(実施形態1)
以下では、本実施形態の電磁石装置10を、図1ないし図4に基づいて説明する。図中においては、同じ部材に対し、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態を構成する各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材が複数の要素を兼ねる態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
本実施形態の電磁石装置10は、図1ないし図4に示すように、コイル3と、ボビン2と、固定鉄芯5と、可動鉄芯1と、外函部8と、弾性体6と、を備えている。ボビン2は、コイル3が巻き回しされる。固定鉄芯5は、ボビン2に対して相対的に位置が固定される。可動鉄芯1は、コイル3の軸方向に沿って、固定鉄芯5と対向して配置される。外函部8は、内部にコイル3を収容する。外函部8は、可動鉄芯1と固定鉄芯5との間に磁路を形成する。弾性体6は、可動鉄芯1に固定鉄芯5から離れる向きに弾性力を付与する。外函部8は、永久磁石7が設けられている。永久磁石7は、可動鉄芯1に固定鉄芯5へ近づく向きに磁力を付与する。可動鉄芯1は、弾性体6の弾性力で固定される第1位置と、永久磁石7の磁力で固定される第2位置との間を、コイル3に生ずる電磁力によりコイル3の軸方向に沿って移動する。すなわち、可動鉄芯1は、図2及び図4Aに示す第1位置と、図4Cに示す第2位置との間を移動する。外函部8は、永久磁石7と熱的に接続され、かつ外部に露出している。
本実施形態の電磁石装置10は、外函部8が永久磁石7と熱的に接続され、かつ外部に露出しているので、より動作安定性を向上させることができる。
以下では、本実施形態の電磁石装置10について、より詳細に説明する。
電磁石装置10は、可動鉄芯1とボビン2とコイル3と固定鉄芯5と弾性体6と永久磁石7と外函部8とに加え、封止部4と、ガイドパイプ9と、接続端子11と、ハーネス12と、軸受部13と、を備えている。外函部8は、継鉄8aと、プレート8eと、を有している。電磁石装置10は、さらに、第1リング14aと、第2リング14bと、緩衝部材15と、カバー16と、を備えている。
可動鉄芯1は、棒状の外形形状をしている。可動鉄芯1は、可動本体1aと、突出部1bと、軸部1cと、を備えている。可動本体1aは、長尺の円柱状の外形形状をしている。突出部1bは、円筒状の外形形状をしている。軸部1cは、丸棒状の外形形状をしている。突出部1bは、可動本体1aの長手方向に沿って、可動本体1aの一端から突出する。突出部1bの外径は、可動本体1aよりも小さい。可動本体1aと突出部1bとは、図2に示すように、突出部1bから可動本体1aへ連なるように、可動本体1aの長手方向に沿って窪んだ凹所1eを有している。凹所1eは、突出部1bから可動本体1aに向かうほど開口が狭くなる円錐台形状に形成されている。
軸部1cは、可動本体1aの長手方向に沿って、可動本体1aの一端と反対側の他端に設けられている。軸部1cの外径は、可動本体1a及び突出部1bよりも小さい。軸部1cは、長手方向と直交する方向に貫通する開口部1fを備えている。軸部1cは、長手方向の中央部に軸周りに窪む軸溝1dを有している。
可動鉄芯1は、ガイドパイプ9を介して、ボビン2に収納される。可動鉄芯1は、ガイドパイプ9の内部で移動できるように構成されている。すなわち、可動鉄芯1の外径は、ガイドパイプ9に収納できるように、ガイドパイプ9の内径よりも若干小さい。可動鉄芯1は、図2に示すように、突出部1bが可動本体1aよりも小さく形成されているので、突出部1bとガイドパイプ9とに隙間が形成されている。
可動鉄芯1は、可動本体1aと突出部1bと軸部1cとが一体的に形成されている。可動鉄芯1は、可動本体1aと突出部1bと軸部1cのいずれかが別体に形成されていてもよい。可動鉄芯1は、コイル3により生じる磁束を通す材料で形成されている。可動鉄芯1は、磁束を通す強磁性の剛体が好ましい。可動鉄芯1の材料は、たとえば、電磁軟鉄、コバルト、ニッケル、ケイ素鋼、パーマロイ、若しくはフェライトである。可動鉄芯1は、楕円柱、若しくは角柱状など種々の外形形状に形成されていてもよい。可動鉄芯1は、被覆膜で被覆されていることが好ましい。被覆膜は、たとえば、ニッケルなどのめっき、窒化処理により形成された窒化膜、フッ素樹脂、若しくは二硫化モリブデンである。被覆膜は、可動鉄芯1とガイドパイプ9との摩擦を低減させることができる。
