JP2017196602A - 吐出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出された内容物を両手で受け取ることができるうえ、内容物の吐出操作、及び吐出された内容物の受け取りを片手だけで行うこと。【解決手段】内容物が収容される容器本体Aの口部A1に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステム3と、ステムを上下動可能に収容すると共にステム内に連通し、ステムの下方移動に伴うステムからの内容物を貯留する貯留シリンダ10と、貯留シリンダ内に連通し、且つその先端に内容物を吐出する吐出孔11が形成されたノズル筒12と、ステムに連係して上下動すると共に、貯留シリンダ内に上下摺動可能に配設された吐出ピストン13とを備える吐出器1を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、吐出器に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるように、容器本体の口部に装着される有頂筒状の装着キャップと、装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有するポンプと、ステムの上端部に装着されると共に吐出孔が形成された押下ヘッドと、を備えた吐出器が知られている。
上記ポンプは、ステムに連係して上下動するピストンと、ピストンが上下摺動可能に嵌合されたシリンダと、シリンダの下端開口を開閉する下部弁体と、を主に備えている。
このように構成された吐出器では、押下ヘッドの押下によりステムを下方に移動させることで、シリンダに対してピストンを下降させることができる。これにより、シリンダ内の内容物をステム内に流入させた後、吐出孔を通じて外部に吐出することができる。
特開2012−232228号公報
しかしながら、上記従来の吐出器では、押下ヘッドの押下時に内容物が吐出されるので、例えば手の平に内容物を吐出する場合には、片手(押下ヘッドを押下している手とは反対の手)で内容物を受け取ることになり、両手で受け取ることが難しかった。
また、何らかの理由によって片手が塞がっている場合(子供を抱いている場合等)には、もう一方の片手で押下ヘッドを押下できたとしても、吐出された内容物をその手で受け取ることが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吐出された内容物を両手で受け取ることができるうえ、内容物の吐出操作、及び吐出された内容物の受け取りを片手だけで行うことができる吐出器を提供することである。
(1)本発明に係る吐出器は、内容物が収容される容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、前記ステムを上下動可能に収容すると共に前記ステム内に連通し、前記ステムの下方移動に伴う前記ステムからの内容物を貯留する貯留シリンダと、前記貯留シリンダ内に連通し、且つその先端に内容物を吐出する吐出孔が形成されたノズル筒と、前記ステムに連係して上下動すると共に、前記貯留シリンダ内に上下摺動可能に配設された吐出ピストンと、を備える。
本発明によれば、貯留シリンダに対してステムを下方移動させることで、吐出ピストンを貯留シリンダ内で下方移動させることができると共に、ステムからの内容物を貯留シリンダ内に一旦貯留することができる。その後、ステムの下方移動を解除すると、ステムは上方付勢力によって上方に復元移動する。そのため、吐出ピストンは、ステムの復元移動に伴って貯留シリンダ内を上方移動し、貯留シリンダ内に貯留された内容物を貯留シリンダ内から押し出すようにノズル筒内に供給する。これにより、吐出孔を通じて内容物を外部に吐出することができる。
このように、貯留シリンダ内に内容物を一旦貯留できるので、押下げ操作等によってステムを下方移動させたときに内容物が吐出されることを防止でき、その後、ステムを上方に復元移動させたときに内容物を吐出させることができる。
従って、吐出された内容物を、片手だけでなく両手で受け取ることができる。さらに、例えば片手が何等かの理由で塞がっている場合(例えば子供を抱いている場合や、荷物を持っている場合等)であっても、もう一方の片手だけで、内容物の吐出操作及び吐出された内容物の受け取りを行うことができる。従って、非常に使い易く、利便性を向上することができる。
(2)前記ステム内に連通した液用シリンダと、前記ステムに連係して上下動すると共に、前記液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、前記ステムの下方移動に伴って前記液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、を備えても良い。
この場合には、貯留シリンダに対してステムを下方移動させると、ステムに連係して液用ピストンが液用シリンダ内を下方移動する。これにより、液用シリンダ内の内容物を、ステム内を通じて貯留シリンダ内に供給することができる。従って、一度の吐出操作で吐出される内容物の吐出量を、液用シリンダの内容積で規定し易く、例えば決まった量の内容物を吐出することが可能となる。
(3)前記貯留シリンダの内容積のうち前記吐出ピストンの下方移動に伴って増加する増加容積は、前記液用シリンダの内容積のうち前記液用ピストンの下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされても良い。
この場合には、ステムを下方移動させた際、貯留シリンダの内容積を超える量の内容物が貯留シリンダ内に供給されることを防止することができる。従って、ステムの下方移動時に、貯留シリンダ内に内容物を確実に貯留でき、貯留シリンダ内からノズル筒内に内容物が流入し難い。そのため、ステムの下方移動時に、内容物が吐出孔から漏れることを効果的に防止し易い。
(4)前記ステム内に連通した液用シリンダと、前記ステムに連係して上下動すると共に、前記液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、前記ステムの下方移動に伴って前記液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、前記ステムに連係する空気用ピストンが内部に上下摺動自在に収容された空気用シリンダと、を備え、前記ステムには、前記液用シリンダから供給される内容物と前記空気用シリンダから供給される空気とを混合する気液混合室と、前記気液混合室で混合された気液混合体を発泡させて内容物を泡状にした状態で、前記貯留シリンダ内に供給させる発泡部材と、が設けられても良い。
この場合には、貯留シリンダに対してステムを下方移動させると、ステムに連係して液用ピストンが液用シリンダ内を下方移動すると共に、空気用ピストンが空気用シリンダ内を下方移動する。これにより、液用シリンダ内の内容物を気液混合室に供給できると共に、空気用シリンダ内の空気を気液混合室に供給することができる。そのため、気液混合室で内容物と空気とを混合させて気液混合体にすることができると共に、気液混合体を発泡部材で発泡させて泡状にした状態で、貯留シリンダ内に貯留することができる。
従って、その後にステムを上方に復元移動させることで、泡状の内容物を吐出することができる。特に、一度の吐出操作で吐出される泡状の内容物の吐出量を、液用シリンダの内容積及び空気用シリンダの内容積で規定し易く、例えば決まった量の泡状の内容物を吐出することが可能となる。
(5)前記貯留シリンダの内容積のうち前記吐出ピストンの下方移動に伴って増加する増加容積は、前記空気用シリンダの内容積のうち前記空気用ピストンの下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされても良い。
この場合には、ステムを下方移動させた際、貯留シリンダの内容積を超える量の空気が空気用シリンダから貯留シリンダ内に供給されることを防止することができる。従って、ステムの下方移動時に、貯留シリンダ内に泡状の内容物を確実に貯留でき、貯留シリンダ内からノズル筒内に泡状の内容物が流入し難い。そのため、ステムの下方移動時に、泡状の内容物が吐出孔から漏れることを効果的に防止し易い。
(6)前記ノズル筒は、前記貯留シリンダに連結されても良い。
