JP7113456B2 - 研削装置及び研削方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成31年2月28日ハイライフプラザいたばしにおいて開催された砥粒加工学会で公開
本発明は、表面に複数の砥粒を有する研削回転体を用いた研削装置及び研削方法に関する。
従来、多種多様な金属加工物等の成形のために研削加工をすることが行われている。
研削加工の方法の一つに、ヘリカルスキャン研削法があり、これに関する従来技術が特許文献1によって開示されている。
特開平8-206957号公報
ヘリカルスキャン研削法は、比較的粗粒の研削砥石を使用しても、砥粒間隔を実質的に狭めることができるため、研削加工面の面粗さを向上させることができる。
しかしながら、ヘリカルスキャン研削法であっても、研削加工面の面粗さを十分に向上させることが難しい場合がある。例えば、狭小部を研削するような場合等において、かなり径の小さな研削回転体を使用せざるを得ない場合がある。このように小径の研削回転体の場合、その表面に形成される砥粒の数も限られたものとなる。これは、結果として、上記したヘリカルスキャン研削法における特徴である“砥粒間隔を狭める”と反対の効果を与えることになる。即ち、小径=小さい表面積の研削回転体である場合、研削回転体が1回転することによって研削面に当たる砥粒の数が少なくなるため、その意味で砥粒密度が低いのと同義となり、よって砥粒間隔が実質的に広がる結果となる。
従って、かなり小径の研削回転体を使用する場合、ヘリカルスキャン研削法であっても、研削加工面の面粗さを十分に向上させることが難しい。
微粒砥石を用いれば、小径の研削回転体であっても砥粒の数を増やすことは可能であるが、粒度が細かすぎると加工能率が著しく低下するという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑み、表面に複数の砥粒を有する研削回転体を用いた研削装置及び研削方法であって、研削回転体の粒度に対し、より細かい表面粗さの研削加工面を得ることが可能な、研削装置及び研削方法を提供することを目的とする。
(構成1)
表面に複数の砥粒を有する研削回転体と、研削対象と前記研削回転体を相対的に移動させる送り機構と、前記研削対象の研削面に対する前記砥粒の軌跡が、前記送り機構による送り方向に対して傾斜し、且つ、左右に変位しながら移動した軌跡となるように動作させる砥粒軌跡制御機構と、を備えることを特徴とする研削装置。
(構成2)
表面に複数の砥粒を有する研削回転体と、研削対象と前記研削回転体を相対的に移動させる送り機構と、前記送り機構による送り方向と前記研削回転体の回転軸が直交しないように、前記回転軸を支持する支持部と、前記研削回転体を、前記研削対象の研削面に対して平行な方向に振動させる振動機構と、を備えることを特徴とする研削装置。
(構成3)
前記振動の振幅を制御する振幅制御部と、前記研削回転体の回転速度を制御する回転速度制御部と、前記支持部において、前記回転軸の角度を調節可能とする角度変更機構と、を備えることを特徴とする構成2に記載の研削装置。
(構成4)
前記研削回転体を、前記回転軸に沿った方向に振動させることを特徴とする構成2又は3に記載の研削装置。
(構成5)
前記研削回転体が、軸付砥石であることを特徴とする構成1から4の何れかに記載の研削装置。
(構成6)
表面に複数の砥粒を有する研削回転体を用いた研削方法であって、研削対象の研削面に対する前記砥粒の軌跡が、前記研削回転体に対する前記研削対象の送り方向に対して傾斜し、且つ、左右に変位しながら移動した軌跡となるように動作させることを特徴とする研削方法。
(構成7)
表面に複数の砥粒を有する研削回転体を用いた研削方法であって、前記研削回転体を研削対象の研削面に対して平行な方向に振動させつつ、前記研削回転体に対する前記研削対象の送り方向に対して前記研削回転体の回転軸が直交しないようにして、前記研削回転体によって前記研削対象を研削することを特徴とする研削方法。
(構成8)
前記振動の振幅の制御、前記研削回転体の回転速度の制御、前記回転軸の角度の制御、の何れかによって、前記砥粒の軌跡の制御を行うことを特徴とする構成7に記載の研削装置。
(構成9)
前記研削回転体を、前記回転軸に沿った方向に振動させることを特徴とする構成7又は8に記載の研削方法。
