JP2017202542A - 研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バフ研磨の作業工数を、削減できる研磨方法を提供する。【解決手段】少なくとも一つの辺のすべて、または該辺の一部が直線もしくは略直線で構成された薄板状のワーク8の各辺のバリや切粉などの加工残渣を除去するために、前記直線もしくは前記略直線と平行な線17に対して、所定の角度Δdで斜めに交差する方向16に沿って、前記ワーク8と研磨手段との相対的な位置関係を変化させながら前記各辺を研磨することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、たとえば、電子部品を構成する要素の一つである電極やヒートシンクなどに用いられる金属製薄板部材のバリ取りのための研磨方法に関する。
薄い金属板を打ち抜き加工して作られる薄板部材の端面にはバリ等の残渣が生じやすく、この残渣を取り除くための研磨が行われる。この研磨について、たとえば、下記の特許文献1には金属表面の凹凸をならすためのバフ研磨が記載されており、また、下記の特許文献2にはバリ取りのためのバフ研磨が記載されている。
特開2008−159953号公報 特開平7−166156号公報
しかしながら、従来のバフ研磨においては作業工数が多いという問題点があった。
このことを、図を用いて詳しく説明する。
図7は従来の研磨方法説明図(矩形状薄板部材の場合)である。この図において、研磨対象の薄板部材100は、薄い金属板を矩形に打ち抜き加工して作られたものである。
説明の都合上、薄板部材100の四つの辺のそれぞれに時計回り方向にA〜Dの符号を付して識別する。また、薄板部材100の一つのコーナー部(図ではA辺とD辺の間のコーナー部)に、薄板部材100の向きを示すための便宜的なマーク(黒丸)を付す。
さて、冒頭で述べたように、金属板を打ち抜き加工して作られる薄板部材100の端面にはバリ等の残渣が生じやすい。図において、薄板部材100の各辺に沿って便宜的に描かれたクロスハッチング模様は、この残渣を模式的に表したものである。すなわち、(a)に示すように打ち抜き加工後の薄板部材100の四つの辺(A辺〜D辺)には残渣(この段階では主としてバリ)が生じている。
この残渣を取り除くためには、まず、(b)に示すように回転する砥石を用いて粗研磨を行い、任意の一辺(図ではA辺)の残渣を取り除く。なお、図中の矢印は砥石に対する薄板部材100の送り方向を示している。
粗研磨においては、任意の一辺(図ではA辺)以外の他辺(B辺〜D辺)の残渣を取り除くことができないうえ、さらに、これら他辺(B辺〜D辺)に、粗研磨の際に周囲に飛び散った切粉の一部が融着することがあるため、粗研磨直後における他辺(B辺〜D辺)の残渣はバリに切粉が加わったもの(以下、加工残渣という)になる。
そこで、他辺(B辺〜D辺)の加工残渣(バリと切粉)を取り除くためにバフを用いた仕上げ研磨(バフ研磨)が行われる。具体的には、薄板部材100の向きを変えてから、(c)に示すように1回目の仕上げ研磨でD辺のバリ取りと切粉除去を行い、次いで、薄板部材100の向きを変えてから、(d)に示すように2回目の仕上げ研磨でB辺のバリ取りと切粉除去を行い、さらに、薄板部材100の向きを変えてから、(e)に示すように3回目の仕上げ研磨でC辺のバリ取りと切粉除去を行う。
このように、従来の研磨方法(矩形状薄板部材の場合)においては、全部で3回の仕上げ研磨((c)〜(e))を行う必要があった。
図8は従来の研磨方法説明図(U字形状薄板部材の場合)である。この図において、研磨対象の薄板部材200は、図7の薄板部材100と同等の板厚を有する点で共通するが、外形が矩形ではなく、両短辺(B辺とD辺)が円弧で形成された略U字形状(B1〜B3、D1〜D3)の異形になっている点で相違する。異形部(U字形状の部分)の加工残渣は除去が難しい。その理由は、プレスによる打ち抜き加工の際にワークが凹状にたわみやすく、たわみの大きい箇所ではバフ研磨がしにくいからである。
(a)に示すように打ち抜き加工後の薄板部材200の四つの辺(A辺〜D辺)には残渣(この段階では主としてバリ)が生じている。この残渣を取り除くためには、まず、(b)に示すように回転する砥石を用いて粗研磨を行い、任意の一辺(図ではA辺)の残渣を取り除く。このとき、略U字形状の一部(D1とD2の間及びB2とB3の間)の残渣も同時に取り除かれる。図中の矢印は砥石に対する薄板部材200の送り方向を示している。