ボビン2は、図1及び図2に示すように、筒部2aと、鍔部2bと、端子保持部2cと、を有している。筒部2aは、円筒状の外形形状をしている。鍔部2bは、筒部2aの両端部において、筒部2aの軸方向と垂直な径方向に突出する。鍔部2bは、平板環状の外形形状をしている。以下では、2つの鍔部2bのうち、一方の鍔部2bを第1鍔部2dと称し、他方の鍔部2bを第2鍔部2eと称することもある。筒部2aは、長手方向の一端に第1鍔部2dが設けられている。筒部2aは、長手方向の一端と反対の他端に第2鍔部2eが設けられている。端子保持部2cは、図1に示すように、第2鍔部2eに設けられている。端子保持部2cは、接続端子11を保持する。端子保持部2cは、第1鍔部2dに設けられていない。
ボビン2は、樹脂材料で形成される。ボビン2の樹脂材料は、PA(Poly Amide)樹脂である。ボビン2の樹脂材料は、PA樹脂だけに限られず、PBT(Poly Butylene Terephthalate)樹脂、LCP(Liquid Crystal Plastic)樹脂、PET(Poly Ethylene Terephthalate)樹脂、フェノール樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、PP(polypropylene)樹脂、SPS(Syndiotactic Poly Styrene)樹脂、若しくはPPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂でもよい。ボビン2は、樹脂材料で形成される場合、樹脂材料中にガラス繊維が配合されてもよい。ボビン2は、樹脂材料中にガラス繊維が配合されることで、機械的強度が高められる。ボビン2は、たとえば、樹脂材料中に30重量%のガラス繊維が配合される。樹脂材料中のガラス繊維は、30重量%だけに限られず、5重量%ないし50重量%の範囲内で適宜に配合されることが好ましい。
コイル3は、ボビン2の筒部2aに線材3aが巻き回しされて形成される。コイル3は、多層ソレノイドコイルを構成している。線材3aは、表面が絶縁処理された金属線材が好ましい。金属線材は、たとえば、銅線である。金属線材は、たとえば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などの絶縁材により被膜され、表面の絶縁処理が行われる。
封止部4は、コイル3を封止する。封止部4は、コイル3に加え、ボビン2の一部、接続端子11及びハーネス12の一部を封止する。封止部4は、コイル3とボビン2の一部と接続端子11とハーネス12の一部を封止することで、電磁石装置10の電気絶縁性を高める。封止部4は、コイル3とボビン2の一部と接続端子11とハーネス12の一部を封止することで、電磁石装置10の機械的強度を高めることができる。言い換えれば、封止部4は、電磁石装置10の防水性及び機械的強度を高めることができる。
封止部4は、樹脂材料で形成される。封止部4の樹脂材料は、たとえば、PA樹脂、PBT樹脂、LCP樹脂、PET樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、PP樹脂、SPS樹脂、若しくはPPS樹脂が好ましい。封止部4は、樹脂材料で形成される場合、樹脂材料中にガラス繊維が配合されることで、機械的強度が高められてもよい。封止部4は、たとえば、樹脂材料中に30重量%のガラス繊維が配合される。樹脂材料中のガラス繊維は、30重量%だけに限られず、5重量%ないし50重量%の範囲内で適宜に配合されることが好ましい。
固定鉄芯5は、長尺の外形形状をしている。固定鉄芯5は、固定本体5aと、鍔体5bと、突起部5cと、を備えている。固定本体5aは、円筒状の外形形状をしている。固定本体5aは、台座部5dと、枠部5eと、突設部5fと、先端部5gと、を有している。台座部5dは、円筒状の外形形状をしている。枠部5eは、台座部5dにおける端部において、台座部5dの周りに設けられている。枠部5eは、円環板状の外形形状をしている。突設部5fは、台座部5dの端部から長手方向の外方へ突出している。突設部5fは、台座部5dから離れるにつれ、先細りする円錐台状の外形形状をしている。突設部5fは、長手方向に空洞が形成されている。突設部5fの外径は、台座部5dよりも小さい。先端部5gは、円筒状の外形形状をしている。先端部5gは、突設部5fにおける台座部5dと反対側に設けられる。
鍔体5bは、円環状の外形形状をしている。鍔体5bは、台座部5dの外周に設けられている。鍔体5bは、固定本体5a周りの外方へ向かって、突出する。鍔体5bは、台座部5dにおける枠部5eと接して設けられている。鍔体5bは、枠部5eよりも固定本体5a周りの外方へ突出している。鍔体5bは、軸周りに窪んだ周溝5hを備えている。鍔体5bの外径は、台座部5dよりも大きい。鍔体5bの外径は、ガイドパイプ9の内径よりも若干小さい。
