JP2017202950A - セラミック焼結体、セラミックヒータおよびグロープラグ - Google Patents

セラミック焼結体、セラミックヒータおよびグロープラグ Download PDF

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Abstract

【課題】非常に高い温度温環境におけるセラミック焼結体の強度を向上させる。
【解決手段】窒化珪素の結晶からなる主相と、主相同士の間に存在する粒界相と、を備えるセラミック焼結体において、粒界相は、RE4SiAlO8Nの結晶(但し、REは、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)から選ばれる)を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック材料を用いて作製されるセラミック焼結体、及びセラミック焼結体を基体に用いたセラミックヒータ、並びにセラミックヒータを備えるグロープラグに関する。
セラミック材料、例えば、窒化珪素またはサイアロンを含む材料を用いて作製される焼結体(以下、「セラミック焼結体」と呼ぶ)は、例えば、ディーゼルエンジンの始動補助に用いられるグロープラグに内蔵されたセラミックヒータの基体として用いられる。窒化珪素の焼結性は低いため、一般に焼結助剤がセラミック材料に混合されて用いられる。引用文献1には、セラミック焼結体の高温での強度を向上するために、YSiAlONの結晶をセラミック焼結体の粒界相に存在させる技術が開示されている。
特開2012−171845号公報
近年、セラミック焼結体が用いられる温度環境は、次第に高温化しており、例えば、グロープラグに内蔵されたセラミックヒータ等として用いられる場合、1200℃以上という非常に高い温度環境下で用いられる可能性がある。しかし、特許文献1の技術によれば、最高800℃までの温度環境下におけるセラミック焼結体の強度向上は検討されているものの、1200℃以上という非常に高温の環境下における強度向上については、何ら検討されていない。このため、1200℃以上という非常に高い温度環境におけるセラミック焼結体の強度を向上可能な技術が望まれている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、窒化珪素の結晶からなる主相と、前記主相同士の間に存在する粒界相と、を備えるセラミック焼結体が提供される。このセラミック焼結体において、前記粒界相は、RESiAlONの結晶(但し、REは、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)から選ばれる)を含む、ことを特徴とする。この形態のセラミック焼結体によれば、粒界相に、RESiAlONの結晶を含むので、粒界相に、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)から選ばれる重希土類元素が存在する。このため、粒界相の高融点化が図れて、非常に高温の環境、例えば1200℃以上といった温度環境下において、強度を向上できる。
(2)上記形態のセラミック焼結体において、X線回折チャートにおいて、前記RESiAlONの結晶における(201)面のピーク強度をXとし、前記窒化珪素の結晶における(101)面のピーク強度をYとしたとき、X/Yが0.04以上0.4以下である、ことを特徴としてもよい。この形態のセラミック焼結体によれば、X/Yが0.04以上であるので、重希土類元素を含む酸窒化物結晶の効果で非常に高い温度環境下における強度の向上を図れる。また、X/Yが0.4以下であるので、比較的低い温度環境下においても耐酸化性を向上できる。X/Yが0.4よりも大きい場合、粒界相における重希土類元素の酸窒化物の量が多くなることに伴い、粒界相に窒素が多く含まれることとなる。低温環境下(例えば、800℃)では、セラミック焼結体の表面にSiO2等の酸化物の皮膜が生じないため、粒界相における重希土類元素を含む酸窒化物の酸化が進み、酸化に伴う体積膨張に起因してクラックが生じて、酸化がさらに進んでしまう。しかしながら、X/Yが0.4以下であるので、このようなクラックの発生を抑制して耐酸化性を向上できる。
(3)上記形態のセラミック焼結体において、前記粒界相は、さらに、WSiの結晶を含む、ことを特徴としてもよい。この形態のセラミック焼結体によれば、粒界相は、さらに、WSiの結晶を含むので、非常に高温の環境下において、強度をより向上できる。
本発明は、セラミック焼結体以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、セラミック焼結体に埋設された導電性セラミックからなる導電部とセラミック焼結体とを備えるセラミックヒータや、かかるセラミックヒータを備えるグロープラグや、セラミック焼結体の製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのセラミック焼結体を適用したセラミックヒータを備えるグロープラグの構成を示す断面図である。 図1に示すヒータを中心としたグロープラグの部分拡大断面図である。 グロープラグ100の製造手順を示す工程表である。 工程P120の処理内容を模式的に示す説明図である。 工程P125の処理内容を模式的に示す説明図である。