粗研磨においては、任意の一辺(図ではA辺)以外の他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)の残渣を取り除くことができないうえ、さらに、これら他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)に、粗研磨の際に周囲に飛び散った切粉の一部が融着することがあるため、粗研磨直後における他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)の残渣はバリに切粉が加わったもの(加工残渣)になる。
そこで、他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)の加工残渣(バリと切粉)を取り除くためにバフを用いた仕上げ研磨(バフ研磨)が行われる。具体的には、薄板部材200の向きを変えてから、(c)に示すように1回目の仕上げ研磨でD1辺とD2辺とD3辺のバリ取りと切粉除去を行い、次いで、薄板部材200の向きを変えてから、(d)に示すように2回目の仕上げ研磨でB1辺とB2辺とB3辺のバリ取りと切粉除去を行う。
さらに、薄板部材200の向きを変えてから、(e)に示すように3回目の仕上げ研磨でC辺並びにB辺とD辺の一部のバリ取りと切粉除去を行う。
このように、従来の研磨方法(U字形状薄板部材の場合)においては、全部で3回の仕上げ研磨((c)〜(e))を行う必要があった。
本発明の目的は、以上説明した従来の研磨方法の問題点を解決するために、バフ研磨の作業工数を削減できる研磨方法を提供することにある。
本発明に係る研磨方法は、少なくとも一つの辺のすべてまたは該辺の一部が直線もしくは略直線で構成された薄板状のワークの各辺の加工残渣を除去するために、前記直線もしくは前記略直線と平行な線に対して所定角度Δdで斜めに交差する方向に沿って、前記ワークと研磨手段との相対的な位置関係を変化させながら前記各辺を研磨する。
本発明によれば、バフ研磨の作業工数を削減できる。
実施形態における研磨装置の全体構成図である。 実施形態の研磨方法説明図(矩形状薄板部材の場合)である。 バリ取りと切粉除去の様子を示す図である。 実施形態の研磨方法説明図(U字形状薄板部材の場合)である。 U字形状薄板部材における研磨詳細図である。 ワーク8の向きを変えるための一例を示す図である。 従来の研磨方法説明図(矩形状薄板部材の場合)である。 従来の研磨方法説明図(U字形状薄板部材の場合)である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は実施形態における研磨装置の全体構成図である。
研磨装置1は、砥石研磨とバフ研磨の兼用装置であり、不図示の駆動源によって所定方向(矢印2の時計回り方向)に所定速度で回転駆動される回転軸3に砥石4を取り付けると砥石研磨装置になり、または、回転軸3にバフ5を取り付けるとバフ研磨装置になる。砥石4やバフ5は研磨手段として機能する。なお、砥石4には、たとえば、GC砥石、すなわちグリーンカーボナイト砥石(緑色炭化ケイ素砥石)を使用することができる。また、バフ5は、繊維と微細な研磨剤を合成樹脂で結合して、所定の幅を有した円筒形の弾性体である。
テーブル6の上面には複数の保持具7が取り付けられており、この保持具7によって、研磨の対象となる多数のワーク8を搭載した治具9を着脱自在に保持できるようになっている。なお、ワーク8は薄い金属板(典型的には銅板であるが、これに限定されない。粘りのある金属素材からなる薄い板であればよい。また、「ワーク」とは加工対象物のことである。)を打ち抜き加工して作られる薄板部材(図7の薄板部材100や図8の薄板部材200に相当)であり、このワーク8は、たとえば、リードフレーム10を介して接着剤11により治具9の上に取り外し可能な状態で張り付けられている。
テーブル6は不図示の垂直移動機構によってZ軸方向(矢印12の方向)に移動可能になっており、これによって回転軸3に取り付けられた砥石4またはバフ5の外周面とワーク8の表面との高さ方向の位置関係を調整できるようになっている。
また、テーブル6は不図示の水平移動機構によってXY軸方向(矢印13や矢印14の方向)にも移動可能になっており、これによって治具9の上に配列された多数のワーク8のすべてを研磨できるようになっている。
テーブル6には、Z軸周り方向(矢印15の方向)の回転機構は設けられていない。そこで、テーブル6上に置かれた、治具9とテーブル6との関係を所定の角度になる様に調整している。たとえば、治具9の一つの角に所定の幅のスペーサーを挟みテーブル6に取り付ける方法や、治具9の外形を長方形ではなく、治具9の一つの角度を直角から所定の角度増減させる方法である。
