JP2017196585A - 塩化シアンの揮散抑制方法 - Google Patents

塩化シアンの揮散抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017196585A
JP2017196585A JP2016090870A JP2016090870A JP2017196585A JP 2017196585 A JP2017196585 A JP 2017196585A JP 2016090870 A JP2016090870 A JP 2016090870A JP 2016090870 A JP2016090870 A JP 2016090870A JP 2017196585 A JP2017196585 A JP 2017196585A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wastewater
hydrogen peroxide
volatilization
cyanogen chloride
cyanide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016090870A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6712706B2 (ja
Inventor
英則 平嶋
Hidenori Hirashima
英則 平嶋
村上 誠
Makoto Murakami
誠 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Katayama Chemical Inc
Nalco Japan GK
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
Nalco Japan GK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Katayama Chemical Inc, Nalco Japan GK filed Critical Katayama Chemical Inc
Priority to JP2016090870A priority Critical patent/JP6712706B2/ja
Publication of JP2017196585A publication Critical patent/JP2017196585A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6712706B2 publication Critical patent/JP6712706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

【課題】シアンなどを含有する廃水のアルカリ塩素法等による処理において生成する塩化シアンの揮散を、簡便で安全かつ確実に抑制し得る方法を提供することを課題とする。【解決手段】シアンおよび/またはチオシアン酸を含有する廃水をpH12以上に調整した後および/または過酸化水素の存在下、該廃水中に塩素系酸化剤を注入して、注入後の廃水からの塩化シアンの揮散を抑制することを特徴とする塩化シアンの揮散抑制方法により、上記の課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、塩化シアンの揮散抑制方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、シアンなどを含有する廃水のアルカリ塩素法等による処理によって発生する塩化シアンの揮散抑制方法に関する。
シアンは生態系に強い悪影響を及ぼすため、シアン含有廃水(「シアン廃水」ともいう)を自然界にそのまま放出することはできない。水質汚濁防止法に基づきシアンの排水基準が定められ、この基準(1mg/L以下)を満たすようにシアン除去処理を行い、無害化した廃水でなければ下水などに排出できない。また、地域によっては、条例により、上記の排水基準値よりもさらに低い上乗せ排水基準が定められている。なお、通常シアン含有廃水は、シアン以上の高濃度のチオシアン酸塩を含有していることが多い。
従来からシアン含有廃水中のシアンの除去処理として様々な方法が提案され、実用化されているが、いずれも一長一短があり、廃水の状況に応じて使い分けられている。
このような方法としては、例えば、アルカリ塩素法、オゾン酸化法および電解酸化法(電解法)などの酸化分解法;紺青法、亜鉛白法および還元銅塩法などの不溶錯体法;生物処理法;熱加水分解法および湿式酸化法などの熱水反応などがある。
