JP2017194451A - 工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム - Google Patents

工作機械の誤差同定方法及び誤差同定システム Download PDF

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Abstract

【課題】工作機械の幾何誤差を、位置計測センサを用いて被計測治具を計測して当該被計測治具の位置から同定するにあたり、位置計測センサの径・長補正値のキャリブレーションも同時に行う。【解決手段】S1でタッチプローブの長補正値のキャリブレーションを行い、S2でターゲット球の初期位置を計測してタッチプローブの径補正値キャリブレーションを行う。S3で、ターゲット球初期位置とタッチプローブの長補正値とを用いて、設定した計測条件で予想される各ターゲット球中心位置とタッチプローブ先端位置を算出し、算出した座標値から指令値リストを作成する。S4で、指令値リストに基づいてターゲット球にタッチプローブを接触させ、長補正値と径補正値とを用いて補正してターゲット球の中心位置と直径を求める。S5で、ターゲット球の中心位置座標値や各指令値をもとに、機械の幾何誤差の同定計算を行う。【選択図】図11

Description

本発明は、工作機械の幾何誤差を、機内での対象物の位置の計測結果から同定する方法及び同定するシステムに関する。
図1は、3つの並進軸および2つの回転軸を有する5軸制御マシニングセンタの模式図である。主軸2は、並進軸であり互いに直交するX軸、Z軸によってベッド1に対して並進2自由度の運動が可能である。テーブル3は、回転軸であるC軸によってクレードル4に対して回転1自由度の運動が可能であり、クレードル4は、回転軸であるA軸によってトラニオン5に対して回転1自由度の運動が可能である。A軸とC軸は互いに直交している。さらに、トラニオン5は、並進軸でありX・Z軸に直交するY軸によりベッド1に対して並進1自由度の運動が可能である。したがって、主軸2は、テーブル3に対して並進3自由度および回転2自由度の運動が可能である。各送り軸は、図に示していない数値制御装置により制御されるサーボモータにより駆動され、被加工物をテーブル3に固定し、主軸2に工具を装着して回転させ、被加工物と工具の相対位置および相対姿勢を制御して加工を行うことができる。
このような5軸制御マシニングセンタの運動精度に影響を及ぼす大きな要因として、回転軸の中心位置の誤差(想定する位置からのズレ)や回転軸の傾き誤差(軸間の直角度、平行度)などの各軸間の幾何誤差がある。例えば、図1の5軸制御マシニングセンタには、並進軸に関する幾何誤差として、X−Y軸間直角度、Y−Z軸間直角度、Z−X軸間直角度の3つがあり、主軸に関する幾何誤差として、工具−Y軸間直角度、工具−X軸間直角度の2つがあり、回転軸に関する幾何誤差として、C軸中心位置X方向誤差、C−A軸間オフセット誤差、A軸角度オフセット誤差、C−A軸間直角度、A軸中心位置Y方向誤差、A軸中心位置Z方向誤差、A−Z軸間直角度、A−Y軸間直角度の8つがあり、合計13個の幾何誤差が存在する。
幾何誤差が存在すると機械としての運動精度が悪化し、被加工物の加工精度が悪化する。このため、調整により幾何誤差を小さくする必要があるがゼロにすることは困難であり、幾何誤差を補正する制御を行うことで高精度な加工を行うことができる。
このような補正制御を行うためには、機械に内在する幾何誤差を計測もしくは同定する必要がある。機械の幾何誤差を同定する方法として、発明者は特許文献1のような方法を提案している。この発明の方法では、回転軸によってテーブルを複数の角度に回転・傾斜割出して、主軸に装着されたタッチプローブを用いて、テーブル上に固定された球の中心位置をそれぞれ計測し、得られた計測値から機械の幾何誤差を同定する。
タッチプローブは、測定対象に接触したことを感知するセンサを有しており、接触を感知した瞬間に赤外線や電波などで信号を発信して、数値制御装置に接続された受信機でその信号を受信した瞬間もしくは遅れ分を考慮した時点の各軸の現在位置(スキップ値)を取得し、この値を計測値とするものである。
しかし、タッチプローブの計測では、取得した位置を補正する必要がある。これは、タッチプローブが測定対象に接触した際の送り軸の位置に対して、送り軸の位置の基準となる制御点(X・Y軸は主軸中心、Z軸は主軸端面)とタッチプローブの接触点が異なるためである。例えば、X・Y軸方向はタッチプローブのスタイラス球の半径分オフセットしており、主軸中心とタッチプローブの芯ズレや、接触時の信号の遅れ、タッチプローブのセンサの方向依存性などによってもオフセットが存在する。Z軸方向については、タッチプローブ本体およびスタイラス長さ分オフセットしており、接触時の信号遅れなどによるオフセットが存在する。したがって、これらオフセットを補正する補正値を取得するキャリブレーションが必要となる。
このタッチプローブの径方向補正値のキャリブレーション方法としては、特許文献2,3に示されているような公知技術がある。
特許文献2の方法では、ダイヤルゲージを使って、基準となるリングゲージの中心と主軸中心とが一致するように主軸中心位置を調整し、リングゲージの内径に接触させた時のスキップ値とリングゲージの内径値からタッチプローブの径補正値を求めている。
特許文献3の方法では、基準となるボア内径の一方向に接触させ、その逆方向に接触する際に主軸を180°回転させて行い、両スキップ値の平均値からボア中心位置を求め、その後、各方向の補正値を求めている。
一方、長補正値のキャリブレーション方法としては、基準工具を用いた方法(以下「方法1」という。)が知られている。ここでは主軸に基準工具を装着し、テーブル上面などの基準面に対して、ブロックゲージを介して基準工具が接触するようにZ軸を手動操作しながら、ブロックゲージを手で動かした際の抵抗から、ブロックゲージと基準工具との隙間がほぼ0になる位置を見つけ、その位置を記録する。次に、タッチプローブにて基準面を計測、すなわち、タッチプローブが接触した際のZ軸位置を取得する。タッチプローブで取得したZ軸位置から、記録した基準工具でのZ軸位置とブロックゲージの厚みを引いた値から、タッチプローブの接触時の長さ、すわなちタッチプローブの長補正値を求めるものである。
また、特許文献4には、CCDカメラを用いたタッチプローブの接触時長さの測定方法が記載されている。ここでは押さえ台の上面にタッチプローブを接触させて信号を出力する際の主軸の位置を取得し、接触時のタッチプローブ先端をCCDカメラで撮影することで先端位置を計測する。次に、押さえ台を取り除いてタッチプローブが接触していない時の長さに戻してCCDカメラで先端位置を計測する。両先端位置の差から接触時の縮み量を算出する。基準工具についてもCCDカメラでその先端位置を計測し、その時の主軸の位置も取得する。得られた接触時縮み量、接触時のタッチプローブ先端位置、タッチプローブ接触時の主軸位置、基準工具の先端位置、基準工具での主軸位置の関係から、タッチプローブの接触時の長さ、すなわちタッチプローブの長補正値を求めるものである。
さらに、特許文献5には、レーザセンサと基準ブロックを用いたワーク位置の補正方法について記載されている。レーザセンサは、レーザ光が工具先端によって遮られて受光率が一定以下になった場合に信号を発し、工作機械の制御装置が信号を受信した時点の送り軸の位置を計測値とするものである。この方法では、レーザセンサ近傍に基準ブロックを用意し、レーザ光の位置と基準ブロックの上面の位置(高さ)を一致させておく。また、レーザセンサにて基準工具装着時の位置を記憶しておく。次に、基準ブロックに対してタッチプローブを接触させて位置を記憶する。そして、ワークに対してもタッチプローブを接触させて位置を記憶し、両位置の差と基準工具の位置から、基準工具に対するワーク位置を計測して補正する。この方法では、タッチプローブの長補正値を求めずにワーク位置計測を行うようになっている。
