本発明の一実施形態に係る非常用照明装置1X(以下、非常用照明装置1Xと略す)について、図面を参照して詳細に説明する。非常用照明装置1Xは、電池内蔵型の非常灯(非常用照明器具)として構成されている。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
非常用照明装置1Xは、図1に示すように、本体10と、光源ユニット2と、電池ユニット3と、点灯ユニット4と、カバー5とを備えている。非常用照明装置1Xは、さらに、支持具6並びに取付ばね7を備え、建物の通路や廊下などの天井に埋込配設されることが好ましい。ただし、以下の説明では、特に断りのない限り、図1において非常用照明装置1Xの上下、左右、前後の各方向を規定する。
光源ユニット2は、図2に示すように、LEDモジュール20、放熱部材21、レンズブロック22、取付部材23、押さえ部材24、熱伝導シート25などを備えることが好ましい。LEDモジュール20は、矩形平板状の実装基板200の実装面(図2における下面)の中央に1個又は複数個のLEDチップ(固体発光素子)が実装される。これらのLEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む実装基板200の実装面は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂で円盤状に被われる。さらに、実装基板200の対角の位置にある一対の角部の下面には、カソードの電極とアノードの電極が形成されている。なお、LEDモジュール20は、アノードの電極とカソードの電極に直流電圧が印加されることにより、白色の照明光を放射するように構成される。
熱伝導シート25は、高熱伝導率、電気絶縁性及び難燃性を有するシリコーン樹脂製のシート材で構成されることが好ましい。熱伝導シート25は、LEDモジュール20の実装基板200と放熱部材21との間に介在し、LEDチップから発せられて実装基板200を通して伝導される熱を、放熱部材21に伝導するように構成される。
押さえ部材24は、例えば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料によって、概ね円盤状に形成されることが好ましい。押さえ部材24は、中央にほぼ矩形の孔240を有する。また、押さえ部材24は、孔240の4つの辺の中央の位置に、4つの押さえ突起242がそれぞれ形成されている。また、押さえ部材24は、角筒状のプラグコネクタ26を有する(図2参照)。プラグコネクタ26は、一対のコンタクトと、これら一対のコンタクトを電気的に絶縁した状態で支持するコネクタハウジング260とを有する。片方のコンタクトは、電線を介してLEDモジュール20のカソード電極と電気的に接続される。もう片方のコンタクトは、別の電線を介してLEDモジュール20のアノード電極と電気的に接続される。
レンズブロック22は、例えば、ガラス製であって、概ね円錐台形状のレンズ部220と、レンズ部220の周縁から外向きに突出する円環状の外鍔部221とを有することが好ましい(図1及び図2参照)。レンズ部220は、図2に示すように、概ね回転放物面形状の入射面2200が形成されている。レンズ部220は、入射面2200に入射する光(LEDモジュール20から放射される照明光)の配光を制御するように構成される。
取付部材23は、例えば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料によって、概ね楕円形状に形成されることが好ましい(図1参照)。取付部材23は、上下方向から見た形状が円形である凹所230と、凹所230の底に開口する円形の窓孔231とを有している(図2参照)。また、取付部材23は、長軸方向の両端に、それぞれねじ挿通孔を有している。
