JP2009007767A - グラウンドアンカーの施工方法及びこれに用いられるジャッキチェア、アンカーヘッド浮き上がり防止治具並びに中間押圧プレート - Google Patents

グラウンドアンカーの施工方法及びこれに用いられるジャッキチェア、アンカーヘッド浮き上がり防止治具並びに中間押圧プレート Download PDF

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Abstract

【課題】緊張ジャッキチェアを使い、そして緊張用ジャッキによって引張り材に付与した引張り荷重で引張り材をアンカーヘッドに定着する。
【解決手段】ジャッキチェア9の脚20の内側に追加のジャッキ21が配設されている。追加のジャッキ21はセンターホールタイプである。アンカーヘッド4が浮き上がるのを防止するための浮き上がり防止治具8は、その引張り材3が通過する開口26の直径が定着楔5と干渉しない程度に大径である。緊張用ジャッキ10によって引張り材3に所定の引張り荷重を付与した段階で、追加のジャッキ21の伸長動作が開始され、定着楔5がアンカーヘッド4のテーパ孔の中に強制的に押し込まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基盤内に定着した引張り材の外端部をアンカーヘッドと定着楔を使って固定するグラウンドアンカーの施工方法及びこれに用いられるジャッキチェア、アンカーヘッド浮き上がり防止治具並びに中間押圧プレートに関する。
基盤内に定着させたPC鋼より線などの引張り材を使ってコンクリート構造物を地盤に強く押し当てた状態で固定するグラウンドアンカーは、地滑り防止、擁壁の安定、山留め、道路などの法面保護などに広く採用されている(特許文献1、2)。
図7は、従来のグラウンドアンカーの施工方法において、引張り材の外端部をアンカーヘッドと定着楔とを使ってフリーセッティング法に従って固定する方法を説明するための図である。この図7において、参照符号1は地盤であり、地盤1に、ボーリングマシンを使って削孔2を形成し、この削孔2に挿入した引張り材3をグラウト材を使って地盤1に定着した後に、アンカーヘッド4のテーパ孔に挿入した定着楔5を使って当該引張り材3の外端部がアンカーヘッド4に定着される。図中、参照符号6は支圧板(アンカープレート)を示し、7は地盤1の表面に構築されたコンクリート構造物を示す。
定着楔5を使って引張り材3の外端部をアンカーヘッド4に定着するのに、特許文献3に見られるような緊張用ジャッキが用いられる。図7を参照して具体的に説明すると、アンカーヘッド4のテーパ孔に定着楔5を挿入し、次いで、アンカーヘッド浮き上がり防止治具8でアンカーヘッド4を覆った後に、ジャッキチェア9に搭載された緊張用ジャッキ10を使って引張り材3に緊張力を付与する。アンカーヘッド浮き上がり防止治具8には、定着楔5と対面する部位に段部11が設けられ、この段部11によって引張り材3に緊張力を付与する過程で定着楔5が若干浮き上がるのを許容するクリアランスCが形成されている。
緊張用ジャッキ10によって所定の荷重まで引張り材3に緊張力を付与した後に、緊張用ジャッキ10による引張り材3の引張り荷重を下げることで、引張り材3の外端部が地盤1の削孔2の中に戻ろうとする傾向になる。この引張り材3の戻り動作と一緒に定着楔5がアンカーヘッド4のテーパ孔の中に進入して、つまり定着楔5が引張り材3によって友引きされて、この定着楔5によって引張り材3がアンカーヘッド4に定着される。
定着楔5によって引張り材3がアンカーヘッド4に定着されると、ジャッキチェア9やアンカーヘッド浮き上がり防止治具8が撤去され、その後に、引張り材3の外端部の一部をストランドカッタで切断した後に、防錆油の充填、保護キャップの装着が行われる(特許文献1、2参照)。
特開2007−23646号公報 特開2003−278154号公報 特開2004−270413号公報
フリーセッティング法による引張り材3の定着では、緊張用ジャッキ10の引張り荷重をリリースして引張り材3が削孔2の中へ戻ろうとする動作に随伴して定着楔5がテーパ孔の中に進入する動作に依存している。換言すれば、引張り材3と定着楔5との間で滑りが発生すると、アンカーヘッド4によって引張り材3が定着されたときに、セットロス、つまり引張り材3の緊張力が低下してしまうという問題が発生する。この問題は、経験的に、引張り材3に付与する緊張用ジャッキ10の設定引張り荷重が小さいときに発生し易い。
また、引張り材3の中には、鋼材の外周を防錆被覆で覆った材料が出現しているが、このような鋼材の周りをコーティングした引張り材においても、上述した問題が発生し易い。