この場合には、固定部材である貯留シリンダにノズル筒が連結されているので、吐出孔の位置を固定することができ、決まった位置から内容物を吐出することができる。従って、吐出された内容物を受け取り易く、使い易さを向上できる。
本発明に係る吐出器によれば、吐出された内容物を両手で受け取ることができるうえ、内容物の吐出操作、及び吐出された内容物の受け取りを片手だけで行うことができる。
本発明に係る吐出器の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から最下降位置まで下方移動させ、貯留シリンダ内に内容物を貯留した状態を示す縦断面図である。 図1に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から僅かに下方移動させ、液用シリンダ内と貯留シリンダ内とを連通させた状態を示す縦断面図である。 図2に示す状態から、押下ヘッドの押し下げを解除してステムを上方に復元移動させ、貯留シリンダ内に貯留された内容物を吐出している状態を示す縦断面図である。 本発明に係る吐出器の第2実施形態を示す縦断面図である。 図5に示す貯留シリンダの周辺を拡大した縦断面図である。 図6に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から最下降位置まで下方移動させ、貯留シリンダ内に泡状の内容物を貯留した状態を示す縦断面図である。 図6に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から僅かに下方移動させ、空気用シリンダ内と気液混合室内とを連通させ、且つ液用シリンダ内と気液混合室内とを連通させた状態を示す縦断面図である。 図7に示す状態から、押下ヘッドの押し下げを解除してステムを上方に復元移動させ、貯留シリンダ内に貯留された泡状の内容物を吐出している状態を示す縦断面図である。 本発明に係る吐出器の第3実施形態を示す縦断面図である。 図10に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から最下降位置まで下方移動させ、貯留シリンダ内に内容物を貯留した状態を示す縦断面図である。 図11に示す状態から、押下ヘッドの押し下げを解除してステムを上方に復元移動させ、貯留シリンダ内に貯留された内容物を吐出している状態を示す縦断面図である。 本発明に係る吐出器の第4実施形態を示す縦断面図である。 図13に示す状態から、押下ヘッドを押し下げることでステムを最上昇位置から最下降位置まで下方移動させ、貯留シリンダ内に内容物を貯留した状態を示す縦断面図である。 図14に示す状態から、押下ヘッドの押し下げを解除してステムを上方に復元移動させ、貯留シリンダ内に貯留された内容物を吐出している状態を示す縦断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る吐出器の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の吐出器1は、内容物が収容される容器本体Aの口部A1に装着される装着キャップ2と、容器本体Aの口部A1に上方付勢状態で下方移動可能に配設される筒状のステム3を有するポンプ(吐出機構)4と、ステム3に連係された押下ヘッド(操作部材)5と、を備えている。
なお、本実施形態では、吐出器1が装着される容器本体Aにおける横断面の中央を通る中心軸を軸線Oといい、軸線Oに沿った押下ヘッド5側を上方、その反対側を下方という。また、軸線O方向から見た平面視で軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。また、図1〜図4では、内容物をドット状のハッチングで図示している。
装着キャップ2は、環状の天壁部を有する有頂筒状に形成され、軸線Oと同軸に配置されると共に容器本体Aの口部A1に螺着されている。
なお、装着キャップ2の装着方法は、螺着に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により容器本体Aの口部A1に装着されても構わない。
天壁部は、後述する液用シリンダ14のフランジ部41上に配置され、液用シリンダ14の上方への抜けを防止している。
ポンプ4は、上記ステム3と、ステム3を上下動可能に収容すると共にステム3内に連通し、ステム3の下方移動に伴うステム3からの内容物を貯留する貯留シリンダ10と、貯留シリンダ10内に連通し、且つその先端に内容物を吐出する吐出孔11が形成されたノズル筒12と、貯留シリンダ10内に上下摺動可能に配設された吐出ピストン13と、ステム3を上下動可能に収容すると共にステム3内に連通した液用シリンダ14と、ステム3に連係して上下動すると共に液用シリンダ14内に上下摺動可能に配設された液用ピストン15と、を備えている。
貯留シリンダ10は、軸線Oと同軸に配設された筒状に形成され、装着キャップ2と一体に形成されている。
貯留シリンダ10は、装着キャップ2における天壁部の内周縁部から上方に向けて延びた貯留筒部20と、貯留筒部20よりも上方に配置され、且つ貯留筒部20よりも径が小さいガイド筒部21と、貯留筒部20の上端部とガイド筒部21の下端部とを接続する環状の頂壁部22と、を備えている。
貯留筒部20と装着キャップ2の天壁部との接続部分には、貯留筒部20の内部と外部とを連通する第1空気孔23が形成されている。ガイド筒部21は、内径がステム3の内径よりも小さくなるように形成され、その内側には押下ヘッド5の後述する連係筒部71が上下動可能に挿通されている。
ガイド筒部21と頂壁部22との接続部分には、連係筒部71の外周面に摺接する環状のシール部24が下方に向けて突設されている。これにより、連係筒部71とシール部24との間は密にシールされている。
ノズル筒12は、貯留シリンダ10のガイド筒部21に一体に形成された第1ノズル筒30と、第1ノズル筒30に連結された第2ノズル筒31と、第2ノズル筒31に連結された第3ノズル筒32と、を備え、貯留シリンダ10に連結されている。
第1ノズル筒30は、ガイド筒部21の外周面から径方向外側に向けて延びるように形成され、その一部は頂壁部22に一体に形成されている。頂壁部22のうち第1ノズル筒30と一体に形成された部分には、頂壁部22を上下に貫通する貫通孔25が形成されている。これにより、貯留筒部20内と第1ノズル筒30内とは、貫通孔25を通じて連通している。
第1ノズル筒30は、装着キャップ2よりも径方向外側に突出しており、その先端部側は第1ノズル筒30の他の部分よりも外径が小さい小径筒部30aとされている。
第2ノズル筒31は、第1ノズル筒30の小径筒部30aに外嵌されると共に、中間部分が下方に向けて略90度の角度で折曲されている。第2ノズル筒31の先端部側は、第2ノズル筒31の他の部分よりも外径が小さい小径筒部31aとされている。
第3ノズル筒32は、第2ノズル筒31の小径筒部31aに外嵌されると共に、その先端には吐出孔11が形成されている。図示の例では、吐出孔11は縦断面視テーパー状に形成され、下方に向けて開口している。
第2ノズル筒31内及び第3ノズル筒32内には、軸線O方向に延びた円柱状の芯体33が配設されている。芯体33は、その外径が第2ノズル筒31及び第3ノズル筒32の内径よりも小さく形成されていると共に、吐出孔11との間に若干の隙間をあけて配設されている。これにより、内容物は、芯体33の外周面と、第2ノズル筒31及び第3ノズル筒32の内周面との間を流れ、吐出孔11から外部に吐出される。
なお、図示の例では、ノズル筒12は側面視L字状に形成されているが、この場合に限定されるものではなく、例えば貯留シリンダ10から径方向外側に向けて延びたストレート状に形成されていても構わない。また、芯体33の先端部に有頂筒状のノズルチップを装着し、内容物を例えば霧状に吐出させても構わない。
液用シリンダ14は、筒状に形成され、容器本体Aの口部A1の内側に軸線Oと同軸に配設されている。液用シリンダ14は、パッキン40を介して容器本体Aの口部A1の上方開口端上に配置された環状のフランジ部41と、フランジ部41の内周縁部から下方に向けて延びた直筒部42と、直筒部42の下端部からさらに下方に向けて延びた吸込み筒部43と、を備えている。
直筒部42には、フランジ部41よりも下方に位置する部分に、直筒部42を径方向に貫通する第2空気孔44が形成されている。これにより、容器本体A内と液用シリンダ14内とは、第2空気孔44を通じて連通している。
