以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の寸法比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
本実施形態に係る電源装置4、及び照明器具9Aを、図1A〜6を参照して詳細に説明する。本実施形態の照明器具9Aは、例えば、建物の避難経路となる階段の踊り場の壁面に設置される照明器具(いわゆる階段通路誘導灯)である。
まず、本実施形態における照明器具9Aの詳細な構成について、図4〜6を参照して説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図4に示す向きにおいて、第1光源ユニット1及び照明器具9Aの上下、左右及び前後の各方向を規定する。すなわち、照明器具9Aが階段の踊り場の壁面に設置された状態において、鉛直方向を上下方向とし、壁面の法線方向を前後方向とし、正面から見て左右方向を左右方向とする。図4において、各方向を示している矢印は、その方向を明確にする目的で記載しているに過ぎず実体を伴わない。
照明器具9Aは、図4及び図5に示すように、第1光源ユニット1と、2つの第2光源ユニット2(光源ユニット)と、器具本体3と、電源装置4と、制御ユニット51と、電池ユニット52と、人検知ユニット53とを備えている。
器具本体3は、長尺の矩形平板状に形成される背板30と、各々が長尺の矩形平板状である上板31及び下板32とを有する(図5参照)。上板31は、背板30の上端における長手方向の両端部を除く部分から背板30の法線方向に沿って前方へ突出するように形成されている。下板32は、背板30の下端における長手方向の両端部を除く部分から背板30の法線方向に沿って前方へ突出するように形成されている。器具本体3は、金属板(例えば亜鉛めっき鋼板等)が曲げ加工されることにより、背板30と上板31及び下板32とが一体に形成されている(図5参照)。
背板30は、複数(図示例では4つ)の長孔300を有している。これらの長孔300は、背板30の長手方向に沿って間隔を空けて設けられている(図6参照)。これらの長孔300はそれぞれ、踊り場の壁(コンクリート壁)に埋設されているアンカーボルトが挿通される。そして、これらのアンカーボルトにナットが締め付けられることによって、器具本体3が踊り場の壁に設置される。また、背板30の長手方向の略中央に、複数(図示例では2つ)の丸孔301が長手方向に並ぶように設けられている(図6参照)。これらの丸孔301は、常用電源(商用電源)からの給電用の給電線が挿通される、さらに、背板30の前面における丸孔301の近傍には、複数(図示例では3つ)の端子台33が取り付けられている。これらの端子台33には、丸孔301から引き込まれる給電線や、建物に設置されている自動火災報知設備から火災信号を受信するための信号線などが電気的に接続される。
電池ユニット52は、ニッケル水素電池などの2次電池を複数有し、これら複数の2次電池が合成樹脂成製のケースに収容されて構成される。なお、電池ユニット52は、背板30の前面における左端の部位に取り付けられている(図6参照)。
電源装置4は、非常用の電源装置であり、電源回路を有している。この電源回路は、常用電源から給電される交流電力を直流電力に変換して電池ユニット52を充電する充電回路と、常用電源が停電したときに電池ユニット52から給電される直流電力で第2光源ユニット2を点灯させる点灯回路とを兼ねている。さらに、電源装置4は、後述する点検スイッチが押操作されたとき、充電回路の動作を強制的に停止し、かつ、電池ユニット52から給電される直流電力で第2光源ユニット2を点灯させる点灯回路の動作を行うように構成される。電源装置4は、図6に示すように、背板30の前面における右端の部位に取り付けられている。なお、電源装置4の詳細な構成については、後述する。
点検スイッチは、合成樹脂製の箱体50に収容され、下板32の左端近傍に取り付けられている。箱体50内には、押釦スイッチからなる点検スイッチの他に、赤外線を媒体とするワイヤレス信号を受信する受光素子などが収容されている。箱体50の下面に、複数の孔500が設けられている(図4参照)。そして、これらの孔500を通して点検スイッチの押釦の押操作や、受光素子によるワイヤレス信号の受信が可能となっている。電源装置4は、受光素子でワイヤレス信号を受信した場合も、点検スイッチが押操作されたときと同じく、充電回路の動作を強制的に停止し、かつ、電池ユニット52から給電される直流電力で第2光源ユニット2を点灯させる点灯回路の動作を行う。
