JP2017203142A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料およびその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プリプレグのマトリックス樹脂形成用樹脂組成物として好適であり、強化繊維基材との接着性が良好な硬化物を形成できるエポキシ樹脂組成物;エポキシ樹脂組成物の含浸性およびプリプレグの形態保持性が良好であり、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料を得ることができるプリプレグ;繊維強化複合材料およびその製造方法を提供する。【解決手段】成分(A):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性イミダゾールと、成分(B):ポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性ポリアミンと、成分(C):エポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物であり、成分(C)の100質量部に対する成分(A)および成分(B)の合計が8〜20質量部であり、成分(C)のエポキシ当量が150〜220であり、エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が1.0×102〜1.0×105Pa・sである、エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料およびその製造方法に関する。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量で優れた機械特性を有するため、航空機、車両、船舶、建造物等の構造材料、ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット等のスポーツ用具等に広く用いられている。
繊維強化複合材料の製造方法としては、各種の方法が知られており、強化繊維基材にマトリックス樹脂形成用樹脂組成物を含浸させたシート状、テープ状または紐状の中間基材であるプリプレグを用いる方法が広く用いられている。プリプレグを用いる方法では、プリプレグを複数枚積層した後、加熱することにより成形物が得られる。
マトリックス樹脂形成用樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物または熱可塑性樹脂組成物が用いられる。多くの場合では、熱硬化性樹脂組成物が用いられ、機械特性が良好である点から、エポキシ樹脂組成物がよく用いられる。
エポキシ樹脂組成物としては、高い耐熱性が要求される場合、硬化剤としてイミダゾール系化合物を含むものが用いられる。
しかし、イミダゾール系化合物を含むエポキシ樹脂組成物を用いた場合、得られる繊維強化複合材料の90℃曲げ強度が問題となる。すなわち、イミダゾール系化合物を含むエポキシ樹脂組成物の硬化物は、強化繊維基材との接着性が弱い。そのため、繊維強化複合材料にした際、エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維基材との界面で破壊が起こりやすくなる。
貯蔵安定性、硬化性、接着性に優れた、主に接着剤に用いられるエポキシ樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
特定のイミダゾール化合物とエポキシ化合物との反応生成物である変性イミダゾールと、特定のポリアミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物である変性ポリアミンと、フェノール化合物と、エポキシ樹脂とを含み、変性イミダゾール/変性ポリアミンの質量比が9/1〜6/4であり、変性イミダゾールおよび変性ポリアミンの合計100質量部に対してフェノール化合物が10〜100質量部である、一成分硬化型の硬化性エポキシ樹脂組成物(特許文献1)。
特開2007−297493号公報
しかし、特許文献1に記載されたエポキシ樹脂組成物においては、炭素繊維等の強化繊維との接着性については検討されていない。また、特許文献1に記載されたエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂として液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂のみを用いているため、粘度が低い。そのため、特許文献1に記載されたエポキシ樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させても、得られるプリプレグは形態保持性に劣る。そのため、特許文献1に記載されたエポキシ樹脂組成物は、プリプレグのマトリックス樹脂形成用樹脂組成物としては不適である。
本発明は、プリプレグのマトリックス樹脂形成用樹脂組成物として好適であり、強化繊維基材との接着性が良好な硬化物を形成できるエポキシ樹脂組成物;エポキシ樹脂組成物の含浸性およびプリプレグの形態保持性が良好であり、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料を得ることができるプリプレグ;ならびに、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料およびその製造方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>成分(A):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性イミダゾールと、成分(B):ポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性ポリアミンと、成分(C):エポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物であり、前記成分(C)の100質量部に対する前記成分(A)および前記成分(B)の合計が、8〜20質量部であり、前記成分(C)のエポキシ当量が、150〜220であり、前記エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が、1.0×10〜1.0×10Pa・sである、エポキシ樹脂組成物。
<2>前記エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度が、4.0×10−1〜1.0×10Pa・sである、前記<1>のエポキシ樹脂組成物。
<3>前記成分(C)が、成分(C1):30℃において固体のノボラック型エポキシ樹脂と、成分(C2):30℃における粘度が1.0〜250Pa・sであるビスフェノール型エポキシ樹脂とを含む、前記<1>または<2>のエポキシ樹脂組成物。
<4>前記成分(C1)の100℃における粘度が、4.0×10−1〜1.0×10Pa・sである、前記<3>のエポキシ樹脂組成物。
<5>前記成分(C1)と前記成分(C2)との質量比((C1)/(C2))が、30/70〜80/20である、前記<3>または<4>のエポキシ樹脂組成物。
<6>前記成分(A)と前記成分(B)との質量比((A)/(B))が、90/10〜60/40である、前記<1>〜<5>のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
<7>前記成分(A)が、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である、前記<1>〜<6>のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
Figure 2017203142
ただし、R〜Rは、それぞれ水素原子;水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキル基;または、1〜4個の前記アルキル基にて置換されていてもよい、フェニル基またはナフチル基である。