A.実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施形態としてのセラミック焼結体を適用したセラミックヒータを備えるグロープラグの構成を示す断面図である。図1は、グロープラグ100の軸線C1を含むグロープラグ100の断面を示している。なお、後述するセラミックヒータ4(以下、単に「ヒータ4」と呼ぶ)の断面は、図1では模式的に表わされている。グロープラグ100は、ディーゼルエンジンの始動補助のために用いられ、例えば、1200℃以上の非常に高い温度環境下で用いられる。グロープラグ100は、棒状の外観形状を有し、主体金具2と、中軸3と、絶縁部材5と、ピン端子8と、外筒7と、ヒータ4と、電極リング18とを備えている。なお、図1では、グロープラグ100の軸線C1と平行にX軸が設定され、X軸と垂直にY軸およびZ軸が設定されている。以降では、グロープラグ100において軸線C1に沿ってヒータ4が設けられている側を、「先端側」と呼び、軸線C1に沿って中軸3が配置されている側を、「後端側」と呼ぶ。
主体金具2は、軸孔9を備えた略円筒状の外観形状を有する金属製の部材である。主体金具2の外周面において、後端に工具係合部12が、中央部分に雄ねじ部11が、それぞれ形成されている。工具係合部12は、所定の工具と係合可能な外観形状(例えば、六角形状)を有しており、グロープラグ100が図示しないエンジンのシリンダヘッド等に取り付けられる際に、所定の工具と係合される。雄ねじ部11は、グロープラグ100が図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けられる際に、シリンダヘッドに形成されている雌ネジに螺合する。
中軸3は、金属製の丸棒状の部材であり、後端側の一部が主体金具2の後端から突出するように、主体金具2の軸孔9に収容されている。中軸3の先端側には、電極リング18の一端が嵌めこまれている。中軸3は、電極リング18を介してヒータ4と電気的に接続されている。
絶縁部材5は、後端にフランジ部6を有する筒状の外観形状を有し、絶縁性材料により形成されている。絶縁部材5の先端側は、主体金具2の後端側から軸孔9に嵌め込まれており、フランジ部6は、工具係合部12の後端に接している。絶縁部材5の軸孔には、中軸3の後端側の一部が挿入されており、絶縁部材5は、主体金具2の軸線及び中軸3の軸線がいずれもグロープラグ100の軸線C1と一致するように中軸3を固定する。絶縁部材5の後端は、ピン端子8の先端面と接している。絶縁部材5は、主体金具2と中軸3との間、および主体金具2とピン端子8との間を電気的に絶縁する。
ピン端子8は、略円筒状の外観形状を有し、フランジ部6と接した状態で、主体金具2の後端から突出した中軸3の後端部を囲むようにかしめられている。このようにピン端子8がかしめられることにより、中軸3と主体金具2との間に嵌合された絶縁部材5が固定され、中軸3からの絶縁部材5の抜けが防止される。
外筒7は、軸孔10を有する略筒状の外観形状の金属製部材であり、主体金具2の先端に接合されている。外筒7の後端側には、厚肉部15及び係合部16が形成されている。係合部16は、厚肉部15よりも後端側に配置され、外周径が厚肉部15の外周径よりも小さい。係合部16は、主体金具2の軸孔9に嵌められている。厚肉部15は、主体金具2の先端に接するように配置されており、主体金具2の先端と厚肉部15とは溶接されている。外筒7は、ヒータ4の軸線がグロープラグ100の軸線C1と一致するように、軸孔10においてヒータ4を保持する。
ヒータ4は、先端が曲面である円柱状の外観形状を有し、外筒7の軸孔10に嵌め込まれている。ヒータ4の先端側の一部は、外筒7から先端側へ突出して図示しない燃焼室内に露出される。ヒータ4の後端側の一部は、外筒7から突出して主体金具2の軸孔9に収容されている。ヒータ4の詳細構成については後述する。ヒータ4は、窒化珪素を主成分とするセラミック系成形材料により成形されている。電極リング18は、ヒータ4の後端に嵌め込まれている。
図2は、図1に示すヒータを中心としたグロープラグの部分拡大断面図である。なお、図2において図1と同じ構成部には、同じ符号を付してその説明を省略する。ヒータ4は、基体21及び導電部22を備えている。基体21は、絶縁性セラミックにより形成されている。基体21は、軸線C1に沿って延設して先端が曲面である略円柱状の外観形状を有する。基体21の内部には、導電部22が埋設されている。
導電部22は、2つの延設部31,32と、連結部33と、2つの電極部27,28とを備えている。2つの延設部31,32は、それぞれ導電性セラミックからなる棒状の部材であり、基体21内部に配置されている。2つの延設部31,32は、互いに長手方向が平行となるように、また、それぞれの軸線(軸線)C11,C12がグロープラグ100の軸線C1と平行となるように配置されている。また、2つの延設部31,32は、3つの軸線C1,C11,C12が、1つの仮想平面上に位置するように配置されている。
