JP2017197133A - ランフラットラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保する。【解決手段】ランフラットラジアルタイヤ(タイヤ10)は、一対のビード部12間に跨るカーカス14と、タイヤサイド部22に設けられ、カーカス14の内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴム層24と、を備え、タイヤ周方向に沿った方向から見て、リム30に組み付ける前のビード部12間距離がリム30に組み付けた後のビード部12間距離よりも大きく形成され、タイヤ断面高さSHが145mm以上とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、ランフラットラジアルタイヤに関する。
下記特許文献1には、タイヤサイド部をサイド補強ゴムで補強し、ランフラット走行時(空気圧が低下した異常走行時)の耐久性を確保したサイド補強型のランフラットラジアルタイヤが開示されている。
特開2013−95369号公報
上述した特許文献1に示されるように、近年、タイヤ断面高さが比較的大きいランフラットラジアルタイヤが求められている。このようなランフラットラジアルタイヤにおいてランフラット走行時の耐久性を確保する場合、サイド補強ゴムの厚みを大きくすることが考えられる。しかし、サイド補強ゴムの厚みを大きくした場合、タイヤの重量が過剰に大きくなる場合がある。また、製造コストが増える。
本発明は、上記事実を考慮して、ランフラットラジアルタイヤにおいて、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することを目的とする。
本発明の第1態様のランフラットラジアルタイヤは、一対のビード部間に跨るカーカスと、タイヤサイド部に設けられ、前記カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴム層とを備え、リムに組み付ける前のタイヤ幅方向の前記ビード間隔が標準リム幅よりも大きく形成され、タイヤ断面高さが145mm以上とされている。
本発明の第1態様のランフラットラジアルタイヤは、リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅よりも大きく形成されているため、タイヤをリムに組み付ける際に、ビード部が近づく方向にタイヤが変形する。このとき、カーカスの内面に沿って設けられたサイド補強ゴム層が、圧縮される。なお、標準リム幅は、リムに組み付けた後のビード間隔と略一致する寸法である。
非圧縮状態のサイド補強ゴム層が適用されたタイヤと圧縮状態のサイド補強ゴム層が適用されたタイヤとを比較すると、圧縮状態のサイド補強ゴム層が適用されたタイヤが、非圧縮状態のサイド補強ゴム層が適用されたタイヤよりも、タイヤの空気圧が無い、あるいは低い状態において、同じ負荷荷重に対する縦たわみが小さくなり、サイド補強ゴム層の発熱が減少する。
このため、例えばサイド補強ゴム層の厚みを大きくするなどしてタイヤ重量を増加させることなく、ランフラット走行時の耐久性を高めることができる。したがって、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することができる。
本発明の第2態様のランフラットラジアルタイヤは、第1態様のランフラットラジアルタイヤにおいて、前記リムに組み付ける前の前記ビード間隔と前記標準リム幅との差を前記タイヤ断面高さで除した値が0.06よりも大きく、2.00よりも小さい。
本発明の第2態様のランフラットラジアルタイヤは、タイヤ断面高さに対するリムに組み付け前後のビード間隔の変化の割合が6%よりも大きい。このため、タイヤ断面高さに対するリムに取付け前後のビード間隔の変化の割合が6%以下のタイヤと比較して、リム組み付け後のサイド補強ゴム層は、より大きな圧縮力をうける。したがって、ランフラット走行時の耐久性が向上する。なお、リムに組み付けた後の前記ビード間隔と標準リム幅とは略一致する。
また、タイヤ断面高さに対するリムに組み付け前後のビード間隔の変化の割合が200%よりも小さい。このため、タイヤ断面高さに対するリムに取付け前後のビード間隔の変化の割合が200%以上のタイヤと比較して、必要な性能を維持する内圧時形状を確保しやすい。
本発明の第3態様のランフラットラジアルタイヤは、第1態様又は第2態様のランフラットラジアルタイヤにおいて、前記リムに組み付ける前の前記ビード間隔が前記標準リム幅の105%以上270%未満とされている。
本発明の第3態様のランフラットラジアルタイヤは、リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の前記ビード間隔の105%以上とされている。このため、リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の105%未満とされているタイヤと比較して、リム組み付け後のサイド補強ゴム層は、より大きな圧縮力をうける。したがって、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
また、リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の前記ビード間隔の270%未満とされている。このため、リムに組み付ける前のビード間隔が標準リム幅の270%以上とされているタイヤと比較して、必要な性能を維持する内圧時形状を確保しやすい。