また、特開2007−216225号公報(特許文献1)には、石炭の部分酸化により得られたガスを洗浄した際に生ずる石炭ガス化排水を凝集沈澱処理して懸濁物質を除去した後、懸濁物質を除去した石炭ガス化排水のpHを3〜6に調整して、酸化剤の存在下で紫外線を照射した後、pH7以上に調整して水蒸気または空気で曝気してアンモニアを除去すると共に、COD起因物質として含有されるチオ硫酸イオン、チオシアン酸イオンおよびフェロシアン酸イオンをシアンと共に分解する石炭ガス化排水の処理方法が開示されている。
さらに、特開平11−033571号公報(特許文献2)には、アンモニア性窒素およびチオシアン酸イオンを含有する廃水にオゾンを作用させる第1工程と、第1工程の処理水に塩素系酸化剤を作用させる第2工程とを含み、任意に第2工程の処理水に銅イオンを作用させる第3工程を含む廃水の処理方法が開示されている。
特開2007−216225号公報 特開平11−033571号公報
従来技術のシアン含有廃水の処理方法の中でも、シアン含有廃水をアルカリ性に調整した後、塩素系酸化剤を注入してシアンを酸化分解するアルカリ塩素法は、各種工業分野において比較的多用されている。しかし、シアンなどを含有する廃水のアルカリ塩素法による処理では、第1段目の反応においてシアン化合物またはチオシアン酸化合物と次亜塩素酸ナトリウムとが反応して、有毒でありかつ沸点13℃で揮散し易い非電解質の塩化シアン(CNCl)が生成する。
しかしながら、この塩化シアンの揮散を抑制する方法については、上記のような従来技術でも提案されていない。
そこで、本発明は、シアンなどを含有する廃水のアルカリ塩素法等による処理において生成する塩化シアンの揮散を、簡便で安全かつ確実に抑制し得る方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、pH12以上に調整するか、過酸化水素を添加するか、pH12以上に調整しかつ過酸化水素を添加した、シアンおよび/またはチオシアン酸を含有する廃水に、廃水の液面上から塩素系酸化剤を添加するのではなく、廃水中に注入することにより、シアンなどの含有物を処理すると共に、塩化シアンの揮散を抑制できることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、シアンおよび/またはチオシアン酸を含有する廃水をpH12以上に調整した後および/または過酸化水素の存在下、該廃水中に塩素系酸化剤を注入して、注入後の廃水からの塩化シアンの揮散を抑制することを特徴とする塩化シアンの揮散抑制方法が提供される。
本発明によれば、シアンなどを含有する廃水処理において生成する塩化シアンの揮散を、簡便で安全かつ確実に抑制し得る方法を提供することができる。
また、本発明の塩化シアンの揮散抑制方法は、次の条件の少なくとも1つを満たす場合に、上記の効果をより発揮する。
(1)塩素系酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムまたはN−クロロスルファマートである。
(2)廃水中のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量を予め測定し、測定した合計含有量に対して、過酸化水素を0.05モル当量以上添加し、かつ塩素系酸化剤を有効塩素濃度として0.01モル当量以上注入する。
本発明の塩化シアンの揮散抑制方法は、シアンおよび/またはチオシアン酸を含有する廃水をpH12以上に調整した後および/または過酸化水素の存在下、該廃水中に塩素系酸化剤を注入して、注入後の廃水からの塩化シアンの揮散を抑制することを特徴とする。
本発明の塩化シアンの揮散抑制方法の作用機序は明らかではないが、本発明者らは、シアンなどを含有する廃水中で生成された塩化シアンが廃水中で、効率よく速やかにシアン酸塩(CNO-)に加水分解されることにより、塩化シアン自体の揮散が抑制されるものと考えている。
(廃水)
本発明の処理対象となる廃水は、シアンおよび/またはチオシアン酸およびそれらの塩を含有するものであれば特に限定されず、例えば、製鉄工場、化学工場、メッキ工場、コークス製造工場、金属表面処理工場などから排出される金属のシアン化合物、シアンイオン、シアン錯体、シアノ錯イオン、チオシアン酸イオンなどを含むシアン含有廃水、放射能汚染水の処理工程において排出されるシアン含有廃水、および土壌の処理装置から排出されるシアン含有廃水、ならびに従来の方法で処理されたシアンが残存する廃水が挙げられる。
(塩化シアンの揮散抑制方法)
本発明の塩化シアンの揮散抑制方法は、廃水をpH12以上に調整した後および/または過酸化水素の存在下、廃水中に塩素系酸化剤を注入する。
特に、廃水をpH12以上に調整した後、過酸化水素の存在下、廃水中に塩素系酸化剤を注入する形態は、本発明の優れた効果がより発揮される好ましい形態である。
なお、本発明の特徴は、廃水中に注入する点にあり、「注入」とは、廃水の液面上から塩素系酸化剤を添加するのではなく、塩素系酸化剤を大気中に触れることなしに、廃水中に注液(送液)することを意味する。
(pH調整)
廃水のpHを調整するには、本発明の処理における反応を妨げないアルカリ、例えば、水酸化ナトリウム水を処理廃水に添加すればよい。