放熱部材21は、図1及び図2に示すように、結合部210、固定部211及び突板部212を有している。結合部210は、左右方向を長手方向とする平板状に形成されている。結合部210の下面における左右方向の中央から右寄り(図2では左寄り)の位置に、LEDモジュールやレンズブロック22が取付部材23によって取り付けられている。結合部210は、2つのねじ孔を有している。取付部材23は、2つのねじ挿通孔にそれぞれ挿通された2本のねじ232が、結合部210の2つのねじ孔にそれぞれねじ込まれることにより、結合部210に固定される(図1及び図2参照)。また、結合部210は、2つの丸孔2100と、1つの角孔2101とを有している。2つの丸孔2100は、前後方向に一列に並ぶように設けられることが好ましい。角孔2101は、2つの丸孔2100の間に設けられることが好ましい。固定部211は、概ね矩形の平板状であって、結合部210の左側(図2では右側)の縁から上向きに起立するように結合部210と一体に形成されている。また、固定部211は、前寄りの上端の近くにねじ孔2110が設けられている。さらに、固定部211は、前後方向の中央に、上端が開放された矩形の縦溝2111が形成されている。突板部212は、左右方向から見て概ねL字形状に形成されている(図1参照)。突板部212は、結合部210の右側(図2では左側)の縁から上向きに起立するように結合部210と一体に形成されている。なお、結合部210、固定部211及び突板部212は、たとえば、アルミ又はアルミ合金製の板材によって一体に形成されることが好ましい。
本体10は、下面が開口した有底筒状に形成される。また、本体10は、12個の平坦な壁を有する角筒状に形成されている。12個の壁のうち、左側に位置する平坦な壁(平坦壁15)に、ねじ挿通孔150が設けられることが好ましい(図1参照)。さらに、本体10の12個の壁のそれぞれの下端縁には、外向きに突出する複数のフランジ片100が形成されている(図1、図3A及び図4参照)。
本体10の左右両側の平坦壁15には、それぞれ支持具6が1つずつ取り付けられている(図3A及び図3C参照)。これら一対の支持具6は、長尺の板ばね状に形成されることが好ましい。それぞれの支持具6は、長手方向の一端部で本体10の平坦壁15に固定され、かつ、長手方向の他端部が本体10の底板11に近付く向き(上向き)に撓み可能に構成されている。つまり、本体10は、埋込孔内に挿入される一対の支持具6と、本体10の下端面に設けられる複数のフランジ片100との間で天井材を挟み込むようにして天井材に支持される。
カバー5は、本体10の外径(複数のフランジ片100の先端縁の外径)よりも大きい円盤状に形成され、中央に円形の窓孔50が設けられている(図1及び図3B参照)。この窓孔50には、光源ユニット2のレンズ部220が挿通される。カバー5は、本体10の前面の開口を開放可能に塞ぐように構成されている。カバー5の上面における前端及び後端には、それぞれ取付ばね7が取り付けられている。これら一対の取付ばね7は、本体10の内周面の前側及び後側にそれぞれ一対ずつ設けられる挿通溝13に抜き差し可能に挿通される。つまり、カバー5は、一対の取付ばね7がそれぞれ一対の挿通溝13に挿通されることにより、本体10の下面を閉塞する状態で本体10に保持される(図3C参照)。また、カバー5は、窓孔50の近傍に4つの孔(第1孔53、第2孔54、第3孔55、第4孔56)が設けられている(図1及び図3B参照)。なお、これら4つの孔53〜56は、縦横2列かつ等間隔に並べて設けられることが好ましい。
電池ユニット3は、複数本の電池30と、これら複数本の電池30を収容する電池ケース31とを有する(図1及び図4参照)。電池30は、例えば、円筒形のニッカド電池、あるいは、円筒形のニッケル水素電池などの2次電池が好ましい。電池ケース31は、上下両側の底面が馬蹄形(U字形)である筒状に形成されることが好ましい。複数本の電池30は、軸方向を上下方向とし、径方向に沿って一列に並ぶように電池ケース31内に収容されることが好ましい。
電池ケース31の下側の前端部には、点灯ユニット4と電気的に接続されるコネクタ部32が設けられている(図1参照)。コネクタ部32は、一対のコンタクトと、これら一対のコンタクトを電気的に絶縁した状態で支持するコネクタハウジング320とを有する。片方のコンタクトは、電池ケース31内で電気的に直列接続されている複数本の電池30のうちの一方の端の電池30の正極と電気的に接続される。もう片方のコンタクトは、他方の端の電池30の負極と電気的に接続される。
