JP2017193518A - ペプチド、希土類元素回収材及び希土類元素回収方法 - Google Patents

ペプチド、希土類元素回収材及び希土類元素回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定種類の希土類元素を効率よく回収できるペプチド、希土類元素回収材、及び希土類元素の回収方法を提供する。【解決手段】特定のアミノ酸配列、または特定のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有するペプチド、及び、ペプチドを含む希土類元素の回収を用途とする希土類元素回収材、並びに希土類元素回収材と、希土類元素を含む液体とを接触させる工程を含む希土類元素回収方法。【選択図】図2

Description

本発明は、ペプチド、希土類元素回収材、及び希土類元素回収方法に関する。
従来より、希土類元素を分離精製する方法として溶媒抽出が行われてきた。溶媒抽出とは、強酸性(低pH)で希土類元素を酸溶液に溶解させ、希土類元素を吸着分離するのに適切な抽出剤を用い、希土類金属が溶媒へ抽出される。さらに、前記と同様の工程を繰り返すことで、希土類元素の純度を上げていく分離精製手段である。
溶媒抽出によって希土類元素を分離する場合には、大量の溶媒及び有機抽出剤を使用する。また、抽出剤の選択性が低いため、目的とする希土類元素を高純度で得るには複雑な工程と繰り返し精製のサイクルが必要となる。このため、環境負荷が高いという問題がある。
そこで、溶媒を用いることなく希土類元素を分離する方法として、選択吸着性のあるペプチドを用いて希土類元素を分離回収する工程が提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1では、希土類を金属選択的に吸着する部位をβシート構造で挟み込んだペプチド構造にすることで、希土類元素を選択的に吸着させ、希土類元素以外の金属を分離することが開示されている。また、特許文献2では、レアメタルを選択的に吸着するペプチド(4本のヘリックスバンドル構造)が開示されている。
特開2014−511449号公報 特開2013−181021号公報
しかし、特許文献1、2に記載の方法では、ペプチドに特定種類の希土類元素(例えばネオジム)を選択的に吸着させることができない。
本発明は上記点に鑑み、特定種類の希土類元素を効率よく回収できるペプチド、希土類元素回収材、及び希土類元素の回収方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のペプチドは、以下の(a)または(b)のいずれかのアミノ酸配列を有する。
(a)配列番号1〜5のいずれかのアミノ酸配列。
(b)配列番号1〜5のいずれかのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
本発明のペプチドを用いれば、特定種類の希土類元素を効率よく回収することができる。
本発明の希土類元素回収材は、上述したペプチドを含み、希土類元素の回収を用途とする。本発明の希土類元素回収材を用いれば、希土類元素を効率よく回収することができる。
本発明の希土類元素回収方法は、上述した希土類元素回収材と、希土類元素を含む液体とを接触させる工程を含むことを特徴とする。本発明の希土類元素の回収方法を用いれば、希土類元素を効率よく回収することができる。
評価装置の全体構成を示す概念図である。 ネオジムの吸着破過曲線を示す図である。 ペプチドNdDP01〜NdDP05のネオジム吸着量を示す図である。 ネオジムおよび鉄の吸着破過曲線を示す図である。
以下、本発明を適用した実施形態について説明する。
〔ペプチド〕
本実施形態のペプチドは、以下の(a)または(b)のいずれかのアミノ酸配列を有する。
(a)配列番号1〜5のいずれかのアミノ酸配列。
(b)配列番号1〜5のいずれかのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