延設部31は、先端側に位置する先端側部位311と、後端側に位置して先端側部位311に連なる後端側部位312とからなる。先端側部位311の直径は、後端側部位312の直径よりも小さい。後端側部位312の後端寄りの位置には、電極部27が配置されている。電極部27は、後端側部位312と一体形成され、外周方向に突出して形成されている。電極部27において、後端側部位312に連なる側とは反対側の端部は、基体21の表面に露出して電極リング18の内周面に接している。このようにして、電極リング18と延設部31とが電気的に接続される。
他方の延設部32も、延設部31と同様な構成を有する。すなわち、延設部32は、先端側部位321と後端側部位322とからなり、後端側部位322の後端寄りの位置に、電極部28を備える。電極部28において、後端側部位322に連なる側とは反対側の端部は、基体21の表面に露出して外筒7の内周面に接している。このようにして、外筒7と延設部32とが電気的に接続される。
連結部33は、Y軸方向と略平行な方向に延設し、先端側部位311の先端および先端側部位321の先端に、それぞれ連なる。連結部33の直径は、先端側部位311の直径および先端側部位321の直径と略等しい。
上述の延設部31、延設部32、および連結部33からなる導電部22の構成は、以下のように言い換えることができる。すなわち、導電部22は、2つの後端側部位312,322からなる直径の比較的大きな2つのリード部312,322と、2つの先端側部位311,321および連結部33からなる直径が比較的小さな発熱部35とを備える。以降では、2つのリード部を、2つの後端側部位312,322の符号を用いて、2つのリード部312,322とも呼ぶ。
2つのリード部312,322は、いずれも発熱部35に連なり、発熱部35に電流を導く。上述のように発熱部35の直径は、2つのリード部312,322の直径に比べて小さいため発熱し易く、例えば、1000℃以上まで昇温する。ヒータ4は、ピン端子8、中軸3、および電極リング18を介して供給される電流を、電極部27、リード部312を介して発熱部35に導き発熱部35を発熱させることで昇温する。発熱部35は、使用時において、例えば1000℃以上の温度まで昇温する。
後述するように、ヒータ4の製造の際に用いられる、基体21の基材であるセラミック材料には、主成分としての窒化珪素に加えて、焼結助剤として重希土類元素等が含まれている。そのため、完成品の基体21にも重希土類元素等が含まれることとなる。
本実施形態において、基体21に含まれる重希土類元素は、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)から選ばれる少なくとも1種である。なお、これらの元素のうち、製造コストや安定的に入手できるという観点から、エルビウム(Er)およびイッテルビウム(Yb)が好ましい。耐熱性の観点からイッテルビウム(Yb)が更に好ましい。
基体21は、ミクロ的に見ると、窒化珪素の結晶からなる主相と、主相同士の間に存在する粒界相(以下、単に「粒界相」と呼ぶ)から成る。本実施形態において、粒界相には、RESiAlONの結晶が含まれている。REは、上述した重希土類元素(Er,Tm,Yb,Luから選ばれる1種)を意味する。粒界相にRESiAlONの結晶が含まれているため、その重希土類元素の働きにより粒界相の高融点化が図れ、非常に高い温度環境下における基体21の強度を向上させることができる。なお、RESiAlONの結晶に含まれるケイ素(Si)およびアルミニウム(Al)は、焼結助剤またはセラミック材料の主成分である窒化珪素からもたらされる。
窒化珪素の結晶からなる主相は、後述するセラミック材料に含まれる窒化珪素により形成される。このとき、窒化珪素の一部が溶解して、セラミック材料に含まれるアルミニウム(Al)および酸素(O)と結合してサイアロン(SiAlON)となり得る。但し、耐熱衝撃性の低下を抑制するためには、窒化珪素の溶解量に相当するZ値は、可能な限り低いことが好ましい。
本実施形態において、基体21における窒化珪素の結晶とRESiAlONの結晶の含有量の割合を、X線回折チャートでのピーク強度の比として表した場合、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.04≦X/Y≦0.4 ・・・(1)
上記式(1)において、Xは、X線回折チャートにおいて、RESiAlONの結晶における(201)面のピーク強度を示す。また、Yは、X線回折チャートにおいて、窒化珪素の結晶における(101)面のピーク強度を示す。以降では、式(1)に示す「X/Y」を、「強度比X/Y」とも呼ぶ。