また、電池ケース31の下側の後端部には、第1抜け止め部33と第2抜け止め部34がそれぞれ設けられている(図1参照)。第1抜け止め部33は、上端が電池ケース31に固定されて左右方向に撓み可能に構成される第1ばね片330と、第1ばね片330の下端寄りの左側面に設けられる第1突起331とを有する。第1突起331は、下に向かって第1ばね片330から離れる向きに傾斜する斜面を有した三角柱状に形成されることが好ましい(図5参照)。また、第2抜け止め部34は、上端が電池ケース31に固定されて前後方向に撓み可能に構成される第2ばね片340と、第2ばね片340の下端寄りの前面に設けられる第2突起341とを有する。第2突起341は、下に向かって第2ばね片340から離れる向きに傾斜する斜面を有した三角柱状に形成されることが好ましい(図1参照)。
点灯ユニット4は、点灯装置40と、点灯装置40を収容する筐体41とを有する。点灯装置40の回路ブロック図を図6に示す。点灯装置40は、直流電源回路400、充電回路401、点灯回路402、停電検出回路403、制御回路404、モニタランプ405、押釦スイッチ406、受信部407などを備えることが好ましい。
直流電源回路400は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、外部電源(例えば、商用の電力系統)9から供給される交流電圧を、当該交流電圧の実効値よりも低い直流電圧に変換することが好ましい。充電回路401は、外部電源9から給電されているときに動作し、直流電源回路400から電池ユニット3へ一定の充電電流を流すように構成されることが好ましい。点灯回路402は、電池ユニット3から供給される直流電流を定電流化して光源ユニット2に供給するように構成されることが好ましい。停電検出回路403は、直流電源回路400の出力電圧から外部電源9の停電を検出して制御回路404に通知するように構成される。モニタランプ405は、例えば、緑色光を放射する発光ダイオードで構成され、充電回路401から電池ユニット3に供給される充電電流によって発光させられることが好ましい。受信部407は、赤外線を通信媒体とする無線信号を受信し、受信した無線信号から送信フレームを復調して制御回路404に渡すように構成される。この無線信号は、定期点検の作業を行う作業者に操作されるワイヤレス送信器から送信される。なお、定期点検は、法令で定められた期間ごとに実施され、点灯回路402を強制的に動作させて光源ユニット2が規定の時間以上、点灯状態を維持することを確認することを目的として行われる。
制御回路404は、停電検出回路403が停電を検出していないとき、充電回路401を動作させ、かつ、点灯回路402を停止させるように構成される。また、制御回路404は、停電検出回路403が停電を検出しているとき、充電回路401を停止させ、かつ、点灯回路402を動作させるように構成される。さらに、制御回路404は、一方の押釦スイッチ406Bが押操作された場合、あるいは、受信部407から送信フレームを受け取った場合、充電回路401を停止させ、かつ、点灯回路402を動作させて点検動作を行うように構成される。ただし、制御回路404は、他方の押釦スイッチ406Aが押操作された場合は、点灯回路402を数秒間動作させた後、再度、点灯回路402を停止させ、かつ、充電回路401を動作させるように構成されることが好ましい。
点灯装置40は、プリント配線板からなる回路基板44の第1面440に実装される種々の電子部品441と、回路基板44の第2面(第1面440の裏面)に形成される導体とで各回路を実現するように構成される(図8〜図10参照)。モニタランプ405、受信部407及び2つの押釦スイッチ406A、406Bは、いずれも回路基板44の第1面440における下端近くに実装される。ただし、2つの押釦スイッチ406A、406Bは、いずれも押釦4060A、4060Bを下に向けて実装される。また、モニタランプ405は、一方の押釦スイッチ406Aの押釦4060Aの下に実装される。さらに、受信部407は、他方の押釦スイッチ406Bの押釦4060Bの下に実装される(図9及び図10参照)。なお、回路基板44の第1面における上端部には、電源入力用の端子台442が実装されている。
点灯ユニット4の筐体41は、図7〜図10に示すように、第1筐体413と第2筐体414が結合されて箱状に形成されることが好ましい。第1筐体413は、一面(左側面)が開放された矩形の箱状に形成されることが好ましい。また、第1筐体413の外側の底面(右側面)には、速結式の端子台43が取り付けられる取付台4130が一体に形成されることが好ましい(図3C、図7及び図10参照)。