(構成10)
前記研削回転体が、軸付砥石であることを特徴とする構成6から9の何れかに記載の研削方法。
本発明の研削装置及び研削方法によれば、研削回転体の粒度に対し、より細かい表面粗さの研削加工面を得ることが可能となる。
本発明に係る実施形態の研削装置の構成の概略を示すブロック図 実施形態の研削装置の研削回転体の動作を説明する模式図 各研削方式によるSS400の研削加工面を示す図 各研削方式における法線研削抵抗の測定結果を示すグラフ 各研削方式によって研削した板厚方向の断面形状の測定結果を示すグラフ 各研削方式によって研削した板厚方向の加工面最大凹凸高さを示すグラフ 砥粒の軌跡に関し、計算結果と実験結果を比較する図 各研削方式による粉末ハイスSKH材の研削加工面を示す図 各研削方式によって研削した板厚方向の加工面最大凹凸高さを示すグラフ 振幅を変更した研削面を比較する図 砥石の外径寸法と砥石円周上の最大作用砥粒数の関係を示すグラフ 単粒の軌跡干渉長さLの推定に関する説明図 単粒の軌跡干渉長さLと砥石径の関係を示すグラフ 砥粒の切れ刃間隔と平均砥粒径の関係を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
本実施形態の研削装置は、比較的粗粒の研削砥石を使用しても、研削加工面の面粗さを向上させることができるものである。
粗粒砥粒では、砥石外周に十分な数の砥粒切れ刃は確保できない。特に、小径の砥石においてこの傾向が顕著となる。図11に、各粒度について、砥石の外径寸法と砥石円周上の最大作用砥粒数の関係を示す。砥粒の分布が理想な状態であっても、砥石径が小さい場合の最大作用砥粒数は100個にも満たない。実際は更に少なくなるのが現状である。例えば、φ3mmで粒度120番の砥石作用面を実際に観察すると、最外周から10μm以内では砥石幅方向1.5mm以内に3箇所しか存在していない。また、砥石に僅かな回転振れがあると、加工に作用する砥石回転方向の砥粒数はさらに減少する。
図12は、砥石外周にある単粒が回転することによって、その切れ刃先端の回転軌跡が、被加工材表面に切り込まれて研削痕が形成されることを想定し、単粒の軌跡干渉長さLを推定したものである。
Lは、実際には砥石が送りによって動いていることから、その砥粒が接触する経路はトロコイド曲線になる。しかし、ここでは、砥粒の最外周軌跡と、被加工材表面が接触した時の弦の長さとして表すことにした。このLの値は、砥石径および切込み深さによって変化するため、砥石径をφ1~4mmに変更し、さらに砥石の切込み深さをa=10μmおよび1μmとした時の値を求めた。算出した結果を図13に示す。単粒の軌跡干渉長さは、0.4mm以下と非常に短いことがわかる。切込み深さが小さく、また、砥石径が小さくなると、単粒の軌跡干渉長さは、さらに短くなる。実際に材料を研削除去する長さはL/2で近似されるため、例えば、φ3mmの砥石で、a=10μmの時の単粒が研削除去する長さは、0.175mm程度である。
ここで、図11で示した粒度の砥石について、その平均砥粒径から、砥石外周に分布する砥粒の切れ刃間隔を求めた。砥粒率を50%とした時の切れ刃間隔の最小値(砥粒に欠落が無く、かつ外周に均一に分散していると仮定)を図14に示す。粒度♯120の砥石を用いた場合の最小切れ刃間隔は、250μm程度であることがわかる。この値は、砥粒が欠落していない理想状態での最小値なので、実際には切れ刃高さの不揃いや砥粒分布ムラなどがあれば、切れ刃間隔は大きくなることが予想される。
以上のごとく、小径の砥石において比較的粗粒の砥粒を用いようとすると、有効な砥粒数が非常に少なくなり、単粒の軌跡干渉長さが短くなり、さらに、切れ刃間隔が大きくなる。これらは効率的で高精度・高品位な加工を得るという目的に対してマイナス要因であり、従来の研削方法では対応が難しいものであった。
本実施形態の研削装置は、このような問題に対し、効率的に研削加工面の面粗さを向上させることができるものである。
図1は、本発明に係る実施形態の研削装置の構成の概略を示すブロック図である。
本実施形態の研削装置1は、表面に複数の砥粒を有する研削回転体13と、当該研削回転体を回転駆動及び回転軸方向に振動させる振動スピンドル駆動部12と、当該振動スピンドル駆動部12を回動可能に支持する支持部14と、研削対象Wを所定位置でチャックさせて移動させるテーブル15と、装置の動作条件や動作状況などを表示するモニタ16と、動作条件の設定などを行う入力部17と、各部の制御を行う制御部11と、を備える。研削回転体13は小径の軸付砥石である。