強度比X/Yが0.04以上であることにより、重希土類元素を含む酸窒化物結晶の効果で非常に高い温度環境下における強度の向上を図ることができる。また、強度比X/Yが0.4以下であるので、比較的低い温度環境下においても耐酸化性を向上できる。強度比X/Yが0.4よりも大きい場合、粒界相における重希土類元素の酸窒化物の量が多くなることに伴い、粒界相に窒素が多く含まれることとなる。低温環境下では、セラミック焼結体の表面にSiO等の酸化物の皮膜が生じないため、粒界相における重希土類元素を含む酸窒化物の酸化が進み、酸化に伴う体積膨張に起因してクラックが生じて、酸化がさらに進んでしまう。しかしながら、強度比X/Yが0.4以下であるので、このようなクラックの発生を抑制して耐酸化性を向上できる。
本実施形態では、X線回折チャートにおけるピークの示す組成物(結晶)の種類は、JCPDSカードに基づき同定される。すなわち、X線回折装置を用いて、基体21の表面にCuKα線を照射してX線回折チャートを得て、かかるチャートにおける各ピークについて、JCPDSカードに基づき「窒化珪素」および「RESiAlONの結晶」が同定される。CuKα線は、例えば、50kVおよび300mAの出力条件で照射してもよい。ここで、或る結晶のピーク強度と、他の種類の結晶のピーク強度とが重なっている場合、或る結晶のピーク強度のうち最も強いピーク強度(最も強くピーク強度が適さない場合には、3番目以内に強いピーク強度で代用してもよい)に対してJCPDSカードに記載の強度比率を適用して得られたピーク強度を、重なっているピーク強度から差し引くことで、他の種類の結晶のピーク強度を特定し、かかる特定されたピーク強度から他の種類の結晶を同定してもよい。また、JCPDSカードが無い結晶については、類似の元素や構造を有する結晶のJCPDSカードから類推して同定してもよい。
本実施形態では、セラミックヒータ4の製造過程における後述する本焼成において、加熱後の降温速度を調整する等ことにより、強度比X/Yが上記式(1)を満たすように制御している。具体的には、降温速度を低減させることにより強度比X/Yを増加させ、また、降温速度を増加させることにより強度比X/Yを低減させる。降温速度を低減させた場合、粒界相においてガラス化が抑制されて結晶化が進む。このため、粒界相におけるRESiAlONの結晶の量が増大して強度比X/Yが増加する。これに対して、降温速度を増加させた場合、粒界相においてガラス化が進み結晶化が抑制される。このため、粒界相におけるRESiAlONの結晶の量が減少して強度比X/Yが低減する。したがって、予め実験等により、強度比X/Yが上記式(1)を満たすような降温速度を求めておき、本焼成の際に、かかる降温速度で温度を低下させる等、焼成スケジュールや焼成雰囲気をコントロールすることで、強度比X/Yが上記式(1)を満たすようにできる。
本実施形態において、粒界相は、WSiの結晶を含むことが好ましい。粒界相がWSiの結晶を含むことにより、高温環境において高い強度を有するタングステン(W)が粒界相に含まれるので、高温環境下で高い強度を得ることができる。特に、WSiは、WSi(二珪化タングステン)に比べてタングステン(W)の含有量が多いため、WSiのみを含む構成に比べてより高い強度を備えることができる。
また、本実施形態では、粒界相には、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)周期表における第2族元素が含まれていない。より正確には、第2族元素を積極的に含有させていない。但し、例えば、焼結助剤等に不可避的に含まれている場合には、かかる第2族元素を積極的に排除しないために第2族元素が極僅かに含まれる場合もあり得る。粒界相に第2族元素が含まれている場合、セラミックヒータ4の製造過程における後述する本焼成の際に、粒界相においてガラス化が生じ易くなり耐熱性が低下する。そこで、本実施形態では、粒界相には、第2族元素が含まれないようにしている。
なお、上述の基体21は、請求項におけるセラミック焼結体の下位概念に相当する。また、外筒7は、請求項における金属筒体の下位概念に相当する。
A2.グロープラグの製造方法:
図3は、グロープラグ100の製造手順を示す工程表である。まず、導電部22の成形材料が作製され(工程P105)、基体21の成形材料が作製される(工程P110)。なお、これら2つの工程P105,P110は、この順序とは逆の順序で実行されてもよい。また、これら2つの工程P105,P110は、同時に実行されてもよい。
本実施形態において、導電部22の成形材料は、セラミック(主に、窒化珪素、タングステンカーバイド、焼結助剤)とバインダとを、ニーダーを用いて混練し、その後押出し造粒機によってペレット化して作製することができる。また、本実施形態では、バインダは、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂や、可塑剤、ワックス及び分散剤等を、1種又は2種以上を混合して用いることができる。本実施形態において、焼結助剤は、上述した希土類元素、すなわち、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)から選ばれるから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含む酸化物又は窒化物や、タングステン(W)の酸化物又は窒化物を1種類以上含む。また、本実施形態において、焼結助剤は、タングステン(W)およびアルミニウム(Al)を含む。タングステン(W)は、酸化タングステン(WO)として含有されてもよい。アルミニウム(Al)は、酸化アルミニウム(Al)または窒化アルミニウム(AlN)として含有されてもよい。
