JP2017201190A - 長尺体取付け治具及びそれを用いた長尺体の取付け工法 - Google Patents

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友昭 今坂
大輔 小林
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大輔 小林
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祐司 川口
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Abstract

【課題】固定部に設けられた一対の支持材に対する長尺体の吊下げ支持作業を床面上において能率良く容易に行う。【解決手段】固定部に設けられた両支持材2間に長尺体1を配置した状態で両支持材2の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する長尺体取付け治具であって、両支持材2の先端側部位が挿入される挿入口23を有する捻り部20と、捻り部20に回転力を付与する長尺な回転操作軸部10とが、備えられている。【選択図】図7

Description

本発明は、床スラブの下面等の固定部に設けられた一対の支持材間に配線や配管等の長尺体を配置した状態で前記両支持材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する長尺体取付け治具及びそれを用いた長尺体の取付け工法に関する。
高所の固定部に一対の支持材を設ける方法としては、例えば、特許文献1に示すように、固定部の被取付け面に当て付け可能な取付け基板の一側面に、固定部の被取付け面に接着可能な接着剤で構成される接着剤層が形成され、取付け基板の他側面の中央位置には、支持材を挿通保持する挿通部が形成された支持具が用いられている。
また、この支持具の挿通部に挿通される支持材としては、例えば、1本又は複数本の可塑性金属線材(芯線)の外周を軟質塩化ビニル樹脂等の軟質合成樹脂材料により円柱状又は帯状に被覆した結束線材(バインド線)が用いられている。
一般に、上述の支持具は、それの挿通部に結束線材を挿通した状態で、固定部の被取付け面における長尺体配設経路の吊下げ支持位置に接着剤等で固着されている。
そして、固定部の被取付け面に固着された支持具の両結束線材に長尺体を吊下げ支持するに当たって、従来では、作業者が作業台、脚立に上がり、一方の手で両結束線材間に配置した長尺体を支持した状態で、他方の手で両結束線材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する高所作業方法が採られている。
特開2006−194387号公報
上述の従来の高所作業方法では、作業台、脚立に上がった作業者が両手を使用して、長尺体を支持しながら両結束線材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する関係上、作業台、脚立上での安全を充分に確保しながら慎重に捻り結束作業を進める必要がある。しかも、作業対象の吊下げ支持位置での両結束線材の捻り結束作業が終了する度に、作業台、脚立から降りて次の作業対象の吊下げ支持位置に作業台、脚立を移動させる必要があるため、全体として長尺体の吊下げ支持作業に多くの手間を要していた。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、上述のような弊害のある高所作業を回避し、固定部に設けられた一対の支持材に対する長尺体の吊下げ支持作業を床面上において能率良く安全に行うことのできる長尺体取付け治具及びそれを用いた長尺体の取付け工法を提供する点にある。
本発明による第1の特徴構成は、固定部に設けられた両支持材間に長尺体を配置した状態で前記両支持材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する長尺体取付け治具であって、
前記両支持材の先端側部位が挿入される挿入口を有する捻り部と、前記捻り部に回転力を付与する長尺な回転操作軸部と、を備えている点にある。
上記構成によれば、固定部に設けられている両支持材に長尺体を吊下げ支持させるに、先ず、長尺体を両支持材間に配置した状態において、作業者が把持する長尺な回転操作軸部を操作し、固定部側の両支持材の先端側部位を捻り部の挿入口内に挿入させる。次に、回転操作軸部で捻り部に回転力を付与することにより、捻り部の回転に伴って両支持材における長尺体の配設位置よりも下方側の先端側部位を抜止め状態に捻り結束することができ、固定部側の両支持材間に配置した長尺体を確実に吊下げ支持させることができる。
それ故に、従来の高所作業方法のように作業台、脚立等に一々上がる必要性がなく、固定部に設けられた一対の支持材に対する長尺体の吊下げ支持作業を床面上において能率良く安全に行うことができる。
本発明による第2の特徴構成は、前記捻り部の前記挿入口に挿入された前記両支持材の先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与する移動抵抗付与手段が設けられている点にある。
上記構成によれば、移動抵抗付与手段により、捻り部の挿入口に挿入された両支持材の先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与することができるので、捻り部の回転によって両支持材の先端側部位が挿入口から抜け出すことを抑制することができ、両支持材の先端側部位を抜止め状態に確実に捻り結束することができる。
本発明による第3の特徴構成は、前記回転操作軸部には、前記長尺体を脱着自在に保持する長尺体保持部が取付けられている点にある。