<8>前記成分(B)が、脂肪族ポリアミン化合物、芳香族ポリアミン化合物および脂環式ポリアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミン化合物であり、かつ1級アミノ基を2個以上有するポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である、前記<1>〜<7>のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
<9>前記<1>〜<8>のいずれかのエポキシ樹脂組成物と、強化繊維基材とを含む、プリプレグ。
<10>前記<9>のプリプレグの成形物である、繊維強化複合材料。
<11>前記<9>のプリプレグを加熱成形して繊維強化複合材料を得る、繊維強化複合材料の製造方法。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、プリプレグのマトリックス樹脂形成用樹脂組成物として好適であり、強化繊維基材との接着性が良好な硬化物を形成できる。
本発明のプリプレグは、エポキシ樹脂組成物の含浸性およびプリプレグの形態保持性が良好である。本発明のプリプレグによれば、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、90℃曲げ強度が高い。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法によれば、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料を製造できる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「エポキシ樹脂」とは、分子内にエポキシ基を有する化合物をいう。
「エポキシ樹脂組成物」とは、エポキシ樹脂と硬化剤と含む組成物をいう。
「変性イミダゾール」とは、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物をいう。
「変性ポリアミン」とは、ポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物をいう。
エポキシ樹脂の「エポキシ当量」は、JIS K 7236:2009(ISO 3001:1999)に準拠して測定された値である。2種以上のエポキシ樹脂を併用する場合は、各エポキシ樹脂のエポキシ当量にその含有割合を乗じた値の合計値である。
エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂組成物の「粘度」は、実施例に記載の方法にて測定された粘度である。
エポキシ樹脂の「軟化点」は、JIS K 7234−1986の環球法に準拠して測定された値である。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(A):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性イミダゾールと、成分(B):ポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性ポリアミンと、成分(C):エポキシ樹脂とを含む。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
(成分(A))
成分(A)の変性イミダゾールは、イミダゾール化合物(a1)とエポキシ樹脂(a2)との反応によって得られた生成物、いわゆるイミダゾールアダクトである。
成分(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イミダゾール化合物(a1)としては、エポキシ樹脂と反応して生成する変性イミダゾールによるエポキシ樹脂の硬化物が、強化繊維と良好な接着性を有する点から、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物が好ましい。
Figure 2017203142
ただし、R〜Rは、それぞれ水素原子;水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキル基;または、1〜4個の前記アルキル基にて置換されていてもよい、フェニル基またはナフチル基である。
水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、またはこれらアルキル基の水素原子の一部が水酸基またはアミノ基に置換された基が挙げられる。
式(I)で表されるイミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−アミノプロピルイミダゾール等が挙げられ、エポキシ樹脂との相溶性に優れる点から、2−メチルイミダゾールまたは2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。
エポキシ樹脂(a2)としては、例えば、モノグリシジルエステル化合物、単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物、多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物、多価アルコール化合物のポリグリシジルエーテル化合物、脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル化合物、グリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体、グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、環状オレフィン化合物のエポキシ化物、エポキシ化共役ジエン重合体、グリシジル基を有する複素環化合物等が挙げられる。
モノグリシジルエステル化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、sec−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル化合物;バーサティック酸グリシジルエステル等が挙げられる。
単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物における単核多価フェノール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等が挙げられる。
多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物における多核多価フェノール化合物としては、例えば、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等が挙げられる。
多価アルコール化合物のポリグリシジルエーテル化合物における多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等が挙げられる。
脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル化合物における脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等が挙げられる。
グリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等が挙げられる。
環状オレフィン化合物のエポキシ化物としては、例えば、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。
エポキシ化共役ジエン重合体としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
グリシジル基を有する複素環化合物としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
