JP2017203132A - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及び電子部品装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】混練性に優れるエポキシ樹脂組成物、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、及び前記エポキシ樹脂硬化物によって封止された素子を備える電子部品装置の提供。
【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である、エポキシ樹脂組成物。
【選択図】図1
【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である、エポキシ樹脂組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物及び電子部品装置に関する。
従来から、成形品、積層板、接着剤、各種電子電気部品、塗料、インキ等の材料として、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂が広く使用されている。特に、トランジスタ、IC等の電子部品素子の封止技術に関する分野では、封止材料としてエポキシ樹脂組成物が広く使用されている。その理由としては、エポキシ樹脂は、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性においてバランスがとれているためである。
一方、近年、電子部品の分野では高速化及び高密度化が進んでおり、それに伴って、電子部品の発熱量が顕著に増大している。また、高温下で作動する電子部品に対する需要も増加している。そのため、電子部品に使用されるプラスチック、特にエポキシ樹脂の硬化物に対しては、熱伝導性の向上が強く求められている。
エポキシ樹脂の硬化物の熱伝導性を向上させるための手法として、結晶性のエポキシ樹脂を用いる方法、高熱伝導性フィラーのエポキシ樹脂組成物中の充填量を増や方法等が報告されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、エポキシ樹脂組成物に無機充填材を含有させると、原材料を混練する際にエポキシ樹脂組成物が粘性体にならずに圧縮粉体になりやすく、成形性が損なわれる場合がある。従って、エポキシ樹脂組成物の混練性を向上する技術の開発が待たれている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、混練性に優れるエポキシ樹脂組成物、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、及び前記エポキシ樹脂硬化物によって封止された素子を備える電子部品装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、混練性に優れるエポキシ樹脂組成物、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、及び前記エポキシ樹脂硬化物によって封止された素子を備える電子部品装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である、エポキシ樹脂組成物。
<2>前記無機充填材が、アルミナ及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<3>前記無機充填材の平均粒子径が1μm〜80μmである、<1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<4>カップリング剤をさらに含み、前記カップリング剤はシラン化合物を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<5>前記無機充填材が樹脂成分と接触していない部位を有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
<7>素子と、前記素子を封止している<6>に記載のエポキシ樹脂組成物硬化物と、を有する電子部品装置。
<1>エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である、エポキシ樹脂組成物。
<2>前記無機充填材が、アルミナ及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<3>前記無機充填材の平均粒子径が1μm〜80μmである、<1>又は<2>に記載のエポキシ樹脂組成物。
<4>カップリング剤をさらに含み、前記カップリング剤はシラン化合物を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<5>前記無機充填材が樹脂成分と接触していない部位を有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
<7>素子と、前記素子を封止している<6>に記載のエポキシ樹脂組成物硬化物と、を有する電子部品装置。
本発明によれば、混練性に優れるエポキシ樹脂組成物、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物、及び前記エポキシ樹脂硬化物によって封止された素子を備える電子部品装置が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<エポキシ樹脂組成物>
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である。
本発明者らの検討の結果、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、原材料の混練性に優れていることがわかった。その理由は明らかではないが、エポキシ樹脂組成物に含まれるシラザン処理された無機充填材は原材料を混練する際に樹脂成分が付着しにくく、かつこのような無機充填材の無機充填材全体に占める割合が特定の範囲であることにより、混練物が粘性体となりやすいためと推測される。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、無機充填材が樹脂成分と接触していない部位を有することが好ましい。本実施形態のエポキシ樹脂組成物における「樹脂成分」には、エポキシ樹脂と、硬化剤がフェノール樹脂等の樹脂である場合には当該樹脂とが含まれる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物が、無機充填材が樹脂成分と接触していない部位を有するか否かは、エポキシ樹脂組成物又はその硬化物を電子顕微鏡等で観察することにより確認できる。
[無機充填材]
エポキシ樹脂組成物は、無機充填材を含む。エポキシ樹脂組成物が無機充填材を含むことで、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数(線膨張係数)、熱伝導率、弾性率等の向上を図ることができる。
エポキシ樹脂組成物は、無機充填材を含む。エポキシ樹脂組成物が無機充填材を含むことで、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数(線膨張係数)、熱伝導率、弾性率等の向上を図ることができる。
