JP2017193604A - シリコーン樹脂組成物および塗装物 - Google Patents

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【課題】高硬度の塗膜が得られ、かつ、得られる塗膜にクラックが発生しにくいシリコーン樹脂組成物および塗装物を提供する。
【解決手段】粒子径の異なるシリカAおよびシリカBと、RSiO1.5単位を含むT単位シラン化合物とを含み、前記シリカAと前記シリカBとの粒子径の比(rA/rB)は、1.8以上であり、SiO2とRSiO1.5(ただし、Rは1価の炭化水素基または、1価の炭化水素基に反応基が結合した有機官能基である)との合計に対するSiO2の配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))は、モル比で0.5〜0.8である、シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン樹脂組成物および塗装物に関する。より詳細には、本発明は、高硬度の塗膜が得られ、かつ、得られる塗膜にクラックが発生しにくいシリコーン樹脂組成物および塗装物に関する。
従来、金属、ガラス、セラミックス、各種樹脂材料(たとえばレンズ)等の表面や、塗料の塗布面にさらに塗布するためのコーティング組成物が開発されている。このようなコーティング組成物としては、シリコーン樹脂組成物を含むものが知られている。一例を挙げると、特許文献1には、アルカリ金属のケイ酸塩を含む水溶液に、アルカリ水溶性シリコーンを配合した膜形成用塗布液が提案されている。特許文献2〜4には、コロイダルシリカ、アルコキシシラン化合物および硬化触媒を含むオルガノシロキサン樹脂組成物が提案されている。
特開平6−240174号公報 特開2004−26979号公報 特開2004−35605号公報 特開2004−35607号公報
特許文献1に記載の膜形成用塗布液および特許文献2〜4に記載のオルガノシロキサン樹脂組成物は、得られる塗膜の硬度が充分でない。特に、これら組成物は、膜厚の大きな塗膜(たとえば膜厚が10μmを超える塗膜)を形成した際に、充分な硬度が得られにくい。また、これら組成物は、形成される塗膜にクラックが発生しやすい。
本発明は、これら従来の課題に鑑みてなされたものであり、高硬度の塗膜が得られ、かつ、得られる塗膜にクラックが発生しにくいシリコーン樹脂組成物および塗装物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、所定の粒子径の比である複数のシリカと、T単位シラン化合物とを所定のモル比で配合することによって得られるシリコーン樹脂組成物が、高硬度であり、かつ、クラックの発生しにくい塗膜を形成し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、上記課題を解決する本発明のシリコーン樹脂組成物および塗装物には、以下の構成が主に含まれる。
(1)粒子径の異なるシリカAおよびシリカBと、RSiO1.5単位を含むT単位シラン化合物とを含み、前記シリカAと前記シリカBとの粒子径の比(rA/rB)は、1.8以上であり、SiO2とRSiO1.5(ただし、Rは1価の炭化水素基または、1価の炭化水素基に反応基が結合した有機官能基である)との合計に対するSiO2の配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))は、モル比で0.5〜0.8である、シリコーン樹脂組成物。
このような構成によれば、本発明のシリコーン樹脂組成物は、粒子径の比が1.8以上であるシリカAおよびシリカBを含む。また、シリコーン樹脂組成物は、T単位シラン化合物を含む。その結果、シリカ(SiO2)のモル比が適切に調整される。これにより、シリカAとシリカBとは、T単位シラン化合物によって適切に結合される。このようなシリコーン樹脂組成物は、配合し得るシリカ(SiO2)の量が増大する。その結果、得られる塗膜は、クラックの発生が抑制されつつ、かつ、高硬度となる。
(2)さらに、アルカリ金属塩を含む、(1)記載のシリコーン樹脂組成物。
このような構成によれば、シリコーン樹脂組成物を用いて得られる塗膜は、より高硬度となる。
(3)前記シリカBの粒子径は、10〜50nmである、(1)または(2)記載のシリコーン樹脂組成物。
このような構成によれば、シリコーン樹脂組成物を用いて得られる塗膜は、より被膜外観が良好となる。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物を含む塗膜が形成された、塗装物。
このような構成によれば、得られる塗装物は、塗膜のクラックが抑制され、かつ、高硬度である。
本発明によれば、高硬度の塗膜が得られ、かつ、得られる塗膜にクラックが発生しにくいシリコーン樹脂組成物および塗装物を提供することができる。
<シリコーン樹脂組成物>
本発明の一実施形態のシリコーン樹脂組成物は、金属、ガラス、セラミックス、各種樹脂材料(たとえばレンズ)等の基材表面や、塗料の塗布面にさらに塗布するための組成物であり、基材表面の被膜外観を向上させ、硬度を高めるための組成物である。シリコーン樹脂組成物は、粒子径の異なるシリカAおよびシリカBと、RSiO1.5単位を含むT単位シラン化合物とを含む。以下、それぞれについて説明する。
(シリカAおよびシリカB)
シリカAおよびシリカBは、いずれも二酸化ケイ素(SiO2)またはその水和物を主体とする無機化合物である。シリカAおよびシリカBは、いずれも略球形である。本実施形態において、シリカAは、シリカBよりも粒子径が大きい。具体的には、シリカAの粒子径rAとシリカBとの粒子径rBとの比(rA/rB)は、1.8以上であればよく、3.5以上であることが好ましい。比(rA/rB)が1.8未満である場合、シリコーン樹脂組成物は、充分な量のシリカAおよびシリカBを配合することができず、硬度が充分に高められない傾向がある。なお、シリカAおよびシリカBの粒子径は、JIS Z 8830に準拠したBET法により測定することができる。なお、シリカAの粒子径rAとシリカBとの粒子径rBとの比(rA/rB)の上限は特に限定されない。一例を挙げると、比(rA/rB)は、10.0以下であることが好ましい。
