JP2009297862A - 研磨用工具 - Google Patents
研磨用工具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009297862A JP2009297862A JP2008157263A JP2008157263A JP2009297862A JP 2009297862 A JP2009297862 A JP 2009297862A JP 2008157263 A JP2008157263 A JP 2008157263A JP 2008157263 A JP2008157263 A JP 2008157263A JP 2009297862 A JP2009297862 A JP 2009297862A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- workpiece
- peripheral end
- grindstone
- end surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Ceased
Links
Images
Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
Abstract
【課題】ワークの形状にかかわりなくワークの切断面である外周端面,内周端面を自動的に研磨処理することを可能にする。
【解決手段】スピンドルSに取付けられて回転駆動される軸部1と、軸部1の先端部に設けられた砥石部2とからなる。砥石部2は、軸部1と同軸中心線上の軸部1に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部21と、軸部1と同軸中心線上の第1の砥石部21を介して軸部1から離れた側に位置された相対的に小径のほぼ円柱体の第2の砥石部22とを備えている。第1の砥石部21は、ワークの形状外郭線となった切断面である外周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面211と、外周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面212とを備えている。第2の砥石部22は、ワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面221と、内周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面222とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】スピンドルSに取付けられて回転駆動される軸部1と、軸部1の先端部に設けられた砥石部2とからなる。砥石部2は、軸部1と同軸中心線上の軸部1に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部21と、軸部1と同軸中心線上の第1の砥石部21を介して軸部1から離れた側に位置された相対的に小径のほぼ円柱体の第2の砥石部22とを備えている。第1の砥石部21は、ワークの形状外郭線となった切断面である外周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面211と、外周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面212とを備えている。第2の砥石部22は、ワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面221と、内周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面222とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、薄板状のワークの切断面を研磨処理する際に使用される研磨用工具に係る技術分野に属する。
最近、携帯用通信端末機,携帯用ゲーム機等の表示部を高精細な表示機能を維持して薄性化するために、表示部の表示画面に使用されるガラス板にも薄性化の要請が強くなってきている。このガラス板については、一定の大きさのガラス原板から液体の噴射を利用した切断技術によって材料取りされるようになってきているが、強度を高め光の乱反射を防止するために切断面を研磨処理することが要求される。
切断面の研磨処理は、図6に示すように、ガラス板であるワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waに沿って回転する砥石Dを移動させる自動化された装置によって行われている。具体的には、砥石Dがスピンドルの先端部に取付けられて回転駆動され、スピンドルをNC制御で移動させる装置構成となっている。この研磨処理では、図7に示すように、ワークWの外周端面Waの破断粗面が平坦化された後、ワークWの外周端面Waと表面Wb,裏面Wcとの角部が傾斜面Wdに面取りされる。なお、平坦化,面取りの研磨処理については、砥石DのワークWへの対面角度を変更したり、砥石Dを円柱体から溝付き円柱体に交換したりすることで対応している。
然しながら、図7に示すように、ワークWに小さな窓孔(抜孔)Hが開孔されている場合、窓孔Hの切断面である内周端面Weを研磨処理する自動化された装置が開発されていないことから、内周端面Weを手動の工具で研磨処理している状況がある。このため、窓孔Hの内周端面Weの研磨処理をも自動化することのできる技術の開発が要望されている。
従来、窓孔Hの内周端面Weの研磨処理をも自動化することを指向した技術としては、例えば、以下に記載のものが知られている。
特開2005−59194号公報
特許文献1には、内周面にワークWの外周端面Waを研磨処理する研磨面が設けられたカップ形の第1の研磨部と、外周面にワークWの内周端面Weを研磨処理する研磨面が設けられた円柱形の第2の研磨部とを備え、第2の研磨部が第1の研磨部の軸中心に配置された研磨用工具が記載されている。
特許文献1に係る研磨用工具は、ドーナッツ形のディスクからなるワークWを対象として前述の砥石Dに対応したもので、第1の研磨部の研磨面がワークWの外周よりも大径に形成され、第2の研磨部の研磨面がワークWの内周よりも小径に形成されて、回転によりワークWの外周端面Wa,内周端面Weを同時に研磨処理するものである。
特許文献1に係る研磨用工具では、研磨処理の対象であるワークWがドーナッツ形のディスクである場合に限定されてしまい汎用性がないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、ワークの形状にかかわりなくワークの切断面である外周端面,内周端面を自動的に研磨処理することを可能にする研磨用工具を提供することを課題とする。
前述の課題を解決するため、本発明に係る研磨用工具は、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
即ち、本発明に係る研磨用工具では、スピンドルに取付けられて回転駆動される軸部と、軸部の先端部に設けられた砥石部とからなる研磨用工具において、砥石部は軸部と同軸中心線上の軸部に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部と軸部と同軸中心線上の第1の砥石部を介して軸部から離れた側に位置された相対的に小径のほぼ円柱体の第2の砥石部とを備え、第1の砥石部はワークの形状外郭線となった切断面である外周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と外周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備え、第2の砥石部はワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と内周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備えていることを特徴とする。
