JP2017159740A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの転がり抵抗を低減するタイヤの軽量化を図りつつも、トレッド部の振動による放射音をより効果的に抑制し得るタイヤが望まれている。【解決手段】傾斜ベルト13は、タイヤ赤道CLを通って配置された、少なくとも、タイヤ幅方向幅が相対的に広い広幅傾斜ベルト層13aと相対的に狭い狭幅傾斜ベルト層13bとからなり、広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向幅をW1、狭幅傾斜ベルト層13bのタイヤ幅方向幅をW2、広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向端から狭幅傾斜ベルト層13bのタイヤ幅方向端までのタイヤ幅方向距離のうち、長い方をD1、短い方をD2としたときに、W2/W1=0.2〜0.7、且つ、D1/D2=2.0〜8.0である。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
自動車走行中に転動するタイヤが発生させるタイヤ騒音は、タイヤ性能の一つとして捉えられ、タイヤ性能向上のための種々の改良が検討されている。タイヤ騒音を発生させる要因の一つに、トレッド部の振動による放射音が挙げられる。
ところで、近年、タイヤの転がり抵抗を低減するべくタイヤの軽量化が図られているが、軽量化に伴って、転動中のタイヤにおける振動の減衰性が低減し、タイヤから放出される放射音が大きくなる傾向がある。
放射音を低減するものとしては、例えば、操縦安定性能及び転がり抵抗性能を維持しながら騒音性能を向上させた空気入りタイヤ(特許文献1参照)が提案されている。
国際公開2013/161296号公報
このような状況の下、例えば、タイヤの軽量化等によりタイヤの転がり抵抗の低減等を図った場合であっても、トレッド部の振動による放射音をより効果的に抑制し得るタイヤが望まれている。
そこで、この発明の目的は、放射音を抑制して騒音性能を向上させた空気入りタイヤを提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されるとともにタイヤ周方向に対して傾斜するコードを有する少なくとも2層の傾斜ベルト層からなる傾斜ベルトと、前記傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドと、を具える空気入りタイヤであって、前記傾斜ベルトは、タイヤ赤道を通って配置された、少なくとも、タイヤ幅方向幅が相対的に広い広幅傾斜ベルト層と相対的に狭い狭幅傾斜ベルト層とからなり、前記広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅をW1、前記狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅をW2、前記広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端から前記狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端までのタイヤ幅方向距離のうち、長い方をD1、短い方をD2としたときに、W2/W1=0.2〜0.7、且つ、D1/D2=2.0〜8.0である、ことを特徴とする。
この発明に係る空気入りタイヤによれば、放射音を抑制して騒音性能を向上させることができる。
この発明の空気入りタイヤでは、前記広幅傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度をθ1、前記狭幅傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度をθ2とした場合、30°≦θ1≦85°、10°≦θ2≦30°、且つ、θ1>θ2である、ことが好ましい。この構成によれば、コーナリングパワーを増大させて、高い旋回性を実現しつつ放射音を減少させることができる。
この発明の空気入りタイヤでは、前記タイヤ幅方向距離D1、D2のうち、D2が位置する側を、車両装着方向内側に位置させるように、車両装着方向を指定した、ことが好ましい。この構成によれば、一対のタイヤから車両装着方向内側に横力が生じることになり、直進時の操縦安定性(トーイン効果)が向上する。
本明細書において、上述したタイヤ幅方向幅等は、特に断りのない限り、タイヤを適用リムに装着して規定内圧を充填し、無負荷の状態で測定するものとする。
「適用リム」とは、タイヤサイズに応じて下記の規格に規定された標準リム(ETRTO STANDARDS MANUALでは「Measuring Rim」、TRA YEAR BOOKでは「Design Rim」)をいい、「規定内圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、下記の規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。そして、その規格とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO STANDARDS MANUAL、米国ではTRA YEAR BOOKを指す。
この発明によれば、放射音を抑制して騒音性能を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
この発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの、タイヤ幅方向における断面図である。 図1の空気入りタイヤのベルト構造を示す、平面説明図である。 一般的な乗用車用タイヤにおけるトレッド面の振動する形状を模式的に示す、概略説明図である。 図1の空気入りタイヤにおけるトレッド面の振動する形状を模式的に示す、説明図である。 この発明の他の実施の形態に係る空気入りタイヤのベルト構造を示す、平面説明図である。