シリカAの粒子径は、18nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましい。また、シリカAの粒子径は、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。シリカAの粒子径が18nm未満である場合、粒子径の差による充填効果が得られず硬度が低下する傾向がある。一方、シリカAの粒子径が500nmを超える場合、平滑性や光沢感が劣る膜となる傾向がある。
シリカBの粒子径は、10nm以上であることが好ましく、12nm以上であることがより好ましい。また、シリカBの粒子径は、50nm以下であることが好ましく、25nm以下であることがより好ましい。シリカBの粒子径が10nm未満である場合、充填効果が得られず硬度が低下する傾向がある。一方、シリカBの粒子径が50nmを超える場合、平滑性や光沢感が劣る膜となる傾向がある。
シリカAおよびシリカBは、好適には、溶媒に分散されたコロイダルシリカの状態で調製される。このような分散状態のシリカAおよびシリカBが混合されることにより、シリカ混合物が調製される。本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、シリカAおよびシリカBの粒子径の比(rA/rB)が1.8以上であるため、大粒子である複数のシリカA粒子の間隙を密に埋めるように、小粒子であるシリカB粒子が均一に分散される。その結果、多くのシリカが配合されることとなり、得られる塗膜は硬度が高められやすい。なお、シリカAおよびシリカBを分散するための溶媒としては、水、アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類の単独もしくは混合物等が例示される。
シリカAおよびシリカBの配合割合は特に限定されない。一例を挙げると、シリカAおよびシリカBの配合割合は、0.6:1.0〜10:1であることが好ましく、0.9:1.0〜6:1であることがより好ましい。シリカAおよびシリカBの配合割合が上記範囲内である場合、両シリカ粒子は、シリコーン樹脂組成物中に多く配合されやすい。その結果、得られる塗膜は硬度が高められやすい。
なお、シリコーン樹脂組成物における、シリカAおよびシリカBの合計配合量は特に限定されない。これらシリカAおよびシリカBの合計配合量は、後述するSiO2とRSiO1.5との合計に対するSiO2の配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))を考慮し、適宜決定される。
(T単位シラン化合物)
T単位シラン化合物は、T単位(RSiO1.5単位)を含むシラン化合物であり、上記したシリカAおよびシリカBのシリカ混合物と混合され、硬化されることにより、これらシリカAおよびシリカBを結合するバインダーとして機能する。なお、本実施形態において、RSiO1.5単位中のRは、1価の炭化水素基である。具体的には、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基等である。これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、ハロゲン原子またはその他の基で置換されていてもよい。
T単位シラン化合物としては、トリアルコキシシランであることが好ましい。一例を挙げると、T単位シラン化合物は、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、等が例示される。これらのT単位シラン化合物は1つまたは複数を使用することができる。これらの中でも、常温で液体であり、取り扱い易く、反応性や得られる組成物の硬度が高くなる点から、T単位シラン化合物は、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシランであることが好ましい。
なお、シリコーン樹脂組成物における、T単位シラン化合物の配合量は特に限定されない。T単位シラン化合物の配合量は、後述するSiO2とRSiO1.5との合計に対するSiO2の配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))を考慮し、適宜決定される。
シリコーン樹脂組成物全体の説明に戻り、本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、SiO2とRSiO1.5との合計に対するSiO2の配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))が、モル比で0.5以上であればよく、0.55以上であることが好ましい。また、上記配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))は、0.8以下であればよく、0.75以下であることが好ましい。配合割合の比が0.5未満である場合、上記したシリカAおよびシリカBのシリカ混合物と混合された際に、硬度が高められにくい。一方、配合割合の比が0.8を超える場合、シリコーン樹脂組成物を塗工して得られる塗膜にクラックが発生しやすい。
(任意成分)
本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、適宜、任意成分が配合されてもよい。任意成分としては、溶媒、硬化触媒、紫外線吸収剤、pH調整剤、レベリング剤、顔料、消泡剤、粘性調整剤等が例示される。
溶媒は特に限定されない。一例を挙げると、溶媒は、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチルラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルアミド等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が例示される。
溶媒の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、溶媒の配合量は、シリコーン樹脂組成物中、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。また、溶媒の配合量は、シリコーン樹脂組成物中、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。溶媒の配合量が50質量%未満である場合、樹脂組成物がゲル化する傾向がある。一方、溶媒の配合量が90質量%を超える場合、有効成分が少なく、膜厚を制御することが困難になる傾向がある。なお、本溶媒の配合量は、たとえば使用するシリカ(コロイダルシリカ)に含まれる溶媒も加味した量である。