この手段では、砥石部の第1の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの外周端面に沿って移動させてワークの外周端面を平坦化,面取りして研磨処理することができ、砥石部の第2の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの窓孔に進入させワークの内周端面に沿って移動させてワークの内周端面を平坦化,面取りして研磨処理することができるようにし、砥石部の第1の砥石部を第2の砥石部のワークの窓孔への進入に邪魔にならない位置に配置し、砥石部の第2の砥石部を第1の砥石部のワークの外周端面に沿った移動の邪魔にならない位置に配置している。
また、本発明に係る研磨用工具では、軸部と砥石部とは金属材で一体的に形成され、砥石部は表面に砥粒が電着により積層されていることを特徴とする。
この手段では、軸部,砥石部が一体化されて製品精度が高められ、砥石部が砥粒の電着で研磨性能が高められる。
また、本発明に係る研磨用工具では、砥石部の第1の砥石部は平坦化用研磨面,面取り用研磨面が複数面設けられていることを特徴とする。
この手段では、砥石部の第1の砥石部の平坦化用研磨面,面取り用研磨面の摩耗に対応して複数面を切換使用することで、スピンドルへの交換作業が不要となってスピンドルへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
また、本発明に係る研磨用工具では、砥石部の第2の砥石部は平坦化用研磨面,面取り用研磨面が複数面設けられていることを特徴とする。
この手段では、砥石部の第2の砥石部の平坦化用研磨面,面取り用研磨面の摩耗に対応して複数面を切換使用することで、スピンドルへの交換作業が不要となってスピンドルへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの外周端面に沿って移動させてワークの外周端面を平坦化,面取りして研磨処理することができ、砥石部の第2の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの窓孔に進入させワークの内周端面に沿って移動させてワークの内周端面を平坦化,面取りして研磨処理することができるようにし、砥石部の第1の砥石部を第2の砥石部のワークの窓孔への進入に邪魔にならない位置に配置し、砥石部の第2の砥石部を第1の砥石部のワークの外周端面に沿った移動の邪魔にならない位置に配置しているため、ワークの形状にかかわりなくワークの切断面である外周端面,内周端面を自動的に研磨処理することを可能にする効果がある。
以下、本発明に係る研磨用工具を実施するための最良の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明に係る研磨用工具を実施するための最良の形態の第1例を示すものである。
第1例では、厚さ1mm程度のガラス板からなるワークWを研磨処理の対象とするものを示してある。
第1例は、図1に示すように、軸部1と軸部1の先端部に設けられた砥石部2とからなる。
軸部1,砥石部2は、棒状の金属材(例えば、ステンレス材)から切削加工されて一体的に形成されている。従って、軸部1,砥石部2の間で組付誤差が生ずることがなく、極めて高い製品精度が確保されている。
軸部1は、円柱体からなるもので、チャックCに挿入保持されスピンドルSによって回転駆動される。なお、スピンドルSは、NC制御によってチャックCに軸部1を挿入保持した状態で3次元方向に移動される。
砥石部2は、軸部1よりも大径のほぼ円柱体の第1の砥石部21と、軸部1よりも小径のほぼ円柱体の第2の砥石部22とからなるもので、表面に電着技術によって砥粒(例えば、ダイヤモンド,CBN)が積層されている。電着技術は、電気メッキによるニッケル(Ni)等のメッキ層に砥粒を埋込むような格好で定着させるもので、台金の複雑な形状にメッキ層,砥粒の膜を被覆するようにして微小なワークWの研磨に要求される平面精度を確保することができる特徴がある。
砥石部2の第1の砥石部21は、軸部1と同軸中心線上の軸部1に近い側に位置され、ワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waの破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面211と、ワークWの外周端面Waと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする面取り用研磨面212とを備えている。平坦化用研磨面211は、ワークWの外周端面Waに当接される平坦な円周面に形成されている。この平坦化用研磨面211の軸方向の幅aは、ワークWの複数枚分の厚さに相当している。面取り用研磨面212は、ほぼ90度の角度θで突合わされワークWの外周端面Waと表面Wb,裏面Wcとの角部にそれぞれ当接される2つの面取り面212a,212bでV字形の溝に形成されている。この面取り用研磨面212は、軸方向に複数段が隣接されている。
砥石部2の第2の砥石部22は、軸部1と同軸中心線上の第1の砥石部21を介した軸部1から離れた側に位置され、ワークWに開孔された窓孔Hの切断面である内周端面Weの破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面221と、ワークWの内周端面Weと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする面取り用研磨面222とを備えている。平坦化用研磨面221は、ワークWの内周端面Weに当接される平坦な円周面に形成されている。この平坦化用研磨面221の軸方向の幅bは、ワークWの1枚分の厚さにほぼ相当している。面取り用研磨面212は、ほぼ90度の角度θで突合わされワークWの内周端面Weと表面Wb,裏面Wcとの角部にそれぞれ当接される2つの面取り面222a,222bと面取り面222a,222bに交差する底面222cとで有底のV字形の溝に形成されている。この面取り用研磨面222は、軸方向に1段が設けられている。
砥石部2の第2の砥石部22については、棒状の金属材から切削加工されて表面に電着技術によって砥粒が積層されることから、ワークWに開孔された小さな窓孔Hに対応した微細な形状設定が可能である。
第1例によると、ワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waを研磨処理する場合、図4に示される作業が実行される。
即ち、図4(A)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの外周端面Waに対して、NC制御によって砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211が当接される位置にスピンドルSが移動される。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの外周端面Waに沿って移動させ、ワークWの外周端面Waの破断粗面を平坦化させる。なお、繰返し使用によって砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211のワークWの外周端面Waに当接される部分が摩耗した場合には、NC制御によってスピンドルSを軸方向に移動させて、砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211の未使用部分(未摩耗部分)をワークWの外周端面Waに当接させることになる。このため、長期の使用でもスピンドルSへの交換作業が不要となって、スピンドルSへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