上記構成によれば、長尺の回転操作軸部に取付けられた長尺体保持部に長尺体を保持させ、この状態で回転操作軸部を操作して長尺体保持部及び捻り部を吊下げ対象の両支持材側に移動させ、長尺体を両支持材間に配置するとともに、捻り部の挿入口に両支持材の先端側部位を挿入させる。次に、回転操作軸部で捻り部に回転力を付与することにより、捻り部の回転に伴って両支持材における長尺体の配設位置よりも下方側の先端側部位を抜止め状態に確実に捻り結束することができる。
したがって、固定部側の両支持材間に対する長尺体の配置保持作業と捻り部の回転による両支持材の捻り結束作業とを能率良く行うことができる。
本発明による第4の特徴構成は、前記長尺体保持部には、前記固定部側と当接可能な当接部が形成されている点にある。
上記構成によれば、回転操作軸部を操作して長尺体保持部の当接部を固定部側に当て付けることにより、長尺体保持部を長尺体配設方向に沿う姿勢で簡単に固定保持することができる。しかも、固定保持された長尺体保持部に対して捻り部のみを的確に回転操作することができる。さらに、長尺体保持部に当接部を形成するだけであるから、長尺体保持部を固定保持する固定保持機構を別途設ける場合に比較して構造面及び製造コスト面で有利に実施することができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記長尺体保持部には、前記長尺体を横架姿勢で脱着自在に保持する一対の凹部が形成され、前記両凹部の内面側には、前記長尺体を移動案内するローラが設けられている点にある。
上記構成によれば、吊下げ対象の両支持材の捻り結束作業が終了して、次の吊下げ対象の両支持材に移動する場合、吊下げ支持されていない長尺体の垂れ下がり部分を保持した状態で長尺体保持部を移動操作する必要がある。このとき、長尺体の垂れ下がり部分を長尺体保持部の両凹部内に横架姿勢で保持することができるので、長尺体保持部からの長尺体の脱落を抑制することができる。しかも、両凹部の内面側にはローラが設けられているので、長尺体の垂れ下がり部分を保持した状態で長尺体保持部をスムーズに移動操作することができる。
本発明による第6の特徴構成は、前記捻り部には、前記回転操作軸部に一体回転状態で設けられた前記挿入口を有する第1捻り部材と、前記長尺体保持部に対して回転不能な状態で前記回転操作軸部に回転自在に支承され、且つ、前記第1捻り部材の前記挿入口から突出する前記両支持材の先端側部位を回転方向から受け止め可能な受け部を備えた第2捻り部材と、が備えられている点にある。
上記構成によれば、長尺体保持部を固定保持した状態では、長尺体保持部に対して回転不能な状態で回転操作軸部に回転自在に支承されている第2捻り部材も固定保持される。そのため、固定保持されている第2捻り部材に対して、第1捻り部材を回転操作軸部で回転操作すると、第2捻り部材の受け部に対して、第1捻り部材の挿入口から突出する両支持材の先端側部位が回転方向から当接して折り曲げられる。さらに、それに続く第1捻り部材の回転により、折り曲げられた両支持材の先端側部位が前記両捻り部材の対向面間に入り込み、第1捻り部材の両挿入口に挿入された両支持材に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与することができる。
それ故に、捻り部の第1捻り部材の回転によって両支持材の先端側部位が挿入口から抜け出すことを抑制することができ、両支持材の先端側部位を抜止め状態で確実に捻り結束することができる。
本発明による第7の特徴構成は、第1〜第6の特徴構成のいずれか一つに記載の長尺体取付け治具を用いた長尺体の取付け工法であって、
長尺な支持材取付け治具の先端部に、前記両支持材を備えた支持具を装着し、この支持具を、前記固定部の長尺体配設経路の吊下げ支持位置に固着する支持材取付け工程と、
前記固定部に固着された前記支持具の前記両支持材間に長尺体を配置する長尺体配置工程と、
前記長尺体取付け治具の長尺な前記回転操作軸部を操作し、前記捻り部の前記両挿入口内に前記両支持材の先端側部位を挿入させたのち、前記回転操作軸部で前記捻り部に回転力を付与し、前記両支持材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する捻り結束工程と、
を備えている点にある。
上記構成によれば、支持材取付け工程においては、長尺な支持材取付け治具の先端部に、両支持材を備えた支持具を装着したのち、作業者が把持する長尺な支持材取付け治具を操作し、固定部の長尺体配設経路の吊下げ支持位置に支持具を固着する。次の長尺体配置工程においては、固定部に固着された両支持材間に長尺体を配置する。
そして、捻り結束工程においては、作業者が把持する長尺な回転操作軸部で捻り部に回転力を付与することにより、捻り部の回転に伴って両支持材における長尺体の下方側の先端側部位を確実に抜止め状態に捻り結束することができる。
したがって、従来の高所作業方法のように作業台、脚立等に一々上がる必要性がなく、固定部に対する支持具の固着作業、及び、固定部に固着された支持具の一対の支持材に対する長尺体の吊下げ支持作業を共に床面上において能率良く安全に行うことができる。
第1実施形態の長尺体取付け治具の斜視図 第1実施形態の長尺体取付け治具の正面図 図2におけるIII−III線断面図 第1実施形態の長尺体取付け治具の分解斜視図 長尺体の取付け工法を示す工程説明図 結束線材の挿入状態を示す斜視図 結束線材の捻り結束状態を示す斜視図(a)と正面図(b) 第2実施形態の長尺体取付け治具の斜視図 第3実施形態の長尺体取付け治具の斜視図
〔第1実施形態〕
図1〜図4は、高所の固定部(天井部)F(図5参照)に設けられた一対の支持材2間に配線や配管等の長尺体1を配置した状態で両支持材2の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する長尺体取付け治具Aを示す。