突起部5cは、円柱状の外形形状をしている。突起部5cは、固定本体5aの長手方向に沿って、固定本体5aの一端から外方へ突出している。固定鉄芯5は、固定本体5aの先端部5gが可動鉄芯1と対向する向きに配置される。固定鉄芯5は、長手方向に貫通する孔部5aaを有している。固定鉄芯5は、突起部5cが継鉄8aに固定される。
固定鉄芯5は、固定本体5aと鍔体5bと突起部5cとが一体的に形成されている。固定鉄芯5は、コイル3により生じる磁束を通す材料で形成されている。固定鉄芯5は、磁束を通す強磁性の剛体が好ましい。固定鉄芯5の材料は、たとえば、ステンレス、鉄、コバルト、ニッケル、ケイ素鋼、パーマロイ、若しくはフェライトが好ましい。固定鉄芯5は、可動鉄芯1と同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。固定鉄芯5は、表面に被膜が形成されていてもよい。固定鉄芯5の被膜としては、たとえば、亜鉛めっきが挙げられる。
弾性体6は、たとえば、コイルばねである。弾性体6は、一端が固定鉄芯5における先端部5gに挿通される。弾性体6は、一端が固定鉄芯5の鍔体5bと接触するように配置される。弾性体6は、一端と反対の他端が可動鉄芯1の突出部1bに挿通される。弾性体6は、他端が可動鉄芯1の可動本体1aと接触するように配置される。弾性体6は、可動鉄芯1と固定鉄芯5との間に圧縮状態で設けられる。弾性体6は、必ずしも可動鉄芯1と固定鉄芯5との間に配置される構成だけに限られない。弾性体6は、コイルばねだけに限られず、可動鉄芯1と固定鉄芯5とが離れる向きに弾性力を付与できる構成であればよい。弾性体6は、たとえば、板ばねでもよい。弾性体6の材料は、たとえば、ステンレスである。
永久磁石7は、円環平板状の外形形状をしている。永久磁石7は、厚み方向に貫通する貫通孔7ccを有している。貫通孔7ccは、固定鉄芯5における突起部5cの外径より若干大きく形成されている。永久磁石7の厚みは、固定本体5aの長手方向に沿って、鍔体5bと突起部5cとの間よりも薄い。永久磁石7は、固定鉄芯5の突設部5fが貫通孔7ccに挿通された状態で、第1面7aaが継鉄8aに直接接触していること好ましい。永久磁石7は、外函部8に磁力で付いている。永久磁石7は、固定鉄芯5の突起部5cが貫通孔7ccに挿通された状態で、第1面7aaと反対の第2面7abが固定鉄芯5の鍔体5bと接触しないように隙間が形成されていることが好ましい。すなわち、永久磁石7は、コイル3から離れるように配置されている。永久磁石7は、第1面7aaと第2面7abとの間の外周が外函部8と接触していない。永久磁石7は、第1面7aaがS極であり、第2面7abがN極である。永久磁石7は、第1面7aaがN極であり、第2面7abがS極でもよい。
永久磁石7は、希土類磁石である。希土類磁石は、ネオジム磁石である。ネオジム磁石は、主として、ネオジムを含む、ネオジム−鉄−ボロン合金である。希土類磁石は、ネオジム磁石だけに限られず、サマリウム鉄窒素磁石、サマリウムコバルト磁石、若しくはプラセオジム磁石でもよい。永久磁石7は、希土類磁石だけに限られず、フェライト磁石でもよい。永久磁石7は、表面がめっき処理されていてもよい。
継鉄8aは、基底部8bと、第1側部8cと、第2側部8dと、を有している。基底部8bは、長尺の矩形平板状の外形形状をしている。基底部8bは、中央部に貫設孔8abを有している。貫設孔8abは、基底部8bの厚み方向に貫通する。基底部8bは、長手方向の一側縁に沿って第1側部8cが設けられ、一側縁と反対の他側縁に第2側部8dが設けられている。第1側部8cと第2側部8dとは、対向するように配置されている。
第1側部8cは、矩形平板状の外形形状をしている。第1側部8cは、第1固定部8caを有している。第1固定部8caは、第1側部8cの短手方向の一方において、第1側部8cの長手方向に沿った基底部8b側に配置されている。第1固定部8caは、半円板状の外形形状をしている。第1固定部8caは、第1通孔8cbを有している。第1通孔8cbは、第1固定部8caの厚み方向に貫通する。
第2側部8dは、矩形平板状の外形形状をしている。第2側部8dは、第2固定部8daを有している。第2固定部8daは、第2側部8dの短手方向の一方において、第2側部8dの長手方向に沿った基底部8bと反対側に配置されている。第2固定部8daは、半円板状の外形形状をしている。第2固定部8daは、第2通孔8dbを有している。第2通孔8dbは、第2固定部8daの厚み方向に貫通する。第1側部8c及び第2側部8dは、第1通孔8cb及び第2通孔8dbに各別に通したねじにより、電磁石装置10を外部に部材に固定できる。
