JP2017191307A - 投写システム、プロジェクター及びプロジェクターの制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この構成により、投写システムでは、第1のプロジェクターが投写した識別画像を撮像部により撮像させ、撮像された識別画像に基づいて第1のプロジェクターの識別情報を取得するとともに、撮像画像における識別画像の位置に基づいて第2の画像に対する第1の画像の位置を判別する。これにより、投写システムでは、複数のプロジェクターから投写される画像の位置関係を容易に判別することができる。
この構成により、投写システムでは、第1の投写部の投写範囲の周縁部に識別画像が表示されるように第1の投写部に識別画像を投写させる。これにより、投写システムでは、撮像部の撮像範囲がさほど広くない場合でも、撮像部により識別画像を撮像することができる。
この構成により、投写システムでは、撮像された識別画像に基づいて接続情報を取得し、第2の通信部は、第2の制御部により取得した接続情報に基づいて第1の通信部に接続して通信を行う。これにより、投写システムでは通信を行うことができる。
この構成により、投写システムでは、プロジェクターのアドレスを変更する。これにより、投写システムではアドレスを変更することができる。
この構成により、プロジェクターでは、撮像された識別画像に基づいて他のプロジェクターの識別情報を取得するとともに、撮像画像における識別画像の位置に基づいて第3の画像に対する他のプロジェクターから投写される第4の画像の位置を判別する。これにより、プロジェクターでは、複数のプロジェクターから投写される画像の位置関係を容易に判別することができる。
この構成により、プロジェクターの制御方法では、撮像された識別画像に基づいて他のプロジェクターの識別情報を取得するとともに、撮像画像における識別画像の位置に基づいて第3の画像に対する他のプロジェクターから投写される第4の画像の位置を判別する。これにより、プロジェクターの制御方法では、複数のプロジェクターから投写される画像の位置関係を容易に判別することができる。
本発明の実施形態について図面を参照して高光束プロジェクターのタイリングにおける一連の動作を詳細に説明する。
プロジェクターを設置する業者は事前に設計した設置図面に従って、足場を組みプロジェクターを設置する。設置するプロジェクターの台数に制限は無いが、本実施形態の説明では3台のプロジェクターを左右に並べて設置する場合を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る投写システム1の概略的な構成の一例を示す図である。投写システム1は、プロジェクターPJ1と、プロジェクターPJ2と、プロジェクターPJ3とを有している。以降の説明において、これらプロジェクターPJ1、プロジェクターPJ2及びプロジェクターPJ3を区別しない場合には、プロジェクターPJと総称する。
プロジェクターPJは、投写面2(以下、スクリーンと記載する)に対して画像を投写する。スクリーンは、プロジェクターPJから投写された画像を映す。
プロジェクターPJ1、プロジェクターPJ2及びプロジェクターPJ3は、投写画像の一部同士が重なり合うように投写調整される。図1に示す一例の場合、プロジェクターPJ1が投写する投写画像の領域PA1の右端部分と、プロジェクターPJ2が投写する投写画像の領域PA2の左端部分とが重なり合うように投写調整されている。また、プロジェクターPJ2が投写する投写画像の領域PA2の右端部分と、プロジェクターPJ3が投写する投写画像の領域PA3の左端部分とが重なり合うように投写調整されている。以下、投写画像の領域PA1と、投写画像の領域PA2と、投写画像の領域PA3とを区別しない場合には、投写画像の領域PAと記載する。
なお、図1の例では、3台のプロジェクターを並べた構成を図示しているが、2台又は4台以上のプロジェクターで投写システム1を構成してもよい。また、プロジェクターの並べ方は、左右方向に限定されず、上下方向であってもよいし、上下左右方向にマトリクス状に配置された構成としてもよい。
次に、図2を参照してプロジェクターPJの構成について説明する。図2は、プロジェクターPJの構成の一例を示すブロック図である。
プロジェクターPJは、制御部10と、投写部20と、撮像部30と、操作検出部40と、入力部60と、画像変更部70と、通信部80と、異常検出部90と、遮光装置91と、距離測定部21と、画像入力部11とを有する。
制御部10は、操作検出部40、通信部80、画像入力部11、遮光装置91、投写部20、異常検出部90、撮像部30、距離測定部21、算出部50及び画像変更部70と接続される。
投写部20は、制御部10から投写画像が供給される。投写部20は、供給された投写画像をスクリーンに投写する。具体的には、図1に示すように、プロジェクターPJ1が有する投写部20は、投写画像の領域PA1に画像を投写する。プロジェクターPJ2が有する投写部20は、投写画像の領域PA2に画像を投写する。プロジェクターPJ3が有する投写部20は、投写画像の領域PA3に画像を投写する。
また、投写部20には、投写に用いるランプなどの光源(不図示)と、光源から射出された光を変調して画像を形成する液晶パネルなどの光変調装置(不図示)と、形成された画像を投写する投写レンズ(不図示)などを備えている。
撮像部30は、投写部20がスクリーンに投写する投写画像を含む領域を撮像する。撮像部30は、撮像した画像を制御部10に供給する。具体的には、図1に示すように、プロジェクターPJ1が有する撮像部30は、投写画像の領域PA1を含む撮像範囲CA1を撮像する。プロジェクターPJ2が有する撮像部30は、投写画像の領域PA2を含む撮像範囲CA2を撮像する。プロジェクターPJ3が有する撮像部30は、投写画像の領域PA3を含む撮像範囲CA3を撮像する。撮像範囲CA1と、撮像範囲CA2と、撮像範囲CA3とを組み合わせた撮像範囲が、撮像範囲CAである。
操作検出部40は、撮像部30が撮像する撮像画像から指定操作を検出する。操作検出部40は、検出した指定操作を制御部10に供給する。指定操作とは、ユーザーがプロジェクターPJの投写画像表示範囲を指定する操作のことである。