エポキシ樹脂(a2)としては、エポキシ樹脂組成物およびプリプレグの貯蔵安定性、硬化性、耐熱性の点から、ビスフェノールF、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、ビスフェノールAおよびイソプロピリデンビス(オルトクレゾール)からなる群から選ばれる少なくとも1種のビスフェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物が好ましい。
成分(A)としては、エポキシ樹脂組成物およびプリプレグの貯蔵安定性の点から、イミダゾール化合物(a1)の活性水素当量が1となる量に対し、エポキシ樹脂(a2)をそのエポキシ当量が0.5〜2当量、好ましくは0.8〜1.5当量となる量を反応させて得られたものが好ましい。また、イミダゾール化合物(a1)とエポキシ樹脂(a2)との質量比((a1)/(a2))は、10/90〜70/30が好ましい。
(成分(B))
成分(B)の変性ポリアミンは、分子中にアミノ基を2個以上有するポリアミン化合物(b1)とエポキシ樹脂(b2)との反応によって得られた生成物、いわゆるアミンアダクトである。
成分(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアミン化合物(b1)としては、エポキシ樹脂組成物およびプリプレグの貯蔵安定性の点から、脂肪族ポリアミン化合物、芳香族ポリアミン化合物および脂環式ポリアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミン化合物であり、かつ1級アミノ基を2個以上有するポリアミン化合物が好ましい。
1級アミノ基を2個以上有する脂肪族ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
1級アミノ基を2個以上有する芳香族ポリアミン化合物としては、例えば、m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
1級アミノ基を2個以上有する脂環式ポリアミン化合物としては、例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,3−ビスアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
ポリアミン化合物(b1)としては、エポキシ樹脂組成物およびプリプレグの、貯蔵安定性と硬化性を両立する点から、下記(α)および下記(β)からなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
(α)分子内にそれぞれ反応性を異にする2個の1級アミノ基を有する、脂環式ジアミンおよび脂肪族ジアミン。
(β)分子内に2個の1級アミノ基を有するとともに、一方のアミノ基がエポキシ基と反応した場合に生じる立体障害によって、他方のアミノ基のエポキシ基との反応性が低下する、芳香族ポリアミンおよび脂環式ポリアミン。
(α)に該当するジアミンとしては、例えば、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン等が挙げられる。
(β)に該当するジアミンとしては、例えば、m−キシリレンジアミン、1,3−ビスアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
エポキシ樹脂(b2)としては、例えば、エポキシ樹脂(a2)と同様なものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
成分(B)としては、エポキシ樹脂組成物およびプリプレグの貯蔵安定性の点から、ポリアミン化合物(b1)が1モルとなる量に対し、エポキシ樹脂(b2)をそのエポキシ当量が0.5〜2当量、好ましくは0.8〜1.5当量となる量を反応させて得られたものが好ましい。また、ポリアミン化合物(b1)とエポキシ樹脂(b2)との質量比((b1)/(b2))は、10/90〜70/30が好ましい。
(成分(C))
成分(C)は、エポキシ当量が150〜220であり、成分(C)を含むエポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が後述する範囲内となるようなエポキシ樹脂であればよく、特に制限されない。
成分(C)のエポキシ当量は、150〜220であり、180〜210がより好ましい。成分(C)のエポキシ当量が前記範囲内であれば、繊維強化複合材料(特にプレス成形によって得られた繊維強化複合材料)において、強化繊維基材とエポキシ樹脂組成物の硬化物との接着性が高くなり、90°曲げ強度が高くなる。すなわち、成分(C)のエポキシ当量が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化反応時の反応発熱の収束が早く、短時間での硬化が可能となる。成分(C)のエポキシ当量が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の90°曲げ強度が高くなる。
成分(C)は、1種のエポキシ樹脂を単独で用いたものであってもよく、2種以上のエポキシ樹脂を併用したものであってもよい。エポキシ樹脂組成物の物性を所望の範囲に制御しやすい点からは、2種以上のエポキシ樹脂を併用したものが好ましい。なお、2種以上のエポキシ樹脂を併用する場合は、成分(C)のエポキシ当量が150〜220となるよう、2種以上のエポキシ樹脂の種類および含有割合を調整する。
成分(C)としては、得られる繊維強化複合材料の耐熱性と靱性を両立でき、さらにエポキシ当量を150〜220に調節しやすい点から、成分(C1):30℃において固体のノボラック型エポキシ樹脂と、成分(C2):30℃における粘度が1.0〜250Pa・sであるビスフェノール型エポキシ樹脂とを含むことが好ましい。
成分(C1)としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、三菱化学社製のjER(登録商標)152、154、DIC社製のEPICLON(登録商標)N−740、N−770、N−775等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC社製のEPICLON(登録商標)N−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695、日本化薬社製のEOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S等が挙げられる。
成分(C1)の100℃における粘度は、4.0×10−1〜1.0×10Pa・sが好ましく、4.0×10−1〜8.0×10Pa・sがより好ましく、4.0×10−1〜5.0×10Pa・sがさらに好ましい。成分(C1)の100℃における粘度が前記範囲内であれば、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすく、硬化剤との反応性を損なわない。
100℃における粘度が前記範囲内であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC社製のEPICLON(登録商標)N−770、N−775等が挙げられる。
100℃における粘度が前記範囲内であるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC社製のEPICLON(登録商標)N−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695、日本化薬社製のEOCN−103S、EOCN−104S等が挙げられる。
成分(C1)の軟化点は、60〜100℃が好ましく、65〜95℃がより好ましい。成分(C1)の軟化点が前記範囲内であれば、室温付近でプリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすく、かつ十分な硬化剤との反応性を有する。