そこで、本発明の目的は、緊張用ジャッキを搭載したジャッキチェアを使って、引張り材の材料の差異や緊張用ジャッキの設定引張り荷重の大小に影響を受けることなく、セットロス無しに緊張用ジャッキによって引張り材に付与した引張り荷重で引張り材をアンカーヘッドに定着することのできるグラウンドアンカーの施工方法及びこれに用いられるジャッキチェア、アンカーヘッド浮き上がり防止治具並びに中間押圧プレートを提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明の第1の観点によれば、
地盤に定着した引張り材を緊張用ジャッキを使って緊張させ、アンカーヘッドのテーパ孔に挿入された定着楔が前記テーパ孔の中に進入することにより、前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工方法において、
前記緊張用ジャッキを前記アンカーヘッドの上方に設置するためのジャッキチェアの脚で囲まれた空間に追加のジャッキを備えたジャッキチェアを用意し、
前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した後に、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法を提供することにより達成される。
また、上記の技術的課題は、本発明の第2の観点によれば、
引張り材が挿通されるテーパ孔を備えたアンカーヘッドと、前記テーパ孔に挿入した定着楔と、前記アンカーヘッドの浮き上がりを防止するアンカーヘッド浮き上がり防止治具と、緊張用ジャッキを設置したジャッキチェアの脚の内側に配設された追加のジャッキとを用意し、
前記追加のジャッキは前記引張り材が挿通可能なセンターホールジャッキであり、
地盤に定着した引張り材に緊張力を付与するために前記引張り材を挿通した前記アンカーヘッドの上方に前記緊張用ジャッキを設置したときに、前記追加のジャッキの押圧部が前記アンカーヘッド浮き上がり防止治具の前記引張り材が挿通される開口の高さ方向中間部分に位置し、
前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法を提供することにより達成される。
また、上記の技術的課題は、本発明の第3の観点によれば、
引張り材が挿通されるテーパ孔を備えたアンカーヘッドと、前記テーパ孔に挿入した定着楔と、前記アンカーヘッドの浮き上がりを防止するアンカーヘッド浮き上がり防止治具と、緊張用ジャッキを搭載したジャッキチェアの脚の内側に配設された追加のジャッキと、該追加のジャッキと前記定着楔との間に介装される中間押圧プレートとを用意し、
前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記中間押圧プレートを介して前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法を提供することにより達成される。
また、上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、
ジャッキチェアに搭載した緊張用ジャッキを使って、地盤に定着した引張り材を緊張させ、アンカーヘッドのテーパ孔に挿入された定着楔が前記テーパ孔の中に進入することにより、前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工に用いられるジャッキチェアであって、
該ジャッキチェアの脚の内側に追加のジャッキを備え、
前記緊張用ジャッキで前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキによって前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするジャッキチェアを提供することにより達成される。
また、上記の技術的課題は、本発明の別の観点によれば、
前記緊張用ジャッキを前記アンカーヘッドの上方に設置するためのジャッキチェアの脚で囲まれた空間に追加のジャッキを備えたジャッキチェアを用意し、
地盤に定着した引張り材に前記緊張用ジャッキを使って所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込んで前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工方法に用いられるアンカーヘッド浮き上がり防止治具であって、
前記アンカーヘッドの上端外周縁部を係止する段部と、
前記引張り材が挿通される開口を有し、
該開口の直径が、前記追加のジャッキの押圧部の直径よりも大きいことを特徴とするアンカーヘッド浮き上がり防止治具を提供することにより達成される。
また、上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、
前記緊張用ジャッキを前記アンカーヘッドの上方に設置するためのジャッキチェアの脚で囲まれた空間に追加のジャッキを備えたジャッキチェアを用意し、
該ジャッキチェアの脚に段部が形成され、