もちろん、テーブル6は不図示の回転機構を設けてZ軸周り方向(矢印15の方向)への回転を可能としても良い。
これらによって、治具9の上に配列された多数のワーク8の向きを任意の角度に調整できるようになっている。
ここで、ワーク8を研磨する際のテーブル6の移動方向を矢印16で示すと、この移動方向(矢印16)は、図の(a)において左から右に向かう方向である。以下、この矢印16の方向を「研磨方向」ということにする。このとき、砥石4またはバフ5を取り付けた回転軸3は図示の例では時計回り方向(矢印2)に回転しているので、砥石4またはバフ5の回転方向とワーク8の送り方向(研磨方向)とが対向する、いわゆる「アップカット」(またはアッパーカットともいう)の研磨様式になる。本実施形態ではこのアップカットの研磨様式を採用する。ちなみに、アップカットの逆はダウンカットである。
なお、この実施形態ではテーブル6を動かしながら研磨する態様、すなわち、回転軸3に取り付けられた砥石4またはバフ5の位置を変えずに研磨する態様になっているが、これに限らず、テーブル6の位置を変えずに、回転軸3に取り付けられた砥石4またはバフ5の位置を移動する態様としてもよい。当然ながらこの場合の「研磨方向」は矢印16の逆向きになる。以下、簡単化のために、前記の態様、すなわち、テーブル6を動かしながら研磨する態様を例にして説明する。
図2は実施形態の研磨方法説明図(矩形状薄板部材の場合)である。この図において、研磨対象のワーク8は、たとえば、厚さ1.63mm程度の薄い金属板を打ち抜き加工して作られたものであり、ワーク8の外形は、長辺長が32mm程度、短辺長が10mm程度の矩形である。
説明の都合上、ワーク8の四つの辺のそれぞれに時計回り方向にA〜Dの符号を付して識別する。また、ワーク8の一つのコーナー部(図ではA辺とD辺の間のコーナー部)に、ワーク8の向きを示すための便宜的なマーク(黒丸)を付す。
さて、冒頭で述べたように、金属板を打ち抜き加工して作られるワーク8の端面にはバリ等の残渣が生じやすい。図において、ワーク8の各辺に沿って便宜的に描かれたクロスハッチング模様は、この残渣を模式的に表したものである。すなわち、(a)に示すように打ち抜き加工後のワーク8の四つの辺(A辺〜D辺)には残渣(この段階では主としてバリ)が生じている。
この残渣を取り除くためには、まず、(b)に示すように回転する砥石4を用いて粗研磨を行い、任意の一辺(図ではA辺)の残渣を取り除く。この粗研磨におけるワーク8の研磨方向(矢印16の方向)と残渣除去対象辺(ここではA辺)との交差角は略直角(略90度)である。
粗研磨においては、任意の一辺(図ではA辺)以外の他辺(B辺〜D辺)の残渣を取り除くことができないうえ、さらに、これら他辺(B辺〜D辺)に、粗研磨の際に周囲に飛び散った切粉の一部が融着することがあるため、粗研磨直後における他辺(B辺〜D辺)の残渣はバリに切粉が加わったもの(加工残渣)になる。
そこで、他辺(B辺〜D辺)の加工残渣(バリと切粉)を取り除くためにバフを用いた仕上げ研磨(バフ研磨)を2回行う。具体的には、ワーク8の向きを後述の所定角度Δdに変えてから、(c)に示すように1回目の仕上げ研磨でB辺とC辺のバリ取りと切粉除去を行う。
次いで、ワーク8の向きを後述の所定角度Δdに変えてから、(d)に示すように2回目の仕上げ研磨でD辺のバリ取りと切粉除去を行う。
所定角度Δdは1度から5度の間の任意値であり、好ましくは2度である。1回目の仕上げ研磨(c)においてはB辺と平行な線17に対して研磨方向(矢印16の方向)と平行な線18が所定角度Δdで斜めに交差するように治具9の回転角度を調整する。また、2回目の仕上げ研磨(d)においてはD辺と平行な線19に対して研磨方向(矢印16の方向)と平行な線20が所定角度Δdで斜めに交差するように治具9の回転角度を調整する。
このように調整すると、1回目の仕上げ研磨でB辺とC辺を同時に研磨してそれらの二つの辺のバリと切粉を取り除くことができるとともに、2回目の仕上げ研磨でD辺を研磨してD辺のバリと切粉を取り除くことができる。その結果、1回の粗研磨と2回の仕上げ研磨(バフ研磨)で四つの辺すべてのバリ取りと切粉除去とを行うことができるから、冒頭の従来技術(図7参照)に比べて仕上げ研磨の回数を1回減らすことができ、バフ研磨の作業工数を削減することができる。