第2筐体414は、一面(右側面)が開放された箱状に形成され、開放端を、第1筐体413の開放端と突き合わすようにして第1筐体413に結合されることが好ましい。ただし、第2筐体414の上面及び下面は、1つの辺(第1辺)が対向する他の1つの辺(第2辺)よりも長く、かつ、第1辺の両側の2つの辺(第3辺及び第4辺)が平行となる六角形に形成されることが好ましい(図7参照)。さらに、筐体41(第2筐体414)の下面には、3つの開口部410A、410B、410Cが前後方向に一列に並ぶように設けられている。前端の開口部410Aの奥(上)には、回路基板44の第1面440に実装された受け側のコネクタ409が配置される(図7参照)。このコネクタ409は、電池ユニット3のコネクタ部32と挿抜可能かつ電気的に接続される。また、中央の開口部410Bの奥(上)には、回路基板44の第1面440に実装されたレセプタクルコネクタ408が配置される。このレセプタクルコネクタ408は、光源ユニット2のプラグコネクタ26と挿抜可能かつ電気的に接続される。さらに、後端の開口部410Cの奥(上)には、モニタランプ405、2つの押釦スイッチ406A、406B及び受信部407が配置される(図7〜図9参照)。
また、第2筐体414の下端における開口部410Cの左側(図9では右側)に、2つの操作部材42を移動可能に支持する支持部45が、第2筐体414と一体に形成されている。操作部材42は、円柱状の操作部420と、角柱状の押圧部421と、操作部420と押圧部421を連結する連結部422とを有する(図9参照)。連結部422は、操作部420の長手方向と押圧部421の長手方向を交差(たとえば、直交)させるように、操作部420の長手方向のほぼ中央に押圧部421を連結している。なお、操作部材42の操作部420、押圧部421並びに連結部422は、合成樹脂成形体として一体に形成されることが好ましい。
支持部45は、図11に示すように、第2筐体414の下面から下方へ突出する突台450と、突台450の上方に配置された支持壁451とを有する。突台450は、概ね角柱状に形成されている。突台450は、2つの収納溝452を有している。2つの収納溝452は、半円筒面状に形成されている。また、これら2つの収納溝452は、突台450の下端に位置する底壁453に設けられた2つの挿通孔4530、4531とそれぞれ繋がっている(図8〜図11参照)。また、突台450は、2つの挟み部454を有している。2つの挟み部454は、それぞれ一対の挟み片4540からなる。一対の挟み片4540は、弧状に湾曲しており、収納溝452を挟んで対向するように配置されている(図11参照)。つまり、2つの挟み部454は、2つの収納溝452にそれぞれ収納された2つの操作部材42の操作部420を、一対の挟み片4540により径方向からそれぞれ挟み込むように構成されている(図11参照)。なお、2つの操作部材42はそれぞれ、2つの収納溝452に収納されている状態において、2つの収納溝452と一対一に対応する挿通孔4530、4531にそれぞれの操作部420の先端(下端)が挿通されている。また、2つの操作部420の後端(上端)は、支持壁451に設けられている、半円筒面状の2つの支持溝4510にそれぞれ支持されている。つまり、2つの操作部材42はそれぞれ、一対一に対応する2つの収納溝452の長手方向(上下方向)に沿って移動可能な状態で支持部45に支持されている。なお、操作部材42は、突台450における収納溝452の外側に設けられた壁455に押圧部421が当たることによって、下向きの移動範囲が規制されている(図11参照)。ここで、2つの操作部材42は、図7に示すように、筐体41の下から見て、モニタランプ405及び受信部407と重ならないように支持部45に支持されている。そして、一方の押釦スイッチ406Aは、一方の操作部材42が上向きに移動したときに押圧部421に押釦4060Aが押される。また、他方の押釦スイッチ406Bは、他方の操作部材42が上向きに移動したときに押圧部421に押釦4060Bが押される。なお、操作部材42は、操作部420が上向きに押されなくなれば、押釦スイッチ406A、406Bの押釦4060A、4060Bの復帰力(ばね力)によって、元の位置(押圧部421が壁455と当たる位置)に戻る(図10参照)。