特開2011−38902号公報 特開平4−63664号公報 特開昭58−82649号公報 特開2012−61570号公報 特開2001−105279号公報
タッチプローブのキャリブレーションは、幾何誤差の同定のための計測を行う前に行っておく必要がある。しかも、主軸の発熱などによる熱変位や経時変化などによりタッチプローブの状態が変化し、必要な補正値が変化する。このため、計測の直前に行うことが望ましい。
しかし、特許文献2,3の方法では、ダイヤルゲージのような別の測定器や、リングゲージやボアのあるワークなどの基準を、別途準備する必要があるという課題がある。
さらに、特許文献2,3や方法1では、手作業が必要であるため、作業が面倒になり、一度キャリブレーションを行うとその後は実施されない場合が多くなる。この場合、熱変形などによるタッチプローブの状態変化がある場合にタッチプローブの計測精度が悪化することになり、高い精度で機械の幾何誤差を同定できなくなるという課題がある。
特許文献4の方法では、高価なCCDカメラによる計測装置が必要となるという課題がある。また、押さえ台を移動する必要があるため、手作業で行う場合は作業頻度が低くなる課題があり、自動で除去するためには、押さえ台を駆動する機構やアクチュエータが必要になり、コストが高くなるという課題がある。
特許文献5の方法は、タッチプローブの長補正値を用いずにワークの位置計測を行っている。しかし、レーザセンサのレーザ光位置と基準ブロック位置を一致させる、もしくは両位置関係を既知にする必要があり、レーザセンサで計測される基準工具の長さと、基準ブロックを接触させる際のタッチプローブの長さとの関係、すなわちタッチプローブの長補正値を既知にする必要があることと同義である。しかし、両位置関係を既知にする方法については記載がない。
そこで、本発明は、並進軸3軸と回転軸が少なくとも1軸ある工作機械の幾何誤差を、タッチプローブ等の位置計測センサを用いてターゲット球等の被計測治具を計測して当該被計測治具の位置から同定するにあたり、位置計測センサの径・長補正値のキャリブレーションを同時に行うことができる誤差同定方法及び誤差同定システムを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定する方法であって、
前記工具の長さ基準となる基準工具を前記主軸に装着し、工具センサを用いて前記基準工具の先端の検知位置を取得する工具センサ位置取得段階と、
前記主軸に装着した前記基準工具を、前記工具センサ側に設けられた基準ブロックに対して直接又は間接的に接触させた際の前記並進軸の位置を取得する基準ブロック位置取得段階と、
前記工具センサ位置取得段階で取得した前記検知位置と、前記基準ブロック位置取得段階で取得した前記並進軸の位置とから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出する相対位置算出段階と、
前記基準工具を前記主軸に装着し、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得する基準工具位置取得段階と、
前記主軸に前記位置計測センサを装着して、前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測する位置計測センサ計測段階と、
前記基準工具位置取得段階で取得した前記基準工具位置と、前記位置計測センサ計測段階で計測した前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出段階で算出した前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出する長補正値算出段階と、
前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得する径補正値取得段階と、
前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより前記被計測治具の位置をそれぞれ計測する位置計測段階と、
前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて、前記位置計測段階での位置計測値を補正する位置補正段階と、
前記位置補正段階で補正した複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定段階と、を実行することを特徴とする。
ここで「工具センサ側」とは、工具センサに基準ブロックを直接設けた場合は勿論、工具センサの近傍に別体の基準ブロックを設けた場合も含む。以下の発明も同様である。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記工具センサ位置取得段階から前記相対位置算出段階までを一回実行し、前記基準工具位置取得段階から前記幾何誤差同定段階までを複数回実行することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、前記位置計測センサで計測される位置は、前記位置計測センサが計測対象物に接触したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、前記工具センサで計測される位置は、前記主軸に装着した工具が前記並進軸により移動して前記工具センサに接触若しくは通過したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、前記被計測治具は球形状であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5の構成において、前記径補正値取得段階において、前記被計測治具の初期位置を前記位置計測センサにより計測すると共に、前記位置計測センサの径方向の補正値を取得することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定するシステムであって、
前記工具の長さ基準となる基準工具と、
前記主軸に装着した前記基準工具の先端位置を検出する工具センサと、
前記工具センサ側に設置された基準ブロックと、
前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端の検知位置を取得して記憶する工具センサ位置取得手段と、
前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させて前記基準ブロックに対して直接又は間接的に接触させ、その接触の際の前記並進軸の位置を取得して記憶する基準ブロック位置取得手段と、
前記工具センサ位置取得手段で取得された前記検知位置と前記基準ブロック位置取得手段で取得された前記並進軸の位置とから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出して記憶する相対位置算出手段と、
前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得して記憶する基準工具位置取得手段と、
前記主軸に装着した前記位置計測センサで前記基準ブロックの位置を計測して記憶する計測位置取得手段と、
前記基準工具位置取得手段で取得された前記基準工具位置と、前記計測位置取得手段で取得された前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出手段で取得された前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出して記憶する長補正値算出手段と、
前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得して記憶する径補正値取得手段と、