なお、バリ取りと切粉除去の効果のみに着目するならば、前記の所定角度Δdを5度より大きくすればよい。しかし、所定角度Δdを大きくすると斜めの研磨傷が付いて目立ってしまい、ワーク8の品質を損なう。
本件発明者らの実験によれば、所定角度Δdを1度から5度の間の任意値にしたときに斜めの研磨傷が目立たず、しかも、バリ取りと切粉除去とを行うことができた。特に2度にしたときに最良の品質と最高のバリ取りと切粉除去の効果が得られた。
これは、1度から5度の間ではワーク8の表面に付く研磨傷が短辺(B辺やD辺)とほぼ平行になって見え、かつ、バリ取りと切粉除去とを行うことができるからであり、特に2度にすると品質と、バリ取り及び切粉除去とのバランスを取ることができるからである。
なお、言うまでもないが、所定角度Δdの範囲を示す値(1度から5度)と、同範囲内の好ましい値(2度)は、厳密にそれらの値のみに限定されない。つまり、同範囲は1度から5度の前後値を含み、また、好ましい値も2度の前後値を含んでいてもよい。たとえば、同範囲は1±a度〜5±b度であってもよく、また、好ましい値も2±c度であってもよい。ここで、a、b、cは、斜めの研磨傷が目立たず、しかも、バリ取りと切粉除去とを行うことができる適切な調整係数である。
図3はバリ取りと切粉除去の様子を示す図である。(a)の粗研磨では、ワーク8の任意辺(たとえば、A辺)の稜部に生じたバリ21を砥石4で取り除くが、この粗研磨の際に、切粉が周囲に飛散して、その一部が他辺(たとえば、B辺〜D辺)の稜部に溶着することがある。このため、(b)の仕上げ研磨で、バフ5を用いて他辺(たとえば、B辺〜D辺)のバリ22と切粉23とを取り除く。仕上げ研磨におけるバフ5とワーク8との切込み量は1回あたり8μm程度である。切込み量を大きくするとバリ22と切粉23の除去効果を高められるが、一方でワーク8が上から強く押し付けられて変形を招くから好ましくない。
なお、仕上げ研磨におけるバフ5の圧下量を、たとえば、20μm程度とし、その圧下量でバフ5とワーク8との当接を確認したときを切込みの「0点」としてもよい。
図4は実施形態の研磨方法説明図(U字形状薄板部材の場合)である。説明の都合上、ワーク8の四つの辺のそれぞれに時計回り方向にA〜Dの符号を付して識別し、また、ワーク8の一つのコーナー部(図ではA辺とD辺の間のコーナー部)に、ワーク8の向きを示すための便宜的なマーク(黒丸)を付す。
この図において、研磨対象のワーク8は、図2のワーク8と同等の板厚を有する点で共通するが、外形が矩形ではなく、両短辺(B辺とD辺)が円弧で形成された略U字形状(B1〜B3、D1〜D3)の異形となっている点で相違する。
(a)に示すように打ち抜き加工後のワーク8の四つの辺(A辺〜D辺)には残渣(この段階では主としてバリ)が生じている。この残渣を取り除くためには、まず、(b)に示すように回転する砥石4を用いて粗研磨を行い、任意の一辺(図ではA辺)の残渣を取り除く。このとき、略U字形状の一部(D1とD2の間及びB2とB3の間)の残渣も同時に取り除かれる。この粗研磨におけるワーク8の研磨方向(矢印16の方向)と残渣除去対象辺(ここではA辺)との交差角は略直角(略90度)である。
粗研磨においては、任意の一辺(図ではA辺)以外の他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)の残渣を取り除くことができないうえ、さらに、これら他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)に、粗研磨の際に周囲に飛び散った切粉の一部が融着することがあるため、粗研磨直後における他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)の残渣はバリに切粉が加わったもの(加工残渣)になる。
そこで、他辺(C辺並びにB辺とD辺の一部)の加工残渣(バリと切粉)を取り除くためにバフを用いた仕上げ研磨(バフ研磨)を2回行う。具体的には、ワーク8の向きを前述の所定角度Δdに変えてから、(c)に示すように1回目の仕上げ研磨でC辺のバリ取りと切粉除去を行うとともに、同時にD辺及びB辺の一部(B1とB2の間)のバリ取りと切粉除去を行い、次いで、ワーク8の向きを前述の所定角度Δdに変えてから、(d)に示すように2回目の仕上げ研磨でB辺の残りのバリ取りと切粉除去を行う。
先に説明したとおり、所定角度Δdは1度から5度の間の任意値であり、好ましくは2度である。1回目の仕上げ研磨(c)においてはC辺と平行な線24に対して研磨方向(矢印16の方向)と平行な線25が所定角度Δdで斜めに交差するように治具9の回転角度を調整し、また、2回目の仕上げ研磨(d)においてはC辺と平行な線26に対して研磨方向(矢印16の方向)と平行な線27が所定角度Δdで斜めに交差するように治具9の回転角度を調整する。