ところで、底壁453の下面において、片方の押釦スイッチ406Aを操作するための操作部材42と対応する挿通孔4530の周囲に、円筒形の突部456が下向きに突出するように設けられている(図11参照)。さらに、突部456の下面から、2つの保護壁457が下向きに突出している。これら2つの保護壁457は同一の形状に形成されている。また、これら2つの保護壁457は、挿通孔4530に挿通されている操作部420を挟んで対向する位置に配置されることが好ましい。保護壁457は、前後方向から見て、下端に向かって先細りする形状に形成されることが好ましい。また、保護壁457は、操作部420と対向する面が平坦面とされることが好ましい。さらに、2つの保護壁457はそれぞれ、下から見て操作部420と反対側の側面が、下方に向かうに連れて操作部420に近付く向きに傾斜する傾斜面であることが好ましい(図11及び図12参照)。なお、2つの保護壁457を含めた突部456の直径は、カバー5の第1孔53の直径よりも小さくされていることが好ましい。
ここで、上下方向に沿った、保護壁457の先端(下端)から操作部420の先端(下端)までの距離をD1とする。また、上下方向に沿った、壁455に当たった状態の押圧部421の後端(上端)から押釦スイッチ406Aの押釦4060Aの先端(下端)までの距離をD2とする。さらに、押釦スイッチ406Aにおいて、押釦4060Aが押されてから接点が閉じるまでの押釦4060Aの移動距離をD3とする(図12参照)。2つの保護壁457はそれぞれ、距離D1<D2+D3の関係を満たすように構成されている。つまり、操作部材42は、操作部420の先端が保護壁457の先端よりも奥(上)に移動しなければ、押釦スイッチ406Aをオンする(接点を閉じる)ことができない。
点灯ユニット4は、図1及び図4に示すように、本体10内の左寄りの空間に収容される。そして、点灯ユニット4は、本体10の底板11に設けられている固定片110に筐体41が固定されることで本体10に取り付けられている。さらに詳しく説明すると、固定片110には2つの孔1100が設けられ、これら2つの孔1100に、第2筐体414の上面から突出する2つの突起4140がそれぞれ挿通される。そして、それぞれの孔1100に挿通された2つの突起4140が溶融されることにより、筐体41が固定片110にかしめ固定される(図3A参照)。ただし、筐体41の取付台4130に取り付けれた速結式の端子台43は、図3Cに示すように、本体10の底板11に設けられる段差部111の孔1110を通して、差込口430を本体10の外に露出させることが好ましい。つまり、これらの差込口430に電源線の導体が差し込まれることにより、端子台43と回路基板44に実装された端子台442とを介して、点灯装置40が外部電源9と電気的に接続される。
次に、非常用照明装置1Xの組立手順を説明する。ただし、一対の支持具6は、既に本体10に取り付けられている。
まず、組立作業を行う作業者は、本体10内に点灯ユニット4を収容し、本体10の底板11の固定片110に点灯ユニット4の筐体41をかしめ固定する(図1参照)。それから、作業者は、光源ユニット2を点灯ユニット4の筐体41に取り付ける。ここで、筐体41の下面には、放熱部材21の2つの丸孔2100にそれぞれ個別に挿通される2つの突起411と、放熱部材21の角孔2101に挿通される引掛部412とが下向きに突設されている。作業者は、放熱部材21の固定部211に設けられている2つの丸孔2100に2つの突起411を個別に挿通し、かつ、角孔2101に挿通した引掛部412を角孔2101の周囲に引っ掛けて、光源ユニット2を筐体41に仮止めする。このとき、作業者は、本体10の左側の平坦壁15と点灯ユニット4の間に放熱部材21の固定部211を差し込み、かつ、電池ケース31の内側(左側)に突板部212を配置する。なお、光源ユニット2のプラグコネクタ26は、筐体41の中央の開口部410Bの奥に配置されているレセプタクルコネクタ408と電気的かつ機械的に接続される。そして、作業者は、本体10の外から平坦壁15のねじ挿通孔150にねじ151を挿通し、放熱部材21の固定部211のねじ孔2110にねじ151をねじ込む。その結果、放熱部材21は、固定部211が本体10にねじ止めされることにより、本体10と熱的及び機械的に結合される。