軟化点が前記範囲内であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC社製のEPICLON(登録商標)N−770、N−775等が挙げられる。
軟化点が前記範囲内であるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC社製のEPICLON(登録商標)N−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695、日本化薬社製のEOCN−103S、EOCN−104S等が挙げられる。
成分(C2)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等が挙げられる。成分(C2)としては、エポキシ樹脂組成物の硬化物の靱性と耐熱性のバランスの点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
成分(C2)の30℃における粘度は、1.0〜250Pa・sであり、1.5〜245Pa・sが好ましく、5.0〜240Pa・sがより好ましい。成分(C2)の30℃における粘度が前記範囲内であれば、プリプレグを製造する際に含浸性が良好となる粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。
30℃における粘度が前記範囲内ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、三菱化学社製のjER(登録商標)828、jER(登録商標)807等が挙げられる。
成分(C1)の含有量は、成分(C)の100質量部のうち、30〜80質量部が好ましく、40〜80質量部がより好ましい。成分(C1)の含有量が前記範囲内であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性と靱性とのバランスがよく、また、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。すなわち、成分(C1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、高い耐熱性を有するエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られる。成分(C1)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、十分な靱性を有するエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られ、またプリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。
成分(C2)の含有量は、成分(C)の100質量部のうち、20〜70質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましい。成分(C2)の含有量が前記範囲内であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性と靱性とのバランスがよく、プリプレグを製造する際に含浸性が良好となる粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。すなわち、成分(C2)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、高い靱性を有するエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られ、またプリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。成分(C2)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、十分な耐熱性を有するエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られる。
成分(C1)と成分(C2)との質量比((C1)/(C2))は、30/70〜80/20が好ましい。成分(C1)が30質量%以上であり、成分(C2)が70質量%以下であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の靱性が高く、またプリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。成分(C1)が80質量%以下であり、成分(C2)が20質量%以上であれば、耐熱性の高いエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られる。
本発明の効果の点から、成分(C)は、成分(C1)と成分(C2)とを主成分とすることが好ましい。具体的には、成分(C)の100質量%のうち、成分(C1)および成分(C2)の合計が60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
(他の成分)
他の成分としては、フェノール化合物、硬化促進剤、成分(A)および成分(B)以外の硬化剤、他の任意成分等が挙げられる。
フェノール化合物は、エポキシ樹脂組成物の保存安定性を増すための成分である。
フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−チオジフェノール、ジヒドロキシジフェニルメタン、ナフトール、テルペンフェノール、フェノール化ジシクロペンタジエン等が挙げられる。また、これらのフェノール化合物をアルデヒドケトン類で縮合反応させて高分子量化したものを用いてもよい。
硬化促進剤としては、例えば、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、プロピルジメチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1(DBU)、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−10)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30)等の3級アミン化合物;フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、tert−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール等のフェノール化合物;p−トルエンスルホン酸、チオシアン酸の1−アミノピロリジン塩(大塚化学社製、NR−S)等が挙げられる。
成分(A)および成分(B)以外の硬化剤としては、ジシアンジアミド、酸無水物、二塩基酸ジヒドラジド(シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等)、メラミン等のいわゆる潜在性硬化剤が好ましい。
他の任意成分としては、例えば、熱可塑性エラストマー、エラストマー微粒子、コアシェル型エラストマー微粒子、希釈剤、無機粒子(シリカ等)、炭素質成分(カーボンナノチューブ等)、難燃剤(リン化合物等)、脱泡剤等が挙げられる。
(各成分の割合)
成分(A)と成分(B)との質量比((A)/(B))は、90/10〜60/40が好ましく、85/15〜65/35がより好ましい。成分(A)が前記範囲の上限値以下であり、成分(B)が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の接着性がさらに良好となる。成分(A)が前記範囲の下限値以上であり、成分(B)が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化性が良好となる。
成分(C)の100質量部に対する成分(A)および成分(B)の合計は、8〜20質量部であり、9〜18質量部が好ましい。成分(A)および成分(B)の合計が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化性が良好となり、また、90°曲げ強度が高い繊維強化複合材料が得られる。成分(A)および成分(B)の合計が前記範囲の上限値以下であれば、高靱性のエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られ、また、90°曲げ強度が高い繊維強化複合材料が得られる。