テーブル15は、3軸方向への送り機構及びこれを駆動する駆動部を有し、制御部11からの制御によって、所定の方向へ所定の速度で研削対象Wを送ることができる。なお、本実施形態では、研削対象Wを移動させる送り機構が備えられているものを例としているが、研削対象Wと研削回転体13を相対的に移動させる送り機構であればよく、研削回転体13の方を移動させる送り機構を備えるものであってもよい。また、送り機構は自動送りの他、手動で送り操作をするもの等であってもよい。
振動スピンドル駆動部12は、研削回転体13を回転及び振動させるための駆動部であり、制御部11からの制御によって、所定の回転速度によって研削回転体13を回転させ、所定の振動周波数及び所定の振幅で、研削回転体13をその回転軸に沿った方向に振動させる。
振動スピンドル駆動部12には、回転数の制御等を行うモータードライバ(回転速度制御部として機能)や、振動の振幅を制御する発振器(振幅制御部として機能)も含まれている。さらに振動の周波数を制御できるものとしてもよい。
振動スピンドル駆動部12は支持部14によって支持されている。支持部14による振動スピンドル駆動部12の支持は、任意の方向及び任意の角度に変えて支持することができるように構成されている(回転軸の角度を調節可能とする角度変更機構)。これにより、テーブル15(送り機構)による研削対象Wの送り方向と研削回転体13の回転軸が直交しないように、振動スピンドル駆動部12(回転軸)を支持することができる。
図2は、研削装置1による研削動作の概略を説明する説明図である。
研削装置1では、テーブル15(送り機構)による研削対象Wの送り方向と研削回転体13の回転軸が直交しないように傾けた状態にて、研削加工が行われる。より詳細には、研削対象Wの研削加工面に対して、研削回転体13の使用面が略平行であり、且つ、研削対象Wの送り方向と研削回転体13の回転軸が直交しないように傾けた状態にて、研削加工が行われる。
上述のごとく、研削回転体13は、その軸方向に振動するため、研削対象Wの研削面に対する砥粒の軌跡は、ジグザグ状であり且つ当該ジグザグ状の軌跡の長手方向が、研削対象Wの送り方向に対して傾斜するような軌跡となる。
図3には、慣用研削法、ヘリカルスキャン研削(HS研削)法、研削装置1の研削法のそれぞれによる、砥粒の軌跡の概念図と、実際の研削面(以下で説明する研削実験による研削面)の写真を示した。
“慣用研削法”は、研削回転体の回転方向と研削対象の送り方向が一致している(回転軸と送り方向が直交している)ものである。この場合、砥粒の回転方向及び研削対象の送り方向が一致しているため、一つの砥粒が描く軌跡は、一直線状となる。より詳細には、研削回転体の1回転で描かれる短い直線状の軌跡が、研削対象が送られることによって、送り方向へ断続的に移動していき、結果、一直線状となる(回転周期に対して送り速度が速い場合には、点線状となる)。
“ヘリカルスキャン研削法”は、研削対象の送り方向に対して、研削回転体の回転方向が傾いているものである。この場合、一つの砥粒が描く軌跡は、研削回転体の1回転で描かれる傾いた短い直線状の軌跡が、研削対象が送られることによって、送り方向へ断続的に移動していき、結果、送り方向に対して傾いた直線が、送り方向に平行に並んだものとなる。
これらに対し、“研削装置1の研削法”では、研削対象の送り方向に対して、研削回転体の回転方向が傾いていることに加え、研削回転体13がその回転軸方向に振動するため、一つの砥粒が描く軌跡は、ジグザグ状となり且つ当該ジグザグ状の軌跡の長手方向(研削回転体の回転方向)が研削対象Wの送り方向に対して傾斜しているものが、送り方向に平行に並んだものとなる。即ち、研削装置1における振動スピンドル駆動部12と、支持部14と、テーブル15は、“研削対象の研削面に対する砥粒の軌跡が、送り機構による送り方向に対して傾斜し、且つ、左右に変位しながら移動した軌跡となるように動作させる砥粒軌跡制御機構”として機能する。
研削装置1の研削法によれば、図3からも理解されるように、砥粒の軌跡を長く且つ広範囲にすることができ、砥粒間隔を実質的に狭めることができるため、比較的粗粒の研削砥石を使用しても、研削加工面の面粗さを向上させることができる。