本発明の第4態様のランフラットラジアルタイヤは、第1態様〜第3態様の何れか1態様のランフラットラジアルタイヤにおいて、前記カーカスのタイヤ径方向外側にベルト層を備え、前記リムに組み付けて内圧を標準空気圧とした状態における、前記タイヤサイド部のタイヤ幅方向端部からタイヤ幅方向に沿って引いた直線と前記カーカスとが交差する基準点から、前記ベルト層の端部までの、前記カーカスに沿った長さをHとした場合、前記サイド補強ゴム層の厚みが最大となる位置が、前記基準点から前記カーカスに沿って0.1H〜0.7Hの範囲に配置されている。
タイヤをリムに組み付ける際にビード部が近づく方向にタイヤを変形させた場合、基準点から0.1H〜0.7Hの範囲、すなわちタイヤサイド部のショルダーよりの部分が、他の部分と比較して圧縮応力が大きくなる。
本発明の第4態様のランフラットラジアルタイヤは、この圧縮応力が大きくなる部分においてサイド補強ゴム層の厚みが最大になるようにサイド補強ゴム層を形成している。このため、サイド補強ゴム層の厚みが最大となる位置が、基準点からカーカスに沿って0.1H〜0.7Hの範囲以外に配置されているタイヤと比較して、圧縮応力が大きい部分の体積が大きい。したがって、支持荷重が大きくなり、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
本発明のランフラットラジアルタイヤは、タイヤ重量増加を抑制しつつランフラット走行時の耐久性を確保することができる。
本発明の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤを、リムに組み付ける前の状態においてタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面の片側を示す半断面図である。 本発明の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤを、リムに組み付けた後の状態においてタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面の片側を示す半断面図である。 本発明の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤをリムに組み付けた後の内部応力状態を示す応力分布図である。 本発明の実施形態に係る予圧縮されたランフラットラジアルタイヤと、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤとの、それぞれの縦たわみと支持荷重との関係を示したグラフである。 本発明の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤをリムに組み付けた後の支持荷重の増分の寄与を示す密度分布図である。 本発明の実施形態に係るランフラットラジアルタイヤのランフラット耐久性の変化率と転がり抵抗の低減率を示したグラフである。
以下、本発明のランフラットラジアルタイヤの一実施形態を図面に基づき説明する。
図1、図2には、本実施形態のランフラットラジアルタイヤ10(以下、「タイヤ10」と称する。)のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した切断面(タイヤ周方向に沿った方向から見た断面)の片側が示されている。なお、図中矢印AWはタイヤ10の幅方向(タイヤ幅方向)を示し、矢印ARはタイヤ10の径方向(タイヤ径方向)を示す。ここでいうタイヤ幅方向とは、タイヤ10の回転軸と平行な方向を指している。また、タイヤ径方向とは、タイヤ10の回転軸と直交する方向をいう。また、符号CLはタイヤ10の赤道面(タイヤ赤道面)を示している。
また、本実施形態では、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸に近い側を「タイヤ径方向内側」、タイヤ径方向に沿ってタイヤ10の回転軸から遠い側を「タイヤ径方向外側」と記載する。一方、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「タイヤ幅方向内側」、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLから遠い側を「タイヤ幅方向外側」と記載する。
(タイヤ)
図1は、リム30に組み付ける(装着する)前のタイヤ10を示しており、図2は、リム30に組み付けて標準空気圧を充填したときのタイヤ10を示している。リム30は標準リムとされている。なお、ここでいう「標準リム」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2014年度版規定のリムを指す。また、上記標準空気圧とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2015年度版の最大負荷能力に対応する空気圧である。
なお、以下の説明において、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)のことである。規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book ”で、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”で、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book”にて規定されている。
図1に示されるように、タイヤ10は、左右一対のビード部12(図1では、片側のビード部12のみ図示)と、一対のビード部12間をトロイド状に跨るカーカス14と、カーカス14よりもタイヤ径方向外側に設けられた傾斜ベルト層16及び補強コード層18と、補強コード層18よりもタイヤ径方向外側に設けられてタイヤ10の外周部を構成するトレッド部20と、ビード部12とトレッド部20とを連結するタイヤサイド部22と、タイヤサイド部22に設けられたサイド補強ゴム層24と、を備えている。なお、本実施形態のタイヤサイド部22は、ビード部12側のサイドウォール下部22Aと、トレッド部20側のサイドウォール上部22Bとで構成されている。