続いて、図4(B)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの外周端面Waに対して、NC制御によって砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212が当接される位置にスピンドルSが移動される。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの外周端面Waに沿って移動させ、ワークWの外周端面Waと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、繰返し使用によって砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212のワークWの外周端面Waに当接される部分(面取り面212a,212b)が摩耗した場合には、NC制御によってスピンドルSを軸方向に移動させて、砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212の未使用段(未摩耗段)をワークWの外周端面Waに当接させることになる。このため、長期の使用でもスピンドルSへの交換作業が不要となって、スピンドルSへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
また、ワークWに開孔された窓孔Hの切断面である内周端面Weを研磨処理する場合、図5に示される作業が実行される。
即ち、図5(A)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの内周端面Weに対して、NC制御によって砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221が当接される位置にスピンドルSが移動される。このとき、砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221がワークWに開孔された窓孔Hに進入されていることになる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weの破断粗面を平坦化させる。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。
続いて、図5(B)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの内周端面Weに対して、NC制御によって砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222が当接される位置にスピンドルSが移動される。このとき、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222がワークWに開孔された窓孔Hに進入されていることになる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。また、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222の底面222cは、研磨粉が放水される研磨液で流出されるようにして面取り面222a,222bの間に目詰まりするのを防止する。
この砥石部2の第2の砥石部22の研磨処理では、第2の砥石部22が微小構造であっても第1の砥石部21,軸部1と一体化されているため、第2の砥石部22が変形,折損するようなことはない。
この結果、砥石部2の第1の砥石部21をスピンドルSで回転駆動してワークWの外周端面Waに沿って移動させてワークWの外周端面Waを平坦化,面取りして研磨処理する際に、砥石部2の第2の砥石部22が第1の砥石部21のワークWの外周端面Waに沿った移動の邪魔にならない位置に配置されていることになる。また、砥石部2の第2の砥石部22をスピンドルSで回転駆動してワークWの窓孔Hに進入させワークWの内周端面Weに沿って移動させてワークWの内周端面Weを平坦化,面取りして研磨処理する際に、砥石部2の第1の砥石部21が第2の砥石部22のワークWの窓孔Hへの進入に邪魔にならない位置に配置されていることになる。従って、ワークWの形状にかかわりなく、ワークWの切断面である外周端面Wa,内周端面Weを自動的に研磨処理することを可能にすることができる。
図5は、本発明に係る研磨用工具を実施するための最良の形態の第2例を示すものである。
第2例は、砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212にも第2の砥石部22の面取り用研磨面222の底面222cと同様の底面212cを設けるとともに、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222を複数段設けている。
第2例によると、ワークWの厚さが1mm以下の極めて薄性の場合に摩耗粉の目詰まりの防止に有効である。また、ワークWに開孔された窓孔Hの個数が複数である等によって内周端面Weの面積が大きな場合に、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222の研磨位置の切換えが可能になる。
以上、図示した各例の外に、砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221の軸方向の幅を長く設定して研磨位置の切換えを可能にすることもできる。
本発明に係る研磨用工具は、ワークWとしてガラス板以外の金属板等も対象とすることが可能である。
1 軸部
2 砥石部
21 第1の砥石部
211 平坦化用研磨面
212 面取り用研磨面
22 第2の砥石部
221 平坦化用研磨面
222 面取り用研磨面
H 窓孔
W ワーク
Wa 外周端面
Wb 表面
Wc 裏面
Wd 傾斜面
We 内周端面
2 砥石部
21 第1の砥石部
211 平坦化用研磨面
212 面取り用研磨面
22 第2の砥石部
221 平坦化用研磨面
222 面取り用研磨面
H 窓孔
W ワーク
Wa 外周端面
Wb 表面
Wc 裏面
Wd 傾斜面
We 内周端面
即ち、本発明に係る研磨用工具では、スピンドルに取付けられて回転駆動される軸部と、軸部の先端部に設けられた砥石部とからなる研磨用工具において、砥石部は軸部と同軸中心線上の軸部に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部と軸部と同軸中心線上の第1の砥石部を介して軸部から離れた側に位置された相対的に小径のほぼ円柱体の第2の砥石部とを備え、第1の砥石部はワークの形状外郭線となった切断面である外周端面の破断粗面を平坦化する第1の平坦化用研磨面と、外周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りする第1の面取り用研磨面とを備え、第1の平坦化用研磨面は同軸中心線と平行な円周面で形成されるとともに軸方向の幅がワーク複数枚の厚さに形成され、第2の砥石部はワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面の破断粗面を平坦化する第2の平坦化用研磨面と、内周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りする第2の面取り用研磨面とを備え、第2の平坦化用研磨面は同軸中心線と平行な円周面で形成されるとともに軸方向の幅がワーク1枚分の厚さに形成されていることを特徴とする。