フェノール化合物の含有量は、成分(A)および成分(B)の合計の100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましい。フェノール化合物の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ樹脂組成物の保存安定性がさらに良好になる。フェノール化合物の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化性が良好となる。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物の固形分の100質量%に対して、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
(エポキシ樹脂組成物の調製)
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法としては、各成分が混練され、均一に分散または溶解する限り、従来から用いられる方法を採用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を同時に混合して調製してもよく;あらかじめ成分(A)、成分(B)、他の成分等を、成分(C)に適宜分散させたマスターバッチを調製し、これらを用いて調製してもよい。
調製の際には、3本ロールミル、プラネタリミキサ、ニーダ、万能撹拌機、ホモジナイザ、ホモディスペンサ等の混合機を用いてもよい。
(エポキシ樹脂組成物の粘度)
本発明のエポキシ樹脂組成物の30℃における粘度は、1.0×10〜1.0×10Pa・sであり、1.3×10〜8.0×10Pa・sが好ましく、1.5×10〜5.0×10Pa・sがより好ましい。エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が前記範囲内であれば、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られる。すなわち、エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が前記範囲の下限値以上であれば、プリプレグの形態保持性を保つことができる。エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物の含浸性が良好となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の100℃における粘度は、4.0×10−1〜1.0×10Pa・sが好ましく、4.3×10−1〜8.0×10Pa・sがより好ましく、4.5×10−1〜5.0×10Pa・sがさらに好ましい。エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度が前記範囲内であれば、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすく、プリプレグを製造する際のエポキシ樹脂組成物の含浸性を良好にできる。すなわち、エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度が前記範囲の下限値以上であれば、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られやすい。エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度が前記範囲の上限値以下であれば、プリプレグを製造する際の、エポキシ樹脂組成物の強化繊維基材への良好な含浸性を実現できる。
(作用機序)
以上説明した本発明のエポキシ樹脂組成物にあっては、成分(A)と成分(B)と成分(C)とを含み、成分(C)の100質量部に対する成分(A)および成分(B)の合計が8〜20質量部であり、成分(C)のエポキシ当量が150〜220であるため、強化繊維基材との接着性が良好な硬化物を形成できる。そのため、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料を得ることができる。
また、エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が、1.0×10〜1.0×10Pa・sであるため、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物が得られ、プリプレグのマトリックス樹脂形成用樹脂組成物として好適である。そのため、エポキシ樹脂組成物の含浸性およびプリプレグの形態保持性が良好なプリプレグを得ることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物にあっては、成分(A)と成分(B)とを含むため、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性および硬化性に優れ、かつ耐熱性が高い繊維強化複合材料を得ることができる。
<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、本発明のエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材とを含む。具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物が強化繊維基材に含浸したものである。
プリプレグに含まれる強化繊維の体積含有率は、30〜80体積%が好ましく、40〜70体積%がより好ましい。強化繊維の体積含有率が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の機械特性が高くなる。強化繊維の体積含有率が前記範囲の上限値以下であれば、プリプレグを製造する際にエポキシ樹脂組成物を強化繊維基材全体に含浸させやすくなる。
(強化繊維基材)
強化繊維基材としては、繊維強化複合材料の使用目的に応じて様々なものを用いることができる。
強化繊維基材の形態としては、連続繊維を一方向に引き揃えた形態、連続繊維を経緯にして織物とした形態、トウ、トウを一方向に引き揃え横糸補助糸で保持した形態、複数枚の一方向の炭素繊維のシートを異なる方向に重ねて補助糸で留めてマルチアキシャルワープニットとした形態、不織布等が挙げられる。
強化繊維基材の形態としては、プリプレグの製造しやすさの点から、連続繊維を一方向に引き揃えた形態、連続繊維を経緯にして織物とした形態、トウを一方向に引き揃え横糸補助糸で保持した形態、および複数枚の一方向の炭素繊維のシートを異なる方向に重ねて補助糸で留めてマルチアキシャルワープニットとした形態が好ましく、繊維強化複合材料の強度発現の点から、連続繊維を一方向に引き揃えた形態がより好ましい。
強化繊維基材を構成する強化繊維としては、炭素繊維(黒鉛繊維を含む。以下同様。)、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
強化繊維は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
強化繊維としては、比強度、比弾性率に優れる点から、炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、繊維強化複合材料の強度発現の点から、引張伸度1.5%以上の高強度炭素繊維が好ましい。
強化繊維基材の目付は、繊維強化複合材料の使用目的に応じて自由に設定でき、50〜2000g/mが好ましく、エポキシ樹脂組成物の含浸性が良好なプリプレグが得られる点から、50〜600g/mがより好ましく、50〜300g/mがさらに好ましい。
(プリプレグの製造方法)