算出部50は、スクリーンにおける投写画像表示範囲のサイズを算出する。算出部50は、算出した投写画像表示範囲のサイズを制御部10に供給する。制御部10は、投写画像表示範囲のサイズを、プロジェクターPJから投写させる。
入力部60は、ユーザーからのプロジェクターPJの投写画像表示範囲の入力を受け付ける。入力部60は、入力された投写画像表示範囲を画像変更部70に供給する。
画像変更部70は、入力部60から供給された投写画像表示範囲を示す枠画像を変更する。画像変更部70は、変更した枠画像を制御部10に供給する。
通信部80は、他のプロジェクターが有する通信部80と接続される。
異常検出部90は、プロジェクターの異常を検出する。異常検出部90は、検出した異常を制御部10に供給する。例えば、異常検出部90は、画像入力部11から入力される信号や、投写部20に備えられているランプの電圧など、プロジェクターが正常に稼働するために必要な機能を監視している。異常検出部90は、プロジェクターが正常に稼働できない異常を検出すると、制御部10に検出した異常を供給する。
遮光装置91は、投写部20と接続される。遮光装置91は、投写部20から投写される投写画像を遮蔽するシャッター(不図示)を備えている。
画像入力部11には、投写される画像がプロジェクターの外部から入力される。画像入力部11は、入力された画像を制御部10に供給する。
距離測定部21は、自身のプロジェクターPJと、スクリーンとの距離を測定する。距離測定部21は、測定した距離を制御部10に供給する。
各プロジェクターPJは、上述した各部を持つ。
重複投写領域OAと、重複投写領域OA以外の領域との輝度が等しくなるように、各プロジェクターPJは、投写画像の輝度を調整する。これにより、プロジェクターPJは、投写画像に重複部分が存在しても、統一された輝度の投写画像をスクリーンに投写することができる。
後述する手順で、ユーザーは設置されたプロジェクターの台数を気にすることなく、容易にタイリングされた投写画面を得ることができる。以下、その手順について説明する。
本実施形態では、各プロジェクターPJが有する通信部80を介して、無線LAN(Local Area Network)によって接続する。各プロジェクターPJが有する通信部80は、有線LAN接続やUSB(Universal Serial Bus)接続など、他の接続方法によって各プロジェクターPJが有する通信部80と接続してもよい。
投写システム1におけるその他のプロジェクターは電源投入時点から、自身の通信部80を用いて情報を発信する。発信される情報には自身のプロジェクター名及び自身に設定されているIP(Internet Protocol)アドレスなどが含まれている。
メインプロジェクターは、投写システム1における他のプロジェクターから発信される情報を通信部80にて受信する(ステップS101)。メインプロジェクターは、受信した情報から、他のプロジェクターのプロジェクター名と、IPアドレスとが互いに関連付けられているリストを作成する(ステップS102)。
リストには、ステータスと、プロジェクター名と、IPアドレスの情報とが互いに関連付けられて記録されている。具体的には、リストには、ステータス情報として”1”と、プロジェクター名情報として”A”と、IPアドレス情報として”0:0:0:1”とが、互いに関連付けられて記憶されている。さらに、リストには、ステータス情報として”2”と、プロジェクター名情報として”B”と、IPアドレス情報として”0:0:0:90”とが、互いに関連付けられて記憶されている。さらに、リストには、ステータス情報として”3”と、プロジェクター名情報として”C”と、IPアドレス情報として”0:0:0:40”とが、互いに関連付けられて記憶されている。さらに、リストには、ステータス情報として”4”と、プロジェクター名情報として”D”と、IPアドレス情報として”0:0:0:20”とが、互いに関連付けられて記憶されている。さらに、リストには、ステータス情報として”5”と、プロジェクター名情報として”E”と、IPアドレス情報として”0:0:0:70”とが、互いに関連付けられて記憶されている。
上述したリストは、パーソナルコンピューターを、メインプロジェクターに接続し、パーソナルコンピューターによって読み出すことにより、確認することが可能である。なお、メインプロジェクターがプロジェクターPJに対して、上述したリストを投写画像としてスクリーン上に投写させてもよい。
まず、最初にプロジェクターPJの設定動作を行う。投写システム1の全てのプロジェクターPJは、レンズシフト量、ズーム比などをリセットし、調整用画像を投写する。プロジェクターPJの電源投入時に、設定動作を行うようにしてもよい。
その後、投写システム1の各々のプロジェクターPJは、各々のプロジェクターPJが有する撮像部30によって投写画像を撮像する。そして、重複投写領域OAの重複量を検出する。重複投写領域OAが生じていない場合には、投写画像の重複投写領域OAが生じていないプロジェクターが「画像が重なっていません。画像が重なるようにプロジェクターの位置を調整してください」などの情報を投写する。つまり、重複投写領域OAが生じていないプロジェクターは、投写画像が重なるようにプロジェクターを移動するようユーザーに促す。
なお、一般的に、重複投写領域OAは、プロジェクターの投写画像の領域PAの横幅の10%程度の長さが最適と言われている。重複投写領域OAが少ないプロジェクターは「画像の重なり量が少ないので、**cm動かしてください」などの情報を投写することで、ユーザーに最適な重複投写領域OAを確保するようユーザーに促す。
この例では、複数のプロジェクターが左右に一列に並んでおり、左端のプロジェクターをメインプロジェクターとする。検出開始時点ではメインプロジェクターには、各プロジェクターの並び順がどうなっているのかについては情報がない。
メインプロジェクターは、接続すべきプロジェクターの台数を認識する。台数の認識は、リストにより把握できる。図4に示す一例では、接続すべきプロジェクターは5台である。また、プロジェクターリストに示したように、各プロジェクターには、ステータスとして番号が割り当てられている。なお、リストにないメインプロジェクターには、0が割り当てられる。