調整されたpHが12以上では、本発明の効果が発揮され易くなるが、pHが12未満であっても、廃水を過酸化水素の存在下にすることにより本発明の効果が発揮される。
(過酸化水素の添加)
廃水を過酸化水素の存在下にするには、例えば、廃水に過酸化水素水を添加すればよい。
本発明において用いられる過酸化水素としては、主に工業用として市販されている濃度3〜60%の過酸化水素水溶液が挙げられる。
また、過酸化水素供給化合物(「過酸化水素発生剤」ともいう)から発生させた過酸化水素や、用水またはアルカリ溶液の電気分解などで発生させた過酸化水素を用いることもできる。
過酸化水素供給化合物としては、過酸化水素を水中で放出し得る過炭酸、過ホウ酸、ペルオキシ硫酸などの無機過酸、過酢酸のような有機過酸およびこれらの塩類が挙げられる。これら塩類としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記の過酸化水素および過酸化水素供給化合物は、添加に際して所望の過酸化水素濃度になるように水で希釈または溶解して用いてもよい。
過酸化水素は水溶液の形態で添加するのがよい。過酸化水素濃度は、廃水に添加する際の作業性、シアンと添加した化合物との反応性などを考慮して決定すればよく、具体的には30mg/L以上である。また、その上限値は30g/L程度である。
また、過酸化水素の添加量は、対象となる廃水中に含まれるシアンおよびチオシアン酸の合計含有量により異なり、具体的には、処理前の廃水のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量などを予め測定しておき、この測定値に基づいて、過酸化水素の添加量を決定すればよい。過酸化水素の添加量は、その合計含有量に対して、0.05モル当量以上であるのが好ましい。より好ましくは、廃水中のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量に対して0.1モル当量以上である。
過酸化水素の添加量の上限値は、25モル当量程度である。
廃水のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量は、公知の方法、例えば、JIS K 0102やイオンクロマトグラフ法などにより測定することができる。
廃水を過酸化水素の存在下にすることにより、本発明の効果が発揮され易くなるが、廃水を過酸化水素の存在下にしない場合であっても、廃水のpHを12以上に調整することにより本発明の効果が発揮される。
(塩素系酸化剤の注入)
本発明において用いられる塩素系酸化剤としては、本発明において酸化剤として作用し、本発明の効果を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、N−クロロスルファマートが挙げられる。
上記の次亜塩素酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の中でも、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムは工業的に入手し易く、本発明において好適に用いられる。
また、N−クロロスルファマートは、公知の方法、例えば、特表2003−503323号、特開2006−022097号などに記載の方法により調製することができ、例えば、スルファミン酸塩と、次亜塩素酸ナトリウム水溶液との反応により調製することができる。
本発明において用いられる塩素系酸化剤としては、簡便に取り扱うことのできる次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムおよびN−クロロスルファマートが、塩化シアンの揮散抑制効果の点においても特に好ましい。
塩素系酸化剤は水溶液の形態で注入するのがよい。塩素系酸化剤の濃度は、廃水に注入する際の作業性、シアンと注入した化合物との反応性などを考慮して決定すればよく、具体的には有効塩素として10mg/L以上である。また、その上限値は30g/L程度である。
また、塩素系酸化剤の注入量は、対象となる廃水中に含まれるシアンおよびチオシアン酸の合計含有量により異なり、具体的には、処理前の廃水のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量などを予め測定しておき、この測定値に基づいて、塩素系酸化剤の添加量を決定すればよい。塩素系酸化剤の注入量は、その合計含有量に対して、ヨウ素滴定法で求められる有効塩素として0.01モル当量以上であるのが好ましい。より好ましくは、廃水中のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量に対して0.1モル当量以上である。
塩素系酸化剤の注入量の上限値は、5.5モル当量程度、好ましくは2.0モル当量程度である。
(撹拌)