配列番号1のアミノ酸配列は、「Glu Gly His Thr Asp Ala Glu Asp Glu Tyr Glu His(EGHTDAEDEYEH)」である。配列番号2のアミノ酸配列は「Glu Leu Asn Thr Asp Ala Asp Asn Leu Tyr Asn Glu(ELNTDADNLYNE)」である。配列番号3のアミノ酸配列は「Glu Leu Asp Thr Glu Gly Thr Asn Asp Tyr Leu Asp(ELDTEGTNDYLD)」である。配列番号4のアミノ酸配列は「Glu Leu Glu Ala Glu Ala Glu Asn Glu Tyr Leu Glu(ELEAEAENEYLE)」である。配列番号5のアミノ酸配列は「Asp Leu Asp Ala Asp Ala Asp Asn Asp Tyr Leu Glu(DLDADADNDYLE)」である。
本実施形態のペプチドは、特定種類の希土類元素と選択的に結合する特性を有する。ここで、「選択的に結合する」とは、本実施形態のペプチドが、特定種類の希土類元素(例えばネオジム)に対し、特定種類の希土類元素以外の所定の元素(例えば鉄等)よりも相対的に結合しやすいことを意味する。換言すれば、本実施形態のペプチドが、必ずしも特定種類の希土類元素以外の元素と全く結合しないことを意味するものではない。
希土類元素は、周期表において、ランタン(原子番号57)からルテチウム(原子番号71)までの15元素のランタノイド、及びスカンジウム、イットリウムの総称である。本実施形態のペプチドは、特にネオジムと選択的に結合する性質を有する。このため、本実施形態のペプチドは、ネオジムを回収する用途に好適に用いることができる。
本実施形態のペプチドは、上記(a)、(b)のアミノ酸配列のみから構成されていてもよく、さらに他のアミノ酸配列も有していてもよい。また、本実施形態のペプチドは、上記(a)、(b)のアミノ酸配列を複数回繰り返したアミノ酸配列を有していてもよい。
本明細書において、ペプチドとは、2個以上のアミノ酸がペプチド結合によって結合したものを意味し、結合するアミノ酸の数は適宜設定できる。よって、本実施形態のペプチドは、ポリペプチドであってもよい。ただし、ペプチドにおけるアミノ酸の数(残基数)は、6〜48の範囲が好ましい。この範囲内であることにより、希土類元素を回収する効果が一層高くなる。
本実施形態のペプチドにおけるC末端は特に限定されず、例えば、カルボキシ基、カルボキシレート、アミド、及びエステルのいずれであってもよい。
本実施形態のペプチドは塩を形成していてもよい。その塩としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の酸との塩でもよく、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との塩でもよく、ルミニウムの水酸化物又は炭酸塩との塩でもよく、トリエチルアミン、ベンジルアミン、ジエタノールアミン、t−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アルギニンとの塩でもよい。
上記配列番号1〜5のアミノ酸配列は、本出願人が特開2016−47810号公報で開示した配列番号1のアミノ酸配列「Gly Leu His Thr Ser Ala Thr Asn Leu Tyr Leu His(GLHTSATNLYLH)」からなるペプチドをテンプレートとして作製することができる。このテンプレートペプチドに含まれるアミノ酸を置換することで、本実施形態の配列番号1〜5のアミノ酸配列を得ることができる。
本実施形態のペプチドは、周知の方法で合成できる。その合成方法としては、例えば、Fmoc基やBoc基を使うペプチド固相合成法(Solid-phase peptide synthesis、SPPS)、液相合成法(liquid-phase peptide synthesis、LPPS)、無細胞蛋白質合成系 (Cell-free protein synthesis system)を用いた合成法、バクテリア発現系を用いた合成法等が挙げられる。
本実施形態のペプチドの構造は、以下の指針に基づいて設計されている。
