JP5416016B2 - グラウンドアンカーの再緊張装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、傾斜地盤の地すべり抑止などのために用いられるグラウンドアンカーの再緊張装置及び方法に関する。
経年変化等による緊張力の低下によりアンカーとしての機能が低下した既設のグラウンドアンカーについては、再緊張してその機能を回復する必要がある。アンカーの再緊張にあたっては当初施工時と同様に大きな伸長力を発生することができるセンターホールジャッキを使用するのが一般的である。
センターホールジャッキを使用する際は、再緊張するPC鋼線などのテンドンの頭部のアンカーヘッドにテンションバーを連結して、このテンションバーをセンターホールジャッキの中央の孔に通し、テンションバーの先端側に取付けた支圧板を介して、テンションバーを牽引することにより、再緊張を実施していた。
このセンターホールジャッキは一般的に重量物であり、分割が困難であるため、設置や移動等の作業には足場や揚重機等の相応の施工用設備が必要である。当初施工時であれば、これらの施工用設備が整備されているため、連続してこれらの施工用設備を使用することができるが、再緊張を要する時期においてはこれら施工用設備が撤去されている場合が多く、再度施工用設備を整備する必要があるため、相応の労力を要していた。
一方、特許文献1には、小型軽量の油圧ジャッキを複数(2個)用いることで、労力の軽減を図ることが提案されている。この場合、ベース上に複数の油圧ジャッキを立設し、これらの油圧ジャッキの先端部を連結部材により互いに連結しており、この連結部材は、各油圧ジャッキの全長の略半分を覆う筒状部分と、これらの筒状部分を連結する連結部分とで構成されている。
特許第3654570号公報
ところで、傾斜地盤の地すべり抑止などのため、斜面で使用する場合は、複数の油圧ジャッキをセットする間、これらの油圧ジャッキが倒れないように保持する必要がある。
この点、特許文献1の装置は、複数の油圧ジャッキをベース上に載置してから、筒状部分を有する連結部材を被せて、固定する構造であり、複数の油圧ジャッキを載置してから連結部材で固定するまで、これらの油圧ジャッキが倒れないように作業者が保持している必要があり、少人数(1人)での作業は難く、斜面での使用には適していない。
また、特許文献1の装置は、複数の油圧ジャッキを相互間で連結してしまうため、油圧ジャッキ間で作動タイミングにバラツキがあると、最も早く作動する油圧ジャッキに依存して全体が動くため、油圧ジャッキの伸長力に偏りを生じるだけでなく、その結果ジャッキ及び連結部材に応力集中が生じ、これらの機具の破損が生じやすい。このため、ジャッキに供給される圧油の流量を電子制御手法により精密に制御したり、ジャッキに連通する油圧供給ラインに介装された制御バルブの開度を精密に調整する必要がある。
本発明は、このような実状に鑑み、地中に埋設されたアンカーの地上側端部のアンカーヘッドと、このアンカーヘッドを支えてその荷重を地表面支持層をなす構造物に伝達するアンカープレートとを備えるグラウンドアンカーについて、作業性を考慮して、小型軽量の油圧ジャッキを複数使用するようにする一方、斜面での使用を考慮して、複数の油圧ジャッキの適正なセットを容易にしたグラウンドアンカーの再緊張装置及び方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るグラウンドアンカーの再緊張装置は、アンカーヘッドに対し緊張方向に連結されるテンションバーと、アンカープレート上に設置されるラムチェアーと、前記ラムチェアー上に前記テンションバーを囲んで配置される複数の油圧ジャッキと、前記テンションバーの先端側に取付けられて前記複数の油圧ジャッキの各先端部に相対する支圧板と、を含んで構成する。そして、前記ラムチェアーには、前記複数の油圧ジャッキの各基端部を個別に斜面での使用であっても倒れないように仮止め保持する仮止め手段を備え、前記複数の油圧ジャッキは、先端部側で相互に機械的に連結されない構成である。
