JP2017201912A - 多条植え苗移植機 - Google Patents

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義浩 田井
Yoshihiro Tai
義浩 田井
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哲 加藤
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Abstract

【課題】本発明は、走行機体側の後部に苗植装置をローリング可能に装着した多条植え苗移植機において、圃場の凹凸が少ない場合には苗植装置のローリングを少なくして植付走行速度を速く出来るようにすることを課題とする。
【解決手段】走行車体1の後部に設ける縦枠27にローリング軸26を介して苗植装置25をローリング可能に設けた多条植え苗移植機において、苗植装置25の左右支持部材29aを縦枠27の中央支持部60に左右引張バネ63、63で連結し、該左右引張バネ63、63の張力をローリング調整手段65で変更可能にしたことを特徴とする多条植え苗移植機とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、一度の走行で移植苗を多条に圃場へ移植する多条植え苗移植機に関する。
機体の走行で移植苗を左右多条に圃場へ植え付ける多条植え苗移植機は、特許文献1に記載の如く、左右に並設する複数の苗植付け具を設けた苗植装置を走行機体に対してローリング機構で連結して、走行機体が圃場の凹凸で左右に傾いても苗植装置が左右水平を保持するようにローリング機構を制御して複数条の移植苗の植付深さを等しくするようにしている。
特開2014−68548号公報
前記多条植え苗移植機のローリング制御機構は、走行機体側の昇降する取付枠に苗植装置を前後方向のローリング軸で枢支して、ローリング軸の近くで取付枠に取り付けた回動アームと苗植装置の左右支持部材との間に左右引張バネを設け、一個の制御モータで回動アームの回動角度を変更して左右引張バネを介して苗植装置の左右水平を修正保持するようにしているが、左右引張バネは苗植装置の左右支持部材を一定の張力で弾性的に保持するので、圃場の凹凸が激しい場合や比較的平坦な場合でも同様に苗植装置が揺れながらローリングするために、比較的平坦な圃場での植付でも走行速度を速くすることが出来ない。
本発明は、走行機体側の後部に苗植装置をローリング可能に装着した多条植え苗移植機において、圃場の凹凸が少ない場合には苗植装置のローリングを少なくして植付走行速度を速く出来るようにすることを課題とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、走行車体1の後部に設ける縦枠27にローリング軸26を介して苗植装置25をローリング可能に設けた多条植え苗移植機において、苗植装置25の左右支持部材29aを縦枠27の中央支持部60に左右引張バネ63、63で連結し、該左右引張バネ63、63の張力をローリング調整手段65で変更可能にしたことを特徴とする多条植え苗移植機とする。
請求項2に記載の発明は、ローリング調整手段65を左右引張バネ63、63の張力を変更する左右調整モータ61L、61Rとし、苗植装置25の水平を検出する水平センサー64の傾き検出角が所定角度以下であるときの、左右調整モータ61L、61Rによって変更される張力が、水平センサー64の傾き検出角が所定角度以上になるときの、左右調整モータ61L、61Rによって変更される張力よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の多条植え苗移植機とする。
請求項3に記載の発明は、ローリング調整手段65の左右引張バネ63、63の張力を減少させるメンテナンススイッチ66を設けたことを特徴とする請求項1に記載の多条植え苗移植機とする。
請求項1に記載の発明で、苗植装置25が走行車体1側の縦枠27にローリング軸26で枢支され、苗植装置25の左右支持部材29aが左右引張バネ63、63で縦枠27の中央支持部60に連結されているので、弾力的に苗植装置25がローリング可能であるが、ローリング調整手段65で左右引張バネ63、63の張力を変更してローリングのし易さが変更可能なので、圃場の凹凸が激しい場合には左右引張バネ63、63の張力を弱くすることで苗植装置25がローリングして左右水平を保ち、圃場の凹凸が少ない場合には左右引張バネ63、63の張力を強くすることでローリングし難くなって走行車体1を速く走行させることが可能で、作業効率を向上できる。
請求項2に記載の発明で、請求項1の効果に加えて、水平センサー64の傾き検出で、左右引張バネ63、63の張力調整を自動で行い、作業者の操縦負担を少なくしながら作業効率を向上できる。