前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより計測した前記被計測治具のそれぞれの位置計測値を、前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて補正して記憶する位置補正手段と、
前記位置補正手段で補正された複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定手段と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定する方法であって、
工具センサと、前記工具センサ側に設けられた基準ブロックとを用い、
前記工具の長さ基準となる基準工具を前記主軸に装着し、前記工具センサを用いて、前記基準工具の先端の検知位置を取得する工具センサ位置取得段階と、
前記主軸に装着した前記基準工具を用いて任意の工具計測位置を取得する基準工具計測位置取得段階と、
前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて任意のセンサ計測位置を取得する位置計測センサ計測位置取得段階と、
前記工具計測位置と前記センサ計測位置との差を求め、当該差と前記基準工具の長さとに基づいて前記位置計測センサの長さを求める位置計測センサ長さ算出段階と、
前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測する第1の基準ブロック位置取得段階と、
前記工具センサ位置取得段階で取得した前記検知位置と、前記第1の基準ブロック位置取得段階で取得した前記基準ブロックの位置と、前記位置計測センサ長さ算出段階で算出した前記位置計測センサの長さと、前記基準工具の長さとから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出する相対位置算出段階と、
前記基準工具を前記主軸に装着し、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得する基準工具位置取得段階と、
前記主軸に前記位置計測センサを装着して、前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測する第2の基準ブロック位置取得段階と、
前記基準工具位置取得段階で取得した前記基準工具位置と、前記第2の基準ブロック位置取得段階で計測した前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出段階で算出した前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出する長補正値算出段階と、
前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得する径補正値取得段階と、
前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより前記被計測治具の位置をそれぞれ計測する位置計測段階と、
前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて、前記位置計測段階での位置計測値を補正する位置補正段階と、
前記位置補正段階で補正した複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定段階と、を実行することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8の構成において、前記工具センサ位置取得段階から前記相対位置算出段階までを一回実行し、前記基準工具位置取得段階から前記幾何誤差同定段階までを複数回実行することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9の構成において、前記位置計測センサで計測される位置は、前記位置計測センサが計測対象物に接触したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8乃至10の何れかの構成において、前記工具センサで計測される位置は、前記主軸に装着した工具が前記並進軸により移動して前記工具センサに接触若しくは通過したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項8乃至11の何れかの構成において、前記被計測治具は球形状であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12の構成において、前記径補正値取得段階において、前記被計測治具の初期位置を前記位置計測センサにより計測すると共に、前記位置計測センサの径方向の補正値を取得することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項14に記載の発明は、3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定するシステムであって、
前記工具の長さ基準となる基準工具と、
前記主軸に装着した前記基準工具の先端位置を検出する工具センサと、
前記工具センサ側に設置された基準ブロックと、
前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端の検知位置を取得して記憶する工具センサ位置取得手段と、
前記主軸に装着した前記基準工具を用いて任意の工具計測位置を取得して記憶する基準工具計測位置取得手段と、
前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて任意のセンサ計測位置を取得して記憶する位置計測センサ計測位置取得手段と、
前記工具計測位置と前記センサ計測位置との差を求め、当該差と前記基準工具の長さとに基づいて前記位置計測センサの長さを算出して記憶する位置計測センサ長さ算出手段と、
前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測して記憶する第1の基準ブロック位置取得手段と、
前記工具センサ位置取得手段で取得した前記検知位置と、前記第1の基準プロック位置取得手段で取得した前記基準ブロックの位置と、前記位置計測センサ長さ算出手段で算出した前記位置計測センサの長さと、前記基準工具の長さとから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出して記憶する相対位置算出手段と、
前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得して記憶する基準工具位置取得手段と、
前記主軸に装着した前記位置計測センサで前記基準ブロックの位置を計測して記憶する第2の基準ブロック位置取得手段と、
前記基準工具位置取得手段で取得された前記基準工具位置と、前記第2の基準ブロック位置取得手段で計測された前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出手段で算出された前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出して記憶する長補正値算出手段と、
前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得して記憶する径補正値取得手段と、
前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより計測した前記被計測治具のそれぞれの位置計測値を、前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて補正して記憶する位置補正手段と、