本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの外周端面に沿って移動させてワークの外周端面を第1の平坦化用研磨面で平坦な円周面に研磨し、第1の面取り用研磨面で面取り研磨することができ、砥石部の第2の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの窓孔に進入させワークの内周端面に沿って移動させてワークの内周端面を第2の平坦化用研磨面で平坦な円周面に研磨し、第2の面取り用研磨面で面取り研磨できるようにし、第1の砥石部に第1の平坦化用研磨面と第1の面取り用研磨面とを備えると同時に第2の砥石部に第2の平坦化用研磨面と第2の面取り用研磨面とを備えるようにしたので、ワークの切断面である外周端面、内周端面のそれぞれの平坦面研磨と面取り研磨を自動的に処理することを可能にする効果がある。
また、繰返し使用によって第1の砥石部の第1の平坦化用研磨面が摩耗した場合には、スピンドルを軸方向に移動させて未使用部分をワークの外周端面に当接させることができ、一方、第2の砥石部の第2の平坦化用研磨面では内周端面の研磨量が少ないために軸方向の幅をワーク1枚分にでき、ワークの外周と内周の研磨処理の邪魔となることなく効率よく行え、第2の砥石部が微小構造であっても変形や折損することがない効果がある。
また、繰返し使用によって第1の砥石部の第1の平坦化用研磨面が摩耗した場合には、スピンドルを軸方向に移動させて未使用部分をワークの外周端面に当接させることができ、一方、第2の砥石部の第2の平坦化用研磨面では内周端面の研磨量が少ないために軸方向の幅をワーク1枚分にでき、ワークの外周と内周の研磨処理の邪魔となることなく効率よく行え、第2の砥石部が微小構造であっても変形や折損することがない効果がある。
第1例によると、ワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waを研磨処理する場合、図3および図4に示される作業が実行される。
即ち、図3(A)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの外周端面Waに対して、NC制御によって砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211が当接される位置にスピンドルSが移動される。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの外周端面Waに沿って移動させ、ワークWの外周端面Waの破断粗面を平坦化させる。なお、繰返し使用によって砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211のワークWの外周端面Waに当接される部分が摩耗した場合には、NC制御によってスピンドルSを軸方向に移動させて、砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211の未使用部分(未摩耗部分)をワークWの外周端面Waに当接させることになる。このため、長期の使用でもスピンドルSへの交換作業が不要となって、スピンドルSへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
続いて、図3(B)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの外周端面Waに対して、NC制御によって砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212が当接される位置にスピンドルSが移動される。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの外周端面Waに沿って移動させ、ワークWの外周端面Waと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、繰返し使用によって砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212のワークWの外周端面Waに当接される部分(面取り面212a,212b)が摩耗した場合には、NC制御によってスピンドルSを軸方向に移動させて、砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212の未使用段(未摩耗段)をワークWの外周端面Waに当接させることになる。このため、長期の使用でもスピンドルSへの交換作業が不要となって、スピンドルSへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
また、ワークWに開孔された窓孔Hの切断面である内周端面Weを研磨処理する場合、図4に示される作業が実行される。
即ち、図4(A)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの内周端面Weに対して、NC制御によって砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221が当接される位置にスピンドルSが移動される。このとき、砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221がワークWに開孔された窓孔Hに進入されていることになる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weの破断粗面を平坦化させる。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。
続いて、図4(B)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの内周端面Weに対して、NC制御によって砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222が当接される位置にスピンドルSが移動される。このとき、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222がワークWに開孔された窓孔Hに進入されていることに
なる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。また、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222の底面222cは、研磨粉が放水される研磨液で流出されるようにして面取り面222a,222bの間に目詰まりするのを防止する。
なる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weと表面Wb,裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。また、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222の底面222cは、研磨粉が放水される研磨液で流出されるようにして面取り面222a,222bの間に目詰まりするのを防止する。
本発明は、薄板状のワークの切断面を研磨処理する際に使用される研磨用工具に係る技術分野に属する。