請求項3に記載の発明で、請求項1の効果に加えて、メンテナンススイッチ66を操作すると左右引張バネ63、63の張力が弱くなって、バネの取り外しなどのメンテナンス作業が行い易くなる。
乗用型田植機の全体側面図である。 乗用型田植機の全体平面図である。 植付装置の背面図である。 制御系のブロック回路図である。 ローリング作動機構部の拡大背面図である。 ローリング作動機構部の拡大側面図である。
以下、この発明の実施の一形態として、6条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。なお、本明細書において乗用型田植機の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものではない。
1は乗用型走行車体であって、左右フレーム2,2と該左右フレーム2,2の後部を連結する横フレーム3とで構成される機体の後部上面にエンジン4を搭載し、左右フレーム2,2の前部には走行ミッションケース5を固設している。
そして、この走行ミッションケース5には、エンジン4の回転駆動力が変速されるHST変速装置と前輪デフ装置と後輪デフ装置とが内蔵されており、HST変速装置は、変速レバー6にて、後進と中立と前進(圃場内で植付け作業をする植付速,路上等で早く移動する為の移動速)とに変速操作される。
7,7は左右フロントアクスルケースであって、前記走行ミッションケース5の前輪デフ装置より左右駆動軸を介して動力が伝動されるように構成されている。9,9は操向自在の左右駆動前輪であって、左右フロントアクスルケース7,7の下部に嵌合され操縦ハンドル10にて回動される操向ケース11,11に軸架されており、操縦ハンドル10を回すと左右操向ケース11,11が縦軸回りに回動し左右駆動前輪9,9が向きを変えるように構成されている。
15,15は左右後輪駆動ケースであって連結枠で左右が一体に連結されており、該連結枠が横フレーム3にローリング軸にてローリング自在に設けられており、その左右両側部に軸架された左右駆動後輪18,18が上下揺動できるように構成されている。19,19は、走行ミッションケース5の後輪デフ装置から左右後輪駆動ケース15,15に動力を伝える伝動軸である。
そして、後輪駆動ケース15内部の伝動機構中には左右駆動後輪18,18に対する左右サイドクラッチと左右サイドブレーキとが内蔵されており、エンジン4の前方に設けられた左右クラッチペダル20,20の踏込操作により該左右サイドクラッチが切れ且つ左右サイドブレーキが利くように構成されている。即ち、左右クラッチペダル20,20の踏込操作をした側の駆動後輪18,18の駆動が停止されブレーキが利くようになっている。
21はFRPにて成型された車体カバーであって、エンジン4の周囲を覆うエンジンカバー部21aと、エンジン4の前方及び左右側方に設けられたステップ21bと、ハンドルポストカバー21cと、エンジン4の後方に設けられた後輪フェンダーを兼ねたステップ21dとにより構成されており、左右フレーム2,2上に固定されている。22は操縦座席で、前記車体カバー21のエンジンカバー部21a上面に設置固定されている。
23は上部リンク23aと下部リンク23bとにより構成される昇降リンク機構であって、上部リンク23aと下部リンク23bの基端部は左右フレーム2,2の後部に固着された支持フレーム24に各々枢着され、後端部は後述の苗植装置25をローリング自在に支持するローリング軸26が設けられた縦枠27に枢着されている。
28は油圧シリンダーであって、シリンダーの基部が左右フレーム2,2に枢着され、そのピストンの後端が上部リンク23aと一体の揺動アーム23cに枢着されている。
苗植装置25は、前記縦枠27のローリング軸26にローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース29と、該植付伝動ケース29に設けられた左右支持部材29a,29aに支持されて機体左右方向に往復動する苗載台30と、植付伝動ケース29の後端部に装着され前記苗載台30の下端より1株分ずつの苗を分割して圃場に植え付ける6つの苗植付け具31…と、植付伝動ケース29の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート32,左右サイドフロート33,33等にて構成されている。
苗載台30は植付伝動ケース29のスライドレール72に載置されて左右往復動するが、スライドレール72の左右端部72a,72aは、使用時に側方へ張り出し、不使用時には前に折り曲げて収納されるために、収納を検出するスライドレールセンサー73(図4)を設け、該スライドレールセンサー73で左右端部72a,72aが収納されているのを検出すると植付クラッチ74を入りに出来ないようにして、苗載台30が横移動して破損するのを防いでいる。この制御は、スライドレール72の左右端部72a,72aを側方へ張り出す使用位置に切り換えても、直ちには植付クラッチ74を入りにしないようにして安全を図る。