本実施態様において、基体21の成形材料は、セラミックを主成分とするペレットであり、例えば、セラミック(主に、窒化珪素と焼結助剤)とバインダとを、ニーダー(混練機)を用いて混練し、その後押出し造粒機によってペレット化して作製することができる。バインダおよび焼結助剤は、上述した導電部22の焼結助剤と同様である。本実施形態において、基体21の成形材料および上述の導電部22の成形材料には、IUPAC周期表における第2族元素が含有されていない。
導電部の中間成形体200を、工程P105で得られた成形材料を用いて射出成形にて作製する(工程P115)。本実施形態において、「導電部の中間成形体200」とは、後述する脱脂および焼成工程を経て導電部22となる部材を意味する。なお、射出成形に代えて、粉末プレス成形、鋳込み成形等の任意の成形方法により、導電部の中間成形体200を作製してもよい。
工程P115で得られた導電部の中間成形体200の片面側に、半割り状の基体の中間成形体700を成形する(工程P120)。導電部の中間成形体200の他方の面側に、基体21の中間成形体の残部を形成して、ヒータ4の中間成形体を得る(工程P125)。工程P120,P125では、いずれも工程P110で得られた成形材料を用いた射出成形により実行される。粉末プレス成形、シート積層成形、および鋳込み成形等の任意の成形方法により、ヒータ4の中間成形体を作製してもよい。
図4は、工程P120の処理内容を模式的に示す説明図である。図5は、工程P125の処理内容を模式的に示す説明図である。図4に示すように、工程P120では、まず、導電部の中間成形体200を下金型400に形成されたキャビティ420内に配置し、導電部の中間成形体200の上半分を覆うように上金型500を配置する。導電部の中間成形体200は、導電部22とほぼ相似形の外観形状を有する。すなわち、導電部の中間成形体200は、リード部312に対応するリード対応部212と、リード部322に対応するリード対応部222と、発熱部35に対応する発熱対応部235と、2つの電極部27,28に対応する2つの電極対応部227,228とを備えている。2つのリード対応部212,222は、後述する脱脂、焼成、研磨および切断等の工程を経て2つのリード部312,322となる。同様に、発熱対応部235および2つの電極対応部227,228は、それぞれ、後述する脱脂、焼成、研磨および切断等の工程を経て、発熱部35および2つの電極部27,28になる。また、中間成形体200は、後端連結部250を備えている。後端連結部250は、導電部の中間成形体200において、発熱対応部335とは反対側において、2つのリード対応部212,222の端部同士を連結する。後端連結部250は、2つのリード対応部212,222の相対的な位置がずれることを抑制して、導電部の中間成形体200の取扱いを容易にするために設けられている。
下金型400に形成されたキャビティ420は、導電部の中間成形体200の下半分が収容可能な形状に形成されている。上金型500は、下金型400との合わせ面側が開口した中空の直方体状の外観形状を有する。上金型500の長手方向の一方の端面Sf5には、成形材料を上金型500の内部に充填するための射出孔が設けられている。上述のように導電部の中間成形体200、下金型400、および上金型500を配置した後、上金型500内に工程P110で得られた成形材料を射出して、半割り状の基体の中間成形体700を、導電部の中間成形体200の片側面側(図4における上方面側)に成形する。このようにして、図5に示す基体の中間成形体700が得られる。
工程P125では、工程P120で得られた基体の中間成形体700を、上下反転させて図5に示す姿勢として新たな下金型600のキャビティ620内に配置する。次に、中間成形体700の上半分を覆うように上金型500を配置する。下金型600に形成されたキャビティ620は、基体の中間成形体700がちょうど収容可能な形状に形成されている。この上金型500は、図4に示す上金型500と同じである。上述のように基体の中間成形体700、下金型600、および上金型500を配置した後、上金型500内に工程P110で得られた成形材料を射出して、基体の中間成形体700の上半分に基体21の中間成形体の残部を形成する。このようにして、ヒータ4の中間成形体が得られる。本実施形態において、「ヒータ4の中間成形体」とは、後述する脱脂、焼成、研磨および切断等の工程を経てヒータ4となる部材を意味する。
図3に示すように、工程P125においてヒータ4の中間成形体が得られると、ヒータ4の中間成形体の脱脂が実行される(工程P130)。ヒータ4の中間成形体には、バインダが含まれているので、加熱(仮焼成)することにより、かかるバインダが取り除かれる。例えば、ヒータ4の中間形成体を、窒素雰囲気中にて800℃で60分加熱してもよい。