本実施形態では、図5に示すように、固定部Fの一例として、マンションやオフィスビル等の建物の二重天井構造において、長尺体1としての配線や配管を配設するための天井空間を形成する状態で天井パネルを吊下げ支持するコンクリート製の床スラブ3を例示している。
また、床スラブ3の下面となる被取付け面3aに両支持材2を取付ける形態としては、従来から種々の取付け形態が存在し、その何れの取付け形態も好適に実施可能である。本実施形態では、図5、図6に示すように、床スラブ3の被取付け面3aに当て付け可能な取付け基板4aの一側面に、床スラブ3の被取付け面3aに接着可能な接着剤で構成される接着剤層4bが形成され、取付け基板4aの他側面の中央位置には、支持材2の一例である結束線材(バインド線)2aを挿通保持可能な円柱状の挿通部4cが一体形成された樹脂製の支持具4が用いられている。
さらに、結束線材2aとしては、長尺体1の荷重を受け止めることができ、且つ、抜止め状態に捻り結束することのできる塑性変形可能な線材であれば使用可能である。本実施形態では、1本又は複数本の可塑性金属線材の外周を軟質塩化ビニル樹脂等の軟質合成樹脂により帯状に被覆してなる結束線材2a、或いは、1本の可塑性金属線材の外周を軟質塩化ビニル樹脂等の軟質合成樹脂により円柱状に被覆してなる結束線材2aが用いられる。勿論、可塑性金属線材の裸線を結束線材2aとして用いることもできる。
次に、長尺体取付け治具Aの詳細について説明する。
尚、長尺体取付け治具Aの説明にあたっては、図1の左下側に表示したように、長尺体1の横架方向を左右方向Xとし、長尺体1の横架方向に対して直交する鉛直方向を上下方向Yとし、さらに、長尺体1の横架方向に対して直交する水平方向を前後方向Zとして記載する。
この長尺体取付け治具Aには、図1〜図4、図6に示すように、長尺体1を左右方向Xに沿って横架姿勢で脱着自在に保持する左右一対の凹部43を有する長尺体保持部40と、両結束線材2aの先端側部位が挿入される挿入口23を有する捻り部20と、先端部(上端部)に長尺体保持部40及び捻り部20を設け、且つ、捻り部20に回転力を付与可能な長尺の回転操作軸部10と、捻り部20の挿入口23に挿入された両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与する移動抵抗付与手段26と、が主要構成として備えられている。
さらに、長尺体取付け治具Aには、捻り部20を初期回転操作位置に弾性付勢力で位置保持可能な初期回転位置保持機構30が設けられている。
そして、床スラブ3の被取付け面3aに固着された支持具4の両結束線材2aに長尺体1を吊下げ支持させるにあたっては、先ず、図5(b)に示すように、長尺な回転操作軸部10に設けられた長尺体保持部40に長尺体1を横架姿勢で保持させ、この状態で回転操作軸部10を操作して長尺体保持部40及び捻り部20を床スラブ3の吊下げ対象の支持具4の両結束線材2a側に近接移動させる。図6に示すように、長尺体保持部40に保持されている長尺体1を両結束線材2a間に配置し、且つ、捻り部20の両挿入口23に両結束線材2aの先端側部位を挿入させる。次に、図7に示すように、回転操作軸部10で捻り部20に回転力を付与することにより、捻り部20の回転に伴って両結束線材2aにおける長尺体1の配設位置よりも下方側の先端側部位を抜止め状態に捻り結束して、図5(b)に示すように、床スラブ3に固着された支持具4の両結束線材2a間に長尺体1を吊下げ支持させる。
それ故に、両結束線材2a間での長尺体1の配置保持作業と捻り部20の回転による両結束線材2aの捻り結束作業とを、床面上において能率良く安全に行うことができる。
しかも、移動抵抗付与手段26により、捻り部20の両挿入口23に挿入された両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与することができるので、捻り部20の回転によって両結束線材2aの先端側部位が両挿入口23から抜け出すことが無く、両結束線材2aの先端側部位を抜止め状態で確実に捻り結束することができる。
次に、回転操作軸部10の具体的構造について説明する。
回転操作軸部10は、図1〜図3に示すように、長尺体保持部40及び捻り部20を設けてある樹脂製又は金属製の回転操作基軸11と、当該回転操作基軸11の下端開口に対して上下方向Yから脱着自在に嵌合接続される金属製又は樹脂製のパイプ状の回転操作延長軸12とから構成されている。
回転操作基軸11の嵌合接続筒部11Aの外周面の下端部で、且つ、周方向に等間隔を隔てた複数個所(当該実施形態では三箇所)に形成した突起部13には、回転操作基軸11の嵌合接続筒部11Aに嵌合接続された回転操作延長軸12の嵌合接続軸部分を径方向外方側から締め付け固定するネジ部材14が螺合されている。
回転操作軸部10の長さは、図5(b)に示すように、床スラブ3の被取付け面3aに設けられた支持具4までの地上高さを考慮して適宜設定する。本実施形態においては、回転操作軸部10の長さは、床面に起立した作業者が回転操作延長軸12を把持した状態で、床スラブ3側の支持具4の結束線材2aに対して回転操作基軸11に設けられた長尺体保持部40及び捻り部20が余裕をもって届く長さに構成されている。
次に、捻り部20の具体的構造について説明する。
捻り部20は、図1〜図4に示すように、回転半径方向で対を成す三組(回転方向で六つ)の平面視略扇形状の第1挿入口23aを貫通形成してある樹脂製又は金属製の第1捻り部材21の第1ボス部21Aと、当該第1捻り部材21の第1挿入口23aと同一又は略同一形状の三組(回転方向で六つ)の平面視略扇形状の第2挿入口23bを貫通形成してある樹脂製又は金属製の第2捻り部材22の第2ボス部22Aとを、回転操作軸部10の回転操作基軸11に回転自在に外嵌装着して構成されている。そのため、捻り部20の挿入口23は、第1捻り部材21の第1挿入口23aと第2捻り部材22の第2挿入口23bとをもって構成されている。