人検知ユニット53は、電波センサ530と、センサ取付台531とを有する。電波センサ530は、ミリ波帯の電波を媒体として人(移動体)を検知し、人を検知したときに人検知信号を制御ユニット51に出力するように構成される。センサ取付台531は、電波センサ530を保持し、器具本体3の下板32における長手方向の中央に取り付けられる(図4〜図6参照)。
制御ユニット51は、常用電源から給電されて動作し、人検知ユニット53(の電波センサ530)から出力される人検知信号に応じて、第1光源ユニット1を制御するように構成される。制御ユニット51は、人検知ユニット53から人検知信号が出力されているとき、第1光源ユニット1に定格点灯するように指示するための制御信号を出力する。また、制御ユニット51は、人検知信号が出力されなくなってから所定の待機時間(例えば、数十秒から数分)が経過したとき、第1光源ユニット1に消灯又は定格点灯時よりも少ない光量で点灯するように指示するための制御信号を出力する。ただし、制御ユニット51は、常用電源が停電したときは全ての動作を停止する。
第1光源ユニット1は、図5に示すように、LEDモジュール10(LED:Light Emitting Diode)と、LEDモジュール10が取り付けられる取付部材11と、LEDモジュール10を覆うように取付部材11に取り付けられるカバー12とを備える。また、第1光源ユニット1は、LEDモジュール10に直流電力を供給する電源ユニット13を備えている。
LEDモジュール10は、長尺の矩形板状に形成された実装基板100を有する。実装基板100は、その前面に複数のLED(発光ダイオード)101が左右方向(長手方向)に沿って1列に並ぶように実装されている(図5参照)。なお、実装基板100は、例えば、左側の端部にコネクタが実装されている。このコネクタは、実装基板100に形成されている導体と、電源ユニット13の出力線とを電気的に接続するように構成される。
取付部材11は、板金によってU字状に形成されている。取付部材11は、長尺かつ矩形板状に形成された底板110と、底板110の上端及び下端からそれぞれ後方に突出する一対の側板111とを有する(図5参照)。上述したLEDモジュール10は、例えば、取付部材11の底板110の一部を切り起こすことで形成された爪により、取付部材11に固定される。
電源ユニット13は、常用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力をLEDモジュール10に供給してLEDモジュール10を点灯させるように構成される。また、電源ユニット13は、制御ユニット51から出力される制御信号に応じて、LEDモジュール10に供給する直流電力を増減するように構成される。つまり、電源ユニット13は、制御ユニット51からLEDモジュール10を定格点灯するように指示するための制御信号を受け取った場合、LEDモジュール10に定格の直流電力(直流電流)を供給する。また、電源ユニット13は、制御ユニット51からLEDモジュール10を消灯するように指示するための制御信号を受け取った場合、LEDモジュール10への直流電力の供給を停止する。また、電源ユニット13は、制御ユニット51からLEDモジュール10を定格点灯時よりも少ない光量で点灯するように指示するための制御信号を受け取った場合、LEDモジュール10に定格よりも少ない直流電力を供給する。なお、電源ユニット13は、取付部材11の後面側において、例えば、ねじなどを用いて側板111に取り付けられる。
カバー12は、図5に示すように、カバー本体14と一対のカバーエンド15とを有している。カバー本体14は、透光性を有する合成樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等)により構成されている。カバー本体14は、長手方向(左右方向)の両端が開放された角筒状に形成されている。一対のカバーエンド15はそれぞれ、カバー本体14を形成する材料と同じ材料により構成されている。一対のカバーエンド15はそれぞれ、矩形板状に形成されている。一方のカバーエンド15は、カバー本体14の左端に取り付けられてカバー本体14の左側の端面を塞いでいる。他方のカバーエンド15は、カバー本体14の右端に取り付けられてカバー本体14の右側の端面を塞いでいる(図5参照)。
第1光源ユニット1は、取付部材11から後方に突出するように設けられた一対の引掛金具113のそれぞれの先端部分を、器具本体3の上板31に設けられる受け金具310(図6参照)に引っ掛けることで器具本体3に仮保持される。そして、第1光源ユニット1は、取付部材11における下側の側板111に設けられた一対の引掛ばねが、器具本体3の下板32に設けられている引掛板320の溝3200(図6参照)の縁に引っ掛けられることで器具本体3に取り付けられる(図4参照)。