続いて、作業者は、本体10内に電池ユニット3を収容する。電池ユニット3のコネクタ部32は、電池ユニット3が本体10内に収容される際に、点灯ユニット4の筐体41に設けられている開口部410Aを通して、点灯ユニット4の受け側のコネクタ409と電気的かつ機械的に接続される。ここで、筐体41の右側面の後端寄りの部位には、凹部415が設けられている(図5参照)。そして、電池ユニット3の第1抜け止め部33の第1突起331が筐体41の凹部415に引っ掛かることにより、電池ユニット3が点灯ユニット4の筐体41に取り付けられる。一方、電池ユニット3を本体10から取り外す場合、作業者は、最初に第1抜け止め部33の第1ばね片330を指で摘まんで撓ませ、第1突起331と凹部415の引っ掛かりを解除する。そうすると、電池ユニット3は、第2抜け止め部34の第2突起341が放熱部材21の結合部210に引っ掛かる位置まで引き下ろされる。そこから、作業者が第2ばね片340を指で摘まんで撓ませ、第2突起341と結合部210の引っ掛かりを解除すれば、電池ユニット3を本体10から引き抜いて取り外すことができる。
最後に、作業者は、一対の取付ばね7を本体10の内周面の前側及び後側にそれぞれ一対ずつ設けられる挿通溝13に挿通することにより、本体10の下面を閉塞するようにカバー5を本体10に保持させる(図3C参照)。以上のようにして、非常用照明装置1Xの組立が完了する。
ここで、作業者がカバー5を本体10に取り付ける際、点灯ユニット4の操作部材42(の操作部420)の先端(下端)にカバー5を当ててしまい、操作部材42を上向きに移動させてしまう可能性がある。この場合、カバー5に押された操作部材42の移動距離は、カバー5が保護壁457の先端(下端)に接触するまでの距離D1に制限される。このようにカバー5に押された操作部材42の移動距離が距離D1に制限されれば、操作部材42の押圧部421に押された押釦4060Aが接点を閉じる位置まで移動しない。その結果、押釦スイッチ406Aがオンされることがなく、点灯ユニット4が誤って点検動作を実行することが回避される。
さらに、2つの保護壁457は、操作部材42の操作部420とともに、カバー5の第1孔53に挿通されてカバー5の下面よりも下に飛び出している(図12参照)。したがって、本体10にカバー5が取り付けられた状態において、不用意に操作部材42の操作部420が押されても、操作部材42が保護壁457の先端(下端)よりも奥(上)まで移動し難いので、点灯ユニット4の誤動作を防ぐことができる。なお、点検作業を行う作業者は、指先あるいは筆記具の先端部分などで操作部420を押して操作部材42を保護壁457の先端よりも奥まで移動させれば、押釦スイッチ406Aをオンして点灯ユニット4に点検動作を実行させることができる。
ところで、保護壁457は、図13Aに示すように、円筒形状に形成されて操作部420の先端部分を全周に渡って囲むように構成されても構わない(変形例1)。変形例1の保護壁457は、操作部材42の誤操作をより確実に防止できるが、操作部材42の操作性を低下させてしまう可能性がある。あるいは、図13Bに示すように、1つの保護壁457のみが設けられてもよい(変形例2)。この場合は、2つの保護壁457が設けられる場合と比較して、操作部材42の誤操作が生じ易くなるが、操作部材42の操作性の向上を図ることができる。さらに、2つの保護壁457は、図13Cに示すように、柱状(円柱状や角柱状)に形成されてもよい(変形例3)。
ここで、複数の保護壁457が設けられる場合、これら複数の保護壁457は、上下方向から見て、操作部420の周囲に間隔を空けて配置されることが好ましい。つまり、複数の保護壁457の間に間隔(隙間)が形成されることによって、操作部420の操作性の向上を図ることができる。また、2つの保護壁457が設けられる場合、これら2つの保護壁457は、上下方向から見て、操作部420を挟んで対向する位置に配置されていることが好ましい。2つの保護壁457が操作部420を挟んで対向する位置に配置されれば、操作部材42の誤操作が更に生じ難くなる。さらに、2つの保護壁457の側面(操作部420と反対側の側面)が、下方に向かうに連れて操作部420に近付く向きに傾斜する傾斜面とされることが好ましい。2つの保護壁457の側面が先細りの傾斜面とされれば、本体10にカバー5が取り付けられる際、カバー5が保護壁457の先端面(下端面)に当たり難くなる。仮に、カバー5が保護壁457の先端面に当たっても、第1孔53の縁が保護壁457の側面(傾斜面)に誘導され、保護壁457と操作部420が第1孔53にスムーズに挿通される。その結果、カバー5が操作部420と接触することによる操作部材42の誤操作が更に生じ難くなる。