以下、この発明を実施するための一形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、この発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)10は、一対のビード部11間にトロイダル状に跨るカーカス12と、カーカス12のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置される傾斜ベルト13と、傾斜ベルト13のタイヤ径方向外側に配置されるトレッド14と、を具えている。この空気入りタイヤ10は、自動車に装着されて用いられるが、特に、乗用車用の空気入りタイヤとして適している。
なお、空気入りタイヤ10は、カーカス12のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置される周方向コード層を設けても良く、本実施形態では、1層の周方向コード層15を設け、傾斜ベルト13と周方向コード層15でベルト16を構成している。なお、周方向コード層15は、傾斜ベルト13のタイヤ径方向内側と外側の何れに配置されていても良い。
傾斜ベルト13は、タイヤ周方向に対して傾斜するコードを有しており、タイヤ赤道CLを通って配置された、少なくとも、タイヤ幅方向幅が相対的に広い広幅傾斜ベルト層と、タイヤ幅方向幅が相対的に狭い狭幅傾斜ベルト層の、2層からなる。ここで、少なくとも、広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向中心とタイヤ赤道CLが一致することが好ましい。本実施形態では、傾斜ベルト13は、広幅傾斜ベルト層13aと狭幅傾斜ベルト層13bの2層のみ有しており、広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向中心とタイヤ赤道CLが一致している。
この傾斜ベルト13の最も幅の広い最大幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)の幅は、トレッド16のタイヤ幅方向幅(トレッド幅)の90%〜115%、好ましくは100%〜105%(本実施形態では、105%)に設定されている。
傾斜ベルト13のコードは、金属コード、特にスチールコードを用いることができるが、有機繊維コードを用いることも可能である(本実施形態では、スチールコード)。スチールコードは、スチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。また、モノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコードを用いることができ、撚り構造も種々の設計が採用可能であり、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接するフィラメント同士の距離も様々なものを使用することができる。更には、異なる材質のフィラメントを撚り合せたコードを採用することもでき、断面構造としても、特に限定されず、単撚り、層撚り、複撚りなど様々な撚り構造を取ることができる。
傾斜ベルト13のコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向は、広幅傾斜ベルト層と狭幅傾斜ベルト層で異なっていても同じでもよい(本実施形態では、傾斜方向が異なっている。図2参照)。
打ち込み数は、例えば、20〜60本/50mmの範囲であるが、この範囲に限定されるのもでは無く、また、広幅傾斜ベルト層と狭幅傾斜ベルト層で同じくしても異ならせても良い。
そして、この空気入りタイヤ10は、広幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)のタイヤ幅方向幅をW1、狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)のタイヤ幅方向幅をW2、広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端から狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端(それぞれの広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端に近接する方の、狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端)までのタイヤ幅方向距離のうち、長い方をD1、短い方をD2としたときに、W2/W1=0.2〜0.7、且つ、D1/D2=2.0〜8.0、好ましくは、W2/W1=0.4〜0.6、且つ、D1/D2=4.0〜6.0であるように、広幅傾斜ベルト層と狭幅傾斜ベルト層が形成されている。
本実施形態において、傾斜ベルト13の狭幅傾斜ベルト層13bは、傾斜ベルト13のタイヤ幅方向最大幅でもある広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向幅W1の0.5倍のタイヤ幅方向幅を有している。また、広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向両端側に位置する両ショルダ領域は、タイヤ幅方向幅を相互に異にし、一方のショルダ領域のタイヤ幅方向幅は、他方のショルダ領域のタイヤ幅方向幅の2.0倍、即ち、本実施形態ではD1/D2=2.0となっている。
つまり、この空気入りタイヤ10は、タイヤ幅方向のタイヤ赤道CLを挟んだ一対のタイヤ半部において、少なくとも狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)が非対称となるように、配置されている。
上述したように、広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端から狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端(それぞれの広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端に近接する方の、狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端)までの間の距離を異ならせる、即ち、上記低剛性領域を異ならせるタイヤ幅方向幅とすることで、振動を異なるモードに分離することが可能になるので、音のピークレベルを特に下げることができる。