なお、先程の例はプロジェクターPJのシャッターの開閉にて隣のプロジェクターの有無を検出したが、検出手法はこれに限られない。例えば、レンズシフト機能を用いて画像を左右もしくは上下に移動させることで隣のプロジェクターを検出してもよいし、投写画像を拡大もしくは縮小することで検出してもよい。つまり、プロジェクターPJが投写する投写画像の範囲を移動させ、重複投写領域OAに他のプロジェクターからの投写画像が映り込むか否かをメインプロジェクターが検出することによって、隣のプロジェクターPJを検出してもよい。このように、メインプロジェクターは、順次プロジェクターの投写画像を移動させ、重複投写領域OAに映り込むか否かを検出することで、各々のプロジェクターPJの順番を検出するようにしてもよい。
次に、図6を参照して、プロジェクターの情報を埋め込んだQRコード(登録商標)(以下、識別画像DCと記載する)を用いて、投写システム1のプロジェクターPJがどの順番に並んでいるか検出する方法の一例について説明する。
プロジェクターPJは、自身の情報(プロジェクター名やIPアドレスなど)を埋め込んだ識別画像DCを保有している。プロジェクターPJは保有している識別画像DCを、投写部20から投写する。識別画像DCは、投写画像のうち右端の上側や下側、もしくは、投写画像のうち左端の上側や下側に投写されるように設定されている。つまり、識別画像DCは、重複投写領域OAとなる投写画像の領域の周縁部に投写される。識別画像DCは、投写画像の領域の周縁部に複数投写されてもよいし、1つだけ投写されてもよい。
図6では、左端のプロジェクターPJ1がメインプロジェクターである。メインプロジェクターは識別画像DCを投写しない。プロジェクターPJ2が有する制御部10は、投写画像の領域PA2の左下である重複投写領域OA1の下側に識別画像DC1を投写する。プロジェクターPJ3が有する制御部10は、投写画像の領域PA3の左下である重複投写領域OA2の下側に識別画像DC2を投写する。
メインプロジェクターが有する制御部10は、識別画像DCが右側にあると認識した場合には、認識したプロジェクターをN=1と設定する。メインプロジェクターが有する制御部10は通信部80を介して、N=1と設定したプロジェクターに対して、識別画像DCの投写を停止させる指示を出す。メインプロジェクターが有する制御部10は通信部80を介して、N=1と設定したプロジェクターが有する撮像部30を利用して、重複投写領域OAに投写される識別画像DCの読み取りを実行させる。メインプロジェクターが有する制御部10は、N=1に設定されたプロジェクターが識別画像DCの読み取りを実施できた場合には、通信部80を介して、識別画像DCから取り込んだプロジェクター情報を取得し、このプロジェクター情報に基づいて、識別画像DCによって特定されるプロジェクターと接続する。メインプロジェクターが有する制御部10は通信部80を介して、識別画像DCによって特定されるプロジェクターをN=2と設定する。また、メインプロジェクターが有する制御部10は通信部80を介して、N=2と設定したプロジェクターに対して、識別画像DCの投写を停止させる指示を出す。メインプロジェクターは、以降同様の処理を他の全てのプロジェクターに対して、順次行わせる。
全ての処理が完了したら、メインプロジェクターは、Nの小さい順にリストを作成する。メインプロジェクターは、Nの小さい順にリストを作成することで、プロジェクターPJの並び順を特定することができる。
新たに作成されたリストに基づいて、メインプロジェクターが、他のプロジェクターのIPアドレスを振り直す。これにより、投写システム1が使用するプロジェクターPJを一群とすることができる。また、IPアドレスの重複をなくすことができる。そして、全てのプロジェクターPJは、調整画像を投写する。
なお、識別画像DCは、QRコード(登録商標)に限られず、例えば、バーコードや他の識別コードを用いてもよい。
さらに、識別画像DCが重複投写領域OAに投写されるため、メインプロジェクターは、プロジェクターPJの並び順を検出することができる。
この場合は、パーソナルコンピューターとプロジェクターPJとが接続される。パーソナルコンピューターは、プロジェクターPJのうち1台をメインプロジェクターに相当するプロジェクターとして指定する。パーソナルコンピューターは、メインプロジェクターに相当するプロジェクターを制御することで、上述した機能を実現する。
第1実施形態に係る投写システムの一例では、第1のプロジェクター(第1実施形態の一例では、他のプロジェクター)及び第2のプロジェクター(第1実施形態の一例では、メインプロジェクター)を含む複数のプロジェクター(第1実施形態の一例では、プロジェクターPJ)により画像(第1実施形態の一例では、投写画像)を並べて投写する投写システム(第1実施形態の一例では、投写システム1)であって、第1のプロジェクターは、第1の画像(第1実施形態の一例では、他のプロジェクターから投写される投写画像)を投写する第1の投写部(第1実施形態の一例では、他のプロジェクターが有する投写部20)と、第1の投写部に、識別情報を含む識別画像(第1実施形態の一例では、識別画像DC)を投写させる第1の制御部(第1実施形態の一例では、他のプロジェクターが有する制御部10)と、を有し、第2のプロジェクターは、第2の画像(第1実施形態の一例では、メインプロジェクターから投写される投写画像)を投写する第2の投写部(第1実施形態の一例では、メインプロジェクターが有する投写部20)と、第2の投写部の投写範囲を含む範囲(第1実施形態の一例では、メインプロジェクターが有する投写部20が投写する投写画像の領域PA)を撮像して撮像画像を生成する撮像部(第1実施形態の一例では、撮像部30)と、第1のプロジェクターが投写した識別画像を撮像部により撮像させ、撮像された識別画像に基づいて第1のプロジェクターの識別情報を取得するとともに、撮像画像における識別画像の位置に基づいて第2の画像に対する第1の画像の位置を判別する第2の制御部(第1実施形態の一例では、メインプロジェクターが有する制御部10)と、を有する。