左右サイドフロート33,33は、各々左右駆動後輪18,18の後方に配置されており、該左右駆動後輪18,18にて掻き乱された圃場を整地すると共に苗植付け具31にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。そして、苗載台30は、6つの苗載置部が左右方向に並列して設けられている。
また、走行車体1の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38,38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
40は施肥装置であって、前記支持フレーム24の上端部に固着されており、施肥タンク41…と、該各施肥タンク41…の下部に装着され施肥タンク41内の粒状肥料を一定量ずつ繰り出す肥料繰出装置42…と、該肥料繰出装置42にて繰り出された肥料を案内する透明の施肥パイプ43…と、センターフロート32,左右サイドフロート33,33に固着され苗植付け位置側方の圃場に施肥溝を掘り施肥パイプ43にて案内された粒状肥料を該施肥溝内に落下案内する作溝器44…とにより構成されている。尚、45は肥料繰出装置42…を駆動する駆動機構であって、左右フレーム2,2上に固設の施肥駆動ケ−ス46により回転動力が伝達される。そして、施肥駆動ケ−ス46には走行ミッションケース5より駆動軸47にて動力が伝達されるように構成されている。
48は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース46の動力を苗植装置25の植付伝動ケース29に伝達すべく設けている。49は圃場に対する苗植装置25の位置を検出するセンサーとしてのセンターフロートセンサーであって、センターフロート32前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成され、センターフロート32の前部上面とリンク50により連携されている。そして、センターフロートセンサー49のセンターフロート32前部の上下位置検出に基づいて、制御装置51(図4)の昇降制御手段によりソレノイド油圧バルブ52を制御して油圧シリンダー28にて苗植装置25の上下位置を制御するように構成されている。尚、センターフロート32の前部はバネ50aにより下方に向けて付勢されている。
即ち、センターフロート32が泥面に接地した状態でその前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ53(図1)にて走行ミッションケ−ス5内から汲み出された圧油を油圧シリンダー28に送り込んでピストンを突出させ昇降リンク機構23を上動させて苗植装置25を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート32の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー28内の圧油を走行ミッションケ−ス5内に戻して昇降リンク機構23を下動させて苗植装置25を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート32の前部が適正範囲にあるとき(苗植装置25が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめるべく設けられている。
54は車体カバー21より突出して操縦座席22の右側方に設けられた昇降レバーであって、該昇降レバー54を操作することにより、制御装置51のPTOクラッチ作動手段にて走行ミッションケ−ス5から後方に向けて設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを作動させて施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切操作できるように構成されていると共に、制御装置51の昇降制御手段にてソレノイド油圧バルブ52を作動させて昇降リンク機構23を介して苗植装置25を上下動できるように構成されている。
即ち、昇降レバー54を前方に倒して「自動位置」にすると、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。逆に、昇降レバー54を後方に引いて「上昇位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられ、苗植装置25が上昇される。そして、昇降レバー54をその操作ストロークの中間位置の「固定位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめる位置に切換えられ、苗植装置25が昇降レバー54を「固定位置」に操作したときの位置に保持され苗植装置25は上昇も下降もしない。