2つの第2光源ユニット2はそれぞれ、非常用の光源ユニットであり、非常用LEDモジュール20、取付台21、ユニットカバー22などを備えている(図5参照)。非常用LEDモジュール20は、非常照明用の光源であるLED(発光ダイオード)、LEDから放射される光の配光を制御するレンズ201などを有している。取付台21は、一対の側壁210と、これら一対の側壁210同士を連結する連結片とを有している。一対の側壁210はそれぞれ、矩形板状に形成されている。非常用LEDモジュール20は、連結片の前面に取り付けられている。2つのユニットカバー22はそれぞれ、2つの取付台21のうちの対応する取付台21の連結片の前面、上面及び下面を覆うように構成されている。ただし、非常用LEDモジュール20のレンズ201は、ユニットカバー22に設けられている窓孔2230に挿通されている(図5参照)。
2つの第2光源ユニット2のうちの一方の第2光源ユニット2は、器具本体3の長手方向の一端部(左端部)に取り付けられる。また、2つの第2光源ユニット2のうちの他方の第2光源ユニット2は、器具本体3の長手方向の他端部(右端部)に取り付けられる。つまり、2つの第2光源ユニット2は、長尺の器具本体3の長手方向の両端に1つずつ配置される(図4参照)。
第1光源ユニット1が点灯すると、LEDモジュール10(のLED101)から放射される光がカバー12を透過して前方へ照射される。また、常用電源が停電して第2光源ユニット2が点灯すると、非常用LEDモジュール20(のLED)から放射される光がユニットカバー22を透過して前方へ照射される。
次に、本実施形態における電源装置4の詳細な構成について、図1A、図1B、図2、図3を参照して説明する。以下の、電源装置4の構成の説明で用いる方向は、図1Aの上下方向を第1方向D1、図1Aの左右方向を第2方向D2、図1Bの上下方向を第3方向D3と規定する。図1A、図1B、図2、図3において、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3それぞれの矢印は、方向を明確にする目的で記載しているに過ぎず実態を伴わない。
電源装置4は、ケース6と、回路基板7と、絶縁部材8と、放熱部材73とを備えている。電源装置4は、図6に示すように、器具本体3の背板30に取り付けられる。
ケース6は、底板60、第1側板61、第2側板62、第3側板63、及び第4側板64を有し、一面が開口した箱状に形成されている。なお、ケース6は、金属板(例えば亜鉛めっき鋼板等)の曲げ加工により、底板60、第1側板61、第2側板62、第3側板63、及び第4側板64が一体に形成されていることが好ましい。
底板60は、第3方向D3を厚さ方向とする矩形状に形成されている。第1方向D1において、底板60の一端部から第1側板61が第3方向D3の一方側に向かって突出し、底板60の他端部から第2側板62が第3方向D3の一方側に向かって突出している。また、第2方向D2において、底板60の一端部から第3側板63が第3方向D3の一方側に向かって突出し、底板60の他端部から第4側板64が第3方向D3の一方側に向かって突出している。ケース6は、底板60、及び第1〜第4側板61〜64で囲まれる空間を形成しており、底板60の第3方向D3の一方側に開口65を有する。
第1側板61及び第2側板62は、第2方向D2の寸法が底板60の第2方向D2の寸法よりも長く形成されており、第3側板63よりも第2方向D2の一方側(図1Aの左側)に延長している。第3側板63は、第3方向D3の寸法が第1側板61、第2側板62、及び第4側板64それぞれの第3方向D3の寸法よりも短く形成されている。
固定片641が、第4側板64における第3方向D3の一端部(底板60とは反対側の端部)から、ケース6の外側に向かって突出するように形成されている。固定片641は、第3方向D3を厚さ方向としている。ケース6(電源装置4)を器具本体3に取り付けるためのねじを通す貫通孔642が、固定片641に形成されている。
規制片620が、第2側板62における第2方向D2の一端部から第1方向D1の一方側(図1Aの上側)に向かって突出するように形成されている。固定片621が、規制片620における第3方向D3の一端部から、ケース6の外側に向かって突出するように形成されている。固定片621は、第3方向D3を厚さ方向としている。ケース6(電源装置4)を器具本体3に取り付けるためのねじを通す貫通孔622が、固定片621に形成されている。ケース6は、ねじが固定片621,641の貫通孔622,642を通して器具本体3のねじ孔に結合されることにより、開口65が器具本体3の背板30で覆われるように器具本体3に取り付けられる。