継鉄8aは、側面視において、基底部8bと第1側部8cと第2側部8dとでC字状の外形形状に形成されている。継鉄8aは、固定鉄芯5の突起部5cが貫設孔8abに挿入される。固定鉄芯5は、突起部5cが貫設孔8abに挿入されることで、継鉄8aに位置決めされる。
継鉄8aは、基底部8bと第1側部8cと第2側部8dとが一体的に形成される。継鉄8aは、たとえば、金属板の打ち抜き加工及び折り曲げ加工により形成される。継鉄8aは、コイル3と磁気的に結合するように構成されている。継鉄8aの材料は、磁性金属材料である。継鉄8aの磁性金属材料は、たとえば、亜鉛メッキ鋼板である。継鉄8aは、コイル3で生じる電磁力を増強させる。継鉄8aは、永久磁石7の磁力により永久磁石7が付いている。
プレート8eは、平板状の外形形状をしている。プレート8eは、中央部に軸孔8eaを備えている。軸孔8eaは、プレート8eの厚み方向に貫通する。軸孔8eaの内径は、軸受部13の外径よりも若干大きい。プレート8eは、軸受部13が軸孔8eaに挿通される。プレート8eは、軸受部13を固定する。
プレート8eは、金属板の打ち抜き加工で形成される。プレート8eの材料は、磁性金属材料である。プレート8eの磁性金属材料は、たとえば、亜鉛メッキ鋼板である。プレート8eの材料は、継鉄8aと同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。プレート8eは、コイル3で生ずる電磁力を増強させる。
ガイドパイプ9は、円筒状の外形形状をしている。ガイドパイプ9は、可動鉄芯1の一部、固定鉄芯5の一部、弾性体6及び軸受部13の一部を収納する。ガイドパイプ9は、内部で可動鉄芯1の可動本体1aが移動できるように構成されている。ガイドパイプ9は、可動本体1aの移動を案内する。ガイドパイプ9は、ボビン2の筒部2aに挿通される。ガイドパイプ9は、コイル3の軸方向において、永久磁石7及び軸受部13を介して、継鉄8aとプレート8eとの間に配置される。
ガイドパイプ9は、円筒状だけに限られない。ガイドパイプ9の形状は、可動鉄芯1、ボビン2及び固定鉄芯5の外形形状に合わせて種々の形状にされてもよい。ガイドパイプ9は、筒状に形成する場合、内形を内部に収納する可動鉄芯1の外形と相似形で若干大きな形状とすることが好ましい。ガイドパイプ9の材料としては、たとえば、黄銅、銅、JIS G4304で規定されたSUS403のステンレス、若しくは樹脂である。
ガイドパイプ9は、内部で可動鉄芯1が摺動しても、ガイドパイプ9の機械的強度を保てる構成であればよい。ガイドパイプ9は、可動鉄芯1との摩擦を低減させるために、表面コーティング材が内面に形成されていてもよい。表面コーティング材は、ニッケルなどのめっき、窒化処理により形成された窒化膜、フッ素樹脂、若しくは二硫化モリブデンの被膜が好ましい。
接続端子11は、図1に示すように、ボビン2から導出したコイル3の線材3aと電気的かつ機械的に接続される。接続端子11は、電磁石装置10の内部に配置されるコイル3と、電磁石装置10の外部に導出するハーネス12と、を電気的に接続させる。接続端子11は、一対設けられている。接続端子11は、一対の接続端子11のうちの一方が、ボビン2から導出した線材3aの一端と電気的に接続される。接続端子11は、一対の接続端子11のうちの他方が、ボビン2から導出した線材3aの一端と反対の他端と電気的に接続される。接続端子11は、ハーネス12の電線12aと電気的かつ機械的に接続される。
接続端子11は、たとえば、平板状の金属板により形成される。接続端子11は、金属板の打ち抜き加工、折り曲げ加工及び押圧加工が施されて形成される。接続端子11の材料は、導電性の高い材料が好ましい。接続端子11の材料は、たとえば、黄銅である。接続端子11の材料は、黄銅だけに限られず、リン青銅、鉄、若しくはステンレスでもよい。接続端子11は、表面をスズや銀でめっき処理されていてもよい。
ハーネス12は、電線12aと、コネクタ12bと、を備えている。電線12aは、芯線と、絶縁被覆と、を備えている。芯線の材料は、たとえば、銅などの金属材料である。絶縁被覆の材料は、たとえば、塩化ビニルである。電線12aは、コイル3に給電できるように、2本設けられている。コネクタ12bは、外部からコイル3に電力を給電するコネクタと電気的及び機械的に接続できるように構成されている。