また、本実施形態のタイヤ10は、図2に示されるタイヤ断面高さ(セクションハイト)SHが145mm以上500mm以下に設定されている。また、250mm以下とされていることが更に好適である。なお、ここでいう「タイヤ断面高さSH」とは、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるタイヤ外径とリム径D2との差の1/2の長さを指す。さらに、「タイヤ外径」はトレッド部20の踏面のタイヤ赤道面CL上での点P(図2参照)から、タイヤ軸に対して線対称に配置される同様の点Pまでの距離であり、「リム径」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2014年度版規定のリム径である。
また、本実施形態では、タイヤ10のタイヤサイズを235/65R17としているが、本発明の実施形態はこれに限られず、例えば245/60R18、255/65R18、235/65R18、215/70R16等としてもよい。
(ビード部)
図2に示されるように、一対のビード部12には、ビードコア26がそれぞれ埋設されている。これらのビードコア26には、カーカス14が跨っている。ビードコア26は、断面が円形や多角形状など、空気入りタイヤにおけるさまざまな構造を採用することができる。多角形としては例えば六角形を採用することができる。また、ビード部12には補強等を目的としてゴム層・コード層等をさらに設けてもよく、このような追加部材はカーカス14やビードフィラー28に対してさまざまな位置に設けることができる。
(カーカス)
カーカス14は、2枚のカーカスプライ14A、14B(タイヤ赤道面CLにおいてタイヤ径方向外側に配置されるカーカスプライをカーカスプライ14A、内側に配置されるカーカスプライをカーカスプライ14Bとする)によって構成されており、カーカスプライ14A、14Bはそれぞれ、複数本のコードを被覆ゴムで被覆して形成されている。
このようにして形成されたカーカス14が一方のビードコア26から他方のビードコア26へトロイド状に延びてタイヤの骨格を構成している。また、カーカス14の端部側はビードコア26に係止されている。具体的には、カーカス14は、端部側がビードコア26周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されて係止されている。また、カーカス14の折り返された端部(端部14AE、14BE)は、タイヤサイド部22に配置されている。カーカスプライ14Aの端部14AEは、カーカスプライ14Bの端部14BEよりもタイヤ径方向内側に配置されている。
なお、本実施形態では、カーカス14の端部をタイヤサイド部22に配置する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、例えばカーカス14の端部をトレッド部20に配置する構成としてもよい。また、カーカス14の端部側を折り返さず、複数のビードコア26で挟みこんだり、ビードコア26に巻きつけた構造を採用することもできる。
なお、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態においてカーカス14の幅が最大となるタイヤ径方向位置は、ビード部12寄りに形成してもよいし、トレッド部20寄りに形成してもよい。例えば、カーカス14の幅が最大となるタイヤ径方向位置は、図2に示すビード部12のビードベース部12Bからタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さSH対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
なお、本実施形態においてカーカス14はラジアルカーカスとされている。また、カーカス14の材質は特に限定されず、レーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。なお、軽量化の点からは、有機繊維コードが好ましい。また、カーカスの打ち込み数は20〜60本/50mmの範囲とされているが、この範囲に限定されるのもではない。
ビード部12のカーカス14で囲まれた領域には、ビードコア26からタイヤ径方向外側へ延びるビードフィラー28が埋設されている。このビードフィラー28は、タイヤ径方向外側に向けて厚みが減少している。なお、ビードフィラー28を設けない構造とすることもできる。
(傾斜ベルト層)
カーカス14のタイヤ径方向外側には、傾斜ベルト層16が配設されている。この傾斜ベルト層16は、2枚のベルトプライ16A、16B(タイヤ径方向外側に配置されるベルトプライをベルトプライ16A、内側に配置されるベルトプライをベルトプライ16Bとする)によって構成されている。このベルトプライ16A、16Bはそれぞれ、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。ベルトプライ16A、16Bを構成するコードは、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びている。コードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対して10°以上とすることが好ましい。なお、ベルトプライ16Aは、タイヤ幅方向に沿った幅(長さ)がベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)よりも狭く(短く)されている。