また、本発明に係るグラウンドアンカーの再緊張方法(第1の方法)は、1)アンカーヘッドに対し緊張方向にテンションバーを連結すると共に、アンカープレート上にラムチェアーを設置し、2)前記ラムチェアー上に前記テンションバーを囲んで複数の油圧ジャッキを配置して、前記複数の油圧ジャッキを先端部側で相互に機械的に連結することなく、前記アンカープレート上に前記複数の油圧ジャッキの各基端部を個別に斜面での使用であっても倒れないように仮止め保持し、3)前記テンションバーの先端側に前記複数の油圧ジャッキの各先端部に相対する支圧板を取付け、4)前記複数の油圧ジャッキを同時に伸長作動させて、前記アンカーヘッドを緊張方向に牽引する。
又は、本発明に係るグラウンドアンカーの再緊張方法(第2の方法)は、1)アンカーヘッドに対し緊張方向にテンションバーを連結すると共に、アンカープレート上にラムチェアーを設置し、2)前記テンションバーの先端側に支圧板を取付けた後、3)前記ラムチェアーと前記支圧板との間の前記テンションバーを囲む空間に側方から複数の油圧ジャッキを挿入配置して、前記複数の油圧ジャッキを先端部側で相互に機械的に連結することなく、前記ラムチェアー上に前記複数の油圧ジャッキの各基端部を個別に斜面での使用であっても倒れないように仮止め保持し、4)前記複数の油圧ジャッキを同時に伸長作動させて、前記アンカーヘッドを緊張方向に牽引する。
本発明によれば、各油圧ジャッキをテンションバーを囲む空間に側方から挿入配置した後、各油圧ジャッキをラムチェアー上に仮止めできるので、斜面で使用しても倒れることがない。従って、小型軽量の油圧ジャッキを、1つずつ、運んで仮止めすれば、全ての油圧ジャッキをセットし終わるまで、各油圧ジャッキを作業者が保持している必要はなく、少人数(1人)での作業も容易である。また、複数の油圧ジャッキを相互に機械的に連結しないので、油圧ジャッキ間に作動タイミングのバラツキがあっても引きずられて動くことがなく、これによりいずれの油圧ジャッキにも応力集中を生じることがないので、油圧ジャッキ等の破損を防止できる。
また、複数箇所のグラウンドアンカーに対し、それぞれ再緊張作業を行う場合に、前段取り後、そのうち1箇所に油圧ジャッキをセットして再緊張作業を行い、再緊張後、油圧ジャッキを1個ずつ撤去すると同時に、撤去した油圧ジャッキを他の箇所にセットするようにして、油圧ジャッキを複数箇所で転用するようにすれば、多数の油圧ジャッキを用意する費用を削減することができる。そして、このような油圧ジャッキの転用に際し、油圧ジャッキの取付け・取外しが容易であるので、転用を促進することができる。そして特に第2の方法では、油圧ジャッキをセットしている工程数を減少でき、油圧ジャッキの転用を更に促進することができる。
本発明の一実施形態を示すグラウンドアンカーの概略図 アンカー頭部及び再緊張装置の縦断面図 アンカー頭部及び再緊張装置の平面図 アンカー再緊張手順を示す工程図 再緊張後の手順を示す工程図 本発明の他の実施形態でのアンカー再緊張手順を示す工程図 同上他の実施形態での再緊張後の手順を示す工程図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すグラウンドアンカーの概略図である。
グラウンドアンカーは、例えば、傾斜地盤の地すべり抑止のために用いられ、アンカー体(図示せず)、テンドン1、アンカー頭部2から構成される。
アンカー体(図示せず)は、アンカーの緊張力を地盤に直接伝達する部分であり、グラウトの注入により造成される。テンドン1は、アンカー頭部2からの緊張力をアンカー体に伝達する部分であり、通常PC鋼線、PC鋼棒などにより構成される。
アンカー頭部2は、テンドン1の地上側端部を固定保持するアンカーヘッド3と、このアンカーヘッド3を支えてその荷重を地表面(傾斜面)支持層をなす構造物に伝達するアンカープレート4とを含んで構成される。