軸受部13は、開口13ccを有する円筒状の外形形状をしている。軸受部13は、第1溝13aと、第2溝13bと、を備えている。第1溝13aと第2溝13bとは、軸受部13の長手方向に沿って、並んで設けられている。第1溝13aは、軸受部13の一端部において、軸受部13の外周に沿って設けられている。第2溝13bは、軸受部13の一端と反対の他端において、軸受部13の外周に沿って設けられている。軸受部13は、可動鉄芯1の軸部1cが開口13ccに挿通される。軸受部13は、可動鉄芯1の可動本体1aが突出しないように、開口13ccが可動本体1aの外径よりも小さい。言い換えれば、軸受部13は、軸部1cの軸受を構成している。軸受部13は、コイル3により生じる磁束を通す材料で形成されている。軸受部13は、磁束を通す強磁性の剛体が好ましい。軸受部13の材料は、たとえば、ステンレス、鉄、コバルト、ニッケル、ケイ素鋼、パーマロイ、若しくはフェライトが好ましい。軸受部13は、表面が亜鉛メッキされていることが好ましい。軸受部13は、プレート8eと別体に形成される構成だけに限られず、プレート8eと一体的に形成される構成でもよい。
第1リング14a及び第2リング14bのそれぞれは、円環状の外形形状をしている。第1リング14a及び第2リング14bのそれぞれは、可撓性リングである。可撓性リングは、たとえば、Oリングである。可撓性リングは、たとえば、径方向断面がO字形状のOリングだけに限られず、径方向断面がX字形状のXリングでもよい。可撓性リングは、シール材としての機能を果たす。
第1リング14aは、図2に示すように、固定鉄芯5の周溝5hに収容される。第1リング14aは、周溝5hから突出した部分が、ガイドパイプ9の内壁と接触する。第1リング14aは、固定鉄芯5とガイドパイプ9との間の気密性を高める。第2リング14bは、軸受部13の第1溝13aに収容される。第2リング14bは、第1溝13aから突出した部分が、ガイドパイプ9の内壁と接触する。第2リング14bは、ガイドパイプ9と軸受部13との間の気密性を高める。第1リング14aと第2リング14bとは、電磁石装置10の内部の空洞10aaが、孔部5aaを除いて外部と通じないように設けられていることが好ましい。第1リング14a及び第2リング14bは、可動鉄芯1と固定鉄芯5とガイドパイプ9と軸受部13とで囲まれる空洞10aaへ、水、塵及びごみが入り込むことを抑制する。
可撓性リングは、ニトリルゴムである。可撓性リングの材料としては、ニトリルゴムだけに限られず、フッ素ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、若しくはクロロプレンゴムでもよい。
緩衝部材15は、円環板状の外形形状をしている。緩衝部材15は、軸部1cに挿入される。緩衝部材15は、弾性を有している。緩衝部材15は、軸部1cが圧入されるように構成されている。緩衝部材15は、可動鉄芯1が固定鉄芯5から離れる際に、軸受部13の衝突の衝撃を吸収することで、動作音の発生を抑制する。緩衝部材15は、コイル3の通電により可動鉄芯1が磁化され、可動鉄芯1と軸受部13とが付いたままの状態となることを防止できる。緩衝部材15は、たとえば、合成ゴムである。合成ゴムの材料としては、たとえば、エチレンプロピンゴム、若しくはニトリルゴムが好ましい。
カバー16は、環状の外形形状をしている。カバー16は、内部が空洞に形成されている。カバー16は、頭部16aと、基部16bと、を備えている。頭部16aは、基部16bと反対側が可動鉄芯1の軸溝1dに嵌め入れられる。基部16bは、頭部16aと反対側が軸受部13の第2溝13bに嵌め入れられる。カバー16は、可動鉄芯1と軸受部13とに保持される。
カバー16は、頭部16aと基部16bとが一体的に形成されている。カバー16は、ゴム弾性を有する樹脂材料で形成される。カバー16の樹脂材料は、クロロプレンゴムである。カバー16の樹脂材料は、クロロプレンゴムだけに限られない。カバー16の樹脂材料は、フッ素ゴム、ウレタンゴム、若しくはシリコーンゴムでもよい。電磁石装置10は、可動鉄芯1の移動に伴って、可動鉄芯1と軸受部13とに保持されたカバー16の形状が変形する。カバー16は、可動鉄芯1と軸受部13との隙間から電磁石装置10の空洞10aaへ、水、塵及びごみが入り込むことを抑制する。
以下では、本実施形態の電磁石装置10の動作について、簡単に説明する。
本実施形態の電磁石装置10は、図1及び図3で示すハーネス12から接続端子11を介して、ボビン2に形成されたコイル3へ通電できるように構成されている。電磁石装置10は、コイル3への通電に伴い電磁力を生じる。電磁石装置10は、可動鉄芯1、固定鉄芯5、継鉄8a、プレート8e及び軸受部13が、コイル3により生じる磁束を通す磁路を形成する。言い換えれば、本実施形態の電磁石装置10は、可動鉄芯1、固定鉄芯5、継鉄8a、プレート8e及び軸受部13が磁気回路を形成する。