前記位置補正手段で補正された複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、幾何誤差同定のための各一連の計測時に、位置計測センサの長・径補正値のキャリブレーションを行うことが可能となる。また、手作業が事前準備作業以外は不要であり、別途治具の準備などを行う必要がないことから、機械のオペレータの負担を減らすことができ、幾何誤差同定時に確実に位置計測センサのキャリブレーションが行われることになる。これにより、熱変位等で位置計測センサの状態が変化しても、位置計測センサによる計測精度が低下せず、高精度に工作機械の幾何誤差を同定できる。
また、CCDカメラによる測定システム等が不要であり、比較的安価に実現できる。
マシニングセンタの模式図である。 レーザセンサの一例を示す模式図である。 レーザセンサの変更例を示す模式図である。 マシニングセンタに取り付けられた本発明のレーザセンサの模式図である。 タッチセンサの一例を示す模式図である。 タッチセンサの変更例を示す模式図である。 計測準備作業のフローチャートである。 計測準備作業のステップSR1の説明図である。 計測準備作業のステップSR2の説明図である。 本発明の誤差同定方法のステップS1−2の説明図である。 本発明の誤差同定方法のフローチャートである。 タッチプローブとターゲット球の模式図である。 本発明の誤差同定方法のS1のフローチャートである。 本発明の誤差同定方法のS2のフローチャートである。 本発明のターゲット球の初期位置計測における計測値と球中心との関係の模式図である。 本発明のターゲット球の初期位置計測における計測値とタッチプローブ径補正値との関係の模式図である。 変更例の計測準備作業のフローチャートである。 変更例の計測準備作業のステップSQ2の説明図である。 変更例の計測準備作業のステップSQ3の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作機械の一形態であり、3つの互いに直交する並進軸と2つの互いに直交する回転軸を有するマシニングセンタの模式図である。
主軸2は、並進軸であり互いに直交するX軸、Z軸によってベッド1に対して並進2自由度の運動が可能である。テーブル3は、回転軸であるC軸によってクレードル4に対して回転1自由度の運動が可能である。クレードル4は、回転軸でありC軸に対して直交するA軸によってトラニオン5に対して回転1自由度の運動が可能である。トラニオン5は、並進軸でありX軸およびZ軸に直交するY軸によりベッド1に対して並進1自由度の運動が可能である。したがって、主軸2は、テーブル3に対して並進3自由度および回転2自由度の運動が可能である。各送り軸は図に示していない数値制御装置により制御されるサーボモータにより駆動され、工作物をテーブル3に固定し、主軸2に工具を装着して回転させ、工作物と工具の相対位置および相対姿勢を制御することで、工作物の加工を行うことができる。
なお、本発明に関わる機械としては、マシニングセンタに限らず、旋盤や複合加工機、研削盤などの工作機械でもよい。また、軸数は5軸に限らず、4軸、6軸でもよい。さらにまた、回転軸によりテーブル3が回転2自由度以上を持つ機構に限らず、主軸2が回転2自由度以上を持つ機構や、主軸2とテーブル3がそれぞれ回転1自由度以上を持つ機構でもよい。
図2は、本発明の工具センサの一例であるレーザセンサ40の模式図である。レーザセンサ40は、発光部11、受光部12、ベース部13を備えるが、ここでは発光部11と受光部12との間に基準ブロック42が設けられる。発光部11、受光部12、基準ブロック42はそれぞれベース部13に固定されている。但し、図3に示すように、基準ブロック42をレーザセンサ40の近傍に別置した構成でもよい。
このレーザセンサ40は、図4に示すように、センサ取り付け台41を介して図1のマシニングセンタのトラニオン5に取り付けられる。
レーザセンサ40では、レーザ光14を発光部11より出力し、受光部12にて受光し、レーザ光14が物体によって遮られ受光率が一定以下になった場合に信号を発する。この信号を図示しない制御装置が受信して、信号を受けた時点もしくは遅れを考慮した時点での送り軸の位置を計測値とする。例えば、工具を主軸2に装着して、Z軸により工具をレーザ光に接近させ、工具がレーザ光を遮断した時点のZ軸位置Ztを取得する。同様に、基準工具に対してもZ軸位置Zbを取得する。ZtとZbとの差から、基準工具に対する該工具の長さを求めることができる。基準工具の長さTdも差し引くことで、工具の絶対長さを求めることもできる。
図5は、本発明の工具センサの一例であるタッチセンサ50の模式図である。タッチセンサ50は、ベース部51、タッチセンサ部52、基準ブロック53から構成され、タッチセンサ部52、基準ブロック53はベース部51上に固定されている。また、タッチセンサ50は、レーザセンサ40と同様に図1のマシニングセンタのトラニオン5に取り付けられる。なお、図6に示すように、基準ブロック53をタッチセンサ50の近傍に別置した構成でもよい。
以後、工具センサとして、レーザセンサ40を用いた場合の誤差同定方法及び誤差同定システムについて説明する(請求項1乃至7に対応)。但し、タッチセンサ50を用いた場合も検知方法が異なるだけで本質的には同じである。
まず、計測準備作業の手順について、図7のフローチャートにもとづいて説明する。計測準備作業は、後述の位置計測センサとしてのタッチプローブによるターゲット球(被計測治具)の計測及び幾何誤差同定の前に事前に行っておく作業である。但し、レーザセンサが劣化した場合や故障して交換した場合等、低い頻度で行えばよい。
ステップSR1において、図8に示すように、主軸2に基準工具8を装着し、レーザセンサ40にて計測を行う。ここでは基準工具8がレーザ光14に接近するようZ軸を移動させ、基準工具8の先端がレーザ光14を遮断して受光率が閾値以下になった時点もしくは信号遅れを考慮した時点でのZ軸位置を取得する。取得したZ軸位置Zlは図示しない制御装置内の記憶部に記憶される(工具センサ位置取得段階及び工具センサ位置取得手段、ここでは制御装置が本発明の各段階を実行する各手段として機能する)。また、基準工具8の長さTdも記憶部にあらかじめ記憶させておく。ここで、ZlとTdとから、基準工具先端位置Zl’(=Zl−Td)を算出して記憶させてもよい。
次に、ステップSR2において、基準工具8での基準ブロック42の位置の取得を行う。ここでは図9に示すように、主軸2に基準工具8を装着した状態で、ブロックゲージ43を介して基準ブロック42に接触させ、その時のZ軸位置Zbを取得し、ブロックゲージ43の厚みHbを差し引いた値Zb’(=Zb−Hb)を、図示しない制御装置内の記憶部に記憶させる(基準ブロック位置取得段階及び基準ブロック位置取得手段)。ここで、Tdも用いて基準ブロック上面位置Zb”(=Zb−Hb−Td)を算出して記憶させてもよい。なお、ブロックゲージ43としては、厚み寸法が既知のブロックなどでもよい。
次に、ステップSR3において、ステップSR1で記憶したZ軸位置ZlとステップSR2で記憶したZ軸位置Zb’から、レーザセンサ40の検知位置に対する基準ブロック42の相対位置dZb(=Zl−Zb’)を算出し、制御装置内の記憶部に記憶する(相対位置算出段階及び相対位置算出手段)。ここで、ブロックゲージ厚みHbも記憶部に記憶させておき、dZbを、ZlとZbとHbから算出しても良い(dZb=Zl−Zb−Hb)。但し、上記Zl’とZb”とを記憶させた場合には、dZb=Zl’−Zb”で計算できる。
次に、本発明における幾何誤差同定の流れについて、図11のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1において、タッチプローブ30の長補正値のキャリブレーションを行う。詳細については後述する。
次に、ステップS2において、図12に示すようにテーブル3上に固定したターゲット球32の初期位置を計測するとともに、ターゲット球32を用いてタッチプローブ30の径補正値キャリブレーションを行う(径補正値取得段階及び径補正値取得手段)。詳細については後述する。