第1側板61における第2方向D2の一方側及び他方側の領域には、ケース6の内側に向かって突出するように一対の突部613が形成されている。また、第2側板62における第2方向D2の一方側及び他方側の領域には、ケース6の内側に向かって突出するように一対の突部623が形成されている。一対の突部613、及び一対の突部623は、第3側板63よりも開口65側に形成されている。
回路基板7は、矩形状に形成されたプリント基板であり、第1面701、及び第2面702を有する。回路基板7は、第3方向D3が厚さ方向となるようにケース6に収納される。回路基板7は、第2方向D2の寸法が、底板60の第2方向D2の寸法よりも長く形成されており、ケース6の一対の突部613、及び一対の突部623と接触することにより、底板60側への移動が規制される。
一対の突部613の開口65側には、ケース6に収納された回路基板7が開口65側に移動することを規制する一対の爪片6131が形成されている。爪片6131は、矩形状に形成されており、第2方向D2の一辺のみが第1側板61と繋がっており、先端部がケース6の内側に位置するように曲げられている。また、一対の突部623の開口65側には、ケース6に収納された回路基板7が開口65側に移動することを規制する一対の爪片6231が形成されている。爪片6231は、矩形状に形成されており、第2方向D2の一辺のみが第2側板62と繋がっており、先端部がケース6の内側に位置するように曲げられている。爪片6131,6231は、先端部がケース6に収納された回路基板7の開口65側に位置することにより、回路基板7が開口65側に移動することを規制する。つまり、回路基板7は、一対の突部613,623、及び一対の爪片6131,6231により、第3方向D3の位置決めがされる。なお、図3では、爪片6131,6231が曲げられる前の状態を示している。
回路基板7は、電源回路の複数の素子71が、ケース6の開口65側(底板60と反対側)の第1面701、及び底板60側の第2面702のそれぞれに実装されている。第1面701には、電源回路の複数の素子71のうちSMD(Surface Mount Device)が実装されている。第2面702には、電源回路の複数の素子71のうち、高さ寸法が比較的大きい部品、リード端子を有するリード端子部品等が実装されている。また、第2面702には、ケース6の第3側板63よりも第2方向D2の一方側(図1Aの左側)の領域にコネクタ72が設けられている(図6参照)。このコネクタ72には、常用電源からの給電線、第2光源ユニット2への出力線、及び電池ユニット52の電力線等が電気的に接続される。
また、第1面701には、複数の素子71のうち比較的発熱量が大きい発熱素子711(例えば、MOSFET、ダイオード等)が実装されている。本実施形態では、第2側板62の近傍の領域に複数の発熱素子711がまとまって配置されている。複数の発熱素子711は、放熱部材73により覆われている。
放熱部材73は、空気よりも熱伝導率が高く、かつ弾性を有する材料(例えばシリコーン樹脂)により構成されており、矩形板状に形成されている。放熱部材73は、複数の発熱素子711を一体に覆うように設けられている。
絶縁部材8は、電気絶縁性を有する材料(例えば樹脂等)で構成されており、容易に折り曲げが可能なシート状に形成されている。図2に示すように、絶縁部材8は、ケース6に組み込まれた状態では、回路基板7の全周を囲むようにケース6の内周面(底板60、第1側板61、第2側板62)、及び開口65に沿って折り曲げられている。また、絶縁部材8は、ケース6に組み込まれた状態では、第2側板62における開口65側の端部624の近傍において、一端部と、この一端部と反対側の他端部とが第1方向D1で互いに対向して重なり合うように構成されている。図3に示すように、絶縁部材8には、ケース6の一対の突部613、及び一対の突部623を通す4つの孔81が形成されている。また、絶縁部材8には、第3側板63を通す2つのスリット82が形成されている。図3では、絶縁部材8の一部を展開した状態を示している。絶縁部材8は、回路基板7の全周を囲むように設けられることにより、回路基板7に実装された複数の素子71とケース6との間の電気絶縁性、及び回路基板7に実装された複数の素子71と器具本体3の背板30との間の電気絶縁性を確保する。