直筒部42と吸込み筒部43との接続部分には、径方向内側に向けて突設された環状の下弁座部45が形成されている。下弁座部45の内側は、液用シリンダ14内と容器本体A内とを連通させる連通孔46とされている。
吸込み筒部43の内側には、容器本体A内の内容物を吸い上げるチューブ体47が嵌合されている。チューブ体47は、例えば容器本体Aの底部付近まで延び、上端部が下弁座部45に対して下方から接触している。
直筒部42内には、連通孔46を開閉する下部弁体50が配設されている。下部弁体50は、液用シリンダ14内の加圧時に連通孔46を閉塞した状態に維持し、且つ液用シリンダ14内の減圧時に連通孔46を開放する逆止弁とされている。
下部弁体50は、連通孔46を開閉する弁本体51と、下弁座部45上に配設され、弁本体51を支持する支持筒部52と、弁本体51の上方に配置されると共に支持筒部52の上端部に連結された支持軸部53と、を備えている。
支持筒部52は、軸線Oと同軸に配置され、直筒部42の内側に嵌合されている。
弁本体51は、軸線Oと同軸に配置された平面視円板状に形成され、下弁座部45に対して上方に離反可能に着座して連通孔46を閉塞する下弁体54と、下弁体54と支持筒部52との間に周方向に間隔をあけて配設され、支持筒部52に対して下弁体54を軸線O方向に弾性変位可能に支持する複数の弾性支持片55と、を備えている。
弾性支持片55は、内端部が下弁体54の外周縁部に一体に接続され、且つ外端部が支持筒部52の内周面に一体に接続されている。なお、弁本体51は、弾性支持片55を例えば3つ具備する3点弁とされている。
支持軸部53は、例えば平面視十字状に形成されている。これにより、支持筒部52内の空間と、液用シリンダ14内において支持軸部53よりも上方に位置する空間と、は互いに連通している。支持軸部53には、ステム3を上方に付勢するコイルばね56が外挿されている。
ステム3は、貯留シリンダ10内及び液用シリンダ14内に軸線Oと同軸に配設されている。ステム3は、コイルばね56からのばね力(付勢力)を受けて上方付勢されていると共に、押下ヘッド5の押し下げ操作に伴って下方移動可能に配設されている。ステム3は、貯留筒部20の内径及び直筒部42の内径よりも外径が小さく、且つ後述する連係筒部71の外径よりも内径が大きい筒状に形成されている。ステム3の内部は、貯留シリンダ10内及び液用シリンダ14内に連通している。
吐出ピストン13は、ステム3に一体的に形成されている。吐出ピストン13は、貯留筒部20の内周面に対して上下摺動可能に接した吐出筒部57と、ステム3の上端部から径方向外側に向かって突設され、吐出筒部57に連結された環状の連結部58と、を備えている。
吐出筒部57は、上端部が連結部58との接続部分から上方に向かうに従い漸次拡径し、且つ下端部が連結部58との接続部分から下方に向かうに従い漸次拡径している。これにより、吐出ピストン13は、貯留筒部20の内周面に対して、その全周に亘って密に摺接している。
貯留シリンダ10の頂壁部22には、下方に向けて突出した規制片59が周方向に間隔をあけて複数形成されている。そして、吐出ピストン13の連結部58は、規制片59に対して下方から接触している。これにより、吐出ピストン13及びステム3は、それ以上の上方移動が規制され、図1に示すように最上昇位置が位置決めされる。
吐出ピストン13は、上述のようにステム3に一体的に形成されているので、ステム3に連係して上下動する。従って、ステム3と共に吐出ピストン13が下方移動すると、図2に示すように貯留シリンダ10内には吐出ピストン13の上方に位置するように貯留空間Sが画成される。これにより、貯留空間Sを利用して、ステム3からの内容物を貯留シリンダ10内に貯留することが可能となる。
なお、吐出ピストン13は、ステム3と共に上方に復元移動すると、貯留空間S内に貯留された内容物を貯留シリンダ10内から押し出すように、貫通孔25を通じてノズル筒12内に移送させる(図4参照)。
液用ピストン15は、図1に示すように、軸線Oと同軸に配設されると共に、液用シリンダ14の直筒部42内に上下摺動可能に配設されている。
液用ピストン15は、直筒部42の内周面に対して上下摺動可能に接した液筒部60と、ステム3の内側に嵌合され、その下端部が液筒部60に連結された連結筒部61と、を備えている。
連結筒部61は、ステム3よりも下方に延びており、その下端部における外周面が液筒部60における上下方向の中間部分に連結されている。
連結筒部61の上方開口端は、連係筒部71の下方開口端よりも下方に位置し、且つ連係筒部71の下方開口端に対して隙間をあけて対向配置されている。なお、連結筒部61の下方開口端は上弁座部62として機能する。
液筒部60は、上端部が連結筒部61との接続部分から上方に向かうに従い漸次拡径し、且つ下端部が連結筒部61との接続部分から下方に向かうに従い漸次拡径している。これにより、吐出ピストン13は、直筒部42の内周面に対して、その全周に亘って密に摺接している。
液用ピストン15は、上述のように連結筒部61がステム3に嵌合されているので、ステム3に連係して上下動する。従って、ステム3と共に液用ピストン15が下方移動することで液用シリンダ14内を加圧することができると共に、図2に示すように液用シリンダ14内に吸い上げられている内容物を、ステム3内を通じて貯留シリンダ10側に移送させることができる。
なお、液筒部60は、図1に示すように、ステム3が最上昇位置に位置しているときに、直筒部42に形成された第2空気孔44を径方向内側から閉塞し、図2に示すようにステム3に伴って液用ピストン15が下方移動したときに、第2空気孔44を開放させる。これにより、ステム3が下降移動してから元の位置(最上昇位置)に復元移動するまでの間、容器本体A内は第2空気孔44及び第1空気孔23を通じて外部に連通する。
図1に示すように、液用ピストン15内には、上部弁体65が軸線Oと同軸に配置された状態で上下動可能に配設されている。
上部弁体65は、連結筒部61の上弁座部62に対して下方から着座する平面視円形状の上弁体66と、上弁体66から上方に向けて延び、連結筒部61内に下方から挿通された挿入筒部67と、を備えている。
挿入筒部67は、連結筒部61よりも上方に突出していると共に、連結筒部61の内径よりも外径が小さく形成されている。そのため、挿入筒部67と連結筒部61との間には、環状の第1流通路R1が形成されている。
上弁体66は、液筒部60の内側に上下摺動可能に配設されていると共に、上弁座部62に対して下方に離反可能に着座している。上弁体66の外周縁部の一部には、上弁体66を軸線O方向に貫通する流通孔68が形成されている。
上弁体66の中央部分には、下方に向けて突出した支持壁69が形成されている。なお、支持壁69は平面視十字状となるように形成されている。
上部弁体65と下部弁体50との間には、コイルばね56が圧縮状態で配設されている。コイルばね56は、下端部側が下部弁体50の支持軸部53に外挿され、且つ上端部側が支持壁69に外挿されており、上部弁体65と下部弁体50とを軸線O方向に互いに離間させるように付勢している。
これにより、上部弁体65はコイルばね56によって上方に付勢され、上弁体66は上弁座部62に対して押し付けられた状態で着座している。
そのため、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とは、上弁体66によって連通が遮断されている。一方、図3に示すように、コイルばね56のばね力(付勢力)に抗して上部弁体65が下方移動した場合には、上弁体66が上弁座部62から下方に離間するので、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とが流通孔68を通じて連通する。
このように、上部弁体65は、コイルばね56のばね力を利用して第1流通路R1内と液用シリンダ14内とを遮断し、且つ押下ヘッド5の押し下げ操作に伴う下方移動によって、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とを連通させる。
図1に示すように、押下ヘッド5は、頂壁部及び周壁部を有する有頂筒状のヘッド部70と、ヘッド部70の頂壁部から下方に向けて延びると共に、貯留シリンダ10のガイド筒部21内に上方から挿入された連係筒部71と、を備えている。
ヘッド部70は、貯留シリンダ10の上方に、貯留シリンダ10から一定の間隔(ストローク)をあけて配置されている。これにより、押下ヘッド5は一定のストローク分、押下げ操作可能とされている。