地盤に定着した引張り材に前記緊張用ジャッキを使って所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込んで前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工方法に用いられるアンカーヘッド浮き上がり防止治具であって、
前記アンカーヘッドの上端外周縁部を係止する段部と、
前記引張り材が挿通される開口とを有し、
前記ジャッキチェアの脚の段部に係合されて、前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に引張り荷重を付与しているときに前記ジャッキチェアの段部に係止されて、その浮き上がりが防止されることを特徴とするアンカーヘッド浮き上がり防止治具を提供することにより達成される。
また、上記の技術的課題は、本発明の更に別の観点によれば、
引張り材が挿通されるテーパ孔を備えたアンカーヘッドと、前記テーパ孔に挿入した定着楔と、前記アンカーヘッドの浮き上がりを防止するアンカーヘッド浮き上がり防止治具と、緊張用ジャッキを搭載したジャッキチェアの脚の内側に配設された追加のジャッキと、該追加のジャッキと前記定着楔との間に介装される中間押圧プレートとを用意し、
前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記中間押圧プレートを介して前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込んで前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着するグラウンドアンカーの施工方法に用いられる前記中間押圧プレートであって、
前記中間押圧プレートが、前記アンカーヘッド浮き上がり防止治具に形成され且つ前記引張り材が挿通される開口に挿入可能な突部と、該突部に形成され且つ前記引張り材が挿通される貫通穴を備えていることを特徴とする中間押圧プレートを提供することにより達成される。
すなわち、本発明によれば、地盤に定着された引張り材に緊張力を与える緊張用ジャッキを設置するためにジャッキチェアを設置し、そして、緊張用ジャッキを使って引張り材に所定の引張り荷重を付与し、そして、この状態で、ジャッキチェアに設置された追加のジャッキを動作させて定着楔をテーパ孔の中に強制的に押し込むようにしてあるため、所定の引張り荷重の状態で引張り材をアンカーヘッドに定着することができる。したがって、緊張用ジャッキによる引張り荷重の設定値が小さくても、あるいはコーティングされた引張り材であったとしても、設定された緊張力で引張り材を定着することができる。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。以下の実施例の説明において、上述した従来技術(図7)の説明で使用した要素と実質的に同じ要素には、同じ参照符号を付すことにより、その説明を省略する。
第1実施例(図1)
図1は第1実施例を示す。図1を参照して、緊張用ジャッキ10を搭載したジャッキチェア9には、その脚20の内側に追加のジャッキ21が固設されている。すなわち、ジャッキチェア9は、緊張用ジャッキ10を載置する座部22と、座部22から下方に向けて延びる脚20とを有し、座部22と脚20とで囲まれた空間23に追加のジャッキ21が配設されている。具体的には、追加のジャッキ21は、ジャッキ本体21aと、該ジャッキ本体21aから下方に向けて押圧部21bとを有し、油圧により、押圧部21bはジャッキ本体21aの軸線に沿って進退動作が可能である。ジャッキチェア9は、その脚20をアンカーヘッド浮き上がり防止治具8の外周段部8aに設置することにより位置決めされる。
追加のジャッキ21はセンターホールタイプであり、ジャッキ本体21aと押圧部21bは、その軸線に一致し且つ引張り材3が挿通可能な貫通孔24を有する。ジャッキチェア9に対する追加のジャッキ21の取付けは、ジャッキチェア9の座部22の下面にジャッキ本体21aの基端を当接させ、ジャッキ本体21aの側部が脚20に任意の締結手段25によって固定されている。
緊張用ジャッキ10を使って引張り材3に緊張力を付与している過程でアンカーヘッド4が浮き上がるのを防止するための浮き上がり防止治具8は、前述した従来の浮き上がり防止治具と基本構造は同じであり、定着楔5と対面する部位に段部11が設けられているものの、引張り材3が通過する開口26は、定着楔5と干渉しない程度に大径である。すなわち、浮き上がり防止治具8は、アンカーヘッド4の上端外周縁部と係合する第2段部28を有しているが、引張り材3が挿通される開口26の直径が、定着楔5の外形直径により大きい大径に作られており、これにより浮き上がり防止治具8は定着楔5と干渉しない。
図1は、追加のジャッキ21を備えたジャッキチェア9をセットした初期状態を示す。この図1から理解できるように、追加のジャッキ21の押圧部21bの先端部分が、浮き上がり防止治具8の開口26の中に侵入しており、この開口26の高さ方向中間部分に位置している。