硬化触媒は特に限定されない。一例を挙げると、硬化触媒は、アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩等である。アルカリ金属塩としては、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が例示される。4級アンモニウム塩としては、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、コリン塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等が例示される。より具体的には、アルカリ金属塩は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウムが例示される。4級アンモニウム塩は、酢酸コリン、酢酸ベンジルトリメチルアンモニウム等が例示される。本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、硬化触媒としてアルカリ金属塩が配合される場合、より高硬度な塗膜が得られ得る。
硬化触媒が配合される場合、配合量は特に限定されない。一例を挙げると、硬化触媒の配合量は、シリコーン樹脂組成物中、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0005質量%以上であることがより好ましい。また、硬化触媒の配合量は、シリコーン樹脂組成物中、0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。硬化触媒の配合量が0.0001質量%未満である場合、添加の効果が発現しない傾向がある。一方、硬化触媒の配合量が0.1質量%を超える場合、早期にゲル化し、使用時間が短くなる傾向がある。
紫外線吸収剤は特に限定されない。一例を挙げると、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル系化合物等である。具体的には、紫外線吸収剤は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、ベンゼンプロパン酸−3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−C7−9側鎖および直鎖アルキルエステル、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、ベンゼンプロパン酸−3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−C7−9側鎖および直鎖アルキルエステル、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、並びに、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン等である。
pH調整剤は特に限定されない。一例を挙げると、pH調整剤は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、アンモニア水、アミン類、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物等である。pH調整剤によって、本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、たとえばpH3.0〜6.0程度に調整される。
レベリング剤は特に限定されない。一例を挙げると、レベリング剤は、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系樹脂等である。
顔料は特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラック等である。
消泡剤は特に限定されない。一例を挙げると、消泡剤は、ミネラルオイル系、シリコーン系、非シリコーン・ポリマー系等である。
粘性調整剤は特に限定されない。一例を挙げると、粘性調整剤は、ウレタン系、アクリル系、セルロース系、ポリカルボン酸系、ポリアマイド系、ポリエチレン系等である。
以上、本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、粒子径の比が1.8以上であるシリカAおよびシリカBを含む。また、シリコーン樹脂組成物は、特定量のT単位シラン化合物を含む。このようなシリコーン樹脂組成物は、配合し得るシリカ(SiO2)の量が増大する。また、シリカAとシリカBとは、T単位シラン化合物によって適切に結合される。その結果、得られる塗膜は、クラックの発生が抑制されつつ、かつ、高硬度となる。
<シリコーン樹脂組成物の製造方法>
本発明の一実施形態のシリコーン樹脂組成物の製造方法は特に限定されない。シリコーン樹脂組成物は、従来公知の方法で製造することができる。一例を挙げると、シリコーン組成物は、適宜溶媒に分散されたシリカAおよびシリカBを混合してシリカ混合物を調製し、次いで、得られたシリカ混合物と、T単位シラン化合物と、適宜の任意成分(溶媒、硬化助剤等)を混合することにより調製し得る。
<塗装物および塗装物の製造方法>
本発明の一実施形態の塗装物は、基材に、上記した実施形態のシリコーン樹脂組成物を含む塗膜が形成された塗装物である。
基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、鉄、ステンレス等の金属、ガラス、セラミックス、各種樹脂材料(たとえばレンズ)等である。また、基材表面に下塗り塗料が別途塗工される場合には、基材は特に限定されない。
塗装物の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、塗装物は、上記した基材に、シリコーン樹脂組成物を塗工し、塗膜を形成することにより作製し得る。塗装方法は特に限定されない。塗装方法は、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法等の公知の方法が採用される。