ケース6は、ケース6に組み込まれた状態の絶縁部材8が開くことを抑制する2つの押圧部66を備えている。2つの押圧部66の各々は、第2側板62における開口65側の端部624から突出するように形成されている。より具体的には、第2側板62の端部624には、2つの凹部625が第2方向D2の一方側と他方側とに1つずつ形成されており、2つの押圧部66の各々は、凹部625の底部から突出するように形成されている。2つの押圧部66を区別する場合、第2方向D2の一方側(図1Aの左側)を第1押圧部66A、第2方向D2の他方側(図1Aの右側)を第2押圧部66Bという。
押圧部66は、矩形状の本体部661と、本体部661と第2側板62の端部624とを繋ぐ接続部662とを有している。接続部662は、本体部661よりも幅が狭く形成されている。ここでいう「幅」とは、第2側板62の面に沿った方向(第2方向D2)の寸法である。図1A、図1B、図2に示すように、押圧部66は、開口65に向かって接続部662が略直角に曲げられることにより、本体部661が絶縁部材8を押さえる。本実施形態では、接続部662が曲げられた状態では、第3方向D3における、本体部661の一面(絶縁部材8と反対側の面)の位置と、ケース6の開口65側の端部(凹部625を除く)の位置とが略一致するように構成されている。なお、図3では、接続部662が曲げられる前の状態を示している。
第1押圧部66Aは、放熱部材73に対して第1方向D1の一方側に形成されている。第1押圧部66Aは、接続部662が曲げられることにより、本体部661が絶縁部材8を介して放熱部材73を押圧するように構成されている。第1押圧部66Aは、放熱部材73により覆われた発熱素子711から発生する熱を放熱させる機能と、絶縁部材8が展開しないように絶縁部材8を押さえる機能とを兼ねている。また、第1押圧部66Aは、本体部661のサイズ(第1方向D1及び第2方向D2の寸法)が第2押圧部66Bよりも大きく形成され、放熱部材73を押圧する面積の増加を図っている。
次に、電源装置4の組み立て工程について説明する。
まず、絶縁部材8を、ケース6の内周面に沿うように一部を展開した状態でケース6に入れる。複数の素子71が実装された回路基板7をケース6に収納し、放熱部材73を配置した後、回路基板7の全周を囲むように絶縁部材8を閉じる。一対の爪片6131、及び一対の爪片6231を曲げて回路基板7を位置決めし、押圧部66の接続部662を曲げ、本体部661で絶縁部材8を押さえる。
そして、上記のように組み立てられた電源装置4は、ケース6の開口65が器具本体3の背板30で覆われるように、器具本体3に取り付けられる。電源装置4が器具本体3に取り付けられることにより、押圧部66が器具本体3の背板30と接触する。
次に、本実施形態に係る電源装置4、及び照明器具9Aの利点について説明する。
上述したように、本実施形態に係る電源装置4は、ケース6と、回路基板7と、絶縁部材8と、放熱部材73とを備えている。ケース6は、開口65を有する。回路基板7は、第1面701及び第2面702を有し、電源回路の複数の素子71が実装され、ケース6に収納される。絶縁部材8は、電気絶縁性を有し、回路基板7の少なくとも開口65側の第1面701を覆う。放熱部材73は、弾性を有し、複数の素子71のうち第1面701に実装された少なくとも一部の素子71(発熱素子711)を覆う。ケース6は、開口65側の端部624から突出するように形成され絶縁部材8を介して放熱部材73を押圧する第1押圧部66A(押圧部)を有する。
上記構成により、第1押圧部66Aが絶縁部材8を介して放熱部材73を押圧するので、放熱部材73により覆われた素子71(発熱素子711)から発生した熱は、放熱部材73を介して押圧部66(ケース6)に放熱される。これにより、電源装置4の放熱性の向上を図ることが可能となる。
本実施形態に係る照明器具9Aは、電源装置4と、器具本体3と、第2光源ユニット2(光源ユニット)とを備えている。器具本体3は、電源装置4の開口65を覆うように、電源装置4が取り付けられる。第2光源ユニット2は、器具本体3に取り付けられる。第2光源ユニット2は、電源装置4からの電力供給により点灯する発光ダイオードを有する。第1押圧部66A(押圧部)が器具本体3と接触する。
上記構成により、開口65が覆われるように電源装置4が器具本体3に取り付けられることにより、第1押圧部66Aが器具本体3と接触可能となる。したがって、放熱部材73により覆われた素子71(発熱素子711)から発生した熱を、放熱部材73、及び第1押圧部66Aを介して器具本体3に放熱させることが可能となる。これにより、電源装置4の放熱性がより向上し、照明器具9Aの放熱性の向上を図ることが可能となる。