工程P130の後、本焼成が実行される(工程P135)。かかる本焼成では、工程P130のいわゆる仮焼成に比べて、高温で加熱が行なわれる。加熱完了後、ヒータ4の中間形成体を冷ます(降温させる)。上述のようにこのときの降温速度(℃/min)等を調整することにより、強度比X/Yが上記式(1)を満たすように制御する。
本焼成の後、研磨加工及び切断加工が実行される(工程P140)。研磨加工により、電極部27,28が基体21の表面から露出する。また、切断加工により、工程P135により得られた焼成体の後端部、すなわち、後端連結部250に相当する部分が取り除かれる。上述した工程P105〜P140により、ヒータ4が完成する。その後、図1に示すグロープラグ100の各構成部が組みつけられ(工程P145)、グロープラグ100が完成する。なお、主体金具2等の各構成部の製造方法としては、公知の方法を採用できる。上述の工程P105〜P140は、ヒータ4の製造方法に相当する。
以上説明した第1実施形態のヒータ4において、粒界相には、RESiAlONの結晶が含まれている。粒界相にRESiAlONの結晶が含まれているため、その重希土類元素の働きにより粒界相の高融点化が図れ、非常に高い温度環境下において基体21の強度を向上させることができる。
また、強度比X/Yが上記式(1)を満たした場合、比較的低い温度環境下における耐酸化性および比較的高い温度環境下における強度をそれぞれ向上できる。
また、粒界相がWSiの結晶を含む場合、高温環境において高い強度を有するタングステン(W)が粒界相に含まれるので、非常に高い温度環境下における強度をより向上させることができる。
B.実施例:
上述の実施形態に従い、7種類のヒータ(試料1〜7)を作製した。また、比較例として3種類のヒータ(試料8〜10)を作製した。そして、これら合計10種類の試料1〜10を対象として、強度試験を実行した。なお、強度試験用の試料1〜10のいずれも、導電部22は省略して、導電部22に相当する箇所は基体21と同じ組成で埋められた状態のヒータとして作製された。また、各試料1〜10を対象として、比較的低い温度(1000℃)での耐酸化性(低温耐酸化性)についても評価した。この低温耐酸化性の評価は、各試料1〜10と同じ組成のヒータであって、導電部22を省略しないヒータ(すなわち、実施形態のヒータ4)を作製し、かかるヒータを対象に低温耐酸化性試験を行い、その結果に基づき評価した。下記表1は、各試料1〜10の基体の組成概要と、強度試験の結果と、低温耐酸化性の評価結果とを示す。なお、低温耐酸化性の評価結果については、各試料1〜10と同じ組成を有するヒータについての評価結果を、各試料1〜10の評価結果として示している。
Figure 2017202950
表1では、各試料1〜10の基体の組成として、ケイ素(Si)の添加割合(wt%)と、希土類元素の種類および添加割合(wt%)と、タングステン(W)の添加割合(wt%)と、アルミニウム(Al)の添加割合(wt%)と、第2族元素の添加割合(wt%)とが示されている。上述の「添加割合」とは、試料作製に用いた原材料全体における添加割合を意味する。表1において、ケイ素(Si)の添加割合は、窒化珪素(Si)に換算した場合の割合を意味する。同様に、タングステン(W)の添加割合は酸化タングステン(WO)に換算した場合の割合を、アルミニウム(Al)の添加割合は酸化アルミニウム(Al)に換算した場合の割合を、それぞれ意味する。第2族元素は、後述するように比較例の試料(試料9,10)で用いられている。具体的には、第2族元素として、マグネシウム(Mg)が試料9において用いられ、カルシウム(Ca)が試料10において用いられている。表1では、マグネシウム(Mg)の添加割合は、酸化マグネシウム(MgO)に換算した場合の割合を意味する。また、カルシウム(Ca)の添加割合は、酸化カルシウム(CaO)に換算した場合の割合を意味する。
表1に示すように、実施例の試料1〜4では、重希土類元素としてイッテルビウム(Yb)が用いられた。また、試料5〜7では、重希土類元素としてエルビウム(Er)が用いられた。タングステン(W)の添加割合は、試料1〜6では、3wt%であったのに対して、試料7では、2wt%と、他の実施例の試料1〜6に比べて少なかった。アルミニウム(Al)の添加割合は、試料1では2wt%であり、試料2では4wt%であり、他の実施例の試料3〜7では、3wt%であった。また、実施例のすべての試料1〜7において、第2族元素は、0wt%であった。0wt%である場合とは、全く含有していない場合と、極微量含有していたがEPMAなどで定量が可能な量よりも少ない場合とを含む。
他方、比較例の試料8〜10では、試料9,10では、重希土類元素としてイッテルビウム(Yb)が用いられ、試料8では、イットリウム(Y)が用いられた。タングステン(W)の添加割合は、試料8では2wt%であり、他の比較例の試料9,10では3wt%であった。アルミニウム(Al)の添加割合は、試料8では4wt%であり、試料9,10では3wt%であった。第2族元素は、試料8では0wt%であった。これに対して、試料9では、マグネシウム(Mg)(酸化マグネシウム(MgO))が2wt%だけ添加され、試料10では、カルシウム(Ca)(酸化カルシウム(CaO))が2wt%だけ添加された。なお、第2族元素は、水酸化物としてセラミック材料に添加された。