次に、投写システム1に含まれるプロジェクターPJは、投写画像サイズの調整を行う。投写画像サイズの調整は、予めスクリーン上にスクリーン枠を指定しておき、ユーザーが予め指定されたスクリーン枠に収まるようにプロジェクターPJを移動させるなどして、合わせこむ処理を行わせるのが一般的である。しかし、実際の現場に設置されるスクリーンは巨大であり、ユーザーがスクリーン枠を設置することが困難である。もしくは、予めスクリーン枠を作り込んでおくことも考えられるが、スクリーン枠にプロジェクターPJからの投写画像が収まった後に、スクリーン枠を取り外す作業が発生するため、これも余分な手間がかかってしまい困難である。また、プロジェクションマッピングなどはスクリーン枠を取り付けること自体ができないため、試行錯誤的に投写位置の調整を繰り返す必要がある。そこで、投写システム1では、ユーザーが大まかなスクリーンサイズを指定することで、概略の投写画像サイズを合わせこみ、そののち微調整を行う。
まず、各々のプロジェクターが有する撮像部30によって、投写画像を撮像する。各々のプロジェクターは、撮像された投写画像の中心を算出する。投写画像の中心はパネル中心であり光軸中心でもある。次に、メインプロジェクターは、他の各プロジェクターが算出した投写画像の中心データを順番に取得する。メインプロジェクターは、取得した投写画像の中心データのリストを作成する。
以降、中央に位置するプロジェクターをメインプロジェクターとし、メインプロジェクターの中心データを、高さ基準として説明する。メインプロジェクターの投写画像の中心座標PC2がxy座標における座標(a,b)である。メインプロジェクターの左側のプロジェクターの投写画像の中心座標PC1がxy座標における座標(c,d)である。メインプロジェクターの右側のプロジェクターの投写画像の中心座標PC3がxy座標における座標(e,f)である。メインプロジェクターの左右のプロジェクターから投写される投写画像の中心は、中心座標PC2の高さ方向の座標である”b”と、ずれがあるため高さを合わせる補正を行う。メインプロジェクターの左側のプロジェクターは、補正データ(b−d)だけ投写画像をy軸方向のプラス側に上げる。メインプロジェクターの右側のプロジェクターは、補正データ(f−b)だけ投写する画像をy軸方向のマイナス側に下げる補正を行う。高さを合わせる補正の方法は、プロジェクターPJが有する投写部20のレンズシフト機能を利用して投写位置の補正を行う。なお、補正データ量がレンズシフト範囲を超えている場合には補正データ量が超えたプロジェクターが「レンズシフト補正量を超えています。プロジェクター本体の高さ調整を行ってください」と、スクリーンに投写する。ユーザーは、プロジェクター本体の高さ調整を行う。プロジェクターは、ユーザーがプロジェクター本体の高さ調整を終えた後に、再度投写位置の補正を実行する。
水平線HLの両端は、重複投写領域OAに映り込むように描かれている。この為、メインプロジェクターは、プロジェクターPJが有する撮像部30によってスクリーンを撮像し、撮像画像を解析することによって水平線HLのずれの量に基づいて補正データを算出する。
メインプロジェクターが、他のプロジェクターに対して、投写画像の中心データを算出するよう指令する(ステップS301)。メインプロジェクターが、リストの配列順に投写画像の中心データを取得する(ステップS302)。メインプロジェクターが、投写画像の中心データのリストを作成し、変数Nを1に設定する(ステップS303)。メインプロジェクターは、自身の投写画像中心座標を基準として、リスト上のN番目プロジェクターの高さ座標と比較し、差分をとることで補正データを算出する(ステップS304)。メインプロジェクターは、N番目のプロジェクターのレンズシフト範囲と、補正データとを比較する(ステップS305)。N番目のプロジェクターの補正データがレンズシフト範囲よりも大きい場合、N番目のプロジェクターは「レンズシフト範囲を超えています。本体での高さ調整を実施してください」と、エラー画面を投写する(ステップS306)。高さ調整の後、メインプロジェクターが、N番目のプロジェクターに投写画像の中心データを再度算出させ、これを取得してリストを更新する(ステップS307)。メインプロジェクターは、ステップS304からステップS307の処理を、補正データがレンズシフト範囲よりも小さくなるまで繰り返す。メインプロジェクターは、補正データがレンズシフト範囲よりも小さくなる場合、N番目のプロジェクターを、補正データ分だけレンズシフトすることにより補正する(ステップS308)。メインプロジェクターは、全てのプロジェクターで補正が済んだか否か、つまり、Nの値が、他のプロジェクターの総数と同一であるか調べる(ステップS309)。メインプロジェクターは、Nの値が他のプロジェクターの総数と同一でなければ、変数Nをインクリメント(N=N+1、すなわちNを1増加)して(ステップS310)、リストの次のプロジェクターの補正を実行する。メインプロジェクターは、自身の投写画像の高さと、他の全てのプロジェクターの投写画像の高さが一致するまで、ステップS304からステップS309を繰り返す。メインプロジェクターはステップS309において、全てのプロジェクターの高さ調整が終了していれば、各プロジェクターの画像の高さを合わせこむ処理を終了する。
なお、リモコンは光を投写しなくてもよい。ユーザーはリモコンを用いて、対応するプロジェクターPJに対して指定したい座標を入力するようにしてもよい。プロジェクターPJは、ユーザーから座標を指定された場合、指定された座標に対して印を合成した投写画像を投写してもよい。
ユーザーがポインターを利用し、最低2点を指し示すことでスクリーンサイズを調整する機能とは、プロジェクターPJが投写する領域を、ユーザーがポインターを用いて指示することで、プロジェクターPJが設定インチ数を表示する機能である。ユーザーがポインターを用いて指示することを指定操作と呼ぶ。
プロジェクターPJが、スクリーンサイズ設定機能に遷移すると、プロジェクターPJは「スクリーンサイズとしたい左上端および右下端をポインターで設定してください」と投写する。ユーザーはプロジェクターPJに付属のリモコンを利用して、投写したい領域の左上端及び右下端を指定する。投写したい領域の左上端とは、図11に示す座標(g,h)のことである。また、投写したい領域の右下端とは、図11に示す座標(i,j)のことである。