なお、最も幅の大きい最大幅傾斜ベルト層、すなわちベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)をB[mm]とした場合、Bは、トレッド幅TW[mm]の90%以上115%以下とされているが、Bは、100%以上105%以下とするのが更に好ましい。
なお、傾斜ベルト層16は1層のみの構成とすることもできる。但し、狭幅大径サイズの乗用車用ラジアルタイヤにおいては、傾斜ベルト層が1層のみの場合、旋回時の接地面形状がゆがみやすいため、2層以上の互いのコードが交錯する方向に延在する傾斜ベルト層とすることが好ましい。乗用車用空気入りラジアルタイヤとしては、2層のベルト層が交錯層を形成する構成が好適である。
なお、ベルトプライ16A、16Bのコードとして金属コードを用いる場合は、スチールコードを用いるのが最も一般的である。スチールコードはスチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。
また、コードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコードを用いることができる。撚り構造も種々の設計が採用可能であり、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接するフィラメント同士の距離も様々なものが使用できる。さらには異なる材質のフィラメントを縒り合せたコードを採用することもで、断面構造としても特に限定されず、単撚り、層撚り、複撚りなど様々な撚り構造を取ることができる。
(補強コード層)
傾斜ベルト層16のタイヤ径方向外側には、補強コード層18が設けられている。この補強コード層18は、2枚の補強プライ18A、18B(タイヤ径方向外側に配置される補強プライを補強プライ18A、内側に配置される補強プライを補強プライ18Bとする)によって構成されている。補強プライ18Aは、補強プライ18Bよりもタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)が小さく形成され、傾斜ベルト層16の全体を覆っている。また、この補強プライ18A、18Bはそれぞれ、タイヤ周方向に対して角度がほぼ平行なコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を複数本平行に並べて形成されている。なお、補強プライ18Aは、補強プライ18Bよりもタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)が大きく形成されていてもよい。何れの場合においても、トレッド部20端部の剛性変化がなだらかになり、局所的な破壊が抑制される。
なお、補強コード層18には、破断強度を高めるために波状のコードを用いてもよい。同様に破断強度を高めるために、ハイエロンゲーションコード(例えば破断時の伸びが4.5〜5.5%)を用いてもよい。
また、本実施形態では、一例として、補強コード層18を構成するコードとしてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いているが、このコードは種々の材質が採用可能であり、例えばレーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。なお、軽量化の点からは、有機繊維コードが特に好ましい。
また、コードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを縒り合せたコード、さらには異なる材質のフィラメントを縒り合せたハイブリッドコードを採用することもできる。コードの打ち込み数は20〜60本/50mmの範囲とされているが、この範囲に限定されるのもではない。
また、補強コード層18は、タイヤ10の仕様に応じて、タイヤ幅方向に剛性・材質・層数・打ち込み密度等の分布を持たせることもでき、例えば本実施形態では、補強プライ18A、18Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)を略同一としているが、本発明はこの構成に限定されず、例えば補強プライ18Aを、補強プライ18Bよりも狭く(短く)あるいは広く(長く)してもよい。また、タイヤ幅方向端部のみ層数を増やすこともでき、一方でセンター部のみ層数を増やすこともできる。さらに、補強コード層18を省略してもよい。
また、補強コード層18は、傾斜ベルト層16よりも幅広または幅狭に設計することもできる。例えば、傾斜ベルト層16のうち幅の最も大きい最大幅傾斜ベルト層(本実施形態ではベルトプライ16B)の90%〜110%の幅とすることができる。
(トレッド部)
傾斜ベルト層16及び補強コード層18のタイヤ径方向外側には、トレッド部20が設けられている。トレッド部20は、走行中に路面に接地する部位であり、トレッド部20の踏面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝21が複数本形成されている。また、トレッド部20には、周方向溝21を連通し、タイヤ幅方向に延びる図示しない幅方向溝が複数形成されている。周方向溝21及び幅方向溝の形状や本数は、タイヤ10に要求される排水性や操縦安定性等の性能に応じて適宜設定される。このため、幅方向溝はサイプやリブ状陸部内で終端する横溝とすることもできるし、これらを組み合わせて構成することもできる。
また、本実施形態においては、タイヤ赤道面CLを境とした車両装着方向内側と車両装着方向外側のタイヤ半部においてネガティブ率は同一とされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば装着方向指定のタイヤの場合には、タイヤ赤道面CLを境とした車両装着方向内側と車両装着方向外側のタイヤ半部で、ネガティブ率に差を設けてもよい。