最近、携帯用通信端末機、携帯用ゲーム機等の表示部を高精細な表示機能を維持して薄性化するために、表示部の表示画面に使用されるガラス板にも薄性化の要請が強くなってきている。このガラス板については、一定の大きさのガラス原板から液体の噴射を利用した切断技術によって材料取りされるようになってきているが、強度を高め光の乱反射を防止するために切断面を研磨処理することが要求される。
切断面の研磨処理は、図6に示すように、ガラス板であるワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waに沿って回転する砥石Dを移動させる自動化された装置によって行われている。具体的には、砥石Dがスピンドルの先端部に取付けられて回転駆動され、スピンドルをNC制御で移動させる装置構成となっている。この研磨処理では、図7に示すように、ワークWの外周端面Waの破断粗面が平坦化された後、ワークWの外周端面Waと表面Wb、裏面Wcとの角部が傾斜面Wdに面取りされる。なお、平坦化、面取りの研磨処理については、砥石DのワークWへの対面角度を変更したり、砥石Dを円柱体から溝付き円柱体に交換したりすることで対応している。
然しながら、図6及び図7に示すように、ワークWに小さな窓孔(抜孔)Hが開孔されている場合、窓孔Hの切断面である内周端面Weを研磨処理する自動化された装置が開発されていないことから、内周端面Weを手動の工具で研磨処理している状況がある。このため、窓孔Hの内周端面Weの研磨処理をも自動化することのできる技術の開発が要望されている。
従来、窓孔Hの内周端面Weの研磨処理をも自動化することを指向した技術としては、例えば、以下に記載のものが知られている。
特開2005−59194号公報
特許文献1には、内周面にワークWの外周端面Waを研磨処理する研磨面が設けられたカップ形の第1の研磨部と、外周面にワークWの内周端面Weを研磨処理する研磨面が設けられた円柱形の第2の研磨部とを備え、第2の研磨部が第1の研磨部の軸中心に配置された研磨用工具が記載されている。
特許文献1に係る研磨用工具は、ドーナッツ形のディスクからなるワークWを対象として前述の砥石Dに対応したもので、第1の研磨部の研磨面がワークWの外周よりも大径に形成され、第2の研磨部の研磨面がワークWの内周よりも小径に形成されて、回転によりワークWの外周端面Wa、内周端面Weを同時に研磨処理するものである。
特許文献1に係る研磨用工具では、研磨処理の対象であるワークWがドーナッツ形のディスクである場合に限定されてしまい汎用性がないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、ワークの形状にかかわりなくワークの切断面である外周端面、内周端面を自動的に研磨処理することを可能にする研磨用工具を提供することを課題とする。
前述の課題を解決するため、本発明に係る研磨用工具は、NC制御によって3次元方向に移動されるスピンドルに取付けられて回転駆動される軸部と、軸部の先端部に設けられた砥石部とからなる研磨用工具において、砥石部は軸部と同軸中心線上の軸部に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部と軸部と同軸中心線上の第1の砥石部を介して軸部から離れた側に位置された相対的に小径で軸部よりも小径のほぼ円柱体の第2の砥石部とを備え、第1の砥石部はワークの形状外郭線となった切断面である外周端面に沿って移動され外周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と、外周端面の破断粗面の平坦化の後に外周端面に沿って移動され外周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備え、第1の砥石部の平坦化用研磨面は同軸中心線と平行な円周面で形成されるとともに軸方向の幅がワークの複数枚分の厚さに形成され、第1の砥石部の面取り用研磨面は軸方向に複数段が隣接され、第2の砥石部はワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面に沿って移動され内周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と、内周端面の破断粗面の平坦化の後に内周端面に沿って移動され内周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備え、第2の砥石部の平坦化用研磨面は同軸中心線と平行な円周面で形成されていることを特徴とする。
この手段では、砥石部の第1の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの外周端面に沿って移動させてワークの外周端面を平坦化、面取りされ、砥石部の第2の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの窓孔に進入させワークの内周端面に沿って移動させてワークの内周端面を平坦化、面取りできるようにし、砥石部の第1の砥石部を第2の砥石部のワークの窓孔への進入に邪魔にならない位置に配置し、砥石部の第2の砥石部を第1の砥石部のワークの外周端面に沿った移動の邪魔にならない位置に配置している。また、第1の砥石部は平坦化用研磨面と面取り用研磨面の摩耗に対応して複数面を切換使用される。
本発明に係る研磨用工具は、砥石部が軸部と同軸中心線上の軸部に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部と軸部と同軸中心線上の第1の砥石部を介して軸部から離れた側に位置された相対的に小径で軸部よりも小径のほぼ円柱体の第2の砥石部とを備え、第1の砥石部はワークの形状外郭線となった切断面である外周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と、破断粗面の平坦化の後に外周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備え、第1の砥石部の平坦化用研磨面は同軸中心線と平行な円周面で形成されるとともに軸方向の幅がワークの複数枚分の厚さに形成され、第1の砥石部の面取り用研磨面は軸方向に複数段が隣接され、第2の砥石部はワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と、破断粗面の平坦化の後に内周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備え、第2の砥石部の平坦化用研磨面は同軸中心線と平行な円周面で形成される構成として提供することができる。
その結果、本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの外周端面に沿って移動させてワークの外周端面を平坦化研磨面で平坦化した後に、外周端面に沿って移動させ面取り用研磨面で外周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りして研磨処理することができ、砥石部の第2の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの窓孔の切断面である内周端面に沿って移動させ内周端面の破断粗面を平坦化用研磨面で平坦化した後に、内周端面に沿って移動させ面取り用研磨面で内周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りして研磨処理することができる。
また、本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部(平坦化研磨面、面取り用研磨面)を第2の砥石部のワークの窓孔への進入に邪魔にならない位置に配置し、砥石部の第2の砥石部(平坦化研磨面、面取り用研磨面)を第1の砥石部のワークの外周端面に沿った移動の邪魔にならない位置に配置しているため、ワークの形状にかかわりなくワークの切断面である外周端面、内周端面を自動的に研磨処理することを可能にする効果がある。