連係筒部71は、ガイド筒部21に上下動可能に支持されていると共に、ステム3内にも挿入されている。連係筒部71の下端部は上部弁体65の挿入筒部67に外嵌されている。これにより、連係筒部71及び上部弁体65は一体に連結され、上部弁体65は押下ヘッド5に伴って上下動可能とされている。
先に述べたように、ステム3の内径は連係筒部71の外径よりも大きいので、連係筒部71とステム3との間には環状の第2流通路R2が形成されている。そして、連係筒部71の下方開口端と、液用ピストン15における連結筒部61の上方開口端との間には隙間が形成されている。これにより、第1流通路R1と第2流通路R2とは、この隙間を通じて互いに連通している。
連係筒部71の下方開口端には、下方に向けて突出すると共に周方向に間隔をあけて配置された複数の突起片72が形成されている。そのため、押下ヘッド5の押し下げによって連係筒部71が下方移動しはじめると、図3に示すように突起片72が連結筒部61の上方開口端に上方から接触する。
なお、この場合であっても、第1流通路R1と第2流通路R2とは、周方向に隣り合う突起片72同士の間を通じて互いに連通している。
また、上部弁体65は連係筒部71と共に下方移動するので、突起片72が連結筒部61の上方開口端に接触した際、上弁体66が上弁座部62から下方に向けて離反する。これにより、第1流通路R1内と液用シリンダ14内とが流通孔68を通じて連通する。そのため、液用シリンダ14内は、第1流通路R1内及び第2流通路R2内を通じて貯留シリンダ10内に連通する。
さらに、突起片72が連結筒部61の上方開口端に接触した後、押下ヘッド5の押し下げによって連係筒部71がさらに下方移動すると、図2に示すように、突起片72によって液用ピストン15も押し下げられ、液用ピストン15及びステム3が、押下ヘッド5及び上部弁体65と一体となって下方移動する。
そのため、液用ピストン15が液用シリンダ14内を下方移動し、液用シリンダ14の内容積が減少して内圧が上昇する(加圧される)。従って、下部弁体50が連通孔46を閉塞するので、液用シリンダ14内の内容物を、第1流通路R1内及び第2流通路R2内を通じて貯留シリンダ10側に供給することが可能となる。
なお、貯留シリンダ10における貯留空間Sの内容積のうち、吐出ピストン13の下方移動に伴って増加する増加容積は、液用シリンダ14の内容積のうち液用ピストン15の下方移動に伴って減少する容積分以上の容積となるように設定されている。
具体的には、例えば貯留筒部20の外径や、貯留筒部20の長さ(軸線O方向に沿った長さ)を変更することで、貯留シリンダ10の内容積の調整を行うことが可能である。
(吐出器の使用)
次に、上述した吐出器1を使用する場合について説明する。なお、図1に示すように、液用シリンダ14内には容器本体A内から内容物が吸い上げられているものとする。
内容物を吐出する場合には、図3に示すように、ヘッド部70をコイルばね56のばね力に抗するように押下げ操作して、押下ヘッド5全体を下方移動させる。これにより、連係筒部71がガイド筒部21で支持されながら下方移動しはじめるので、突起片72が液用ピストン15の連結筒部61の上方開口端に対して上方から接触する。また、連係筒部71に伴って上部弁体65が下方移動しはじめるので、上弁体66が液用ピストン15の上弁座部62から下方に離間する。
従って、液用シリンダ14内と第1流通路R1内とが流通孔68を通じて連通した状態となる。
そして、押下ヘッド5のさらなる押下げ操作によって、突起片72が液用ピストン15を押下げるので、図2に示すように、押下ヘッド5及び上部弁体65と共に、液用ピストン15及びステム3を同時に下方移動させることができる。この際、上弁体66が液用ピストン15の上弁座部62から下方に離間した状態を維持したまま、押下ヘッド5、上部弁体65、液用ピストン15及びステム3を下方移動させることができる。
すると、液用シリンダ14内を液用ピストン15が下方移動するので、液用シリンダ14の内容積が徐々に減少して内圧が上昇する(加圧される)。これにより、下部弁体50が連通孔46を閉塞する。また、液用ピストン15が液用シリンダ14内の内容物を押し出すので、内容物を、ステム3内を通じて(具体的には、流通孔68、第1流通路R1及び第2流通路R2を通じて)、貯留シリンダ10側に供給することができる。
これにより、図2に示すように、ステム3からの内容物を、貯留空間Sを利用して貯留シリンダ10内に一旦貯留することができる。
次いで、押下ヘッド5を例えばストローク分だけ押し下げてステム3を最下降位置まで下方移動させた後、押下ヘッド5の押下を解除すると、コイルばね56の上方付勢力(弾性復元力)によって、上部弁体65が押し上げられる。そのため、図4に示すように、上部弁体65及び押下ヘッド5が上方に復元移動するので、液用シリンダ14及びステム3に対して相対的に上方移動する。
よって、上部弁体65の上弁体66が液用ピストン15の上弁座部62に対して下方から着座すると共に、連係筒部71の突起片72が液用ピストン15の連結筒部61の上方開口端から上方に離間する。特に、上弁体66が上弁座部62に着座することで、液用シリンダ14内と第1流通路R1内との連通が遮断される。
また、上弁体66が上弁座部62に着座することで、上部弁体65及び押下ヘッド5と共に、液用ピストン15及びステム3が一体となって上方に向けて復元移動する。
そのため、ステム3の復元移動に伴って、吐出ピストン13が貯留シリンダ10内を上方移動するので、貯留シリンダ10内に貯留された内容物を貯留シリンダ10内から押し出すように、貫通孔25を通じてノズル筒12内に供給することができる。これにより、吐出孔11を通じて内容物を外部に吐出することができる。
また、液用ピストン15が液用シリンダ14内を上方移動することで、液用シリンダ14内は減圧されて負圧状態となるので、下部弁体50が連通孔46を開放する。これにより、チューブ体47を通じて、容器本体A内の内容物を液用シリンダ14内に吸い上げることができ、次回の吐出に備えることができる。
なお、ステム3及び液用ピストン15が下方移動してから、元の位置に復元移動するまでの間、図2及び図4に示すように第2空気孔44が開放されるので、容器本体A内は第2空気孔44及び第1空気孔23を通じて外部に連通する。そのため、容器本体A内の空気置換を行うことができ、容器本体A内から液用シリンダ14内に内容物を吸上げたとしても、容器本体A内が減圧されてしまうことを防止できる。従って、押下ヘッド5のスムーズな復元移動、及び内容物のスムーズな吐出を行うことができる。
上述したように、本実施形態の吐出器1によれば、貯留シリンダ10内に内容物を一旦貯留できるので、押下ヘッド5の押し下げ操作によってステム3を下方移動させたときに内容物が吐出されてしまうことを防止でき、その後、ステム3を上方に復元移動させたときに内容物を吐出させることができる。
従って、吐出された内容物を、片手だけでなく両手で受け取ることができる。さらに、例えば片手が何等かの理由で塞がっている場合(例えば子供を抱いている場合や、荷物を持っている場合等)であっても、もう一方の片手だけで、内容物の吐出操作(すなわち押下ヘッド5の押し下げ操作)及び吐出された内容物の受け取りを行うことができる。そのため、非常に使い易く、利便性を向上することができる。
また、本実施形態では、液用シリンダ14及び液用ピストン15を具備しているので、液用シリンダ14内に吸上げた内容物を、貯留シリンダ10内に貯留することができる。従って、一度の吐出操作で吐出される内容物の量を、液用シリンダ14の内容積で規定し易く、例えば決まった量の内容物を吐出させ易い。
しかも、貯留シリンダ10における貯留空間Sの内容積のうち吐出ピストン13の下方移動に伴って増加する増加容積が、液用シリンダ14の内容積のうち液用ピストン15の下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされているので、ステム3を下方移動させた際に、貯留シリンダ10の内容積を超える量の内容物が貯留シリンダ10内に供給されることを防止することができる。
従って、ステム3の下方移動時に、貯留シリンダ10内に内容物を確実に貯留でき、貯留シリンダ10内からノズル筒12内に内容物が流入し難い。そのため、ステム3の下方移動時に、内容物が吐出孔11から漏れることを効果的に防止し易い。