さらに、捻り部20の取付け構造を詳述すると、図3、図4に示すように、第1捻り部材21の第1ボス部21Aは、回転操作基軸11の上端側の小径軸部11Bに回転自在に外嵌されている。この第1捻り部材21の第1ボス部21Aには、結束線材2aの先端側部位を第1挿入口23a内に移入案内するべく、第1ボス部21Aの外周面よりも回転半径方向外方側に張り出し、且つ、回転半径方向外方側ほど下方に位置する三組(回転方向で六つ)の傾斜ガイド面21bを備えた截頭円錐体状の挿入ガイド部21Bが一体形成されている。
また、第1捻り部材21の第1ボス部21Aには、長尺体保持部40のボス部41及び第2捻り部材22の第2ボス部22Aの各外径と同径に構成された円筒状の樹脂製の位置決め用環状体27が外嵌されている。この位置決め用環状体27と第1捻り部材21の第1ボス部21Aと回転操作基軸11の小径軸部11Bとは、それらを貫通する連結ピン28により一体回転状態に連結されている。さらに、第1捻り部材21の第1ボス部21Aのうち、位置決め用環状体27の上側環状面と挿入ガイド部21Bの張り出し状態にある下側環状面との対向面間には、第2捻り部材22の第2ボス部22Aが回転自在に外嵌保持されている。
第2捻り部材22には、図1、図2に示すように、長尺体保持部40の後述の両ホルダ部44の内側面に沿って当接又は近接する回り止め部22bが一体形成され、この第2捻り部材22の両回り止め部22bと長尺体保持部40の両ホルダ部44の内側面との当接により、第2捻り部材22は、長尺体保持部40に対して回転不能な状態で設けられている。
図1、図4に示すように、第1捻り部材21においては、第1ボス部21Aと円形状の第1外環状体21Cとの間に、回転方向で六つの第1挿入口23aに区画形成する放射状の第1仕切り部21Dが一体形成されている。
第2捻り部材22においては、第2ボス部22Aと両回り止め部22bを有する変形矩形状の第2外環状体22Bとの間に、回転方向で六つの第2挿入口23bに区画形成する放射状の第2仕切り部22Cが一体形成されている。
第1捻り部材21の第1外環状体21Cの上面及び第1仕切り部21Dの上面には、結束線材2aの先端側部位を第1挿入口23a内に移入案内する傾斜ガイド面21c,21dが形成されている。
また、図3、図4に示すように、第2捻り部材22の各第2仕切り部22Cの回転方向両側面は、第2捻り部材22に対する第1捻り部材21の右回転又は左回転に伴って、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから下方側に突出する結束線材2aの先端側部位を回転方向から受け止め可能な受け部24に構成されている。
さらに、図2、図3に示すように、第1捻り部材21の第1外環状体21C及び第1仕切り部21Dの各下面と第2捻り部材22の第2外環状体22B及び第2仕切り部22Cの各上面との対向面間には、両結束線材2aの先端側部位が入り込み可能な線材侵入空間25が形成されている。
そして、図6、図7に示すように、長尺体保持部40に当接して回転不能な状態にある第2捻り部材22に対して、両第1挿入口23aに両結束線材2aの先端側部位が挿入されている第1捻り部材21を回転操作軸部10で回転操作すると、第2捻り部材22の受け部24に対して、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから下方に突出して両第2挿入口23b内に位置する両結束線材2aの先端側部位が回転方向から当接して折り曲げられる。さらに、それに続く第1捻り部材21の回転により、図7に示すように、略L字状に折り曲げられた両結束線材2aの先端側部位が、第1捻り部材21と第2捻り部材22との対向面間の線材侵入空間25内に入り込み、両第1挿入口23a及び両第2挿入口23bに挿入された両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に大きな抵抗を付与することができる。
そのため、線材侵入空間25を形成する相対回転自在な第1捻り部材21と第2捻り部材22とをもって、上述の移動抵抗付与手段26が構成されている。
次に、初期回転位置保持機構30の具体的構造について説明する。
図2、図3に示すように、回転操作基軸11に連結されている位置決め用環状体27と長尺体保持部40のボス部41との相対向する部位で、且つ、前後方向Zに沿う直径線上の設定回転開始位置には、上下方向Yから係脱可能な係合部31と被係合部32とが設けられている。そのうち、係合部31は、位置決め用環状体27の下側環状面に突出形成された半円柱状の係合突条から構成され、被係合部32は、長尺体保持部40のボス部41の上側環状面に窪み形成された半円状の係合溝から構成されている。
さらに、長尺体保持部40のボス部41の下側環状面に回転自在に当接する第1バネ受けリング33と回転操作基軸11の突起部13の上側端面に回転自在に当接する第2バネ受けリング34との間には、係合部31と被係合部32とを係合状態に付勢するべく、長尺体保持部40のボス部41を位置決め用環状体27側に移動付勢する圧縮コイルスプリング35が装着されている。
次に、長尺体保持部40の具体的構造について説明する。
長尺体保持部40は、図1〜図4に示すように、ボス部41から第2捻り部材22の下面側を通して回転半径方向外方側に延出される支持アーム部42(図2参照)の両先端に、長尺体1を左右方向Xに沿う横架姿勢で脱着自在に保持可能な上方開口の凹部43を備えたホルダ部44を一体形成して構成されている。
両ホルダ部44の各々には、図2、図4に示すように、支持アーム部42の先端に一体形成される鉛直姿勢の内側ホルダ板44Aと、当該内側ホルダ板44Aの外面にビス等で脱着自在に取付けられる外側ホルダ板44Bとが備えられている。この内側ホルダ板44Aと外側ホルダ板44Bとの間には、凹部43の底部及び前後方向Zの両側部において長尺体1を移動案内する第1ローラ45及び第2ローラ46と、凹部43の上側開口を開閉するゲート部材47とが組み付けられている。