さらに、本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部の平坦化用研磨面の摩耗に対応して幅方向の幅をワーク複数枚分の厚さとし、面取り用研磨面の摩耗に対応して複数段を隣接しているので、外周端面の破断粗面の平坦化とこれに続く面取りを交換作業なく使用でき、スピンドルへの交換作業が不要となってスピンドルへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される効果がある。
その結果、本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの外周端面に沿って移動させてワークの外周端面を平坦化研磨面で平坦化した後に、外周端面に沿って移動させ面取り用研磨面で外周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りして研磨処理することができ、砥石部の第2の砥石部をスピンドルで回転駆動してワークの窓孔の切断面である内周端面に沿って移動させ内周端面の破断粗面を平坦化用研磨面で平坦化した後に、内周端面に沿って移動させ面取り用研磨面で内周端面と表面、裏面との角部を傾斜面に面取りして研磨処理することができる。
また、本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部(平坦化研磨面、面取り用研磨面)を第2の砥石部のワークの窓孔への進入に邪魔にならない位置に配置し、砥石部の第2の砥石部(平坦化研磨面、面取り用研磨面)を第1の砥石部のワークの外周端面に沿った移動の邪魔にならない位置に配置しているため、ワークの形状にかかわりなくワークの切断面である外周端面、内周端面を自動的に研磨処理することを可能にする効果がある。
さらに、本発明に係る研磨用工具は、砥石部の第1の砥石部の平坦化用研磨面の摩耗に対応して幅方向の幅をワーク複数枚分の厚さとし、面取り用研磨面の摩耗に対応して複数段を隣接しているので、外周端面の破断粗面の平坦化とこれに続く面取りを交換作業なく使用でき、スピンドルへの交換作業が不要となってスピンドルへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される効果がある。
以下、本発明に係る研磨用工具を実施するための最良の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明に係る研磨用工具を実施するための最良の形態の第1例を示すものである。
第1例では、厚さ1mm程度のガラス板からなるワークWを研磨処理の対象とするものを示してある。
第1例は、図1に示すように、軸部1と軸部1の先端部に設けられた砥石部2とからなる。
軸部1、砥石部2は、棒状の金属材(例えば、ステンレス材)から切削加工されて一体的に形成されている。従って、軸部1、砥石部2の間で組付誤差が生ずることがなく、極めて高い製品精度が確保されている。
軸部1は、円柱体からなるもので、チャックCに挿入保持されスピンドルSによって回転駆動される。なお、スピンドルSは、NC制御によってチャックCに軸部1を挿入保持した状態で3次元方向に移動される。
砥石部2は、軸部1よりも大径のほぼ円柱体の第1の砥石部21と、軸部1よりも小径のほぼ円柱体の第2の砥石部22とからなるもので、表面に電着技術によって砥粒(例えば、ダイヤモンド、CBN)が積層されている。電着技術は、電気メッキによるニッケル(Ni)等のメッキ層に砥粒を埋込むような格好で定着させるもので、台金の複雑な形状にメッキ層、砥粒の膜を被覆するようにして微小なワークWの研磨に要求される平面精度を確保することができる特徴がある。
砥石部2の第1の砥石部21は、軸部1と同軸中心線上の軸部1に近い側に位置され、ワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waの破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面211と、ワークWの外周端面Waと表面Wb、裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする面取り用研磨面212とを備えている。平坦化用研磨面211は、ワークWの外周端面Waに当接される平坦な円周面に形成されている。この平坦化用研磨面211の軸方向の幅aは、ワークWの複数枚分の厚さに相当している。面取り用研磨面212は、ほぼ90度の角度θで突合わされワークWの外周端面Waと表面Wb、裏面Wcとの角部にそれぞれ当接される2つの面取り面212a、212bでV字形の溝に形成されている。この面取り用研磨面212は、軸方向に複数段が隣接されている。
砥石部2の第2の砥石部22は、軸部1と同軸中心線上の第1の砥石部21を介した軸部1から離れた側に位置され、ワークWに開孔された窓孔Hの切断面である内周端面Weの破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面221と、ワークWの内周端面Weと表面Wb、裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする面取り用研磨面222とを備えている。平坦化用研磨面221は、ワークWの内周端面Weに当接される平坦な円周面に形成されている。この平坦化用研磨面221の軸方向の幅bは、ワークWの1枚分の厚さにほぼ相当している。面取り用研磨面212は、ほぼ90度の角度θで突合わされワークWの内周端面Weと表面Wb、裏面Wcとの角部にそれぞれ当接される2つの面取り面222a、222bと面取り面222a、222bに交差する底面222cとで有底のV字形の溝に形成されている。この面取り用研磨面222は、軸方向に1段が設けられている。
砥石部2の第2の砥石部22については、棒状の金属材から切削加工されて表面に電着技術によって砥粒が積層されることから、ワークWに開孔された小さな窓孔Hに対応した微細な形状設定が可能である。
第1例によると、ワークWの形状外郭線となった切断面である外周端面Waを研磨処理する場合、図3に示される作業が実行される。
即ち、図3(A)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの外周端面Waに対して、NC制御によって砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211が当接される位置にスピンドルSが移動される。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの外周端面Waに沿って移動させ、ワークWの外周端面Waの破断粗面を平坦化させる。なお、繰返し使用によって砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211のワークWの外周端面Waに当接される部分が摩耗した場合には、NC制御によってスピンドルSを軸方向に移動させて、砥石部2の第1の砥石部21の平坦化用研磨面211の未使用部分(未摩耗部分)をワークWの外周端面Waに当接させることになる。このため、長期の使用でもスピンドルSへの交換作業が不要となって、スピンドルSへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