メインプロジェクターが有する操作検出部40は、ユーザーが投写したい領域の左上端又は右下端が指定されたと認識すると、プロジェクターPJが有する撮像部30によって投写画像を撮像する。具体的には、メインプロジェクターは、左上端又は右下端が指定される度に、プロジェクターPJが有する撮像部30によって投写画像を順次撮像させ、順次撮像画像を受信する。そして、メインプロジェクターが撮像した画像に画像合成を行う。メインプロジェクターは、画像合成を行う際には重複投写領域OAに着目し、重複投写領域OAが合致するように合成を進めることによって1枚の画像を構成する。
メインプロジェクターが有する制御部10は、撮像画像を合成した1枚の画像から、ユーザーがリモコンによって示した投写したい領域の左上端及び右下端位置を認識する。メインプロジェクターは、他のプロジェクターと協働して、指定された領域を囲む枠(投写サイズ枠FS)を投写する。
次に、メインプロジェクターは、仮スクリーンサイズを算出する。
まず、各々のプロジェクターPJは、スクリーンまでの距離(投写距離)を距離測定部21により測定する。本実施例では、投写距離データ、プロジェクター自身のデータ及び投写レンズのデータを下記の通りとする。
プロジェクター自身のデータとして、pnを液晶パネルの横幅、aを投写レンズから液晶パネルまでの距離とする。投写レンズから得るデータとして、fnを投写レンズの焦点距離(ズーム値)、プロジェクターPJが計測して得るデータとして、Lnを投写距離とする。
まず、プロジェクターPJは、投写画像の横方向のサイズを算出する。
各々のプロジェクターにおける倍率をmnとすると、倍率mnは、式(1)によって求めることができる。なお、式(1)に示されるnは整数であり、プロジェクターに割り振られた番号である。
重複投写領域OAの横サイズは0.1X2によって示される。
左端の投写画像の横サイズは、式(3)によって示される。
投写画像の縦サイズYは、式(6)によって示される。
メインプロジェクターが有する制御部10は通信部80を介して、変換した合成画像座標データを各プロジェクターPJに送信することで、各プロジェクターPJの座標をシステム座標としての合成画像座標に変換する。座標変換が完了した後、プロジェクターPJは算出したインチ数を合成した画像を投写する。これにより、ユーザーは仮スクリーンサイズを把握することができる。また、各プロジェクターの座標系を合わせることができるため、プロジェクターPJは、投写したいスクリーン枠画像(以下、単に投写サイズ枠と記載する)を投写することが可能である。
対象のプロジェクターを表す変数をMとする。変数Mの初期値は1である。メインプロジェクターは、リスト内のM番目のプロジェクターの撮像画像を取得する(ステップS401)。メインプロジェクターは、M番目のプロジェクターが撮像した撮像画像を重複投写領域OAが合致するように合成する(ステップS402)。メインプロジェクターは、他の全てのプロジェクターが撮像した撮像画像を合成したかを判断する(ステップS403)。メインプロジェクターは、他の全てのプロジェクターが撮像した撮像画像との合成が終わっていなければ、変数Mをインクリメント(M=M+1、すなわちMを1増加)し(ステップS404)、次のプロジェクターの撮像画像の取得、合成を行う。メインプロジェクターは、ステップS401からステップS403を、全ての他のプロジェクターが撮像した撮像画像を合成するまで繰り返し行う。ステップS403において、全ての他のプロジェクターが撮像した撮像画像の合成が完了した場合、メインプロジェクターは、各プロジェクターが算出した投写画像の横サイズと、重複投写領域OAデータとを受信する(ステップS405)。メインプロジェクターが有する算出部50は、合成した撮像画像から投写画像の縦サイズ及び横サイズを算出する(ステップS406)。メインプロジェクターが有する算出部50は、算出した縦サイズ及び横サイズに基づいて、プロジェクターPJの座標をシステム座標に変換する(ステップS407)。メインプロジェクターは、システム座標を他のプロジェクターPJに送信する(ステップS408)。メインプロジェクターが有する算出部50は、仮スクリーンサイズを算出する(ステップS409)。プロジェクターPJは、合成画像とスクリーンサイズとを投写する(ステップS410)。
ユーザーが指定操作を行うことで所望のスクリーンサイズを得ることができればよいが、実際には仮に得たスクリーンサイズの微調整を行いたいことがある。そこで、プロジェクターPJは、スクリーンサイズを表示した後に、サイズ微調整モードに移行する。
図13に示すように、プロジェクターPJは「スクリーンサイズの微調整を実行しますか?」と投写して、ユーザーに問い合わせを行う。ユーザーが微調整を実行する旨を選択した場合には、プロジェクターPJは微調整モードに入る。ユーザーが微調整を実行しない旨を選択した場合には、プロジェクターPJは、先に提示したスクリーンサイズを表示するスクリーンサイズとして決定する。そして、プロジェクターPJはタイリングモードへと移行する。
本実施形態では、投写画像のアスペクト比が事前に決定されている場合の説明をしている。アスペクト比を変更したい場合には、ユーザーがメインプロジェクターのメニュー画面からアスペクト比変更を選択することで、アスペクト比を切り替えることができる。本実施形態では、ユーザーがメインプロジェクターのメニュー画面からアスペクト比を設定せずに、現在のインチ数の比率を元にして調整するパターンと、アスペクト比を利用して調整するパターンとを説明する。
ユーザーによって入力されたインチ数をRSとする。仮スクリーンサイズは縦Y、横Xであるので、元の比率を保つには縦Y、横Xともに同じ倍率aを乗算すればよい。このため、メインプロジェクターは、この倍率aを算出すればよい。
希望するインチサイズと、縦Yおよび横Xから、倍率aは、式(8)及び式(9)によって算出される。
メインプロジェクターが有する画像変更部70は、メインプロジェクターが有する算出部50によって算出される変更後の投写サイズに基づいて、投写サイズ枠FSを変更する。画像変更部70は、変更後の投写サイズ枠FCを制御部10に供給する。