ジャッキチェア9の緊張用ジャッキ10を使って引張り材3に所定の引張り荷重を付与する過程で、引張り材3の外端部の伸び動作に随伴して発生する定着楔5の浮き上がりは、浮き上がり防止治具8の開口26に侵入して位置している追加のジャッキ21の押圧部21bによって所定のストロークに規制される。
緊張用ジャッキ10によって引張り材3に所定の引張り荷重を付与した段階で、追加のジャッキ21の動作が開始される。追加のジャッキ21の動作開始により押圧部21bは削孔2に向けて伸長し、これにより定着楔5がアンカーヘッド4のテーパ孔の中に強制的に押し込まれる。この追加のジャッキ21による定着楔5の強制的な押し込みにより、引張り材3がアンカーヘッド4のテーパ孔に固定される。
次いで、緊張用ジャッキ10の短縮動作によって引張り荷重がリリースされる。緊張用ジャッキ10の短縮動作と同期して又はその後に追加のジャッキ21の押圧部21bは短縮動作を開始する。そして、この一連の動作が完了すると、ジャッキチェア9が撤去される。これ以降の作業は、従来と同様であり、ストランドカッタによって引張り材3の外端部の一部が切断され、次いで、防錆油の充填や保護キャップの装着が行われる。
上述した第1実施例によれば、緊張用ジャッキ10の引張り荷重をリリースする際に、追加のジャッキ21によって定着楔5が強制的にアンカーヘッド4のテーパ孔の中に押し込まれ、これにより引張り材3がアンカーヘッド4に固定されるために、引張り材3の材質(例えば防錆コーティング)によって左右されることなく、引張り材3を地盤1に対して所定の引張り荷重で定着することができる。
また、追加のジャッキ21の設置に関して、当該追加のジャッキ21をジャッキチェア9の内部に設置してあるため、従来と同様に緊張用ジャッキ10を設置するためにジャッキチェア9を所定位置に設置するだけで追加のジャッキ21を所定位置に設置することができる。すなわち、従来と同じ手順でジャッキチェア9を設置するだけで追加のジャッキ21を所定位置に位置決めすることができる。
図1に示す参照符号27は、ジャッキチェア9の脚20に形成された窓を示す。この窓27を通じて、追加のジャッキ21の押圧部21bが所定位置に位置決めされているか等を目で確認することができる。
第2実施例(図2)
この第2実施例は、上述した第1実施例の変形例でもある。前述した第1実施例では、アンカーヘッド浮き上がり防止治具8に関し、その引張り材3が挿通される開口26の直径を定着楔5と干渉しないように拡大し、その代わりに、追加のジャッキ21の押圧部21bの初期設定位置を開口26の高さ方向中間部分に設定するようにしたが、この第2実施例(図2)では、中心開口26の直径を定着楔5と干渉するように設定し、そして、従来と同様にクリアランスCを設けるようにしてある。
この第2実施例によれば、ジャッキチェア9の緊張用ジャッキ10を使って引張り材3に所定の引張り荷重を付与する過程で、引張り材3の外端部の伸び動作に随伴して発生する定着楔5の浮き上がりは、従来と同様にクリアランスCを備えた浮き上がり防止治具8によって規制される。したがって、追加のジャッキ21の押圧部21bの初期設定位置は、アンカーヘッド浮き上がり防止治具8の開口26の高さ方向中間部分であってもよいが、アンカーヘッド浮き上がり防止治具8の開口26の上方領域であってもよい(図2参照)。
この第2実施例においても、緊張用ジャッキ10によって引張り材3に所定の引張り荷重を付与した段階で、追加のジャッキ21の伸長動作が開始されて押圧部21bが直接的に定着楔5を押し下げ、これにより定着楔5がアンカーヘッド4のテーパ孔の中に強制的に押し込まれる。これにより、引張り材3は緊張用ジャッキ10から付与された所定の引張り荷重の状態でアンカーヘッド4に定着される。
第3実施例(図3)
第3実施例は、アンカーヘッド浮き上がり防止治具8及び/又はジャッキチェア9の変形例でもある。この第3実施例で開示するアンカーヘッド浮き上がり防止治具8にあっては、アンカーヘッド4の上端外周縁部を係止する第2段部28を備えたリング状の部材からなり、支圧板6に着座しない高さ寸法を有している。この浮き上がり防止治具8は、ジャッキチェア9の脚20と係合することにより固定される。具体的には、ジャッキチェア9の脚20には第1の段部20aを有し、この第1段部20aによって浮き上がり防止治具8の上部肩部が係止される。
ジャッキチェア9には、またその脚20に第2段部20bが形成されており、この第2段部20bは、追加のジャッキ21の本体21aの下端周縁部が係止される。
第1、第2実施例と同様に、緊張用ジャッキ10によって引張り材3に緊張力を付与している過程におけるアンカーヘッド4の浮き上がりは浮き上がり防止治具8によって行われるが、この第3実施例によれば、浮き上がり防止治具8はジャッキチェア9の脚20によって固定される。