次に、慣用研削法、ヘリカルスキャン研削(HS研削)法、研削装置1の研削法のそれぞれによる、実際の研削実験及びその結果について説明する。
研削実験は、研削装置1を用いて、板厚1.6mmの鉄鋼材(SS400)の端面の平面プランジ研削をするものとして行った(図2の模式図の通り)。表1に、当該端面研削の実験条件を示した。なお、研削回転体のツルーイングは、表1に示されるように、単石ダイヤモンドドレッサの送り速度を100mm/min、砥石回転数を4000rpmとして行った(各研削法で同一条件)。研削条件におけるHS研削(10°)及び、研削装置1の研削(10°)とは、研削対象の送り方向に対して研削回転体の回転方向を10°傾けているものである。慣用研削においては研削対象の送り方向と研削回転体の回転方向が一致しているもの(0°)となる。
Figure 0007113456000001
各研削方式(慣用研削法、HS研削法、研削装置1の研削法)によって表1の条件で1pass加工した際の、法線研削抵抗の推移を図4に示す。研削抵抗は3分力動力計により測定した。
慣用研削法、HS研削法に比べて研削装置1の研削法では法線研削抵抗が大幅に低減して、加工中の抵抗ばらつきも小さくなることが分かった。これは接線研削抵抗も同様な結果であった。
研削装置1の研削法によれば、法線研削抵抗が小さくそのばらつきも小さいため、研削回転体や装置が受ける負荷も小さく済み、従って、低消費電力化や、研削回転体及び装置の長寿命化が期待される。
各研削方式で加工した後の加工面性状を図3(中段)に示す。また、加工面を3次元レーザカラー顕微鏡で観察した結果を図3(下段)に示す。
慣用研削法では、砥石回転方向と送り方向が同一であるため、直線上の深い溝が左右方向に連なっている。HS研削法では、砥石回転方向に傾斜している砥粒軌跡が、送りに伴って重なり合っていることが確認できる。
一方、研削装置1の研削法では、傾斜する研削痕に対して砥粒が左右に振動しながら移動した痕跡が確認できた。また、研削装置1の研削法による研削面は、光沢のある面になっていることがわかった。
図5には、各研削方式で加工した後の、被加工材板厚方向(送り方向に垂直方向)の加工面断面形状を示した。また、図6には、板厚方向の加工面最大凹凸高さ(Rz相当)を比較した結果を示した。
図5及び図6に示されるように、研削装置1の研削法による加工面が最も最大凹凸高さが小さく、かつ平坦でなめらかな断面形状を示している。
以上の結果より、研削装置1の研削法は、他の研削方式に比べて加工面性状を良好にする作用があることが確かめられた。
ここで、本実験の超音波周波数および砥石周速度をもとにして、切込み深さ10μmでの単粒の砥粒干渉長さあたりに含まれる超音波振動周期の数Tを求めた。単粒研削長さをL/2、超音波周波数をHz、砥石周速度をVとすると、Tは式(1)によって求められる。
単粒研削長さの超音波周期の数 T = (L/2)×(Hz/V)・・・・式(1)
今回の研削条件での単粒研削長さに含まれる超音波周期の数Tは9.91回となり、この時の砥粒の回転方向と超音波振動の振幅とが成す角度を計算すると63.11゜となる。これに対する研削装置1の研削法による実際の研削痕が顕著に表れた箇所で確認すると、その角度が計算と合致することが確認できた。傾斜させた回転砥石に確実に超音波縦振動が重畳していることを示している(図7)。
このことは、正確に砥粒の軌跡を制御することが可能であることを示しており、振動の振幅や周波数、砥石の回転速度、砥石の回転軸の角度、研削対象の送り速度などを制御することで、砥粒の軌跡を制御することができる。
軌跡制御の一例として、振幅を変化させて研削した研削面を図10に示した。図10の左側は、発振器の出力を100%とし、右側は発振器の出力を50%として、粉末ハイスSKH材を研削したものである。100%出力時の振幅は16μmであり、50%時の振幅は8μmであった。
次に、粉末ハイスSKH材を上記SS400の研削実験と同様の条件で研削した。実験前の砥石ツルーイング時の送り量は、0.0025mm/revと、SS400の時の1/10にした。SKH材の実研削面性状および3次元レーザカラー顕微鏡画像を図8に示す。SKH材に材料を変更したことにより、SS400材に比べて硬さが向上したことで、加工面のむしれは低減しているが、加工面はSS400時の結果とほぼ同様の加工面を呈することが確認できた。