ところで、非常用照明装置は埋込型の非常灯に限定されず、天井に直付けされる直付け型の非常灯であっても構わない。
直付け型の非常用照明装置1Yは、図14に示すように、円盤状の本体と、円錐台形状のカバー5とを有する。本体は、天井にねじ止めされて直付けされる。カバー5の底板51の中央に窓孔50が設けられ、光源ユニット2のレンズ部220が窓孔50に挿通される。また、底板51には、4つの孔53〜55が設けられている。そして、第1孔53に、操作部材42の操作部420とともに一対の保護壁457が挿通されている。
上述のように非常用照明装置1X、1Yは、本体10と、光源ユニット2と、電池ユニット3と、点灯ユニット4と、カバー5とを備えている。本体10は、前面(下面)が開口した有底筒状に形成されている。電池ユニット3は、電池30を有している。点灯ユニット4は、電池30を充電し、かつ、電池30から供給される電力で光源ユニット2を点灯させる点灯装置40と、点灯装置40を収容する筐体41と、操作部材42とを有している。カバー5は、光源ユニット2から放射される光が通過する窓孔50を有している。カバー5は、本体10の前面(下面)の開口を開放可能に塞ぐように構成されている。点灯装置40は、外部電源9から供給される電力で電池30を充電する充電回路401と、外部電源9が停電したときに電池30から供給される電力で光源ユニット2を点灯させる点灯回路402とを有している。さらに、点灯装置40は、押釦スイッチ406Aと、押釦スイッチ406Aの押釦4060Aが押操作されたときに点灯回路402に光源ユニット2を点灯させる制御回路404とを有している。操作部材42は、カバー5の前面に設けられる孔(第1孔53)に挿通される操作部420と、本体10の前後方向(上下方向)に沿って押釦スイッチ406Aの押釦4060Aと対向する押圧部421と、押圧部421と操作部420を連結する連結部422とを有している。筐体41は、操作部420の周囲に配置される1つ又は複数の保護壁457を有している。1つ又は複数の保護壁457は、操作部420の前端(下端)と1つ又は複数の保護壁457のそれぞれの前端(下端)との距離D1を、押圧部421が押釦4060Aを押操作するために必要な操作部材42の移動距離(D2+D3)よりも短くするように構成されている。距離D1、D2、D3は、本体10の前後方向(上下方向)に沿った距離である。
非常用照明装置1X、1Yが上述のように構成されれば、操作部材42が不用意に操作されても操作部材42の移動距離が距離D1に制限され、操作部材42の押圧部421に押された押釦4060Aが接点を閉じる位置まで移動しない。その結果、非常用照明装置1X、1Yは、押釦スイッチ406Aが不用意にオンされることがなく、点灯ユニット4において点検動作が誤って実行される可能性の低下を図ることができる。
また、非常用照明装置1X、1Yにおいて、複数の保護壁457は、本体10の前後方向(上下方向)から見て、操作部420の周囲に間隔を空けて配置されていることが好ましい。
非常用照明装置1X、1Yが上述のように構成されれば、複数の保護壁457の間に隙間が形成されることにより、操作部420が意図的に操作される際、保護壁457が邪魔になり難くいので、操作部420の操作性の向上を図ることができる。
さらに、非常用照明装置1X、1Yにおいて、筐体41は、2つの保護壁457を有していることが好ましい。2つの保護壁457はそれぞれ、本体10の前後方向(上下方向)から見て、操作部420を挟んで対向する位置に配置されていることが好ましい。
非常用照明装置1X、1Yが上述のように構成されれば、操作部420の更なる操作性の向上を図ることができる。
またさらに、非常用照明装置1X、1Yにおいて、2つの保護壁457はそれぞれ、本体10の前後方向(上下方向)から見て操作部420と反対側の側面が、前方(下方)に向かうに連れて操作部420に近付く向きに傾斜する傾斜面であることが好ましい。
非常用照明装置1X、1Yが上述のように構成されれば、本体10にカバー5が取り付けられる際、第1孔53の縁が保護壁457の側面(傾斜面)に誘導され、保護壁457と操作部420が第1孔53にスムーズに挿通される。その結果、非常用照明装置1X、1Yは、カバー5が操作部420と接触することによる操作部材42の誤操作を更に生じ難くすることができる。