さらに、器具本体3は、取り付けられた電源装置4の開口65を覆っており、電源装置4のケース6の蓋としての機能を兼ねている。これにより、電源装置4自体が、ケース6の開口65を覆う蓋を備える構成に比べて、電源装置4の小型化、及び電源装置4を構成する材料の削減によるコストの低下を図ることが可能となる。
また、放熱部材73の周囲における回路基板7と器具本体3との間には空気層が形成されるので、放熱部材73により覆われた素子71(発熱素子711)から発生した熱が、熱輻射によって他の素子71に伝わることが抑制される。
また、電源装置4において、第1押圧部66A(押圧部)は、絶縁部材8を介して放熱部材73を押圧する本体部661と、本体部661とケース6の端部624とを繋ぐ接続部662とを有することが好ましい。接続部662の幅は、本体部661の幅よりも狭いことが好ましい。
上記構成により、接続部662は、本体部661よりも幅が狭いため、本体部661よりも曲がりやすくなる。したがって、押圧部66をケース6の開口65側に向かって曲げる際に接続部662が曲げられるので、曲げ位置のばらつきを抑制することが可能となる。
また、電源装置4において、ケース6は、端部624に凹部625が形成されており、第1押圧部66A(押圧部)は、凹部625の底部から突出するように形成されていることが好ましい。
上記構成により、第1押圧部66Aは、ケース6に収納された回路基板7(放熱部材73)により近い位置に設けられる。したがって、第1押圧部66Aが、絶縁部材8を介して放熱部材73を押圧する力を強くなる。これにより、放熱部材73が圧縮され、放熱部材73により覆われた素子71(発熱素子711)と第1押圧部66Aとの間の熱抵抗が低減するので、電源装置4の放熱性をより向上させることが可能となる。
さらに、第1押圧部66Aが凹部625の底部から突出するように形成されることにより、第1押圧部66Aの曲げられた部分(屈曲部)が、ケース6の開口65側の端部よりも突出することが抑制される。したがって、電源装置4を器具本体3に取り付けた際に、第1押圧部66Aの屈曲部が器具本体3に接触することが抑制される。これにより、器具本体3と放熱部材73との間に空気層が形成されることが抑制され、電源装置4の放熱性の向上を図ることが可能となる。
また、電源装置4が器具本体3に取り付けられていない状態において、放熱部材73は、ケース6の開口65側の端部よりも突出していることが好ましい。放熱部材73は、弾性を有しているので、電源装置4が器具本体3に取り付けられた際に、放熱部材73が圧縮される。これにより、器具本体3と放熱部材73との間に空気層が形成されることが抑制され、電源装置4の放熱性の向上を図ることが可能となる。また、電源装置4が器具本体3に取り付けられていない状態では、第1押圧部66Aの先端部が放熱部材73から離れていてもよい。このような場合でも、電源装置4が器具本体3に取り付けられることにより、第1押圧部66Aの本体部661の一面(絶縁部材8と反対側の面)の位置と、ケース6の開口65側の端部(凹部625を除く)の位置とが略一致し、放熱部材73が圧縮される。
次に、電源装置4、及び照明器具9Aの変形例について説明する。
第1押圧部66Aは、本体部661が放熱部材73の一部を押圧可能なサイズに形成されているが、本体部661が放熱部材73の全体を押圧可能なサイズに形成されていてもよい。
第1押圧部66Aと第2押圧部66Bとは、互いに本体部661のサイズが同じであってもよい。
押圧部66の数は2つに限らず、第1押圧部66Aのみ、あるいは第1押圧部66Aを含む3つ以上であってもよい。また、電源装置4は、2つ以上の放熱部材73を備え、各放熱部材73が押圧部66によって押圧される構成であってもよい。
本実施形態の変形例に係る照明器具9Bを図7に示す。照明器具9Bは、上述した照明器具9A(図4〜6参照)に比べて、器具本体3の前後方向の厚みが薄く、かつ、器具本体3の上下方向の幅が広い(背が高い)。また、2つの第2光源ユニット2はそれぞれ、照明器具9Aにおける2つの第2光源ユニット2に比べて、取付台21及びユニットカバー22の前後方向の厚みが薄く、かつ、上下方向の幅が広い。
(実施形態2)
実施形態2に係る電源装置4Aを、図8、9を参照して詳細に説明する。電源装置4Aについて、実施形態1の電源装置4と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