次に、ステップS3において、ステップS2にて計測したターゲット球初期位置とタッチプローブ30の長さ(長補正値)とを用いて、あらかじめ設定しておいた計測条件(各回転軸の割出角など)で回転軸が回転・傾斜されることにより予想される移動後の各ターゲット球中心位置とタッチプローブ先端位置を算出する(位置計測段階及び位置補正手段)。さらに、各割出角において算出した3次元位置座標値をそれぞれX,Y,Z軸の指令値とし、前記各割出角を回転軸の指令値とする指令値リストを作成する。
次に、ステップS4において、ステップS3にて作成した指令値リストの各送り軸指令値に基づいて、ターゲット球32の表面4点以上にタッチプローブ30を接触させ、ステップS1で取得した長補正値とステップS2で取得した径補正値とを用いて補正して、ターゲット球32の中心位置と直径を求める(位置補正段階及び位置補正手段)。ここで、あらかじめ3次元測定機などで計測したターゲット球32の直径校正値を用いることで、3点接触による計測でターゲット球32の中心位置を求めることもできる。
そして、ステップS5では、取得したターゲット球32の中心位置座標値や各位置での指令値をもとに、機械の幾何誤差の同定計算を行う(幾何誤差同定段階及び幾何誤差同定手段)。詳細については後述する。
ここで、ステップS1の長補正値キャリブレーションについて、図13のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1−1において、図8で説明したステップSR1と同様に、主軸2に基準工具8を装着してレーザセンサ40にて計測を行い、Z軸位置Zdを図示しない制御装置内の記憶部に記憶させる(基準工具位置取得段階及び基準工具位置取得手段)。なお、Tdを用いて、Zd’=Zd−Tdを記憶させてもよい。
次に、ステップS1−2において、図10に示すように主軸2にタッチプローブ30を装着し、基準ブロック42をタッチプローブ30にて計測する。ここではタッチプローブ30が基準ブロック42に接近するようZ軸を移動させ、タッチプローブ30の先端のスタイラスが接触してトリガー信号を発信した時点もしくは信号遅れを考慮した時点でのZ軸位置Zpを取得する。取得したZ軸位置Zpを図示しない制御装置内の記憶部に記憶させる(位置計測センサ計測段階及び計測位置取得手段)。
次に、ステップS1−3において、タッチプローブ30の長方向補正値である接触時のタッチプローブ30の長さを算出する。すなわち、ステップS1−1にて記憶させたZdと、ステップS1−2にて記憶させたZpと、制御装置内の記憶部に記憶されている基準ブロック42の相対位置dZbと、基準工具長Tdとから、長方向補正値(接触時長さ)Tp(=Zp−Zd+dZb+Td)を求めて、記憶部に記憶させる(長補正値算出段階及び長補正値算出手段)。ここで、Zd’,Zp,dZbからTp(=Zp−Zd’−dZb)を求めてもよい。
次に、ステップS2の詳細について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS2を実施する前に、図12に示すように、5軸制御マシニングセンタの主軸2に、先端にスタイラス球を有するタッチプローブ30を装着させ、テーブル3の上にターゲット球32を設置・固定しておく。
そして、ステップS2−1において、Z−方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球のZ+方向頂点近傍に接触させ、接触時のZ軸座標値zm1を記憶する。
次に、ステップS2−2において、あらかじめ三次元測定機などで計測しておいたターゲット球32の直径d0、予め取得しておいたタッチプローブ軸方向補正値t1を用いて、仮のZ中心位置ztを、以下の数1から求める。
[数1]
zt=zm1−d0/2−t1
次に、ステップS2−3において、主軸2を0°に割り出し、ターゲット球32のX+側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、X−方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のX+側頂点近傍に接触させ、接触時のX軸座標値xm1を記憶する。
次に、ステップS2−4において、ステップS2−3で接触したスタイラス球の点と同じ点でタッチプローブ30がターゲット球32に接触するように、主軸2を180°に割り出し、ターゲット球32のX−側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、X+方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のX−側頂点近傍に接触させ、接触時のX軸座標値xp1を記憶する。
次に、ステップS2−5において、記憶しておいたxm1とxp1とを用いて、以下の数2よりX中心位置xoを求める。
ここで、ステップS2−3とステップS2−4において、図15に示すように、タッチプローブ30のスタイラス球の同一の点でタッチプローブ30がターゲット球32に接触しているため、タッチプローブ30の接触方向の違いによる特性の違いや、タッチプローブ30や主軸2の振れの影響を受けず、正確にxoを求めることができる。
[数2]
xo=(xp1+xm1)/2
次に、ステップS2−6において、上述と同様に、主軸2を270°に割り出し、ターゲット球32のY+側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、Y−方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のY+側頂点近傍に接触させ、接触時のY軸座標値ym1を記憶する。
次に、ステップS2−7において、上述と同様に、主軸2を90°に割り出し、ターゲット球32のY−側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、Y+方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のY−側頂点近傍に接触させ、接触時のY軸座標値yp1を記憶する。
ステップS2−8において、記憶しておいたym1とyp1とを用いて、以下の数3よりY中心位置yoを求める。
[数3]
yo=(yp1+ym1)/2
次に、ステップS2−9において、ステップS2−3と同様に、主軸2を0°に割り出してターゲット球32のX+側頂点を計測し、X軸座標値xm1を更新する。
次に、ステップS2−10において、ステップS2−4と同様に、主軸2を180°に割り出してターゲット球32のX−側頂点を計測し、X軸座標値xp1を更新する。
次に、ステップS2−11において、更新したxm1とxp1とを用いて数2よりX中心位置xoを再計算する。
次に、ステップS2−12において、主軸2を0°(通常の計測時に割り出す角度)に割り出す。
次に、ステップS2−13において、タッチプローブ30をX座標xo、Y座標yo、Z軸方向ではターゲット球32の頂点真上に位置決めさせ、Z−方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のZ+プラス方向頂点近傍に接触させ、接触時のZ軸座標値zm2を記憶する。
ステップS2−14において、以下の数4からZ中心位置zoを求める。
[数4]
zo=zm2−d0/2−t1
次に、ステップS2−15において、ターゲット球32のX+側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、X−方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のX+側頂点近傍に接触させ、接触時のX軸座標値xm2を記憶する。