また、アンカー頭部2は、アンカーヘッド3外周のネジ部に取付けられてアンカープレート4に係止されるリングナット5を備え、これによりアンカーヘッド3の定着位置を調整可能である。
また、アンカー頭部2は、アンカーヘッド3の地上側表面を覆う防錆キャップ6を備えている。
図2及び図3はグラウンドアンカーの再緊張装置を示している。
図2及び図3の再緊張装置は、図1のアンカー頭部2から防錆キャップ6を外した状態で、アンカー頭部2にセットされる。
カプラー11は、アンカーヘッド3を上方から覆うような有蓋円筒状であり、内周のネジ部でアンカーヘッド3外周のネジ部に螺合することにより、アンカーヘッド3と連結可能である。
テンションバー12は、棒状であり、下端側のネジ部でカプラー11の中央部のネジ孔に螺合することにより、カプラー11と連結可能、言い換えれば、カプラー11を介してアンカーヘッド3と連結可能である。従って、テンションバー12は、アンカーヘッド3に対し緊張方向に連結可能である。
ラムチェアー13は、複数の脚部13aと、これらの脚部13aの上端側に支持される円板状の座部13bとから構成され、脚部13aはアンカープレート4上に、アンカーヘッド3及びカプラー11を囲んで、立設される。座部13bは、中央部に孔を有し、この孔にテンションバー12が挿入される。
油圧ジャッキ14は、シリンダー型で、その先端部側に、油圧の供給により本体シリンダーより突出する出力シリンダー14aを備えている。この油圧ジャッキ14は、従来のセンターホールジャッキに比べ小型軽量なジャッキであり、単体では伸長力が劣る。従って、従来のセンターホールジャッキと同等の伸長力を確保するため、複数を組み合わせて使用する。また特に、組み合わせ時のバランスを考慮して、3個以上、本実施形態では4個使用する。
4個の油圧ジャッキ14は、ラムチェアー座部13b上で、テンションバー12を囲む円周上に等間隔に配置し、各油圧ジャッキ14の軸線をテンションバー12の緊張方向と平行にする。
ここで、油圧ジャッキ14の基端部(本体シリンダー)は、ラムチェアー座部13b上に載置するが、ラムチェアー座部13bには、4個の油圧ジャッキ14の各基端部を位置決めすると共に仮止め保持する仮止め手段が備えられる。
具体的には、仮止め手段として、ラムチェアー座部13b上に、各油圧ジャッキ14の基端部が挿入される円環状の枠部材15が4個設けられ、また、各枠部材15にはその半径方向に螺合される止めネジ16が備えられている。
従って、ラムチェアー座部13b上の円環状の枠部材15内に油圧ジャッキ14の基端部を嵌合し、止めネジ16を締め付けて、その先端を押付けることで、油圧ジャッキ14を仮止めでき、斜面での使用であっても油圧ジャッキ14が倒れるのを防止できる。
尚、4個の油圧ジャッキ14には、図3に示されるように、単一(共通)の油圧制御回路により制御される油圧が、分岐配管を介して供給される。従って、各油圧ジャッキ14への油圧の供給(及び排出)は、協調して行われる。
支圧板17は、円板状で、本実施形態では2枚構成であり、中央部に孔を有し、テンションバー12の先端側に挿嵌されて、板面が4個の油圧ジャッキ14の先端部(出力シリンダー14a側)に相対・当接する。
ナット18は、テンションバー12の先端側のネジ部に螺合されて、支圧板17を抜け止め固定する。
次に、上記の再緊張装置を用いた、グラウンドアンカーの再緊張作業(第1の方法)について、図4及び図5を参照して、工程順に説明する。
図4はアンカー再緊張手順を示している。
図1の状態から、防錆キャップ6を外した後、図4(a)に示すように、アンカーヘッド3にカプラー11を取付け、更にこのカプラー11にテンションバー12を取付ける。尚、テンションバー12に予めカプラー11の機能を持たせておくようにしてもよい。