上記の各化合物の添加(注入)時、およびこれらの添加(注入)された化合物とシアンとの反応時には、反応効率を向上させるために、混合溶液を撹拌するのが好ましい。この撹拌は、特に塩素系酸化剤の注入中には必ず実施するのがよい。
さらに、撹拌時の反応に要する時間は、廃水の量、シアンの種類およびその濃度、処理装置の形態およびその規模などにより異なるが、シアンと添加(注入)した化合物とが十分に接触するように適宜決定すればよい。通常、撹拌時間は10分以上であればよく、20〜60分とするのがより好ましい。
(処理および沈殿分離)
本発明の塩化シアンの揮散抑制方法で処理されたシアン酸塩含有廃水を、界面活性剤や凝集剤などを添加して沈殿池等で沈降分離することができる。また、酸化分解(中性)、または酸加水分解(酸性)する工程を経て処理することもできる。
これらの一連の操作には、添加剤槽、反応処理槽、シックナーおよび除濁沈殿池などの公知の装置を用いることができ、既設の装置を転用してもよい。
本発明の塩化シアンの揮散抑制方法では、本発明の効果を阻害しない範囲で、消泡剤、防錆剤、腐食防止剤、スケール分散剤、スライムコントロール剤などの公知の薬剤を併用してもよい。
本発明を試験例により具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例により限定されるものではない。
(試験例1)
チオシアン酸含有水を調製し、これを疑似廃水として塩化シアンの揮散抑制効果の確認試験を実施した。
表1に示すチオシアン酸カリウム濃度およびpHになるように、計算量のチオシアン酸カリウム、アルカリまたは緩衝剤を水1000gに溶解させて、チオシアン酸含有水を調製した。必要に応じて、アルカリとして48%水酸化ナトリウム、緩衝剤としてリン酸塩を用いた。
蓋に約9mmの孔を有する容量1Lのポリ瓶(内径約90mm×内高約160mm)に、調製したチオシアン酸含有水200mLを加え、さらに30%過酸化水素水0.4mLを加えて、蓋の孔を封止してポリ瓶内の液体を振とうにより混合した。
次いで、蓋の孔から0.5ml容メスピペットを用いて、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液0.4mLを、ポリ瓶の底(混合液の液面下35mm)に注入するか、または混合液の液面から130mmの高さから滴下した。
その後、蓋の孔を封止して混合液を5分間静置し、蓋の孔から塩化シアン濃度測定用の検知管(ドレーゲル・セイフティー ジャパン株式会社製、製品番号:CH19801)を差し入れ、ポリ瓶のヘッドスペースにおける塩化シアン濃度(ppm)を測定した。
過酸化水素を添加しない場合、過酸化水素の混合操作を除いて上記と同様にして、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入または滴下して、塩化シアン濃度(ppm)を測定した。
得られた結果を、チオシアン酸カリウム濃度(質量%)、チオシアン酸含有水のpH、過酸化水素の混合の有無および次亜塩素酸ナトリウムの注入または滴下の種別と共に、表1に示す。
Figure 2017196585
表1の結果から次のことがわかる。
・チオシアン酸含有水に過酸化水素を混合した後、次亜塩素酸ナトリウムを注入した場合(実施例1〜4および実施例6〜8)には、塩化シアンの揮散が抑制されること
・チオシアン酸含有水をpH12以上に調整した後、次亜塩素酸ナトリウムを注入した場合(実施例5)には、塩化シアンの揮散が抑制されること
・チオシアン酸含有水に次亜塩素酸ナトリウムを滴下した場合(比較例1および比較例3〜8)には、過酸化水素の混合の有無に拘わらず、塩化シアンの揮散が抑制されないこと
・チオシアン酸含有水をpH12未満に調整した場合には、過酸化水素を混合せずに次亜塩素酸ナトリウムを注入しても(比較例2)、塩化シアンの揮散が抑制されないこと
(試験例2)
シアン含有水を調製し、これを疑似廃水として塩化シアンの揮散抑制効果の確認試験を実施した。
表2に示すシアン化カリウム濃度およびpHになるように、計算量のシアン化カリウム、アルカリまたは緩衝剤を水1000gに溶解させて、シアン含有水を調製すること以外は、試験例1と同様にして、塩化シアン濃度(ppm)を測定した。
得られた結果を、シアン化カリウム濃度(質量%)、シアン含有水のpH、過酸化水素の混合の有無および次亜塩素酸ナトリウムの注入または滴下の種別と共に、表2に示す。
Figure 2017196585
表2の結果から次のことがわかる。
・シアン含有水に過酸化水素を混合した後、次亜塩素酸ナトリウムを注入した場合(実施例9、10、12および13)には、塩化シアンの揮散が抑制されること
・シアン含有水をpH12以上に調整した後、次亜塩素酸ナトリウムを注入した場合(実施例11)には、塩化シアンの揮散が抑制されること
・シアン含有水に次亜塩素酸ナトリウムを滴下した場合(比較例9および比較例11〜13)には、塩化シアンの揮散が抑制されないこと