続いて、図3(B)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの外周端面Waに対して、NC制御によって砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212が当接される位置にスピンドルSが移動される。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの外周端面Waに沿って移動させ、ワークWの外周端面Waと表面Wb、裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、繰返し使用によって砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212のワークWの外周端面Waに当接される部分(面取り面212a、212b)が摩耗した場合には、NC制御によってスピンドルSを軸方向に移動させて、砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212の未使用段(未摩耗段)をワークWの外周端面Waに当接させることになる。このため、長期の使用でもスピンドルSへの交換作業が不要となって、スピンドルSへの取付けの精度出しの煩雑さが解消される。
また、ワークWに開孔された窓孔Hの切断面である内周端面Weを研磨処理する場合、図4に示される作業が実行される。
即ち、図4(A)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの内周端面Weに対して、NC制御によって砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221が当接される位置にスピンドルSが移動される。このとき、砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221がワークWに開孔された窓孔Hに進入されていることになる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weの破断粗面を平坦化させる。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。
続いて、図4(B)に示すように、載置台Bに吸着手段等によって固定されたワークWの内周端面Weに対して、NC制御によって砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222が当接される位置にスピンドルSが移動される。このとき、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222がワークWに開孔された窓孔Hに進入されていることになる。そして、そのままNC制御によって砥石部2(軸部1)を回転駆動するスピンドルSをワークWの内周端面Weに沿って移動させ、ワークWの内周端面Weと表面Wb、裏面Wcとの角部を傾斜面Wdに面取りする。なお、ワークWの内周端面Weの面積が外周端面Waの面積よりも狭く研磨量が少ないため、砥石部2の第1の砥石部21のような研磨位置の切換えは不要である。また、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222の底面222cは、研磨粉が放水される研磨液で流出されるようにして面取り面222a、222bの間に目詰まりするのを防止する。
この砥石部2の第2の砥石部22の研磨処理では、第2の砥石部22が微小構造であっても第1の砥石部21、軸部1と一体化されているため、第2の砥石部22が変形、折損するようなことはない。
この結果、砥石部2の第1の砥石部21をスピンドルSで回転駆動してワークWの外周端面Waに沿って移動させてワークWの外周端面Waを平坦化、面取りして研磨処理する際に、砥石部2の第2の砥石部22が第1の砥石部21のワークWの外周端面Waに沿った移動の邪魔にならない位置に配置されていることになる。また、砥石部2の第2の砥石部22をスピンドルSで回転駆動してワークWの窓孔Hに進入させワークWの内周端面Weに沿って移動させてワークWの内周端面Weを平坦化、面取りして研磨処理する際に、砥石部2の第1の砥石部21が第2の砥石部22のワークWの窓孔Hへの進入に邪魔にならない位置に配置されていることになる。従って、ワークWの形状にかかわりなく、ワークWの切断面である外周端面Wa、内周端面Weを自動的に研磨処理することを可能にすることができる。
図5は、本発明に係る研磨用工具を実施するための最良の形態の第2例を示すものである。
第2例は、砥石部2の第1の砥石部21の面取り用研磨面212にも第2の砥石部22の面取り用研磨面222の底面222cと同様の底面212cを設けるとともに、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222を複数段設けている。
第2例によると、ワークWの厚さが1mm以下の極めて薄性の場合に摩耗粉の目詰まりの防止に有効である。また、ワークWに開孔された窓孔Hの個数が複数である等によって内周端面Weの面積が大きな場合に、砥石部2の第2の砥石部22の面取り用研磨面222の研磨位置の切換えが可能になる。
以上、図示した各例の外に、砥石部2の第2の砥石部22の平坦化用研磨面221の軸方向の幅を長く設定して研磨位置の切換えを可能にすることもできる。
本発明に係る研磨用工具は、ワークWとしてガラス板以外の金属板等も対象とすることが可能である。
1 軸部
2 砥石部
21 第1の砥石部
211 平坦化用研磨面
212 面取り用研磨面
22 第2の砥石部
221 平坦化用研磨面
222 面取り用研磨面
H 窓孔
W ワーク
Wa 外周端面
Wb 表面
Wc 裏面
Wd 傾斜面
We 内周端面
2 砥石部
21 第1の砥石部
211 平坦化用研磨面
212 面取り用研磨面
22 第2の砥石部
221 平坦化用研磨面
222 面取り用研磨面
H 窓孔
W ワーク
Wa 外周端面
Wb 表面
Wc 裏面
Wd 傾斜面
We 内周端面
Claims (4)
- スピンドルに取付けられて回転駆動される軸部と、軸部の先端部に設けられた砥石部とからなる研磨用工具において、砥石部は軸部と同軸中心線上の軸部に近い側に位置された相対的に大径のほぼ円柱体の第1の砥石部と軸部と同軸中心線上の第1の砥石部を介して軸部から離れた側に位置された相対的に小径のほぼ円柱体の第2の砥石部とを備え、第1の砥石部はワークの形状外郭線となった切断面である外周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と外周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備え、第2の砥石部はワークに開孔された窓孔の切断面である内周端面の破断粗面を平坦化する平坦化用研磨面と内周端面と表面,裏面との角部を傾斜面に面取りする面取り用研磨面とを備えていることを特徴とする研磨用工具。
- 請求項1の研磨用工具において、軸部と砥石部とは金属材で一体的に形成され、砥石部は表面に砥粒が電着により積層されていることを特徴とする研磨用工具。
- 請求項1または2の研磨用工具において、砥石部の第1の砥石部は平坦化用研磨面,面取り用研磨面が複数面設けられていることを特徴とする研磨用工具。
- 請求項1〜3のいずれかの研磨用工具において、砥石部の第2の砥石部は平坦化用研磨面,面取り用研磨面が複数面設けられていることを特徴とする研磨用工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008157263A JP2009297862A (ja) | 2008-06-16 | 2008-06-16 | 研磨用工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008157263A JP2009297862A (ja) | 2008-06-16 | 2008-06-16 | 研磨用工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009297862A true JP2009297862A (ja) | 2009-12-24 |