次に図4(b)に示すように、アンカープレート4上にラムチェアー脚部13aを取付け、更にこのラムチェアー脚部13a上にラムチェアー座部13bを取付けて、ラムチェアー13を組み立てる。このラムチェアー座部13bには、油圧ジャッキの仮止め手段(円環状の枠部材15等)が備えられている。尚、図4(a)でのテンションバー12の取付けと、図4(b)のラムチェアー13の設置は、逆順で行うようにしてもよい。
次に図4(c)に示すように、4個の油圧ジャッキ14を1つずつセットする。すなわち、ラムチェアー座部13b上の4個の円環状の枠部材15のそれぞれに油圧ジャッキ14をセットし、止めネジ16(図2及び図3)で仮止め保持する。
このとき、1つ1つの油圧ジャッキ14は、従来のセンターホールジャッキに比べ、小型軽量であるので、1人の作業者で持ち運べる。
また、各油圧ジャッキ14をラムチェアー13上のテンションバー12を囲む空間に側方から挿入配置でき、高く持ち上げる必要はないので、配置作業も容易である。
更に、1つずつ油圧ジャッキ14をセットして仮止めすれば、次の油圧ジャッキ14を運んでセットする間も、セット済みの油圧ジャッキ14が倒れることはなく、1人の作業者で4個の油圧ジャッキ14のセッティングを行うことができる。
次に図4(d)に示すように、テンションバー12の先端側に支圧板17を嵌挿して、油圧ジャッキ14の先端部に相対・当接させ、ナット18で抜け止め固定する。
次に図4(e)に示すように、油圧ジャッキ14を作動(ジャッキアップ)させて、出力シリンダー14aを突出させ、支圧板17、ナット18を介してテンションバー12を牽引し、更にカプラー11を介してアンカーヘッド3を上方へ牽引し、これによりテンドンを再緊張させる。
このとき、4個の油圧ジャッキ14は、先端部側で相互に機械的に連結されていないので、ジャッキ間に作動タイミングのバラツキがあっても、各油圧ジャッキ14が個々に動いて、バラツキを吸収するので、いずれの油圧ジャッキ14にも応力集中を生じることがなく、ジャッキ等の破損を防止できる。
また、4個の油圧ジャッキ14に対し、単一の油圧制御回路により制御される油圧を互いに連通する分岐配管を介して供給するため、各油圧ジャッキ14を同圧で作動させ、均等に伸長力を発生させることができる。
次に図4(f)に示すように、リングナット5を操作し、これをアンカーヘッド3に対し下方へ相対移動させて、アンカープレート4に当接係止させることにより、アンカーヘッド3を定着する。リングナット5の操作に代え、あるいはこれに加え、アンカーヘッド3とアンカープレート4との間に、シムを挿入することにより、アンカーヘッド3を定着してもよい。
この定着作業に際し、本実施形態では、アンカープレート4上にラムチェアー13を介して油圧ジャッキ14をセットするようにしているので、ラムチェアー13の脚部13a間の空間を介して、リングナット5の操作やシムの挿入等の作業を行うことができる。従って、作業空間を十分に確保でき、作業効率を向上させることができる。
図5は再緊張後の手順を示している。これを参照して、再緊張後の再緊張装置の撤去作業について説明する。
図5(a)に示すように、油圧ジャッキ14から油圧を抜いて、ジャッキダウンする。
次に、図5(a)→(b)に示すように、ナット18を撤去し、更に支圧板17を撤去する。
次に、図5(b)→(c)に示すように、油圧ジャッキ14を1つずつ仮止めを外して撤去する。このときも各油圧ジャッキ14を側方へ取出すことができ、撤去作業も容易である。
次に、図5(c)→(d)に示すように、テンションバー12を撤去する。また、図5(d)→(e)に示すように、ラムチェアー13(座部13b、及び、脚部13a)を撤去し、更にカプラー11を撤去する。
次に、図5(f)に示すように、アンカーヘッド3に防錆キャップ6を被せ、このキャップ6内にはグリス等の防錆材を封入して、全ての作業を終了する。
上記のようなグラウンドアンカーの再緊張作業は、数箇所のグラウンドアンカーに対して連続して行うのが一般的であり、装置として希少かつ高価な油圧ジャッキ、油圧ポンプ等の油圧装置の転用を促進することが、作業費用を縮減するために求められている。