電源装置4Aは、ケース6と、回路基板7と、絶縁部材8Aと、放熱部材73とを備えている。電源装置4Aは、実施形態1の電源装置4と同様に、器具本体3の背板30(図6参照)に取り付けられる。
絶縁部材8Aは、突出部803Aを有している点が、実施形態1の絶縁部材8と相違する。
本実施形態では、絶縁部材8Aにおいて、ケース6に組み込まれた状態で回路基板7の第1面701と対向する部位をカバー部801という。カバー部801の一面8013は、絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、第1方向D1及び第2方向D2に沿った矩形状の面であり、第3方向D3において回路基板7の第1面701と対向する。カバー部801は、第2方向D2の一方側の端部である第1端部8011と、第2方向D2の他方側の端部である第2端部8012とを有する。第1端部8011は、絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、第2方向D2における絶縁部材8Aの中央部に対して第1押圧部66A側の端部である。第2端部8012は、絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、第2方向D2における絶縁部材8Aの中央部に対して第2押圧部66B側の端部である。
また、本実施形態では、絶縁部材8Aの一端部であり、カバー部801と隣り合う部位を差込部802という。絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、絶縁部材8Aの一端部である差込部802は、第2側板62における開口65側の端部624の近傍において、絶縁部材8Aの他端部と対向するように重なり合う。
突出部803Aは、カバー部801の第2端部8012における差込部802側から突出するように形成されている。突出部803Aは、矩形状に形成されており、カバー部801の第2端部8012からカバー部801の一面8013に沿った方向に突出している。つまり、突出部803Aは、絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、第1方向D1及び第2方向D2に沿った一面を有する。突出部803Aは、絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、ケース6の第4側板64における開口65側の端部643と対向する。
上述したように、電源装置4Aにおいて、絶縁部材8Aは、カバー部801と、突出部803Aとを有することが好ましい。カバー部801は、一面8013が回路基板7の第1面701と対向することが好ましい。突出部803Aは、カバー部801の端部(第2端部8012)からカバー部801の一面8013に沿った方向に突出し、ケース6の開口65側の端部643と対向することが好ましい。
上記構成により、電源装置4Aは、絶縁部材8Aがケース6に組み込まれた状態において、突出部803Aがケース6の開口65側の端部643に引っ掛かり、回路基板7に対してカバー部801を位置決めすることが可能となる。
次に、本実施形態の第1変形例に係る電源装置4Bについて、図10〜11Bを参照して説明する。電源装置4Bについて、電源装置4,4Aと同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
電源装置4Bは、ケース6と、回路基板7と、絶縁部材8Bと、放熱部材73とを備えている。電源装置4Bは、実施形態1の電源装置4と同様に、器具本体3の背板30(図6参照)に取り付けられる。
絶縁部材8Bは、突出部803Bの突出方向が、絶縁部材8Aの突出部803Aの突出方向と異なる。突出部803Bは、カバー部801の第2端部8012における差込部802側から突出するように形成されている。突出部803Bは、矩形状に形成されており、カバー部801の第2端部8012から、カバー部801の一面8013の面方向と交差する方向に突出している。突出部803Bは、カバー部801に対する差込部802の突出方向と略同じ方向に突出している。つまり、突出部803Bは、絶縁部材8Bがケース6に組み込まれた状態において、カバー部801の第2端部8012から回路基板7に向かって突出している。また、突出部803Bは、絶縁部材8Bがケース6に組み込まれた状態において、先端部8031が回路基板7の第1面701と対向する。図11Bに示すように、突出部803Bは、絶縁部材8Bがケース6に組み込まれた状態において、先端部8031と回路基板7とが離れるように形成されているが、先端部8031と回路基板7とが接触するように形成されていてもよい。