・シアン含有水をpH12未満に調整した場合には、過酸化水素を混合せずに次亜塩素酸ナトリウムを注入しても(比較例10)、塩化シアンの揮散が抑制されないこと
(試験例3)
シアンおよびチオシアン酸を含有する混合含有水を調製し、これを疑似廃水として塩化シアンの揮散抑制効果の確認試験を実施した。
表3に示すシアン化カリウム濃度、チオシアン酸カリウム濃度およびpHになるように、計算量のシアン化カリウム、チオシアン酸カリウム、アルカリまたは緩衝剤を水1000gに溶解させて、混合含有水を調製すること以外は、試験例1と同様にして、塩化シアン濃度(ppm)を測定した。
得られた結果を、シアン化カリウム濃度(質量%)、チオシアン酸カリウム濃度(質量%)、混合含有水のpH、過酸化水素の混合の有無および次亜塩素酸ナトリウムの注入または滴下の種別と共に、表3に示す。
Figure 2017196585
表3の結果から次のことがわかる。
・混合含有水に過酸化水素を混合した後、次亜塩素酸ナトリウムを注入した場合(実施例14〜16)には、塩化シアンの揮散が抑制されること
・混合含有水に次亜塩素酸ナトリウムを滴下した場合(比較例14、15および比較例17〜19)には、過酸化水素の混合の有無に拘わらず、塩化シアンの揮散が抑制されないこと
・混合含有水をpH12未満に調整した場合には、過酸化水素を混合せずに次亜塩素酸ナトリウムを注入しても(比較例16)、塩化シアンの揮散が抑制されないこと

Claims (3)

  1. シアンおよび/またはチオシアン酸を含有する廃水をpH12以上に調整した後および/または過酸化水素の存在下、該廃水中に塩素系酸化剤を注入して、注入後の廃水からの塩化シアンの揮散を抑制することを特徴とする塩化シアンの揮散抑制方法。
  2. 前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムまたはN−クロロスルファマートである請求項1に記載の塩化シアンの揮散抑制方法。
  3. 前記廃水中のシアンおよびチオシアン酸の合計含有量を予め測定し、測定した合計含有量に対して、前記過酸化水素を0.05モル当量以上添加し、かつ前記塩素系酸化剤を有効塩素濃度として0.01モル当量以上注入する請求項1または2に記載の塩化シアンの揮散抑制方法。
JP2016090870A 2016-04-28 2016-04-28 塩化シアンの揮散抑制方法 Active JP6712706B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090870A JP6712706B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 塩化シアンの揮散抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090870A JP6712706B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 塩化シアンの揮散抑制方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017196585A true JP2017196585A (ja) 2017-11-02
JP6712706B2 JP6712706B2 (ja) 2020-06-24

Family

ID=60236970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016090870A Active JP6712706B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 塩化シアンの揮散抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6712706B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019111528A (ja) * 2017-12-20 2019-07-11 日鉄環境株式会社 シアノ錯体の生成抑制方法、排ガスの処理方法、及び排ガス処理システム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5030359A (ja) * 1973-07-10 1975-03-26
JPS54156341A (en) * 1978-05-31 1979-12-10 Ebara Corp Treatment of waste water
JPS57132590A (en) * 1980-10-30 1982-08-16 Uss Eng & Consult Method of chlorinating waste water
JP2011256262A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Jfe Engineering Corp 廃棄物ガス化ガスの精製装置、精製方法、処理装置及び処理方法