傾斜ベルト13の狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅より広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅が広すぎると、上記低剛性領域の幅が広すぎることになって、振動モードの振幅自体が小さくならず、放射音を抑制する効果が出難いことから、広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅、即ち、本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向幅W1と、狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅、即ち、本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13bのタイヤ幅方向幅W2において、W2/W1≧0.2であることが必要である。一方、広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅が狭いと、振動モードの分離が十分できなくなって、結局大きな振幅を生じ易くなってしまうことから、W2/W1≦0.7であることが必要である。
また、低剛性領域(広幅傾斜ベルト層と狭幅傾斜ベルト層が重なり合わない、広幅傾斜ベルト層のみの領域)のタイヤ幅方向幅が、タイヤ幅方向両側(タイヤ幅方向幅が広い方と狭い方)で違いが無さ過ぎると、振動のモードが十分に分離できず、放射音の低減効果が小さくなり、一方、タイヤ幅方向幅で違いがあり過ぎると、広幅傾斜ベルト層で大きな振幅が生じてしまうため、結局、騒音の低減率が小さくなってしまう。従って、広幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)のタイヤ幅方向端から狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)のタイヤ幅方向端までの距離(ショルダ領域)のうち、長い方をD1、短い方をD2としたとき、D1/D2≧2.0、D1/D2≦8.0とする必要がある。
一般に、傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度の大きい乗用車用タイヤの多くでは、400Hz〜2kHzの高周波域において、断面方向の1次、2次及び3次等の振動モードにて、トレッド面が一律に大きく振動する形状(図3に2点鎖線で示す)となるため、大きな放射音が生じる。そこで、傾斜ベルト層を、タイヤ幅方向幅が相対的に広い広幅傾斜ベルト層と相対的に狭い狭幅傾斜ベルト層からなる構成にすると、トレッドの幅方向中央部がタイヤ径方向に広がり難くなり、トレッド面の周方向への広がり(振動の振幅)が抑制される(図3に破線で示す)ため放射音が減少する。なお、図3においては、タイヤの概略構成を示している。
この空気入りタイヤ10では、傾斜ベルト13のセンタ領域となる狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)を、広幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)のタイヤ幅方向幅W1の0.2倍以上0.7倍以下の範囲でタイヤ幅方向に延在させた上で、狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)とタイヤ径方向に重なり合わない、広幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)のショルダ領域のタイヤ幅方向幅を、長い方の距離D1が短い方の距離D2の2.0倍以上8.0倍以下となる範囲で異ならせた構成としている。そのため、振動モードが2つの振動モード(図4に破線と一点鎖線で示す)に分離される。その結果、音のピークレベルがより効果的に下がるため、タイヤから生じる放射音をより一層低減することが可能になる。
このように、タイヤに生じる振動の振幅自体を小さくするとともに、当該振動を異なるモードに分離することによって音のピークレベルを低減させる空気入りタイヤ10では、他のタイヤ構成、例えば、傾斜ベルト層のコード角度の大きさに関係なく、タイヤから生じる放射音を低減することができる。
ここで、この空気入りタイヤ10では、傾斜ベルト13が、タイヤ幅方向幅が相互に異なる2層の傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13aと狭幅傾斜ベルト層13b)を少なくとも含むとともに、広幅傾斜ベルト層13aをなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1が30°〜85°(30°≦θ1≦85°)、狭幅傾斜ベルト層13bをなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2が10°〜30°(10°≦θ2≦30°)であり、且つ、θ1>θ2を満たすことが好ましい。
広幅傾斜ベルト層13aをなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1を30°以上とすれば、トレッド16の踏面が変形する際のゴムの周方向の伸びが増大するため、タイヤの接地長が十分に確保される。その結果、コーナリングパワーを増大させて、高い旋回性を実現することができる。なお、この傾斜角度θ1が85°を超えると、周方向の曲げ剛性が過度に小さくなる虞があるので、傾斜角度θ1は85°以下とする。
しかしながら、最広幅の傾斜ベルト層13aのコードの傾斜角度θ1をかように大きくした場合には、タイヤの振動モードが変化するため放射音が生じ、騒音性能が悪化する傾向にある。より詳細には、傾斜ベルト層のコードがタイヤ周方向に対して、およそ30°以上85°以下の角度で傾斜するタイヤの多くは、400Hz〜2kHzの高周波域において、断面方向の1次、2次及び3次等の振動モードにて、トレッド面が一律に大きく振動する形状となるため、大きな放射音が生じるおそれがある。