また、脚20に第2段部20bを形成して追加のジャッキ21の下端周縁部を支持するようにしてあるため、追加のジャッキ21は脚20の第2段部20bによって下方から支持されるため、ジャッキチェア9の脚20で囲まれた空間23に設置した追加のジャッキ21を安定的に支持することができる。
第4実施例(図4〜図6)
先ず図4を参照して第4実施例を説明すると、この第4実施例では、定着楔5を追加のジャッキ21で間接的に押し下げるようにしたことを特徴とする。すなわち、第4実施例では、定着楔5を直接的に押し下げる中間押圧プレート30を有し、この中間押圧プレート30は、その中心部分に下方に延びる突部31を有する。突部31は、浮き上がり防止治具8の中心部分の開口26の直径よりも小さな直径を有し、後に説明するように追加のジャッキ21が伸長動作することにより、各突部31が、対応する定着楔5を押し下げることのできる高さ寸法を有している。中間押圧プレート30は、また、その上部32がジャッキチェア9の脚20の近傍まで延びる直径を有している。
ジャッキチェア9の脚20で囲まれた空間23には、脚20に隣接して周方向に複数の追加のジャッキ21、21が配設され、各追加のジャッキ21は、脚20にベルト33を介して脱着可能に設置されている。
この第4実施例にあっても、緊張用ジャッキ10によって引張り材3に所定の引張り荷重を付与した段階で、追加のジャッキ21の伸長動作が開始され、定着楔5は、中間押圧プレート30を介してアンカーヘッド4のテーパ孔の中に強制的に押し込まれる。この追加のジャッキ21による定着楔5の強制的な押し込みにより、引張り材3がアンカーヘッド4のテーパ孔に定着される。
この第4実施例にあっては、複数本のPC鋼より線からなるマルチ引張り材3に効果的に適用することができる。図5は4本のPC鋼より線に適用される中間押圧プレート30を示し、図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図である。
図5、図6を参照して、中間押圧プレート30には、マルチ引張り材3の各引張り材が挿通される合計4つの上下に延びる貫通穴34が形成され、この貫通穴34に対応して4つの突部31を有している。
第1実施例を説明するための図である。 第2実施例を説明するための図である。 第3実施例を説明するための図である。 第4実施例を説明するための図である。 第4実施例で用いられる中間押圧プレートの平面図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図である。 従来のグラウンドアンカーの施工方法を説明するための図である。
符号の説明
1 地盤
2 削孔
3 引張り材
4 アンカーヘッド
5 定着楔
6 支圧板
8 アンカーヘッド浮き上がり防止治具
9 ジャッキチェア
10 緊張用ジャッキ
11 浮き上がり防止治具の段部
20 ジャッキチェアの脚
21 追加のジャッキ
23 ジャッキチェア脚で囲まれた空間
26 浮き上がり防止治具の開口
27 ジャッキチェアの脚の窓
30 中間押圧プレート
31 中間押圧プレートの突部
32 中間押圧プレートの上部
34 中間押圧プレートの貫通穴(引張り材が挿通)

Claims (11)

  1. 地盤に定着した引張り材を緊張用ジャッキを使って緊張させ、アンカーヘッドのテーパ孔に挿入された定着楔が前記テーパ孔の中に進入することにより、前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工方法において、
    前記緊張用ジャッキを前記アンカーヘッドの上方に設置するためのジャッキチェアの脚で囲まれた空間に追加のジャッキを備えたジャッキチェアを用意し、
    前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した後に、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法。
  2. 引張り材が挿通されるテーパ孔を備えたアンカーヘッドと、前記テーパ孔に挿入した定着楔と、前記アンカーヘッドの浮き上がりを防止するアンカーヘッド浮き上がり防止治具と、緊張用ジャッキを設置したジャッキチェアの脚の内側に配設された追加のジャッキとを用意し、
    前記追加のジャッキは前記引張り材が挿通可能なセンターホールジャッキであり、
    地盤に定着した引張り材に緊張力を付与するために前記引張り材を挿通した前記アンカーヘッドの上方に前記緊張用ジャッキを設置したときに、前記追加のジャッキの押圧部が前記アンカーヘッド浮き上がり防止治具の前記引張り材が挿通される開口の高さ方向中間部分に位置し、
    前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法。
  3. 前記アンカーヘッド浮き上がり防止治具の前記開口の直径が、前記定着楔の外形直径よりも大きい、請求項2に記載のグラウンドアンカーの施工方法。