プロジェクターPJは、変更前の投写サイズ枠FSと、変更後の投写サイズ枠FCとを投写する。メインプロジェクターPJは、ユーザーに対して、変更後の投写サイズを投写画像サイズとして、設定してよいかどうかの確認を行う。ユーザーは変更後の投写サイズの設定でよければ、設定してよい旨を選択する。メインプロジェクターは、投写サイズの設定を、変更後の投写サイズにする。ユーザーは変更後の投写サイズの設定がよくなければ、設定してはならない旨を選択する。メインプロジェクターは、ユーザーが設定してはならない旨を選択した場合、再度、投写サイズの設定を実行する。
なお、この例では図15に示すような、投写画像の左下端BLPを基準にして投写サイズを変更したが、図11に示す投写画像中心座標(a,b)を基準にして上下左右均等に投写サイズを拡大してもよい。投写サイズを変更する基準は、投写画像範囲内であればよく、上述した投写画像の左下端BLPや投写画像中心座標に限られない。
メインプロジェクターは、メインプロジェクターが有する入力部60を介して、ユーザーが希望する投写サイズを取得する(ステップS501)。メインプロジェクターが有する算出部50は、ユーザーが希望する投写サイズから、投写サイズの縦及び投写サイズの横の長さの倍率を算出する(ステップS502)。メインプロジェクターが有する制御部10は、投写サイズの左上端座標及び右下端座標を更新する(ステップS503)。メインプロジェクターが有する画像変更部70は、算出部50が算出した結果に基づいて変更前の投写サイズ枠FSを、変更後の投写サイズ枠FCに変更する(ステップS504)。メインプロジェクターは、他のプロジェクターと協働して、変更前の投写サイズ枠FSと、ユーザーが希望する変更後の投写サイズ枠FCとを投写する(ステップS505)。メインプロジェクターは、ユーザーに対して変更後の投写サイズに設定してよいかの確認を行う。ユーザーが変更後の投写サイズに設定しない旨(NO)を選択した場合、メインプロジェクターは、ステップS501からやりなおす。ユーザーが変更後の投写サイズに設定する旨(YES)を選択した場合、メインプロジェクターは、投写サイズを更新し、投写サイズ変更を終了する(ステップS506)。
設定すべき投写サイズの縦の長さ及び投写サイズの横の長さを、それぞれ以下の通りとする。
設定すべき横の長さ:X+α
設定すべき縦の長さ:Y+β
ユーザーが希望する投写サイズのインチ数と、設定すべき縦の長さY+β及び設定すべき横の長さX+αから、投写画像のインチサイズは、式(10)によって算出できる。
その後、メインプロジェクターは、変更前の投写サイズ枠FSと、変更後の投写サイズ枠FCとを投写する。メインプロジェクターは、ユーザーに対して、変更後の投写サイズを用いて投写サイズを設定してもよいかどうかの確認を行う。ユーザーは、投写サイズの設定がよければ、変更後の投写サイズによって設定する旨を選択する。メインプロジェクターは投写画像の範囲を、変更後の投写サイズに確定する。ユーザーは、投写サイズの設定がよくなければ、設定しない旨を選択する。メインプロジェクターは、ユーザーが設定しない旨を選択した場合、再度、投写サイズの設定を実行する。
なお、上述した投写サイズ枠FS及び変更後の投写サイズ枠FCは、投写画像の範囲の境界が判る画像であれば何でもよく、枠画像に限られない。
上述した説明で、ユーザーが所望する投写サイズが決定できるので、プロジェクターPJは、投写画像を投写サイズに収める補正を実施する。投写画像を投写サイズに収める補正にはどの様な手段を用いてもよい。例えば、既知の手段を用いてもよい。
また、プロジェクターPJは、重複投写領域OAをブレンディングし、投写画像のムラ等をなくす処理も同時に実行する。投写画像のムラをなくす処理はどの様な手段を用いてもよい。例えば、公知の処理を用いてもよい。
また、メインプロジェクターの代わりに、パーソナルコンピューターを用いてプロジェクターPJを制御してもよい。この場合は、パーソナルコンピューターとプロジェクターPJとが接続される。パーソナルコンピューターは、プロジェクターPJのうち1台をメインプロジェクターに相当するプロジェクターとして指定する。パーソナルコンピューターは、メインプロジェクターに相当するプロジェクターを制御することで、上述した機能を実現する
第2実施形態に係る投写システムの一例では、複数のプロジェクター(第2実施形態の一例では、プロジェクターPJ)と制御装置(第2実施形態の一例では、メインプロジェクター)とを含み、複数のプロジェクターにより画像を並べて投写する投写システム(第2実施形態の一例では、投写システム1)であって、複数のプロジェクターのそれぞれは、投写面(第2実施形態の一例では、スクリーン)に画像(第2実施形態の一例では、投写画像)を投写する投写部(第2実施形態の一例では、プロジェクターPJがそれぞれ有する投写部20)と、投写部の投写範囲(第2実施形態の一例では、投写画像の範囲)を含む範囲を撮像して撮像画像を生成する撮像部(第2実施形態の一例では、プロジェクターPJがそれぞれ有する撮像部30)と、撮像画像に基づいて、投写面になされた複数のプロジェクターによる画像表示範囲を指定する指定操作を検出する操作検出部(第2実施形態の一例では、操作検出部40)と、を有し、制御装置は、複数のプロジェクターの操作検出部が検出した指定操作に基づいて画像表示範囲を決定する制御部(第2実施形態の一例では、制御部10)を有する。
ここまでは、プロジェクターPJがタイリングされた画像を投写する準備について説明した。次に、本実施形態が有するバックアップ機能について説明する。
実際の現場では、プロジェクターPJのランプ切れによる投写画像消滅のトラブルが発生することがある。また、実際の現場では、プロジェクターPJの機器故障により投写画像が乱れるトラブルが発生することがある。
そこで、本実施形態では、図17に示すように、投写システム1には、第1のプロジェクターMPJ一式に加えてバックアップ用である第2のプロジェクターPPJ一式も準備している。第1のプロジェクターMPJ一式とは、具体的には、第1のプロジェクターMPJ1から第1のプロジェクターMPJnのプロジェクターが含まれる。第2のプロジェクターPPJ一式とは、具体的には、第2のプロジェクターPPJ1から第1のプロジェクターPPJnのプロジェクターが含まれる。nは1以上の整数である。第1のプロジェクターMPJ一式及び、第2のプロジェクターPPJ一式には、n台のプロジェクターが含まれる。