電磁石装置10は、コイル3へ通電し励磁状態にされた場合、可動鉄芯1が固定鉄芯5に引き付けられ、可動鉄芯1の軸部1cが縮むようにボビン2に収納される。電磁石装置10では、可動鉄芯1が固定鉄芯5に引き付けられた場合、弾性体6が圧縮されて弾性体6が縮んだ状態となる。電磁石装置10では、可動鉄芯1が固定鉄芯5に引き付けられた場合、可動鉄芯1が永久磁石7に磁力で引き付けられる。すなわち、電磁石装置10では、可動鉄芯1が第1位置から第2位置に移動する。電磁石装置10は、コイル3への通電が止められても、弾性体6の弾性力に抗して、可動鉄芯1が永久磁石7に引き付けられた状態が維持される。
次に、電磁石装置10は、逆起電力が生ずるようにコイル3へ通電し励磁状態にされた場合、可動鉄芯1が永久磁石7と反発し、弾性体6の弾性力により、可動鉄芯1の軸部1cがボビン2から突出する。電磁石装置10では、コイル3の電磁力に加え、可動鉄芯1が弾性体6により弾性力が付与された場合、可動鉄芯1が永久磁石7から離れる。すなわち、電磁石装置10では、可動鉄芯1が第2位置から第1位置に移動する。電磁石装置10は、コイル3への通電が止められても、弾性体6の弾性力により、可動鉄芯1と固定鉄芯5とが離れた状態を維持する。弾性体6は、伸びた状態となる。可動鉄芯1は、固定鉄芯5と離れた状態において、軸部1cがボビン2の外部に延びるように突出する。言い換えれば、電磁石装置10は、電磁エネルギを機械的な運動に変換している。
本実施形態の電磁石装置10は、弾性体6と永久磁石7とを備える構成により、弾性体6と永久磁石7とを備えていない構成と比較して、強い力で可動鉄芯1を移動させることができる。
以下では、本実施形態の電磁石装置10と、比較例の電磁石装置と、を比較して説明する。
ところで、電磁石装置は、コイルへの通電により発熱する。電磁石装置では、使用環境によって、コイルへの通電により、たとえば、120℃になることもある。永久磁石は、温度が高くなれば、磁力が低下する傾向にある。特に、電磁石装置では、小型化のため、フェライト磁石と比較して磁力の強いネオジム磁石を永久磁石に使用する場合、たとえば、90℃で脱磁し始める傾向にある。電磁石装置は、永久磁石の磁力が低下すれば、動作が不安定化するおそれがある。
本実施形態の電磁石装置10では、永久磁石7からの熱を放熱できるように、外函部8が永久磁石7と接触している。ここで、永久磁石7からの熱を放熱できるように、外函部8が永久磁石7と接触しているとは、外函部8が永久磁石7と直接接触している場合だけに限られない。外函部8が永久磁石7と接触しているとは、たとえば、熱伝導シートを介して、外函部8が永久磁石7と間接的に接触していてもよい。熱伝導シートは、たとえば、熱伝導性のフィラーが樹脂材料に含有された構成である。
本実施形態の電磁石装置10では、永久磁石7は、板状の外形形状をしている。永久磁石7は、厚み方向に貫通する貫通孔7ccを有する。固定鉄芯5は、貫通孔7ccを貫通して、永久磁石7を保持している。固定鉄芯5は、外函部8に突き合わされた状態で外函部8と接することが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10は、固定鉄芯5が外函部8に突き合わされた状態で外函部8と接することで、可動鉄芯1の移動に伴う力で永久磁石7が損傷することを低減できる。
本実施形態の電磁石装置10では、固定鉄芯5は、固定本体5aと、鍔体5bと、を有する。固定本体5aは、第2位置において、可動鉄芯1と外函部8とに当たる。鍔体5bは、固定本体5aの周りで永久磁石7の少なくとも一部を覆うことが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10では、第2位置において、可動鉄芯1と外函部8とに当たる固定本体5aと、固定本体5aの周りで永久磁石7の少なくとも一部を覆う鍔体5bとを有することで、永久磁石7が損傷することをより低減できる。
本実施形態の電磁石装置10では、鍔体5bは、コイル3の軸方向に沿って、永久磁石7との間に隙間を形成していることが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10では、鍔体5bは、コイル3の軸方向に沿って、永久磁石7との間に隙間を形成していることで、可動鉄芯1の可動に伴って可動鉄芯1が固定鉄芯5と当たっても、永久磁石7に力が加わることを抑制できる。鍔体5bは、永久磁石7に力が加わることを抑制できるので、永久磁石7が損傷することを防止できる。
本実施形態の電磁石装置10では、永久磁石7は、ネオジム磁石であることが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10は、永久磁石7がネオジム磁石であることで、フェライト磁石と比較して磁力が強く、フェライト磁石と同じ磁力で永久磁石7の小型化を図ることができる。すなわち、電磁石装置10は、永久磁石7がネオジム磁石であることで、電磁石装置10全体の小型化に寄与することができる。