HSAB(Hard and Soft Acid and Bases)によれば、希土類元素イオンは硬い酸であり、硬い塩基との有用な結合が考えられる。例えば、カルボキシル基(−COOH)を多く含む硬い塩基のキレート剤(例えばEDTA、DTPA)は、ネオジムイオン(Nd3+)と安定錯体を形成する。このため、アミノ酸のうち、硬い塩基となるカルボキシ基を有するアスパラギン酸(Asp,D)およびグルタミン酸(Glu,E)が他のアミノ酸よりも希土類元素イオンとの結合に有用であると考えられる。
また、ネオジムイオンは9配位であり、配位子と6配位を形成し、水分子と3配位を形成する。このため、本実施形態のペプチドには、ネオジムイオンと配位可能な6個のカルボキシ基を有するアミノ酸が含まれていることが望ましい(参考文献:S. Cotton, Coordination Chemistry of the Lanthanides, in Lanthanide and Actinide Chemistry, John Wiley and Sons, Ltd., West Sussex, p.42-43 (2006))。
また、本実施形態のペプチドは、EFハンドループのアミノ酸配列に基づく。EFハンドは、ヘリックス・ループ・ヘリックス構造であり、中央のループ領域にカルシウムイオン(Ca2+)が配位することが知られている(参考文献:F. Friedberg, Calcium binding protein families: The 'E-F Hand' family, Biochem. Edu 16(1) (1988).)。ループ領域は、カルシウム結合に関与する12アミノ酸残基程度の配列からなり、その配列には一定の規則性があることが知られている。
カルシウムイオンのイオン半径(0.99Å)は、希土類元素イオンのイオン半径(例えばネオジムイオンは0.98Å)に近いことから、本実施形態のペプチドをEFハンドループのアミノ酸配列に基づいて設計することで、希土類元素との結合性を向上させることができると考えられる。
上述した事項を考慮して、本発明者等は、アミノ酸配列が以下の特徴を備えることでネオジムイオンとの結合性を向上させることができることを見いだした。すなわち、アミノ酸残基数12のアミノ酸配列において、1、3、5、7、9、12番目のアミノ酸がカルボキシル基を有するアスパラギン酸(Asp,D)およびグルタミン酸(Glu,E)のいずれかとし、1、3、5、7、9、12番目以外のアミノ酸、すなわち2、4、6、8、10、11番目のアミノ酸がアラニン(Ala,A)、ロイシン(Leu,L)、グルタミン酸(Glu,E)、テンプレートペプチド由来のアミノ酸のいずれかとする。テンプレートペプチド由来のアミノ酸は、2番目がロイシン(Leu,L)、4番目がトレオニン(Thr,T)、6番目がアラニン(Ala,A)、8番目がアスパラギン(Asn,N)、10番目がチロシン(Tyr,Y)、11番目がロイシン(Leu,L)である。
上記特徴を備えるアミノ酸配列を最終目的パターンとして、テンプレートペプチドに含まれるアミノ酸を置換することで、配列番号1〜5のアミノ酸配列をそれぞれ得ることができる。なお、配列番号4、5のアミノ酸配列が最終目的パターンのアミノ酸配列に相当する。
ここで、テンプレートペプチドを用いて本実施形態の配列番号1〜5のアミノ酸配列を作製する手順について説明する。
テンプレートペプチドに対し、酸性アミノ酸を増加させることで、配列番号1のアミノ酸配列を得ることができる。酸性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp,D)およびグルタミン酸(Glu,E)である。配列番号1のアミノ酸に対し、酸性アミノ酸およびアスパラギン(Asn,N)を増加させることで、配列番号2のアミノ酸配列を得ることができる。配列番号1のアミノ酸に対し、酸性アミノ酸を増加させ、ヒスチジン(His,H)を減少させることで、配列番号3のアミノ酸配列を得ることができる。配列番号3のアミノ酸に対し、酸性アミノ酸を増加させ、二次構造になりやすいアミノ酸を増加させることで、配列番号4、5のアミノ酸配列を得ることが想定される。上述したアミノ酸に対し、二次構造になりやすいアミノ酸は、グルタミン酸(Glu,E)、ロイシン(Leu,L)およびアラニン(Ala,A)である。ただし、これらのアミノ酸は、必ずしも二次構造になるとは限らない。