そこで、狭幅傾斜ベルト層13bのコードの、タイヤ周方向に対する傾斜角度θ2を、広幅傾斜ベルト層13aのコードの傾斜角度θ1よりも小さく設定し、且つ10°以上30°以下の範囲とすれば、タイヤ赤道CL付近における、タイヤ周方向の面外曲げ剛性が適度に保持されるので、上記の振動モードによる、トレッド面の振動を抑制することができる。即ち、トレッド16の、タイヤ赤道CL近傍におけるタイヤ周方向への広がりが抑制される結果、かかる放射音をより減少させることができる。
傾斜角度θ2を10°以上とすることで、広幅傾斜ベルト層13aにおける、接地長を確保する作用を阻害することなく、タイヤ周方向の面外曲げ剛性を保持することができ、傾斜角度θ2を30°以下とすることで、タイヤ赤道CL付近における、タイヤ周方向の面外曲げ剛性が十分に保持されるため、放射音の発生をより確実に減少させることができる。
また、この空気入りタイヤ10の車両装着時、タイヤ幅方向距離D1、D2のうち、D2が位置する側を、車両装着方向内側に位置させるように、即ち、図1、図2及び後述の図5の例では、図に向かって左側が車両装着方向内側に位置するように、車両装着方向を指定するのが好ましい。このように装着されることにより、一対のタイヤから車両装着方向内側に横力が生じることになり、直進時の操縦安定性(トーイン効果)が向上する。
また、本実施形態では、周方向コード層14は、タイヤ周方向に沿って延びるコードを有しており、傾斜ベルト13よりもタイヤ径方向外側に、1層のみが設けられている。この周方向コード層14は、1層に限らず2層以上を設けても良く、また、周方向コード層14を設けなくても良い。
周方向コード層14は、高剛性であることが好ましく、より具体的には、タイヤ周方向に延びるコードのゴム引き層からなり、該コードのヤング率をY(GPa)、打ち込み数をn(本/50mm)とし、周方向コード層14をm層として、X=Y×n×mと定義するとき、1500≧X≧750であることが好ましい。
周方向コード層14のタイヤ幅方向端部は、狭幅傾斜ベルト層13bのタイヤ幅方向端部よりも幅方向外側、且つ広幅傾斜ベルト層13aのタイヤ幅方向端部よりも幅方向内側に位置するのが好ましい。
また、周方向コード層14には、破断強度を高めるために波状のコードを用いてもよい。同様に破断強度を高めるために、ハイエロンゲーションコード(例えば破断時の伸びが4.5〜5.5%)を用いてもよい。コード材料としては、種々の材質のものが採用可能であり、代表的な例としては、レーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等を採用することができる。軽量化の点からは、有機繊維コードが特に好ましい。
このコードは、モノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコード、更には、異なる材質のフィラメントを撚り合せたハイブリッドコードを用いることもできる。打ち込み数は、20〜60本/50mmの範囲とするが、この範囲に限定されるのもではない。
周方向コード層14を、傾斜ベルト13よりもタイヤ幅方向幅を広く又は狭く設計することもでき、例えば、傾斜ベルト13のうちタイヤ幅方向幅の最も大きい最大幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)の90〜110%の幅とすることができる。
また、周方向コード層14は、スパイラル層として構成することが製造の観点から特に有利であるが、平面内において互いに平行に配列された複数本のコアワイヤを、その平行配列を維持したままラッピングワイヤによって束ねた、ストリップ状のコードをスパイラル状に巻回して形成してもよい。
トレッド14のパターンは、タイヤ赤道CLを挟んでタイヤ幅方向に対称としたパターン、或いは非対称としたパターンの何れでもよい。パターンのネガティブ率は、例えば30%以下とすることができる。トレッド14に周方向主溝を設ける場合は、2〜4本程度が好ましく、周方向主溝の溝幅は、4〜10mm程度が好ましい。なお、周方向主溝がなくてもよく、リブ状陸部やブロック状陸部としてもよい。
トレッド14を構成するトレッドゴムは、タイヤ径方向に異なる種類の複数のゴム層を有する、CAP/BASE構造により形成してもよい。複数のゴム層としては、正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ径方向の厚みの比率は、タイヤ幅方向に変化していてもよく、また周方向溝底のみ等を、その周辺と異なるゴム層とすることもできる。
また、トレッドゴムは、タイヤ幅方向に種類の異なる複数のゴム層からなる分割トレッド構造により形成しても良い。複数のゴム層としては、正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ幅方向の長さの比率は、タイヤ径方向に変化していてもよく、また周方向溝近傍のみ、トレッド端近傍のみ、ショルダ陸部のみ、センタ陸部のみといった、限定された一部の領域のみをその周囲とは異なるゴム層とすることもできる。
タイヤ幅方向断面におけるカーカス12の延在輪部である、カーカスラインには、空気入りタイヤにおける様々な構造を採用することができ、例えば、タイヤ径方向におけるカーカス最大幅位置を、ビード部側に近づけることやトレッド側に近づけることもできる。一例として、カーカス最大幅位置を、ビードベース部からタイヤ径方向外側に、タイヤ高さ対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。カーカスのコードの打ち込み数も、空気入りタイヤにおける様々な構造を採用することができ、例えば、20〜60本/50mmの範囲が好ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、カーカスのコード配置は、バイアス構造でもラジアル構造でもよく(本実施形態では、ラジアル構造を採用)、カーカスコードの材料も、有機繊維が好ましい。