更に、ノズル筒12は固定部材である貯留シリンダ10に一体に連結され、可動部材である押下ヘッド5とは別体構成とされている。そのため、ノズル筒12を動かすことなく使用することができ、決まった位置に固定された吐出孔11から内容物を吐出することができる。従って、吐出された内容物を受け取り易く、使い易さを向上することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る吐出器の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図5及び図6に示すように、本実施形態の吐出器80は、容器本体Aの口部A1に上方付勢状態で下方移動可能に配設される筒状のステム81を有し、泡状の内容物を吐出するポンプ(吐出機構)82を備えている。なお、図7及び図9では、泡状の内容物をハッチングによって図示している。
装着キャップ2の天壁部の内周縁部には、軸線O方向に延びた挿通筒部83が全周に亘って形成されている。
ポンプ82は、上記ステム81と、ステム81を上下動可能に収容すると共にステム81内に連通し、ステム81の下方移動に伴うステム81からの内容物を貯留する貯留シリンダ90と、貯留シリンダ90内に連通し、且つその先端に内容物を吐出する吐出孔11が形成されたノズル筒12と、貯留シリンダ90内に上下摺動可能に配設された吐出ピストン13と、ステム81を上下動可能に収容すると共にステム81内に連通した液用シリンダ91と、ステム81に連係して上下動すると共に液用シリンダ91内に上下摺動可能に配設された液用ピストン92と、ステム81に連係する空気用ピストン93と、空気用ピストン93が内部に上下摺動自在に収容された空気用シリンダ94と、を備えている。
さらに、ステム81には、液用シリンダ91から供給される内容物と、空気用シリンダ94から供給される空気と、を混合する気液混合室Rと、気液混合室Rで混合された気液混合体を発泡させて内容物を泡状にした状態で貯留シリンダ90内に供給させる発泡部材95と、を備えている。
貯留シリンダ90は、軸線Oと同軸に配設された筒状に形成され、装着キャップ2に装着されている。
貯留シリンダ90は、装着キャップ2における天壁部の上方に配置された貯留筒部100と、貯留筒部100よりも上方に配置され、且つ貯留筒部100よりも径が小さいガイド筒部101と、貯留筒部100の上端部とガイド筒部101の下端部とを接続する環状の頂壁部102と、貯留筒部100を径方向外側から囲むと共に装着キャップ2の周壁部に外嵌された外郭筒部103と、を備えている。
外郭筒部103の上端部は、貯留筒部100と頂壁部102との接続部分に一体に接続されている。これにより、貯留シリンダ90は二重筒状に形成され、外郭筒部103を介して装着キャップ2に装着されている。
外郭筒部103のうち装着キャップ2の周壁部を囲んでいる部分の内周面には、軸線Oに沿った縦長の空気溝104が周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、貯留筒部100の下端部には、該貯留筒部100を径方向に貫通する第3空気孔105が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
これにより、貯留シリンダ90内は、装着キャップ2の挿通筒部83内に連通していると共に、第3空気孔105及び空気溝104を通じて貯留シリンダ90の外部に連通している。
ガイド筒部101内には、後述する上ステム110が上下動可能に挿通されている。ガイド筒部101の上端部には、上ステム110の外周面に摺接する環状のスクレーパ部106が径方向内側に向けて突設されている。これにより、上ステム110とスクレーパ部106との間は密にシールされている。
なお、スクレーパ部106は、径方向内側に向かうにしたがって漸次下方に延びており、上ステム110の外周面に内容物が付着したとしても、付着した内容物をこすり落とす(扱き落とす)ことが可能とされている。そのため、上ステム110が貯留シリンダ10内に入り込んだ後、上方に復元移動する際に、上ステム110の外周面に内容物が付着したまま貯留シリンダ10の上方に復元移動することを防止し易い。
ノズル筒12は、ガイド筒部101の外周面から径方向外側に向けて延びるように形成され、その一部は外郭筒部103及び貯留筒部100に一体に形成されている。これにより、貯留筒部100内とノズル筒12内とは、互いに連通している。なお、ノズル筒12は装着キャップ2よりも径方向外側に突出している。
液用シリンダ91及び空気用シリンダ94は、それぞれ円筒状に形成され、軸線Oと同軸に配置されている。図示の例では液用シリンダ91の上端開口部と空気用シリンダ94の下端開口部とが一体に連設され、液用シリンダ91及び空気用シリンダ94は一体に形成されている。
詳細には、空気用シリンダ94は、有底筒状に形成され、その底部に液用シリンダ91が空気用シリンダ94の内部と連通した状態で連結されている。つまり、大径の空気用シリンダ94の下側に小径の液用シリンダ91が連設されている。
但し、液用シリンダ91と空気用シリンダ94とをそれぞれ別体に構成したうえで、例えば、両者を係止する等して繋げても構わない。
空気用シリンダ94の上端開口部は、装着キャップ2の周壁部及び天壁部の内面にそれぞれ密着した状態で固定されている。これにより、液用シリンダ91及び空気用シリンダ94は、装着キャップ2から垂下した状態で容器本体Aの内部に配設されている。
空気用シリンダ94の上端部は、パッキン40を介して容器本体Aの口部A1の開口端縁上に配置されている。また、空気用シリンダ94の上端部側には、該空気用シリンダ94を径方向に貫通し、空気用シリンダ94内と容器本体A内とを連通する第4空気孔107が形成されている。
液用シリンダ91の下端部には、容器本体A内の内容物を液用シリンダ91内に吸い上げるチューブ体47が取り付けられている。
ステム81は、主に貯留シリンダ90内に上下動可能に収容された上ステム110と、主に空気用シリンダ94内及び液用シリンダ91内に上下動可能に収容された下ステム120と、を備えている。
上ステム110は、軸線Oと同軸上に配設された筒状に形成され、貯留シリンダ90のガイド筒部101内に挿通されて上下動可能に支持されていると共に、装着キャップ2の挿通筒部83の内側に挿入されている。上ステム110の外径は、挿通筒部83の内径よりも小さく形成されている。これにより、上ステム110と挿通筒部83との間には、環状の隙間が形成されている。
上ステム110における上下方向の略中間部分には、上ステム110の内部を上下に仕切る仕切板111が形成されている。上ステム110のうち、仕切板111よりも上方に位置する部分は、ガイド筒部101よりも上方に突出している。
上ステム110には、仕切板111よりも下方に位置する部分に上ステム110を径方向に貫通する流通孔112が周方向に間隔をあけて複数形成されている。流通孔112は、上ステム110の内部空間のうち仕切板111よりも下方に位置する空間と、貯留シリンダ90内(具体的には、貯留筒部100内)とを連通している。これにより、貯留シリンダ90内と上ステム110内とは、流通孔112を通じて連通している。
吐出ピストン13は、上ステム110に一体的に形成されている。
吐出ピストン13は、貯留筒部100の内周面に対して上下摺動可能に接した吐出筒部57と、上ステム110のうち流通孔112よりも下方に位置する部分から径方向外側に向かって突設され、吐出筒部57に連結された環状の連結部58と、を備えている。
これにより、吐出ピストン13は、貯留筒部100の内周面に対して、その全周に亘って密に摺接している。
吐出ピストン13は、上述のように上ステム110に一体的に形成されているので、上ステム110に連係して上下動する。従って、上ステム110と共に吐出ピストン13が下方移動すると、図7に示すように貯留シリンダ90内には、吐出ピストン13の上方に位置するように貯留空間Sが画成される。これにより、貯留空間Sを利用して、上ステム110からの内容物を貯留シリンダ90内に貯留することが可能となる。
なお、吐出ピストン13は、上ステム110と共に上方に復元移動すると、貯留空間S内に貯留された内容物を貯留シリンダ90内から押し出すように、ノズル筒12内に移送させる(図9参照)。
図5及び図6に示すように、上ステム110内には発泡部材95が配設されている。
発泡部材95は、流通孔112よりも下方に位置する部分に配設され、筒状のケーシング130と、ケーシング130内に装着された2つの発泡エレメント131と、を備えている。