また、リブ状陸部のうち、タイヤ幅方向最外側の周方向溝21とトレッド部20のタイヤ幅方向端部(踏面外端部20E)により区分されるショルダーリブ状陸部に関しては、さまざまな構成を採用することができる。例えば、車両装着方向が指定されるタイヤおいて、装着方向外側と内側におけるショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向長さを変えることもできる。なお、操縦安定性を考慮した場合には装着方向外側のショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向長さを装着方向内側のショルダーリブ状陸部のタイヤ幅方向長さよりも大きくすることが好ましい。
また、タイヤ10では、トレッド部20のタイヤ幅方向外側の踏面外端部20Eと、トレッド部20の踏面のタイヤ赤道面CL上での点Pとのタイヤ径方向の距離を落ち高TH[mm]としたときに、落ち高THをトレッド幅TW[mm]の4.5%以下になるように設定することが好ましい。TH/TWをこの範囲とすることにより、タイヤのクラウン部がフラット化(平坦化)し、接地面積が増大して、路面からの入力(圧力)を緩和して、タイヤ径方向のたわみ率を低減し、タイヤの耐久性及び耐磨耗性を向上させることができる。
なお、本実施形態においてトレッド部20に用いられるトレッドゴムは単層構成とされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えばトレッドゴムはタイヤ径方向に異なる複数のゴム層で形成されていても良い。この複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ径方向の厚みの比率は、タイヤ幅方向に変化していてもよく、また周方向溝底のみ等をその周辺と異なるゴム層とすることもできる。
さらに、トレッドゴムはタイヤ幅方向に異なる複数のゴム層で形成されていても良い。この複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ幅方向の長さの比率は、タイヤ径方向に変化していてもよく、また周方向溝近傍のみ、トレッド端近傍のみ、ショルダー陸部のみ、センター陸部のみといった限定された一部の領域のみをその周囲とは異なるゴム層とすることもできる。
(タイヤサイド部)
タイヤサイド部22は、タイヤ径方向に延びてビード部12とトレッド部20とをつなぎ、ランフラット走行時にタイヤ10に作用する荷重を負担できるように構成されている。タイヤサイド部22のタイヤ幅方向端部22Cは、ビードベース部12Bからタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さSH対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
なお、タイヤサイド部22には乱流発生用突起を設けることもできる。この場合、乱流発生用突起によって発生した乱流により、タイヤサイド部22が冷却されランフラット走行性能をさらに向上させることができる。乱流発生用突起はタイヤサイド部のうち、タイヤ外表面、タイヤ内表面の何れかに設けることもできる。また、タイヤ外表面、タイヤ内表面の何れにも設けることもできるし、装着方向指定のタイヤの場合に、一対のタイヤサイド部の内、片側のサイド部にのみ乱流発生用突起を設けることも可能である。さらに、タイヤサイド部にディンプルを設けて、表面積を増やして放熱を高めることにより、ランフラット走行性能をさらに向上させることもできる。
(サイド補強ゴム層)
タイヤサイド部22には、カーカス14のタイヤ幅方向内側にタイヤサイド部22を補強するサイド補強ゴム層24が設けられている。サイド補強ゴム層24は、パンクなどでタイヤ10の内圧が減少した場合に車両及び乗員の重量を支えた状態で所定の距離を走行させるための補強ゴムである。
本実施形態では、サイド補強ゴム層24を1種類のゴム材で形成しているが、本発明の実施形態はこれに限られず、複数のゴム材で形成してもよい。このサイド補強ゴム層24は、ゴム材が主成分であれば、他にフィラー、短繊維、樹脂等の材料を含んでもよい。さらに、ランフラット走行時の耐久力を高めるため、サイド補強ゴム層24を構成するゴム材として、硬さが70〜85のゴム材を含んでもよい。さらに、粘弾性スペクトロメータ(例えば、東洋精機製作所製スペクトロメータ)を用いて周波数20Hz、初期歪み10%、動歪み±2%、温度60℃の条件で測定した損失係数tanδが0.10以下の物性を有するゴム材を含んでもよい。なお、ここでいうゴムの硬さとは、JIS K6253(タイプAデュロメータ)で規定される硬さを指す。
また、本実施形態では、本発明のサイド補強層の一例として、ゴムを主成分とするサイド補強ゴム層24を用いているが、これに限らず、ゴム様の弾性を有する他の材料(例えば、熱可塑性樹脂等)を主成分とするサイド補強層を用いてもよい。
サイド補強ゴム層24は、カーカス14の内面に沿ってビード部12側からトレッド部20側へタイヤ径方向に延びている。また、サイド補強ゴム層24は、中央部分からビード部12側及びトレッド部20側に向かうにつれて厚みが減少する形状、例えば、略三日月形状とされている。なお、ここでいうサイド補強ゴム層24の厚みとは、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるカーカス14の法線に沿った長さを指す。