内側ホルダ板44A及び外側ホルダ板44Bには、図4に示すように、凹部43の底辺に連通形成された第1ローラ装着空部43a内に配置される第1ローラ45のローラ軸45aを前後方向Zに沿う水平軸芯周りで回転自在に支承する第1軸受け溝部50と、凹部43の前後方向Zの両側部に連通形成された第2ローラ装着空部43b内に配置される第2ローラ46のローラ軸46aを上下方向Yに沿う縦軸芯周りで回転自在に支承する第2軸受け溝部51とが形成されている。
ゲート部材47は、図4に示すように、内側ホルダ板44A及び外側ホルダ板44Bの上辺と一方の側辺に沿うL字の板状に形成され、内側ホルダ板44A及び外側ホルダ板44Bに形成されたL字状格納凹部48に閉止姿勢で格納される。
ゲート部材47の横方向板部47aは、凹部43の上側開口を横断状態で閉止可能な長さに構成され、ゲート部材47の縦方向板部47bには、内側ホルダ板44Aに一体形成された揺動支点ピン52に係合し、且つ、上下方向Yが長軸になる長円形状の係合長孔53が形成されている。
また、外側ホルダ板44Bには、図1、図5に示すように、閉止姿勢にあるゲート部材47の係合長孔53の下端部に係合する半球状の係合突起55aを備えた係合片55が形成されている。この係合片55の下端は外側ホルダ板44Bに連続形成され、それ以外は輪郭形状に沿ってスリット56が形成されている。そのため、係合片55は、係合突起55aが係合長孔53から係合離脱する左右方向Xの外方側に撓み変形可能に構成されている。
そして、ゲート部材47が、内側ホルダ板44A及び外側ホルダ板44BのL字状格納凹部48内に閉止姿勢で格納されている状態では、係合片55の係合突起55aがゲート部材47の係合長孔53の下端部に係合し、ゲート部材47は閉止姿勢に維持される。
次に、ゲート部材47を上方に押し上げ操作すると、又は、ゲート部材47の横方向板部47aに長尺体1を介して上方への押し上げ力が作用すると、係合片55が左右方向Xの外方側に撓み変形して当該係合片55の係合突起55aとゲート部材47の係合長孔53との係合が解除され、ゲート部材47がホルダ部44のL字状格納凹部48の縦方向凹部分に沿って上方に移動する。移動した状態では、ゲート部材47の係合長孔53の下端部が内側ホルダ板44Aの揺動支点ピン52に当接しているため、揺動支点ピン52との当接箇所を揺動支点としてゲート部材47を前後方向Zの外方側に退避揺動させた開放姿勢に切り替えることができる。
尚、左右のホルダ部44のゲート部材47のうち、一方は前方側に退避揺動して開放姿勢に切り替えられ、他方は後方側に退避揺動して開放姿勢に切り替えられる。
尚、図3、図4の仮想線に示すように、ゲート部材47の縦方向板部47bに、ゲート部材47をL字状格納凹部48の縦方向凹部分に沿って上下方向Yに移動操作する操作摘み47cを設けて実施してもよい。
図1に示すように、内側ホルダ板44A及び外側ホルダ板44Bの上側面と、内側ホルダ板44A及び外側ホルダ板44BのL字状格納凹部48内に閉止姿勢で格納されたゲート部材47の上側面とは面一又は略面一状態にあり、この三者の上側面全体が、図5(b)、図7(b)に示すように、床スラブ3の下面に当接可能な当接部57に構成されている。
左右のホルダ部44の当接部57を床スラブ3の下面となる被取付け面3aに当接させた状態で、圧縮コイルスプリング35の弾性付勢力に抗して回転操作軸部10の回転操作延長軸12を押し上げると、長尺体保持部40のボス部41に形成されている被係合部32から位置決め用環状体27の係合部31が上方に係合離脱するため、回転操作延長軸12を容易に回転操作することができる。
次に、上述の如く構成された長尺体取付け治具Aを用いた長尺体1の取付け工法について説明する。
この取付け工法では、図5に示すように、長尺な支持材取付け治具Bの先端部に、結束線材2aを挿通してある支持具4を装着し、この支持具4を、床スラブ3の長尺体配設経路の吊下げ支持位置に固着する支持材取付け工程と、床スラブ3に固着された支持具4の両結束線材2a間に長尺体1を配置する長尺体配置工程と、長尺体取付け治具Aの長尺な回転操作軸部10を操作して捻り部20の両挿入口23内に両結束線材2aの先端側部位を挿入させたのち、回転操作軸部10で捻り部20に回転力を付与し、両結束線材2aの先端側部位を抜止め状態に捻り結束する捻り結束工程と、を備えている。
以下、上述の各工程について詳述する。
[支持材取付け工程]
[1]図5(a)に示すように、接着剤層4bを備えた取付け基板4aの挿通部4cに結束線材2aを略U字状に挿通してなる支持具4を、床面上の作業者が把持した状態で床スラブ3の下面にまで届く長尺な支持材取付け治具Bに装着する。この支持材取付け治具Bは金属製又は樹脂製のパイプから構成され、このパイプの先端開口部に、支持具4の挿通部4c及び結束線材2aを内装する状態で当該支持具4を装着する。この装着状態では、パイプの先端が取付け基板4aの他側面である下面に当接し、取付け基板4aの接着剤層4bが上方側に位置する。
支持材取付け治具Bに装着された支持具4の取付け基板4aを、床スラブ3の被取付け面3aにおける長尺体配設経路の吊下げ支持位置に押し付け、取付け基板4aの接着剤層4bを介して支持具4を床スラブ3の被取付け面3aに固着する。
床スラブ3の被取付け面3aに支持具4の取付け基板4aが固着された状態では、支持具4の挿通部4cに挿通されている結束線材2aは垂下する。
[長尺体配置工程]