表1では、さらに、各試料の粒界相における酸窒化物の種類と、タングステンとシリコンを含有する結晶の種類と、強度比X/Yと、が示されている。各試料の粒界相における酸窒化物の種類と、タングステンとシリコンを含有する結晶の種類とは、X線回折により特定した。また、強度比X/Yについては、上述した実施形態のとおり、CuKα線を、50kVおよび300mAの出力条件で照射してX線回折チャートを得て、JCPDSカードに基づき各ピークの結晶種別を同定し、強度比X/Yを求めた。なお、ピーク強度が重なった場合、およびJCPDSカードが設定されていない結晶については、上述した実施形態の方法により、ピーク強度および結晶種別を推定した。
表1に示すように、実施例の試料1〜4では、粒界相における酸窒化物として、YbSiAlONが検出された。また、試料5〜7では、粒界相における酸窒化物として、ErSiAlONが検出された。試料1〜6では、タングステンを含有する結晶の種類としてWSiが検出された。試料7では、タングステンを含有する結晶の種類としてWSiが検出された。強度比X/Yについては、試料1〜3,5〜7では、0.04以上0.4以下であったが、試料4では、0.45と比較的大きかった。
他方、比較例の試料8〜10では、粒界相における酸窒化物として、試料8においてYSiAlONが検出されたが、試料9,10では検出されなかった。また、タングステンを含有する結晶の種類として、試料8ではWSiが検出され、試料9,10ではWSiが検出された。
強度試験では、作製された各試料1〜10について、室温(25℃)において曲げ強度試験を実施し、曲げ強度(室温強度)を測定した。曲げ強度試験は、電極部28の露出が予定されていた面を引っ張り面として、基体中央部においてスパン30mm(ミリメートル)で、3点曲げ強度を測定した。他方、熱間強度については、各試料1〜10を1250℃まで昇温させて15分間その温度を維持し、その後、上述と同様にして3点曲げ強度を測定した。表1では、熱間強度については、その強度に応じた評価結果を、測定した強度値と共に示している。熱間強度が300MPa(メガパスカル)よりも低い場合に熱間強度が最も低い(×)と評価し、300MPa以上350MPa未満の場合に熱間強度が2番目に低い(△)と評価し、350MPa以上400MPa未満の場合に熱間強度が2番目に高い(○)と評価し、400MPa以上の場合に熱間強度が最も高い(◎)と評価した。
表1に示すように、室温強度については、実施例のすべての試料1〜7、および比較例のすべての試料8〜10のいずれにおいても870MPaと大きな値であり、非常に高いと評価できた。熱間強度については、試料1〜4が◎であり、試料5〜6が○であり、試料7が△であり、比較例のすべての試料8〜10はいずれも×であった。
低温耐酸化性の評価では、作製したヒータの最高温度部分を1000℃まで昇温させた後、500時間その温度を維持し、表面が最も白色化した位置の断面を観察し、白色化の厚みを測定した。表面の酸化が進むと白色化するので、その厚みを低温耐酸化性の指標とし、白色化の程度が大きいほど(厚みが大きいほど)低温耐酸化性が低いものと評価した。具体的には、ヒータ表面において顕著な白色化が起こっていない場合に低温耐酸化性が最も高い(◎)と評価し、ヒータ表面において白色化は起こっているもののその厚みが50μm未満である場合に低温耐酸化性が2番目に高い(○)と評価し、白色化の厚みが50μm以上である場合に低温耐酸化性が最も低い(×)と評価した。
表1に示すように、低温耐酸化性については、試料1〜3が◎であり、試料4が△であり、試料5〜7および比較例のすべての試料8〜10が○であった。
上述の熱間強度の評価結果から、実施例の試料1〜7は、いずれも比較例の試料8〜10に比べて熱間強度が高いことが分かる。これは、粒界相にYbSiAlON、または、ErSiAlONの結晶が含まれていたため、重希土類元素(YbまたはEr)を含む酸窒化物結晶の働きにより粒界相の高融点化が図れ、非常に高い温度環境下において基体21の強度が向上したためであると推測される。これに対して、比較例の試料8〜10では、粒界相に重希土類元素の酸窒化物は含まれていない。具体的には、試料8の粒界相には、軽希土類元素であるイットリウム(Y)を含む酸窒化物結晶が含まれているに過ぎず、重希土類元素の酸窒化物は含まれていない。また、試料9、10には、希土類元素を含む酸窒化物結晶は含まれていない。このため、比較例の試料8〜10では、高温環境下における強度が低く抑えられたものと推測される。
また、実施例の試料1〜7の低温耐酸化性の評価結果から、強度比X/Yは、0.04以上0.4以下であることが好ましい、つまり、上記式(1)を満たすことが好ましいことが分かる。試料4の強度比X/Yは、他の実施例の試料1〜3,5〜7の強度比X/Yとは異なり、上述の範囲よりも大きな値であった。すなわち、粒界相におけるYbSiAlONの量が多かった。このため、試料4では、低温環境下においてYbSiAlONの酸化(白色化)が進み、低温耐酸化性が低下したものと推測される。