本実施形態の塗装物における塗膜は、上記したシリコーン樹脂組成物を含んでいるため、従来の塗膜と比べ、より厚く形成される場合であっても、クラックを生じにくく、かつ、高い硬度を示す。一例を挙げると、塗膜の厚みは、10μm以上であってもクラックの発生が抑制される。なお、塗膜の厚みは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、塗膜の厚みは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
塗膜は、塗装された後に硬化されることが好ましい。硬化方法は特に限定されない。一例を挙げると、硬化は、50〜400℃の範囲で10分間〜4時間程度行うことができる。
得られる塗装物の塗膜は、高硬度である。一例を挙げると、得られる塗膜は、JIS K 5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠して、ガラス板にスプレーガンにて塗装した後、180℃で30分間、焼き付け乾燥し、厚み5〜10μmの塗膜を形成した場合に測定される鉛筆硬度が6H以上であり、好ましくは8H以上である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
使用した原料を以下に示す。
<シリカ>
スノーテックスO(二酸化ケイ素、固形分20%(残部は水)、平均粒子径:約12.5nm(10〜15nm)、日産化学工業(株)製)
スノーテックスST−O−40(二酸化ケイ素、固形分40%(残部は水)、平均粒子径:約22.5nm(20〜25nm)、日産化学工業(株)製)
スノーテックスST−OL(二酸化ケイ素、固形分20%(残部は水)、平均粒子径:約45nm(40〜50nm)、日産化学工業(株)製)
スノーテックスST−OZL−35(二酸化ケイ素、固形分35%(残部は水)、平均粒子径:約85nm(70〜100nm)、日産化学工業(株)製)
<T単位シラン化合物>
Z−6366(メチルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニング(株)製)
KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシラン、信越化学工業(株)製)
KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
<溶媒>
ブチルセロソルブ
シクロヘキサノン
プロピレングリコールモノメチルエーテル
イソプロピルアルコール
<硬化助剤>
酢酸ナトリウム
(実施例1)
表1に示される処方に従って、セパラブルフラスコにコロイダルシリカと溶媒を入れ、アンモニア水を添加し、pHを2.5から3.5に調整した。Z−6366を加え、1時間撹拌後、75℃に昇温し、3時間加熱した。冷却後、アンモニア水を滴下し、pHを4.0から5.0に調整し、シリコーン樹脂組成物を得た。
Figure 2017193604
<塗膜外観>
シリコーン樹脂組成物を、ガラス板に、スプレーガンにて塗装した後、180℃で30分間、焼き付け乾燥し、厚み5〜10μmの塗膜を形成した。得られた塗膜の外観を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:異状が見られなかった。
△:光沢が幾らか低下した。
×:クラックが発生したか、または、濁りが生じた。
<鉛筆硬度>
JIS K 5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準拠し、塗膜の鉛筆硬度を引っかき硬度試験用鉛筆(Uni MITSUBISHI、三菱鉛筆(株)製)を用いて評価した。また、10Hは市販品の鉛筆(ハイユニ10H、三菱鉛筆(株)製)を用いて評価した(参考値)。
(実施例2〜13、比較例1〜5)
使用したシリカの種類および配合量を変更した以外は、実施例1と同様の方法に従って、実施例2〜13および比較例1〜5のシリコーン樹脂組成物を作製した。得られたシリコーン組成物について、実施例1と同様に、塗膜外観および鉛筆硬度を評価した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、粒子径の比が1.8以上であるシリカを併用し、SiO2/(SiO2+RSiO1.5)の値が0.5〜0.8となるようT単位シリカを配合した実施例1〜13のシリコーン化合物を用いることにより、得られた塗膜は、クラックが発生せず、かつ、高硬度であった。中でも、硬化助剤を併用した実施例6〜13のシリコーン化合物を用いることにより、得られた塗膜は、クラックが発生せず、かつ、特に高硬度であった。
一方、シリカを併用しなかった比較例1〜4のシリコーン化合物を用いることにより、得られた塗膜は、硬度が低くなった。また、SiO2/(SiO2+RSiO1.5)の値が0.8を超えるようにT単位シリカを少量配合した比較例5のシリコーン化合物を用いることにより、得られた塗膜は、クラックが多く発生し、硬度を測定することができなかった。

Claims (4)

  1. 粒子径の異なるシリカAおよびシリカBと、RSiO1.5単位を含むT単位シラン化合物とを含み、
    前記シリカAと前記シリカBとの粒子径の比(rA/rB)は、1.8以上であり、
    SiO2とRSiO1.5(ただし、Rは1価の炭化水素基または、1価の炭化水素基に反応基が結合した有機官能基である)との合計に対するSiO2の配合割合(SiO2/(SiO2+RSiO1.5))は、モル比で0.5〜0.8である、シリコーン樹脂組成物。
  2. さらに、アルカリ金属塩を含む、請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
  3. 前記シリカBの粒子径は、10〜50nmである、請求項1または2記載のシリコーン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物を含む塗膜が形成された、塗装物。
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