図9に示すSKH材の実験結果における最大凹凸高さで比較しても、研削装置1の研削法の値が最も低くなった。また、図示しないが、SS400の結果と同様に研削抵抗の値も、研削装置1の研削法では小さく抑制できることがわかった。
以上のごとく、本実施形態の研削装置1の研削法によれば、上記で説明したように、砥粒の軌跡を長くすることができ、軌跡跡を密にできるため、良好な加工面を得ることができ、且つ、加工抵抗を低減させることができる。
よって、例えば、狭小部を研削するような場合等において、かなり径の小さな研削回転体を使用せざるを得ない場合であっても、加工能率を維持しつつ良好な加工面を得ることができる。
なお、本実施形態では、研削回転体の振動方向を、その回転軸方向に振動させるものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、研削対象の研削面に対して、研削回転体の使用面が平行な方向に振動するものであればよい(ただし、振動方向と、研削回転体の回転方向が同一となるものを除く)。
1...研削装置
12...振動スピンドル駆動部(振動機構)
13...研削回転体
14...支持部
15...テーブル(送り機構)
W...研削対象

Claims (6)

  1. 表面に複数の砥粒を有する研削回転体と、
    研削対象と前記研削回転体を相対的に移動させる送り機構と、
    前記研削対象の研削面に対する前記砥粒の研削軌跡が、前記送り機構による送り方向に対して傾斜し、且つ、前記傾斜の方向に対して交差する方向に交互に変位しながら移動したジグザグ状の軌跡となるように動作させる砥粒軌跡制御機構と、
    を備えることを特徴とする研削装置。
  2. 表面に複数の砥粒を有する研削回転体と、
    研削対象と前記研削回転体を相対的に移動させる送り機構と、
    前記送り機構による送り方向と前記研削回転体の回転軸が直交しないように、前記回転軸を支持する支持部と、
    前記研削回転体を、前記研削対象の研削面に対して平行な方向に振動させる振動機構と、
    を備え
    下記式(1)におけるTが2以上となるように前記振動の周波数Hzが定められていることを特徴とする研削装置。
    T = (L/2)×(Hz/V)・・・・式(1)
    上記式(1)において、L/2は前記研削回転体の砥粒の1つの前記研削対象に対する研削長さ、Vは前記研削回転体の周速度である。
  3. 前記振動の振幅を制御する振幅制御部と、
    前記研削回転体の回転速度を制御する回転速度制御部と、
    前記支持部において、前記回転軸の角度を調節可能とする角度変更機構と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の研削装置。
  4. 表面に複数の砥粒を有する研削回転体を用いた研削方法であって、
    研削対象の研削面に対する前記砥粒の研削軌跡が、前記研削回転体に対する前記研削対象の送り方向に対して傾斜し、且つ、前記傾斜の方向に対して交差する方向に交互に変位しながら移動したジグザグ状の軌跡となるように動作させることを特徴とする研削方法。
  5. 表面に複数の砥粒を有する研削回転体を用いた研削方法であって、
    前記研削回転体を研削対象の研削面に対して平行な方向に振動させつつ、前記研削回転体に対する前記研削対象の送り方向に対して前記研削回転体の回転軸が直交しないようにして、前記研削回転体によって前記研削対象を研削し、下記式(1)におけるTが2以上となるように前記振動の周波数Hzが定められていことを特徴とする研削方法。
    T = (L/2)×(Hz/V)・・・・式(1)
    上記式(1)において、L/2は前記研削回転体の砥粒の1つの前記研削対象に対する研削長さ、Vは前記研削回転体の周速度である。
  6. 前記振動の振幅の制御、前記研削回転体の回転速度の制御、前記回転軸の角度の制御、の何れかによって、前記砥粒の軌跡の制御を行うことを特徴とする請求項に記載の研削方法
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