〔希土類元素回収材〕
本実施形態の希土類元素回収材は、上述したペプチドを含む。希土類元素回収材は、希土類元素(特にネオジム)の回収を用途とする。希土類元素回収材は、上述したペプチドから成るもの(例えば、ペプチド以外の構成を実質的に含まないもの)であってもよいし、さらにペプチド以外の構成を含んでいてもよい。
本実施形態の希土類元素回収材は、例えば、ペプチドを担持する固相担体を含んでいてもよい。固相担体の材料は適宜選択でき、例えば、ガラス、シリカ、ベンナイト等の無機物質、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子物質、アガロースゲル、デキストランゲル、セルロース等の不溶性多糖、紙等が挙げられる。
また、固相担体の形状は適宜選択でき、例えば、中空管状、球状、粒子状、棒状、シート状、板状、箱状等とすることができる。ペプチドを固相担体に担持する方法は、公知の方法から適宜選択することができ、例えば、共有結合、物理的吸着、イオン結合を介して担持することができる。
本実施形態の希土類元素回収材は、例えば、コート蛋白質におけるN末端又はLys側鎖に上述したペプチドが結合したファージ(Phage)を含むことができる。ファージ(バクテリオファージ)とは、細菌に感染して増殖するウイルスの総称である。ファージは、核酸をコート蛋白質の殻でつつんだ構造を有する。
ファージとしては、公知のファージの中から適宜選択することができ、例えば、M13ファージ等を用いることができる。ファージのコート蛋白質におけるN末端又はLys側鎖に上述したペプチドを結合する方法は、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、アミノ基(−NH2)とカルボキシ基(−COOH)との脱水縮合反応又はアミンカップリング反応を利用する方法を用いることができる。
この方法においては、まず、WSC (Water soluble carbodiimide)を用いて、上述したペプチドを常温で1時間静置し、ペプチドのカルボキシ基を活性させる。そして、野生株M13ファージのコート蛋白質における−NH2(N末端又はLys側鎖)と、ペプチドのカルボキシ基とにカップリング反応を生じさせる。その結果、ファージのコート蛋白質におけるN末端又はLys側鎖に上述したペプチドが結合する。また、ファージの遺伝子を組み換えることにより、ファージのコート蛋白質が、その一部として上述したペプチドを備えるようにしてもよい。
〔希土類元素の回収方法〕
本実施形態の希土類元素の回収方法は、上述した希土類元素回収材と、希土類元素を含む液体とを接触させる工程を含む。この工程において、希土類元素回収材(特に、希土類元素回収材に含まれるペプチド)は希土類元素と結合する。
希土類元素と結合した希土類元素回収材は、例えば、遠心分離、濾過等の方法で、液体から取り出すことができる。その後、例えば、希土類元素回収材を焼却する、あるいは、希土類元素を希土類元素回収材から解離させる等の方法で、希土類元素を回収することができる。
希土類元素(例えばネオジム)を含む液体は、例えば、希土類元素のイオンを含むことができる。希土類元素を含む液体は、希土類元素のみを含んでいてもよいし、希土類元素に加えて他の元素を含んでいてもよい。また、希土類元素を含む液体には、固形物(例えば粒子)が分散していてもよい。
希土類元素回収材と、希土類元素を含む液体とを接触させる工程の態様は、適宜選択できる。例えば、希土類元素を含む液体に、希土類元素回収材を投入することができる。また、希土類元素を含む液体を、希土類元素回収材に滴下してもよい。
また、希土類元素回収材が、固相担体と、それに担持されたペプチドとから成る場合、その希土類元素回収材を充填したカラムに、希土類元素を含む液体を注入してもよい。このとき、液体に含まれていた希土類元素は、カラム中の希土類元素回収材に結合する。一方、液体の成分のうち、ペプチドを結合しにくい成分は、カラムを通過する。その結果、液体中に含まれていた希土類元素を回収することができる。