JP2013208550A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Kurita Water Ind Ltd シアン含有排水の処理方法
WO2014083903A1 (ja) * 2012-11-30 2014-06-05 オルガノ株式会社 石炭ガス化排水の処理システムおよび石炭ガス化排水の処理方法
CN104402144A (zh) * 2014-12-02 2015-03-11 华侨大学 一种电镀含氰综合废水的处理方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5030359A (ja) * 1973-07-10 1975-03-26
JPS54156341A (en) * 1978-05-31 1979-12-10 Ebara Corp Treatment of waste water
JPS57132590A (en) * 1980-10-30 1982-08-16 Uss Eng & Consult Method of chlorinating waste water
JP2011256262A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Jfe Engineering Corp 廃棄物ガス化ガスの精製装置、精製方法、処理装置及び処理方法
JP2013208550A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Kurita Water Ind Ltd シアン含有排水の処理方法
WO2014083903A1 (ja) * 2012-11-30 2014-06-05 オルガノ株式会社 石炭ガス化排水の処理システムおよび石炭ガス化排水の処理方法
CN104402144A (zh) * 2014-12-02 2015-03-11 华侨大学 一种电镀含氰综合废水的处理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019111528A (ja) * 2017-12-20 2019-07-11 日鉄環境株式会社 シアノ錯体の生成抑制方法、排ガスの処理方法、及び排ガス処理システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6712706B2 (ja) 2020-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7204140B2 (ja) シアン含有廃水の処理方法
KR101771761B1 (ko) 과황산염 및 은 착물을 함유하는 화학 물질 분해용 처리제 및 그것을 사용한 화학 물질의 분해 방법
JP6145682B2 (ja) 錯シアン含有廃水の処理方法およびそれに用いる処理剤
JP5867538B2 (ja) シアン及びアンモニア含有排水の処理方法
JP6146499B2 (ja) アンモニア含有排水の処理方法
KR102117850B1 (ko) 시아나이드 함유 폐수용 처리제 및 그것을 사용하는 시아나이드 함유 폐수의 처리방법
JP2013056328A (ja) シアン含有水の処理方法及び処理装置
JP2021053620A (ja) シアン含有廃水の処理方法
JP7065184B2 (ja) 廃水の処理方法
JP6712706B2 (ja) 塩化シアンの揮散抑制方法
JP5990717B1 (ja) シアン含有廃水用処理剤およびそれを用いるシアン含有廃水の処理方法
JP6578561B2 (ja) シアン含有廃水用処理剤およびそれを用いるシアン含有廃水の処理方法
KR20140138173A (ko) 시안 함유 배수의 처리 방법
JP6547055B2 (ja) シアノ錯体の生成抑制方法、排ガスの処理方法、及び排ガス処理システム
JP7353619B2 (ja) シアン含有廃水の処理方法
JP7454096B1 (ja) 廃水の処理方法
WO2015159654A1 (ja) アンモニア含有排水の処理方法
JP7440031B2 (ja) シアン含有廃水の処理方法
JP2020196000A (ja) シアン含有廃水の処理方法
JP2005296863A (ja) チオ尿素含有廃液の処理方法及び装置
JP2001269674A (ja) シアン含有排水の処理方法
JP2022117162A (ja) 廃水処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6712706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190422

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250