次に、ステップS2−16において、ターゲット球32のX−側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、X+方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のX−側頂点近傍に接触させ、接触時のX軸座標値xp2を記憶する。
次に、ステップS2−17において、ターゲット球32のY+側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、Y−方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のY+側頂点近傍に接触させ、接触時のY軸座標値ym2を記憶する。
次に、ステップS2−18において、ターゲット球32のY−側頂点近傍にタッチプローブ30を移動させた後、Y+方向にタッチプローブ30を移動させてターゲット球32のY−側頂点近傍に接触させ、接触時のY軸座標値yp2を記憶する。
次に、ステップS2−19において、X+、X−、Y+、Y−方向接触用タッチプローブ径補正値tc1、tc2、tc3、tc4を、以下の数5を用いて求める。ここで、位置(xo、yo)に位置決めした際の主軸中心とターゲット球中心が一致しているため、図16に示すように、そこからの移動距離とターゲット球直径から各補正値を求めることができる。
[数5]
tc1=xo−xp2−d0/2
tc2=xo−xm2+d0/2
tc3=yo−yp2−d0/2
tc4=yo−ym2+d0/2
以上から、ステップS2において、タッチプローブ径補正値tc1、tc2、tc3、tc4の取得とともにターゲット球32の中心位置(xo、yo、zo)を計測する。
なお、ターゲット球32の中心に向けて球表面上の任意の点を接触するときの各軸の計測値を(xs、ys、zs)とすると、以下の数6を用いることで、任意の点でのタッチプローブ補正値(tax、tay、taz)を求めることもできる。
[数6]
tax=xo−xs−d0/2
tay=yo−ys+d0/2
taz=zo−zs+d0/2
次に、ステップS5の詳細について説明する。
1つの計測条件において、回転軸の一方を固定し、もう一方を複数の角度に割り出して、ターゲット球中心位置を計測する。この計測条件での指令値に対する球中心位置の計測値の差分ベクトルは、割出軸の半径方向、軸方向、接線方向成分に分配できる。これら各成分は、0次成分(半径誤差)、1次成分(中心偏差)、2次成分(楕円形状)のフーリエ級数、すなわち誤差を持つ円弧として、最小二乗法などにより近似できる。
計測条件iにおけるj番目の回転軸のk番目の割出角θijkにおける計測値の半径方向成分dRr、軸方向成分dRa、半径方向成分dRtは、以下の数7として表すことができる。
[数7]
dRr=ra0+ra1*cos(θijk)+rb1*cos(θijk)+ra2 cos(2θijk)
+rb2 sin(2θijk)
dRa=aa0+aa1*cos(θijk)+ab1*cos(θijk)+aa2 cos(2θijk)
+ab2 sin(2θijk)
dRt=ta0+ta1*cos(θijk)+tb1*cos(θijk)+ta2 cos(2θijk)
+tb2 sin(2θijk)
図1の5軸制御マシニングセンタに存在する幾何誤差として、X−Y軸間直角度をdCyx、Y−Z軸間直角度をdAxz、Z−X軸間直角度をdBxz、C軸中心位置X方向誤差をdXca、C−A軸間オフセット誤差をdYca、A軸角度オフセット誤差をdAca、C−A軸間直角度をdBca、A軸中心位置Y方向誤差をdYay、A軸中心位置Z方向誤差をdZay、A−Z軸間直角度をdBay、A−Y軸間直角度をdCayとする。
また、計測条件1をA軸0°でC軸を0°〜360°、計測条件2をC軸−90°でA軸を−90°〜+90°、計測条件3をA軸−90°でC軸を0°〜180°とすると、数7の各係数と各幾何誤差との関係は、以下の数8となる。ここで、R、R、Rはそれぞれ、計測条件1,2,3における指令上の全球中心位置が載る平面における回転中心から球中心位置までの距離であり、すなわち、円弧軌跡の半径である。数8を変形することで、各幾何誤差を求めることができる。
[数8]
ra1=−dXca−(dBca+dBay+dBxz)*H
rb1= dYca+dYay−(dAca+dAxz)*H
rb2= dCyx*R/2
aa1= dBca+dBay
ab1= dAca
ra1=−dYay
rb1= dZay
rb2=−dAxz*R/2
aa1= dCay
ab1=−(dBay+dBxz)
rb2= dBxz*R/2
このように、上記形態の誤差同定方法及び誤差同定システムによれば、幾何誤差同定のための各一連の計測時に、タッチプローブ30の長・径補正値のキャリブレーションを行うことが可能となる。また、手作業が事前準備作業以外は不要であり、別途治具の準備などを行う必要がないことから、機械のオペレータの負担を減らすことができ、幾何誤差同定時に確実にタッチプローブ30のキャリブレーションが行われることになる。これにより、熱変位等でタッチプローブ30の状態が変化しても、タッチプローブ30による計測精度が低下せず、高精度に幾何誤差を同定できる。
また、CCDカメラによる測定システム等が不要であり、比較的安価に実現できる。
なお、上記形態では基準ブロック位置を取得する際にブロックゲージを用いて基準工具を間接的に基準ブロックに接触させているが、ブロックゲージをなくして基準工具を直接基準ブロックに接触させてもよい。
また、上記形態では工具センサ位置取得段階から幾何誤差同定段階までを一回実行しているが、工具センサ位置取得段階から相対位置算出段階までを一回実行し、基準工具位置取得段階から幾何誤差同定段階までを複数回実行するようにしてもよい。
次に、請求項8乃至14に対応した誤差同定方法及び誤差同定システムについて説明する。但し、計測準備作業以外は先の形態と同じであるため、計測準備作業について、図17のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップSQ1は、図7のステップSR1と同じである。すなわち、図8に示すように、主軸2に基準工具8を装着し、レーザセンサ40にて計測を行う。ここでは基準工具8がレーザ光14に接近するようZ軸を移動させ、基準工具8の先端がレーザ光14を遮断して受光率が閾値以下になった時点もしくは信号遅れを考慮した時点でのZ軸位置を取得する。取得したZ軸位置Zlは図示しない制御装置内の記憶部に記憶される(工具センサ位置取得段階及び工具センサ位置取得手段)。また、基準工具8の長さTdも記憶部にあらかじめ記憶させておく。
次に、ステップSQ2では、基準工具8でのテーブルや治具上面などの任意の基準面の位置の取得を行う(基準工具計測位置取得段階及び基準工具計測位置取得手段)。例えば図18に示すように、主軸2に基準工具8を装着した状態で、ブロックゲージ43を介して、テーブル3の上面に接触させ、その時のZ軸位置Zaを取得し、ブロックゲージ43の厚みHbを差し引いた値Za’(=Za−Hb)を、図示しない制御装置内の記憶部に記憶させる。なお、ブロックゲージでなく、厚み寸法が既知のブロックなどでもよい。
次に、ステップSQ3では、主軸2にタッチプローブ30を装着し、ステップSQ2と同じ任意の基準面の位置をタッチプローブ30にて計測する(位置計測センサ計測位置取得段階及び位置計測センサ計測位置取得手段)。例えば図19に示すように、タッチプローブ30がテーブル3の上面に接近するようZ軸を移動させ、タッチプローブ30のスタイラスが接触してトリガー信号を発信した時点もしくは信号遅れを考慮した時点でのZ軸位置Zqを取得する。取得したZ軸位置Zqを図示しない制御装置内の記憶部に記憶させる。
次に、ステップSQ4において、接触時のタッチプローブの長さを算出する。ステップSQ2にて記憶したZaと、ステップSQ3にて記憶したZqと、基準工具長Tdとから、タッチプローブ接触時長さTp(=Zq−Za+Td)を求めて、記憶部に記憶させる(位置計測センサ長さ算出段階及び位置計測センサ長さ算出手段)。