  4. 引張り材が挿通されるテーパ孔を備えたアンカーヘッドと、前記テーパ孔に挿入した定着楔と、前記アンカーヘッドの浮き上がりを防止するアンカーヘッド浮き上がり防止治具と、緊張用ジャッキを搭載したジャッキチェアの脚の内側に配設された追加のジャッキと、該追加のジャッキと前記定着楔との間に介装される中間押圧プレートとを用意し、
    前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記中間押圧プレートを介して前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするグラウンドアンカーの施工方法。
  5. 前記ジャッキチェアの脚に、該脚で囲まれた空間を外部から目で確認できる窓が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラウンドアンカーの施工方法。
  6. ジャッキチェアに搭載した緊張用ジャッキを使って、地盤に定着した引張り材を緊張させ、アンカーヘッドのテーパ孔に挿入された定着楔が前記テーパ孔の中に進入することにより、前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工に用いられるジャッキチェアであって、
    該ジャッキチェアの脚の内側に追加のジャッキを備え、
    前記緊張用ジャッキで前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキによって前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込むことを特徴とするジャッキチェア。
  7. 前記追加のジャッキが複数設けられている、請求項6に記載のジャッキチェア。
  8. 前記緊張用ジャッキを前記アンカーヘッドの上方に設置するためのジャッキチェアの脚で囲まれた空間に追加のジャッキを備えたジャッキチェアを用意し、
    地盤に定着した引張り材に前記緊張用ジャッキを使って所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込んで前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工方法に用いられるアンカーヘッド浮き上がり防止治具であって、
    前記アンカーヘッドの上端外周縁部を係止する段部と、
    前記引張り材が挿通される開口を有し、
    該開口の直径が、前記追加のジャッキの押圧部の直径よりも大きいことを特徴とするアンカーヘッド浮き上がり防止治具。
  9. 前記アンカーヘッド浮き上がり防止治具の開口の直径が、前記アンカーヘッドのテーパ孔に挿入された定着楔の外形直径よりも大きい、請求項8に記載のアンカーヘッド浮き上がり防止治具。
  10. 前記緊張用ジャッキを前記アンカーヘッドの上方に設置するためのジャッキチェアの脚で囲まれた空間に追加のジャッキを備えたジャッキチェアを用意し、
    該ジャッキチェアの脚に段部が形成され、
    地盤に定着した引張り材に前記緊張用ジャッキを使って所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込んで前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着させるグラウンドアンカーの施工方法に用いられるアンカーヘッド浮き上がり防止治具であって、
    前記アンカーヘッドの上端外周縁部を係止する段部と、
    前記引張り材が挿通される開口とを有し、
    前記ジャッキチェアの脚の段部に係合されて、前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に引張り荷重を付与しているときに前記ジャッキチェアの段部に係止されて、その浮き上がりが防止されることを特徴とするアンカーヘッド浮き上がり防止治具。
  11. 引張り材が挿通されるテーパ孔を備えたアンカーヘッドと、前記テーパ孔に挿入した定着楔と、前記アンカーヘッドの浮き上がりを防止するアンカーヘッド浮き上がり防止治具と、緊張用ジャッキを搭載したジャッキチェアの脚の内側に配設された追加のジャッキと、該追加のジャッキと前記定着楔との間に介装される中間押圧プレートとを用意し、
    前記緊張用ジャッキを使って前記引張り材に所定の引張り荷重を付与した状態で、前記追加のジャッキを動作させて前記中間押圧プレートを介して前記定着楔を前記テーパ孔の中に押し込んで前記引張り材を前記アンカーヘッドに定着するグラウンドアンカーの施工方法に用いられる前記中間押圧プレートであって、
    前記中間押圧プレートが、前記アンカーヘッド浮き上がり防止治具に形成され且つ前記引張り材が挿通される開口に挿入可能な突部と、該突部に形成され且つ前記引張り材が挿通される貫通穴を備えていることを特徴とする中間押圧プレート。
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