上述したように、電源装置4Bにおいて、絶縁部材8Bは、カバー部801と、突出部803Bとを有することが好ましい。カバー部801は、一面8013が回路基板7の第1面701と対向することが好ましい。突出部803Bは、カバー部801の端部(第2端部8012)からカバー部801の一面8013と交差する方向に突出し、先端部8031が回路基板7の第1面701と対向することが好ましい。
上記構成により、電源装置4Bは、絶縁部材8Bがケース6に組み込まれた状態において、カバー部801から回路基板7に向かって突出部803Bが突出しているので、回路基板7に対してカバー部801を位置決めすることが可能となる。
また、ケース6の形状は、上記の形状に限らない。本実施形態の第2変形例に係る電源装置4Cについて、図12〜14Bを参照して説明する。電源装置4Cについて、電源装置4,4A,4Bと同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
電源装置4Cのケース6Cは、一部が面取りされた箱状に形成されている。ケース6Cは、底板60C、第1側板61C、第2側板62C、第3側板63C、第4側板64C、及び斜板67Cを有する。ケース6Cは、金属板(例えば亜鉛めっき鋼板等)の曲げ加工により、底板60C、第1側板61C、第2側板62C、第3側板63C、第4側板64C、及び斜板67Cが一体に形成されていることが好ましい。
底板60Cは、第3方向D3を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。第2側板62Cは、第1方向D1における底板60Cの端部から第3方向D3の一方側に向かって突出している。第1側板61Cは、第2側板62Cと第1方向D1に対向している。斜板67Cは、第1方向D1における底板60Cの端部と、第3方向D3における第1側板61Cの端部とを繋ぐように形成されている。斜板67Cは、底板60C及び第1側板61Cに対して傾斜している。第3側板63Cは、第2方向D2における底板60Cの一端部から第3方向D3の一方側に向かって突出している。第4側板64Cは、第2方向D2における底板60Cの他端部から第3方向D3の一方側に向かって突出している。第4側板64Cは、底板60Cに対してケース6Cの外側に向かって傾斜するように形成されている。
第1側板61C及び第2側板62Cは、第2方向D2の寸法が底板60Cの第2方向D2の寸法よりも長く形成されている。第1側板61C及び第2側板62Cは、第3側板63Cよりも第2方向D2の一方側に延長し、かつ、第4側板64Cよりも第2方向D2の他方側に延長している。第3側板63C及び第4側板64Cは、第3方向D3の寸法が第2側板62Cの第3方向D3の寸法よりも短く形成されている。
第2側板62Cにおける第2方向D2の一端部から第1方向D1の一方側に向かって突出したL字状の規制片620が形成されている。規制片620における第3方向D3の一端部から、ケース6Cの外側に向かって突出した固定片621が形成されている。また、第2側板62Cにおける第2方向D2の他端部から第1方向D1の一方側に向かって突出した規制片626が形成されている。
第1側板61Cにおける第2方向D2の一端部から第1方向D1の他方側に向かって突出した規制片614が形成されている。また、第1側板61Cにおける第2方向D2の他端部から第1方向D1の他方側に向かって突出したL字状の規制片610が形成されている。規制片610における第3方向D3の一端部から、ケース6Cの外側に向かって突出した固定片641が形成されている。
規制片610,614,620,626により、回路基板7が第2方向D2に移動することが規制される。
第1側板61Cには、一対の突部613及び一対の爪片6131が形成されている。また、第2側板62Cには、一対の突部623及び一対の爪片6231が形成されている。
第4側板64Cには、回路基板7の第2面702に設けられたコネクタ74を露出させる孔644が形成されている。コネクタ74は、速結端子を備えており、一対の電線が接続可能である。孔644の縁は、カーリング加工が施されている。これにより、コネクタ74に接続された電線の損傷を抑制することが可能となる。また、底板60Cにおけるコネクタ74と対向する部位には、コネクタ74に接続された電線のロックを解除する工具が通される一対の孔601が形成されている。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。