本発明のプリプレグは、公知の方法で製造できる。プリプレグの製造方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
・離型紙等の工程剥離材の表面に所定量の本発明のエポキシ樹脂組成物を塗工し、その表面に強化繊維基材を供給した後、押圧ロールを通過させる等によって強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させる方法。
・強化繊維基材に所定量のエポキシ樹脂組成物を直接塗工した後、必要に応じて強化繊維基材を工程剥離材で挟み、押圧ロールを通過させる等によって強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させる方法。
(作用機序)
以上説明した本発明のプリプレグにあっては、強化繊維基材との接着性が良好な硬化物を形成できるエポキシ樹脂組成物を含むため、90℃曲げ強度が高い繊維強化複合材料を得ることができる。
また、プリプレグに適した粘度のエポキシ樹脂組成物を含むため、エポキシ樹脂組成物の含浸性およびプリプレグの形態保持性が良好である。
また、成分(A)と成分(B)とを含むエポキシ樹脂組成物を含むため、プリプレグの貯蔵安定性および硬化性に優れ、かつ耐熱性が高い繊維強化複合材料を得ることができる。
<繊維強化複合材料>
本発明の繊維強化複合材料は、プリプレグの成形物であり、プレス成形物であることが好ましい。本発明の繊維強化複合材料は、強化繊維基材と、エポキシ樹脂組成物の硬化物からなるマトリックス樹脂とを含む。
(繊維強化複合材料の製造方法)
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、プリプレグを加熱成形し、硬化させて繊維強化複合材料を得る方法である。
プリプレグの成形法は、特に制限されない。プリプレグの成形法としては、成形サイクルが速く、外観のよい成形物が得られる点から、プレス成形法が好ましい。
プレス成形に用いられる金型は、本発明のプリプレグを高温高圧下で硬化させることのできる金型であればよく、特に制限されない。金型としては、金型を閉じたときに金型の内部を気密に保つことのできる構造を有する金型が好ましい。ここで、気密とは、金型を満たすのに十分な量の成形材料を金型内に入れ、加圧した際にも成形材料を構成するエポキシ樹脂組成物が金型から実質的に漏れ出さないことをいう。
内部を気密に保つ金型としては、金型を閉じたときに、上型と下型とが接触する部分(雄型と雌型とが接触する部分)にシアエッジ構造やゴムシール構造を採用した金型が挙げられる。また、金型の内部を気密に保つものであれば公知のいかなる構造を採用した金型であってもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の繊維強化複合材料にあっては、強化繊維基材との接着性が良好な硬化物を形成できるエポキシ樹脂組成物を含むプリプレグを硬化させたものであるため、90℃曲げ強度が高い。
また、成分(A)と成分(B)とを含むエポキシ樹脂組成物を含むプリプレグを硬化させたものであるため、耐熱性が高い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<測定、評価>
(30℃における粘度)
エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂組成物の等温粘度を下記の測定条件で測定し、測定開始から5分後の粘度を30℃における粘度とした。
装置:レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、VAR−100)、
使用プレート:25φパラレルプレート、
プレートギャップ:0.5mm、
測定周波数:10rad/秒、
測定温度:30℃、
応力:300Pa。
(100℃における粘度)
エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂組成物の昇温粘度を下記の測定条件で測定し、100℃のときの粘度を100℃における粘度とした。
装置:レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、VAR−100)、
使用プレート:25φパラレルプレート、
プレートギャップ:0.5mm、
測定周波数:10rad/秒、
昇温速度:2℃/分、
測定範囲:30℃〜120℃、
応力:300Pa。
(エポキシ樹脂組成物の含浸性)
各実施例および比較例にて得られた一方向プリプレグについて、繊維方向にプリプレグを折り曲げた際にプリプレグ表面にできる凹凸を目視にて確認し、下記基準にてプリプレグにおけるエポキシ樹脂組成物の含浸性を評価した。
〇(良) :100mm×100mmの範囲内に凹凸が5個以内。
×(不良):100mm×100mmの範囲内に凹凸が5個より多い。
(プリプレグの形態保持性)
各実施例および比較例にて得られた一方向プリプレグについて、プリプレグを100mm×100mmにカットし、23℃50%RHの環境下で24時間静置したものを目視にて確認し、下記基準にてプリプレグの形態保持性を評価した。
〇(良) :繊維のトウ(束)の間に隙間がない。
×(不良):繊維のトウ単位でばらけ、トウとトウの間に隙間がある。
(プレス成形)
各実施例および比較例にて得られた一方向プリプレグを、298mm(繊維と平行方向)×298mm(繊維と直交方向)の寸法にカットし、繊維方向をそろえて10ply積層してプリプレグ積層体とした。プリプレグ積層体にかかる面圧:4MPa、金型温度:140℃、成形時間:各例に記載の時間の条件にてプレス成形を行い、バリを除いて平板状のプレス成形物を得た。
(曲げ試験)
プレス成形物を、湿式ダイヤモンドカッタによって長さ(繊維と直交方向)63mm×幅(繊維と平行方向)12.7mmの寸法に切断して試験片を作製した。試験片について、万能試験機(Instron社製、Instron4465、解析ソフト:Bluehill)を用い、ASTM D790に準拠して圧子R:5.0、L/D:16、クロスヘッドスピード:0.78〜0.96mm/分の条件にて3点曲げ試験を行い、90゜曲げ強度を算出した。
<原料>
(成分(A)、成分(B))
EH−15LS:潜在性硬化剤(ADEKA社製、アデカハードナーEH−15LS、成分(A)と成分(B)との混合物、成分(A):式(I)で表されるイミダゾール化合物と、エポキシ樹脂との反応生成物、成分(B):脂肪族ポリアミン化合物およびイソホロンジアミンと、エポキシ樹脂との反応生成物、成分(A)と成分(B)との質量比((A)/(B)):55/45)。
PN−50:潜在性硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアPN−50、成分(A):4−メチルイミダゾールと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびフェニルグリシジルエーテルとの反応生成物)。
(成分(C))
N−775:30℃において固体のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON(登録商標)N−775、エポキシ当量:189、100℃における粘度:17Pa・s、軟化点:70〜80℃)。
N−740:30℃において固体のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON(登録商標)N−740、エポキシ当量:182、100℃における粘度:0.43Pa・s、半固形)。
N−673:30℃において固体のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON(登録商標)N−673、エポキシ当量:210、100℃における粘度:19Pa・s、軟化点:73〜82℃)。
828:30℃において液体のビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)828、エポキシ当量:186、30℃における粘度:7.5Pa・s)。