サイド補強ゴム層24は、ビード部12側の下端部24Aがカーカス14を挟んでビードフィラー28とタイヤ幅方向から見て重なっており、トレッド部20側の上端部24Bがカーカス14を挟んで傾斜ベルト層16とタイヤ径方向から見て重なっている。具体的には、サイド補強ゴム層24の上端部24Bは、カーカス14を挟んでベルトプライ16Bと重なっている。すなわち、サイド補強ゴム層24の上端部24Bは、ベルトプライ16Bの端部16BEよりもタイヤ幅方向内側に位置している。
なお、ベルトプライ16Bのタイヤ幅方向に沿った幅(長さ)をB[mm]とした場合、サイド補強ゴム層24の上端部24Bがベルトプライ16Bと重なっている重なり幅は、一方のタイヤ幅方向の端部側で0.15B[mm]以上とされている。
図2に示されるように、タイヤ10では、タイヤ10をリム30に組み付けて内圧を標準空気圧とした状態におけるタイヤ幅方向の長さが最大(最大値W=タイヤ幅)となるタイヤ幅方向端部22Cからタイヤ幅方向に沿って引いた直線WLとカーカス14のタイヤ幅方向外側表面とが交差する基準点Oから、ベルトプライ16Bの端部16BEまでのカーカス14に沿った長さをH[mm]としたときに、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H[mm]〜0.7H[mm]で示される領域Aにおいて、サイド補強ゴム層24の厚みが最大となる。
なお、サイド補強ゴム層24の厚みが最大となる位置は、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.2H[mm]〜0.6H[mm]にすることが望ましく、0.3H[mm]〜0.5H[mm]にすると更に好適である。
また、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2よりも大きく形成され、WB1とWB2との差をタイヤ断面高さSHで除した値が0.06よりも大きく、2.00よりも小さい。換言すると、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量は、タイヤ断面高さの6%よりも大きく、200%よりも小さい。すなわち、以下に示す(1)式を満たす。
0.06<(WB1−WB2)/SH<2.00 (1)
なお、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2は、タイヤ10をリム組みし、標準空気圧を充填した状態でリムフランジ部30F(図2において、フランジ径D1で示される部分とリム径D2で示される部分の間のタイヤ径方向の幅がD3で示される部分)のタイヤ径方向の中心を通るタイヤ幅方向に平行な直線と、ビード部12のタイヤ幅方向外側の外表面とが交わる場所を交点BEとしたときに、タイヤ赤道面CLを挟んで対向する交点BE間距離であり、標準リム幅と略一致する。また、リム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、タイヤ10のリム組み前において交点BEに相当する点が位置する場所を点BE1としたときに、タイヤ赤道面CLを挟んで対向する点BE1間距離である。
さらに、WB1はWB2の105%以上270%未満とされている。すなわち、(2)式を満たす。
1.05WB2≦WB1<2.70WB2 (2)
なお、本実施形態においては(1)式、(2)式が何れも成り立つ構成とされている。具体的には、WB1=218mm、WB2=178、SH=152.4とされ、0.06<(WB1−WB2)/SH=0.26<2.00であり(1)式が成り立つ。また、1.05WB2=186.9≦WB1=218<2.70WB2=480.6であり(2)式が成り立つ。
なお、本実施形態においては、上述した通り、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2は、標準リム幅と略一致する。このため、上述の構成を換言すると、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、リム30のリム幅よりも大きく形成され、この差をタイヤ断面高さSHで除した値が0.06よりも大きく、2.00よりも小さい。さらに、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、リム30のリム幅の105%以上270%未満とされている。
なお、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード間隔WB1は、タイヤ成形後、タイヤ軸方向が鉛直方向となる状態で標準状態下(標準温度23±2℃、標準湿度50±10%、標準気圧86〜106kPa)に平置きされた状態で3日間以上放置した状態で測定される。
タイヤ10の内面には、一方のビード部12から他方のビード部12に亘ってインナーライナー25が配設されている。本実施形態では、一例として、ブチルゴムを主成分とするインナーライナー25を配設しているが、これに限らず、他のゴム材や、樹脂を主成分とするフィルム層のインナーライナーを配設してもよい。なお、タイヤ10の内面の内、少なくともタイヤサイド部22の内側は、サイド補強ゴム層24により、空気透過性が低く形成されているため、インナーライナー25を設けないこともできる。
さらに、タイヤ10の内面には、空洞共鳴音を低減するために、多孔質部材を配置したり、静電植毛加工を行うこともできる。また、タイヤ10の内面には、パンク時の空気の漏れを防ぐためのシーラント部材を備えることもできる。
なお、本実施形態では、タイヤ断面高さSHが高いタイヤ10を対象としているため、リムガード(リムプロテクション)を設けていないが、本発明はこの構成に限定されず、リムガードを設けてもよい。
(作用・効果)
次に、本実施形態のタイヤ10の作用及び効果について説明する。