また、実施例の試料6と試料7とを比較すると、これら2つの試料6,7の希土類元素の添加割合、アルミニウム(Al)の添加割合、第2族元素の添加割合、粒界相における酸窒化物の種類、および強度比X/Yは互いに同じであるのに対して、熱間強度は、試料6の方が試料7よりも高かった。これは、タングステンを含有する結晶の種類が試料6ではWSiであったのに対して、試料7ではWSiであったためであると推測される。すなわち、高温環境において高い強度を有するタングステン(W)の量が試料6の方が多かったためであると推測される。したがって、粒界相は、WSiの結晶を含むことが好ましいことが分かる。
また、実施例の試料2と試料5とを比較すると、これら2つの試料2,5の希土類元素の添加割合、タングステン(W)の添加割合、アルミニウム(Al)の添加割合、第2族元素の添加割合は互いに同じである。また、強度比X/Yは、いずれも上記式(1)を満たしている。しかし、熱間強度については、試料2が◎(430MPa)であり、試料5が○(380MPa)であった。これは、試料2の重希土類元素がイッテルビウム(Yb)であったのに対して、試料5の重希土類元素がエルビウム(Er)であることによるものと推測される。すなわち、重希土類元素としてイッテルビウム(Yb)を用いることで、非常に高い温度での強度をより向上させることができることが分かる。
C.変形例:
C1.変形例1:
上記実施形態および実施例では、導電部22の成形材料における導電性材料は、タングステンカーバイドであったが、これに代えて、珪化モリブデンや珪化タングステン等の、任意の導電性材料を用いることができる。
C2.変形例2:
上記実施形態では、ヒータ4は、グロープラグ100に用いられるセラミックヒータであったが、グロープラグ100に代えて、バーナーの着火用のヒータ、ガスセンサの加熱用ヒータ、DPF(Diesel particulate filter)に使用されるセラミックヒータであってもよい。また、セラミックヒータに限らず、任意の用途に用いられるセラミック焼結体に本発明を適用することができる。
本発明は、上述の実施形態、実施例および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する本実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
2…主体金具
3…中軸
4…ヒータ(セラミックヒータ)
5…絶縁部材
6…フランジ部
7…外筒
8…ピン端子
9…軸孔
10…軸孔
11…雄ねじ部
12…工具係合部
15…厚肉部
16…係合部
18…電極リング
21…基体
22…導電部
27,28…電極部
31,32…延設部
33…連結部
35…発熱部
100…グロープラグ
200…中間成形体
212,222…リード対応部
227…電極対応部
235…発熱対応部
250…後端連結部
311…先端側部位
312…後端側部位(リード部)
321…先端側部位
322…後端側部位(リード部)
335…発熱対応部
400…下金型
420…キャビティ
500…上金型
600…下金型
620…キャビティ
700…中間成形体
C1,C11,C12…軸線
Sf5…端面

Claims (5)

  1. 窒化珪素の結晶からなる主相と、前記主相同士の間に存在する粒界相と、を備えるセラミック焼結体であって、
    前記粒界相は、RESiAlONの結晶(但し、REは、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)から選ばれる)を含む、
    ことを特徴とする、セラミック焼結体。
  2. 請求項1に記載のセラミック焼結体において、
    X線回折チャートにおいて、前記RESiAlONの結晶における(201)面のピーク強度をXとし、前記窒化珪素の結晶における(101)面のピーク強度をYとしたとき、X/Yが0.04以上0.4以下である、
    ことを特徴とする、セラミック焼結体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセラミック焼結体において、
    前記粒界相は、さらに、WSiの結晶を含む、
    ことを特徴とする、セラミック焼結体。
  4. 軸線方向に延設された基体と、
    前記基体の内部に埋設された導電性セラミックからなる導電部と、
    を有するセラミックヒータであって、
    前記基体が、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のセラミック焼結体で構成されている、
    ことを特徴とする、セラミックヒータ。
  5. セラミックヒータと、該セラミックヒータを保持する金属筒体を備えるグロープラグであって、
    前記セラミックヒータが、請求項4に記載のセラミックヒータである、
    ことを特徴とする、グロープラグ。
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