第1の投写プロジェクターMPJは、設置台Bの上に配置されている。第1の投写プロジェクターMPJは、投写画像範囲MPAの範囲を投写する。第2のプロジェクターPPJは、第1の投写プロジェクターMPJに対して上部に設置されている。第2のプロジェクターPPJは、投写画像範囲PPAの範囲を投写する。投写画像範囲MPAと、投写画像範囲PPAとは互いに同じ範囲に対して投写している。
第1のプロジェクターMPJに機器トラブルが発生した場合、ユーザーは機器トラブルが発生したプロジェクターの上部、もしくは下部に設置しているバックアップ用プロジェクターPPJのシャッターを素早く手動で開けることにより、機器トラブルに対処している。しかし、プロジェクターのランプはいつ切れるかわからないため、ユーザーにとってランプ切れの対応は、非常に負荷が重いものである。
そのため、第2のプロジェクターPPJは、ランプを点灯し、第1のプロジェクターMPJと同じ画像を投写可能な状態を維持しつつ、遮光装置91によってシャッターを閉めた状態で待機する。第2のプロジェクターPPJは、第1のプロジェクターMPJに機器トラブルが発生した場合に、遮光装置91によってシャッターを開放することで、即座に投写画像を投写できるようにしている。
例えば、第1のプロジェクターMPJのそれぞれに、バックアップ用である第2のプロジェクターPPJが配置されている。具体的には、第1のプロジェクターMPJ1と同じ位置に投写画像を投写する第2のプロジェクターPPJ1が準備されている。さらに、第1のプロジェクターMPJ2と同じ位置に投写画像を投写する第2のプロジェクターPPJ2が準備されている。なお、第1のプロジェクターMPJと第2のプロジェクターPPJとが、同じ位置に投写画像を投写するように配置されていればよく、プロジェクターの台数は2つに限られない。
第1のプロジェクターMPJが有する異常検出部90は、これら非常リストテーブルに設定されている異常を自動的に検出し、バックアップ用である第2のプロジェクターPPJを動かす。こうすることで、ユーザーが常に非常事態のために待機している必要がなくなり、瞬時にバックアップ用である第2のプロジェクターPPJから画像を投写することができる。
第1の方法は、個々に設置された第1のプロジェクターMPJの1台1台のトラブルに、対となる第2のプロジェクターPPJが1台1台対応する方法である。具体的には、第1のプロジェクターMPJ1と対となる第2のプロジェクターPPJ1とを接続する。第1のプロジェクターMPJ1が有する異常検出部90が異常を検出した場合、第1のプロジェクターMPJ1が、第2のプロジェクターPPJ1に対して、非常信号を送信するように構成すればよい。第2のプロジェクターPPJ1が有する通信部80は、非常信号を受信すると、遮光装置91によって自身のシャッターを開き、スクリーンに対して投写する。不具合が発生した第1のプロジェクターMPJ1は、投写を中止する。投写を中止するには、不具合が発生した第1のプロジェクターMPJ1が有する遮光装置91によって自身のシャッターを閉じてもよいし、自身の稼働を停止してもよい。
このように、第1の方法では、異常が生じたプロジェクターのみを切り替えるため、制御が単純で済むという利点がある。
このように、第2の方法では、第1のプロジェクターMPJに含まれるプロジェクターと第2のプロジェクターPPJに含まれるプロジェクターとが同時にスクリーンに画像を投写することがないため、複数のプロジェクター間で位置や色調等の微調整を行う際には、第1のプロジェクターMPJに含まれるプロジェクター間での微調整と、第2のプロジェクターPPJに含まれるプロジェクター間での微調整とを行うだけで済むという利点がある。
なお、遮光装置91は、プロジェクターPJの外部に設けられても良い。その場合、遮光装置91は、メインプロジェクターが有する通信部80と接続する。第1のプロジェクターMPJにトラブルが発生する前には、遮光装置91は第2のプロジェクターPPJの投写画像を遮光する。遮光装置91は、メインプロジェクターから非常信号を受信すると、第2のプロジェクターPPJへの遮光を止める。さらに、遮光装置91は、トラブルが発生した第1のプロジェクターMPJの投写画像を遮光する。
なお、メインプロジェクターの代わりに、パーソナルコンピューターを用いてプロジェクターPJを制御してもよい。この場合は、パーソナルコンピューターと第1のプロジェクターMPJとが接続される。パーソナルコンピューターは、第1のプロジェクターMPJのうち1台をメインプロジェクターに相当するプロジェクターとして指定する。パーソナルコンピューターは、メインプロジェクターに相当するプロジェクターを制御することで、上述した機能を実現する。
また、パーソナルコンピューターは、プロジェクターPJの外部に設けられた遮光装置91とも接続されてもよい。第1のプロジェクターMPJが有する異常検出部90が異常を検出した場合、パーソナルコンピューターは、第2のプロジェクターPPJへの遮光を止める。また、パーソナルコンピューターは、第1のプロジェクターMPJの投写画像を遮光する。
第3実施形態に係る投写システムの一例では、第1のプロジェクター(第3実施形態の一例では、第1のプロジェクターMPJ)と、第2のプロジェクター(第3実施形態の一例では、第2のプロジェクターPPJに含まれる、第1のプロジェクターMPJと対となる第2のプロジェクターPPJ)と、第1の遮光装置(第3実施形態の一例では、第2のプロジェクターPPJがそれぞれ有する遮光装置91)と、これらを制御する制御装置(第3実施形態の一例では、メインプロジェクター)と、を含む投写システム(第3実施形態の一例では、投写システム1)であって、第1のプロジェクターは、投写面(第3実施形態の一例では、スクリーン)に第1の画像信号(第3実施形態の一例では、第1のプロジェクターMPJ及び第2のプロジェクターPPJがそれぞれ有する画像入力部11に、それぞれ入力される映像信号)に基づく第1の画像(第3実施形態の一例では、第1のプロジェクターMPJから投写される投写画像)を投写する第1の投写部(第3実施形態の