無機充填材は、一般に封止用成形材料に用いられているものから適宜選択して使用することができ、特に限定されない。無機充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、工業用ダイヤモンド、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の粒子;これらを球形化したビーズなどが挙げられる。無機充填材は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、無機充填材に含まれるシラザン処理された無機充填材は、シラザン処理されていない無機充填材と材質が同じであっても、異なっていてもよい。
無機充填材のなかでも、エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を低減する観点からは溶融シリカ等のシリカ粒子が好ましく、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導性を向上する観点からはアルミナ粒子が好ましい。
シラザン処理された無機充填材としては、例えば、上記の無機充填材の表面をシラザン化合物で処理したものが挙げられる。具体的には、無機充填材の表面に存在する水酸基と、シラザン化合物とを反応させたものが挙げられる。
無機充填材のシラザン処理に使用可能なシラザン化合物としては、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシラザン、テトラメチル−1,3−ジフェニルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシラザン、2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、2,2,4,4,6,6,8,8−オクタメチルシクロテトラシラザン等の、分子内にケイ素原子と窒素原子が結合した構造を有する有機化合物(オルガノシラザン)が挙げられる。シラザン化合物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シラザン処理された無機充填材の含有率は、無機充填材全体の3質量%以上であり、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。シラザン処理された無機充填材の含有率が無機充填材全体の3質量%未満であると、シラザン処理された無機充填材による混練性の向上効果が充分に得られない場合がある。
シラザン処理された無機充填材の含有率は、無機充填材全体の30質量%以下であり、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。シラザン処理された無機充填材の含有率が無機充填材全体の30質量%を超えると、原材料を混練する際に圧縮粉体となりやすい傾向にある。また、樹脂成分と無機充填材との間に生じる空隙が多すぎて、硬化後の熱伝導率が低下する傾向にある。
無機充填材(シラザン処理された無機充填材とシラザン処理されていない無機充填材の合計)の含有率は、特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂組成物全体の55体積%〜90体積%の範囲であることが好ましい。無機充填材の含有率がエポキシ樹脂組成物全体の55体積%以上であると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数(線膨張係数)、熱伝導率、弾性率等に優れる傾向があり、90体積%以下であると、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇が抑えられて流動性に優れ、パッケージの成形が容易になる傾向がある。
無機充填材の平均粒子径は、特に制限されない。例えば、0.1μm〜80μmであることが好ましく、0.3μm〜50μmであることがより好ましい。無機充填材の平均粒子径が0.1μm以上であると、エポキシ樹脂組成物の粘度の上昇を抑えやすい傾向にある。無機充填材の平均粒子径が80μm以下であると、エポキシ樹脂組成物と無機充填材との混合性が向上し、硬化によって得られるパッケージの状態がより均質化して特性のばらつきが抑えられ、狭い領域への充填性が向上する傾向にある。
本明細書において無機充填材の平均粒子径は、乾式の粒度分布計を使用して、又は、水若しくは有機溶媒中に無機充填材を分散したスラリーを湿式の粒度分布測定装置を使用して測定できる。特に1μm以下の粒子を含む場合は、湿式の粒度分布計を使用して測定することが好ましい。具体的には、無機充填材の濃度を約0.01質量%に調整した水スラリーをバス式超音波洗浄機で5分間処理し、レーザー回折式粒度測定装置(LA−960、株式会社堀場製作所)を用いて検出された全粒子の平均値より求めることができる。
エポキシ樹脂組成物の流動性の観点からは、無機充填材の粒子の形状は角形より球形が好ましく、無機充填材の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。例えば、無機充填材を75体積%以上含有する場合、その70質量%以上を球状粒子とし、この球状粒子の粒径は0.1μm〜80μmという広範囲に分布したものが好ましい。このような無機充填材は、大きさが異なる粒子が混在することで最密充填構造を形成しやすいため、無機充填材の含有率を増加させてもエポキシ樹脂組成物の粘度上昇が抑えられ、流動性に優れるエポキシ樹脂組成物が得られる傾向にある。
[エポキシ樹脂]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。エポキシ樹脂としては、ビフェニレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(以下、特定エポキシ樹脂ともいう)が挙げられ、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。エポキシ樹脂としては、ビフェニレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(以下、特定エポキシ樹脂ともいう)が挙げられ、ジフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物がエポキシ樹脂として特定エポキシ樹脂を含む場合、特定エポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂としてさらに含んでもよい。その他のエポキシ樹脂としては、当該分野で通常用いられるエポキシ樹脂を挙げることができる。具体的には、例えば、柔軟性又は接着性を向上させるために官能基や骨格を変性したエポキシ−シリカハイブリット樹脂、及び柔軟強靭性液状エポキシ樹脂を挙げることができる。その他のエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物がエポキシ樹脂として特定エポキシ樹脂を含む場合、エポキシ樹脂全量中の特定エポキシ樹脂の総含有率は、特定エポキシ樹脂のそれぞれの性能を発揮する観点から、60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、90g/eq〜500g/eqであることが好ましく、140g/eq〜450g/eqであることがより好ましく、190g/eq〜400g/eqであることが更に好ましい。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、50℃〜250℃であることが好ましく、65℃〜200℃であることがより好ましく、80℃〜170℃であることが更に好ましい。