次に、ステップSQ5において、基準ブロック42をタッチプローブ30にて計測する(第1の基準ブロック位置取得段階及び第1の基準ブロック位置取得手段)。すなわち、図10に示すように、タッチプローブ30が基準ブロック42に接近するようZ軸を移動させ、タッチプローブ30のスタイラスが接触してトリガー信号を発信した時点もしくは信号遅れを考慮した時点でのZ軸位置Zpを取得する。取得したZ軸位置Zpを図示しない制御装置内の記憶部に記憶させる。
次に、ステップSQ6において、ステップSQ1で記憶したZ軸位置Zlと、ステップSQ4で算出したタッチプローブ30の接触時長さTpと、ステップSQ5で記憶したZ軸位置Zpと、基準工具長Tdとから、レーザセンサ40に対する基準ブロック42の相対位置dZb(=Zl−Td−Zp+Tp)を算出し、制御装置内の記憶部に記憶する。(相対位置算出段階及び相対位置算出手段)。
これ以降の幾何誤差同定の流れは、図11から図16で説明した先の形態と同じであるが、図13のステップS1−2は、請求項8及び請求項14に対応した第2の基準ブロック位置取得段階及び第2の基準ブロック位置取得手段となる。
また、この変更例においても、ステップSQ1の工具センサ位置取得段階からステップSQ6の相対位置算出段階までを一回実行し、その後の基準工具位置取得段階から幾何誤差同定段階までを複数回実行するようにしてもよい。
1・・ベッド、2・・主軸、3・・テーブル、4・・クレードル、5・・トラニオン、8・・基準工具、9・・工具、11・・発光部、12・・受光部、13・・ベース部、14・・レーザ光、30・・タッチプローブ、32・・ターゲット球、40・・レーザセンサ、41・・センサ取り付け台、42・・基準ブロック、43・・ブロックゲージ、50・・タッチセンサ、51・・ベース部、52・・タッチセンサ部、53・・基準ブロック。

Claims (14)

  1. 3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定する方法であって、
    前記工具の長さ基準となる基準工具を前記主軸に装着し、工具センサを用いて前記基準工具の先端の検知位置を取得する工具センサ位置取得段階と、
    前記主軸に装着した前記基準工具を、前記工具センサ側に設けられた基準ブロックに対して直接又は間接的に接触させた際の前記並進軸の位置を取得する基準ブロック位置取得段階と、
    前記工具センサ位置取得段階で取得した前記検知位置と、前記基準ブロック位置取得段階で取得した前記並進軸の位置とから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出する相対位置算出段階と、
    前記基準工具を前記主軸に装着し、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得する基準工具位置取得段階と、
    前記主軸に前記位置計測センサを装着して、前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測する位置計測センサ計測段階と、
    前記基準工具位置取得段階で取得した前記基準工具位置と、前記位置計測センサ計測段階で計測した前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出段階で算出した前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出する長補正値算出段階と、
    前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得する径補正値取得段階と、
    前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより前記被計測治具の位置をそれぞれ計測する位置計測段階と、
    前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて、前記位置計測段階での位置計測値を補正する位置補正段階と、
    前記位置補正段階で補正した複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定段階と、
    を実行することを特徴とする工作機械の誤差同定方法。
  2. 前記工具センサ位置取得段階から前記相対位置算出段階までを一回実行し、
    前記基準工具位置取得段階から前記幾何誤差同定段階までを複数回実行することを特徴とする請求項1に記載の工作機械の誤差同定方法。
  3. 前記位置計測センサで計測される位置は、前記位置計測センサが計測対象物に接触したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の誤差同定方法。
  4. 前記工具センサで計測される位置は、前記主軸に装着した工具が前記並進軸により移動して前記工具センサに接触若しくは通過したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の工作機械の誤差同定方法。
  5. 前記被計測治具は球形状であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の工作機械の誤差同定方法。
  6. 前記径補正値取得段階において、前記被計測治具の初期位置を前記位置計測センサにより計測すると共に、前記位置計測センサの径方向の補正値を取得することを特徴とする請求項5に記載の工作機械の誤差同定方法。
  7. 3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定するシステムであって、
    前記工具の長さ基準となる基準工具と、
    前記主軸に装着した前記基準工具の先端位置を検出する工具センサと、
    前記工具センサ側に設置された基準ブロックと、
    前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端の検知位置を取得して記憶する工具センサ位置取得手段と、
    前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させて前記基準ブロックに対して直接又は間接的に接触させ、その接触の際の前記並進軸の位置を取得して記憶する基準ブロック位置取得手段と、
    前記工具センサ位置取得手段で取得された前記検知位置と前記基準ブロック位置取得手段で取得された前記並進軸の位置とから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出して記憶する相対位置算出手段と、
    前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得して記憶する基準工具位置取得手段と、
    前記主軸に装着した前記位置計測センサで前記基準ブロックの位置を計測して記憶する計測位置取得手段と、
    前記基準工具位置取得手段で取得された前記基準工具位置と、前記計測位置取得手段で取得された前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出手段で取得された前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出して記憶する長補正値算出手段と、
    前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得して記憶する径補正値取得手段と、
    前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより計測した前記被計測治具のそれぞれの位置計測値を、前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて補正して記憶する位置補正手段と、