ケーシング130は、上側が大径部130a、下側が小径部130bとされた2段円筒状に形成されている。ケーシング130は、大径部130aが上ステム110の内側に嵌合されることで、上ステム110に一体に固定されている。小径部130bの外周面には、その下端から上方に延びて大径部130aの底部外表面に至り、さらにその径方向外側に向けて延在して開口した複数のケーシング溝132が形成されている。
なお、上ステム110の内周面のうち、仕切板111とケーシング130との間に位置する部分には、径方向内側に突出すると共に周方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブ113が形成されている。ケーシング130は、この縦リブ113によって上方への抜け止めがされている。
発泡エレメント131は、筒体135の一端開口端に、所定の網目が形成されたメッシュ部材136が張設された構成とされ、上下に2段に重なった状態(粗さの異なるメッシュを重ねた状態)で大径部130aの内側に装着されている。
この際、2つの発泡エレメント131のうち、ケーシング130内の下側に位置する発泡エレメント131はメッシュ部材136が下側を向き、ケーシング130内の上側に位置する発泡エレメント131はメッシュ部材136が上側を向くように配置されている。
下ステム120は、軸線Oと同軸上に配設された筒状に形成され、その上端部は発泡部材95におけるケーシング130の小径部130bに外嵌されている。これにより、上ステム110と下ステム120とは、発泡部材95を介して一体に連結されている。
なお、上ステム110の内周面において、下ステム120の上端部に対して径方向に対向する部分には、上下方向に延在し、且つ下方に開口した縦溝114が周方向に間隔をあけて複数形成されている。縦溝114は、下ステム120の上方開口縁を径方向に跨いで、発泡部材95のケーシング130に形成された複数のケーシング溝132に連通している。
また、上ステム110の内周面のうち、縦溝114よりも下方に位置する部分には、下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に傾斜した環状のテーパ面115が形成されている。さらに、上ステム110のうち、テーパ面115よりも下方に延びた部分は、空気用ピストン93の後述する内筒141を径方向外側から囲み、且つ内筒141に対して摺接する外側摺接部116とされている。
下ステム120には、液用ピストン92と発泡部材95との間に位置する部分に、径方向内側に向けて円環状の弁座121が突設されている。弁座121と発泡部材95との間には、弁座121に離反可能に着座する球状の液吐出弁122が設けられている。下ステム120の内部において、発泡部材95と弁座121との間の空間が気液混合室Rとされている。
下ステム120の外周面において、空気用ピストン93の後述する内筒141が配設される部分には、上下方向に延在し、且つ上記縦溝114に連通するステム溝123が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
下ステム120のステム溝123、上ステム110の縦溝114、及び発泡部材95のケーシング溝132は、空気用シリンダ94内と気液混合室R内とを連通する空気通路124を構成する。
また、下ステム120の外周面には、複数のステム溝123の下端が位置する部分に、径方向外側に向けて張り出して、空気用ピストン93の内筒141の下端に下方から当接するフランジ状の当接部125が形成されている。これにより、当接部125は、空気通路124を通した気液混合室R内と空気用シリンダ94内との連通を遮断している。
空気用ピストン93は、軸線Oと同軸に配置された状態で、空気用シリンダ94内に上下摺動可能に配設されている。空気用ピストン93は、空気用シリンダ94の内側に配設された外筒140と、外筒140の内側に配置された内筒141と、外筒140の上端部と内筒141の外周面とを連結し、軸線O方向に段付き状に形成された連結板部142と、を備えている。
内筒141は、上下に開口した筒状に形成され、その内側には下ステム120が上下動可能に挿入されている。内筒141の上端部には、上ステム110の外側摺接部116に摺接する内側摺接部143が内筒141の全周に亘って形成されている。外筒140の下端部には、空気用シリンダ94の内周面に摺接する環状の空気筒部144が形成されている。
なお、内側摺接部143の上端縁と上ステム110のテーパ面115との間には、軸線O方向に隙間が形成されている。また、上ステム110の外側摺接部116の下端縁と連結板部142との間にも、軸線O方向に隙間が設けられている。
これにより、テーパ面115が内側摺接部143に対して接触するまで、空気用ピストン93に対する上ステム110の下方移動が許容されている。
連結板部142には、空気用ピストン93の内部と外部とを連通する第5空気孔145が形成されている。内筒141の外周面には、第5空気孔145を開放自在に閉塞する筒状の外気導入弁146が嵌合されている。外気導入弁146は、連結板部142に対して離反自在に着座することで、第5空気孔145を開放自在に閉塞する可動弁146aを備えている。
空気筒部144は、押下ヘッド5の押し下げ操作前、空気用シリンダ94に形成された第4空気孔107を径方向内側から閉塞している。
液用ピストン92は、下ステム120の内側に嵌合された連結筒部150と、連結筒部150に接続されると共に、下ステム120よりも下方に配置され、且つ液用シリンダ91の内周面に摺接する液筒部151と、を備えている。
液用ピストン92及び液用シリンダ91の内部には、上端部が中空逆円錐状に形成された上部弁体161とされ、下端部が液用シリンダ91内の下方開口部に着座及び離反可能な下部弁体162とされた棒状の弁部材160が設けられている。
上部弁体161は、液用シリンダ91内と下ステム120内との連通及びその遮断を切替える切換弁とされ、液用ピストン92における連結筒部150の上方開口端に対して上方から離反自在に着座している。なお、液用ピストン92と液用シリンダ91との間には、コイルばね56が圧縮状態で配設されている。コイルばね56は、液用ピストン92を上方付勢状態で下方移動可能に支持している。
押下ヘッド5は、ヘッド部70及び連係筒部71を備え、連係筒部71が上ステム110の上端部の内側に嵌合されている。これにより、本実施形態の押下ヘッド5は、ステム81に対して直接連結されている。
なお、本実施形態では、貯留シリンダ90における貯留空間Sの内容積のうち、吐出ピストン13の下方移動に伴って増加する増加容積が、空気用シリンダ94の内容積のうち空気用ピストン93の下方移動に伴って減少する容積分以上の容積となるように、貯留シリンダ90は設計されている。
(吐出器の使用)
次に、上述したように構成された吐出器80を使用する場合について説明する。なお、液用シリンダ91内には容器本体A内から内容物が吸い上げられているものとする。
内容物を吐出する場合には、図8に示すように、ヘッド部70をコイルばね56のばね力に抗するように押下げ操作して、押下ヘッド5全体を下方移動させる。これにより、上ステム110が下方移動するので、これに伴って、発泡部材95、下ステム120及び液用ピストン92が下方移動する。
上ステム110及び下ステム120が下方移動すると、上ステム110の外側摺接部116が空気用ピストン93の内筒141の内側摺接部143に摺動しながら、空気用ピストン93に対して下方移動する。そのため、空気用ピストン93に対して上ステム110及び下ステム120を下方移動させることができる。
従って、下ステム120の下方移動に伴って、下ステム120の当接部125が空気用ピストン93における内筒141の下方開口端から下方に離間する。これにより、気液混合室R内と空気用シリンダ94内とを、空気通路124を通じて連通させることができる。このとき、外気導入弁146の可動弁146aは、空気用シリンダ94の連結板部142に下方から着座しており、第5空気孔145を閉塞している。
これらのことにより、空気用シリンダ94内の空気を、空気通路124を通して気液混合室R内に供給することができる。