本実施形態の電磁石装置10では、弾性体6は、可動鉄芯1と固定鉄芯5との間に配置されていることが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10では、弾性体6は、可動鉄芯1と固定鉄芯5との間に配置されていることで、可動鉄芯1が固定鉄芯5から離れる向きに力を加えることができる。
本実施形態の電磁石装置10では、ボビン2は、内部に可動鉄芯1と固定鉄芯5とが対向して配置されている。固定鉄芯5は、孔部5aaを有している。孔部5aaは、可動鉄芯1の移動に応じて、可動鉄芯1とボビン2と固定鉄芯5とで囲まれる空洞10aaに流体を吸引する。空洞10aaには、ボビン2に沿うように、流体を通す通路が形成されていることが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10は、可動鉄芯1とボビン2と固定鉄芯5とで囲まれる空洞10aaに外気を吸引する孔部5aaを有していることで、永久磁石7の昇温を抑制できる。電磁石装置10は、永久磁石7の昇温を抑制させることで、永久磁石7の磁力が低下することを抑制できる。本実施形態の電磁石装置10では、空洞10aaに、ボビン2に沿うように、外気を通す通路が形成されていることで、永久磁石7を効率よく冷却させることができる。通路は、可動鉄芯1の可動本体1a及び突出部1bと、固定鉄芯5の固定本体5a及び鍔体5bの外形形状によって構成される。
以下では、孔部5aaを有する電磁石装置10が永久磁石7の昇温を抑制できることについて、より詳細に説明する。
図4Aでは、電磁石装置10において、コイル3の通電がオフ状態であり、可動鉄芯1が弾性体6の弾性力により第1位置にある。電磁石装置10は、永久磁石7の第1面7aaがS極であり、第2面7abがN極となるように、永久磁石7が配置されている。
次に、図4Bでは、電磁石装置10において、コイル3に通電されことで、可動鉄芯1における永久磁石7側がS極となり、反対側がN極となる。電磁石装置10では、可動鉄芯1と、固定鉄芯5及び永久磁石7の磁力による吸引力で、弾性体6の弾性力に抗して、可動鉄芯1が固定鉄芯5に向かって移動する。電磁石装置10では、可動鉄芯1が固定鉄芯5に向かって移動することで、空洞10aaの空気が孔部5aaから外部に流出する。図4Bでは、流体たる空気の流れを白抜きの矢印で例示している。電磁石装置10では、可動鉄芯1の凹所1eと、凹所1eに対応するように突出する固定鉄芯5の突設部5fとで、ボビン2に沿うように、外気を通す通路が形成される。
次に、図4Cでは、コイル3の通電がオフ状態としても、弾性体6の弾性力に抗して、永久磁石7の磁力により、可動鉄芯1が永久磁石7に吸着された第2位置にある状態が維持される。
次に、図4Dでは、図4Bでコイル3の通電とは逆極性に通電されることで、可動鉄芯1の極性を変える。電磁石装置10では、コイル3の通電とは逆極性に通電されることで、可動鉄芯1の永久磁石7側がN極となり、反対側がS極となる。電磁石装置10では、可動鉄芯1と、固定鉄芯5及び永久磁石7の磁力による反発力並びに弾性体6の弾性力で、可動鉄芯1が固定鉄芯5から離れるように移動する。電磁石装置10では、可動鉄芯1が固定鉄芯5から離れるように移動することで、外部の空気が孔部5aaから空洞10aaに流入する。図4Cでは、空気の流れを白抜きの矢印で例示している。
電磁石装置10は、可動鉄芯1が固定鉄芯5から離れるように移動すれば、コイル3の通電をオフ状態としても、弾性体6の弾性力により可動鉄芯1が図4Aで示す第1位置に維持される。
電磁石装置10は、可動鉄芯1の移動に伴って空洞10aaへ空気の流入と流出がされることで、コイル3及び永久磁石7の昇温を抑制できる。電磁石装置10は、可動鉄芯1の移動に伴って空洞10aaへ空気の流入と流出がされることで、可動鉄芯1の移動の促進を図ることもできる。
本実施形態の電磁石装置10では、永久磁石7は、コイル3の軸方向に沿って、コイル3よりも外函部8の近くに配置されていることが好ましい。
本実施形態の電磁石装置10は、永久磁石7が、コイル3の軸方向に沿って、コイル3よりも外函部8の近くに配置されていることで、より永久磁石7の放熱効率を高めることができる。
以下では、電磁石装置10の組立工程について、簡単に説明する。
電磁石装置10の組立工程では、たとえば、射出成形により予めボビン2が形成されている。接続端子11は、ボビン2とは別途に、金属板の打ち抜き加工及び折り曲げ加工により形成されている。ボビン2の端子保持部2cには、接続端子11が圧入される。