カーカス12がビード部11のビードコアを折返したカーカス折返し部も、空気入りタイヤにおける様々な構造を採用することができ、例えば、カーカスの折り返し端をビードフィラー端よりもタイヤ径方向内側に位置させることができ、また、カーカス折り返し端をビードフィラー端やタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側まで伸ばし、場合によってはベルトのタイヤ幅方向端よりもタイヤ幅方向内側まで伸ばすこともできる。更に、カーカス12が複数のカーカス層からなる場合には、カーカス折り返し端のタイヤ径方向位置を異ならせることもできる。また、そもそもカーカス折り返し部を存在させずに、複数のビードコア部材で挟み込んだ構造やビードコアに巻き付けた構造を採用することもできる。
タイヤサイド部において、タイヤ最大幅位置は、ビードベース部からタイヤ径方向外側に、タイヤ高さ対比で50%〜90%の範囲に設けることができ、また、リムガードを有する構造とすることもできる。
また、ビードフィラーを設けない構造とすることもできる。
ビードコアは、円形や多角形状等、空気入りタイヤにおける様々な構造を採用することができ、また、上述の通り、ビードコアにカーカスを巻き付ける構造の他、ビードコアを分割してその複数のビードコア部材によりカーカスを挟み込む構造とすることもできる。また、ビードコア周辺を補強するため、ビード部に補強等を目的としてゴム層・コード層等を更に設けることもできる。このような追加部材は、カーカスやビードフィラーに対して様々な位置に設けることができる。
タイヤ内面に配置するインナーライナーを構成するゴム組成物の空気透過係数を、1.0×10-14cc・cm/(cm2・s・cmHg)以上、6.5×10-10cc・cm/(cm2・s・cmHg)以下とすることが好ましく、例えば、ブチルゴムを主体としたゴム層とすることが好ましい。なお、ブチルゴムを主体としたゴム層の他、樹脂を主成分とするフィルム層によって形成することもできる。
また、タイヤ内面には、空洞共鳴音を低減するために、多孔質部材(スポンジ等)を配置し、或いは静電植毛加工を行ってもよく、タイヤパンク時の空気の漏れを防ぐためのシーラント部材を備えることもできる。
また、空気入りタイヤを、タイヤサイド部に三日月型の補強ゴムを有する、サイド補強型ランフラットタイヤとすることもできる。
なお、本実施形態の空気入りタイヤ10では、タイヤ幅方向のタイヤ赤道CLを挟んだ一対のタイヤ半部において、少なくとも狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)が非対称となるように配置されているが、傾斜ベルト13以外の構成も合わせて非対称とすることができる。非対称とする構成としては、ビードフィラー、カーカス折り返し端部、タイヤサイド部外形等が挙げられる。
図5に示すように、この発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ20は、広幅傾斜ベルト層(本実施形態では、広幅傾斜ベルト層13a)と狭幅傾斜ベルト層(本実施形態では、狭幅傾斜ベルト層13b)のコード延在方向が、タイヤ赤道CLに対して同一傾斜方向となるように形成されている。その他の構成は、上述した空気入りタイヤ10と同様である。広幅傾斜ベルト層と狭幅傾斜ベルト層のコード延在方向が、タイヤ赤道CLに対して同一傾斜方向となることにより、傾斜ベルト層間に働くせん断力が小さくなり、転がり抵抗を特に良好にすることができる。
10,20:空気入りタイヤ、 11:ビード部、 12:カーカス、 13:傾斜ベルト、 13a:広幅傾斜ベルト層、 13b:狭幅傾斜ベルト層、 14:トレッド、 15:周方向コード層、 16:ベルト、 CL:タイヤ赤道

Claims (3)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されるとともにタイヤ周方向に対して傾斜するコードを有する少なくとも2層の傾斜ベルト層からなる傾斜ベルトと、前記傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドと、を具える空気入りタイヤであって、
    前記傾斜ベルトは、タイヤ赤道を通って配置された、少なくとも、タイヤ幅方向幅が相対的に広い広幅傾斜ベルト層と相対的に狭い狭幅傾斜ベルト層とからなり、
    前記広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅をW1、前記狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向幅をW2、前記広幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端から前記狭幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端までのタイヤ幅方向距離のうち、長い方をD1、短い方をD2としたときに、
    W2/W1=0.2〜0.7、且つ、D1/D2=2.0〜8.0
    である、ことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記広幅傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度をθ1、前記狭幅傾斜ベルト層のコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度をθ2とした場合、
    30°≦θ1≦85°、10°≦θ2≦30°、且つ、θ1>θ2
    である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記タイヤ幅方向距離D1、D2のうち、D2が位置する側を、車両装着方向内側に位置させるように、車両装着方向を指定した、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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