本実施形態のタイヤ10は、タイヤ10をリム30に組み付ける前のビード部12間距離WB1(図2におけるタイヤ赤道面CLを挟んで対向する点BE1間距離)は、リム30に組み付けた後のビード間隔WB2よりも大きく形成されている。すなわちタイヤ10は、タイヤ幅方向に変形させてリム30に組み付けられる。このとき、タイヤ10には、図3に示すように、タイヤサイド部22に圧縮応力が発生する。図3に示したハッチングの濃度は、圧縮応力の大きさを示しており、濃度が高いほど圧縮応力が大きいことを示す。なお、以下の説明では、このように荷重がかかる前に予めタイヤに圧縮力が加えられ、タイヤの内部応力として圧縮応力が発生している状態を指して、「予圧縮がある」と称す。または、「予圧縮されている」等とも称す。
図3に示すように、タイヤ10をリム30に組み付けた状態では、タイヤサイド部22のトレッド部20側のサイドウォール上部22Bに圧縮応力が集中する。具体的には、サイド補強ゴム層24の、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H[mm]〜0.7H[mm]で示される領域A(図2参照)において、圧縮応力が大きい部分が集中している。
ここで、ランフラット走行時のタイヤの支持荷重Fzは、タイヤ内部の応力σとの関係で、概略が(5)式のように表される。
Figure 2017197133
(3)式において(dε/dz)はタイヤの縦たわみ変化あたりの歪み変化を示しており、Vはタイヤの体積を示している。したがって、(3)式の右辺は、タイヤを微小部位ごとに分解し、それぞれの部位について「応力」と「単位縦たわみあたりの歪み変化」と「体積」を掛け合わせ、これらをタイヤ全体について足し合わせた値を示している。なお、縦たわみとは、タイヤに対して縦方向(タイヤをリムに組み付けて標準空気圧を充填したときの上下方向)に沿って荷重を加えたときにタイヤが径方向に沿って変形する変形量のことを示す。
(3)式に示されるように、タイヤの内部の圧縮応力σが大きくなれば、ランフラット走行時の支持荷重Fzは大きくなる。本実施形態のタイヤ10は、リム30に組み付けた状態でタイヤ幅方向に変形させられることにより、サイド補強ゴムに予め圧縮力が加えられ(予圧縮され)内部の圧縮応力σが大きくなっている。このためランフラット走行時の支持荷重Fzは、支持荷重への寄与が大きいサイド補強ゴムの圧縮応力と圧縮歪みにおいて、予め圧縮力が加えられていない(予圧縮がない)タイヤと比較して大きい。
図4には、予め圧縮力が加えられていない(予圧縮がない)タイヤの縦たわみと支持荷重の関係が点線で示されている。また、予め圧縮力が加えられた(予圧縮がある)タイヤの縦たわみと支持荷重の関係が、実線で示されている。
予圧縮がないタイヤと予圧縮があるタイヤとを比較すると、予圧縮があるタイヤが、予圧縮がないタイヤよりも、同じ縦たわみに対する支持荷重が大きい。換言すると、予圧縮がないタイヤと予圧縮があるタイヤとを比較すると、予圧縮があるタイヤが、予圧縮がないタイヤよりも、同じ支持荷重に対する縦たわみが小さい。
また、本実施形態においては、タイヤ10のタイヤ断面高さSHは145mm以上とされ、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量(WB1−WB2)と、タイヤ断面高さSHとの間に、(1)式が成り立っている。また、リム30に対するタイヤ10の組み付け前のビード間隔WB1とリム30に対するタイヤ10の組み付け後のビード間隔WB2との間に(2)式が成り立っている。
すなわち、一般的なランフラットラジアルタイヤと比較してタイヤ断面高さSHが大きいランフラットラジアルタイヤであるタイヤ10において、リム30への組み付け前後のタイヤ幅方向への変形量が大きく構成されている。このため、ランフラット走行時の耐久性が特に必要とされるタイヤ断面高さSHが大きいランフラットラジアルタイヤにおいて、ランフラット走行時の耐久性が向上している。
また、一般的なランフラットラジアルタイヤでは、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量(WB1−WB2)が大きい場合は、リム組みがし難くなる場合があるが、タイヤ10はタイヤ断面高さSHが145mm以上とされているため、比較的変形しやすく、容易にリム組みできる。
なお、本実施形態においては、リム30に対するタイヤ10の組み付け前後のタイヤ10のタイヤ幅方向への変形量(WB1−WB2)と、タイヤ断面高さSHとの間に(1)式が成り立ち、WB1とWB2との間に(2)式が成り立っているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば(1)式、(2)式のうち何れか一方のみが成り立つように構成することもできる。又は、(1)式の左側すなわち以下に示す(4)式のみが成り立つ構成、(2)式の左側すなわち以下に示す(4)式のみが成り立つ構成、(5)式と(4)式が共に成り立つ構成などとすることができる。
(WB1−WB2)/SH>0.06 (4)
WB1≧1.05WB2 (5)
あるいは、(1)式〜(5)式の何れも成り立たない場合において、必要とされるランフラット走行時の耐久性に応じて(6)式のみが成り立つように構成することもできる。
0<(WB1−WB2) (6)
このように、タイヤ10を、(6)式が成り立つ構成とすれば、タイヤ10は、タイヤ幅方向に変形させてリム30に組み付けられるので、タイヤサイド部22に圧縮応力が発生し、ランフラット走行時の耐久性が向上する。また、タイヤ10をリム30に組みつけ易くなる。
なお、タイヤ10を予圧縮してビード間隔を変化させるとタイヤサイド部22の曲率が変化する。この曲率変化量に応じて、タイヤサイド部22に生じる圧縮応力は変化する。曲率変化量は(WB1−WB2)/(SH)に比例するので、タイヤ断面高さSHが大きくなると、曲率変化量が小さくなり圧縮応力も小さくなる(相関関係100)。