[硬化剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤は、エポキシ樹脂と反応しうるものであれば特に制限されない。耐熱性向上の観点からは、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(以下、フェノール硬化剤ともいう)が好ましい。フェノール硬化剤は、低分子のフェノール化合物であっても、低分子のフェノール化合物を高分子化したフェノール樹脂であってもよい。熱伝導性の観点からは、フェノール硬化剤はフェノール樹脂であることが好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤は、エポキシ樹脂と反応しうるものであれば特に制限されない。耐熱性向上の観点からは、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物(以下、フェノール硬化剤ともいう)が好ましい。フェノール硬化剤は、低分子のフェノール化合物であっても、低分子のフェノール化合物を高分子化したフェノール樹脂であってもよい。熱伝導性の観点からは、フェノール硬化剤はフェノール樹脂であることが好ましい。
フェノール樹脂としては、ビフェニレン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合樹脂及びトリフェニルメタン型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種(以下、特定フェノール硬化剤ともいう)が挙げられ、トリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましい。硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が硬化剤として特定フェノール硬化剤を含む場合、特定フェノール硬化剤以外のその他の硬化剤をさらに含んでもよい。その他の硬化剤としては、当該分野で通常用いられる、特定フェノール硬化剤以外のフェノール樹脂を挙げることができる。その他の硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が硬化剤として特定フェノール硬化剤を含む場合、特定フェノール硬化剤のそれぞれの性能を発揮する観点から、硬化剤全量中の特定フェノール硬化剤の総含有率は、60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の水酸基当量は、70g/eq〜500g/eqであることが好ましく、140g/eq〜450g/eqであることがより好ましく、190g/eq〜400g/eqであることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の融点又は軟化点は、50℃〜250℃であることが好ましく、65℃〜200℃であることがより好ましく、80℃〜170℃であることが更に好ましい。
エポキシ樹脂組成物における、エポキシ樹脂と硬化剤との含有比率は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する硬化剤の水酸基当量の比率(水酸基当量/エポキシ当量)が0.5〜2の範囲となるように設定されることが好ましく、0.7〜1.5となるように設定されることがより好ましく、0.8〜1.3となるように設定されることが更に好ましい。前記比率が0.5以上であると、エポキシ樹脂の硬化が充分となり、硬化物の耐熱性、耐湿性、及び電気特性に優れる傾向にある。また、前記比率が2以下であると、硬化樹脂中に残存するフェノール性水酸基の量が抑えられ、電気特性及び耐湿性に優れる傾向にある。
エポキシ樹脂組成物における、エポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせの例としては、以下のものが挙げられる。
(1)エポキシ樹脂が特定エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種を含み、硬化剤が特定フェノール硬化剤から選択される少なくとも1種を含む組み合わせ
(2)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂を含み、硬化剤が特定フェノール硬化剤から選択される少なくとも1種である組み合わせ
(3)エポキシ樹脂がジフェニルメタン型エポキシ樹脂を含み、硬化剤がトリフェニルメタン型フェノール樹脂を含む組み合わせ
(1)エポキシ樹脂が特定エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種を含み、硬化剤が特定フェノール硬化剤から選択される少なくとも1種を含む組み合わせ
(2)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂を含み、硬化剤が特定フェノール硬化剤から選択される少なくとも1種である組み合わせ
(3)エポキシ樹脂がジフェニルメタン型エポキシ樹脂を含み、硬化剤がトリフェニルメタン型フェノール樹脂を含む組み合わせ
[硬化促進剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて硬化剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、当該技術分野で通常用いられているものから選択できる。例えば、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、及び第4級アンモニウム塩が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて硬化剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、当該技術分野で通常用いられているものから選択できる。例えば、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、及び第4級アンモニウム塩が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、その含有率は特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部〜10質量部であることが好ましく、1質量部〜5質量部であることがより好ましい。
[カップリング剤]
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるためにカップリング剤を含んでもよい。カップリング剤の種類は、特に限定されない。例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム、及びジルコニウム含有化合物が挙げられる。カップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるためにカップリング剤を含んでもよい。カップリング剤の種類は、特に限定されない。例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム、及びジルコニウム含有化合物が挙げられる。カップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物がカップリング剤を含有する場合、カップリング剤の含有率は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の含有率が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性が向上する傾向にあり、5質量%以下であるとパッケージの成形性に優れる傾向にある。