そこで、前段取りとして、複数箇所で、図4(b)の工程のラムチェアー13設置まで作業を行うようにし、そのうち1箇所で図4(c)のように油圧ジャッキ14をセットして再緊張作業を行い、その後、図5(b)→(c)の工程で油圧ジャッキ14を1個ずつ撤去すると同時に、撤去した油圧ジャッキ14を他の箇所で図4(c)のようにセットするようにして、油圧ジャッキ14を複数箇所で転用するようにすれば、多数の油圧ジャッキ14を用意する費用を削減することができる。そして、このような油圧ジャッキ14の転用に際し、油圧ジャッキ14の取付け・取外しが容易であるので、転用を促進することができる。
本実施形態によれば、重量物であるセンターホールジャッキに代えて、複数の小型軽量の油圧ジャッキ14を使用することにより、施工用設備を簡易に整備することが可能となり、施工用設備の整備を含めた再緊張作業全体を容易かつ効率的に実施することが可能となる。言い換えれば、複数の小型軽量の油圧ジャッキ14を使用することにより、狭隘な場所で重機などを使用せず、人力での作業が可能となる。
また、本実施形態によれば、3個以上、望ましくは4個の小型軽量の油圧ジャッキ14を円周上に配置し、その中央部の空間にテンションバー12を配置して、再緊張を実施することで、使用する小型軽量の油圧ジャッキ14は単体ではセンターホールジャッキに比べて伸長力が劣るが、複数組み合わせることにより、同等の伸長力を確保することができる。
また、本実施形態によれば、各油圧ジャッキ14をテンションバー12を囲む空間に側方から挿入配置した後、各油圧ジャッキ14をアンカープレート4上のラムチェアー13に仮止めできるので、斜面で使用しても倒れることがない。従って、小型軽量の油圧ジャッキ14を、1つずつ、運んで仮止めすれば、全ての油圧ジャッキ14をセットし終わるまで、各油圧ジャッキ14を作業者が保持している必要はなく、少人数(1人)での作業も容易である。
また、本実施形態によれば、仮止め手段を、アンカープレート4上に設置されるラムチェアー13の座部13bに設けられて複数の油圧ジャッキ14の各基端部が個別に挿入される円環状の枠部材15と、各枠部材15に半径方向に螺合される止めネジ16とから構成することで、比較的簡単な構造で必要とする仮止め機能を得ることができる。
また、本実施形態によれば、複数の油圧ジャッキ14を相互に機械的に連結しないので、ジャッキ間に作動タイミングのバラツキがあっても、各油圧ジャッキ14が個々に動いて、バラツキを吸収するので、いずれの油圧ジャッキ14にも応力集中を生じることがなく、ジャッキ等の破損を防止できる。
また、本実施形態によれば、複数の油圧ジャッキ14には、単一の油圧制御回路により制御される油圧が分岐配管を介して供給される構成とすることにより、各油圧ジャッキ14を流体連結により同圧で作動させ、均等に伸長力を発生させることができる。
また、本実施形態によれば、汎用品であるラムチェアー13や、簡単形状(円板状)の支圧板17を用いるため、工事への適応性が高い。
次に、本発明に係る再緊張方法の他の実施形態(第2の方法)について説明する。
前記一実施形態(第1の方法)では、〔1〕アンカーヘッド3に対し緊張方向にカプラー11を介してテンションバー12を連結すると共に、アンカープレート4上にラムチェアー13を設置し、〔2〕ラムチェアー13上にテンションバー12を囲んで複数の油圧ジャッキ14を配置して、ラムチェアー13上に前記複数の油圧ジャッキ14の各基端部を個別に仮止めした後、〔3〕テンションバー12の先端側に前記複数の油圧ジャッキ14の各先端部に相対する支圧板17を取付けるようにしたが、第2の方法では、上記〔2〕と〔3〕の作業を逆順で行うようにする。
すなわち、〔1〕アンカーヘッド3に対し緊張方向にカプラー11を介してテンションバー12を連結すると共に、アンカープレート4上にラムチェアー13を設置し、〔2〕テンションバー12の先端側に円板状の支圧板17を取付けた後、〔3〕ラムチェアー13と支圧板17との間のテンションバー12を囲む空間に側方から複数の油圧ジャッキ14を挿入配置して、ラムチェアー13上に前記複数の油圧ジャッキ14の各基端部を個別に仮止めするようにする。