[2]長尺体取付け治具Aの長尺体保持部40の両ホルダ部44の凹部43内に、長尺体1を左右方向Xに沿う横架姿勢で取付ける。その後、開放姿勢のゲート部材47を、両ホルダ部44の内側ホルダ板44Aに一体形成された揺動支点ピン52との当接箇所を揺動支点として閉止側に揺動させたのち、ゲート部材47を下方に押し込み、両ホルダ部44の外側ホルダ板44Bに形成されている係合片55の係合突起55aを、ゲート部材47の係合長孔53の下端部に係合させる。これにより、ゲート部材47は閉止姿勢に維持される(図6参照)。
[3]次に、図5(b)に示すように、回転操作軸部10の回転操作延長軸12を把持し、長尺体保持部40の両ホルダ部44を床スラブ3に固着されている吊下げ対象の支持具4にまで移動操作する。このとき、両ホルダ部44の凹部43の底部及び前後方向Zの両側部には第1ローラ45及び第2ローラ46が配設されているので、長尺体1の垂れ下がり部分を保持した状態で長尺体保持部40の両ホルダ部44をスムーズに移動操作することができる。
そして、図6に示すように、長尺体保持部40の両ホルダ部44を吊下げ対象の支持具4の両側脇に配置する。このとき、捻り部20を構成する第1捻り部材21の六つの第1挿入口23a及び第2捻り部材22の六つの第2挿入口23bのうち、直径方向で対をなす一組の第1挿入口23a及び一組の第2挿入口23bに、吊下げ対象の支持具4から垂下する両結束線材2aの先端側部位を挿入させる。
その後、回転操作軸部10の回転操作延長軸12を押し上げ操作し、吊下げ対象の支持具4の両側脇に配置された長尺体保持部40の両ホルダ部44の当接部57を床スラブ3の下面に当て付ける。これにより、床スラブ3に固着の支持具4の両結束線材2a間に長尺体1を配置した状態で、長尺体保持部40を長尺体配設方向に沿う姿勢で簡単に固定保持することができる。
[捻り結束工程]
[4]次に、図5(b)に示すように、両ホルダ部44の当接部57を床スラブ3の下面に当接させた固定保持状態で、圧縮コイルスプリング35の弾性付勢力に抗して回転操作軸部10の回転操作延長軸12を押し上げ操作すると、長尺体保持部40のボス部41に形成されている被係合部32から位置決め用環状体27の係合部31が上方に係合離脱する(図7(b)参照)。そのため、固定保持された長尺体保持部40及び当該長尺体保持部40に当接して回転不能な状態にある第2捻り部材22に対して第1捻り部材21をスムーズに回転させることができる。
[5]そして、図7に示すように、固定保持された長尺体保持部40及び第2捻り部材22に対して、両第1挿入口23aに両結束線材2aの先端側部位が挿入されている第1捻り部材21を回転操作軸部10で回転操作すると、第2捻り部材22の第2仕切り部22Cの受け部24に対して、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから下方に突出する両結束線材2aの先端側部位が回転方向から当接して折り曲げられる。さらに、それに続く第1捻り部材21の回転に伴って、略L字状に折り曲げられた両結束線材2aの先端側部位が第1捻り部材21と第2捻り部材22との対向面間に形成されている線材侵入空間25内に入り込み、第1捻り部材21の両第1挿入口23aに挿入された両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に大きな抵抗を付与することができる。
さらに、第1捻り部材21を回転操作軸部10で回転操作すると、両結束線材2aのうち、長尺体1の下面近傍に位置する部位が捻られ螺旋状に結束される。これにより、長尺体1は、床スラブ3に固着された支持具4の両結束線材2aにて抜止め状態で吊下げ支持される。
[6]次に、回転操作軸部10の回転操作延長軸12を引き下げ操作すると、両ホルダ部44の凹部43を閉止しているゲート部材47が凹部43内の長尺体1で押し上げられ、係合片55が左右方向Xの外方側に撓み変形して当該係合片55の係合突起55aとゲート部材47の係合長孔53との係合が解除される。この係合解除によってゲート部材47がホルダ部44のL字状格納凹部48の縦方向凹部分に沿って上方に移動する。移動した状態では、ゲート部材47の係合長孔53の下端部が内側ホルダ板44Aの揺動支点ピン52に当接しているため、揺動支点ピン52との当接箇所を揺動支点としてゲート部材47が前後方向の外方側に揺動され、ゲート部材47は開放姿勢に切り替えられる。
このとき、一方のゲート部材47は前方側に揺動し、他方のゲート部材47は後方側に揺動するため、床スラブ3に固着の支持具4に吊下げ支持されている長尺体1に対して、長尺体保持部40の両ホルダ部44を直下方向にスムーズに抜き出すことができる。
この長尺体保持部40の抜き出しに伴って、第1捻り部材21と第2捻り部材22との対向面間の線材侵入空間25内に入り込んでいた両結束線材2aの先端側部位が引き抜き出される。
長尺体1の取付け工法においては、床スラブ3に固着される支持具4の接着剤層4bが固化するまでに所定の固化時間が必要であるため、一般的には、床スラブ3の長尺体配設経路の各吊下げ支持位置に全ての支持具4を固着し、接着剤層4bの固化時間が経過したのち、上述の[2]〜[6]で述べた長尺体配置工程及び捻り結束工程を繰り返すことになる。
尚、上述の第1実施形態では、第1捻り部材21に三対(6つ)の第1挿入口23aを形成し、第2捻り部材22にも三対(6つ)の第2挿入口23bを形成したが、第1挿入口23a及び第2挿入口23bをそれぞれ一対(2つ)ずつ、又は二対(4つ)ずつ形成して実施してもよい。また、第1挿入口23a及び第2挿入口23bをそれぞれ7つ以上形成してもよい。
さらに、第1捻り部材21に形成される第1挿入口23aの数、大きさ、形状と、第2捻り部材22に形成される第2捻り部材22の数、大きさ、形状との少なくとも一つが相違する形態で実施してもよい。
〔第2実施形態〕