    前記位置補正手段で補正された複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定手段と、
    を有することを特徴とする工作機械の誤差同定システム。
  8. 3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定する方法であって、
    工具センサと、前記工具センサ側に設けられた基準ブロックとを用い、
    前記工具の長さ基準となる基準工具を前記主軸に装着し、前記工具センサを用いて、前記基準工具の先端の検知位置を取得する工具センサ位置取得段階と、
    前記主軸に装着した前記基準工具を用いて任意の工具計測位置を取得する基準工具計測位置取得段階と、
    前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて任意のセンサ計測位置を取得する位置計測センサ計測位置取得段階と、
    前記工具計測位置と前記センサ計測位置との差を求め、当該差と前記基準工具の長さとに基づいて前記位置計測センサの長さを求める位置計測センサ長さ算出段階と、
    前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測する第1の基準ブロック位置取得段階と、
    前記工具センサ位置取得段階で取得した前記検知位置と、前記第1の基準ブロック位置取得段階で取得した前記基準ブロックの位置と、前記位置計測センサ長さ算出段階で算出した前記位置計測センサの長さと、前記基準工具の長さとから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出する相対位置算出段階と、
    前記基準工具を前記主軸に装着し、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得する基準工具位置取得段階と、
    前記主軸に前記位置計測センサを装着して、前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測する第2の基準ブロック位置取得段階と、
    前記基準工具位置取得段階で取得した前記基準工具位置と、前記第2の基準ブロック位置取得段階で計測した前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出段階で算出した前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出する長補正値算出段階と、
    前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得する径補正値取得段階と、
    前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより前記被計測治具の位置をそれぞれ計測する位置計測段階と、
    前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて、前記位置計測段階での位置計測値を補正する位置補正段階と、
    前記位置補正段階で補正した複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定段階と、
    を実行することを特徴とする工作機械の誤差同定方法。
  9. 前記工具センサ位置取得段階から前記相対位置算出段階までを一回実行し、
    前記基準工具位置取得段階から前記幾何誤差同定段階までを複数回実行することを特徴とする請求項8に記載の工作機械の誤差同定方法。
  10. 前記位置計測センサで計測される位置は、前記位置計測センサが計測対象物に接触したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする請求項8又は9に記載の工作機械の誤差同定方法。
  11. 前記工具センサで計測される位置は、前記主軸に装着した工具が前記並進軸により移動して前記工具センサに接触若しくは通過したことを検知した際の前記並進軸の位置であることを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の工作機械の誤差同定方法。
  12. 前記被計測治具は球形状であることを特徴とする請求項8乃至11の何れかに記載の工作機械の誤差同定方法。
  13. 前記径補正値取得段階において、前記被計測治具の初期位置を前記位置計測センサにより計測すると共に、前記位置計測センサの径方向の補正値を取得することを特徴とする請求項12に記載の工作機械の誤差同定方法。
  14. 3軸以上の並進軸と、1軸以上の回転軸と、工具を装着して回転可能な主軸と、テーブルと、前記並進軸及び前記回転軸、前記主軸をそれぞれ制御する制御装置とを有する工作機械において、前記主軸に装着した位置計測センサにより、前記テーブル上に固定された被計測治具の三次元空間上の位置を計測し、その位置計測値から前記工作機械の幾何誤差を同定するシステムであって、
    前記工具の長さ基準となる基準工具と、
    前記主軸に装着した前記基準工具の先端位置を検出する工具センサと、
    前記工具センサ側に設置された基準ブロックと、
    前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端の検知位置を取得して記憶する工具センサ位置取得手段と、
    前記主軸に装着した前記基準工具を用いて任意の工具計測位置を取得して記憶する基準工具計測位置取得手段と、
    前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて任意のセンサ計測位置を取得して記憶する位置計測センサ計測位置取得手段と、
    前記工具計測位置と前記センサ計測位置との差を求め、当該差と前記基準工具の長さとに基づいて前記位置計測センサの長さを算出して記憶する位置計測センサ長さ算出手段と、
    前記主軸に装着した前記位置計測センサを用いて前記基準ブロックの位置を計測して記憶する第1の基準ブロック位置取得手段と、
    前記工具センサ位置取得手段で取得した前記検知位置と、前記第1の基準プロック位置取得手段で取得した前記基準ブロックの位置と、前記位置計測センサ長さ算出手段で算出した前記位置計測センサの長さと、前記基準工具の長さとから、前記検知位置に対する前記基準ブロックの相対位置を算出して記憶する相対位置算出手段と、
    前記主軸に装着した前記基準工具を前記並進軸により移動させ、前記工具センサを用いて前記基準工具の先端位置である基準工具位置を取得して記憶する基準工具位置取得手段と、
    前記主軸に装着した前記位置計測センサで前記基準ブロックの位置を計測して記憶する第2の基準ブロック位置取得手段と、
    前記基準工具位置取得手段で取得された前記基準工具位置と、前記第2の基準ブロック位置取得手段で計測された前記基準ブロックの位置と、前記相対位置算出手段で算出された前記相対位置と、前記基準工具の長さとから、前記位置計測センサの長方向補正値を算出して記憶する長補正値算出手段と、
    前記被計測治具を用いて前記位置計測センサの径方向補正値を取得して記憶する径補正値取得手段と、
    前記回転軸を任意の複数角度に割り出して、前記位置計測センサにより計測した前記被計測治具のそれぞれの位置計測値を、前記長方向補正値と前記径方向補正値とを用いて補正して記憶する位置補正手段と、
    前記位置補正手段で補正された複数の前記位置計測値から前記幾何誤差を同定する幾何誤差同定手段と、
    を有することを特徴とする工作機械の誤差同定システム。
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