本実施形態の希土類元素の回収方法は、希土類元素を含む液体にキレート剤を加える工程を含むことが好ましい。その場合、希土類元素回収材が希土類元素と選択的に結合する特性が一層顕著になる。キレート剤としては、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸、エデト酸)、NTA(ニトリロ三酢酸ナトリウム)、IDA(イミノ二酢酸)等が挙げられる。キレート剤を液体に加えるタイミングは、希土類元素回収材と液体とを接触させる工程の前であってもよいし、同時であってもよいし、後であってもよい。液体におけるキレート剤の濃度は、例えば、液体における希土類元素の濃度と同等以上とすることができる。
(実施例1)
実施例1では、配列番号1〜5のアミノ酸配列からなるペプチドを用い、ネオジムの吸着性能を測定した。なお、配列番号1〜5のアミノ酸配列からなるペプチドをそれぞれNdDP01〜NdDP05とも称する。
図1に示すように、実施例1では、容器1、ポンプ2、カラム3、フラクションコレクター4を備える評価装置を用いた。
容器1には、ネオジムイオンを含む溶液が収容されている。溶液は、水を媒体とする液体であり、ネオジムイオンは、Nd(NO33・6H2O(和光純薬工業株式会社)を用いた。溶液中のネオジム濃度は、5mg/Lとした。
溶液には、緩衝剤としてPIPES(ピペラジン−N,N′−ビス(2−エタンスルホン酸)、株式会社同仁化学研究所)を10mM(=mmol/L)を調整し、pHを5.7に調整した。さらに溶液には、NaNO3(和光純薬工業株式会社)を0.3mMを調整した。
ポンプ2は、容器1の溶液をカラム3に送出する装置である。ポンプ2は、溶液を所定の流速でカラム3に流すことができる。
カラム3は、リガンド固定化用カップリングカラム「HiTrap NHS-activated HP columns(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)」を用いた。カラム3には、希土類元素回収材として、固相担体のアガロースゲルにペプチドNdDP01〜NdDP05をそれぞれ担持させた。具体的には、N−ヒドロキシコハク酸イミドで修飾されたアガロースにアミンカップリング反応によってペプチドを担持させた。固相担体へのペプチド固定量は、1グラム当たり0.4〜1.0μmolとした。また、カラム3の体積は1mLである。
上述した評価装置を用い、ポンプ2にて溶液を流速4〜5mL/hでカラム3に連続的に流し、フラクションコレクター4で30分毎にサンプリングした。溶液の温度は20〜27℃とした。
評価装置では、カラム3を通過する前後の溶液中のネオジム濃度を測定した。ネオジム濃度は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP/AES)により測定した。ネオジム濃度の測定には、ICP発光分析装置「ICPS−7510(株式会社島津製作所)」を用いた。測定間隔は30分とした。なお、カラム3を通過する前のネオジム濃度Ciを初期濃度Ciともいい、カラム3を通過した後のネオジム濃度Ctを吸着後濃度Ctともいう。
図2は、ネオジムの吸着破過曲線を示している。縦軸は吸着質分率であり、横軸は吸着時間である。吸着質分率は、吸着後濃度Ct/初期濃度Ciである。図2では、ペプチドを固定しないカラム3を用いた場合のネオジムの吸着破過曲線を比較例として示している。
溶液中のネオジムがペプチドですべて吸着されている状態では、吸着後濃度Ctがゼロになり、Ct/Ci=0となる。ペプチドのネオジム吸着量が低下すると、吸着後濃度Ctが増加し、Ct/Ci>0となる。ペプチドでのネオジム吸着量が上限に到達して飽和状態になると、吸着後濃度Ct=初期濃度Ciとなり、Ct/Ci=1となる。
図2に示すように、ペプチドを用いない比較例では、ネオジム吸着能力が有効でなく、すぐに飽和状態に達している。これに対し、ペプチドNdDP01〜NdDP05を固定させたカラム3を用いた場合には、Ct/Ci=0となっている時間が長く(2〜4.5時間)、ネオジム吸着能力が高くなっている。
カラム3を通過する前後のネオジム濃度の差(Ci−Ct)に基づいて、ペプチドNdDP01〜NdDP05が飽和状態になるまでのネオジム吸着量を算出することができる。ペプチドNdDP01〜NdDP05によるネオジム吸着量q(mg/g)は、以下の数式(1)によって算出することができる。