また、再緊張後の撤去時は、油圧ジャッキ14のジャッキダウン後、支圧板17を撤去するより先に、油圧ジャッキ14を撤去するようにする。
このようにすると、油圧ジャッキ14をラムチェアー13と支圧板17との間のテンションバー12を囲む空間に側方から挿入可能で、側方から取付け・取外しできる利点を活かして、1箇所に油圧ジャッキ14が組み込まれている工程数をより少なくして、油圧ジャッキ14の転用を更に効率的にすることができる。
図6はこの第2の方法でのアンカー再緊張手順を示している。また、図7はこの第2の方法での再緊張後の手順を示している。これらを参照して、工程順に説明する。
図6(a)の工程では、図4(a)と同様、図1の状態から、防錆キャップ6を外した後、アンカーヘッド3にカプラー11を取付け、更にこのカプラー11にテンションバー12を取付ける。
図6(b)の工程では、図4(b)と同様、アンカープレート4上にラムチェアー13(脚部13a、及び、座部13b)を設置する。
図6(c)の工程では、テンションバー12の先端側に支圧板17を取付け、ナット18で抜け止め固定する。
図6(d)の工程では、ラムチェアー13と支圧板17との間のテンションバー12を囲む空間に側方から4個の油圧ジャッキ14を1つずつセットする。このとき、各油圧ジャッキ14は、ラムチェアー座部13b上の円環状の枠部材15にセットし、止めネジ16(図2及び図3)で仮止め保持する。尚、油圧ジャッキ14のセットの際、支圧板17が上方位置に保持されていると、油圧ジャッキ14のセットが容易であるが、人力等で保持するようにしてもよい。
図6(e)の工程では、図4(e)と同様、油圧ジャッキ14を作動(ジャッキアップ)させて、出力シリンダー14aを突出させ、支圧板17、ナット18を介してテンションバー12を牽引し、更にカプラー11を介してアンカーヘッド3を上方へ牽引し、これによりテンドンを再緊張させる。
図6(f)の工程では、図4(f)と同様、リングナット5を操作し、これをアンカーヘッド3に対し下方へ相対移動させて、アンカープレート4に当接係止させることにより、アンカーヘッド3を定着する。
再緊張後の図7(a)の工程では、図5(a)と同様、油圧ジャッキ14から油圧を抜いて、ジャッキダウンする。
図7(b)の工程では、油圧ジャッキ14を1つずつ仮止めを外して撤去する。この際、支圧板17が上方位置に保持されていると、油圧ジャッキ14の撤去が容易であるが、人力等で保持するようにしてもよい。
図7(c)の工程では、ナット18を撤去し、更に支圧板17を撤去する。
図7(d)の工程では、図5(d)と同様、テンションバー12を撤去する。また、図7(e)の工程では、図5(e)と同様、ラムチェアー13を撤去し、更にカプラー11を撤去する。また、図7(f)の工程では、図5(f)と同様、アンカーヘッド3に防錆キャップ6を被せて防錆処理を行い、全ての作業を終了する。
ここで、第1の方法(図4及び図5)と第2の方法(図6及び図7)とを比較すると、第1の方法では、油圧ジャッキ14が、図4(c)→(d)→(e)→(f)→図5(a)→(b)の6工程中セットされているのに対し、第2の方法では、油圧ジャッキ14が、図6(d)→(e)→(f)→図7(a)の4工程中セットされている。
従って、1箇所に油圧ジャッキ14が組み込まれている工程数をより少なくして、油圧ジャッキ14の転用を更に効率的にすることができる。
すなわち、複数箇所のグラウンドアンカーに対し、それぞれ再緊張作業を行う場合に、前段取りとして、各箇所で、図6(c)の工程の支圧板17設置まで作業を行うようにし、そのうち1箇所で図6(d)のように油圧ジャッキ14をセットして再緊張作業を行い、その後、図7(a)→(b)の工程で油圧ジャッキ14を1個ずつ撤去すると同時に、撤去した油圧ジャッキ14を他の箇所で図6(d)のようにセットするようにして、油圧ジャッキ14を複数箇所で転用するようにすれば、油圧ジャッキ14の転用を極め効率的に行うことができる。