また、昇降レバー54を「下げ位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。
次に、苗植装置25のローリング制御機構59を図1〜図6で説明する。
昇降リンク機構23で支持した縦枠27の左右中央で上方へ延出して設けた中央支持部60に左右引張バネ63,63の一端部を引掛け、該左右引張バネ63,63の他端をそれぞれ植付伝動ケース29の支持部材29a,29aに取り付けた左右調整モータ61L、61Rの回動アーム62L、62Rに引掛けている。よって、左右調整モータ61L、61Rの駆動によって左右引張バネ63,63に張力が働き、左右調整モータ61L、61Rの一方が回動して回動アーム62L、62Rの一方が回ると、中央支持部60に対して左右支持部材29a,29aの一方が左右引張バネ63,63を介してイ−ロ方向に揺動し、植付伝動ケース29と一体の苗植装置25を乗用型走行車体1と一体の縦枠27に対してローリングするようにしてある。
左右調整モータ61L、61Rは、本発明で言うローリング調整手段65で、それぞれ回転方向及び回転角度を変更可能にする。
64は植付伝動ケース29の上部の機体左右方向中央位置に設けられた水平センサーであって、苗植装置25の水平に対する左右傾斜を電気信号の変動として検出し、機体正面視で水平時に3Vの電圧を出力し、右傾斜するほど出力電圧は5Vまで大きくなり、逆に、左傾斜するほど出力電圧は0Vまで小さくなる。そして、制御装置51のローリング制御手段にてこの水平センサー64の出力電圧に応じて左右調整モータ61L、61Rを正逆転制御して苗植装置25を水平に制御するようになっている。
水平センサー64の検出傾き角度が小さく2〜4V程度の場合は、左右引張バネ63、63の張りを強くするように左右調整モータ61L、61Rを制御して苗植装置25があまりローリングしないようにし、水平センサー64の検出傾き角度が大きい場合は、左右引張バネ63、63の張りを弱くするように左右調整モータ61L、61Rを制御することで、走行車体1が大きく左右に傾く場合に苗植装置25を素早く水平に戻し、走行車体1があまり左右に傾かない場合には、苗植装置25があまり左右に揺れず走行車体1に追従して速く植付走行を行えるようになる。
ところが、乗用型田植機においては、苗植装置25の苗載台30が左右に往復移動して苗植付け作業が行なわれる為に、苗載台30が中央部に位置する時と右端に位置する時と左端に位置する時とでは、苗植装置25の重心が左右に大きく変動する為に、ローリング制御機構による制御が適正に行ない難い不都合があるので、中央支持部60の先端部には、補正用左右引張バネ69,69の一端が係合し、補正用左右引張バネ69,69の他端は前記苗植装置25の苗載台30に係合している。よって、苗載台30が左端付近及び右端付近に移動しているときは苗載台30の重みで、苗植装置25の苗載台30が移動している側が下がりぎみになろうとするが、苗載台30が移動して下がりぎみになろうとする側を引き上げる方向に補正用左右引張バネ69,69が作用して、苗載台30の左右移動によるローリング制御の不安定さを解消できて、ローリング制御が適正に行なえ、良好な苗植付け作業ができる。
苗植装置25の水平修正は、下がっている側の調整モータ61L、61Rを駆動して引張バネ63の張力を強く作用して引き上げるのが原則だが、上がっている側の調整モータ61L、61Rでその引張バネ63の張力を弱めることで相対的に下がっている側の引張バネ63の張力を強くして水平修正することも可能である。
上記の実施例では、苗植装置25側に水平センサー64を設けた例を示したが、乗用型走行車体1側に水平センサー64を設けて、乗用型走行車体1の傾斜を検出して、苗植装置25が左右水平状態になるように従来一般的に行われている同様の制御手段にて制御しても良い。
55は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー55を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ56が作動されて、制御装置51のPTOクラッチ作動手段により、走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切操作できるように構成されていると共に、制御装置51の昇降制御手段により、ソレノイド油圧バルブ52を操作して手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。