図8は長尺体取付け治具Aの第2実施形態を示す。この長尺体取付け治具Aには、長尺体1を横架姿勢で脱着自在に保持する左右一対の凹部43を有する長尺体保持部40と、両結束線材2aの先端側部位が挿入される挿入口23を有する捻り部20と、長尺体保持部40及び捻り部20を支持し、且つ、捻り部20に回転力を付与する長尺な回転操作軸部10と、捻り部20の挿入口23に挿入された両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与する移動抵抗付与手段26と、が主要構成として備えられている。
回転操作軸部10は、長尺体保持部40及び捻り部20を取付けてある樹脂製又は金属製の回転操作基軸11と、当該回転操作基軸11の下端開口に対して回転軸芯方向から脱着自在に嵌合接続される金属製又は樹脂製のパイプ状の回転操作延長軸12とから構成されている。
回転操作軸部10の長さは、床スラブ3の下面に設けられた支持具4までの地上高さを考慮して適宜設定する。本実施形態では、回転操作軸部10の長さは、床面に起立した作業者が回転操作延長軸12を把持した状態で、床スラブ3側の支持具4の結束線材2aに対して回転操作基軸11に取付けられた長尺体保持部40及び捻り部20が余裕をもって届く長さに構成されている。
捻り部20は、回転半径方向で対を成す一組の平面視略扇形状の第1挿入口23aを貫通形成してある樹脂製又は金属製の第1捻り部材21と、当該第1捻り部材21の第1挿入口23aよりも大きな一組の平面視略扇形状の第2挿入口23bを貫通形成してある樹脂製又は金属製の第2捻り部材22とを主要構成として備えている。
そのため、捻り部20の挿入口23は、第1捻り部材21の第1挿入口23aと第2捻り部材22の第2挿入口23bとをもって構成されている。
第1捻り部材21は、回転操作基軸11の上端に一体形成され、第2捻り部材22は、回転操作基軸11の上端側部位に回転のみ自在に取付けられている。この第2捻り部材22には、長尺体保持部40の後述の両ホルダ部44の内側面に沿って当接又は近接する回り止め部22bが一体形成されている。そのため、この第2捻り部材22の両回り止め部22bと長尺体保持部40の両ホルダ部44の内側面との当接により、第2捻り部材22は、長尺体保持部40に対して回転不能な状態で回転操作軸部10の回転操作基軸11に回転自在に支承されている。
第2捻り部材22の各第2挿入口23bに臨む回転方向両側の内面は、第2捻り部材22に対する第1捻り部材21の右回転又は左回転に伴って、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから下方側に突出する結束線材2aの先端側部位を回転方向から受け止め可能な受け部24に構成されている。
さらに、第1捻り部材21の下面と第2捻り部材22の上面との対向面間には、両結束線材2aの先端側部位が入り込み可能な線材侵入空間25が形成されている。
そして、長尺体保持部40に当接して回転不能な状態にある第2捻り部材22に対して、両第1挿入口23aに両結束線材2aの先端側部位が挿入されている第1捻り部材21を回転操作軸部10で回転操作する。すると、第2捻り部材22の受け部24に対して、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから突出して両第2挿入口23b内に位置する両結束線材2aの先端側部位が回転方向から当接して略L字状に折り曲げられる。さらに、それに続く第2捻り部材22に対する第1捻り部材21の回転により、折り曲げられた両結束線材2aの先端側部位が、第1捻り部材21と第2捻り部材22との対向面間の線材侵入空間25内に入り込み、両第1挿入口23a及び両第2挿入口23bに挿入された両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に大きな抵抗を付与することができる。
そのため、線材侵入空間25を形成する相対回転自在な第1捻り部材21と第2捻り部材22とをもって、上述の移動抵抗付与手段26が構成されている。
長尺体保持部40は、ボス部41から第2捻り部材22の下面側を通して回転半径方向外方側に延出される支持アーム部42の両先端に、長尺体1を横架姿勢で脱着自在に保持可能な凹部43を備えた板状のホルダ部44を一体形成して構成されている。
各ホルダ部44には、凹部43の開口幅を他の部位よりも狭める抜け出し突起部59が一体形成されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図9は長尺体取付け治具Aの第3実施形態を示す。この長尺体取付け治具Aは、上述の第2実施形態の長尺体取付け治具Aと機能的には同一である。形態で異なる点は、捻り部20の第2捻り部材22には第2挿入口23bが存在しない。その代わり、第2捻り部材22には、回転軸芯を半径中心とする円弧状の一対の第1窪み部60が切欠き形成されている。各第1窪み部60における回転方向両側の外面は、第2捻り部材22に対する第1捻り部材21の右回転又は左回転に伴って、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから下方側に突出する結束線材2aの先端側部位を回転方向から受け止め可能な第1受け部61に構成されている。
さらに、長尺体保持部40の支持アーム部42には、回転軸芯を半径中心とする円弧状の一対の第2窪み部62が切欠き形成されている。各第2窪み部62における回転方向両側の外面は、第2捻り部材22に対する第1捻り部材21の右回転又は左回転に伴って、第1捻り部材21の両第1挿入口23aから下方側に突出する結束線材2aの先端側部位を回転方向から受け止め可能な第2受け部63に構成されている。
尚、その他の構成は、第2実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与する移動抵抗付与手段26を、線材侵入空間25を形成する相対回転自在な第1捻り部材21と第2捻り部材22とをもって構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、移動抵抗付与手段26を、捻り部20の挿入口23に挿入された両結束線材2aの先端側部位を挾持する挾持状態と挾持解除状態とに切り替え自在な挾持手段から構成してもよい。