また、上述した過程において、液用ピストン92の下方移動に伴って弁部材160も下方移動する。そのため、弁部材160の下部弁体162が液用シリンダ91の下方開口部に着座して、下方開口部を閉塞する。また、液用ピストン92のさらなる下方移動によって、液用ピストン92の上端部が弁部材160の上部弁体161から下方に離反する。これにより、液用シリンダ91内と下ステム120内とが連通する。
そして、押下ヘッド5のさらなる押し下げ操作によって上ステム110及び下ステム120が下方移動すると、空気用ピストン93における内筒141の内側摺接部143が上ステム110のテーパ面115によって押下げられる。
よって、これ以降、図7に示すように、空気用シリンダ94内と気液混合室R内とを連通させた状態を維持したまま、空気用ピストン93を上ステム110と共に下方移動させることができる。また、液用ピストン92は、下ステム120と共に引き続き下方移動する。
そして、液用ピストン92が液用シリンダ91内を下方移動することで、液用シリンダ91内の内圧が上昇するので、液吐出弁122を弁座121から離反させることができ、液用シリンダ91内の内容物を気液混合室R内に供給することができる。
従って、気液混合室R内で内容物と空気とを合流させて、気液混合体にすることができる。すると、気液混合体は、小径部130bから発泡部材95の内部に流れ込んで発泡すると共に、2つの発泡エレメント131のメッシュ部材136を通過することで、きめの細かい所定の泡状となる。この泡状となった内容物は、流通孔112を通じて貯留シリンダ90内に供給される。これにより、貯留空間Sを利用して、貯留シリンダ90内に泡状の内容物を一旦貯留することができる。
次いで、図9に示すように、押下ヘッド5の押下を解除すると、コイルばね56の上方付勢力(弾性復元力)によって、液用ピストン92が押し上げられるので、液用ピストン92、下ステム120、上ステム110及び発泡部材95が上方に復元移動する。
その過程において、下ステム120の当接部125が空気用ピストン93の内筒141の下方開口端に対して下方から接触するので、これ以降、空気用ピストン93も上方に復元移動する。特に、当接部125が内筒141の下方開口端に接触することで、空気用シリンダ94内と気液混合室R内との連通が遮断される。
そして、上ステム110の復元移動に伴って、吐出ピストン13が貯留シリンダ90内を上方移動するので、貯留シリンダ90内に貯留された泡状の内容物を貯留シリンダ90内から押し出すようにノズル筒12内に供給する。これにより、吐出孔11を通じて泡状の内容物を外部に吐出することができる。
また、空気用ピストン93が上方移動することで、空気用シリンダ94内が減圧されて負圧状態となるので、外気導入弁146の可動弁146aが開弁して、第5空気孔145を開放する。これにより、第5空気孔145、装着キャップ2の挿通筒部83の内側、第3空気孔105及び空気溝104を通じて、空気用シリンダ94内に外気を導入することができる。なお、空気用シリンダ94の内圧が吐出前の状態に戻ると、外気導入弁146の可動弁146aが閉弁して第5空気孔145を閉塞する。
また、液用ピストン92が液用シリンダ91内を上方移動することで、液用シリンダ91内は減圧されて負圧状態となるので、チューブ体47を通じて、容器本体A内の内容物を液用シリンダ91内に吸い上げることができ、次回の吐出に備えることができる。
なお、空気用ピストン93が下方移動してから、元の位置に復元移動するまでの間、図7に示すように、第4空気孔107が開放されるので、容器本体A内は、第4空気孔107、装着キャップ2の挿通筒部83の内側、第3空気孔105及び空気溝104を通じて外部に連通する。そのため、容器本体A内の空気置換を行うことができ、容器本体A内から液用シリンダ91内に内容物を吸上げたとしても、容器本体A内が減圧されてしまうことを防止できる。従って、押下ヘッド5のスムーズな復元移動、及び内容物のスムーズな吐出を行うことができる。
上述したように、本実施形態の吐出器80であっても、貯留シリンダ90内に泡状の内容物を一旦貯留できるので、押下ヘッド5の押し下げ操作によってステム81を下方移動させたときに泡状の内容物が吐出されることを防止でき、その後、ステム81を上方に復元移動させたときに泡状の内容物を吐出させることができる。
従って、第1実施形態と同様に、泡状の内容物を片手だけでなく両手で受け取ることができると共に、例えば片手が何等かの理由で塞がっている場合であっても、もう一方の片手だけで内容物の吐出操作及び泡状に吐出された内容物の受け取りを行うことができる。
また、本実施形態の場合であっても、ノズル筒12を動かすことなく使用することができるので、決まった位置に固定された吐出孔11から泡状の内容物を吐出することができ、使い易い。
また、本実施形態の場合であっても、貯留シリンダ90における貯留空間Sの内容積のうち、吐出ピストン13の下方移動に伴って増加する増加容積が、空気用シリンダ94の内容積のうち空気用ピストン93の下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされているので、ステム81を下方移動させた際に、貯留シリンダ90の内容積を超える量の空気が気液混合室Rを経由して貯留シリンダ90内に供給されることを防止することができる。
従って、図7に示すように、ステム81の下方移動時に、貯留シリンダ90内に泡状の内容物を確実に貯留でき、貯留シリンダ90内からノズル筒12内に泡状の内容物が流入し難い。そのため、ステム81の下方移動時に、泡状の内容物が吐出孔11から漏れることを効果的に防止し易い。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る吐出器の第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の吐出器170は、ノズル筒12内を開閉する開閉弁171を備えている。
本実施形態の第1ノズル筒30は、貯留シリンダ10側に位置する基端ノズル筒172と、第2ノズル筒31側に位置し、その内側に第2ノズル筒31が嵌合された先端ノズル筒173と、を備えた2段筒状に形成されている。
先端ノズル筒173は、基端ノズル筒172よりも外径及び内径が大きく形成されている。これにより、第1ノズル筒30内には、基端ノズル筒172と先端ノズル筒173との接続部分において、径方向外側を向いた環状の段差面174が形成されている。
開閉弁171は、第1ノズル筒30内に配設されている。具体的には、開閉弁171は先端ノズル筒173内において、第2ノズル筒31と段差面174との間に位置するように配設されている。
開閉弁171は、先端ノズル筒173の内側に嵌合された筒体175と、筒体175に対して回動自在に連結され、段差面174に離反自在に着座された円板状の回動弁176と、を備えている。
回動弁176は、段差面174の全周に亘って径方向外側から離反自在に着座することで、基端ノズル筒172内を閉塞している。回動弁176は、外周縁部の一部が筒体175の内周面に一体に接続されており、この接続部分を中心に径方向外側に回動することで、基端ノズル筒172内を開放させる。
なお、本実施形態の吐出器170は、第1実施形態における下部弁体50を具備していない。そのため、コイルばね56は、上部弁体65の上弁体66と液用シリンダ14との間に配設されている。
(吐出器の作用)
本実施形態の吐出器170によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、開閉弁171を備えているので吐出孔11から内容物が漏出することをさらに効果的に防止することができる。
具体的には、図11に示すように、押下ヘッド5を押し下げ操作した場合には、貯留シリンダ10内に負圧化された貯留空間Sを形成することができる。そのため、貯留シリンダ10内の負圧を利用して、図11に示す矢印のように回動弁176を段差面174側に引き寄せることができ、段差面174に対して密に接触させることができる。これにより、貯留シリンダ10内に内容物を貯留する間、開閉弁171を利用して基端ノズル筒172内を閉塞できる。
そのため、押下ヘッド5の押し下げ操作時に、内容物が吐出孔11から外部に漏れてしまうことを効果的に防止することができる。
そして、図12に示すように、押下ヘッド5の押し下げを解除して、ステム3を上方に復元移動させる場合には、吐出ピストン13が貯留シリンダ10内に貯留された内容物を貯留シリンダ10内から押し出すので、図12に示す矢印のように回動弁176を回動させて、段差面174から離反させることができる。これにより、吐出孔11から内容物を外部に吐出することができる。