即ち、フィンガーレバー55を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられる。そして、フィンガーレバー55を「上」に操作した後に、フィンガーレバー55を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、苗植装置25が上昇された状態であればセンターフロート32が接地して適正姿勢になるまで苗植装置25は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー55を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。以降、フィンガーレバー55を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。
図4に示す57は制御装置51の昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器であり、前記センターフロート32の上下動の量をセンターフロートセンサー49で検出し、その検出情報によって油圧シリンダー28のソレノイド油圧バルブ52を切換え操作する昇降制御手段の昇降制御を行う上でのセンターフロートセンサー49の基準位置を調節することで、昇降制御の感度を調節する一般的なものである。
即ち、仮に感度設定器57を標準の「5」の位置から鈍感側「7」に操作すると、センターフロートセンサー49の基準位置が「5」位置から少し上がった「7」位置に変更される。すると、センターフロート32の姿勢が標準の「5」のときの姿勢よりも上向きになって接地面積が減少し、かつ、バネ50aがより圧縮されて基準位置での付勢力が増すので、田面の起伏に追従し難い状態となり、昇降制御感度が鈍感側に調節される。逆に、感度設定器57を標準の「5」の位置から敏感側「3」に操作すると、センターフロートセンサー49の基準位置が「5」位置から少し下がった「3」位置に変更される。すると、センターフロート32の姿勢が下向きになって接地面積が増加し、かつ、バネ50aの付勢力が減るので、田面の起伏に追従し易い状態となり、昇降制御感度が敏感側に調節される。
図4に示すメンテナンススイッチ66は、ローリング調整手段65の調整・点検で使用し、オンすると左右引張バネ63,63の張力を緩めるように左右調整モータ61L、61Rを制御して、左右引張バネ63,63の取り外しが楽に行えるようにする。
また、苗植装置25の苗植付け具31の駆動を個別に停止する畦クラッチスイッチ75(図4)を操縦ハンドル10の近傍に設け、この畦クラッチスイッチ75をオンすると畦側苗植付け具31の駆動スプロケットに係止ピンが係合して駆動を停止するが、PTO伝動軸48の回転が速過ぎると停止し難いので、停止するまで畦クラッチランプ76を点滅し係止すると連続点灯にして操縦者に知らせる。また、変速レバー6が高速位置では点滅のままで苗植付け具31の駆動を停止できなくする。
尚、70はセンターマスコットであって、機体の前端部に設けられており、次工程の機体の中心位置を示す線を圃場面に引く一般的な左右線引きマーカにて前工程で引かれた線に操縦者が合わせて直進する為の一般的なものである。
1 走行車体
25 苗植装置
26 ローリング軸
27 縦枠
29a 支持部材
60 中央支持部
61L、61R 左右調整モータ
63 引張バネ
64 水平センサー
65 ローリング調整手段
66 メンテナンススイッチ

Claims (3)

  1. 走行車体(1)の後部に設ける縦枠(27)にローリング軸(26)を介して苗植装置(25)をローリング可能に設けた多条植え苗移植機において、前記苗植装置(25)の左右支持部材(29a)を前記縦枠(27)の中央支持部(60)に左右引張バネ(63、63)で連結し、該左右引張バネ(63、63)の張力をローリング調整手段(65)で変更可能にしたことを特徴とする多条植え苗移植機。
  2. 前記ローリング調整手段(65)を前記左右引張バネ(63、63)の張力を変更する左右調整モータ(61L、61R)とし、前記苗植装置(25)の水平を検出する水平センサー(64)の傾き検出角が所定角度以下であるときの、前記左右調整モータ(61L、61R)によって変更される張力が、前記水平センサー(64)の傾き検出角が所定角度以上になるときの、前記左右調整モータ(61L、61R)によって変更される張力よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の多条植え苗移植機。
  3. 前記ローリング調整手段(65)の前記左右引張バネ(63、63)の張力を減少させるメンテナンススイッチ(66)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の多条植え苗移植機。
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