この挾持手段の場合、挾持状態で両結束線材2aに付与される移動抵抗が最大値になり、挾持解除状態で両結束線材2aに付与される移動抵抗が最小値のゼロとなる。
(2)上述の各実施形態では、長尺体保持部40の両ホルダ部44の当接部57を床スラブ3の下面に当接させることにより、長尺体保持部40の回転を阻止するように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、回転操作軸部10を相対回転自在な内外二重軸構造に構成し、その外側軸に長尺体保持部40を取付け、内側軸に捻り部20を取付けて実施してもよい。この場合、内側軸で捻り部20に回転力を付与するとき、外側軸を把持して長尺体保持部40の回転を止める。
(3)上述の各実施形態では、回転操作軸部10を、長尺体保持部40及び捻り部20を備えた回転操作基軸11と、当該回転操作基軸11に対して脱着自在に接続される回転操作延長軸12とから構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、回転操作延長軸12を複数本の脱着自在な継ぎ操作軸から構成してもよい。さらに、回転操作軸部10を、長尺体保持部40及び捻り部20を備えた伸縮自在な伸縮操作軸から構成してもよい。
また、回転操作軸部10の長さは、床スラブ3等の固定部Fに設けられた両支持材2までの必要作業長さに応じて任意に設定することができる。
(4)上述の各実施形態では、長尺体取付け治具Aに、長尺体1を横架姿勢で脱着自在に保持する長尺体保持部40と、両結束線材2aの先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与する移動抵抗付与手段26とを設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、長尺体取付け治具Aとしては、両結束線材2aの先端側部位が挿入される挿入口23を有する捻り部20と、この捻り部20を支持し、且つ、捻り部20に回転力を付与可能な長尺の回転操作軸部10とを少なくとも備えていればよい。
(5)上述の各実施形態では、固定部Fとしてコンクリート製の床スラブ3を例示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、固定部Fとしては、デッキプレートや天井面を形成する天井パネル等であってもよい。
(6)上述の各実施形態では、床スラブ3等の固定部Fに接着固定される支持具4に、支持材2の一例である結束線材(バインド線)2aを挿通保持させたが、この構成に限定されるものではない。例えば、結束線材2aを固定部Fに設けられている金具に取付けてもよい。さらに、結束線材2aをビス等で固定部Fに取付けてもよい。
A 長尺体取付け治具
B 支持材取付け治具
F 固定部
1 長尺体
2 支持材
2a 結束線材
3 床スラブ
4 支持具
10 回転操作軸部
20 捻り部
21 捻り部材(第1捻り部材)
22 捻り部材(第2捻り部材)
23 挿入口
24 受け部
26 移動抵抗付与手段
40 長尺体保持部
43 凹部
45 ローラ(第1ローラ)
57 当接部
61 受け部(第1受け部)

Claims (7)

  1. 固定部に設けられた両支持材間に長尺体を配置した状態で前記両支持材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する長尺体取付け治具であって、
    前記両支持材の先端側部位が挿入される挿入口を有する捻り部と、前記捻り部に回転力を付与する長尺な回転操作軸部と、を備えている長尺体取付け治具。
  2. 前記捻り部の前記挿入口に挿入された前記両支持材の先端側部位に対して抜け出し側への移動に抵抗を付与する移動抵抗付与手段が設けられている請求項1記載の長尺体取付け治具。
  3. 前記回転操作軸部には、前記長尺体を脱着自在に保持する長尺体保持部が取付けられている請求項1又は2記載の長尺体取付け治具。
  4. 前記長尺体保持部には、前記固定部側と当接可能な当接部が形成されている請求項3記載の長尺体取付け治具。
  5. 前記長尺体保持部には、前記長尺体を横架姿勢で脱着自在に保持する一対の凹部が形成され、前記両凹部の内面側には、前記長尺体を移動案内するローラが設けられている請求項3又は4記載の長尺体取付け治具。
  6. 前記捻り部には、前記回転操作軸部に一体回転状態で設けられた前記挿入口を有する第1捻り部材と、前記長尺体保持部に対して回転不能な状態で前記回転操作軸部に回転自在に支承され、且つ、前記第1捻り部材の前記挿入口から突出する前記両支持材の先端側部位を回転方向から受け止め可能な受け部を備えた第2捻り部材と、が備えられている請求項3〜5のいずれか1項に記載の長尺体取付け治具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の長尺体取付け治具を用いた長尺体の取付け工法であって、
    長尺な支持材取付け治具の先端部に、前記両支持材を備えた支持具を装着し、この支持具を、前記固定部の長尺体配設経路の吊下げ支持位置に固着する支持材取付け工程と、
    前記固定部に固着された前記支持具の前記両支持材間に長尺体を配置する長尺体配置工程と、
    前記長尺体取付け治具の長尺な前記回転操作軸部を操作し、前記捻り部の前記挿入口内に前記両支持材の先端側部位を挿入させたのち、前記回転操作軸部で前記捻り部に回転力を付与し、前記両支持材の先端側部位を抜止め状態に捻り結束する捻り結束工程と、
    を備えている長尺体の取付け工法。
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