このように調整すると、1回目の仕上げ研磨でC辺とD辺の全部及びB辺の一部を同時に研磨してそれらの部分のバリと切粉を取り除くことができるとともに、2回目の仕上げ研磨でB辺の残余部を研磨してその残余部のバリと切粉を取り除くことができる。その結果、1回の粗研磨と2回の仕上げ研磨(バフ研磨)で四つの辺すべてのバリ取りと切粉除去とを行うことができるから、冒頭の従来技術(図8参照)に比べて仕上げ研磨の回数を1回減らすことができ、バフ研磨の作業工数を削減することができる。
図5はU字形状薄板部材における研磨詳細図である。この図において、C辺と平行する線30は、研磨方向(矢印16の方向)と平行な線31に対して所定角度Δdで斜めに交差している。図中の白抜き矢印図形はバフ5の研磨面がワーク8に当接する向きを表しており、この白抜き矢印図形は研磨方向(矢印16の方向)と平行し、かつ、研磨方向と逆向き(つまりアップカット)である。
図中の各辺(C辺、D1辺、D2辺及びD3辺)において、バリや切粉等の残渣が取り除かれる部分が太実線で示されている。これら太実線部分はバフ5がほぼ直角または所定角度Δdもしくはその前後の角度で斜めに当る部分である。太実線以外の部分(破線部分)のバリや切粉は除去されないが、ワーク8の向きを変えることによってそれら破線部分のバリや切粉も取り除くことができる。
図6はワーク8の向きを変えるための一例を示す図である。先に説明したように治具9はテーブル6の上に載せられているので、たとえば、治具9の一辺を通る線32と、テーブル6が動くことにより生じる研磨方向(矢印16の方向)と平行な線33との交差角を所定角度Δdに調整すればよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本件出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
[1]付記1は、少なくとも一つの辺のすべてまたは該辺の一部が直線もしくは略直線で構成された薄板状のワークの各辺の加工残渣を除去するために、前記直線もしくは前記略直線と平行な線に対して所定角度Δdで斜めに交差する方向に沿って、前記ワークと研磨手段との相対的な位置関係を変化させながら前記各辺を研磨することを特徴とする研磨方法である。
[2]付記2は、前記所定角度Δdは1度から5度の間の任意値であることを特徴とする付記1に記載の研磨方法である。
[3]付記3は、前記任意値は2度であることを特徴とする付記2に記載の研磨方法である。
[4]付記4は、前記研磨手段は回転するバフ砥石であり、かつ、前記研磨をアップカットで行うことを特徴とする付記1乃至3いずれかに記載の研磨方法である。
[5]付記5は、前記加工残渣はバリまたは粗研磨時に融着する切粉もしくはその両方であることを特徴とする付記1乃至4いずれかに記載の研磨方法である。
1 研磨装置
2 矢印
3 回転軸
4 砥石
5 バフ
6 テーブル
7 保持具
8 ワーク
9 治具
10 リードフレーム
11 接着剤
12〜16 矢印
17〜20 線
21、22 バリ
23 切粉
24〜33 線

Claims (5)

  1. 少なくとも一つの辺のすべてまたは該辺の一部が直線もしくは略直線で構成された薄板状のワークの各辺の加工残渣を除去するために、
    前記直線もしくは前記略直線と平行な線に対して所定角度Δdで斜めに交差する方向に沿って、前記ワークと研磨手段との相対的な位置関係を変化させながら前記各辺を研磨することを特徴とする研磨方法。
  2. 前記所定角度Δdは1度から5度の間の任意値であることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  3. 前記任意値は2度であることを特徴とする請求項2に記載の研磨方法。
  4. 前記研磨手段は回転するバフ砥石であり、かつ、前記研磨をアップカットで行うことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の研磨方法。
  5. 前記加工残渣はバリまたは粗研磨時に融着する切粉もしくはその両方であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の研磨方法。
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