一方で、タイヤ断面高さSHが大きいタイヤはサイド補強ゴム層24の厚みが大きくなるので、同じ曲率変化に対して大きな圧縮応力が発生する。すなわちタイヤ断面高さSHが大きくなると、圧縮応力は大きくなる(相関関係200)。
本実施形態のタイヤ10においては、このタイヤ断面高さSHと圧縮応力に関する相関関係100及び200を考慮して、(1)式、(4)式、(6)式のように、予圧縮効果の指標として(WB1−WB2)/SHや(WB1−WB2)を用いている。
図5には、タイヤ10をリム30に組み付けた後の、支持荷重の増分の寄与が示されている。図5に示したハッチングの濃度は、支持荷重の増分の大きさを示
しており、濃度が高いほど支持荷重の増分が大きいことを示す。タイヤ10をリム30に組み付けた状態では、タイヤサイド部22のトレッド部20側のサイドウォール上部22Bで、支持荷重の増分が大きくなっている。具体的には、サイド補強ゴム層24の、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H[mm]〜0.7H[mm]で示される領域A(図2参照)において、支持荷重の増分が大きくなっている。
また、本実施形態においては、基準点Oからカーカス14に沿った長さが0.1H[mm]〜0.7H[mm]で示される領域Aにおいて、サイド補強ゴム層24の厚みが最大となる。すなわち、タイヤ10のサイド補強ゴム層24は、予圧縮が与えられることにより支持荷重の増分が大きくされた部位の厚みが大きく形成されている。これにより、支持荷重が大きい部分の体積が大きくなり、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
なお、サイド補強ゴム層24の厚みが最大となる位置は、タイヤ10の仕様によっては、領域A以外の部分であってもよい。サイド補強ゴム層24の厚みが最大となる位置が領域A以外の部分であっても、サイド補強ゴム層24は予圧縮されるので、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
また、タイヤ10は、ベルトプライ16Bとサイド補強ゴム層24が、0.15B[mm]以上の幅で重なり合っている。これにより、トレッド部20の幅方向端部からサイドウォール上部22Bにかけての剛性が向上しているので、タイヤサイド部22のバックリングを抑制し、リム外れ性を向上できる。
さらに、サイド補強ゴム層24には予め圧縮力が加えられている(予圧縮がある)ため、予圧縮がない場合と比較して、荷重がかけられた際のタイヤ10の縦たわみが少ない。このため、ランフラット走行に至る前の通常走行時の転がり抵抗が低下している。また、縦たわみが少ないことにより、ランフラット走行時にサイドゴムの発熱が低減され、ランフラット走行時の耐久性が向上する。
図6には、上述したタイヤ10の実施形態と同様に予圧縮された複数のランフラットラジアルタイヤについて、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤと性能を比較したグラフが示されている。図6に示すように、予圧縮されたランフラットラジアルタイヤは、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤと比較して、ランフラット耐久性が、約4%〜52%、平均約27%向上している。また、予圧縮されたランフラットラジアルタイヤは、予圧縮されていないランフラットラジアルタイヤと比較して、通常走行時の転がり抵抗が、約2%〜5.3%、平均約3.1%低減している。このため、通常走行時の燃費が向上している。このように、本発明の実施形態におけるタイヤは、ランフラット走行時の耐久性が向上するとともに、通常走行時の走行性能が向上している。なお、ランフラット走行時の耐久性は、ISO条件に従うランフラット耐久ドラムの走行距離により測定される。また、通常走行時の転がり抵抗は、ISO18164に準拠しスムースドラム、フォース式にて測定される。
10 タイヤ(ランフラットラジアルタイヤ)、 12 ビード部、 14 カーカス、
16 傾斜ベルト層(ベルト層)、
22 タイヤサイド部、 24 サイド補強ゴム層、 30リム

Claims (4)

  1. 一対のビード部間に跨るカーカスと、
    タイヤサイド部に設けられ、前記カーカスの内面に沿ってタイヤ径方向に延びるサイド補強ゴム層とを備え、
    リムに組み付ける前のタイヤ幅方向に沿ったビード間隔が標準リム幅よりも大きく形成され、タイヤ断面高さが145mm以上とされたランフラットラジアルタイヤ。
  2. 前記リムに組み付ける前の前記ビード間隔と前記標準リム幅との差を前記タイヤ断面高さで除した値が0.06よりも大きく、2.00よりも小さい、請求項1に記載のランフラットラジアルタイヤ。
  3. 前記リムに組み付ける前の前記ビード間隔が前記標準リム幅の105%以上270%未満とされた、請求項1又は請求項2に記載のランフラットラジアルタイヤ。
  4. 前記カーカスのタイヤ径方向外側にベルト層を備え、
    前記リムに組み付けて内圧を標準空気圧とした状態における、前記タイヤサイド部のタイヤ幅方向端部からタイヤ幅方向に沿って引いた直線と前記カーカスとが交差する基準点から、前記ベルト層の端部までの、前記カーカスに沿った長さをHとした場合、
    前記サイド補強ゴム層の厚みが最大となる位置が、前記基準点から前記カーカスに沿って0.1H〜0.7Hの範囲に配置されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のランフラットラジアルタイヤ。
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