1001:30℃において固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)1001、エポキシ当量:464、100℃における粘度:7.3Pa・s)。
(強化繊維基材)
炭素繊維束:PAN系炭素繊維トウ(三菱レイヨン社製、PYROFIL(登録商標)TR50S15L、引張強度:4.9GPa、引張弾性率:240GPa、フィラメント数15000本、目付:1.0g/m)。
(硬化剤マスターバッチ)
硬化剤マスターバッチ1:
表1に示す配合組成にしたがって、828およびEH−15LSを撹拌混合し、得られた混合物を3本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチ1を得た。
硬化剤マスターバッチ2:
表1に示す配合組成にしたがって、828およびPN−50を撹拌混合し、得られた混合物を3本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチ2を得た。
Figure 2017203142
(実施例1)
溶解釜に、828の30質量部およびN−775の60質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の20質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物1を得た。エポキシ樹脂組成物1に含まれる各成分の含有量および全エポキシ樹脂(成分(C))のエポキシ当量を算出した。エポキシ樹脂組成物1の30℃における粘度、100℃における粘度を測定した。結果を表2に示す。
マルチコーター(ヒラノテクシード社製、M−500型)を用い、エポキシ樹脂組成物1を離型紙上に60℃で塗布して、樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムの樹脂塗布面上に炭素繊維束をドラムワインドにて巻き付け、同じフィルムで炭素繊維束を挟み込み、エポキシ樹脂組成物1を炭素繊維束に含浸させることによって一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は250g/mであり、樹脂含有率は30.0質量%であった。プリプレグにおけるエポキシ樹脂組成物の含浸性およびプリプレグの形態保持性を表2に示す。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:5分間)を行い、プレス成形物を得た。プレス成形物の90°曲げ強度を表2に示す。
(実施例2)
溶解釜に、828の25質量部およびN−775の60質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の30質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物2を得た。
エポキシ樹脂組成物2を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は256g/mであり、樹脂含有率は27.9質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:5分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物2、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表2に示す。
(実施例3)
N−775をN−740に変更した以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物3を得た。
エポキシ樹脂組成物3を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は243g/mであり、樹脂含有率は29.4質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:25分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物3、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表2に示す。
(実施例4)
溶解釜に、828の10質量部およびN−740の80質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の20質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物4を得た。
エポキシ樹脂組成物4を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は251g/mであり、樹脂含有率は30.9質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:25分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物4、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表2に示す。
(実施例5)
N−775をN−673に変更した以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物5を得た。
エポキシ樹脂組成物5を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は248g/mであり、樹脂含有率は30.3質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:25分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物5、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表2に示す。
Figure 2017203142
(比較例1)
溶解釜に、828の30質量部、N−775の20質量部および1001の40質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の20質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物6を得た。
エポキシ樹脂組成物6を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は256g/mであり、樹脂含有率は29.5質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:5分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物6、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表3に示す。
(比較例2)
溶解釜に、828の30質量部およびN−775の60質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ2の25質量部を加え、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物7を得た。
エポキシ樹脂組成物7を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は271g/mであり、樹脂含有率は29.1質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:5分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物7、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表3に示す。
(比較例3)
