の下面に設けた点検用の窓で、センターヘッド21の窓21fは上記凹部21eをも貫通するようにして設けられている。上記の窓21f、23fは必要に応じて設けることができる。
上記の構成において、図10(a)の鎖線示のように間隔保持部材23を外方に引き抜いたとき、リングヘッド22が自重で下降せず、またリングヘッド22を手等で強制的に下降させようとすると、センターヘッド21も下降してしまうような場合には、上記支圧板3のアンカー挿通孔3aを跨ぐようにして上記凹部21e内に係止ピン9を図のように配置すればよく、そのようにすると、リングヘッド22を手等で強制的に下降させても、センターヘッド21が下降することなく、両者21・22を容易にずらすことができる。それによって定着くさび4を容易に緩めることができるものである。
その後は、上記係止ピン9を引き抜くと共に、前記図6および図8(b)と同様に必要に応じて定着くさび4を除去した状態で、ジャッキ装置5によるテンドン余長部1aの上方への引っ張り力を徐々に弱めると、図10(b)のようにセンターヘッド21とリングヘッド22が下降すると共に、連結ヘッド6がテンションバー52や筒体54等とともに下降する。それによって前記と同様に除荷用くさび7が緩んでテンドン余長部1aの抜け止め係止状態が自動的に解除され、アンカーテンドン1の緊張状態が解除されるものである。
なお、センターヘッド21および間隔保持部材23の下面には、前述のように必要に応じて点検用の窓21f、23fを設けるとよく、その窓21f、23fの形状や大きさを変えることで、従来は点検管理時に不可能であったアンカーヘッド内部の目視点検用の小窓としても活用することができる。それによって、アンカーヘッド2を外すことなく、支圧板3内や、アンカーヘッド内部の裏面のアンカーテンドン1の錆の発生状況などを直接目視で点検することができる。また、例えばファイバースコープなどを用いれば、通常では見られないアンカー孔h内部の観察や点検も可能となる。
また前記間隔保持部材23に必要に応じてひずみゲージを埋め込むようにしてもよく、そのようにすると、上記間隔保持部材23にかかる荷重管理が容易となり、上記間隔保持部材23を最適時に容易に引き抜くことが可能となる。また、ひずみゲージの寿命がきた場合でも、間隔保持部材23が複数(図の場合は2つ)に分割されているので、これまでのようにくさびを解除してアンカーヘッド2を外し、ロードセルを外す手間を削減することができる。
上記実施形態は、アンカーテンドン1をアンカーヘッド2に抜け止め係止する手段として定着くさび4を用いるものを例示したが、定着くさび4を用いることなく、例えばセンターヘッド21とリングヘッド22および間隔保持部材23との間にアンカーテンドン1を挟み込むようにしてもよい。
図11および図13はその一例を示すもので、本例は前記図3と同様にアンカーヘッド2を、上部に上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部21aを有するセンターヘッド21と、そのセンターヘッド21の上部拡開部21aに密着嵌合するテーパ状の嵌合孔22aを有する略筒状のリングヘッド22と、そのリングヘッド22と支圧板3との間に介在される全体略環状で周方向に複数個(図の場合は2つ)に分割された間隔保持部材23とで構成し、そのセンターヘッド21とリングヘッド22および間隔保持部材23との間に、アンカーテンドン1を挿通するアンカー挿通孔21b、22b、23bを周方向に複数個(図の場合はそれぞれ6つ)設けたものである。
その各アンカー挿通孔は、センターヘッド21とリングヘッド22および間隔保持部材23とにそれぞれ形成した断面略半円弧状の挿通孔21b、22b、23bを向かい合わせることによって断面略円形となるように構成されている。また上記各アンカー挿通孔は、上記テーパ状の拡開部21aおよび嵌合孔22aに沿う傾斜部と、その下側のほぼ垂直な部分とで、それぞれ「く」字状に屈曲形成され、それによってアンカーテンドン1の引き抜き方向の抵抗が増大して、該アンカーテンドン1を抜け止め係止する構成である。他の構成は前記図1〜図3の実施形態と同様であり、同様の作用効果が得られる。
また、アンカーテンドン1の緊張状態を解除するためのジャッキ装置5は、図示例のような構成のものに限らず、各種構成のものが使用可能であり、特に図示例は連結ヘッド6としてセンターヘッド61とリングヘッド62との間に除荷用くさび7を介してアンカーテンドン1を狭持するようにしたが、センターヘッド61とリングヘッド62との間にアンカーテンドン1を直接狭持するようにしてもよく、またジャッキ装置5は油圧シリンダ等の流体圧を用いるものや、回転するねじ棒等を用いる機械的な構成のもの等その他適宜である。さらに上記のようなジャッキ装置5の代わりにテンドン余長部1aを把持する適宜構成のクランプ等の把持手段と、その把持手段を上下動する適宜構成の昇降手段を用いるようにしてもよい。
以上のように本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造および緊張解除方法は、前記の構成であるから、例えばメンテナンスや補修等を行うためにアンカーテンドンの緊張状態を解除する際には、リングヘッドと支圧板との間に介在させた間隔保持部材を引き抜き除去するだけで上記の緊張状態を容易に解除することができるので、この種のグラウンドアンカー頭部のメンテナンスや補修等を容易・迅速に行うことが可能となり、グラウンドアンカーの設計の自由度や産業上の利用可能性を高めることができる。
(a)は本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造の一実施形態を示す平面図、(b)は正面図。 (a)は上記実施形態の縦断面図、(b)は(a)におけるb−b断面図。 上記実施形態で用いた定着くさびとアンカーヘッド及び支圧板の分解斜視図。 (a)はジャッキ装置の一例を示す縦断正面図、(b)はその一部の側面図。 上記ジャッキ装置でグラウンドアンカーの緊張状態を解除する場合の説明図。 上記ジャッキ装置でグラウンドアンカーの緊張状態を解除する場合の説明図。 連結ヘッドの変更例を示す分解斜視図。 上記連結ヘッドを用いてグラウンドアンカーの緊張状態を解除する場合の説明図。 (a)は本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造の変更例を示す縦断正面図、(b)は(a)においてb−b線から見たアンカーヘッドの底面図。 上記変更例でグラウンドアンカーの緊張状態を解除する場合の説明図。 (a)は本発明によるグラウンドアンカー定着頭部構造の他の実施形態を示す平面図、(b)は正面図。 (a)は上記実施形態の縦断面図、(b)は間隔保持部材を外方に引き抜き除去した状態の同上図。 上記実施形態で用いた定着くさびとアンカーヘッドと支圧板の分解斜視図。
符号の説明
1 アンカーテンドン
2 アンカーヘッド
21 センターヘッド
21a 拡開部
22 リングヘッド
22a 嵌合孔
23 間隔保持部材
21b、22b、23b アンカー挿通孔
21c、22c くさび係合孔
21d 突条
22d 凹溝条
21e 凹部
21f、23f 窓
3 支圧板
3a アンカー挿通孔
4 定着くさび
4a アンカー挿通孔
5 ジャッキ装置
50 ジャッキ本体
51 ジャッキチェア
52 テンションバー
53 連結部材
54 筒体
6 連結ヘッド
61 センターヘッド
61a 拡開部
62 リングヘッド
62a 嵌合孔
6b、61c、62c くさび係合孔
7 除荷用くさび
8 押圧部材
9 係止ピン