[応力緩和剤]
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤を含有させることによって、パッケージの反り変形量が低減し、パッケージクラックが低減する傾向にある。応力緩和剤としては、当該技術分野で一般に用いられる公知の可とう剤(応力緩和剤)を適宜選択して使用することができる。
エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤を含有させることによって、パッケージの反り変形量が低減し、パッケージクラックが低減する傾向にある。応力緩和剤としては、当該技術分野で一般に用いられる公知の可とう剤(応力緩和剤)を適宜選択して使用することができる。
応力緩和剤として具体的には、シリコーン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリブタジエン等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子;メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子;などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、シリコーン系応力緩和剤が好ましい。シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
[着色剤等]
エポキシ樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機着色剤、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等が挙げられる。その他、必要に応じて、本発明による効果を低下させない範囲において種々の添加剤を含有してもよい。
エポキシ樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機着色剤、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等が挙げられる。その他、必要に応じて、本発明による効果を低下させない範囲において種々の添加剤を含有してもよい。
[エポキシ樹脂組成物の調製方法]
エポキシ樹脂組成物の調製には、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いずれの手法を用いてもよい。一般的な手法として、所定の配合量の成分をミキサー等によって充分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、エポキシ樹脂組成物は、例えば、上述した成分の所定量を混合して撹拌し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練した後、冷却し、粉砕する等の方法によって得ることができる。エポキシ樹脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化してもよい。エポキシ樹脂組成物をタブレット化することで、取り扱いが容易になる。
エポキシ樹脂組成物の調製には、各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いずれの手法を用いてもよい。一般的な手法として、所定の配合量の成分をミキサー等によって充分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、エポキシ樹脂組成物は、例えば、上述した成分の所定量を混合して撹拌し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練した後、冷却し、粉砕する等の方法によって得ることができる。エポキシ樹脂組成物は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化してもよい。エポキシ樹脂組成物をタブレット化することで、取り扱いが容易になる。
<エポキシ樹脂硬化物>
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物である。本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述したエポキシ樹脂組成物を硬化して得られることから、成形性に優れている。
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物である。本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、上述したエポキシ樹脂組成物を硬化して得られることから、成形性に優れている。
<電子部品装置>
本実施形態の電子部品装置は、素子と、前記素子を封止している上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物と、を有する。電子部品装置としては、例えば、支持部材に、能動素子、受動素子等の素子が搭載され、前記素子が本発明のエポキシ樹脂組成物によって封止されたものが挙げられる。前記支持部材としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等が挙げられる。前記能動素子としては、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等が挙げられる。前記受動素子としては、コンデンサ、抵抗体、コイル等が挙げられる。
本実施形態の電子部品装置は、素子と、前記素子を封止している上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物と、を有する。電子部品装置としては、例えば、支持部材に、能動素子、受動素子等の素子が搭載され、前記素子が本発明のエポキシ樹脂組成物によって封止されたものが挙げられる。前記支持部材としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等が挙げられる。前記能動素子としては、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等が挙げられる。前記受動素子としては、コンデンサ、抵抗体、コイル等が挙げられる。
より具体的には、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング又はバンプで接続した後、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形等によって封止した、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Pacakage)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package);配線板又はガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明のエポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール;裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明のエポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等が挙げられる。また、プリント回路板にも本発明のエポキシ樹脂組成物は有効に使用できる。