Family
ID=41545291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008157263A Ceased JP2009297862A (ja) | 2008-06-16 | 2008-06-16 | 研磨用工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009297862A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014108480A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Noritake Co Ltd | 薄板ガラス用端面研磨工具 |
JP2014108479A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Noritake Co Ltd | 薄板ガラス加工工具及びその製造方法 |
JP2014108478A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Noritake Co Ltd | 薄板ガラス用端面研磨工具 |
CN104227557A (zh) * | 2014-08-18 | 2014-12-24 | 江西合力泰科技有限公司 | 一种磨ogs凹形听筒孔的专用磨头 |
CN108581743A (zh) * | 2018-05-24 | 2018-09-28 | 永州市福星电子科技有限公司 | 一种盖板玻璃叠片加工方法 |
CN109016169A (zh) * | 2018-09-30 | 2018-12-18 | 广州汇专工具有限公司 | 一种磨砂打孔工具 |
CN109571183A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-04-05 | 温州市华晖汽摩配件厂(普通合伙) | 一种镜片磨边机用自出水多弧度镜片玻璃倒边磨头 |
-
2008
- 2008-06-16 JP JP2008157263A patent/JP2009297862A/ja not_active Ceased
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014108480A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Noritake Co Ltd | 薄板ガラス用端面研磨工具 |
JP2014108479A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Noritake Co Ltd | 薄板ガラス加工工具及びその製造方法 |
JP2014108478A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Noritake Co Ltd | 薄板ガラス用端面研磨工具 |
CN104227557A (zh) * | 2014-08-18 | 2014-12-24 | 江西合力泰科技有限公司 | 一种磨ogs凹形听筒孔的专用磨头 |
CN108581743A (zh) * | 2018-05-24 | 2018-09-28 | 永州市福星电子科技有限公司 | 一种盖板玻璃叠片加工方法 |
CN109016169A (zh) * | 2018-09-30 | 2018-12-18 | 广州汇专工具有限公司 | 一种磨砂打孔工具 |
CN109571183A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-04-05 | 温州市华晖汽摩配件厂(普通合伙) | 一种镜片磨边机用自出水多弧度镜片玻璃倒边磨头 |
CN109571183B (zh) * | 2018-11-30 | 2024-02-20 | 温州市华晖汽摩配件厂(普通合伙) | 一种镜片磨边机用自出水多弧度镜片玻璃倒边磨头 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009297862A (ja) | 研磨用工具 | |
JP4252093B2 (ja) | 円盤状基板の研削方法、研削装置 | |
WO2014061423A1 (ja) | 砥石およびそれを用いた研削・研磨装置 | |
JP2010076013A (ja) | 回転砥石の研磨方法および研磨装置、並びに研削砥石およびこれを用いた研削装置 | |
JP2000254845A (ja) | ウエーハのノッチ溝の面取り方法及びウエーハ | |
JP7128309B2 (ja) | 面取り基板の製造方法及びそれに用いられる面取り装置 | |
JP6145548B1 (ja) | 面取り研削方法及び面取り研削装置 | |
JP5006011B2 (ja) | 円板状基板の製造方法 | |
JP4905238B2 (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板の研磨方法 | |
JPWO2013027243A1 (ja) | ベベリング砥石 | |
JP6608604B2 (ja) | 面取り加工された基板及び液晶表示装置の製造方法 | |
JP2012143852A (ja) | ガラスディスクの製造装置 | |
JP2022047538A (ja) | 面取り研削方法及び面取り研削装置 | |
JP2010042453A (ja) | ダイシング装置及びブレード先端形状形成方法 | |
JP6590049B2 (ja) | 板状物の端面加工装置 | |
CN104761136A (zh) | 玻璃基板的切割方法以及磁记录介质用玻璃基板的制造方法 | |
JP6609847B2 (ja) | 板状物の端面加工装置 | |
JP2010211882A (ja) | 磁気記録媒体用円盤状基板の研削装置、円盤状基板の製造方法および円盤状基板の研削用砥石 | |
US20200324387A1 (en) | Dressing tool | |
JP3115420U (ja) | 立軸平面研削用セグメント形砥石 | |
JP2006123018A (ja) | 面取り加工装置 | |
JPH10230443A (ja) | レンズの芯取り加工方法および装置 | |
JP2009279679A (ja) | 面取り加工部材、面取り加工装置、面取り加工方法、ガラスディスク材、磁気記録媒体用ガラス基板並びに磁気記録媒体 | |
JP4785822B2 (ja) | 球体加工用ビトリファイド砥石の溝成形方法 | |
JP4682436B2 (ja) | 微細凹凸加工方法および微細凹凸加工装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20091016 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101109 |
|
A045 | Written measure of dismissal of application |
Effective date: 20110426 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045 |