このように、開閉弁171を具備するので、意図しない時に内容物が漏出することを防止できる。
なお、本実施形態では第1実施形態における下部弁体50を備えていないが、押下ヘッド5を押し下げ操作した際、貯留シリンダ10内の負圧(減圧)を利用して、液用シリンダ14内の内容物を貯留シリンダ10側に移送させることができる。つまり、本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、液用シリンダ14内を減圧させて内容物を貯留シリンダ10側に供給することができる。
このように、下部弁体50を具備しなくても、貯留シリンダ10内に内容物を貯留することができるので、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
なお、押下ヘッド5の押し下げ解除に伴って液用ピストン15が上方に復元移動することで、液用シリンダ14内に容器本体Aから内容物を吸上げることができ、次回の吐出に備えることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る吐出器の第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態の吐出器180は、ノズル筒12が押下ヘッド5に連結され、連係筒部71の内部を通じて貯留シリンダ10内に連通している。
本実施形態のノズル筒12は、第1ノズル筒30を具備せず、第2ノズル筒31がヘッド部70から径方向外側に延びるように、ヘッド部70に一体的に形成されている。第2ノズル筒31の基端部は、連係筒部71に接続され、その内部は連係筒部71内に連通している。
上部弁体65の挿入筒部67には、連係筒部71よりも下方に位置する部分に、挿入筒部67を径方向に貫通する流通孔181が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
これにより、ノズル筒12内と貯留シリンダ10内とは、連係筒部71内、挿入筒部67内、流通孔181及び第2流通路R2内を通じて連通している。
さらに、連係筒部71内には、ステム3の下方移動時にノズル筒12内と貯留シリンダ10内との連通を遮断し、且つステム3の上方移動時にノズル筒12内と貯留シリンダ10内との連通を許容する弁体182が設けられている。
弁体182は例えば球状に形成され、上部弁体65における挿入筒部67の上方開口端に、上方に離反可能に着座している。
なお、本実施形態の吐出器180は、第3実施形態と同様に、第1実施形態における下部弁体50を具備していない。
(吐出器の作用)
本実施形態の吐出器180によれば、ノズル筒12の位置が異なるだけで、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
具体的には、図14に示すように、押下ヘッド5を押し下げ操作した場合には、貯留シリンダ10内に負圧化された貯留空間Sを形成することができる。そのため、貯留シリンダ10内の負圧を利用して、図14に示す矢印のように弁体182を挿入筒部67側に引き寄せることができ、挿入筒部67の上方開口端に対して密に接触させることができる。
これにより、貯留シリンダ10内に内容物を貯留する間、内容物が連係筒部71内を通じてノズル筒12側に供給されてしまうことを防止できる。
そのため、押下ヘッド5の押し下げ操作時に、内容物を確実に貯留シリンダ10内に導くことができ、貯留シリンダ10内に内容物を貯留することができる。
そして、図15に示すように、押下ヘッド5の押し下げを解除して、ステム3を上方に復元移動させる場合には、吐出ピストン13が貯留シリンダ10内に貯留された内容物を貯留シリンダ10内から押し出すので、内容物を、第2流通路R2及び流通孔181を通じて挿入筒部67内に導き、図15に示す矢印のように弁体182を押し上げながら、連係筒部71内を通じてノズル筒12内に供給することができる。
これにより、吐出孔11から内容物を外部に吐出することができる。従って、本実施形態の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
なお、本実施形態の場合には、ノズル筒12がヘッド部70と一体とされているので、例えばヘッド部70の押し下げ操作を行った手を、押し下げの解除後、吐出孔11の近辺に速やかに差し伸べ易い。つまり、ノズル筒12とヘッド部70とが一体となっているので、ヘッド部70の押し下げ操作と、ヘッド部70の押し下げの解除操作と、吐出孔11への手の差し出し操作と、吐出孔11からの内容物の受け取り操作と、を一連の流れでスムーズに行うことができ、同様に使用し易い。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、吐出機構として液用シリンダ及び液用ピストンを具備するポンプ機構を採用したが、この場合に限定されるものではない。例えば、容器本体内に内容物が圧縮された状態で充填され、ステムを押し下げることで内容物がステムから噴出するエアゾール機構を採用しても構わない。この場合であっても、貯留シリンダ内にステムからの内容物を一旦貯留できるので、本実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
A…容器本体
A1…容器本体の口部
R…気液混合室
1、80、170、180…吐出器
3、81…ステム
10、90…貯留シリンダ
11…吐出孔
12…ノズル筒
13…吐出ピストン
14、91…液用シリンダ
15、92…液用ピストン
93…空気用ピストン
94…空気用シリンダ
95…発泡部材

Claims (6)

  1. 内容物が収容される容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、
    前記ステムを上下動可能に収容すると共に前記ステム内に連通し、前記ステムの下方移動に伴う前記ステムからの内容物を貯留する貯留シリンダと、
    前記貯留シリンダ内に連通し、且つその先端に内容物を吐出する吐出孔が形成されたノズル筒と、
    前記ステムに連係して上下動すると共に、前記貯留シリンダ内に上下摺動可能に配設された吐出ピストンと、を備える吐出器。
  2. 請求項1に記載の吐出器において、
    前記ステム内に連通した液用シリンダと、
    前記ステムに連係して上下動すると共に、前記液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、前記ステムの下方移動に伴って前記液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、を備える吐出器。
  3. 請求項2に記載の吐出器において、
    前記貯留シリンダの内容積のうち前記吐出ピストンの下方移動に伴って増加する増加容積は、前記液用シリンダの内容積のうち前記液用ピストンの下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされている吐出器。
  4. 請求項1に記載の吐出器において、
    前記ステム内に連通した液用シリンダと、
    前記ステムに連係して上下動すると共に、前記液用シリンダ内に上下摺動可能に配設され、前記ステムの下方移動に伴って前記液用シリンダ内の内容物を前記ステム内に供給する液用ピストンと、
    前記ステムに連係する空気用ピストンが内部に上下摺動自在に収容された空気用シリンダと、を備え、
    前記ステムには、
    前記液用シリンダから供給される内容物と前記空気用シリンダから供給される空気とを混合する気液混合室と、
    前記気液混合室で混合された気液混合体を発泡させて内容物を泡状にした状態で、前記貯留シリンダ内に供給させる発泡部材と、が設けられている吐出器。
  5. 請求項4に記載の吐出器において、
    前記貯留シリンダの内容積のうち前記吐出ピストンの下方移動に伴って増加する増加容積は、前記空気用シリンダの内容積のうち前記空気用ピストンの下方移動に伴って減少する容積分以上の容積とされている吐出器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の吐出器において、
    前記ノズル筒は、前記貯留シリンダに連結されている吐出器。
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