一例では、第1のプロジェクターMPJがそれぞれ有する投写部20)と、第1のプロジェクターに生じた異常を検出する異常検出部(第3実施形態の一例では、第1のプロジェクターMPJがそれぞれ有する異常検出部90)と、を有し、第2のプロジェクターは、投写面に第1の画像信号に基づく第2の画像を投写する第2の投写部(第3実施形態の一例では、第2のプロジェクターPPJがそれぞれ有する投写部20)を有し、第2の画像を投写面の第1の画像と同じ位置に投写可能に配置され、第1の遮光装置は、第2の投写部から投写面に第2の画像を投写させる投写状態と、第2の投写部から投写面への第2の画像の投写を遮る遮光状態とを切り替え可能であり、制御装置は、第1のプロジェクターから投写面に第1の画像が投写され、第2のプロジェクターからの第2の画像の投写が第1の遮光装置によって遮られている状態において、異常検出部が第1のプロジェクターの異常を検出した場合には、第1の遮光装置を投写状態に切り替えて、第2の画像を投写面に投写させる。
図19は、3×3のマトリクス状に配列された9台のプロジェクターPJから画像が投写された様子を示す説明図である。
例えば、図19に破線で示した左上の隅の投写画像の領域PA1に画像を投写するプロジェクターPJをメインプロジェクターとする場合、メインプロジェクター以外のプロジェクターPJは、自身の投写画像の左上の隅の重複投写領域OAに識別画像DCを表示すればよい。具体的には、投写画像の領域PA2に投写するプロジェクターPJは、識別画像DC3を投写する。投写画像の領域PA3に投写するプロジェクターPJは、識別画像DC4を投写する。同様に、投写画像の領域PA4から投写画像の領域PA9までに投写する複数のプロジェクターPJは、識別画像DC5から識別画像DC10までを、それぞれ投写する。
図20は、プロジェクターPJが重複投写領域OAに投写する識別画像DCの位置の一例を示す図である。
図20に示すように、投写画像の四隅のうちの1つの隅と、この隅に対向する2つの辺の中央部(隅以外の部位)との合計3か所(図20の例では、投写画像の左上の隅と、右辺の中央部と、下辺の中央部との3か所)に識別画像DCを表示するようにすれば、メインプロジェクターの位置に拘らず、プロジェクターPJの並び順を検出することが可能である。具体的には、メインプロジェクター以外のプロジェクターPJは、それぞれの投写画像の領域PAの四隅のうちの1つの隅に識別画像DC11を投写し、この隅に対向する2つの辺の中央部に識別画像DC12及び識別画像DC13を投写する。なお、識別画像DCが投写される3か所の位置は、上述した投写画像の左上の隅と、右辺の中央部と、下辺の中央部との組み合わせの3か所に限られず、他の組み合わせが用いられてもよい。識別画像DCは、他のプロジェクターPJが投写する識別画像DCと重複しない位置に投写されればよい。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (6)
- 第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターを含む複数のプロジェクターにより画像を並べて投写する投写システムであって、
前記第1のプロジェクターは、
第1の画像を投写する第1の投写部と、
前記第1の投写部に、識別情報を含む識別画像を投写させる第1の制御部と、を有し、
前記第2のプロジェクターは、
第2の画像を投写する第2の投写部と、
前記第2の投写部の投写範囲を含む範囲を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
前記第1のプロジェクターが投写した前記識別画像を前記撮像部により撮像させ、撮像された前記識別画像に基づいて前記第1のプロジェクターの前記識別情報を取得するとともに、前記撮像画像における前記識別画像の位置に基づいて前記第2の画像に対する前記第1の画像の位置を判別する第2の制御部と、を有する、
投写システム。 - 前記第1の制御部は、前記第1の投写部の投写範囲の周縁部に前記識別画像が表示されるように前記第1の投写部に前記識別画像を投写させる、
請求項1に記載の投写システム。 - 前記第1のプロジェクターは、第1の通信部を有し、
前記第2のプロジェクターは、第2の通信部を有し、
前記識別画像には、前記第1のプロジェクターに接続するための接続情報が含まれており、
前記第2の制御部は、撮像された前記識別画像に基づいて前記接続情報を取得し、
前記第2の通信部は、前記第2の制御部により取得した前記接続情報に基づいて前記第1の通信部に接続して通信を行う、
請求項1又は2に記載の投写システム。 - 前記第2のプロジェクターは、前記第1のプロジェクターのアドレスを変更するアドレス変更部を有する、
請求項3に記載の投写システム。 - 第3の画像を投写する投写部と、
前記投写部の投写範囲を含む範囲を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
自プロジェクターとともに画像を並べて投写する他のプロジェクターが投写した識別情報を含む識別画像を前記撮像部により撮像させ、撮像された前記識別画像に基づいて前記他のプロジェクターの前記識別情報を取得するとともに、前記撮像画像における前記識別画像の位置に基づいて前記第3の画像に対する前記他のプロジェクターから投写される第4の画像の位置を判別する制御部と、を有する、
プロジェクター。 - 第3の画像を投写する投写部と、前記投写部の投写範囲を含む範囲を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、を有するプロジェクターを制御するプロジェクターの制御方法であって、
前記プロジェクターとともに画像を並べて投写する他のプロジェクターが投写した識別情報を含む識別画像を前記撮像部により撮像させ、撮像された前記識別画像に基づいて前記他のプロジェクターの前記識別情報を取得するとともに、前記撮像画像における前記識別画像の位置に基づいて前記第3の画像に対する前記他のプロジェクターから投写される第4の画像の位置を判別する、
プロジェクターの制御方法。
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