Claims (5)

  1. 地中等に埋設したアンカー頭部のテンドン余長部をアンカーヘッドに抜け止め係止すると共に、そのアンカーヘッドを地表面側に設置した支圧板上に載置してアンカーテンドンを緊張状態に保持するグラウンドアンカー定着頭部構造において、
    上記アンカーヘッドを、上部に上方に向かって先広がりのテーパ状の拡開部を有するセンターヘッドと、そのセンターヘッドの上部拡開部に密着嵌合するテーパ状の嵌合孔を有するリングヘッドと、上記リングヘッドと支圧板との間に介在される全体略環状で周方向に複数に分割された間隔保持部材とで構成し、上記センターヘッドとリングヘッドとの間にテンドン余長部を狭持するようにしたことを特徴とするグラウンドアンカー定着頭部構造。
  2. 上記センターヘッドとリングヘッドとの間に定着くさびを介在させ、その定着くさびを介して上記テンドン余長部を狭持するようにした請求項1に記載のグラウンドアンカー定着頭部構造。
  3. 上記センターヘッドとリングヘッドとの間に上記テンドン余長部を直接挟んで狭持するようにした請求項1に記載のグラウンドアンカー定着頭部構造。
  4. 上記センターヘッドの下面にピン挿通用の凹部を形成すると共に、その凹部内に挿通して上記センターヘッドの下降移動を阻止する係止ピンを備えた請求項1〜3のいずれかに記載のグラウンドアンカー定着頭部構造。
  5. 上記請求項1〜4のいずれかに記載のグラウンドアンカー定着頭部構造により緊張状態に保持したアンカーテンドンの緊張状態を解除するグラウンドアンカー緊張解除方法であって、上記センターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を、ジャッキ装置等により延長方向に引っ張って上記アンカーヘッドに掛かっている引っ張り荷重を軽減もしくは緩和し、その状態で上記間隔保持部材を外方に引き抜いて上記センターヘッドとリングヘッドとの間に狭持したテンドン余長部を緩めてアンカーテンドンの緊張状態を解除することを特徴とするグラウンドアンカー緊張解除方法。
JP2007277155A 2007-10-25 2007-10-25 グラウンドアンカー定着頭部構造および緊張解除方法 Withdrawn JP2009102928A (ja)

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