次に、組立工程では、ボビン2の筒部2aに線材3aが巻き回しされてコイル3が形成される。筒部2aに巻き回しされたコイル3の線材3aは、接続端子11と機械的に固定され、かつ電気的に接続される。接続端子11は、ハーネス12の電線12aと電気的に接続される。ハーネス12は、ボビン2及び接続端子11と別途に形成されている。
次に、組立工程では、射出成形により、コイル3が形成されたボビン2を封止部4で封止される。封止部4は、コイル3を封止するようにボビン2と一体的に形成される。言い換えれば、コイル3が形成されたボビン2を2次成形することで、モールドコイルを形成している。
継鉄8aは、ボビン2や接続端子11とは別途に、金属製の平板の打ち抜き加工及び曲げ加工により形成される。継鉄8aは、基底部8bの貫設孔8abに、永久磁石7を介して、固定鉄芯5の突起部5cが挿入される。固定鉄芯5は、第1リング14aが周溝5hに予め挿入されている。固定鉄芯5は、永久磁石7の貫通孔7cc及び継鉄8aの貫設孔8abに突起部5cが挿通される。
次に、組立工程では、ガイドパイプ9が固定鉄芯5を囲むように永久磁石7に載せ置かれる。ガイドパイプ9は、継鉄8aと別途に形成されている。ガイドパイプ9は、第1リング14aを介して、固定鉄芯5に圧入される。ガイドパイプ9は、内部に弾性体6を収納する。弾性体6は、予め形成されている。組立工程では、ガイドパイプ9が載せ置かれた継鉄8aに、ボビン2の筒部2aが挿入される。ボビン2は、継鉄8aに載せ置かれる。
組立工程では、ガイドパイプ9に可動鉄芯1を挿入させる。可動鉄芯1は、ボビン2、接続端子11、継鉄8aやガイドパイプ9とは別途に形成されている。可動鉄芯1は、可動本体1aと接するように軸部1c回りに緩衝部材15が挿入されている。次に、基底部8bと対向するようにプレート8eが被せられる。プレート8eは、軸受部13が予め嵌め込まれている。軸受部13は、第2リング14bが第2溝13bに嵌め込まれている。プレート8eは、継鉄8aの第1側部8c及び第2側部8dに固着される。
最後に、カバー16の一端が軸受部13の第2溝13bに嵌め入れられ、一端と反対の他端が可動鉄芯1の軸溝1dに嵌め入れられることで、電磁石装置10が組み立てられる。
(実施形態2)
図5に示す本実施形態の移動体30は、図1に示す電磁石装置10を有する施錠装置32が搭載されている。実施形態1と同様の構成には、同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態の移動体30は、図5に示すように、実施形態1の電磁石装置10を有する施錠装置32と、施錠装置32を搭載する本体31と、を備えている。
本実施形態の移動体30は、実施形態1の電磁石装置10を有する施錠装置32を搭載することで、より動作安定性を高めることができる。
以下では、施錠装置32を搭載した移動体30について、簡単に説明する。
移動体30は、自動二輪車である。自動二輪車は、本体31と施錠装置32とに加え、制御装置33を備えている。本体31は、座席シート30aと、収納箱30bと、を有している。収納箱30bは、たとえば、ヘルメットなどが収納できるように構成されている。座席シート30aは、収納箱30bの蓋を兼ねている。施錠装置32は、電磁石装置10に加え、連結部32aと、引掛固定部32bと、を有している。連結部32aは、電磁石装置10における可動鉄芯1の開口部1fに挿通された回転軸と連結される。引掛固定部32bは、連結部32aが引き掛けられるように構成されている。
施錠装置32は、制御装置33の制御回路からの指令により、電磁石装置10の可動鉄芯1を移動させる。施錠装置32は、電磁石装置10における可動鉄芯1の移動により、可動鉄芯1と連結された連結部32aが座席シート30aの引掛固定部32bに引っ掛かる位置と座席シート30aの引掛固定部32bに引っ掛からない位置とに移動させることができる。
制御装置33は、たとえば、本体31に搭載されたマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータは、適宜のプログラムで駆動するように構成されている。施錠装置32は、座席シート30aの開閉を施錠する構成だけに限られない。施錠装置32は、小物入れ箱の開閉を施錠する構成でもよい。
移動体30では、可動鉄芯1が永久磁石7に引き付けられ、可動鉄芯1が縮むようにボビン2に収納された状態で、座席シート30aの開閉を行うことができる。
移動体30は、自動二輪車だけに限られず、自動車、電車などの車両の他、航空機、若しくは船舶であってもよい。電磁石装置10は、永久磁石7の昇温を抑制できる限り、空気だけに限られず、油などの流体であってもよい。
本発明は、上述の実施形態だけに限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲で、種々変更することができる。