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 テンドン
2 アンカー頭部
3 アンカーヘッド
4 アンカープレート
5 リングナット
6 防錆キャップ
11 カプラー
12 テンションバー
13 ラムチェアー
13a ラムチェアー脚部
13b ラムチェアー座部
14 油圧ジャッキ
14a 出力シリンダー
15 円環状の枠部材
16 止めネジ
17 支圧板
18 ナット

Claims (4)

  1. 地中に埋設されたアンカーの地上側端部のアンカーヘッドと、このアンカーヘッドを支えてその荷重を地表面支持層をなす構造物に伝達するアンカープレートと、を含んで構成されるグラウンドアンカーの再緊張装置であって、
    前記アンカーヘッドに対し緊張方向に連結されるテンションバーと、
    前記アンカープレート上に設置されるラムチェアーと、
    前記ラムチェアー上に前記テンションバーを囲んで配置される複数の油圧ジャッキと、
    前記テンションバーの先端側に取付けられて前記複数の油圧ジャッキの各先端部に相対する支圧板と、
    を含んで構成され、
    前記ラムチェアーには、前記複数の油圧ジャッキの各基端部を個別に斜面での使用であっても倒れないように仮止め保持する仮止め手段を備え
    前記複数の油圧ジャッキは、先端部側で相互に機械的に連結されないことを特徴とするグラウンドアンカーの再緊張装置。
  2. 前記仮止め手段は、前記ラムチェアーの座部に設けられて前記複数の油圧ジャッキの各基端部が個別に挿入される円環状の枠部材と、各枠部材に半径方向に螺合される止めネジとから構成される請求項1記載のグラウンドアンカーの再緊張装置。
  3. 地中に埋設されたアンカーの地上側端部のアンカーヘッドと、このアンカーヘッドを支えてその荷重を地表面支持層をなす構造物に伝達するアンカープレートと、を含んで構成されるグラウンドアンカーを再緊張させるに際し、
    前記アンカーヘッドに対し緊張方向にテンションバーを連結すると共に、前記アンカープレート上にラムチェアーを設置し、
    前記ラムチェアー上に前記テンションバーを囲んで複数の油圧ジャッキを配置して、前記複数の油圧ジャッキを先端部側で相互に機械的に連結することなく、前記ラムチェアー上に前記複数の油圧ジャッキの各基端部を個別に斜面での使用であっても倒れないように仮止め保持し、
    前記テンションバーの先端側に前記複数の油圧ジャッキの各先端部に相対する支圧板を取付け、
    前記複数の油圧ジャッキを同時に伸長作動させて、前記アンカーヘッドを緊張方向に牽引することを特徴とするグラウンドアンカーの再緊張方法。
  4. 地中に埋設されたアンカーの地上側端部のアンカーヘッドと、このアンカーヘッドを支えてその荷重を地表面支持層をなす構造物に伝達するアンカープレートと、を含んで構成されるグラウンドアンカーを再緊張させるに際し、
    前記アンカーヘッドに対し緊張方向にテンションバーを連結すると共に、前記アンカープレート上にラムチェアーを設置し、
    前記テンションバーの先端側に支圧板を取付けた後、
    前記ラムチェアーと前記支圧板との間の前記テンションバーを囲む空間に側方から複数の油圧ジャッキを挿入配置して、前記複数の油圧ジャッキを先端部側で相互に機械的に連結することなく、前記ラムチェアー上に前記複数の油圧ジャッキの各基端部を個別に斜面での使用であっても倒れないように仮止め保持し、
    前記複数の油圧ジャッキを同時に伸長作動させて、前記アンカーヘッドを緊張方向に牽引することを特徴とするグラウンドアンカーの再緊張方法。
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