Figure 2017193518
wtpepはペプチド量(mg)である。vは測定対象の溶液量(mL)である。実施例1では30分毎にサンプリングを行っているので、vは2.5mL程度となる。Ciはカラム通過前のネオジム濃度(μg/mL)である。Ctはカラム通過後のネオジム濃度(μg/mL)である。
図3は、数式2で算出したペプチドNdDP01〜NdDP05のネオジム吸着量qを示している。図3に示すように、ペプチドNdDP01〜NdDP05のネオジム吸着量は、NdDP02<NdDP01<NdDP3<NdDP04<NdDP05の順となっている。
(実施例2)
実施例2では、溶液として、ネオジムイオンおよび鉄イオンが含まれた混合溶液を用いた。溶液中のネオジム濃度は5mg/Lとし、溶液中の鉄濃度は15mg/Lとした。さらに溶液には、EDTAを添加している。溶液のpHは5.6に調整した。
実施例2では、実施例1と同様の評価装置を用い、ポンプ2にて溶液を流速4.7mL/hでカラム3に連続的に流し、フラクションコレクター4で30分毎にサンプリングした。カラム3には、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドNdDP04を固定した。
図4は、ネオジムおよび鉄の吸着破過曲線を示している。図4では、ペプチドを固定しないカラム3を用いた場合のネオジムおよび鉄の吸着破過曲線を比較例として示している。
図4に示すように、ペプチドを固定しない比較例では、ネオジム吸着能力および鉄吸着能力が有効でなく、すぐに飽和状態に達している。また、ペプチドNdDP04を固定させたカラム3を用いた場合においても、鉄の吸着破過曲線は比較例とほぼ同一となっており、すぐに飽和状態に達している。
これに対し、ペプチドNdDP04を固定させたカラム3を用いた場合のネオジム濃度は、Ct/Ci=0となっている時間が長く(2.5時間)、ネオジム吸着能力が高くなっている。
実施例2によれば、ペプチドNdDP04を固定させたカラム3を用いることで、ネオジムおよび鉄の混合溶液からネオジムを選択的に吸着させることができた。
また、実施例2では、ネオジムおよび鉄の混合溶液にEDTAを添加している。ネオジムイオンよりも鉄イオンの方がEDTAとより安定な錯体を形成する。このため、鉄イオンとネオジムイオンが存在する場合には、鉄イオンの方が優先的にEDTAと錯体を形成する。イオンの状態で存在するネオジムは、カラム3のペプチドで吸着され、EDTAと錯体を形成している鉄は、ペプチドで吸着されることなく、カラム3を通過することとなる。この結果、ペプチドによるネオジムの選択性を向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
(1)ペプチドNdDP01〜NdDP05の代わりに、配列番号1〜5のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列から成るペプチドを用いてもよい。
(2)ネオジムを吸着した希土類元素回収材を焼却して、ネオジムを単独で、又は、ネオジム酸化物として回収してもよい。

Claims (5)

  1. 以下の(a)または(b)のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド。
    (a)配列番号1〜5のいずれかのアミノ酸配列。
    (b)配列番号1〜5のいずれかのアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列。
  2. 請求項1に記載のペプチドを含み、希土類元素の回収を用途とする希土類元素回収材。
  3. 前記希土類元素がネオジムである請求項1に記載の希土類元素回収材。
  4. 請求項2または3に記載の希土類元素回収材と、希土類元素を含む液体とを接触させる工程を含む希土類元素回収方法。
  5. 前記液体にキレート剤を加える工程を含む請求項4に記載の希土類元素回収方法。
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