本実施形態の電子部品装置において、素子をエポキシ樹脂硬化物で封止する方法は、特に限定されず、当技術分野において公知の方法を適用することが可能である。例えば、低圧トランスファー成形法が一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
本実施形態によれば、素子を封止するエポキシ樹脂組成物が混練性に優れ、成形性に優れている。このようなエポキシ樹脂組成物を用いて電子部品装置を提供することが可能となり、その工業的価値は高い。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(エポキシ樹脂組成物の調製)
表1に示す各種原材料をそれぞれ表1に示す量(質量部)で配合し、混練温度80℃、混練時間15分の条件下でロール混練を行うことによって、実施例1、2及び比較例1、2のエポキシ樹脂組成物を調製した。
表1に示す各種原材料をそれぞれ表1に示す量(質量部)で配合し、混練温度80℃、混練時間15分の条件下でロール混練を行うことによって、実施例1、2及び比較例1、2のエポキシ樹脂組成物を調製した。
表1に示す原材料の詳細は、下記のとおりである。
・エポキシ樹脂:192g/eq、融点79℃のジフェニルメタン型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社、商品名:YSLV−80XY)
・硬化剤:水酸基当量102g/eq、軟化点70℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(エアーウォータ社、商品名:HE910−09)
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
・無機充填材1(シラザン処理なし):平均粒径10μmのアルミナフィラー(DENKA株式会社、商品名:DOWシリーズ混合)
・無機充填材2(シラザン処理あり):平均粒径0.7μmのアルミナフィラー(株式会社アドマテックス、商品名:AE−2000SI)
・カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名:MA−100)
・離型剤:カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)
・エポキシ樹脂:192g/eq、融点79℃のジフェニルメタン型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社、商品名:YSLV−80XY)
・硬化剤:水酸基当量102g/eq、軟化点70℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(エアーウォータ社、商品名:HE910−09)
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
・無機充填材1(シラザン処理なし):平均粒径10μmのアルミナフィラー(DENKA株式会社、商品名:DOWシリーズ混合)
・無機充填材2(シラザン処理あり):平均粒径0.7μmのアルミナフィラー(株式会社アドマテックス、商品名:AE−2000SI)
・カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社、商品名:MA−100)
・離型剤:カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)
[エポキシ樹脂組成物の混練性の評価]
実施例1、2及び比較例1、2で調製したエポキシ樹脂組成物の原材料をロール混練する際に、混練の状態を目視で観察した。
実施例1、2及び比較例1、2で調製したエポキシ樹脂組成物の原材料をロール混練する際に、混練の状態を目視で観察した。
その結果、無機充填材全体に占めるシラザン処理された無機充填材の割合が10質量%である実施例1と23質量%である実施例2では、混練物が粘性体となって充分にロールに巻きつき、混練状態は良好であった。
一方、無機充填材全体に占めるシラザン処理された無機充填材の割合が0質量%である比較例1と50質量%である比較例2では、混練物のロールへの巻きつきが実施例よりも不充分であり、実施例のように充分に混練できなかった。
一方、無機充填材全体に占めるシラザン処理された無機充填材の割合が0質量%である比較例1と50質量%である比較例2では、混練物のロールへの巻きつきが実施例よりも不充分であり、実施例のように充分に混練できなかった。
[エポキシ樹脂組成物の観察]
実施例1で調製したエポキシ樹脂組成物を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、図1に示すように、シラザン処理された無機充填材に樹脂成分が付着していない部位(符号1で示す)と、シラザン処理されていない無機充填材に樹脂成分が付着している部位(符号2で示す)とが確認された。
実施例1で調製したエポキシ樹脂組成物を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、図1に示すように、シラザン処理された無機充填材に樹脂成分が付着していない部位(符号1で示す)と、シラザン処理されていない無機充填材に樹脂成分が付着している部位(符号2で示す)とが確認された。
以上より、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は混練性に優れていることがわかった。また、シラザン処理された無機充填材を特定量含むことで、無機充填材への樹脂成分の付着が適度に抑制されていることがその要因となっていることがSEM写真の観察により示唆された。
1…シラザン処理された無機充填材に樹脂成分が付着していない部位
2…シラザン処理されていない無機充填材に樹脂成分が付着している部位
2…シラザン処理されていない無機充填材に樹脂成分が付着している部位
Claims (7)
- エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含み、前記無機充填材はシラザン処理された無機充填材を含み、前記シラザン処理された無機充填材の含有率は前記無機充填材全体の3質量%〜30質量%である、エポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材が、アルミナ及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材の平均粒子径が1μm〜80μmである、請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- カップリング剤をさらに含み、前記カップリング剤はシラン化合物を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材が樹脂成分と接触していない部位を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
- 素子と、前記素子を封止している請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物硬化物と、を有する電子部品装置。
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2016
- 2016-05-13 JP JP2016096696A patent/JP2017203132A/ja active Pending
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