溶解釜に、828の35質量部およびN−775の60質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の10質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物8を得た。
エポキシ樹脂組成物8を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は265g/mであり、樹脂含有率は29.0質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:25分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物8、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表3に示す。
(比較例4)
溶解釜に、828の15質量部およびN−775の60質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の50質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物9を得た。
エポキシ樹脂組成物9を用い、実施例1と同様の方法で一方向プリプレグを得た。プリプレグにおける炭素繊維束の目付は255g/mであり、樹脂含有率は29.5質量%であった。
プリプレグを積層し、プレス成形(成形時間:5分間)を行い、プレス成形物を得た。
エポキシ樹脂組成物9、プリプレグおよびプレス成形物についての結果を表3に示す。
(比較例5)
溶解釜に、828の90質量部および硬化剤マスターバッチ1の20質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物10を得た。
マルチコーター(ヒラノテクシード社製、M−500型)を用い、エポキシ樹脂組成物10を離型紙上に30℃で塗布して、樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムの樹脂塗布面上に炭素繊維束をドラムワインドにて巻き付け、同じフィルムで炭素繊維束を挟み込み、エポキシ樹脂組成物10を炭素繊維束に含浸させることによって一方向プリプレグを得た。プリプレグは炭素繊維トウ単位でばらけ、プリプレグの形態を保持することができなかった。エポキシ樹脂組成物10およびプリプレグについての結果を表3に示す。
(比較例6)
溶解釜に、828の10質量部およびN−775の80質量部を計量し、溶解釜を80℃に加熱し、内容物を混合した後、60℃程度まで冷却した。溶解釜に、硬化剤マスターバッチ1の20質量部を入れ、60℃で撹拌し、エポキシ樹脂組成物11を得た。
マルチコーター(ヒラノテクシード社製、M−500型)を用い、エポキシ樹脂組成物11を離型紙上に60℃で塗布して、樹脂フィルムを得た。樹脂フィルムの樹脂塗布面上に炭素繊維束をドラムワインドにて巻き付け、同じフィルムで炭素繊維束を挟み込み、エポキシ樹脂組成物11を含浸させようとしたが、エポキシ樹脂組成物11の粘度が高く、含浸しなかった。エポキシ樹脂組成物11およびプリプレグについての結果を表3に示す。
Figure 2017203142
比較例1は、成分(C)のエポキシ当量が220超であったため、繊維強化複合材料の90°曲げ強度が不十分であった。
比較例2は、成分(B)を含まないため、繊維強化複合材料の90°曲げ強度が不十分であった。
比較例3は、成分(C)の100質量部に対する成分(A)および成分(B)の合計が8質量部未満であったため、繊維強化複合材料の90°曲げ強度が不十分であった。
比較例4は、成分(C)の100質量部に対する成分(A)および成分(B)の合計が20質量部超であったため、繊維強化複合材料の90°曲げ強度が不十分であった。
比較例5は、エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が1.0×10Pa・s未満であったため、プリプレグの形態保持性がよくなかった。
比較例6は、エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が1.0×10Pa・s超であったため、プリプレグにおけるエポキシ樹脂組成物の含浸性がよくなかった。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、プリプレグのマトリックス樹脂形成用樹脂組成物として有用であり、プリプレグの成形物である繊維強化複合材料は、航空機、車両、船舶、建造物等の構造材料、ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット等のスポーツ用具等として有用である。

Claims (11)

  1. 成分(A):イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性イミダゾールと、
    成分(B):ポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である変性ポリアミンと、
    成分(C):エポキシ樹脂と
    を含むエポキシ樹脂組成物であり、
    前記成分(C)の100質量部に対する前記成分(A)および前記成分(B)の合計が、8〜20質量部であり、
    前記成分(C)のエポキシ当量が、150〜220であり、
    前記エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が、1.0×10〜1.0×10Pa・sである、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物の100℃における粘度が、4.0×10−1〜1.0×10Pa・sである、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記成分(C)が、成分(C1):30℃において固体のノボラック型エポキシ樹脂と、成分(C2):30℃における粘度が1.0〜250Pa・sであるビスフェノール型エポキシ樹脂とを含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記成分(C1)の100℃における粘度が、4.0×10−1〜1.0×10Pa・sである、請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記成分(C1)と前記成分(C2)との質量比((C1)/(C2))が、30/70〜80/20である、請求項3または4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記成分(A)と前記成分(B)との質量比((A)/(B))が、90/10〜60/40である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記成分(A)が、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2017203142
    ただし、R〜Rは、それぞれ水素原子;水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキル基;または、1〜4個の前記アルキル基にて置換されていてもよい、フェニル基またはナフチル基である。
  8. 前記成分(B)が、脂肪族ポリアミン化合物、芳香族ポリアミン化合物および脂環式ポリアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミン化合物であり、かつ1級アミノ基を2個以上有するポリアミン化合物とエポキシ樹脂との反応生成物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物と、強化繊維基材とを含む、プリプレグ。
  10. 請求項9に記載のプリプレグの成形物である、繊維強化複合材料。
  11. 請求項9に記載のプリプレグを加熱成形して繊維強化複合材料を得る、繊維強化複合材料の製造方法。
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